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【発明の名称】 車両用電源装置及びエンジン駆動規制支援装置
【発明者】 【氏名】大林 和良

【要約】 【課題】電力使用における不便の増大を抑止しつつ車載蓄電池や発電装置の大容量化を回避可能な車両用電源装置を提供すること。

【解決手段】高圧バッテリ3の放電容量が所定上限値を超える場合に、発電電動機1の発電能力を増大又は負荷を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】蓄電池を有する蓄電部、並びに、前記蓄電部と電力授受する発電部を含み、複数の車載負荷に給電する電力供給部と、前記電力供給部から各前記車載負荷への供給電力を制御する制御部と、を備える車両用電源装置において、前記制御部は、前記発電部の発電電力及び前記蓄電池の放電電力を含み前記電力供給部から前記車載負荷へ供給可能な電力である供給可能電力合計(又はこの供給可能電力合計に連動する電気量)が、前記各車載負荷の消費電力の合計である要求電力合計(又はこの要求電力合計に連動する電気量)を下回る場合、又は、下回ると予測される場合に、前記供給可能電力合計の増大又は前記要求電力合計の低減を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項2】請求項1記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記蓄電池の放電電力が前記蓄電池の所定の許容最大値又は所定値を超える場合に、前記発電電力の増大又は前記要求電力の低減を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項3】請求項1記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記供給可能電力合計又はその直近将来の予測値が、前記要求電力合計又はその直近将来の予測値を超過すると判定される場合に、前記供給可能電力合計の増大又は前記要求電力合計の低減を行うこと特徴とする車両用電源装置。
【請求項4】請求項3記載の車両用電源装置において、前記制御部は、検出した車両運転状況又は前記車載負荷の駆動状況に基づいて前記要求電力合計又はその直近将来の予測値を算出することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項5】請求項1乃至4のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記発電電力の増大により、前記供給可能電力合計の増大を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項6】請求項5記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記要求電力合計の低減よりも前記発電電力の増大を優先して実施することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項7】請求項1乃至6のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、所定の前記車載負荷の遮断、又は、前記車載負荷の駆動率の低減、又は、互いに時間的に重ならない範囲での各前記車載負荷への給電の連続給電から間欠給電への変更により前記要求電力合計の低減を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項8】請求項1乃至7のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記供給可能電力合計が前記要求電力合計を超過している場合には、前記蓄電池の残存容量が所定範囲内にて前記蓄電池の充放電電力が0に収束するように、前記発電電力の低減又は前記要求電力合計の回復を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項9】請求項8記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記発電電力の低減よりも前記所定の要求電力合計の回復を優先して実施することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項10】請求項1乃至9のいずれか記載の車両用電源装置において、前記蓄電部は、第一の車載負荷群に給電する第一の蓄電池と、第二の車載負荷群に給電する第二の蓄電池と、前記両蓄電池間の電力融通を行う直ー直電力変換部とを有し、前記制御部は、前記第一の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第一の車載負荷群の前記要求電力合計を超え、かつ、前記第二の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第二の車載負荷群の前記要求電力合計を超えるように、前記両車載負荷群の要求電力又は前記発電電力又は前記両蓄電池間の融通電力を調整することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項11】請求項10記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記融通電力の調整より前記発電電力の調整を優先して実施することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項12】請求項1乃至9のいずれか記載の車両用電源装置において、前記蓄電部は、第一の車載負荷群に給電する第一の蓄電池と、第二の車載負荷群に給電する第二の蓄電池とを有し、前記発電部は、前記第一の蓄電池と電力授受する第一の交ー直電力変換部と、前記第二の蓄電池と電力授受する第二の交ー直電力変換部とを有し、前記制御部は、前記第一の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第一の車載負荷群の前記要求電力合計を超過し、かつ、前記第二の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第二の車載負荷群の前記要求電力合計を超過するように、前記両車載負荷群の要求電力又は前記両交ー直電力変換部の発電電力を調整することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項13】請求項1ないし12のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記要求電力合計の変化を伴う指令の入力に対して、前記変化後の前記要求電力合計が供給可能電力合計以上となる場合に、前記供給可能電力合計が前記変化後の要求電力合計を超えるように前記供給可能電力合計の増大又は前記要求電力合計の低減を指令した時点以後に、前記要求電力合計の変化を伴う指令の実行を許可することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項14】請求項13記載の車両用電源装置において、前記制御部は、所定範囲内の駆動率で駆動が可能な前記車載負荷の駆動指令の入力に対して、前記駆動が指令された前記車載負荷を、前記所定範囲内の駆動率で駆動させることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項15】請求項1乃至14のいずれか記載の車両用電源装置において、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、前記蓄電部の所定回目のエンジン始動放電の直後の期間及び前記エンジンの始動中の期間を除いて、前記蓄電部が前記エンジン始動が可能な放電電力量を維持することