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【発明の名称】 複合2次電池回路および回生制御システム
【発明者】 【氏名】大内 二郎

【氏名】服部 正行

【要約】 【課題】回生エネルギが有効に活用でき、2次電池やコンデンサの破損が無く、2次電池寿命を伸ばすことができ、かつ低電圧でも高速運転可能な感電の危険のない低コストの制御を可能にし、2次電池の充電時間を短くできる。

【解決手段】回生可能な負荷装置Bと、負荷装置Bからの電気エネルギーを蓄電する複合2次電池回路Aとを備える。複合2次電池回路Aは、2次電池1とコンデンサ2とが並列に接続され、双方向性のスイッチング素子3が2次電池1とコンデンサ2とを接続し、スイッチング素子3を駆動する充放電制御回路10と、検出制御回路20とを有して成る。検出制御回路20は、2次電池1およびコンデンサ2の状態を検知し、その状態に応じた検知信号を電流指令Ic として充放電制御回路20に出力し、スイッチング素子3を制御する。更に、複合2次電池と負荷装置との間には、双方向型昇降圧チョッパを設けた構成としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】2次電池と、前記2次電池と並列に接続されたコンデンサと、前記2次電池と前記コンデンサとを接続する双方向性のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記2次電池および前記コンデンサの状態を検知し、その状態に応じた検知信号を電流指令として前記スイッチング素子を制御することを特徴とする複合2次電池回路。
【請求項2】2次電池と、前記2次電池と並列に接続されたコンデンサと、前記2次電池と前記コンデンサとを接続する双方向性のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する充放電制御回路と、前記2次電池および前記コンデンサの電圧および電流を検知する検出制御回路とを有し、前記検出制御回路は、前記2次電池および前記コンデンサの状態を検知し、その状態に応じた検知信号を電流指令として前記充放電制御回路に出力し、前記スイッチング素子を制御することを特徴とする複合2次電池回路。
【請求項3】前記2次電池および前記コンデンサの状態に応じた検知信号は、前記2次電池および前記コンデンサの電流、電圧、温度または等価抵抗の信号であることを特徴とする請求項1または2記載の複合2次電池回路。
【請求項4】前記コンデンサは複数の電気2重層コンデンサから成ることを特徴とする請求項1,2または3記載の複合2次電池回路。
【請求項5】前記複数の電気2重層コンデンサはそれぞれに並列に電圧バランス回路を備えていることを特徴とする請求項4記載の複合2次電池回路。
【請求項6】前記2次電池の電圧は50V以下であることを特徴とする請求項4または5記載の複合2次電池回路。
【請求項7】回生可能な負荷装置と、前記負荷装置からの電気エネルギーを蓄電する複合2次電池回路とを備え、前記複合2次電池回路は請求項1,2,3,4,5または6記載の複合2次電池回路から成ることを特徴とする回生制御システム。
【請求項8】前記負荷装置と前記複合2次電池回路との間に、双方向型昇降圧チョッパ回路が前記複合2次電池回路に入力端側を接続し、前記負荷装置に出力端側を接続して設けられていることを特徴とする請求項7記載の回生制御システム。
【請求項9】前記双方向型昇降圧チョッパ回路は、前記負荷装置の駆動時においては前記2次電池の電圧を昇圧または降圧して前記負荷装置を駆動し、前記負荷装置の回生時にはその負荷装置の逆起電力を昇圧または降圧して前記2次電池を充電することを特徴とする請求項8記載の回生制御システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車の駆動モータなどの負荷装置から電気エネルギーを回収するための複合2次電池回路および回生制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては環境問題から、電気自動車やハイブリッド自動車を始めとした各種電動機器が開発導入されて来ている。このような電動機器は、従来の化石燃料を使用する内燃機関よりクリーンな電気エネルギーを使用する。このような電動機器において、エネルギーの有効活用の面から、電動機器からの回生エネルギーを可能な限り利用することが望まれるようになってきた。
