| 【発明の名称】 |
車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】風間 勇
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| 【要約】 |
【課題】発電機やエンジンが停止しているか停止していないかに拘わらず、常に同一の加速性能が得られる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算部1と、要求駆動仕事率の変化に対する発電機の応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算部2と、蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算部3と、要求駆動仕事率及び余裕駆動電力及び蓄電装置出力可能電力に基づいて、発電機の目標発電電力を演算する目標発電量演算部4とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発電機と、蓄電装置と、前記発電機及び前記蓄電装置の少なくとも一方から供給される電力で駆動される車両駆動用モータとを備えた車両の制御装置において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算手段と、要求駆動仕事率の変化に対する前記発電機の応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算手段と、前記蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算手段と、前記要求駆動仕事率及び前記余裕駆動電力及び前記蓄電装置出力可能電力に基づいて、前記発電機の目標発電電力を演算する目標発電量演算手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 【請求項2】 前記目標発電量演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標発電電力とすることを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。 【請求項3】 車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算手段を更に備え、前記目標発電量演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力及び前記補機消費電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標発電電力とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の制御装置。 【請求項4】 前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度、駆動トルク、駆動仕事率、前記発電機の稼働/停止状態の少なくとも1つに基づいて前記余裕駆動電力を演算することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項5】 前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度より求めた第1の余裕駆動電力と、駆動仕事率より求めた第2の余裕駆動電力との小さい方を選択して余裕駆動電力とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項6】 前記余裕駆動電力は、発電機停止時の値と発電機稼働時の値の2つの値を持ち、前記蓄電装置の蓄電量が所定値以上かつ、前記要求駆動仕事率と発電機停止時の余裕駆動電力との和が前記蓄電装置出力可能電力以下であれば、前記発電機を停止することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項7】 前記発電機は、燃料電池であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項8】 前記発電機は、エンジンで駆動される発電機であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項9】 エンジンと、該エンジンの発生するトルクを車両の駆動軸に機械的に伝達する駆動トルク伝達手段と、該駆動トルク伝達手段に接続され前記エンジンの発生する仕事率や減速時の制動力を電力に変換する発電機と、該発電機が発生した電力を蓄える蓄電装置と、前記発電機及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力の供給を受けて発生するトルクを前記駆動トルク伝達手段に伝える駆動モータとを備えた車両の制御装置において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算手段と、要求駆動仕事率の変化に対する前記エンジンの応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算手段と、前記蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算手段と、前記要求駆動仕事率及び前記余裕駆動電力及び前記蓄電装置出力可能電力に基づいて、前記エンジンの目標エンジン仕事率を演算する目標エンジン仕事率演算手段と、前記エンジンの実仕事率を検出または推定する実エンジン仕事率演算手段と、前記要求仕事率及び前記実エンジン仕事率に基づいて前記駆動モータへの要求電力を演算する要求モータ電力演算手段と、前記要求モータ電力に応じて前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 【請求項10】 前記目標エンジン仕事率演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標エンジン仕事率とし、前記要求モータ電力演算手段は、前記要求駆動仕事率から前記実エンジン仕事率を減じて前記要求モータ電力とすることを特徴とする請求項9記載の車両の制御装置。 【請求項11】 車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算手段を更に備え、前記目標エンジン仕事率演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力及び前記補機消費電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標エンジン仕事率とすることを特徴とする請求項9または請求項10記載の車両の制御装置。 