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項16】請求項1乃至15のいずれか記載の車両用電源装置において、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、前記エンジンの所定の短期間の停止を予測する場合に、前記所定期間中の前記蓄電部の放電電力量の所定部分を前記エンジンの停止前に予め蓄電することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項17】請求項7記載の車両用電源装置において、前記要求電力合計の低減を達成する前記車載負荷の遮断又はその駆動率の低減を、前記各車載負荷ごとに予め定められた重要度順序と逆の順序で行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項18】請求項17記載の車両用電源装置において、前記制御部は、検出した車両運転状況又は前記車載負荷の駆動状況に基づいて予め定められた切り替えパターンにより前記重要度順序を変更することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項19】請求項1乃至18記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記発電部の発電電力が、前記各車載負荷の消費電力の合計である要求電力合計より所定値以上過剰となる場合に、前記発電電力の低減又は前記要求電力合計の増大を行うこと特徴とする車両用電源装置。
【請求項20】請求項19記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記蓄電池の充電電力が前記蓄電池の所定の許容最大値又は所定値を超える場合に、前記発電電力の低減又は前記要求電力の増大を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項21】蓄電池を有する蓄電部、並びに、前記蓄電部と電力授受する発電部を含み、複数の車載負荷に給電する電力供給部と、前記電力供給部から各前記車載負荷への供給電力を制御する制御部とを備える車両用電源装置において、前記制御部は、前記車載負荷を含むすべての電気負荷の消費電力の合計である要求電力合計が変化する場合に、この変化を電流状態又は車載負荷の駆動状況に基づいて検出し、検出した変化に応じて発電電力をまず変化させ、更に、要求電力合計の増大を発電電力の増大で賄えない場合はその差分を蓄電池の放電により賄うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項22】請求項1乃至21のいずれか記載の車両用電源装置において、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、前記供給可能電力合計が前記要求電力合計を下回る場合か又は下回ると予測される場合に前記エンジンが停止中であれば、前記エンジンの始動よりも前記要求電力合計の低減又は前記融通電力の調整を優先させることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項23】請求項1乃至22のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、消費電力が小さい所定の小電力負荷及び特に重要な所定の重要負荷へ給電する電力に相当する基礎要求電力値と、現在給電中の前記車載負荷の消費電力との合計により前記要求電力合計を算出することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項24】請求項1乃至23のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、所定の複数の判定基準ごとに前記各車載負荷に対してそれぞれ付与されたポイントの各車載負荷ごとの所定の関数値である優先ポイントを記憶乃至算出し、前記優先ポイントの大小により前記要求電力合計低減時の遮断乃至消費電力低減順序を設定することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項25】請求項24記載の車両用電源装置において、所定の前記車載負荷の前記ポイント又は優先ポイントは、時間に応じて変化する変数であることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項26】請求項24又は25記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記優先ポイントに基づいて前記車載負荷の駆動率を決定することを特徴とする車両用電源装置。
【請求項27】請求項1乃至26のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定値未満であることを検出した場合に、前記供給可能電力合計の増加又は前記要求電力合計の削減を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項28】請求項1乃至27のいずれか記載の車両用電源装置において、前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定値以上であることを検出した場合に、前記供給可能電力合計の減少を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【請求項29】請求項1乃至28のいずれか記載の車両用電源装置において、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、車外又は車載の車両位置特定装置から受信した情報に基づいて車両位置が所定のエンジン駆動規制地域内にあると判定した場合、又は、車外から受信したエンジン駆動規制信号に基づいて、前記エンジンを停止又は減速し、その結果、生じた前記供給可能電力合計の減少により前記供給可能電力合計が前記要求電力合計を下回る場合に、前記要求電力合計の低減又は前記融通電力の調整によりその解消を図ることを特徴とする車両用電源装置。
【請求項30】請求項29記載の車両用電源装置において、前記受信情報に基づいて、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の所定のエンジン駆動規制時間帯にあるかどうかを判定し、前記エンジン駆動規制手段は、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の前記エンジン駆動規制時間帯にあるとの判定に基づいて、前記エンジンの停止又は減速を指令することを特徴とするエンジン駆動規制装置。
【請求項31】車外又は車載の車両位置特定装置から受信した情報に基づいて車両位置が所定のエンジン駆動規制地域内にあるかどうかを判定する手段、及び、車外からのエンジン駆動規制信号を受信する手段の少なくともいずれかを含むエンジン駆動規制地域検出手段と、前記車両位置が前記エンジン駆動規制地域内にあるとの判定、又は、前記エンジン駆動規制信号の受信により、運転者への報知又は車載のエンジンの停止又は減速を指令するエンジン駆動規制手段と、を備えて、エンジン搭載車両に装備されることを特徴とするエンジン駆動規制支援装置。
【請求項32】請求項31記載のエンジン駆動規制支援装置において、前記エンジン駆動規制地域検出手段は、前記受信情報に基づいて、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の所定のエンジン駆動規制時間帯にあるかどうかを判定し、前記エンジン駆動規制手段は、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の前記エンジン駆動規制時間帯にあるとの判定に基づいて、前記運転者への報知又は前記エンジンの停止又は減速を指令することを特徴とするエンジン駆動規制支援装置。