【0003】従来の回生制御システム50を図8に示す。図8において、2次電池(バッテリ)51により、モータ52等の回生可能な負荷装置を制御する場合、電池の過充電を軽減するため、2次電池51と並列にコンデンサ53が接続される。充電器54は、2次電池51が放電した場合に、商用電源あるいは他の電源より充電する回路である。また、このコンデンサ53は耐圧等の問題から複数個直列に使用されており、コンデンサの電圧バランスが問題となるような場合には、各コンデンサ53と並列に電圧バランス回路55などが設けられることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の回生制御システム50においては、2次電池51で動作させる回生が可能な負荷、例えばモータ52等を負荷とする電動機器において回生制御を行おうとした場合、頻繁に2次電池51への大電流の充放電が行われるようになる。このため、2次電池51の寿命が短くなるという問題があった。また、急激な回生電流の繰り返しにより、2次電池51が過充電となり破損するような問題もあった。さらには、回生電流によってモータ52から2次電池へ大電流の充電電流が流れ、急速な大電流による充電で2次電池51の可逆化学反応が追随不能となり、ジュール熱等を発生して2次電池を破損に至らしめるという問題もあった。
【0005】そこで、このような問題を回避するため、従来方式にあっては、2次電池51に並列にコンデンサ53を挿入する方法が取られる場合があったが、この場合についても基本的に上記の問題が無くなるわけではなく、過充電の場合には2次電池51やコンデンサ53が破損するという問題が発生していた。
【0006】また、従来の制御回路56等は、回生可能な制御回路の場合は、電圧変換は一方からの昇圧、あるいは降圧のいずれかのものしか存在しなかった。また、昇降圧の可能な制御回路の場合は、電流の方向がいづれか一方のみで回生の制御はできないものであった。
【0007】このため、従来の制御回路で双方向の回生制御を行わせようとした場合には、複数の制御回路を用意して、モータの電流の方向を検知して、電流の方向に合わせて制御回路を切り替えるなどの、複雑な回路構成を必要とするもので、制御回路も高価となり、信頼性が悪くなるという欠点があった。このような、昇圧、降圧をおこなうことができ、かつ回生制御可能なように電流に双方向性を持たせる電力制御回路を単一の回路で実現した例としては、先願の特願2000−81068以外に存在しなかった。
【0008】例えば、特開平11−122709号公報に記載のように、回生が可能なハイブリッド方式を含めた電気自動車にあっては、回生が可能な双方向性の回路を採用するが、従来の回路では同時に昇降圧機能を持たせることが出来ないため、高速運転にするにはモータを高速回転さるため、2次電池電圧を高くするのがこれまでの一般的な方式であった。この場合には、それを駆動する2次電池51を数百Vの高電圧にすることが必要になり、これに並列接続されるコンデンサも必然的に耐圧の高いものが必要となっていた(例えば、文献PE96-4 新しい物理電池ECS を応用したハイブリッド式電気自動車の基礎的な研究 )。
【0009】ところが、このような電圧の高い制御回路は人体に感電の危険があるばかりでなく、耐圧の高いコンデンサは形状が大きなものとなり、小型化が出来ない、またコストが高くなり、さらには過充電の場合の破損が低電圧の場合よりも危険になるなどの問題があるものであった。特に、コンデンサとして最近は電気2重層コンデンサの採用が検討されるようになって来ているが、周知の通り、電気2重層コンデンサは大容量のものが出来る反面、耐圧が2〜4V程度と低いものなので、このような高圧回路へ採用する場合には、耐圧を満足するように複数個のコンデンサを多数直列接続する必要があった。そのため、電圧の高い回路の場合には多数の電気2重層コンデンサが必要となるが、電気2重層コンデンンサは価格が高く、多数のコンデンンサを使用することでそれだけ高価な装置となるものであった。
【0010】さらには、このような従来の回生方式の場合、たとえば、昇圧が可能な回路とした場合、モータからの電圧が2次電池電圧より高い場合のみにしかエネルギーが回生出来ず、有効なエネルギーの回生が行われない欠点があった。一方、降圧にのみよる回生方式の場合には、モータへの電圧が電池電圧より低くなり、高速運転はできないという問題があった。
