| 【発明の名称】 |
自動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】三吉 京
【氏名】森下 明平
【氏名】明石 征邦
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| 【要約】 |
【課題】操作量を階段状の離散値でしか操作端に与えることができない場合に、制御応答における速応性をより一層向上すること。
【解決手段】制御対象の被制御量に対して離散値の操作量を出力する操作端50と、被制御量であるフィードバック量を用いてもしくは予測的に、所定の処理周期毎に仮の操作量を一次操作量として決定し出力する一次操作量決定手段10と、一次操作量を第1の入力とし、第1の入力と第2の入力とを合成して二次操作量を作成し出力する操作量合成手段20と、二次操作量を、操作端の操作の分解能に合わせて離散値化し離散値化出力を操作端50に対して出力する離散値化手段30と、二次操作量と離散値化出力とに基づいて離散値化による操作量の差異分を算出して記憶し、かつ当該離散値化による操作量の差異分を、次周期の操作量合成手段20への第2の入力として出力する操作量残量記憶手段40とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 階段的に離散値しか取れないような操作量を制御対象に出力する自動制御装置において、前記制御対象の被制御量に対して、離散値の操作量を出力する操作端と、前記制御対象の被制御量であるフィードバック量を用いてもしくは予測的に、所定の処理周期毎に仮の操作量を一次操作量として決定し出力する一次操作量決定手段と、前記一次操作量決定手段からの出力である一次操作量を第1の入力とし、当該第1の入力と第2の入力とを合成して二次操作量を作成し出力する操作量合成手段と、前記操作量合成手段からの出力である二次操作量を、前記操作端の操作の分解能に合わせて離散値化し、離散値化出力を前記操作端に対して出力する離散値化手段と、前記操作量合成手段からの出力である二次操作量と、前記離散値化手段からの出力である離散値化出力とを入力し、これらに基づいて前記離散値化による操作量の差異分を算出して記憶し、かつ当該離散値化による操作量の差異分を、次周期の前記操作量合成手段への前記第2の入力として出力する操作量残量記憶手段と、を備えて成ることを特徴とする自動制御装置。 【請求項2】 前記請求項1に記載の自動制御装置において、前記一次操作量決定手段として、前記制御対象の被制御量を検出しフィードバック量として出力する被制御量検出手段と、前記制御対象の被制御量の目標値を算出し出力する被制御量目標値算出手段と、前記被制御量目標値算出手段からの出力である被制御量の目標値と、前記被制御量検出手段からの出力であるフィードバック量とを入力し、これらを基に制御演算を行なって前記一次操作量を算出し出力する制御操作量算出手段とを備えたことを特徴とする自動制御装置。 【請求項3】 前記請求項1に記載の自動制御装置において、前記操作端として、車両に対するブレーキ指令が段階的に与えられるブレーキ制御装置を備え、前記一次操作量決定手段として、前記車両の速度を検出し車両検出速度をフィードバック量として出力する車両速度検出手段と、前記車両の目標速度を算出し速度目標値を出力する速度目標値算出手段と、前記速度目標値算出手段からの出力である速度目標値と、前記車両速度検出手段からのフィードバック量である車両検出速度とを入力し、これらを基にフィードバック制御演算を行なって前記一次操作量を算出し出力するフィードバック制御操作量算出手段とを備えたことを特徴とする自動制御装置。 【請求項4】 前記請求項1に記載の自動制御装置において、前記操作量合成手段、前記離散値化手段、および前記操作量残量記憶手段としては、前記一次操作量決定手段における処理周期に比べて短い周期で処理を行ない、前記操作端に対する操作量を出力するようにしたことを特徴とする自動制御装置。 【請求項5】 前記請求項1に記載の自動制御装置において、前記操作量残量記憶手段からの出力である操作量残量を入力として、当該操作量残量に対して補正係数を用いた補正演算を行ない、かつ当該演算結果である操作量残量補正値を前記操作量合成手段に対して出力する操作量残量補正手段を付加したことを特徴とする自動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、階段的に離散値しか取れないような操作量を出力する自動制御装置に係り、特に操作量を階段状の離散値でしか操作端に与えることができない場合に、制御応答における速応性を向上させるようにした自動制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、移動体をあらかじめ設定した速度で移動させたり、あるいはタンクに入る水の量を調整して水位を一定に保つ等の制御を行なう際に、操作量として、連続値が取れる場合と階段状の数個の値しか取れない場合とがある。 