【請求項33】請求項29乃至32のいずれか記載のエンジン駆動規制支援装置において、エンジン停止地域が運転者に報知された場合、あるいは運転者が道路標識などでエンジン駆動規制を認知した場合、あるいは運転者が自己意志でエンジン駆動を規制しようと判断した場合に、運転者がエンジン停止操作可能なエンジン停止用スイッチを有することを特徴とするエンジン駆動規制支援装置車両用電源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電電動機又は燃料電池からなる車両用電源装置及びエンジン駆動規制支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用電源装置の一例として、内燃機関車ではオルタネータによりバッテリを充電する車両用電源装置が周知である。
【0003】この従来の内燃機関車用車両用電源装置では、バッテリ電圧を所定値に収束させるようにオルタネータの発電電力を調整している。
【0004】また、車両用電源装置の他例として、ハイブリッド車では発電電動機によりバッテリを充電する車両用電源装置が周知である。
【0005】この従来のハイブリッド車用車両用電源装置では、バッテリの残存容量(SOC)を所定値に収束させるように発電電動機の発電電力を調整している。なお、これは、減速エネルギ回生時や加速アシスト時にバッテリの充放電電力を最適利用するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したハイブリッド車のようにエンジン始動や車載負荷給電のみならず走行動力の一部をバッテリから供給しようとする場合などにおいて、車載バッテリを従来より格段に大型化することが要求されるが、バッテリは、車両搭載スペースや車載重量の増大を招き、大きな問題となっている。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、電力使用における不便の増大を抑止しつつ車載蓄電池や発電装置の大容量化を回避可能な車両用電源装置を提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の車両用電源装置は、蓄電池を有する蓄電部、並びに、前記蓄電部と電力授受する発電部を含み、複数の車載負荷に給電する電力供給部と、前記電力供給部から各前記車載負荷への供給電力を制御する制御部とを備える車両用電源装置において、前記制御部が、前記発電部の発電電力及び前記蓄電池の放電電力を含み前記電力供給部から前記車載負荷へ供給可能な電力である供給可能電力合計(又はこの供給可能電力合計に連動する電気量)が、前記各車載負荷の消費電力の合計である要求電力合計(又はこの要求電力合計に連動する電気量)を下回る場合、又は下回ると予測される場合に、前記供給可能電力合計の増大又は前記要求電力合計の低減を行うことをこと特徴としている。
【0009】なお、ここでいう供給可能電力合計は、ある場合には、蓄電池の最大放電能力を含んで設定されてもよいが、更に好適には、蓄電池の好適な放電電力レベルを基準に設定されてもよい。また、発電部は、エンジンに連結される発電電動機の他に燃料電池により構成されてもよい。
【0010】すなわち、本構成は、発電部の発電電力と蓄電部の負荷向け放電可能電力との合計を含む供給可能電力合計が、車載負荷の要求電力合計を超過する状態を維持するために、発電電力の増加を含む供給可能電力の増加や、要求電力の削減を行う。
【0011】これにより、蓄電部や発電部をいたずらに大型化することなしに蓄電部及び発電部を含む電力供給部の許容範囲内で各車載負荷への良好な給電を実現することができ、電力不足状態の発生とそれに伴う蓄電池の劣化などの障害を抑止することができる。
【0012】更に説明すると、従来の車両用電源装置は、バッテリの充電レベルすなわち残存容量を常に一定範囲に収束させるように制御するために、その実体は、要求電力合計の増大の累積結果として生じたバッテリ残存容量の減少という現象を利用して、供給電力合計としての発電電力を増大させるというフィードバック制御を行っている。したがって、残存容量が100%近い場合には発電機は動かず、負荷の要求電力はバッテリでまかなわれるが、その上限はバッテリの許容出力である。
【0013】これに対し、本発明では、要求電力合計の増大の非累積結果である要求電力合計の増加が現時点の供給可能電力合計(又は好適なレベルの供給可能電力合計)を超えるという現象を利用して、供給電力合計としての発電電力を増大させるという制御を行う点にある。
【0014】したがって、本発明によれば、負荷給電電力の上限がバッテリ許容電力と発電電力との合計まで上昇するため、電力供給能力に余裕ができ、より速やかに要求電力合計増加に対応することができ、その分、蓄電池の残存容量変動も小さく、蓄電池の充放電も減り、その寿命も増大させるできるものである。つまり、従来の電力量Whだけでなく、瞬時電力Wに着目した点に特徴がある。
【0015】たとえば、いま突然大型の車載負荷をオンしたとする。従来においては、このオンに起因する所定基準残存容量レベルよりの徐々の残存容量低下に対して発電電力が徐々にアップする。このため、実際に蓄電池の残存容量が元の状態にまで回復するには所定の時間が必要となる。これに対して、本発明では、突然大型の車載負荷をオンに対して、それが基準レベル(要求電力合計が供給可能電力合計(たとえば現時点の発電電力と現時点の最大又は好適な所定の放電電力との合計)を超えるほど大きければ、直ちにその差だけ発電電力を増強する。このため、本発明では、突然大型の車載負荷をオンしたとしても、蓄電池の残存容量レベルが低下するのを相対的に良好に抑止できるわけである。
【0016】本構成の好適態様において、供給可能電力合計(負荷向け)が要求電力合計を超過するように、発電電力増大及び要求電力の低減の両方を行う。
【0017】これにより、各車載負荷の要求電力合計が供給可能電力合計を上回る場合でも、一部の車載負荷への給電の削減又は停止により、蓄電池の残存容量低下の抑止を含む電源系の運用を一層良好に行うことができる。
【0018】請求項2記載の構成によれば請求項1記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記蓄電池の放電電力が前記蓄電池の所定の許容最大値又は所定値を超える場合に、前記発電電力の増大又は前記要求電力の低減を行うことを特徴としている。
【0019】すなわち、本構成では、要求電力合計の増大を、それにより生じる蓄電池の放電電力の増大により検出して供給可能電力合計の増大又は要求電力合計の低減を行う。したがって、要求電力合計の増大を容易かつ正確に検出することができる。
【0020】請求項3記載の構成によれば請求項1記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記供給可能電力合計又はその直近将来の予測値が、前記要求電力合計又はその直近将来の予測値を超過すると判定される場合に、前記供給可能電力合計の増大又は前記要求電力合計の低減を行うこと特徴としている。
【0021】すなわち、本構成では、蓄電池の状態ではなく、車載負荷の消費電力の現在値又は直近将来の予測値の増大を算出して、供給可能電力合計特に発電電力の増大を行う。
【0022】これにより、請求項1又は2記載の作用効果を奏することができる。特に、本構成において、車載負荷の消費電力の増大を予測する場合、この増大量の予測に基づいて、発電電力の増大を行う。これにより、制御レスポンスを一層向上することができる。たとえば、所定の車載負荷駆動の指令があった場合又は直近将来においてあると予想される場合、前もって供給可能電力合計特に発電電力を増大しておく。これにより、発電電力増大の遅れによる蓄電池の放電の過大な増加や電源電圧の低下を抑止することができる。