【0011】本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、入力側の電池電圧と負荷との関係がいかなる条件であっても回生エネルギを有効に活用でき、かつ低電圧でも高速運転可能な感電の危険のない制御を可能にし、2次電池やコンデンサの破損が無く、2次電池寿命を伸ばすことができ、さらに2次電池の充電時間をも短くできる低コストの複合2次電池回路、および回生制御システムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の本発明に係る複合2次電池回路は、2次電池と、前記2次電池と並列に接続されたコンデンサと、前記2次電池と前記コンデンサとを接続する双方向性のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記2次電池および前記コンデンサの状態を検知し、その状態に応じた検知信号を電流指令として前記スイッチング素子を制御することを特徴とする。上記構成によれば、大電流急速充電となるような回生時においても、2次電池の充電状態に応じた充放電電流の設定が可能になり、2次電池やコンデンサの破損を防止できる。
【0013】請求項2の本発明に係る複合2次電池回路は、2次電池と、前記2次電池と並列に接続されたコンデンサと、前記2次電池と前記コンデンサとを接続する双方向性のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を駆動する充放電制御回路と、前記2次電池および前記コンデンサの電圧および電流を検知する検出制御回路とを有し、前記検出制御回路は、前記2次電池および前記コンデンサの状態を検知し、その状態に応じた検知信号を電流指令として前記充放電制御回路に出力し、前記スイッチング素子を制御することを特徴とする。上記構成によれば、2次電池とコンデンサとの間に双方向スイッチング素子による充放電制御回路を設けることにより、大電流急速充電となるような回生時においても、2次電池の充電状態に応じた充放電電流の設定が可能になり、2次電池やコンデンサの破損を防止できる。
【0014】請求項3の本発明に係る複合2次電池回路は、請求項1または2の複合2次電池回路において、前記2次電池および前記コンデンサの状態に応じた検知信号は、前記2次電池および前記コンデンサの電流、電圧、温度または等価抵抗の信号であることを特徴とする。上記構成によれば、双方向のスイッチング素子を制御する電流指令信号を2次電池およびコンデンサの各状態を検知して合成するようにしたので、最適な電流指令信号を得ることが可能となり、ジュール熱などによる2次電池の破壊を防止できる。
【0015】請求項4の本発明に係る複合2次電池回路は、請求項1,2または3の複合2次電池回路において、前記コンデンサは複数の電気2重層コンデンサから成ることを特徴とする。上記構成によれば、容量の大きな電気2重層コンデンサを用いることにより、大電流急速充電が可能となり、従来例では8〜10時間を必要としていた充電時間を、例えば10〜30分程度で充電可能となる。
【0016】請求項5の本発明に係る複合2次電池回路は、請求項4の複合2次電池回路において、前記複数の電気2重層コンデンサはそれぞれに並列に電圧バランス回路を備えていることを特徴とする。上記構成によれば、電気2重層コンデンサのバラツキを均等にすることが可能となり、電気2重層コンデンサのバラツキによる破損を防止できる。
【0017】請求項6の本発明に係る複合2次電池回路は、請求項4または5の複合2次電池回路において、前記2次電池の電圧は50V以下であることを特徴とする。上記構成によれば、高価な電気2重層コンデンサの数を少なくすることが可能となり、低コストの制御システムを実現できるとともに、2次電池の電圧が低いので、感電する危険がなく安全性を高めることが可能となる。
【0018】請求項7の本発明に係る回生制御システムは、回生可能な負荷装置と、前記負荷装置からの電気エネルギーを蓄電する複合2次電池回路とを備え、前記複合2次電池回路は請求項1,2,3,4,5または6の複合2次電池回路から成ることを特徴とする。上記構成によれば、大電流急速充電となるような回生時においても、2次電池の充電状態に応じた充放電電流の設定が可能になり、2次電池やコンデンサの破損がなく、負荷装置を回生することができる。
【0019】請求項8の本発明に係る回生制御システムは、請求項7の回生制御システムにおいて、前記負荷装置と前記複合2次電池回路との間に、双方向型昇降圧チョッパ回路が前記複合2次電池回路に入力端側を接続し、前記負荷装置に出力端側を接続して設けられていることを特徴とする。双方向型昇降圧チョッパ回路には、先願である特願2000―81068に記載の「双方向型昇降圧チョッパ回路」を好適に用いることができる。上記構成によれば、双方向型昇降圧チョッパと複合2次電池回路とを組み合わせた構成としたことにより、モータの電圧が2次電池よりも低いような低速運転の場合や、高速運転で高い電圧を発生する場合の、両者いずれの場合でも双方向の昇降圧チョッパのため、回生を行うことができるので、回生エネルギを有効に活用することが可能となる。