【0003】例えば、鉄道、新交通システム等における車両では、ブレーキ制御装置に与えるブレーキの強さの指令は、ノッチと呼ばれる階段的な離散値でしか与えられていない。 【0004】この場合、ノッチが操作端となるが、この離散値をとる操作端を自動調整するものに、列車同士の衝突を防止するシステムの一つとして、自動列車制御装置がある。 【0005】この自動列車制御装置は、前を行く列車(先行列車)に後続の列車が衝突することのないように、後続の列車の速度を制御するものである。 【0006】その一つの手段として、後続の列車にその列車が走行して良い地点を通知し、後続の列車では内部に有する路線のデータと自列車の車両性能とを用いて、列車が走行して良い地点の終点までにスムーズに停止できるようにするための減速目標曲線を作成し、この減速目標曲線に沿って自列車の速度を制御する装置がある(例えば、“特開昭58-199271号公報”、“特開平03-295760号公報”、“特開平05-131928号公報”)。 【0007】この場合、ブレーキ制御装置に出力するノッチは数段階あり、減速目標値と実際の速度検出値とを用いて、一定の処理周期で、PID制御手法等により所要の減速度操作量を算出し、この減速度操作量をブレーキノッチに変換して出力するようにしている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような制御装置では、所要減速度から所要ブレーキノッチに変換する際に差異分が生じるため、減速度目標値に対する列車減速度の追従性が低下するといった問題点がある。 【0009】一方、離散値化しても出力が出易いように、制御系のゲインを上げると、外乱等の影響で減速度制御系が不安定になり易いという問題点がある。 【0010】本発明の目的は、操作量を階段状の離散値でしか操作端に与えることができない場合に、制御応答における速応性をより一層向上させることが可能な自動制御装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、階段的に離散値しか取れないような操作量を制御対象に出力する自動制御装置において、制御対象の被制御量に対して、離散値の操作量を出力する操作端と、制御対象の被制御量であるフィードバック量を用いてもしくは予測的に、所定の処理周期毎に仮の操作量を一次操作量として決定し出力する一次操作量決定手段と、一次操作量決定手段からの出力である一次操作量を第1の入力とし、当該第1の入力と第2の入力とを合成して二次操作量を作成し出力する操作量合成手段と、操作量合成手段からの出力である二次操作量を、操作端の操作の分解能に合わせて離散値化し、離散値化出力を操作端に対して出力する離散値化手段と、操作量合成手段からの出力である二次操作量と、離散値化手段からの出力である離散値化出力とを入力し、これらに基づいて離散値化による操作量の差異分を算出して記憶し、かつ当該離散値化による操作量の差異分を、次周期の操作量合成手段への第2の入力として出力する操作量残量記憶手段とを備えている。 【0012】従って、請求項1に対応する発明の自動制御装置においては、以上のような手段を備えたことにより、離散値化により切り捨てられて制御対象に伝達されない分の操作量に対して次の処理周期ではその分を補償して出力する、すなわち操作量の離散値化による差異分を次の処理周期にて補償することができる。これにより、一時的には所定の操作量を制御対象に与えることはできないが、次第に所定量に近い量を与えることができ、制御応答における速応性を向上させることができる。 【0013】また、請求項2に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の自動制御装置において、一次操作量決定手段として、制御対象の被制御量を検出しフィードバック量として出力する被制御量検出手段と、制御対象の被制御量の目標値を算出し出力する被制御量目標値算出手段と、被制御量目標値算出手段からの出力である被制御量の目標値と、被制御量検出手段からの出力であるフィードバック量とを入力し、これらを基に制御演算を行なって一次操作量を算出し出力する制御操作量算出手段とを備えている。 【0014】従って、請求項2に対応する発明の自動制御装置においては、以上のような手段を備えていることにより、離散値化により切り捨てられて制御対象に伝達されない分の被制御量操作量に対して次の処理周期ではその分を補償して出力する、すなわち被制御量操作量の離散値化による差異分を次の処理周期にて補償することができる。