【請求項12】 前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度、駆動トルク、駆動仕事率、前記エンジンの稼働/停止状態の少なくとも1つに基づいて前記余裕駆動電力を演算することを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項13】 前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度より求めた第1の余裕駆動電力と、駆動仕事率より求めた第2の余裕駆動電力との小さい方を選択して余裕駆動電力とすることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか1項記載の車両の制御装置。 【請求項14】 前記余裕駆動電力は、エンジン停止時の値とエンジン稼働時の値の2つの値を持ち、前記蓄電装置の蓄電量が所定値以上かつ、前記要求駆動仕事率とエンジン停止時の余裕駆動電力との和が前記蓄電装置出力可能電力以下であれば、前記エンジンを停止することを特徴とする請求項9ないし請求項13のいずれか1項記載の車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、発電機と蓄電装置と発電機及び蓄電装置の少なくとも一方から供給される電力で駆動される車両駆動用モータとを備えた電動車両またはハイブリッド車両の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電動車両またはハイブリッド車両には、蓄電器や2次電池等の蓄電装置以外に燃料電池やエンジン駆動発電機等の発電機を備えたものがある。これらの発電機を搭載すると、従来の車両の燃料補給のように発電機の燃料を補給するだけで、面倒な充電作業を省略することができる。 【0003】このような発電機と蓄電装置とを備えた電動車両またはハイブリッド車両におけるエンジン制御技術として、特開平9−222036号公報記載の技術が知られている。この従来技術によれば、2次電池の充電状態(SOC)が所定値以上かつ、駆動トルク指令値がアシストモータの最大トルク値未満であれば、エンジンを停止して、2次電池の電力駆動されるアシストモータのみで走行していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の技術においては、図20に示すように、同一のアクセル操作量による同じ加速状況において、エンジンが停止している場合と、停止していない場合とでは、エンジン始動の応答遅れのために、著しく駆動トルクの発生状況に相違があった。即ち、エンジンが停止していた場合には、エンジン停止状態から始動して所望の出力が可能となるまでの応答遅れにより、停止していない場合に比べ、駆動トルクの応答が遅くなる。このために同じアクセル操作によってもエンジンの状態によりトルク発生の応答が異なり、ドライバーが違和感を感じるという問題点があった。 【0005】また上記問題点は、エンジンで発電機を駆動するいわゆるシリーズハイブリッド車輌や燃料電池車輌においても図21に示すように同様の問題点である。 【0006】このような問題点に対応して、特に発電機と2次電池と車両駆動用モータとを備え、発電機または2次電池の少なくとも一方から供給される電力で車両駆動用モータを駆動する構成においては、2次電池の出力、容量を駆動モータの出力とほぼ同じくらいにする方法が考えられるが、これは2次電池の体積、重量の増加となるので、燃費性能が低下すると共に、車内容積が有効利用できず車載上都合が悪くなる。 【0007】以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、発電機やエンジンが停止しているか停止していないか及び2次電池の容量に拘わらず、常に同一の加速性能、言い換えればトルク応答性能が得られ、運転特性に違和感のない車両の制御装置を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、発電機と、蓄電装置と、前記発電機及び前記蓄電装置の少なくとも一方から供給される電力で駆動される車両駆動用モータとを備えた車両の制御装置において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算手段と、要求駆動仕事率の変化に対する前記発電機の応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算手段と、前記蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算手段と、前記要求駆動仕事率及び前記余裕駆動電力及び前記蓄電装置出力可能電力に基づいて、前記発電機の目標発電電力を演算する目標発電量演算手段と、を備えたことを要旨とする。 【0009】上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両の制御装置において、前記目標発電量演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標発電電力とすることを要旨とする。 【0010】上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両の制御装置において、車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算手段を更に備え、前記目標発電量演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力及び前記補機消費電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標発電電力とすることを要旨とする。 【0011】上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度、駆動トルク、駆動仕事率、前記発電機の稼働/停止状態の少なくとも1つに基づいて前記余裕駆動電力を演算することを要旨とする。 【0012】上記目的を達成するため請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度より求めた第1の余裕駆動電力と、駆動仕事率より求めた第2の余裕駆動電力との小さい方を選択して余裕駆動電力とすることを要旨とする。 【0013】上記目的を達成するため請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記余裕駆動電力は、発電機停止時の値と発電機稼働時の値の2つの値を持ち、前記蓄電装置の蓄電量が所定値以上かつ、前記要求駆動仕事率と発電機停止時の余裕駆動電力との和が前記蓄電装置出力可能電力以下であれば、前記発電機を停止することを要旨とする。 【0014】上記目的を達成するため請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記発電機は、燃料電池であることを要旨とする。 【0015】上記目的を達成するため請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記発電機は、エンジンで駆動される発電機であることを要旨とする。 