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【発明の名称】 車両における負荷依存発電システムの運転方法
【発明者】 【氏名】クラオス カイルホーファー

【氏名】ヘルムート ローレンツ

【要約】 【課題】車両における負荷依存発電システムの運転方法の動的動作をさらに発展させ改善する。

【解決手段】本発明は車両における少なくとも1つの電気駆動モータに電気エネルギーを供給する負荷依存発電システムを運転するための方法に関するものであり、性能設定値が加速ペダルの位置から電気駆動モータのために決定され、電力要求が駆動モータへのトルク要求の前に発電システムに対して行なわれ、そして性能設定値を計算するために加速ペダルの動きが追加的に使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 性能設定値(P)が加速ペダルの位置から電気駆動モータ(2)のために決定され、電力要求が電気駆動モータ(2)へのトルク要求の前に負荷依存発電システム(1)に対して行なわれる、車両における少なくとも1つの電気駆動モータ(2)に電気エネルギーを供給する負荷依存発電システム(1)を運転するための方法であって、性能設定値(P)を計算するために加速ペダルの動きが追加的に使用されることを特徴とする方法。
【請求項2】 所与の時間における電気駆動モータ(2)の回転速度(not)と所与の時間における電気駆動モータ(2)の設定トルク(Msetp)が、性能設定値(P)を計算するために追加的に使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】 電気駆動モータ(2)の予測回転速度(npred)が、加速ペダルの動きおよび/または加速ペダル位置および所与の時間における電気駆動モータ(2)の回転速度(nMot)から作られ、電気駆動モータ(2)の予測設定トルク(Mpred)が、加速ペダルの動きおよび/または加速ペダル位置および所与の時間における電気駆動モータ(2)の設定トルク(Msetp)から作られること、および性能設定値(P)が、予測回転速度(npred)と予測設定トルク(Mpred)から対応特性線図を使用して決定されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】 発電システム(1)の予測電圧(Upred)が性能設定値(P)から作られ、電力設定値(Isetp)は性能設定値(P)と発電システム(1)の予測電圧(Upred)から決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】 電力補正値(ΔI)が電気駆動モータ(2)のトルク設定値(Msetp)の動力学から追加的に決定され、発電システム(1)の電力設定値(Isetp)と合計されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】 所与の時間における電気駆動モータ(2)の電力ドレイン(IMot)が決定されて、設定値として制御ループの比較点(10)に給電され、発電システムによって得られる電力(Iact)が決定されて、実測値として制御ループの比較点(10)に給電され、比較点(10)は、所与の時間における電気駆動モータ(2)の電力ドレイン(IMot)と発電システム(1)によって得られた電力(Iact)との差を形成し、差が正のときには、発電システム(1)の電力設定値(Isetp)は第1制御装置(7)によって増加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】 差が正のときには、電気駆動モータ(2)のトルク設定値(Msetp)は第2制御装置(9)によって減少されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】 上流に接続された一次の遅延素子(8)を伴うPコントローラが第1制御装置(7)として使用されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】 PIコントローラが第2制御装置(9)として使用されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】 第2制御装置(9)のパラメータが所与の時間における電気駆動モータの回転速度(nMot)に依存することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】 燃料電池システムが発電システム(1)として使用されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1の前提部分に記載の車両における負荷依存発電システムの運転方法、即ち、性能設定値が加速ペダルの位置から電気駆動モータのために決定され、電力要求が電気駆動モータへのトルク要求の前に負荷依存発電システムに対して行なわれる、車両における少なくとも1つの電気駆動モータに電気エネルギーを供給する負荷依存発電システムを運転するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】EP0633157B1は、電気駆動モータを有する車両における燃料電池ユニットの性能を動的に制御するための一般形式の方法を開示している。この場合には、燃料電池ユニットの性能設定値が加速ペダル位置から決定される。燃料電池ユニットの性能は、燃料電池ユニットに供給されるオキシダントの質量流量を制御することによって制御される。電気駆動モータが燃料電池ユニットからこれが所与の時間に供給できる以上の性能を要求することを防止するために、電気駆動モータには、実際のオキシダント質量流量から決定される修正された性能設定値が供給される。