これにより、一時的には所定の被制御量操作量を制御対象に与えることはできないが、次第に被制御量所定量に近い量を与えることができ、制御応答における速応性を向上させる、すなわち被制御量の目標値に対する制御対象の被制御量の追従性を向上させることができる。 【0015】さらに、請求項3に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の自動制御装置において、操作端として、車両に対するブレーキ指令が段階的に与えられるブレーキ制御装置を備え、一次操作量決定手段として、車両の速度を検出し車両検出速度をフィードバック量として出力する車両速度検出手段と、車両の目標速度を算出し速度目標値を出力する速度目標値算出手段と、速度目標値算出手段からの出力である速度目標値と、車両速度検出手段からのフィードバック量である車両検出速度とを入力し、これらを基にフィードバック制御演算を行なって一次操作量を算出し出力するフィードバック制御操作量算出手段とを備えている。 【0016】従って、請求項3に対応する発明の自動制御装置においては、以上のような手段を備えていることにより、離散値化により切り捨てられて制御対象に伝達されない分の速度操作量に対して次の処理周期ではその分を補償して出力する、すなわち速度操作量の離散値化による差異分を次の処理周期にて補償することができる。これにより、一時的には所定の速度操作量を制御対象に与えることはできないが、次第に速度所定量に近い量を与えることができ、制御応答における速応性を向上させる、すなわち速度目標値に対する列車速度の追従性を向上させることができる。 【0017】一方、請求項4に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の自動制御装置において、操作量合成手段、離散値化手段、および操作量残量記憶手段としては、前記一次操作量決定手段における処理周期に比べて短い周期で処理を行ない、操作端に対する操作量を出力するようにしている。 【0018】従って、請求項4に対応する発明の自動制御装置においては、一次操作量を決定する制御系の時定数に対して速い周期で操作量残量の補償を行なうことにより、操作量を小刻みに変動させることになるが、一次操作量を決定する周期の間、あるしきい値で決まる離散値出力を一定で出力するのに比べて、一次操作量の切り捨て分を少なくすることができる。これにより、制御応答における速応性をより一層向上させることができる。 【0019】また、請求項5に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の自動制御装置において、操作量残量記憶手段からの出力である操作量残量を入力として、当該操作量残量に対して補正係数を用いた補正演算を行ない、かつ当該演算結果である操作量残量補正値を操作量合成手段に対して出力する操作量残量補正手段を付加するようにしている。 【0020】従って、請求項5に対応する発明の自動制御装置においては、操作量残量に定数を乗算して得られる操作量残量補正値を用いて、二次操作量を作成することにより、操作量の周期的な変動の周期を操作端のメンテナンス等を考慮して調整することができる。これにより、制御の追従性の程度と操作量の変動周期の兼ね合いを調整することができる。また、補正用の定数を零にすることにより、操作量残量を合成することをなくすることができる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。 【0022】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形態による自動制御装置の全体構成例を示すブロック図である。 【0023】すなわち、本実施の形態による階段的に離散値しか取れないような操作量を制御対象に出力する自動制御装置は、図1に示すように、一次操作量決定手段10と、操作量合成手段20と、離散値化手段30と、操作量残量記憶手段40と、操作端50とから構成している。 【0024】操作端50は、制御対象の被制御量に対して、離散値の操作量を出力する。 【0025】一次操作量決定手段10は、制御対象の被制御量であるフィードバック量を用いてもしくは予測的に、所定の処理周期毎に仮の操作量を一次操作量として決定し出力する。 【0026】操作量合成手段20は、一次操作量決定手段10からの出力である一次操作量を第1の入力とし、当該第1の入力と第2の入力とを合成して二次操作量を作成し出力する。 【0027】離散値化手段30は、操作量合成手段20からの出力である二次操作量を、操作端50の操作の分解能に合わせて離散値化し、離散値化出力を操作端50に対して出力する。 