【0016】上記目的を達成するため請求項9記載の発明は、エンジンと、該エンジンの発生するトルクを車両の駆動軸に機械的に伝達する駆動トルク伝達手段と、該駆動トルク伝達手段に接続され前記エンジンの発生する仕事率や減速時の制動力を電力に変換する発電機と、該発電機が発生した電力を蓄える蓄電装置と、前記発電機及び前記蓄電装置の少なくとも一方から電力の供給を受けて発生するトルクを前記駆動トルク伝達手段に伝える駆動モータとを備えた車両の制御装置において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算手段と、要求駆動仕事率の変化に対する前記エンジンの応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算手段と、前記蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算手段と、前記要求駆動仕事率及び前記余裕駆動電力及び前記蓄電装置出力可能電力に基づいて、前記エンジンの目標エンジン仕事率を演算する目標エンジン仕事率演算手段と、前記エンジンの実仕事率を検出または推定する実エンジン仕事率演算手段と、前記要求仕事率及び前記実エンジン仕事率に基づいて前記駆動モータへの要求電力を演算する要求モータ電力演算手段と、前記要求モータ電力に応じて前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段と、を備えたことを要旨とする。 【0017】上記目的を達成するため請求項10記載の発明は、請求項9記載の車両の制御装置において、前記目標エンジン仕事率演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標エンジン仕事率とし、前記要求モータ電力演算手段は、前記要求駆動仕事率から前記実エンジン仕事率を減じて前記要求モータ電力とすることを要旨とする。 【0018】上記目的を達成するため請求項11記載の発明は、請求項9または請求項10記載の車両の制御装置において、車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算手段を更に備え、前記目標エンジン仕事率演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力及び前記補機消費電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標エンジン仕事率とすることを要旨とする。 【0019】上記目的を達成するため請求項12記載の発明は、請求項9ないし請求項11のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度、駆動トルク、駆動仕事率、前記エンジンの稼働/停止状態の少なくとも1つに基づいて前記余裕駆動電力を演算することを要旨とする。 【0020】上記目的を達成するため請求項13記載の発明は、請求項9ないし請求項12のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度より求めた第1の余裕駆動電力と、駆動仕事率より求めた第2の余裕駆動電力との小さい方を選択して余裕駆動電力とすることを要旨とする。 【0021】上記目的を達成するため請求項14記載の発明は、請求項9ないし請求項13のいずれか1項記載の車両の制御装置において、前記余裕駆動電力は、エンジン停止時の値とエンジン稼働時の値の2つの値を持ち、前記蓄電装置の蓄電量が所定値以上かつ、前記要求駆動仕事率とエンジン停止時の余裕駆動電力との和が前記蓄電装置出力可能電力以下であれば、前記エンジンを停止することを要旨とする。 【0022】尚、特許請求の範囲及び課題を解決する手段の記載において、特に機械的な仕事率について「仕事率」を使用し、電気的な仕事率については「電力」を使用したが、いずれも仕事率を表すことには変わりが無く、「電力」を一律に「仕事率」と読み替えてもかまわない。以下の発明の効果及び実施の形態の記載においても同様である。 【0023】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、発電機と、蓄電装置と、前記発電機及び前記蓄電装置の少なくとも一方から供給される電力で駆動される車両駆動用モータとを備えた車両の制御装置において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算手段と、要求駆動仕事率の変化に対する前記発電機の応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算手段と、前記蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算手段と、前記要求駆動仕事率及び前記余裕駆動電力及び前記蓄電装置出力可能電力に基づいて、前記発電機の目標発電電力を演算する目標発電量演算手段と、を備えたことにより、加速時に必要な余裕駆動電力を残して、発電量制御を行うことができるという効果がある。 【0024】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、前記目標発電量演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標発電電力とする構成としたので、発電機の停止、稼働及び蓄電装置の容量に拘わらず、加速時に必要な余裕駆動電力を常に蓄電装置に確保でき、同じアクセル操作には同じ駆動トルクを発生し、運転性に違和感を生じることがないという効果がある。 【0025】さらに、蓄電装置の蓄電量が所定量以上であれば積極的に放電できるので、蓄電装置の蓄電量を過大にすることを防ぐと共に、蓄電装置の蓄電量が所定量以上の時に蓄電された電力により積極的に使うので燃費向上の効果もある。 【0026】請求項3の発明によれば、車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算手段を更に備え、前記目標発電量演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力及び前記補機消費電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標発電電力とする構成としたので、前記蓄電装置の電力により補機を駆動する車両においても補機消費電力を考慮して目標発電電力を算出することができ、請求項1または請求項2の発明と同様の効果が得られる。 【0027】請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3の発明の効果に加えて、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度、駆動トルク、駆動仕事率、前記発電機の稼働/停止状態の少なくとも1つに基づいて前記余裕駆動電力を演算する構成としたので、必要な余裕駆動電力を車両状態に応じて演算可能となり、蓄電装置からの放電の量及び機会を増やし、燃費を向上させることができるという効果がある。 