| 【発明の名称】 |
軌間可変動力車両の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 圭一郎
【氏名】松岡 孝一
【氏名】長谷部 寿郎
【氏名】高波 渉
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| 【要約】 |
【課題】本発明の課題は、軌間可変動力車両の軌間変換動作を円滑に行わせるために、車輪の駆動力を適切に制御することである。
【解決手段】各インバータの行う通常走行時における空転制御は、自台車内の各車輪速度の内、最小の速度を基準速度とするが、軌間変換中は、他台車の車輪速度の内、最小の速度を基準速度とするように切り換える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】軌間可変動力車両の車輪を駆動するための駆動力を制御する制御装置であって、軌間変換区間を走行する際に、前記駆動力を抑制することを特徴とする軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項2】軌間変換の異常を検知した場合に、前記駆動力を零に制御することを特徴とする請求項1記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項3】走行地点を表す地点情報に基づいて、前記車輪に係る軌間変換動作状態を判別し、当該車輪の駆動力を制御することを特徴とする請求項1または2記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項4】前記車輪に係る軌間変換動作状態を検知する検知手段を備え、前記検知手段により検知した軌間変換動作状態に基づいて、前記車輪の駆動力を制御することを特徴とする請求項1または2記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項5】前記車輪の速度相当値が所定の閾値を越えたか否かを判定し、超えたと判定した場合に前記駆動力の制御開始を指示する手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項6】前記制御は、空転制御であることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項7】前記車輪の空転状態を、軌間変換区間の長さ以上離れた位置の車輪または車軸の速度情報に基づいて判別して、前記空転制御を行うことを特徴とする請求項6記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項8】走行速度が所定速度以上の場合には、強制的に前記駆動力を零に制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項9】前記制御装置は、台車あるいは車軸単位で車輪の駆動力を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項10】前記軌間可変動力車両は電動車であることを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項11】前記制御は、前記車輪を駆動する電動機の制御であることを特徴とする請求項1から10のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。 【請求項12】前記制御は、前記車輪への動力伝達を断続する制御であることを特徴とする請求項1から11のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軌間可変車両に関し、特に軌間可変動力車両の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】軌間の異なる線路を走行することができる軌間可変車両として、フランス−スペイン間を走行する国際列車「タルゴ」が知られているが、この「タルゴ」は動力車(機関車)と客車とから構成され、客車のみが軌間可変車両であって、動力車(機関車)は軌間可変車両ではない。このため、軌間の異なる線路に移行する場合には、動力車(機関車)を交換する必要がある。また軌間可変車両としての動力車は世界的に例がないため、軌間可変動力車両の制御装置に対する従来技術はない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】仮に、軌間可変動力車両が軌間の異なる線路を結ぶ変換軌道(本明細書を通じて軌間変換区間という。)を通過する場合には、車輪の間隔を変更するために、その軌間可変動力車両の荷重を車輪以外の支持機構により支持する必要がある。このため、軌間変換区間を走行する際には、輪重低下による空転が引き起こされる可能性があり、軌間変換に係る動作不良が起こり得る。 【0004】本発明の課題は、軌間可変動力車両の軌間変換動作を円滑に行わせるために、車輪の駆動力を適切に制御することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、軌間可変動力車両の車輪を駆動するための駆動力を制御する制御装置(例えば、図5の上位制御装置A−0)であって、軌間変換区間(例えば、図1の軌間変換区間110)を走行する際に、前記駆動力を抑制することを特徴としている。 