【0028】操作量残量記憶手段40は、操作量合成手段20からの出力である二次操作量と、離散値化手段30からの出力である離散値化出力とを入力し、これらに基づいて離散値化による操作量の差異分を算出して記憶し、かつ当該離散値化による操作量の差異分を、次周期の上記操作量合成手段20への第2の入力として出力する。 【0029】図2は、本実施の形態による自動制御装置を制御対象として車両に適用した場合の具体的な構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。 【0030】すなわち、本実施の形態による自動制御装置は、図2に示すように、前記図1における操作端50として、ブレーキ制御装置51を備え、さらに一次操作量決定手段10として、フィードバック制御操作量算出手段11と、車両速度検出手段70と、速度目標値算出手段80とを備えている。 【0031】ブレーキ制御装置51は、前記離散値化手段30からの出力である離散値化出力が、すなわち制御対象である車両60に対するブレーキ指令が段階的に与えられる。 【0032】車両速度検出手段70は、車両60の被制御量である速度を検出し、車両検出速度をフィードバック量として出力する。 【0033】速度目標値算出手段80は、車両60の被制御量の目標値である目標速度を算出し、速度目標値を出力する。 【0034】フィードバック制御操作量算出手段11は、速度目標値算出手段80からの出力である速度目標値と、車両速度検出手段70からの出力である車両検出速度とを入力し、これらを基にフィードバック制御演算を行なって前記一次操作量を算出する。 【0035】すなわち、本実施の形態の自動制御装置は、車両60の速度制御をあらかじめ設定した一定の処理周期で行ない、車両60の減速装置(ブレーキ装置)に与える制御指令が離散値をとるような制御装置である。 【0036】次に、以上のように構成した本実施の形態による自動制御装置の作用について、図2に示す構成の自動制御装置を中心として説明する。 【0037】図2において、まず、速度目標値算出手段80により、車両60の被制御量の目標値である速度目標値が算出される。 【0038】また、速度検出手段70により、車両60の被制御量である速度が検出される。 【0039】そして、この算出された車両60の速度目標値と、車両60の検出速度とが、フィードバック制御操作量算出手段11に入力される。 【0040】フィードバック制御操作量算出手段11では、これらの入力値に基づいてフィードバック制御演算によって一次操作量が算出され、操作量合成手段20に出力される。 【0041】操作量合成手段20では、フィードバック制御操作量算出手段11からの一次操作量と、操作量合成手段20からの二次操作量と離散値化手段309からの離散値出力とを入力して操作量残量を作成する操作量残量記憶手段40から出力される操作量残量とに基づいて操作量が合成され、二次操作量が離散値化手段30に出力される。 【0042】離散値化手段30では、操作量合成手段20からの二次操作量がブレーキノッチに変換され、ブレーキ制御装置51に出力される。 【0043】これにより、車両60の速度が減速される。 【0044】次に、上記各手段の作用について、より具体的に詳述する。速度目標値算出手段80では、車両60を速やかに停車させる場合には、ある速度から一気に0km/hになるような速度目標値が作成される。 【0045】また、乗り心地等を優先させて車両60の速度を滑らかに減速させたい場合には、各時刻もしくは各位置で所望の減速度が得られるように、速度目標値が以下のような式に基づいて作成される。 【0046】車両60の停止点が決まっている場合には、当該停止点から逆向きに(停出点から現在位置・現在時刻側に)計算すればよい。 【0047】 Vn=Vn-1−b・△t …… (1) ただし、Vn:時刻nにおける速度目標値[km/h] b:減速度 [(km/h)/s] t:計算刻み時間 [s] 減速度は、次のような式で計算される。 【0048】 b=(Fb+R)/m・3.6 …… (2) ただし、Fb:ブレーキ力 [N] R:走行抵抗 [N] m:車両質量 [kg] 速度検出手段70では、車両60の速度が検出される。 【0049】この速度検出手段70としては、例えば車両60の車輪軸に設置された速度発電機でもよいし、加速度計を応用したもの、ドップラレーダを応用したもの等を用いてもよい。 【0050】すなわち、車両60の速度制御の性能仕様に見合う精度で速度が検出できるものであればよい。 【0051】フィードバック制御操作量算出手段11では、例えばPID制御方式を応用して、一次操作量が決定される。