【0020】請求項9の本発明に係る回生制御システムは、請求項8の回生制御システムにおいて、前記双方向型昇降圧チョッパ回路は、前記負荷装置の駆動時においては前記2次電池の電圧を昇圧または降圧して前記負荷装置を駆動し、前記負荷装置の回生時にはその負荷装置の逆起電力を昇圧または降圧して前記2次電池を充電することを特徴とする。上記構成によれば、正逆転運転されるような電動車にあっても回生エネルギーを有効にすることが可能となり、エネルギー効率の高い装置を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の第1および第2の実施の形態について説明する。図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1に示すように、回生制御システムが、回生可能な負荷装置Bと、負荷装置Bからの電気エネルギーを蓄電する複合2次電池回路Aとから構成されている。回生制御システムには、さらに、複合2次電池回路Aに充電するための充電器Cが備えられている。
【0022】複合2次電池回路Aは、2次電池1と、2次電池1と並列に接続されたコンデンサ2と、2次電池1とコンデンサ2との間に直列に接続された双方向性のスイッチング素子3と、スイッチング素子3を制御する充放電制御回路10と、2次電池1およびコンデンサ2の電圧および電流を検出する検出制御回路20とを有している。負荷装置Bは、例えば、DCモータから成る。検出制御回路20には、2次電池1の電流検出線4と、電圧検出線5と、コンデンサ2の電圧検出線6とが接続されている。
【0023】複合2次電池回路Aに使用される2次電池1は、一般的にはコストとの兼ね合いから鉛蓄電池が使用されるが、より高性能なリチウムイオン電池を使用してもよい。また、コンデンサ2は、可能な限り大容量のものが望ましく、電解コンデンサや、後述する電気2重層コンデンサが使用される。
【0024】双方向性のスイッチング素子3は、図2(a)に示すように、2個のトランジスタで構成してもよいし、図2(b)に示すように、FET(電界効果トランジスタ、あるいはIGBT絶縁ゲートバイポーラトランジスタでも良い)とダイオードとで構成してもよい。また図2(c)に示すように、IGBTを直列にした回路でも良い。
【0025】充放電制御回路10は、検出制御回路20からの電流指令信号Ic によりスイッチング素子3に駆動信号を発生するもので、図3に示すように、例えば、オペアンプ11と、三角波発生器12と、ナンドゲート13と、ドライバ14とにより構成されている。充放電制御回路10は、電流指令信号Ic をオペアンプ11で必要レベルに増幅し、三角波発生器12によりPWM(パルスウィドゥスモジュレーション;Pulse Width Modulation)波とし、PWM制御を行うものである。充放電制御回路10は、三角波発生器12の出力をナンドゲート13でオン/オフ制御を行い、その出力信号でドライバ14によりスイッチング素子3を駆動するようになっている。
【0026】充放電制御回路10に電流指令信号Ic を出力する検出制御回路20は、図3に示すように、例えば、CPU21がそれぞれ入力インターフェース22と出力インターフェース23を備えて成っている。入力インターフェース22は、電流検出用コンパレータ24、電池電圧検出用コンパレータ25およびコンデンサ電圧検出用コンパレータ26と接続されている。電流検出用コンパレータ24、電池電圧検出用コンパレータ25およびコンデンサ電圧検出用コンパレータ26には、それぞれの状態の検知信号としての電流、電圧を検出するために、それぞれ電流検出線4、電圧検出線5,6が接続されており、電流検出線4には電流を検出するための検出コイル4aやセンス抵抗4b等が使用される。さらに、2次電池1やコンデンサ2にサーミスタ等の温度センサを取り付け、2次電池1やコンデンサ2の温度を電流に変換して検出することも可能である。以上の構成において、充放電制御回路10内のPWM制御は、検出制御回路20内のCPUで行わせることも可能であり、そのような構成であっても良い。