【0006】この請求項1記載の発明によれば、軌間可変動力車両が軌間変換区間を走行する際に、輪重低下による空転を抑制することができ、軌間変換に係る動作不良を防止するとともに、車輪およびレールの損傷を低減させることができる。 【0007】なお、この場合の車輪は、車輪一体形の電動機によって駆動されるものであってもよいし、たわみ継手および減速歯車装置を介して輪軸に動力を伝達する方式であってもよい。また軌間可変動力車両とは、機関車や気動車、電動車等の動力車両の内、軌間変換が可能な車両のことである。 【0008】また、請求項2記載の発明のように、請求項1記載の軌間可変動力車両の制御装置において、軌間変換の異常を検知した場合には、前記駆動力を零に制御することとしてもよい。 【0009】ここで軌間変換の異常とは、予期せずに軌間変換区間に在線した場合や、軌間変換動作中の異常を含む意である。 【0010】この請求項2記載の発明によれば、異常時においても、車輪にかかる駆動力を確実に零にすることができるため、その場合であっても車輪およびレールの損傷を最低限に抑えることができる。 【0011】また、請求項3記載の発明のように、請求項1または2記載の軌間可変動力車両の制御装置において、走行地点を表す地点情報(例えば、図5の区間検知センサ60aや輪軸上下変位センサ50aの出力信号値)に基づいて、前記車輪に係る軌間変換動作状態を判別し、当該車輪の駆動力を制御するように構成してもよい。 【0012】ここで走行地点とは、軌間変換区間の他、実施の形態において説明する輪重移行区間を含む意である。またこの場合の地点情報は、軌間可変動力車両が検知するものとしてもよいし、地上に設置したセンサ等によって軌間可変動力車両に地点情報を送信することとしてもよい。 【0013】また、請求項4記載の発明のように、請求項1または2記載の軌間可変動力車両の制御装置において、前記車輪に係る軌間変換動作状態を検知する検知手段(例えば、図5の区間検知センサ60aや輪軸上下変位センサ50a)を備え、この検知手段が検知した軌間変換動作状態に基づいて、前記車輪の駆動力を制御することとしてもよい。 【0014】この請求項3または4記載の発明によれば、軌間変換に係るより正確な駆動力の抑制制御を行うことが可能となる。 【0015】また、請求項5記載の発明のように、請求項1から4のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置において、前記車輪の速度相当値が所定の閾値を越えたか否かを判定し、超えたと判定した場合に前記駆動力の制御開始を指示する手段を備えるように構成してもよい。 【0016】この請求項5記載の発明によれば、駆動力の制御開始指示手段を2通りに利用することができる。1つは、請求項1から4記載の制御開始自体を当該手段に代用させる方法であり、もう1つは、軌間変換区間における駆動力制御の安全性・確実性のために、請求項1から4記載の制御と併用して当該手段を用いる方法である。 【0017】また、請求項6記載の発明のように、請求項1から5のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置において、空転制御によって前記制御を行うこととしてもよい。 【0018】またこの場合の空転制御は、当該車輪速度の時間変化率による検出の他、請求項7記載の発明のように、前記車輪の空転状態を、軌間変換区間の長さ以上離れた位置の車輪または車軸の速度情報に基づいて判別して行うこととしてもよい。 【0019】この請求項6または7記載の発明によれば、通常走行時にも適用されている空転制御によって、軌間変換時の制御を行うことができるため、軌間変換における制御を容易かつ安価に実現することができる。尚、空転制御における基準速度は、請求項7記載の発明のように、軌間変換区間以上離れた位置の車輪等の速度に基づく必要がある。即ち、通常走行時においては、一般的に同一の台車内あるいは同一の車両内で空転制御を行うため、軌間変換時においては、他の軸や台車における車輪等の速度に基づく必要がある。このための実現手段としては、軌間可変動力車両、あるいは軌間可変動力車両を含む列車内に伝送系(通信路)を設けたり、当該列車の絶対速度を検知するといった手段が考えられる。 【0020】また、請求項8記載の発明のように、請求項1から7のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置において、走行速度が所定速度以上の場合には、強制的に前記駆動力を零に制御することとしてもよい。 【0021】この請求項8記載の発明によれば、軌間変換における動作不良を防止するため、所定速度、例えば15km/h以上の場合には、強制的に駆動力を零にする。従って、軌間変換区間における動作不良や、車輪およびレールの損傷を最小限に抑えることができる。なお、ブレーキをかけた場合には、車輪およびレールの損傷が起こり得るため、ブレーキはかけることはできないが、軌間変換区間内を走行していない車輪や台車以外に対してブレーキをかけるように制御してもよい。 【0022】また、請求項9記載の発明のように、請求項1から8のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置は、台車あるいは車軸単位で車輪の駆動力を制御することとしてもよい。 