【0028】請求項5の発明によれば、請求項1ないし請求項4の発明の効果に加えて、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度より求めた第1の余裕駆動電力と、駆動仕事率より求めた第2の余裕駆動電力との小さい方を選択して余裕駆動電力とする構成としたので、駆動モータの特性および設定した要求駆動力特性と、車両状態に応じて必要な余裕駆動電力を演算可能となるという効果がある。 【0029】請求項6の発明によれば、請求項1ないし請求項5の発明の効果に加えて、前記余裕駆動電力は、発電機停止時の値と発電機稼働時の値の2つの値を持ち、前記蓄電装置の蓄電量が所定値以上かつ、前記要求駆動仕事率と発電機停止時の余裕駆動電力との和が前記蓄電装置出力可能電力以下であれば、前記発電機を停止する構成としたので、一般的に発電機の発電効果の悪い低負荷側を使う頻度を減らすことができ、さらに燃費を向上することができるという効果がある。また、必要な余裕駆動電力を確保して、発電機停止を行えるために、発電機停止時と非停止時とで同じ駆動トルク応答を得ることができるという効果がある。 【0030】請求項7の発明によれば、前記発電機は、燃料電池とすることで、発電電力変化の応答が遅い燃料電池車両においても、請求項1ないし請求項6の発明の効果が得られるとともに、大気汚染する排ガスを排出することなく、また燃費性能の高い車両を提供することができるという効果がある。 【0031】請求項8の発明によれば、請求項1ないし請求項6の発明の効果に加えて、前記発電機は、エンジンで駆動される発電機とすることで、従来のエンジンだけの車両より駆動トルクレスポンスのよい車両を提供することができるという効果がある。 【0032】請求項9の発明によれば、いわゆるパラレルハイブリッド車において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算手段と、要求駆動仕事率の変化に対する前記エンジンの応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算手段と、前記蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算手段と、前記要求駆動仕事率及び前記余裕駆動電力及び前記蓄電装置出力可能電力に基づいて、前記エンジンの目標エンジン仕事率を演算する目標エンジン仕事率演算手段と、前記エンジンの実仕事率を検出または推定する実エンジン仕事率演算手段と、前記要求仕事率及び前記実エンジン仕事率に基づいて前記駆動モータへの要求電力を演算する要求モータ電力演算手段と、前記要求モータ電力に応じて前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段と、を備えた構成となっているため、加速時に必要な余裕駆動電力を残して、エンジン制御を行うことができるという効果がある。 【0033】請求項10の発明によれば、請求項9の発明の効果に加えて、前記目標エンジン仕事率演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標エンジン仕事率とし、前記要求モータ電力演算手段は、前記要求駆動仕事率から前記実エンジン仕事率を減じて前記要求モータ電力とするようにしたので、加速時に必要な余裕駆動電力を常に残して、蓄電装置よりモータに電力を供給し、モータにてエンジントルクをアシストできるという効果がある。すなわち加速時には常に同じ駆動トルク応答が得られると同時に、蓄電装置の蓄電量が所定量以上であれば積極的に放電できるので、蓄電装置の蓄電量を過大にすることを防ぐ事ができる。また、蓄電装置の蓄電量が所定量以上の時に蓄電された電力をより積極的に使うので燃費向上の効果もある。 【0034】請求項11の発明によれば、請求項9または請求項10の発明の効果に加えて、車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算手段を更に備え、前記目標エンジン仕事率演算手段は、前記蓄電装置出力可能電力が前記余裕駆動電力より大きいときに、前記要求駆動仕事率に前記余裕駆動電力及び前記補機消費電力を加えた値から、前記蓄電装置出力可能電力を差し引いた値を前記目標エンジン仕事率とするようにしたので、前記蓄電装置の電力により補機を駆動する車両においても補機消費電力を考慮して目標発電電力を算出することができるという効果がある。 【0035】請求項12の発明によれば、請求項9ないし請求項11の発明の効果に加えて、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度、駆動トルク、駆動仕事率、前記エンジンの稼働/停止状態の少なくとも1つに基づいて前記余裕駆動電力を演算するようにしたので、パラレルハイブリッド車においても必要な余裕駆動電力を車両状態に応じて演算可能となり、蓄電装置からの放電の量及び機会を増やし、燃費を向上させることができるという効果がある。 【0036】請求項13の発明によれば、請求項9ないし請求項12の発明の効果に加えて、前記余裕駆動電力演算手段は、車両速度より求めた第1の余裕駆動電力と、駆動仕事率より求めた第2の余裕駆動電力との小さい方を選択して余裕駆動電力とするようにしたので、パラレルハイブリッド車においても駆動モータの特性および設定した要求駆動力特性と、車両状態に応じて必要な余裕駆動電力を演算可能となるという効果がある。 【0037】請求項14の発明によれば、請求項9ないし請求項13の発明の効果に加えて、前記余裕駆動電力は、エンジン停止時の値とエンジン稼働時の値の2つの値を持ち、前記蓄電装置の蓄電量が所定値以上かつ、前記要求駆動仕事率とエンジン停止時の余裕駆動電力との和が前記蓄電装置出力可能電力以下であれば、前記エンジンを停止するようにしたので、一般的にエンジンの熱効率の悪い低負荷側を使う頻度を減らすことができ、燃費を向上させるという効果がある。また、エンジン停止時に必要な余裕駆動電力を確保して、エンジン停止時を行えるために、エンジン停止時と非停止時とで同じく同トルク応答を得ることができるという効果がある。 【0038】 【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る車両の制御装置が適用される車両の一形態である発電機と蓄電装置を備えた車両の構成図である。図1の構成には、発電機として燃料電池を搭載した燃料電池車両、或いは、エンジン・発電機・モータを直列に配置したシリーズハイブリッド車両が含まれる。 