本実施の形態の方式では、速度検出値と速度目標値との偏差に対して、その積分項、微分項、定数項が作成され、それぞれにある定数をかけ合せた後に加算して操作量とされる(本方式の詳細については、例えば参考書籍「PID制御(須田信英著)」等により知られている)。 【0052】操作量合成手段20では、一次操作量決定手段10で算出した一次操作量と、操作量残量記憶手段40で算出した前処理周期における操作量残量とを足し合わせて、二次操作量が得られる。離散値化手段30では、この二次操作量が、ヒステリシス特性を有する離散値化方法で離散値化され、操作端50であるブレーキ制御装置51に対して出力される。 【0053】図3は、かかるヒステリシス特性を有する離散値化方法の一例を示す特性図である。 【0054】すなわち、図3に示すように、二次操作量の値に対して、操作量を増加させる場合と減少させる場合とで、離散埴化のしきい値が異なる。 【0055】図4は、操作量残量の算出方法の一例を示す特性図である。 【0056】すなわち、操作量残量記憶手段40では、あらかじめ離散値化のためのヒステリシスしきい値を決める際に考慮した出力想定曲線Aに対して、実際の離散値化の結果得られる操作量分との差分である操作量残量が算出される。 【0057】出力想定曲線Aは、本実施の形態では、離散値の際の二次操作量のしきい値の中間値が、離散値の中間値になるように設定している(図3中のq,pで表わした部分)。 【0058】図4の場合には、前回の離散値出力が1であるとすると、今回の二次操作量aに対して離散値2が選択される。 【0059】この際、二次操作量としては、aに対して標準的にはf(2)の操作量しか見込めないと判断し、a−f(2)を操作量残量と考える。 【0060】なお、ここで、出力想定曲線Aとヒステリシスしきい値との関係は、ここでは前述のように設定したが、図5の出力想定曲線をa’のように設定することもでき、本発明はこれらの設定方法に特定されるものではない。 【0061】図1における一次操作量決定手段10では、外乱(制御対象が車両である場合には、例えば走行路の勾配、対向車両による走行抵抗、ブレーキの効き方のバラツキ等)により変動した場合や、目標値変化に対して制御対象を制御するために、フィードバック方式、もしくはフィードフォワード方式、あるいは必要に応じてこれらの方式の組み合わせにより、操作量を決定して、一次操作量が算出される。 【0062】また、上記実施の形態では、フィードバック方式の場合について算出方法を説明したが、本発明はこの算出方法に特定されるものではない。 【0063】図6は、制御目標値がランプ状に増加していくケースにおいて、一次操作量決定手段10において、一次操作量を決定した時の操作端50に出力される離散値化出力を算出する様子を示す特性図である。 【0064】図6に示すように、一次操作量の変化幅に対して離散値化のしきい値が大きい場合には、そのまま一次操作量を離酸化すると、点線で示した出力となり、本来計画した操作量に比べて小さく抑えられていることがわかる。 【0065】これに対して、太い実線は、本実施の形態により操作量残量の合成を行なった後の二次操作量を離散値化したものである。 【0066】すなわち、一次操作量に近い操作量が出力されることがわかる。 【0067】上述したように、本実施の形態による自動制御装置では、離散値化により切り捨てられて制御対象に伝達されない分の操作量に対して次の処理周期ではその分を補償して出力する、すなわち操作量の離散値化による差異分を次の処理周期にて補償することができる。 【0068】これにより、一時的には所定の操作量を制御対象に与えることはできないが、次第に所定量に近い量を与えることができ、制御応答における速応性を向上させることが可能となる。 【0069】また、離散値化手段30がヒステリシスを含む場合でも行なえるため、特にブレーキノッチの選択については、頻度の高い切替えは乗り心地と機器のメンテナンスの面から好ましくないことから、切替え頻度を低減する目的でヒステリシスを導入することが考えられる。 【0070】このヒステリシスは、操作量を増やす場合と減らす場合とで離散値化のしきい値を変えるものであり、操作量残量記憶手段40では、このヒステリシス特性を有する離散値化処理をも対象とすることができる。 【0071】(第2の実施の形態)本実施の形態による自動制御装置は、前記第1の実施の形態による自動制御装置において、操作量合成手段20、離散値化手段30、および操作量残量記憶手段40としては、一次操作量決定手段10もしくはフィードバック制御操作量算出手段11における処理周期に比べて短い周期で処理を行ない、操作端50に対する操作量を出力する構成としている。 【0072】次に、以上のように構成した本実施の形態による自動制御装置においては、操作量合成手段20と離散値化手段30と操作量残量記憶手段40では、一次操作量決定手段10もしくはフィードバック制御操作量算出手段11の処理周期に比べて短い周期で処理が行なわれる。 