【0023】この請求項9記載の発明によれば、独立車輪方式に対する制御のみならず、両輪駆動方式に対する制御や、台車の車輪を統括的に制御するといったことができるため、制御装置の数や大きさ等の規模を小さくし、より容易かつ安価に本発明を適用することが可能となる。 【0024】また、請求項10記載の発明のように、請求項1から9のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置における前記軌間可変動力車両は、電動車であってもよい。 【0025】この請求項10記載の発明によれば、本発明を電動車に適用することによって、一般に走行している電車の軌間変換を可能ならしめることができる。 【0026】また、請求項11記載の発明のように、請求項1から10のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置における制御を、前記車輪を駆動する電動機の制御によって行うこととしてもよいし、請求項12記載の発明のように、請求項1から11のいずれか記載の軌間可変動力車両の制御装置における制御を、前記車輪への動力伝達を断続する制御としてもよい。 【0027】この請求項11または12記載の発明によれば、通常走行時においても制御している電動機の出力トルクの制御を行うことによって本発明を実現できるため、本発明の適用を容易に実施することができる。また、クラッチや歯車装置等を用いた動力伝達の断続制御を行うことによって実現することも可能である。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下では、本発明を軌間可変電車に適用した場合を例にとって説明するが、本発明の適用対象は軌間可変な電車に限らず、機関車や気動車等の他の動力車へも適用が可能である。 【0029】まず本発明を適用した軌間可変電車400の軌間変換の機構について説明する。図1は、軌間変換区間110を含む軌道の構成を示す図である。図中上側の軌道が狭軌区間(以下、この区間の軌道を狭軌200という。)、図中下側の軌道が標準軌区間(以下、この区間の軌道を標準軌300という。)であり、狭軌200のレール端部200aと標準軌300のレール端部300aとの間が軌間変換区間110である。 【0030】また狭軌200と標準軌300との間は、所定間隔をおいて平行する2本のレールを対とした案内レール102によって結ばれており、案内レール102が狭軌200を挟むように狭軌200と平行に敷設された区間が輪重移行区間210、標準軌300を挟むように標準軌300と平行に敷設された区間が輪重移行区間310である。また、軌間変換の前後に渡って軌間可変電車400の荷重を支持すべく、軌間可変電車400の軸箱を支持する軸箱支持レール104が、狭軌200および標準軌300の外側に、平行して設置されている。 【0031】さらに、輪重移行区間210、310においては、軌間変換区間110へ近づくに従って、狭軌200および標準軌300の水平位置が低くなるように、逆に言えば、軌間変換区間110から遠ざかるに従って狭軌200および標準軌300の水平位置が高くなるように、勾配がつけられており、軌間可変電車400の荷重の支持を、車輪から軸箱へ、軸箱から車輪へ円滑に移行できるように構成されている。 【0032】図2は、本発明を適用した軌間可変電車400の台車の状態を示す図であり、狭軌200から標準軌300へ軌間変更をする際の状態を示す図である。本発明を適用した軌間可変電車400の電動機10は、車輪一体形の各輪駆動方式(独立車輪方式)であるが、以下簡明のため、固定子および回転子を含む電動機部分を電動機14、回転子と一体的に構成された車輪部分を車輪12と呼ぶ。 【0033】図2(a)は、狭軌200を走行する通常の走行状態を示す図である。ロックピン26が軸箱22に嵌合した状態で車輪12の左右間隔が保たれている(以下、この状態をロックという。)。 【0034】図2(b)は輪重移行区間210を走行する状態を示す図である。狭軌200のレールの水平位置が徐々に低くなるとともに、軌間可変電車400の車体荷重が、徐々に軸箱22を介して軸箱支持レール104により支持される。また、輪軸16が降下することにより、ロックピン26のロックが解除される。 【0035】図2(c)は軌間変換区間110を走行する状態を示す図である。軌間可変電車400の車体荷重は、完全に軸箱22を介した軸箱支持レール104により支持される。そして車輪12は案内レール102に従って左右に移動される。 【0036】図2(d)は標準軌300を走行する状態を示す図である。図2(b)とは逆に、標準軌300のレールの水平位置が徐々に高くなるとともに、軌間可変電車400の車体荷重が、徐々に車輪12を介して標準軌300により支持される。また標準軌300のレールの上昇に従い、輪軸16も上昇するため、軸箱22がロックピン24を嵌合・ロックし、車輪12の左右間隔が固定される。 【0037】図3は、軌間変換区間110を走行する3両編成の軌間可変電車400を示す図である。図3において軌間変換区間110の長さは、台車間の距離よりも短いため、軌間変換区間110上には1つの台車のみが在線するよう構成されている。