【0039】図1において、この車両は、発電機101と、発電機101で発電された電力を変換する電力制御部102と、発電機101で発電された電力から車両駆動モータ104で消費される電力を除いた電力を蓄電する蓄電装置103と、発電機101及び蓄電装置103の少なくとも一方から供給される電力で駆動される車両駆動モータ104と、アクセル操作量及び車速に基づいて発電機101及び電力制御部102及び車両駆動モータ104を制御するコントローラ105と、車両駆動モータ104で駆動される駆動輪106とを備えている。 【0040】発電機101は、コントローラ105から発電量を制御可能な発電機であれば、特に発電方式を問わないが、車両用として好ましい発電機は、燃料電池やエンジン駆動発電機である。蓄電装置103は、2次電池、コンデンサ、或いは電動発電機にフライホイールが接続され電力を高速回転体の回転エネルギーとして貯蔵するいわゆるフライホイールバッテリ等である。電力制御部102は、発電機101で発電された電力または蓄電装置103から取り出された電力を車両駆動モータの駆動用電力に変換するとともに、発電機101で発電された電力から車両駆動モータ104で消費される電力を除いた余剰電力を蓄電装置103の蓄電用電力に変換する。即ち、蓄電装置103は、車両駆動モータ104で消費される電力より、電力制御部102から供給される電力が大きければ充電され、逆の場合は、放電する。 【0041】コントローラ105は、アクセル操作量や、車速などの車両状態、蓄電装置103の蓄電量などの情報に基づいて、目標発電量を演算し、発電機101や、電力制御部102に指令を与え、電力を供給する。同時に、車両駆動モータ104に指令を与え、駆動力を制御する。 【0042】図2は、図1のコントローラ105の基本構成図であり、請求項1に対応する。図2において、コントローラは、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算部1と、要求駆動仕事率の変化に対する発電機の応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算部2と、蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算部3と、要求駆動仕事率及び余裕駆動電力及び蓄電装置出力可能電力に基づいて、発電機の目標発電電力を演算する目標発電量演算部4とを備えている。 【0043】図3は、図1のコントローラ105のさらに具体的な構成図であり、車両の補機が消費する補機消費電力を推定または検出する補機消費電力演算部5を更に備え、請求項3に対応する。また図3において、蓄電装置は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の2次電池を使用し、2次電池の温度及び電圧・電流を参照してコントローラが2次電池の出力可能電力を演算するようにしている。 【0044】図3において、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算部1と、要求駆動仕事率の変化に対する発電機の応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算部2と、蓄電装置の蓄電状態に基づいて出力可能な蓄電装置出力可能電力を演算する蓄電装置出力可能電力演算部3と、要求駆動仕事率及び余裕駆動電力及び蓄電装置出力可能電力に基づいて、発電機の目標発電電力を演算する目標発電量演算部4とを備えている。 【0045】次に、図3に示したコントローラの動作を図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。まずステップ(以下、ステップをSと略す)1では、2次電池の電流、電圧、温度などが検出される。S2では検出された2次電池の電流、電圧、温度などをもとに2次電池の蓄電状態(SOC)が演算される。S3ではS2で演算されたSOCや温度などをもとに2次電池の出力可能電力が演算される。図6に一般的な2次電池の入出力可能電力特性を示す。S4ではアクセル操作量、車速が検出される。S5では検出されたアクセル操作量、車速、レンジ信号などをもとにマップなどから、ドライバーの要求する駆動トルクが演算され、車速を乗じて要求駆動仕事率が演算される。S6では、駆動モータの効率特性などからS5で演算された要求駆動仕事率が補正され、要求駆動仕事率を出力するのに必要な電力である要求駆動電力が演算される。 【0046】S7では、補機類のON/OFF状態、またはDCDCコンバータなどの電流、電圧を直接検知して、補機消費電力が演算される。S8では、今まで演算された値をもとに目標発電量基本値が以下の(1)式で演算される。 【0047】 【数1】 目標発電量基本値=要求駆動電力+補機消費電力 …(1) この目標発電量基本値は、これから消費される車両の全消費電力を表すことになる。S9では余裕駆動電力が演算される。余裕駆動電力とは、図7に示すようにドライバーの要求する駆動仕事率を遅れることなく実現するために、発電機の応答遅れを考慮して、2次電池より供給する必要のある電力である。ここでは、想定される最大の余裕駆動電力をコントローラ内のROMにあらかじめ記憶させておき、これを読み出すものとする。S10ではSOCが所定値以上かどうかが判定される。ここで所定値以上と判定されれば、S11で余裕駆動電力が2次電池の出力可能電力以下かどうかが判定される。ここで余裕駆動電力が2次電池の出力可能電力以下と判定されれば、S12で目標発電量を以下の(2)式で演算する。 【0048】 【数2】 目標発電量=目標発電量基本値+余裕駆動電力−2次電池の出力可能電力 …(2) これは、車両の全消費電力にあたる目標発電量基本値から2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力の差分を、差し引いて発電することであり、結果として2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力の差分が2次電池より放電されることになる。 【0049】S10でSOCが所定値未満、またはS11で余裕駆動電力が2次電池の出力可能電力より大きいと判定されれば、S13で目標発電量を以下の(3)式で演算する。 【0050】 【数3】 目標発電量=目標発電量基本値 …(3) これは、車両の全消費電力にあたる目標発電量基本値を発電することであり、結果として2次電池からの放電は行われない。図8に本発明の効果を示す。アクセルが踏み込まれる前において、2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力の差分が2次電池より放電されている。アクセルが踏み込まれても、余裕駆動電力が確保されているため、2次電池は出力可能電力いっぱいまで放電することで、駆動電力の応答に対する発電機応答の遅れによる電力供給不足を補正し、結果として所望とする駆動電力(トルク)の応答を実現することができる。 【0051】本実施形態では、余裕駆動電力を想定される最大の余裕駆動電力とおいて説明した。