【0003】DE19541575C2は、負荷依存発電システムのための、特に燃料電池システムのための電力設定値を決定するための方法を開示している。この場合には、電気駆動モータのモータ列の電流に関する設定値は加速ペダル位置に基づいて決定される。発電システムのための性能設定値は、電気駆動モータのモータ列電流の設定値から生成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冒頭に記載の方法の動的動作をさらに発展させ改善するという目的に基づくものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的は、請求項1に記載の特徴、即ち、性能設定値を計算するために加速ペダルの動きが追加的に使用されることにより達成される。
【0006】本発明の利点は、加速ペダルの動き/位置の評価が性能設定値の予測計算を可能にし、したがって要求される性能と発電システムの増強または抑制との間の時間遅延を架橋することができることである。予測的に計算された将来の性能を早期に要求する結果、発電システムは駆動電流を発生するためのより多くの時間を有し、電気駆動モータは、運転者が望む性能レベルにより速くより動的に到達することができる。加速ペダルの動きを考慮することは、加速ペダル位置のみを使用する方法と比較して動力学における改善に通じる。
【0007】もちろん、上述しまた下に述べることになる特徴を、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ与えられた組合せによるのみならず、他の組合せまたは単独で使用することもできる。
【0008】本発明のさらなる利点と改良点は、さらに別の請求項と説明から明らかになる。即ち、所与の時間における電気駆動モータの回転速度と所与の時間における電気駆動モータの設定トルクは、性能設定値を計算するために追加的に使用される。電気駆動モータの予測回転速度は、加速ペダルの動きおよび/または加速ペダル位置および所与の時間における電気駆動モータの回転速度から作られ、電気駆動モータの予測設定トルクは、加速ペダルの動きおよび/または加速ペダル位置および所与の時間における電気駆動モータの設定トルクから作られ、および性能設定値は、予測回転速度と予測設定トルクから対応特性線図を使用して決定される。発電システムの予測電圧は性能設定値から作られ、電力設定値は性能設定値と発電システムの予測電圧から決定される。電力補正値は電気駆動モータのトルク設定値の動力学から追加的に決定され、発電システムの電力設定値と合計される。所与の時間における電気駆動モータの電力ドレインが決定されて、設定値として制御ループの比較点に給電され、発電システムによって得られる電力が決定されて、実測値として制御ループの比較点に給電され、比較点は、所与の時間における電気駆動モータの電力ドレインと発電システムによって得られた電力との差を形成し、差が正のときには、発電システムの電力設定値は第1制御装置によって増加される。差が正のときには、電気駆動モータのトルク設定値は第2制御装置によって減少される。上流に接続された一次の遅延素子を伴うPコントローラは第1制御装置として使用される。PIコントローラは第2制御装置として使用される。第2制御装置のパラメータは所与の時間における電気駆動モータの回転速度に依存する。発電システムとして燃料電池システムが使用される。
【0009】本発明を、添付の図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】負荷依存発電システムを運転するための本発明による方法を、図1を参照して以下に説明する。発電システムは、特に大きく変化する性能要件を伴って使用するために、特に車両における使用のために適している。発電システム1は、車両における電気駆動モータ2とさらに別の電気的負荷(図示せず)にエネルギーを供給する。発電システム1は燃料電池システムであることが好ましい。ブロック3では、電気駆動モータ2の予測回転速度npredと予測設定トルクMpreが、加速ペダルの動き、特に加速ペダルの角加速度、および加速ペダルの位置FP、所与の時間における電気駆動モータ2の回転速度nMot、および所与の時間における電気駆動モータ2の設定トルクMsetpから生成される。FPは加速ペダルの位置と加速ペダルの動きを示す。次にブロック5では、電気駆動モータ2の性能設定値Pが、予測回転速度npredと予測設定トルクMpredから特性線図を参照して決定される。ブロック6では、発電システム1の予測電圧Upredが、さらに別の特性線図を使用して性能設定値Pから生成される。次に発電システム1の予測電力設定値Isetpが、性能設定値Pを予測電圧Upredで割ることによって得られる。