【0027】検出制御回路20は、電流検出用コンパレータ24、電池電圧検出用コンパレータ25およびコンデンサ電圧検出用コンパレータ26で検出した各部の電流、電圧をCPU21が判断し、スイッチング素子3の制御を行うための電流指令信号Ic を、出力インターフェース23を介して信号線7により充放電制御回路10に出力する。検出制御回路20は、必要に応じて、スイッチング素子3の駆動を停止することができるように、オン/オフ制御機能を備えており、オン/オフ制御は、出力インターフェース23を介して充放電制御回路10のナンドゲート13へ信号線8により直接入力するようになっている。さらに、検出制御回路20は、出力インターフェース23を介して信号線9によりSW回路に接続されており、図示しないソレノイド等により、SW1,SW2をオン/オフすることができるようになっている。
【0028】次に、上述のように構成された複合2次電池回路Aの動作を図1〜図3を参照して説明する。まず、初期状態においては、2次電池1とコンデンサ2とは完全に放電された状態なので、電圧検出線5,6を通じてこの状態が検出制御回路20で判断され、信号線9を経由してSW回路のSW1がオンに、SW2はオフとなり、充電器Cより複合2次電池回路Aに充電電流が流れるようになる。これと同時に、検出制御回路20から充放電制御回路10へ電流指令Ic が出力され、検出制御回路20からスイッチング素子3へ駆動電流が流れてスイッチング素子3がオン状態となり、2次電池1の充電が開始される。この場合に、電流検出線4により2次電池1へ流れる充電電流が検出され、その値は最適になるように制御される。
【0029】次いで、2次電池1とコンデンサ2が満充電になると、電圧検出線5,6を通じてこの状態が検出制御回路20で判断され、信号線9を経由してSW回路のSW1がオフとなり充電が停止される。次に、SW2がオンされて、複合2次電池回路Aから負荷装置Bへの電力供給が行われる。回生動作が全くない場合には、当初の負荷装置Bへの電力供給はコンデンサ2の放電よって行われ、コンデンサ2の放電後は2次電池1からのエネルギーがなくなるまで行われる。2次電池1からの放電は、スイッチング素子3を介して行われるので、図3(a)のスイッチング素子3を使用している場合には一方のFETを通して行われ、図3(b)のスイッチング素子3を使用している場合にはダイオードを通して行われる。
【0030】回生エネルギーが発生している場合には、負荷装置Bより複合2次電池回路Aへ電流が流れるが、電圧検出線5,6で2次電池1とコンデンサ2の電圧が検出されるので、コンデンサ2の電圧が2次電池1の電圧より高く、しかもコンデンサ2の電圧が規定値より低い場合には、検出制御回路20より充放電制御回路10へオフ信号が出され、スイッチング素子3をオフにして、コンデンサ2に優先的に充電するようにする。この回生動作中に非回生動作となった場合には、スイッチング素子3の電圧降下により、コンデンサ2からのエネルギーが優先的に供給され、非回生動作を行う。このように、複合2次電池回路Aでは、コンデンサ2の充放電が繰り返し行われ、2次電池1の充放電回数が少なくなるように作用する。
【0031】負荷装置Bの回生エネルギーによりコンデンサ2が満充電までに充電されると、検出制御回路20は、電圧検出線6を介してコンデンサ2の電圧が規定値より高くなったことを検知し、2次電池1の電圧が規定値よりより低い場合には、電流指令Ic を充放電制御回路10に出力し、スイッチング素子3をオンにして回生エネルギーで2次電池1を充電するようにする。さらに、2次電池1とコンデンサ2の電圧が規定値より高くなるような回生エネルギーが発生した場合には、充放電制御回路10が図示しない表示部に表示し、操作者が余分な回生エネルギーを発生させないように注意を促す。
【0032】上述したように、本発明の回生制御システムの複合2次電池回路Aでは、2次電池1とコンデンサ2との間に双方向スイッチング素子3を設け、電流指令信号Ic により、スイッチング素子を2次電池の充電状態に応じて充放電電流を制御するように動作させる構成となっている。このため、過大な回生電流があっても、2次電池を破損させないように動作させることができる。
