| 【発明の名称】 |
電気自動車のトルク制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷畑 孝二
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アクセル開度に応じてトルク指令値を演算するトルク指令値演算手段と、電気自動車のモータに供給する電力を演算したトルク指令値に基づき制御する制御手段と、を備え、モータのトルクをトルク指令値に制御するトルク制御装置において、トルク指令値演算手段が、アクセル開度が低い領域ではアクセル開度の変化に対するトルク指令値の変化量が小さく、アクセル開度が中程度の領域ではアクセル開度の変化に対するトルク指令値の変化量が大きくなるよう、トルク指令値を演算することを特徴とするトルク制御装置。 【請求項2】 請求項1記載のトルク制御装置において、トルク指令値演算手段が、アクセル開度に基づき演算されるトルク指令値に時間と共に漸近するよう、なましトルク指令値を演算し、このなましトルク指令値をトルク指令値として制御手段に与えることを特徴とするトルク制御装置。 【請求項3】 請求項2記載のトルク制御装置において、トルク指令値演算手段が、アクセル開度に基づき演算されるトルク指令値の変化に比べ緩やかにモータのトルクが変化するよう、従前のトルク指令値に対するトルク指令値の変化量の一部をなまし定数に応じて従前のトルク指令値に加算した値に相当するなましトルク指令値を演算し、このなましトルク指令値をトルク指令値として制御手段に与えることを特徴とするトルク制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電気自動車のモータに供給する電力をトルク指令値に基づき制御する装置、すなわち電気自動車のトルク制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電気自動車は、バッテリ及びモータを搭載し、モータを駆動源とする車両である。図5には、電気自動車の概略構成が示されている。 【0003】この図において10で示される主バッテリは、所定の直流電圧をインバータ12に供給する。インバータ12は、コントローラ14の制御の下に、主バッテリ10からの直流電圧を三相交流電力に変換し、モータ16に供給する。モータ16はインバータ12からの電力の供給を受け回転し、その機械出力をシャフト等を介して駆動輪に供給する。コントローラ14は、モータ16の回転数Nを回転数センサ18により検出し、アクセル信号、ブレーキ信号等に応じてインバータ12の動作を制御する。 【0004】具体的には、コントローラ14は、アクセル信号等として入力されるアクセル開度に応じてトルク指令値を決定し、このトルク指令値に基づきインバータ12を構成する各スイッチング素子のオン/オフ動作を制御することにより、モータ16のトルクがモータ指令値に制御する。その際、コントローラ14は、図6に示されるようにアクセル開度に対してリニアとなるようトルク指令値を決定する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようにトルク指令値をアクセル開度に対してリニアに決定する装置においては、アクセル開度が低い領域におけるモータトルクの微調整が困難である。すなわち、アクセル開度の変化に対する実際のモータトルクの変化が操縦者が要求している変化より大きくなることがあり、この結果、ハンチングが生じる可能性がある。 【0006】また、アクセル開度が中程度の領域では、アクセル開度の変化に対するモータトルクの変化が操縦者の要求より小さいため、操縦者のフィーリングに合致した加速感が得られないことがある。 【0007】本発明は、このような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、アクセル開度が低い領域におけるハンチング等を防止するとともに中程度の領域における加速感を向上させることを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明のトルク制御装置は、アクセル開度が低い領域ではアクセル開度の変化に対するトルク指令値の変化が小さく、アクセル開度が中程度の領域ではアクセル開度の変化に対するトルク指令値の変化量が大きくなるよう、トルク指令値を演算することを特徴とする。 【0009】また、本発明の請求項2に係るトルク制御装置は、アクセル開度に基づき演算されるトルク指令値に時間とともに漸近するよう、なましトルク指令値を演算し、このなましトルク指令値をトルク指令値として制御手段に与えることを特徴とする。