【0023】請求項4記載の構成によれば請求項3記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、検出した車両運転状況又は前記車載負荷の駆動状況に基づいて前記要求電力合計又はその直近将来の予測値を算出することを特徴としている。
【0024】すなわち、車載負荷の駆動は、車両運転状況又は車載負荷の駆動状況から予測できる場合がある。このため、車両運転状況又は車載負荷の駆動状況により直近将来の要求電力合計の増大を予測することができる。
【0025】たとえば、アイドルストップ状態でエンジン停止中はその後のエンジン再始動を予測することができ、周期間欠動作負荷の場合は一層正確に要求電力合計の増加を予測することができる。
【0026】請求項5記載の構成によれば請求項1乃至4のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記発電電力の増大により、前記供給可能電力合計の増大を行うことを特徴としている。
【0027】本構成によれば、供給可能電力合計を発電電力の増大により行うので上記効果を確実かつ長時間実現することができる。
【0028】請求項6記載の構成によれば請求項5記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記要求電力合計の低減よりも前記発電電力の増大を優先して実施することを特徴としている。
【0029】本構成によれば、車載負荷のオフや駆動率の低減に伴う不便を抑止しつつ上記効果を実現することができる。
【0030】請求項7記載の構成によれば請求項1乃至6のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、所定の前記車載負荷の遮断、又は、前記車載負荷の駆動率の低減、又は、互いに時間的に重ならない範囲での各前記車載負荷への給電の連続給電から間欠給電への変更により前記要求電力合計の低減を行うことを特徴としている。
【0031】本構成によれば、要求電力合計を削減することができる。特に駆動率の低減の実施は、それが可能な車載負荷の運転維持を図ることができ、その遮断による不便を低減することができる。また、上記間欠運転の実施は、それが可能な車載負荷の運転維持を図ることができ、その遮断による不便を低減することができる。
【0032】請求項8記載の構成によれば請求項1乃至7のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記供給可能電力合計が前記要求電力合計を超過している場合には、前記蓄電池の残存容量が所定範囲内にて前記蓄電池の充放電電力が0に収束するように、前記発電電力の低減又は前記要求電力合計の回復を行うことを特徴としている。
【0033】本構成によれば、前述した要求電力合計の増加により増大した発電電力を低減したり、低減された要求電力合計を回復(元に増大)することができる。
【0034】更に、本構成では、要求電力合計の増大に対応して供給可能電力合計が要求電力合計に達したら、蓄電池の残存容量が所定範囲内に回復するように発電を持続し、最終的に蓄電池の充放電電力を0に収束させる。すなわち、供給可能電力合計が要求電力合計に達したら、供給可能電力合計中の充放電電力が0となるように発電電力を調整する。
【0035】これにより、要求電力合計の変化に応じて一時的に変動した蓄電池の残存容量を一定レベルに速やかに回復させることができる。
【0036】請求項9記載の構成によれば請求項8記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記発電電力の低減よりも前記所定の要求電力合計の回復を優先して実施することを特徴としている。
【0037】これにより、車載負荷の消費電力低減による不便を可能な範囲で短縮することができる。
【0038】請求項10記載の構成によれば請求項1乃至9のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記蓄電部は、第一の車載負荷群に給電する第一の蓄電池と、第二の車載負荷群に給電する第二の蓄電池と、前記両蓄電池間の電力融通を行う直ー直電力変換部とを有し、前記制御部は、前記第一の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第一の車載負荷群の前記要求電力合計を超え、かつ、前記第二の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第二の車載負荷群の前記要求電力合計を超えるように、前記両車載負荷群の要求電力又は前記発電電力又は前記両蓄電池間の融通電力を調整することを特徴としている。
【0039】すなわち、本構成によれば、たとえば高圧電気負荷給電用の高圧バッテリと低圧電気負荷給電用の低圧バッテリとをもつ車両用電源装置において、両バッテリの車載負荷群にそれぞれ確実に給電することができる。
【0040】更に説明すると、本構成は、各蓄電池系ごとに、発電部の発電電力と、蓄電部の負荷向け放電可能電力と、蓄電池間の融通電力(融通する場合はー、融通される場合は+となる)との合計からなる供給可能電力が車載負荷の要求電力合計を超過するように、発電電力を増減したり、要求電力を増減したり、融通電力を増減したりする。
【0041】これにより、両蓄電池及び発電部の許容範囲内で、良好に各車載負荷への給電を実現することができる。
【0042】本構成の好適態様において、各蓄電池系ごとに、供給可能電力合計(負荷向け)が要求電力合計を超過するように、発電電力、要求電力及び融通電力のすべてを調整する。
【0043】これにより、各車載負荷の要求電力合計が供給可能電力合計を上回る場合でも、一部の車載負荷への給電の削減又は停止により、支障なく、電源系の運用が可能となる。
【0044】請求項11記載の構成によれば請求項10記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記融通電力の調整より前記発電電力の調整を優先して実施することを特徴としている。
【0045】これにより、電力融通の後で、融通側の蓄電池の残存容量を回復する手間をできるだけ省くことができる。
【0046】請求項12記載の構成によれば請求項1乃至9のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記蓄電部は、第一の車載負荷群に給電する第一の蓄電池と、第二の車載負荷群に給電する第二の蓄電池とを有し、前記発電部は、前記第一の蓄電池と電力授受する第一の交ー直電力変換部と、前記第二の蓄電池と電力授受する第二の交ー直電力変換部とを有し、前記制御部は、前記第一の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第一の車載負荷群の前記要求電力合計を超過し、かつ、前記第二の車載負荷群向けの供給可能電力合計が前記第二の車載負荷群の前記要求電力合計を超過するように、前記両車載負荷群の要求電力又は前記両交ー直電力変換部の発電電力を調整することを特徴としている。
【0047】すなわち、本構成によれば、たとえば高圧電気負荷給電用の高圧バッテリと低圧電気負荷給電用の低圧バッテリとをもつ車両用電源装置において、両バッテリの車載負荷群にそれぞれ確実に給電することができる。
【0048】更に説明すると、本構成は、各蓄電池系ごとに、供給可能電力合計(負荷向け)が要求電力合計を超過するように、発電電力を増減したり、要求電力を増減したりする。
【0049】これにより、両蓄電池及び発電部の許容範囲内で、良好に各車載負荷への給電を実現することができる。
【0050】本構成の好適態様において、各蓄電池系ごとに、供給可能電力合計(負荷向け)が要求電力合計を超過するように、発電電力及び要求電力を各蓄電池系ごとに調整する。
【0051】これにより、各車載負荷の要求電力合計が供給可能電力合計を上回る場合でも、一部の車載負荷への給電の削減又は停止により、支障なく、電源系の運用が容易となる。