本実施形態でも所望とする駆動電力(トルク)の応答の実現は可能であるが、想定される最大の余裕駆動電力とすると放電の量、機会とも少ない場合があるので、図9(a)のように車速によって余裕駆動電力を設定することが可能である。これは、比較的低車速では余裕駆動電力が小さくて済むからである。 【0052】図10に一般的な駆動モータの特性を走行抵抗(R/L)とともに示す。横軸がモータ回転速度(≒車速)、縦軸がモータトルクで、等高線がモータ出力である。低車速、すなわちモータ回転速度が小さいときは、トルクの変化は大きいが、出力としての変化量は小さい。このため、もともと想定される加速時の出力変化量が小さい、すなわち余裕駆動電力も少なくて済むということになる。実際は、これに発電機の応答速度も考慮に入れ余裕駆動電力を設定すれば、余裕駆動電力を最大の余裕駆動電力としていた場合に比べ、余裕駆動電力≦2次電池の出力可能電力となるシーンも増え、放電の機会、量とも増やすことができる。 【0053】さらに、車速での設定に加え、現在のモータ出力、または要求駆動仕事率をもとに余裕駆動電力を設定し、両者の小さい方を選択することで、余裕駆動電力≦2次電池の出力可能電力となるシーンも増え、放電の機会、量とも増やすことができる。これは、図10に示すように、比較的中高車速域で想定される出力変化が大きいところであっても、もともと駆動モータの最大出力は決まっているので、駆動モータの最大出力と現在出している出力との差分以上を用意しておく必要はない。 【0054】従って、等車速であっても、例えば走行抵抗(R/L)に抗して定速で走行している時は、惰力(コースト)で走行しているときよりも想定される加速時の出力変化量は小さくなる。このような事も考慮に入れると、余裕駆動電力はおおよそ図9(b)の様になる。 【0055】また、発電機の停止を考慮に入れると、発電機の停止から、所望の発電量に達するまでには、発電機が停止していない状態に比べると時間がかかるため、発電機停止時の余裕駆動電力は、図9に示すように非停止時に対してその分上積みされた値となる。 【0056】第2の実施形態として、発電機を停止した場合を説明する。図4のS8までは前述した第1実施形態と同じであるので割愛し、図11のフローチャートより説明する。S21では、余裕駆動電力が読み出される。この時は停止時の余裕駆動電力と非停止時の余裕駆動電力との2つが読み出される。S22ではSOCが所定値以上かどうかが判定される。ここで所定値以上と判断されれば、S23で、余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力以下かどうかが判定される。余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力以下と判定されれば、S24で要求駆動電力が2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力(停止時)との差分以上かどうかが判定される。 【0057】S24で要求駆動電力が2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力(停止時)との差分以上と判定されれば、S25に進み発電機停止指令をだす。S22でSOCが所定値より小さいと判定されれば、S28に進み目標発電量を以下の(4)式で演算する。 【0058】 【数4】 目標発電量=目標発電量基本値 …(4) S23で余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力以上、またはS12で要求駆動電力が2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力(停止時)との差分以上と判定されれば、S26に進み、余裕駆動電力(非停止時)が2次電池の出力可能電力以下かどうかが判定される。ここで、余裕駆動電力(非停止時)が2次電池の出力可能電力以下と判定されれば、S27で目標発電量を以下の(5)式で演算する。 【0059】 【数5】 目標発電量=目標発電量基本値+余裕駆動電力(非停止時)−2次電池の出力可能電力 …(5) S26で余裕駆動電力(非停止時)が2次電池の出力可能電力より大きいと判定されればS28に進む。本発明の効果は、図8において、アクセル踏み込み前の発電機発電電力が0の場合と考えられ、第1実施形態と効果は同様である。但し、第1実施形態の効果を確保しつつ、一般的に発電機にとって効率が悪い低負荷域において発電機を停止できるため、さらなる燃費の向上が期待できる。 【0060】次に第3実施形態について説明する。図12が本発明の第3実施形態を適用する構成図であり、エンジン出力及び駆動モータで駆動輪が駆動されるいわゆるパラレルハイブリッド車である。エンジン107で発生した駆動力は、変速機108を介して駆動輪106に伝えられる。発電電動機(モータジェネレータ)101は、エンジン107からの機械的な仕事率(出力)を得て電力に変換し、電力制御部102にて電圧、電流等を変換して蓄電装置(2次電池)103に供給する一方、蓄電装置103から電力制御部102を介して電力供給を受け、機械的な仕事率に変換して駆動をアシストする。また、減速時には発電電動機101による回生制動によって得られた回生電力を、電力制御部102を介して、蓄電装置103に電力を供給する。 【0061】コントローラ105は、アクセル操作量や、車速などの車両状態、蓄電装置103の蓄電量などの情報に基づいて、目標エンジン仕事率を演算し、エンジン107の出力を所望の値となるように制御するとともに、発電電動機101にも指令を与え、駆動力を制御する。なお、図12では、発電電動機101を1つのものとしているが、発電機と電動機をそれぞれ個別に設けても構わない。 【0062】図13に本実施形態におけるコントローラの基本構成図を示す。同図において、コントローラは、アクセル操作量に基づいて車両に要求される要求駆動仕事率を演算する要求駆動仕事率演算部1と、要求駆動仕事率の変化に対するエンジンの応答遅れを補うために必要な余裕駆動電力を演算する余裕駆動電力演算部2と、蓄電装置である2次電池の蓄電状態に基づいて出力可能な2次電池出力可能電力を演算する2次電池出力可能電力演算部3と、補機消費電力を演算する補機消費電力演算部5と、要求駆動仕事率及び余裕駆動電力及び2次電池出力可能電力及び補機消費電力に基づいて、エンジンの目標仕事率である目標エンジン仕事率を演算する目標エンジン仕事率演算部7と、実際のエンジンの仕事率を演算する実エンジン仕事率演算部8と、を備えている。 【0063】図14、図15は本実施形態の動作を説明するフローチャートであり、以下本実施形態をこれらのフローチャートに沿って説明する。まずS31では、2次電池の電流、電圧、温度などが検出される。S32では検出された2次電池の電流、電圧、温度などをもとに2次電池の蓄電状態(SOC)が演算される。図6に一般的な2次電池の入出力可能電力特性を示す。S34ではアクセル操作量、車速が検出される。S35では検出されたアクセル操作量、車速、レンジ信号などをもとにマップなどから、ドライバーの要求する駆動トルクが演算され、車速を乗じて要求駆動仕事率が演算される。