【0011】システムの最大動力学を利用するために、発電システム1への電力要求が、電気駆動モータ2への性能またはトルク要求の前に行われる。この結果、発電システムの発電増強時間を架橋することができる。加速ペダルの動きと加速ペダルの位置との数学的評価の結果として、電力要求を予測的に計算することができる。速度と加速ペダル行程の範囲との両方が評価において考慮される。例えば、加速ペダルを急速に押し下げて一定の加速ペダル位置からスタートする場合には、相応の高い性能と相応の動力が要求される。しかし、これが全負荷運転またはこの近くにおいて起る場合には、要求される追加性能は発電システムの最大利用可能性能によって制限され、したがってこれが考慮される。
【0012】発電システム1の電圧Upredを予測的に計算する結果、電力設定点Isetpの計算の動力学と精度は大幅に改善される。さらなる利点は、予測電圧Uredの計算が、故障を含めてフィードバックされる発電システム1の測定された電圧に取って代わることである。
【0013】所与の時間における電気駆動モータの回転速度nMotと設定トルクMsetを考慮することにより、発電システムの電力要求Isetpをすみやかに計算することができ、これは運転者の要求による電気駆動モータの所与の時間における状態と将来の状態との間の連続的移行を保証する。この結果、車両の安定運転特性が得られる。
【0014】さらにブロック4では、電気駆動モータ2のトルク設定値Msetpの変化から電力補正値ΔIが決定され、発電システム1の電力設定値Isetpと合計される。ブロック4の入力値はトルク設定値Msetpであり、出力値は電力補正値ΔIとトルク設定値Msetpである。トルク設定値Msetpは電気駆動モータ2の入力変数を構成する。ブロック4では、トルク設定値Msetpの上昇は、好ましくは微分手段によって監視される。トルク設定値Msetpの対応する増加を仮定すると、発電システム1に対する電力要求は、発電システムの電力設定値Isetpに電力補正値ΔIを加えることによって増加する。
【0015】設定トルクMsetpの増加は監視されるので、加速ペダル、例えばクルーズコントローラ、クリーパ、ESPに加えて車両の中に存在する構成部分(図示せず)によって電気駆動モータに対する瞬間的な要求に、発電システム1の電力要求または設定電力値Isetpの対応する増加によって反応することが可能である。評価されるものは各個別構成部分の瞬間的要求ではなく構成部分の組合せた瞬間的要求であることは有利である。これは計算電力の必要性を減らす。
【0016】さらに、所与の時間における電気駆動モータ2の電力ドレインIMotが決定されて、設定値として制御ループの比較点10に給電される。発電システムによって得られる電力Iactも決定されて、実測値として制御ループの比較点10に給電される。比較点10では、所与の時間における電気駆動モータ2の電力ドレインIMotが発電システム1によって得られた電力Iactと比較される。比較の結果はブロック8においてフィルタに通され、次いで第1制御装置7に送られ、この第1制御装置は、発電システム1の電力設定値Isetpを所与の時間における電気駆動モータ2の電力ドレインIMotに調整するために使用される。
【0017】第1制御装置7はPコントローラ(比例動作コントローラ)と呼ばれるものが好ましく、ブロック8は平滑フィルタ、例えば一次の遅延素子である。
【0018】さらに、比較点10の比較結果は第2制御装置9に送られ、この第2制御装置は、正の比較結果がある場合に電気駆動モータ2のトルク設定値Msetpを減らすために使用される。
【0019】第2制御装置9はPIコントローラ(比例積分コントローラ)と呼ばれるものが好ましい。さらに別の好ましい実施形態では、第2制御装置9のパラメータは所与の時間における電気駆動モータの回転速度nMotに依存する。
【0020】第1および/または第2制御装置7、9が、所与の時間における電気駆動モータの電力ドレインIMotと発電システム1によって得られる電力Iactとの間の差を補償するために使用されることは有利である。
【0021】図2は、本発明による方法によって発生する電力設定値の動力学を示す電力グラフである。電力設定値の経時変化が示されている。実線で示す曲線は、本発明による方法によって発生する電力設定値Isetpを示す。点線の曲線は、第2の方法によって発生する電力設定値を示し、この方法は、加速ペダルの動き/位置FPから電気駆動モータのトルク設定値を決定し、電気駆動モータのトルク設定値から発電システムの電力設定値を決定する。本発明による方法によって決定される電力設定値Isetpは、第2の方法によって決定される電力設定値よりもはるかに速くその安定状態値に到達する。すなわち、本発明による方法の動力学は第2の方法の動力学よりもすぐれている。
【出願人】 【識別番号】500050413
【氏名又は名称】ダイムラークライスラー アーゲー
【氏名又は名称原語表記】DaimlerChrysler AG
【住所又は居所原語表記】Epplestrasse 225 Stuttgart Germany
【出願日】 平成14年3月8日(2002.3.8)
【代理人】 【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清 (外1名)
【公開番号】 特開2002−300703(P2002−300703A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2002−63815(P2002−63815)