【0052】請求項13記載の構成によれば請求項1ないし12のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記要求電力合計の変化を伴う指令の入力に対して、前記変化後の前記要求電力合計が供給可能電力合計以上となる場合に、前記供給可能電力合計が前記変化後の要求電力合計を超えるように前記供給可能電力合計の増大又は前記要求電力合計の低減を指令した時点以後に、前記要求電力合計の変化を伴う指令の実行を許可することを特徴としている。
【0053】すなわち、本構成によれば、要求電力合計が供給可能電力合計を超過する車載負荷駆動指令に対して予め供給可能電力合計がそれに対応できる段階以後まで、この車載負荷駆動を遅延させるので、供給可能電力合計が不足しているのに車載負荷を駆動した場合の不具合を解消することができる。
【0054】請求項14記載の構成によれば請求項13記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、所定範囲内の駆動率で駆動が可能な前記車載負荷の駆動指令の入力に対して、前記駆動が指令された前記車載負荷を、前記所定範囲内の駆動率で駆動させることを特徴としている。
【0055】すなわち、本構成によれば供給可能電力合計が不足する場合に、新しく駆動するべき負荷の駆動率(この負荷に供給する電力/この負荷の全負荷電力)を強制的に低減して駆動するので、この車載負荷の全負荷駆動ができない場合でも、車載負荷を駆動しない場合の不具合を解消することができる。
【0056】請求項15記載の構成によれば請求項1乃至14のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、前記蓄電部の所定回目のエンジン始動放電の直後の期間及び前記エンジンの始動中の期間を除いて、前記蓄電部が前記エンジン始動が可能な放電電力量を維持することを特徴としている。
【0057】すなわち、本構成によれば、要求電力合計の増大に対して供給可能電力合計が要求電力合計を超えるように車載負荷に給電するが、この時、蓄電部の放電により供給可能電力合計の一部が賄われるため、蓄電池の残存容量が低下する。発電部がエンジン駆動の発電電動機の場合、この発電電動機はエンジン始動を行う必要がある。そこで、本構成では、所定回数(1回でもよく、始動失敗に備えて複数回でもよい)のエンジン始動動作ができるだけの電力を蓄電池に常に蓄えておく。もちろん、エンジン始動中には、又はエンジン始動完了直後の期間は、エンジン始動のための放電により、この限りではない。
【0058】これにより、エンジン始動を確保しつつ、今まで述べた制御を行い、今まで述べた効果を実現することができる。
【0059】請求項16記載の構成によれば請求項1乃至15のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、前記エンジンの所定の短期間の停止を予測する場合に、前記所定期間中の前記蓄電部の放電電力量の所定部分を前記エンジンの停止前に予め蓄電することを特徴としている。
【0060】すなわち、本構成によれば、たとえば市街地走行などにおいて頻繁にアイドルストップによるエンジン停止などを行う場合や、高温走行時などで周期的にラジエータファンを回す場合などにおいて、次のエンジン始動やラジエータファンの運転を予測することができる。したがって、直近将来に生じる車載負荷の駆動により消費されると推定される電力量の一部又は全部を予めバッテリに蓄電しておけば、その後のバッテリの残存容量の過大な低下を防止することができる。たとえば、上記車載負荷の駆動により蓄電池の残存容量が失われる分の1/3〜1/2程度を予めバッテリに蓄電しておけばよい。
【0061】請求項17記載の構成によれば請求項7記載の車両用電源装置において更に、前記要求電力合計の低減を達成する前記車載負荷の遮断又はその駆動率の低減を、前記各車載負荷ごとに予め定められた重要度順序と逆の順序で行うことを特徴としている。
【0062】本構成によれば、上記要求電力合計の低減を予め記憶する重要でない順序で行うので、重要な車載負荷の遮断又は駆動率低減を回避しつつ、不便や障害を最小限に抑えることができる。
【0063】更に説明すれば、各車載負荷は、本質的に又は現時点の車両運行状態(車載負荷の使用条件ともいう)により、異なる重要度をもつので、供給可能電力合計又はその予測値の相対的な不足時又は蓄電池の放電電力又は放電電力量又はそれらの予測値の不足時に、重要度が低い順に各車載負荷を遮断又は駆動率の低減をする。
【0064】これにより、蓄電池の大容量化や発電部の発電能力の過度な増大を抑止しつつ、蓄電池の過放電や電源電圧低下による不具合を防止することができる。
【0065】なお、駆動率の低減は、PWM運転におけるデューティ比変調で行ってもよく、一定の長周期で間欠運転を行うことにより平均駆動率を低減してもよい。なお、好適態様において、所定の車載負荷の間欠運転時において互いに駆動状態が重ならないように、他の車載負荷を間欠運転することができる。
【0066】請求項18記載の構成によれれば請求項17記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、検出した車両運転状況又は前記車載負荷の駆動状況に基づいて予め定められた切り替えパターンにより前記重要度順序を変更することを特徴としている。
【0067】すなわち、本構成によれば、予め車両運転状況又は車載負荷の駆動状況に基づいて選択可能に複数の重要度順序を記憶するので、車両運転状況又は車載負荷の駆動状況の変動に対して最適な順序で遮断又は駆動率低減を行うことができる。
【0068】請求項19記載の構成によれば請求項1乃至18記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記発電部の発電電力が、前記各車載負荷の消費電力の合計である要求電力合計より所定値以上過剰となる場合に、前記発電電力の低減又は前記要求電力合計の増大を行うこと特徴としている。
【0069】すなわち、本構成では、供給可能電力合計が要求電力合計に対して過剰であることを、発電電力と要求電力合計とから確実容易に検出することができ、発電電力の低減や要求電力の増大により、電池の残存容量の不所望なアップを良好に抑止できる。
【0070】請求項20記載の構成によれば請求項19記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記蓄電池の充電電力が前記蓄電池の所定の許容最大値又は所定値を超える場合に、前記発電電力の低減又は前記要求電力の増大を行うことを特徴としている。
【0071】すなわち、本構成では、供給可能電力合計が要求電力合計に対して過剰であることを蓄電池の充電電力により確実容易に検出することができ、発電電力の低減や要求電力の増大により、電池の残存容量の不所望なアップを良好に抑止できる。
【0072】請求項21記載の車両用電源装置は、蓄電池を有する蓄電部、並びに、前記蓄電部と電力授受する発電部を含み、複数の車載負荷に給電する電力供給部と、前記電力供給部から各前記車載負荷への供給電力を制御する制御部とを備える車両用電源装置において、前記制御部は、前記車載負荷を含むすべての電気負荷の消費電力の合計である要求電力合計が変化する場合に、この変化を電流状態又は車載負荷の駆動状況に基づいて検出し、検出した変化に応じて発電電力をまず変化させ、更に、要求電力合計の増大を発電電力の増大で賄えない場合はその差分を蓄電池の放電により賄うことを特徴としている。
【0073】すなわち、本発明のよれば、各車載負荷の消費電力の合計である要求電力合計(又はこの要求電力合計に連動する電気量)の変化に応じてまず発電電力を追従変化させ、発電電力の追従変化で賄いきれない場合に、蓄電部の充放電電力や上記伝両端電位差融通で吸収する構成を採用している。