【0033】次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図4〜図7は、本発明の第2の実施の形態を示している。図4に示すように、回生制御システムが、上述した第1の実施の形態の回生制御システムにおける複合2次電池回路Aと負荷装置Bとの間に双方向型昇降圧チョッパDを設けて成っている。回生制御システムは、さらに、双方向型昇降圧チョッパDと複数の電気2重層コンデンサ等によるコンデンサC0 とを有している。図4〜図6において、複合2次電池回路A、負荷装置B、充電器Cなど、第1の実施の形態の回生制御システムと同一の部材には、同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0034】図5は、双方向型昇降圧チョッパを示すもので、複合2次電池回路Aに入力端側を接続するとともに出力端側を負荷装置Bに接続して成る。双方向型昇降圧チョッパ回路は、スイッチング素子とダイオードを並列に接続した複数のスイッチング回路と、スイッチング回路を2個接続したカスコード回路とを有する。双方向型昇降圧チョッパ回路は、負荷装置Bの駆動時においては複合2次電池回路Aの電圧を昇圧または降圧して負荷装置Bを駆動し、負荷装置Bの回生時には負荷装置Bの逆起電力を昇圧または降圧して複合2次電池回路Aを充電するようになっている。
【0035】図5(a)に示す構成では、第1のスイッチング回路S1と第2のスイッチング回路S2とを縦続接続して第1のカスコード回路となし、第3のスイッチング回路S3と第4のスイッチング回路S4とを縦続接続して第2のカスコード回路となし、第1のカスコード回路と第2のカスコード回路との中点をインダクタLを介して接続し、第1のカスコード回路のコレクタを入力端とし、第2のカスコード回路のコレクタを出力端とし、入力端側と出力端側にはそれぞれコンデンサC1,C2 が接続されている。コンデンサC1,C2 は、複合2次電池回路Aおよび負荷装置Bと並列に接続される。そして、これらのスイッチング回路S1〜S4のタイミングを制御回路Hで制御するように構成されている。
【0036】このように構成された双方向型昇降圧チョッパD1は、複合2次電池回路Aの2次電池1から負荷装置B、および負荷装置Bから2次電池1への双方向の昇圧、降圧が可能なチョッパ回路となっている。双方向性昇降圧チョッパD1は、通常はコンデンサC1,C2 に蓄えられた電力によって双方向型昇降圧チョッパ回路が動作して、回生可能な負荷装置Bを制御するように動作し、コンデンサC1,C2 の電力が少なくなった場合には、各部の必要な電流電圧を検知し整合された電流指令信号Ic により、2次電池1からの電力が供給されるように複合2次電池回路Aが動作する。
【0037】モータが高速運転から制動がかけられた場合には、双方向型昇降圧チョッパD1は双方向性のため、そのまま優先的にコンデンサC1,C2 に回生エネルギーとなって充電されるが、コンデンサC1,C2 の容量を越える回生エネルギーが発生した場合には、複合2次電池回路Aの電流指令Ic により2次電池1の充電が行われるよう動作する。この場合、チョッパ回路は双方向性の昇降圧が可能なため、負荷装置Bのモータ電圧が2次電池1の電圧よりも低い条件で制動が必要になった場合でも、回生エネルギーがコンデンサと電池側に有効に回生される。
【0038】図5(b)に示す双方向型昇降圧チョッパD2は、第1のスイッチング回路S1と第2のスイッチング回路S2とを縦続接続して第1のカスコード回路となし、第3のスイッチング回路S3と第4のスイッチング回路S4とを縦続接続して第2のカスコード回路となし、第5のスイッチング回路S5と第6のスイッチング回路S6とを縦続接続して第3のカスコード回路となし、第1のカスコード回路と第2のカスコード回路および第3のカスコード回路とを並列に接続し、第1のカスコード回路の中点を第1のインダクタL1を介して入力側と接続し、第1のカスコード回路と第2のカスコード回路との間にコンデンサC2を並列に接続し、第2のカスコード回路の中点と第3のカスコード回路の中点との間を、第2のインダクタL2に直列に接続された負荷装置Bを介して接続したものである。負荷装置Bは、例えば、DCモータから成る。
【0039】このように構成された双方向型昇降圧チョッパD2は、双方向型昇降圧チョッパD1と同様に、通常はコンデンサに蓄えられた電力によって双方向型昇降圧チョッパ回路が動作し、回生可能な負荷装置Bを制御するように動作する。コンデンサの電力が少なくなった場合には、双方向型昇降圧チョッパD2は、各部の必要な電流電圧を検知して整合された電流指令信号Ic により、2次電池1からの電力が供給されるように複合2次電池回路Aが動作する。さらに、双方向性昇降圧チョッパD2は、負荷装置BのDCモータが逆転時も回生エネルギーを回収できる。