【0073】図7は、本実施の形態における操作量合成手段20の作用をヒステリシス幅を零にした場合について示す特性図である。 【0074】すなわち、一次操作量を算出する制御系の時定数に対して速い周期で操作量残量の補償を行なうため、操作量を小刻みに変動させることになるが、一次操作量を決定する周期の間、あるしきい値で決まる離散値出力を一定で出力するのに比べて、一次操作量の切り捨て分を少なくすることができる。 【0075】これにより、制御応答における速応性をより一層向上させることができる。 【0076】上述したように、本実施の形態による自動制御装置では、制御応答における速応性をより一層向上させることが可能となる。 【0077】(第3の実施の形態)図8は、本実施の形態による自動制御装置の構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。 【0078】すなわち、本実施の形態による自動制御装置は、図8に示すように、前記図2に操作量残量補正手段90を付加した構成としている。 【0079】操作量残量補正手段90は、前記操作量残量記憶手段40からの出力である操作量残量を入力として、当該操作量残量に対して補正係数を用いた補正演算を行ない(定数を乗算し)、かつ当該乗算結果である操作量残量補正値を前記操作量合成手段20に対して出力する。 【0080】次に、以上のように構成した本実施の形態による自動制御装置においては、操作量残量補正手段90では、操作量残量記憶手段40からの出力である操作量残量に定数が掛け合わされ、その結果である操作量残量補正量が操作量合成手段20に対して出力される。 【0081】ここでは、一次操作量に操作量残量を足し合わせる効果の度合いを選択するために、操作量残量にあらかじめ設定した定数が掛け合わされる。 【0082】操作量合成手段20では、この定数を掛けて補正した操作量残量補正量が一次操作量に足し合わされる。 【0083】これにより、操作量の周期的な変動の周期を、操作端50のメンテナンス等を考慮して調整することができる。 【0084】これにより、減速制御の追従性の程度と操作量の変動周期の兼ね合いを調整することができる。 【0085】また、補正用の定数を零にすることにより、操作量残量を合成することをなくすることができる。 【0086】例えば、時間帯を変えたり、条件設定を行なうことにより、操作量残量を合成する場合としない場合とを、容易に切り替えることもできる。 【0087】上述したように、本実施の形態による自動制御装置では、制御の追従性の程度と操作量の変動周期の兼ね合いを調整することが可能となる。 【0088】(その他の実施の形態)尚、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。例えば、前記実施の形態の自動制御装置は、本発明の自動制御装置を制御対象として車両に適用し、車両の速度制御をあらかじめ設定した一定の処理周期で行ない、車両の減速装置(ブレーキ装置)に与える制御指令が離散値をとるような制御装置とした場合について説明したが、これに限らず、階段的に離散値しか取れないような操作量を他の制御対象に出力する自動制御装置についても、本発明を同様に適用して前述の場合と同様の作用効果を得ることが可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。さらに、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。【0089】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動制御装置によれば、離散値化により切り捨てられて制御対象に伝達されない分の操作量に対して次の処理周期ではその分を補償して出力する、すなわち操作量の離散値化による差異分を次の処理周期にて補償するようにしているので、操作量を階段状の離散値でしか操作端に与えることができない場合に、制御応答における速応性をより一層向上することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−281611(P2002−281611A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月27日(2002.9.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−76613(P2001−76613) |
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