【0074】したがって、本構成によれば、上記した請求項1の構成より一層、蓄電部の充放電を抑止することができ、蓄電池の寿命増大を図ることができる。
【0075】好適な態様において、上記要求電力合計の変化は、蓄電池の充放電電力の変化で簡単、確実に検出することができる。
【0076】更に説明すると、従来の車両用電源装置は、バッテリの充電レベルすなわち残存容量を常に一定範囲に収束させるように制御するために、その実体は、要求電力合計の増大の累積結果として生じたバッテリ残存容量の減少という現象を利用して、供給電力合計としての発電電力を増大させるというフィードバック制御を行っている。
【0077】これに対し、本発明では、要求電力合計の増大の非累積結果である要求電力合計の増加が現時点の供給可能電力合計(又は好適なレベルの供給可能電力合計)を超えるという現象を利用して、供給可能電力合計の一部である発電電力を直接増大させるという制御を行う点にある。
【0078】したがって、本発明によれば、より速やかに要求電力合計増加に対応することができ、その分、蓄電池の残存容量変動も小さく、蓄電池の充放電も減り、その寿命も増大させるできるものである。
【0079】たとえば、いま突然大型の車載負荷をオンしたとする。従来においては、このオンに起因する所定基準残存容量レベルよりの徐々の残存容量低下に対して発電電力が徐々にアップする。このため、実際に蓄電池の残存容量が元の状態にまで回復するには所定の時間が必要となる。これに対して、本発明では、突然大型の車載負荷をオンに対して、それが基準レベル(要求電力合計が供給可能電力合計(たとえば現時点の発電電力と現時点の最大又は好適な所定の放電電力との合計)を超えるほど大きければ、直ちにその差だけ発電電力を増強する。このため、本発明では、突然大型の車載負荷をオンしたとしても、蓄電池の残存容量レベルが低下するのを相対的に良好に抑止できるわけである。
【0080】請求項22記載の構成によれば請求項1乃至21のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、前記供給可能電力合計が前記要求電力合計を下回る場合か又は下回ると予測される場合に前記エンジンが停止中であれば、前記エンジンの始動よりも前記要求電力合計の低減又は前記融通電力の調整を優先させることを特徴としている。
【0081】すなわち、本構成によれば、供給可能電力合計の増大のためにだけエンジン始動することがないので、車両静粛性を向上することができる。
【0082】請求項23記載の構成によれば請求項1乃至22のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、消費電力が小さい所定の小電力負荷及び特に重要な所定の重要負荷へ給電する電力に相当する基礎要求電力値と、現在給電中の前記車載負荷の消費電力との合計により前記要求電力合計を算出することを特徴としている。
【0083】本構成によれば、種々の制御装置やインジケータなどのきわめて小さい負荷消費電力のあらかじめ求めた合計(好適にはそれらの消費電力合計の最大値)を一括し、かつ、車両走行に際して必須の負荷群は、車両走行時にすべて常にオンしているためにそれらの消費電力をいちいち検出するのではなくそのあらかじめ求めた合計(好適にはそれらの消費電力合計の最大値)を一括した値を基礎要求電力値として用いるので、それらの個々の検出を不要とし、フィードフォワード制御時の誤差による供給電力不足を防止することができ、かつ、回路構成を簡素化することができる。
【0084】請求項24記載の構成によれば請求項1乃至23のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、所定の複数の判定基準ごとに前記各車載負荷に対してそれぞれ付与されたポイントの所定の関数値である優先ポイントを前記各車載負荷ごとに記憶乃至算出し、前記優先ポイントの大小により前記要求電力合計低減時の遮断乃至消費電力低減順序を設定することを特徴としている。
【0085】ここでいう判定基準の一つとして、「車載負荷の用途(領域とも呼ぶ)」がある。この用途としては、走行用、安全確保用、空調用、娯楽用など種々のものがあり、走行用、安全用の車載負荷には大きいポイントが付与され、その他のものには、小さいポイントが付与される。
【0086】他の判定基準として、「車載負荷の給電形態(機能とも呼ぶ)」がある。この給電形態としては、オンオフ負荷(スイッチに決定されるオン状態とオフ状態の2つの状態で遷移するオン時給電電流略一定の負荷)や、給電量を調整可能な負荷があり、前者には大きいのポイントが付与され、後者には小さいポイントが付与される。
【0087】更に他の判定基準として、「車載負荷の効果」がある。この効果としては、たとえば電動油圧ポンプの回転数などのように車載負荷運転により生じる効果が人間の感覚器官に直接に作用しない効果(定量的効果又は非感性効果という)や、たとえばエアコンの吹き出し温度などのように車載負荷運転により人間の感覚器官に直接に作用する効果(定性的効果又は感性効果という)がある。前者には大きいポイントが付与され、後者には小さいポイントが付与される。
【0088】車載負荷の優先ポイントは、上記各基準ごとのポイントの関数値として予め記憶するテーブルから求められるか、又は、車載負荷ごとに記憶される各基準の各ポイントを車載負荷ごとに予め記憶する所定の算出式で算出して求められる。
【0089】上記優先ポイントすなわち関数値は、各車載負荷の各基準ごとのポイントを記憶しておき、これら各ポイントをパラメータ(変数)とする関数を演算して算出することができる。各車載負荷ごとの各ポイントが固定値であれば、予め算出した関数値すなわち優先ポイントを各車載負荷ごとに記憶しておいて、前記算出処理又はマップ処理を省略してもよい。
【0090】たとえば、車載負荷の優先ポイントは各ポイントの積や和として求められる。各ポイントにそれぞれ異なる重み付け係数を掛けることは、各ポイント自体の値を変更することと同義であり、当然可能である。
【0091】つまり、本構成では、各車載負荷の優先順序(逆に言えば遮断又は給電量削減の順序)を単に記憶するのではなく、各車載負荷間のいわゆる重要度を数値化しているので、単に要求電力合計の削減時に車載負荷の遮断乃至給電量削減順序を決定するだけでなく、この優先ポイントの大きさに応じて要求電力合計削減時の給電電力の配分を調整することもできる。たとえば、同時に部分負荷給電される複数の車載負荷間での給電電力の配分をこの関数値に基づいて行うことにより、適切な給電可能電力分配を行うこともできる。
【0092】また、各査定基準ごとに車載負荷に与えられるポイントは、所定の入力パラメータ(入力変数)の関数として変化する関数値とすることができる。たとえば、きわめて暑い時やそうでない時などでは、たとえば空調用車載負荷の効果基準におけるポイントを変更することができる。これにより、要求電力合計削減時における不便性をより細かく回避することができる。
【0093】請求項25記載の構成によれば請求項24記載の車両用電源装置において更に、所定の前記各車載負荷の前記ポイント又は優先ポイントは、時間に応じて変化する変数であることを特徴としている。
【0094】すなわち、本構成によれば、要求電力合計の削減に際して、ポイント又は優先ポイントを時間的に変化させるので、各車載負荷の優先順序や消費電力削減比率を時間的に変更することができる。
【0095】本構成の好適な態様において、ポイント又は優先ポイントの優先ポイント(優先度ともいう)は周期的に変化する。この時、所定の一つの車載負荷の優先ポイントの増加期間に他の所定の車載負荷の優先ポイントを減少させることが好ましい。
【0096】請求項26記載の構成によれば請求項24又は25記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記要求電力合計の削減時に前記優先ポイントに応じて前記車載負荷の駆動率を決定することを特徴としている。