また、本発明の請求項3に係るトルク制御装置は、アクセル開度に基づき演算されるトルク指令値の変化に比べ緩やかにモータのトルクが変化するよう、従前のトルク指令値に対するトルク指令値の変化量の一部をなまし定数に応じて従前のトルク指令値に加算した値に相当するなましトルク指令値を演算し、このなましトルク指令値をトルク指令値として制御手段に与えることを特徴とする。 【0010】 【作用】本発明においては、アクセル開度が低い領域ではトルク指令値の変化量が小さく設定される。従って、トルク指令値をアクセル開度に応じて微調整することが可能となり、ハンチング等が防止される。また、アクセル開度が中程度の領域ではトルク指令値の変化量が大きく設定される。従って、例えばアクセル開度が低い領域に比べアクセル開度に対しトルク指令値が大きく変化することとなるため、加速感が向上する。 【0011】また、本発明の請求項2及び3においては、トルク指令値に漸近するよう演算されたなましトルク指令値に基づきモータのトルクが制御される。従って、過渡的なモータトルク変動が緩和される。 【0012】 【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に基づき説明する。 【0013】本発明の特徴に係るトルク制御は、例えば図5に示されるような構成を有する電気自動車において実施することができる。図1には、本発明の第1実施例に係るトルク制御を図5に示されるコントローラ14によって実施した場合の当該コントローラ14の所定周期毎の動作の流れが示されている。 【0014】この図に示されるように、本実施例においては、アクセルの踏み込みに応じてモータ16のトルク制御を行う際、まず、モータ負荷率RMPが決定される(100)。すなわち、本実施例においてはコントローラ14がアクセル開度とモータ負荷率RMPのマップを搭載しており、コントローラ14は、アクセル信号として入力されるアクセル開度によりこのマップを参照することにより、モータ負荷率RMPを求める。コントローラ14に搭載するマップとしては、例えば図2(a)に示されるように、アクセル開度が低い領域におけるモータ負荷率RMPの変化量を従来より小さくし、中程度の領域における変化量を従来より大きくしたマップを用いることができる。また、アクセル開度が高い領域におけるモータ負荷率RMPの変化量は低い領域のそれと同程度で足りる。更に、図2(b)に示されるように、アクセル開度が極めて高くなったときにモータ負荷率RMPをほぼ一定としても構わない。 【0015】コントローラ14は、モータ負荷率RMPを求めた後、このモータ負荷率RMPに基づきトルク指令値Tcを演算する(102)。この演算は、モータ16の最大トルクTmaxと最小トルクTminによって決定されるトルク範囲をモータ負荷率RMPで按分する演算である。すなわち、トルク指令値Tcは次の式に基づき演算される。なお、最大トルクTmax及び最小トルクTminは、回転数NによりTmaxテーブルおよびTminテーブルを参照して求めればよい。コントローラ14は、これらのテーブルを搭載している。 【0016】 Tc=(Tmax−Tmin)×RMP+Tminコントローラ14は、このようにして演算したトルク指令値Tcに基づきトルク制御を実行する(104)。例えば、トルク指令値Tcに応じたパルス幅を有するPWM信号を生成し、このPWM信号を用いてインバータ12のスイッチング素子を制御することにより、モータ16のトルクを制御する。 【0017】このような制御が行われると、アクセル開度が低い領域におけるハンチングが防止され、また、中程度の領域における加速感が向上する。すなわち、図2に示されるように、アクセル開度が低い領域におけるモータ負荷率RMPの変化率が低いため、アクセル開度に応じてモータ負荷率RMP、ひいてはトルク指令値Tcを微調整することが可能となり、これによりハンチングが低減される。また、アクセル開度が中程度の領域では、アクセル開度の変化に対するモータ負荷率RMPの変化量が大きいため、アクセルの踏み込みに比べ高い加速感が得られることとなる。 【0018】図3(a)には、本発明の第2実施例に係るコントローラ14の動作の流れが示されている。この実施例は、トルク指令値Tcについてなまし制御を行っている点が、図1に示される第1実施例と異なっている。すなわち、この実施例では、ステップ102と104の間にステップ106及び108が実行される。 【0019】ステップ106においては、ステップ102において演算されるトルク指令値が前回のトルク指令値に対してどの程度変化したかが演算される。