また、図3において軌間可変電車400の動力車である電動車は1両目の車両401と3両目の車両403である。軌間可変電車400は図中左方向へ走行し、1両目の車両401の台車401bが軌間変換区間110内にある。従って同図の状態においては、台車401bを除く、車両401の台車401aと、車両403の動力によって軌間可変電車400が走行する。また、他の台車が軌間変換区間110内にある場合も同様に、当該他の台車以外の台車の動力によって、軌間可変電車400が走行する。 【0038】次に、駆動力の制御方法について説明する。図4は、軌間可変電車400の動力車である電動車1両の車輪および車体下部に設置される制御装置を示した略図であり、図5は、図4の車輪および制御装置に係る機能ブロック図である。台車a、bはそれぞれ、2つの車軸および4つの車輪により構成されるが、上述したように、本実施の形態の軌間可変電車400は車輪と電動機とが一体形の各輪駆動方式である。このため、インバータA−1〜A−4は、台車aに係る車輪a−1〜a−4の電動機a−10〜a−40を制御し、インバータB−1〜B−4は、台車bに係る車輪b−1〜b−4の電動機を制御する。また上位制御装置A−0がインバータA−1〜A−4を、上位制御装置B−0がインバータB−1〜B−4を統括的に制御する。 【0039】また、各インバータは、ベクトル制御によって電動機を制御し、基本的に空転再粘着制御(以下、空転制御という。)を行う。また、通常の走行時における空転制御は、自台車内の各車輪速度の内、最小の速度を基準速度とするが、後述するように、軌間変換中は、他台車の車輪速度の内、最小の速度を基準速度とするように切り換えられる。これは、列車の絶対速度に基づいて制御を行うためである。 【0040】以下、1つの台車に係る制御装置、電動機、車輪等のまとまりを群と呼ぶ。図5において、電動車401には群401Aと群401Bとがあり、電動車403には群403Aと群403Bとがある。軌間可変電車400内には車両間および群間を結ぶ伝送路90が設けられており、各群と、軌間可変電車400の運転台404とは、この伝送路90に接続され、データの伝送が随時可能なように構成されている。 【0041】また各群には、輪軸の上下位置を検知し、アナログ信号として出力する輪軸上下変位センサと、軸箱が軸箱指示レール104と接触したか否かを検知し、デジタル信号として出力する区間検知センサとが含まれる。 【0042】図6は、軌間変換の前後における輪軸上下変位センサと、区間検知センサとの関係を示す図であり、時間の経過は同図中右方向である。同図において、通常走行時においては、区間検知センサから区間外を示すOFF信号が、上下変位センサから輪軸が高位置にある旨を示すレベル信号が出力される。 【0043】輪重移行区間において、軸箱が軸箱指示レール104と接触するまでの間は、区間検知センサからOFF信号が出力され、軸箱と軸箱指示レール104とが接触した時以降からは、区間検知センサからON信号が出力される。さらに、輪重移行区間中、レールの水平位置が低下することによって輪軸が降下すると、軌間可変電車400の荷重は軸箱を介して軸箱支持レール104により支持されるため、輪軸が低位置に変位する。上下変位センサはこの輪軸の変位を検知して、輪軸が低位置に変位した旨のレベル信号を出力する。 【0044】軌間変換区間においては、輪軸上下変位センサからは輪軸が低位置にある旨を示すレベル信号が出力され、区間検知センサからはON信号が出力される。 【0045】以降、輪軸上下変位センサと区間検知センサとは上記と逆の検知を行って、輪軸上下変位センサは輪軸を低位置から高位置へ変位した旨を示す信号を、区間検知センサはON信号からOFF信号を出力することとなる。 【0046】したがって、図6に示すように、輪軸上下変位センサと区間検知センサの信号に基づいて、制御対象の台車(群)が、現在どの軌道を走行しているか、どの区間に在線しているか、どのような軌間変換過程にあるかを判別することができる。 【0047】次に、軌間変換の前後における駆動力の制御を順次説明するが、簡明のため、群401Aにおける制御についてのみ説明する。軌間変換区間から所定距離離れた地点において、運転士やATC(自動列車制御装置:Automatic Train Control device)等により運転台400から、軌間変換制御開始の指示信号が上位制御装置A−0に入力されると、上位制御装置A−0は、軌間変換制御を開始する。図7は、軌間変換の制御動作のフローを示す図である。 【0048】まず上位制御装置A−0は、車輪の回転速度が所定速度、例えば15km/h以下であるか否かを判定する(ステップS1)。所定速度以下でない場合には、インバータA−1〜A−4に力行OFFを出力し、所定速度以下となるまで、ブレーキ等により速度を低下させる(ステップS2)。 【0049】次いで、区間検知センサ60aからON信号が入力されたか、即ち軸箱が軸箱支持レール104に接触した旨の指示信号が入力されたか否かを判定する(ステップS3)。ON信号が入力された場合には、上位制御装置A−0は、インバータA−1〜A−4の空転制御に係る基準信号を、他の台車の速度信号に切り換える(ステップS4)。即ち、他の台車の車輪速度の内、最も低い速度を基準とする。 【0050】ステップS4において、軌間可変電車の荷重(正確には当該台車に係る荷重)は軸箱支持レール104により支持されており、軌間変換区間にある場合には車輪a−1〜a−4が案内レール102に沿って移動される。