【0097】このようにすれば、各負荷の総合評価値である優先ポイントに応じて車載負荷の負荷動作率を綿密に設定することができる。また、各車載負荷の優先ポイントが上記したように時間的に、又はポイントが変数であり優先ポイントが走行状況などにより変化する変数である場合に、優先ポイントの大きさに応じて車載負荷の動作率を変更することができる。
【0098】本構成の好適な態様において、車載負荷の負荷動作率と優先ポイントとの間の関係を示す動作率関数は、各車載負荷ごとに設定され、記憶される。これにより、各車載負荷ごとに優先ポイントに対する部分負荷動作(負荷動作率)のパターンを変更することができる。
【0099】ただし、要求電力合計削減時の上記した優先ポイントに応じた負荷動作率の変更は、部分負荷運転可能な車載負荷に適用され、全負荷運転と遮断との2つの給電モードしかもたない負荷(オンオフ負荷)には当然適用されない。
【0100】請求項27記載の構成によれば請求項1乃至26のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定値未満であることを検出した場合に、前記供給可能電力合計の増加又は前記要求電力合計の削減を行うことを特徴としている。
【0101】これにより、蓄電部の過放電を防止することができる。
【0102】請求項28記載の構成によれば請求項1乃至27のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定値以上であることを検出した場合に、前記供給可能電力合計の減少を行うことを特徴とする車両用電源装置。
【0103】これにより、蓄電部の過充電を防止することができる。
【0104】請求項29記載の構成によれば請求項1乃至28のいずれか記載の車両用電源装置において更に、前記発電部は、エンジン駆動の発電電動機を有し、前記制御部は、車外又は車載の車両位置特定装置から受信した情報に基づいて車両位置が所定のエンジン駆動規制地域内にあると判定した場合、又は、車外から受信したエンジン駆動規制信号に基づいて、前記エンジンを停止又は減速し、その結果、生じた前記供給可能電力合計の減少により前記供給可能電力合計が前記要求電力合計を下回る場合に、前記前記要求電力合計の低減又は前記融通電力の調整によりその解消を図ることを特徴としている。
【0105】ここでいう「エンジンを停止する」ということは、既に停止しているエンジン停止状態の維持を含む。車外から受信した情報とは、たとえば所定地域の排気ガスや騒音のレベルを一定レベル以下に規制するために、この地域が上記規制を行っている地域であることを表示する情報を、たとえば道路ごとに設置された固定のステーションから電波にて受信したものである。車載の車両位置特定装置とは、たとえばカーナビシステムなどの車両位置を特定する装置である。車両位置特定装置はエンジン駆動規制地域を予め記憶しており、車両位置がこのエンジン駆動規制地域に入った場合、それを示す信号を出力する。なお、車両位置特定装置の上記記憶は定期的あるいは必要に応じて書き換えられることができる。
【0106】本構成によれば、車両が上記エンジン駆動規制地域に入った場合に、エンジンを停止又は減速運転し、排気ガスや騒音を低減する。この場合、エンジンの停止乃至減速により供給可能電力合計が減少するため、供給可能電力合計が要求電力合計を下回る場合が生じる。これに対し、本構成では、このエンジン駆動規制地域内へ進入したことを検知して要求電力合計の低減又は融通電力の調整によりその解消を図るので、エンジン停止又は出力減少による蓄電部の過重な大放電を抑止しつつ、最も必要な負荷への必要電力の供給を確保することができる。
【0107】なお、上記した固定のステーションは、中央センターからの指令により又は自己が検出する排気ガス濃度に応じて、前記情報の無線による送信を調整することができ、この場合には、上記エンジン駆動規制地域であるにもかかわらず、排気ガス濃度が低い場合にはエンジン駆動規制の指令を停止して、各車両の蓄電部の負担を軽減することもできる。
【0108】また、上記エンジン駆動規制地域におけるエンジン駆動規制は、車両がこの地域内にある場合すべての時間に適用されるのではなく、特定の状態たとえばあまり大きな走行動力すなわち要求電力合計を要しない渋滞走行時やアイドリング時にだけエンジン停止やその減速を指令するものでもよい。
【0109】更に、上記エンジン駆動規制地域におけるエンジン駆動規制は、車両がこの地域内において所定の最高速度制限(エンジン最高回転数の制限)を行うものであってもよい。これは特に深夜における騒音低減に有効である。
【0110】請求項30記載の構成によれば請求項29記載の車両用電源装置において更に、前記受信情報に基づいて、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の所定のエンジン駆動規制時間帯にあるかどうかを判定し、前記エンジン駆動規制手段は、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の前記エンジン駆動規制時間帯にあるとの判定に基づいて、前記エンジンの停止又は減速を指令することを特徴としている。
【0111】すなわち、本構成では、単にエンジン駆動規制地域を指定するのみではなく、エンジン駆動規制の時間帯も指定するので、エンジン駆動規制効果を確保しつつ車両側の負担を減らすことができる。
【0112】なお、ここでいう時間帯は、1日における所定の時間帯を指定することもでき、1年における所定の期間を指定することもできる。
【0113】請求項31記載のエンジン駆動規制支援装置は、車外又は車載の車両位置特定装置から受信した情報に基づいて車両位置が所定のエンジン駆動規制地域内にあるかどうかを判定する手段、及び、車外からのエンジン駆動規制信号を受信する手段の少なくともいずれかを含むエンジン駆動規制地域検出手段と、前記車両位置が前記エンジン駆動規制地域内にあるとの判定、又は、前記エンジン駆動規制信号の受信により、運転者への報知又は車載のエンジンの停止又は減速を指令するエンジン駆動規制手段とを備えて、エンジン搭載車両に装備されることを特徴としている。
【0114】ここでいう「エンジンを停止する」ということは、既に停止しているエンジン停止状態の維持を含む。車外から受信した情報とは、たとえば所定地域の排気ガスや騒音のレベルを一定レベル以下に規制するために、この地域が上記規制を行っている地域であることを表示する情報を、たとえば道路ごとに設置された固定のステーションから電波にて受信したものである。車載の車両位置特定装置とは、たとえばカーナビシステムなどの車両位置を特定する装置である。車両位置特定装置はエンジン駆動規制地域を予め記憶しており、車両位置がこのエンジン駆動規制地域に入った場合、それを示す信号を出力する。なお、車両位置特定装置の上記記憶は定期的あるいは必要に応じて書き換えられることができる。
【0115】本構成によれば、車両が上記エンジン駆動規制地域に入った場合に、上記情報に基づいて自動的エンジンを停止又は減速運転し、排気ガスや騒音を低減することができる。又は、運転者に上記エンジン駆動規制地域に入った事実を知らせ、エンジン停止又は減速を踏む手動操作を行うことを促す。
【0116】これにより、特定のエンジン駆動規制地域内での排気ガスや騒音を低減することが期待できる。
【0117】なお、上記した固定のステーションは、中央センターからの指令により又は自己が検出する排気ガス濃度に応じて、前記情報の無線による送信を調整することができ、この場合には、上記エンジン駆動規制地域であるにもかかわらず、排気ガス濃度が低い場合にはエンジン駆動規制のための情報送信を停止して、各車両の蓄電部の負担を軽減することもできる。