【0040】この回生制御システムにおいては、容量の大きい電気2重層コンデンサを複数個使用しており、双方向型昇降圧チョッパーDと組み合わせているので、単一の制御回路で回生が可能な上に昇降圧ができ、2次電池の電圧が低くとも、低速から高速までの運転が可能となる。この回生制御システムによる実験では、2次電池電圧を48V以下とした場合でも、双方向型昇降圧チョッパによって約10倍程度の昇圧が可能で、このため通常の電動カーに必要とされる時速60km/h以上の高速運転が可能なことが確認された。従って、この回生制御システムにおいては、電池電圧を50V以下とし、高価な電気2重層コンデンサ等の数が少なくて済む構成とすることが出来る。
【0041】さらに、複数の電気2重層コンデンサC0 は、図6に示すように、必要に応じて電圧バランス回路(電流分流回路)を設けるようにしている。電圧バランス回路には、従来例と同様の電圧バランス回路を用いても良い。電圧バランス回路としては、図6(a)に示すように、各コンデンサC01, C02, C03,…に抵抗R1,R2,R3,…を並列接続するだけのものでもよい。また、図6(b)に示すように、抵抗の代わりにツェナーダイオードZDを使用してもよい。電圧バランス回路は、ツェナーダイオードZDによりコンデンサの電圧がより均等に分圧される。さらに、図6(c)に示すように、トランジスタTRとツェナーダイオードZDとを組み合わせた定電圧回路を用いてもよい。この場合の電圧バランス回路は、電圧が均等に分圧されるとともに、温度特性に優れ、電流容量も大きいものに出来る。
【0042】また、本実施例の回生制御システムのさらなる特長としては、2次電池、及びコンデンサの充電エネルギを最大有効に活用出来る点にある。図7は2次電池、コンデンサの定性的な放電特性である。図7からわかるように、2次電池の場合、その定格を保持出来る時間まではコンデンサに比べて良い定電圧特性を示すが、その時間を過ぎると、急激に電圧は低下する。一方、コンデンサの場合は定電圧特性は2次電池に比べて良くないが、コンデンサを大容量のものにすることで、2次電池が放電した後の時間帯でも、充電エネルギを保持させておくことが出来る。
【0043】2次電池の場合、定格電圧から大きく下がるような電圧範囲で使用することは2次電池の寿命を著しく短くする。このため、図8の従来例のような2次電池とコンデンサが直接接続されているような場合には、図7のAで示したように、電圧が下がり過ぎない範囲で使用せざるを得ないものであった。
【0044】本実施例では、2次電池とコンデンサの間にスイッチング素子3を入れて、互いの動作を分離させ得るようにし、その後段には、双方向性の昇降圧チョッパを設けているので、2次電圧が好ましくない電圧まで低下した場合、スイッチング素子を制御することで、2次電池とコンデンサを切り離し、コンデンサのエネルギーをさらにそれ以下の電圧まで使用するような図7中、Bの範囲まで動作させる。この場合、コンデンサはエネルギがほとんどなくなるまで放電させても寿命には全く影響しないため、昇降圧チョッパで制御可能な範囲まで、そのエネルギを利用出来る。このことは同様に図7のBに示したように、コンデンサの充電電圧が高い場合にも、昇降圧チョッパでコンデンサの電圧を所望の電圧まで降圧させるように制御することも出来る。
【0045】このため、本実施例では、図7のBに示したような充電エネルギを従来方式より大きな範囲で活用出来る特長を有する。この範囲はコンデンサの容量を大きくするほど大となる。また、このような広範囲の制御が必要ない場合には、SW素子3を常時オンとするか、あるいは素子3そのものを無くした構成としても良い。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る複合2次電池回路および回生制御システムによれば、回生エネルギが有効に活用でき、2次電池やコンデンサの破損が無く、2次電池寿命を伸ばすことができ、かつ低電圧でも高速運転可能な感電の危険のない低コストの制御を可能にし、さらに2次電池の充電時間をも短くできる。また、本発明によれば、従来の2次電池の放電深度によって制限されていた電圧範囲よりも広い範囲での制御が可能で、コンデンサの充電エネルギを最大限に活用出来る特長を有する。
【出願人】 【識別番号】500127564
【氏名又は名称】服部 正行
【識別番号】000221937
【氏名又は名称】東北リコー株式会社
【出願日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【代理人】 【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
【公開番号】 特開2002−281609(P2002−281609A)
【公開日】 平成14年9月27日(2002.9.27)
【出願番号】 特願2001−81613(P2001−81613)