S36では、補機類のON/OFF状態、またはDC/DCコンバータなどの電流、電圧を直接検知して、補機消費電力が演算される。S37では、今まで演算された値をもとに目標エンジン仕事率基本値が以下の(6)式で演算される。 【0064】 【数6】 目標エンジン仕事率基本値=要求駆動仕事率+補機消費電力 …(6) S38では余裕駆動電力が演算される。余裕駆動電力とは、図7の発電機発電電力をエンジンの仕事率に置き換えて考え、ドライバーの要求する駆動仕事率を実現するために、エンジンの応答遅れを考慮して、供給しなければいけない電力である。この電力は、2次電池より供給し、モータで消費する電力となる。ここでは、想定される最大の余裕駆動電力をコントローラ内のROMにあらかじめ記憶させておき、これを読み出すものとする。 【0065】S39ではSOCが所定値以上かどうかが判定される。ここで所定値以上と判定されれば、S40で余裕駆動電力が2次電池の出力可能電力以下かどうかが判定される。ここで余裕駆動電力が2次電池の出力可能電力以下と判定されれば、S41で目標発電量を以下の(7)式で演算する。 【0066】 【数7】 目標エンジン仕事率=目標エンジン仕事率基本値+余裕駆動電力−2次電池の出力可能電力 …(7) この(7)式は、車両の要求駆動仕事率と2次電池より供給される補機消費電力との和にあたる目標エンジン仕事率基本値から、2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力の差分を、差し引いた分をエンジンの出力で賄うことを意味する。この時、定常状態であれば、目標エンジン仕事率と実エンジン仕事率は一致するので、2次電池の出力可能電力−余裕駆動電力に相当する電力が2次電池より供給され、モータを駆動することになる(後述)。 【0067】S39でSOCが所定値未満、またはS40で余裕駆動電力が2次電池の出力可能電力より大きいと判定されれば、S42で目標発電量を以下の(8)式で演算する。 【0068】 【数8】 目標発電量=目標エンジン仕事率基本値−補機消費電力 …(8) これは、車両の駆動仕事率全てをエンジンで賄うことであり、補機消費電力のみが2次電池より供給される。S43では、エンジンの実仕事率が演算される。エンジンの実仕事率は、例えばトルクセンサの検出値とエンジン回転数を乗じた物や、燃料噴射量、空気流量など、エンジンのトルクを代表する値をもとにエンジン回転数を使って演算してもよい。S44では、要求モータ電力が以下の(9)式で演算される。 【0069】 【数9】 要求モータ電力=要求駆動仕事率−エンジンの実仕事率 …(9) 【0070】S45では要求モータ電力をもとに、以下の(10)式で要求モータトルク演算する。 【0071】 【数10】 要求モータトルク=要求モータ電力/エンジン回転数 …(10) 【0072】第3実施形態の構成では、エンジンの出力軸にモータが接続されているので、エンジン回転数で除算したが、構成により変更する必要がある。図16に本発明の効果を示す。アクセルが踏み込まれる前において、2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力の差分が2次電池よりモータへ供給されている。アクセルが踏み込まれても、余裕駆動電力が確保されているため、2次電池は出力可能電力いっぱいまでモータに電力を供給することで、駆動仕事率の応答に対するエンジン応答の遅れによる駆動仕事率不足を補正し、結果として所望とする駆動仕事率(トルク)の応答を実現することができる。 【0073】本実施形態では、余裕駆動電力を想定される最大の余裕駆動電力とおいて説明した。本実施形態でも所望とする駆動仕事率(トルク)の応答の実現は可能であるが、想定される最大の余裕駆動電力とすると放電の量、機会とも少ない場合があるので、図9(a)のように車速によって余裕駆動電力を設定することが可能である。これは、比較的低車速では余裕駆動電力が小さくて済むからである。図10に一般的な駆動モータの特性を示す。横軸がモータ回転速度(≒車速)縦軸がモータトルクで、等高線がモータ電力である。 【0074】ここで、駆動モータ特性のトルクをエンジントルク、回転速度をエンジン回転数と考えれば、エンジンの特性としてもおおむね適用できる。低車速、すなわちモータ回転速度が小さいときは、トルクの変化は大きいが、パワーとしての変化量は小さい。このため、もともと想定される加速時のパワー変化量が小さい、すなわち余裕駆動電力も少なくて済むということになる。実際は、これにエンジンそのものの応答速度も考慮に入れ余裕駆動電力を設定すれば、余裕駆動電力を最大の余裕駆動電力としていた場合に比べ、余裕駆動電力≦2次電池の出力可能電力となるシーンも増え、放電の機会、量とも増やすことができる。 【0075】さらに、車速での設定に加え、要求駆動仕事率をもとに余裕駆動電力を設定し、両者の小さい方を選択することで、余裕駆動電力≦2次電池の出力可能電力となるシーンも増え、放電の機会、量とも増やすことができる。これは、図10に示すように、比較的中高車速域で想定されるパワー変化が大きいところであっても、元々エンジンの最大パワーは決まっているので、エンジンの最大パワーと現在出力しているパワーとの差分以上を用意しておく必要はない。 【0076】従って、等車速であっても、例えば走行抵抗(R/L)に抗して定速で走行している時は、惰力(コースト)で走行しているときよりも想定される加速時のパワー変化量は小さくなる。このようなことも考慮に入れると、余裕駆動電力はおおよそ図9(b)の様になる。 【0077】また、エンジンの停止を考慮に入れると、エンジンの停止状態から所望のエンジン出力に達するまでには、エンジンが停止していない状態に比べると、エンジン始動時間及びエンジントルク立ち上がり時間がかかるため、エンジン停止時の余裕駆動電力は、図9に示すように非停止時に対してその分上積みされた値となる。 【0078】次に、第4の実施形態として、エンジンを停止した場合を説明する。図14のS31からS37までは前述した第1実施形態と同じであるので割愛し、図17のフローチャートより説明する。S51では、余裕駆動電力が読み出される。この時は停止時の余裕駆動電力と非停止時の余裕駆動電力との2つが読み出される。S52ではSOCが所定値以上かどうかが判定される。ここで所定値以上と判定されれば、S53で、余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力以下かどうかが判定される。余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力以下と判定されれば、S54で要求駆動電力が2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力(停止時)との差分以上かどうかが判定される。S54で要求駆動電力が2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力(停止時)との差分以下と判定されれば、S55にすすみエンジン停止指令をだす。