ここに、前回ステップ108を実行したときに求めたトルク指令値をTcとし、直前のステップ102において演算したトルク指令値をTc0とすると、ステップ106において求められるトルク指令値変化量ΔTcは、ΔTc=Tc0−Tcと表される。 【0020】ステップ108においては、このようにして求めたトルク指令値変化量ΔTcと、前回のトルク指令値Tcを用いて、新たになましトルク指令値Tcが演算される。すなわち、Tc=Tc+ΔTc/nが演算される。ここに、nはなまし定数である。 【0021】図3(a)に示される処理を逐次繰り返し実行した場合、アクセル操作に対するトルク指令値の変化は図3(b)に示されるようなものとなる。この図においてTc0として示されるのは、図3(a)のステップ102において演算されるトルク指令値であり、アクセルの操作に応じてステップ的に増加又は減少している。また、破線で示されるトルク指令値Tcはステップ108において演算されるなましトルク指令値であり、なまし定数nにより前回のトルク指令値Tcに対する変化を抑制しているため、トルク指令値Tc0に対して鈍った変化をしている。 【0022】従って、本実施例によれば、アクセル操作に伴うトルク変化を緩和することができ、過渡的なモータ16のトルク変動を抑制できる。この結果、トルクショックが軽減されることとなる。 【0023】また、このようななまし制御によって、ガソリン車に近いフィーリングを得ることができる。ガソリン車においては、アクセル操作に対する出力トルクの変化が電気自動車におけるモータ16の出力トルクの変化に対してやや緩いため、本実施例のようにトルク指令値Tcに係るなまし制御を行うことにより、ガソリン車に近いフィーリングが得られる。 【0024】図4(a)には、本発明の第3実施例に係る装置におけるコントローラ14の動作が示されている。この実施例においては、ステップ100実行後ステップ102実行に先だってステップ110及び112が実行される。 【0025】ステップ110は、ステップ100において求められたモータ負荷率に基づきモータ負荷率変化量ΔRMPを演算するステップである。いま、前回ステップ112を実行したときに求めたモータ負荷率をRMP、直前のステップ100において求めたモータ負荷率をRMP0とした場合、ステップ110において求められるモータ負荷率変化量ΔRMPは次のように表される。 【0026】ΔRMP=RMP0−RMPステップ112においては、このようにして求められたモータ負荷率変化量ΔRMPに基づき、モータ負荷率RMPが演算される。すなわち、RMP=RMP+ΔRMP/nが演算される。このようにして求められるモータ負荷率RMPは、図4(b)に示されるように、ステップ100において求められるモータ負荷率RMP0に対して鈍った変化を有するモータ負荷率、すなわちなましモータ負荷率である。このようななましモータ負荷率RMPを用いてステップ102によりトルク指令値Tcを演算することにより、図3に示される第2実施例と同様の効果が得られる。 【0027】なお、第2実施例及び第3実施例におけるなまし定数nを、アクセル開度が高まるときと低まるときとで異なる値に設定しても構わない。また、アクセル開度が低い領域と高い領域とでなまし定数nを異なる値に設定しても構わない。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、アクセル開度が低い領域でアクセル開度の変化に対するトルク指令値の変化量を小さく、アクセル開度が中程度の領域では大きくなるようトルク指令値を演算するようにしたため、アクセル開度が低い領域におけるハンチングの防止、アクセル開度が中程度の領域における加速感の向上等の効果が得られる。 【0029】また、本発明の請求項2及び3によれば、アクセル開度に対するトルク指令値をなますようにしたため、過渡的なモータトルク変動が緩和され、機械系のガタ等による過渡的なトルクショックが低減される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成4年7月30日(1992.7.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−199513(P2002−199513A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月12日(2002.7.12) |
| 【出願番号】 |
特願2001−387317(P2001−387317) |
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