この間において、車輪a−1〜a−4は空転が生じ得るが、列車の絶対速度、即ち他の台車の速度信号を基準とした空転制御によって、その空転速度に応じて自動的にトルクが絞られる。 【0051】次いで、区間検知センサ60aの信号がOFFとなったか、即ち軸箱が軸箱支持レール104から離れ、軌間変換が終了したか否かを判定する(ステップS5)。当該信号がOFFとなった場合には、空転制御の基準速度信号を、自台車に係る車輪a−1〜a−4の速度信号に切り換える。即ち、通常走行時の制御へ復帰し(ステップS6)、軌間変換の制御を終了する。 【0052】以上のように、軌間変換時において、通常の空転制御の基準速度信号を他の台車の速度信号に切り換えることのみによって容易に空転を抑制することができる。このため、軌間変換時における車輪空転によって発生する駆動力の損失を最低限に抑えつつ、レール、車輪の損傷や、軌間変換動作不良を防止することができる。 【0053】なお、空転制御ではなく、電動機のトルクを“0”に絞る制御を行うこととしてもよい。即ち、上位制御装置A−0は、区間検知センサ60aからON信号が入力された場合には、インバータA−1〜A−4にトルクを“0”にする旨の指示を出力し、区間検知センサ60aからOFF信号が入力された場合には、インバータA−1〜A−4に通常走行時のトルクに復帰する指示を出力することとしてもよい。その場合には、軌間変換区間の車輪の駆動力を確実に“0”にすることができる。 【0054】また、区間検知センサ60aの出力信号と、輪軸上下変位センサ50aの出力信号とを併せて、段階的に電動機のトルクを絞るように制御してもよい。また、輪軸上下変位センサ50aの信号を異常信号とみたてて、区間検知センサ60aからの信号がOFFであるにも関わらず、輪軸上下変位センサ50aからの信号が輪軸の低位置を示す信号であった場合には、異常状態として検知し、電動機のトルクを“0”にする制御を即時行うこととしてもよい。 【0055】さらに、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、以下のように変形実施をすることも可能である。 【0056】例えば、軌間変換区間110の長さは、台車間の距離よりも短いこととして説明したが、図8に示すように、複数の台車が在線可能な長さとしてもよい。その場合には、軌間変換に長い距離を要することとなるが、車輪の移動が緩やかに行われるために、車輪およびレールの損傷のさらなる低減を図ることができる。しかし、この場合には、空転制御の基準速度信号の選択に注意を要する。即ち、上記説明においては、1つの台車のみが軌間変換区間に在線するために、他の台車の速度信号の内、最低のものを基準速度信号とすることとしたが、他の台車であっても軌間変換区間内に在線する可能性があるからである。従って、軌間変換区間以上離れた距離の台車からの速度信号を基準速度とする必要がある。 【0057】また、群単位の制御を行うべく、上位制御装置が統括的に軌間変換に係る制御を行うこととして説明したが、図9に示すように、輪軸上下変位センサ50aと、区間検知センサ60aと、速度信号とを各インバータに入力し、インバータ毎に個別に軌間変換に係る制御を行うこととしてもよい。さらに、図10に示すように、軌間可変電車に、列車全体の軌間変換に係る制御を行うための軌間変換制御装置406を備え、伝送路90を介して、各群に対する制御を一括して行うこととしてもよい。 【0058】また、上記実施の形態においては、車輪は独立車輪方式の各輪駆動方式であったが、各軸駆動方式であってもよい。 【0059】また、上記実施の形態においては、電動機の制御を行うことによって、車輪の駆動力を制御することとして説明したが、クラッチ等を介して電動機の動力を車輪に伝達することとし、軌間変換時にはクラッチを切る等して、電動機の動力伝達を断続することとしてもよい。 【0060】 【発明の効果】本発明によれば、軌間可変動力車両が軌間変換区間を走行する際に引き起こされる、輪重低下による空転を抑制し、軌間変換に係る動作不良を防止することができる。また、軌間変換時の車輪およびレールの損傷を低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000173784 【氏名又は名称】財団法人鉄道総合技術研究所 【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成13年2月5日(2001.2.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090033 【弁理士】 【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−233005(P2002−233005A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月16日(2002.8.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−28433(P2001−28433) |
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