S52でSOCが所定値より小さい判定されれば、S58に進み目標エンジン仕事率を以下の(11)式で演算する。 【0079】 【数11】 目標エンジン仕事率=目標エンジン仕事率基本値−補機消費電力 …(11) 【0080】S53で余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力未満、またはS54で要求駆動電力が2次電池の出力可能電力と余裕駆動電力(停止時)との差分未満と判定されれば、S56に進み、余裕駆動電力(非停止時)が2次電池の出力可能電力以下かどうかが判定される。ここで、余裕駆動電力(非停止時)が2次電池の出力可能電力以下と判定されれば、S57で目標エンジン仕事率を以下の(12)式で演算する。 【0081】 【数12】 目標エンジン仕事率=目標エンジン仕事率基本値+余裕駆動電力(非停止時) −2次電池の出力可能電力 …(12) 【0082】S56で余裕駆動電力(停止時)が2次電池の出力可能電力より大きいと判定されればS58に進む。以降は、図15のS43に戻り、第3実施形態と同じ演算が行われる。本発明の効果は、図16において、アクセル踏み込み前のエンジン出力が0である場合と考えられ、第3実施形態と効果は同様である。但し、第3実施形態の効果を確保しつつ、一般的にエンジンにとって効率が悪い低負荷域においてエンジンを停止できるため、さらなる燃費の向上が期待できる。 【0083】〔補足説明〕以下の説明は、第1、第2実施形態のようなシリーズハイブリッドまたは燃料電池車両の構成について説明する。第3、第4実施形態のようないわゆるパラレルハイブリッド車両では、「発電機」を「エンジンに」に置き換えるとあてはまる。 【0084】本発明でいう「余裕駆動電力」とは、図7に示したように、加速時におけるドライバーの要求する駆動仕事率を実現するために、それに対して発電機の出力応答が遅れる分を補う電力である。このような加速は、いつ、どのくらいの駆動仕事率要求で行われるかを予測することは難しい。このため、トライバーの要求する駆動仕事率を実現するためには、「余裕駆動電力」は常に確保しておかなければならない。 【0085】一方、2次電池の蓄電量が満充電に近い時は、過充電防止の観点からも2次電池の電力を使い、蓄電量を減らすことが望ましい。また、燃費の観点からも、2次電池に蓄電された電力を使った方が良い。 【0086】2次電力の電力を使うということだけを考えれば、前述した従来例のような手法があるが、従来例では2次電池の最大電力(またはモータの最大トルク)まで定常走行において使う構成となっている。そこで、2次電池の最大電力(モータの最大トルク)のみで走行している状態から加速を行った場合、図20、図21の従来技術の問題点説明図に示したように、2次電池は最大電力が既に使用されているので、発電機の応答遅れ分を2次電池からの電力によるモータ出力で補うことができず、結果としてトライバーの要求する駆動仕事率応答が得られない。 【0087】そこで、本発明では、2次電池の蓄電量が満充電に近い時には、ドライバーの要求する駆動仕事率応答を実現するため必要な電力を確保しつつ、定常走行においてもできる限り2次電池の電力を使えるようにすることを目的としている。 【0088】第1、第3実施形態の最初の説明では、余裕駆動電力を車両として想定している加速条件の中で、最も大きい値を設定している。例えばそれが20kWであったとする。 【0089】図18は、駆動電力が30kWから50kWに変化する加速を示している。ここで、2次元電池の出力可能電力は30kWであったとすると、加速前の状態では、2次電池の出力可能電力30kWから、余裕駆動電力20kWを引いた値、つまり10kWが、さらに加速前の駆動電力30kWから差し引かれ、発電機は20kWで運転する。このとき、2次電池からは、消費電力である駆動電力に対する供給電力である発電機出力の不足分である10kWが出力されている。加速中においては、不足している10kWに加え、駆動電力応答に対する発電機出力の応答遅れによる不足分が追加される。この不足分は想定している加速条件の中で最も大きい値である20kWを超えることはないので、2次電池からは、最大でも出力可能電力である30kW以内で出力される。加速が終了し、駆動電力50kWの定常運転においても、前述加速前の運転時と同様の計算がなされ、発電機出力は40kWで運転され、2次電池からは10kWが出力される。 【0090】一方、第1、第2実施形態の最後の説明では、車両状態によって余裕駆動電力がある程度限定されることを利用して、2次電池からの放電の量と機会を増やせることを説明している。なぜ、余裕駆動電力が車両状態によって限定できるかは、図9を使って前述したとおりである。 【0091】図19は、駆動電力が30kWから50kWに変化する加速を示している。例えば、駆動モータまたはエンジン出力の最大値が60kWとして、発電機の応答速度も考慮すると、余裕駆動電力は、駆動電力が30kWの時は20kW、50kWの時は10kWであったとする。 【0092】2次電池の出力可能電力は30kWであったとすると、加速前の状態では、2次電池の出力可能電力30kWから、余裕駆動電力20kWを引いた値、つまり10kWが、さらに加速前の駆動電力30kWから差し引かれ、発電機は20kWで運転する。このとき、2次電池からは、消費電力である駆動電力に対する供給電力である発電機出力の不足分である10kWが出力されている。 【0093】加速中においては、不足している10kWに加え、駆動電力応答に対する発電機出力の応答遅れによる不足分が追加される。駆動電力が30kWの時を想定して設定した値である20kWを超えることはないので、2次電池からは、最大でも出力可能電力である30kW以内で出力される。 【0094】加速が終了し、駆動電力50kWの定常運転では、2次電池の出力可能電力30kWから、余裕駆動電力10kWを引いた値、つまり20kWが、さらに加速後の駆動電力50kWから差し引かれ、発電機は30kWで運転する。このとき、2次電池からは、消費電力である駆動電力に対する供給電力である発電機出力の不足分である20kWが出力されている。このように現在の車両状態をもとにして余裕駆動電力を演算し、これを用いて制御することで、車両として想定している加速条件の中で、最も大きい値を設定している場合に比べ、2次電池からの出力の機会と量を増やすことが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−271909(P2002−271909A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月20日(2002.9.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−62500(P2001−62500) |
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