【0118】請求項32記載の構成によれば請求項31記載のエンジン駆動規制支援装置において更に、前記エンジン駆動規制地域検出手段は、前記受信情報に基づいて、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の所定のエンジン駆動規制時間帯にあるかどうかを判定し、前記エンジン駆動規制手段は、前記車両が前記エンジン駆動規制地域内の前記エンジン駆動規制時間帯にあるとの判定に基づいて、前記運転者への報知又は前記エンジンの停止又は減速を指令することを特徴としている。
【0119】すなわち、本構成では、単にエンジン駆動規制地域を指定するのみではなく、エンジン駆動規制の時間帯も指定するので、エンジン駆動規制効果を確保しつつ車両側の負担を減らすことができる。
【0120】なお、ここでいう時間帯は、1日における所定の時間帯を指定することもでき、1年における所定の期間を指定することもできる。
【0121】請求項33記載の構成によれば請求項29乃至32のいずれか記載のエンジン駆動規制支援装置において更に、エンジン停止地域が運転者に報知された場合、あるいは運転者が道路標識などでエンジン駆動規制を認知した場合、あるいは運転者が自己意志でエンジン駆動を規制しようと判断した場合に、運転者がエンジン停止操作可能なエンジン停止用スイッチを有することを特徴としている。
【0122】これにより、運転者は随時、エンジン停止スイッチを操作して、マニュアル操作によりエンジン停止を行っうことができるので、固定ステーションがない地域や車載受信機等がない車両に置いても、運転者の意識により環境への負荷を低減することが可能となる。
【0123】なお、上記各構成において、発電部は、エンジンに連結される発電電動機の他に燃料電池により構成されてもよい。
【0124】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施態様を以下の実施例を参照して説明する。
【0125】
【実施例1】(構成)ハイブリッド車に適用したこの実施例の車両用電源装置のブロック図を図1に示す。
【0126】この車両用電源装置は、発電電動機1、交ー直電力変換部2、高圧バッテリ3、低圧バッテリ4、直ー直電力変換部5、高圧補機6〜8、低圧補機9〜11、発配電制御を行うコントローラ12からなる。
【0127】発電電動機1は、エンジン100とクラッチ付きのトランスミッション200との間に介設されてクランクシャフトにより駆動される三相同期機である。
【0128】交ー直電力変換部2は、発電電動機1と高圧バッテリ3との間に配設された交ー直双方向変換可能な三相インバータ回路からなり、発電電動機1と高圧バッテリ3との間での双方向送電電力を調整する。交ー直電力変換部2は発電電動機1とともに本発明で言う発電部を構成している。
【0129】高圧バッテリ3は、定格電圧36〜500Vの蓄電池であって、高圧補機(車載負荷)6〜8に給電する。低圧バッテリ4は、定格電圧12Vの蓄電池であって、低圧補機9〜11に給電する。高圧バッテリ3及び低圧バッテリ4は、本発明で言う蓄電部を構成している。
【0130】直ー直電力変換部5は、高圧バッテリ3と低圧バッテリ4との間での双方向送電電力を調整するDC−DCコンバータからなる。
【0131】コントローラ12は、図示しないエンジン制御装置(ECU)13、発電電動機1に付属して発電電動機1を制御する発電電動機コントローラ14、高圧補機6〜8及び低圧補機9〜11を制御する補機コントローラ15、高圧バッテリ3及び低圧バッテリ4を管理する電池コントローラ16と交信し、交ー直電力変換部2、直ー直電力変換部5を制御するマイコン内蔵の発配電制御装置である。また、コントローラ12は、交ー直電力変換部2、直ー直電力変換部5に内蔵された電流センサから電流を検出してもよい。
【0132】発電電動機1、交ー直電力変換部2及び直ー直電力変換部5の基本的な動作自体はもはや周知であるので、説明を省略する。
(動作)コントローラ12により実施されるこの車両用電源装置の供給可能電力合計増強動作を図2に示すフローチャートを参照して説明する。この制御は、高圧バッテリ3の放電電力増大に対処するルーチンであり、その放電電力の減少やその他の発配電制御は異なるルーチンにより実施される。なお、このルーチンは、イグニッションキーのオンにより初期設定してスタートし、各コントローラ13〜16と随時交信して必要な情報を送受信するものとする。
【0133】まず、ステップ1010にて、高圧バッテリ3の放電電力(放電電流でもよい)Pbが、予め定められた所定値Pbth未満かどうかを調べ、未満であればメインルーチンにリターンし、以上であればステップ1012にてエンジン制御装置(ECU)13又は発電電動機コントローラ14からの情報(又はその他の情報)によりエンジン100が動作中か否かを判定する。
【0134】エンジン100が動作中であれば、放電電力と上記所定値との差に一致するだけ発電電力を増大した新発電電力値での発電を発電電動機1に指令し、これにより供給可能電力合計が要求電力合計以上となるようにする(ステップ1014)。
【0135】次に、この新しい発電電力値が予め決定されている発電電力の上限を超過しているかどうかを判定し(ステップ1016)、超過していなければ、メインルーチンにリターンする。
【0136】発電電動機コントローラ14は、この発電電力の増大により生じるエンジン負荷トルクの変動を補償するためにエンジン制御装置(ECU)13にこの発電電力変更に伴う情報を送信し、エンジン制御装置(ECU)13は指定されたエンジントルクの変更を行ったり、変速機の変速比(段)の変更を行ったりする。
【0137】ステップ1016において、新発電電力値が予め決定されている発電電力の上限を超過していれば、ステップ1026に進んで直ー直電力変換部5によるバッテリ間電力融通により低圧バッテリ4から高圧バッテリ3への送電を行う電力融通サブルーチンを実施する。そして、ステップ1024にて、PbがPbthより小さいかどうかを判断し、Noの場合はステップ1022にて負荷制御を実行し、Yesの場合はステップ1028にて負荷を要求通り駆動する。
【0138】ステップ1012において、エンジン100が停止している場合は、エンジン始動可能かどうかを判断し(1018)、可能ならばエンジン100を始動(1020)する。この判断基準は図7に示すように、例えばエンジン停止地域(時間)か否か、あるいはガソリンが残っているか否か等を判定する予め設定された所定のサブルーチンで行う。
【0139】ステップ1018にて、エンジン始動可能の場合は、エンジン100を始動してステップ1014にて発電量をアップする。
【0140】ステップ1022では、停止又は駆動率低減可能な車載負荷を、予め定められた重要度が低い順に、ステップ1014における発電電力不足分(=新発電電力値ー上記発電電力の上限)だけ、停止又は駆動率低減を行い、要求電力合計を削減する。
【0141】なお、この電力融通サブルーチンは、低圧バッテリ4の残存容量が所定値以上という条件で直ー直電力変換部5を高圧バッテリへ送電する方向に、負荷制御サブルーチン1022で補償しきれなかった電力(新発電電力値ー上記発電電力の上限)の残存分を補償する制御であるが、簡単な制御であるので図示説明は省略する。
(負荷制御)次に、ステップ1022にて実施する負荷制御について更に詳しく説明する。
【0142】コントローラ12は、予め、自己が給電する各負荷(直ー直電力変換部5も含む)の重要度の順番を示すリストを車両運転状況(各車載負荷の駆動状況を含む)の所定数のパターンごとにそれぞれ一枚もっており、更に決して遮断してはならない車載負荷のリストももっている。更に、遮断が不能かつ駆動率低減可能な車載負荷に関しては最低駆動率を記憶している。
【0143】ステップ1022において、負荷制御により低減すべき電力が決定されると、現在の車両運転状況(各車載負荷の駆動状況を含む)に合致又は最も近似する車両運転状況パターンに対応する上記重要度リストを読み出し、そのうちの現在駆動中の車載負荷のなかで、重要度が低い順に可能なら停止、停止不能なら最大限の駆動率低減を行い、負荷制御により低減すべき電力に等しい電力分だけ要求電力合計を削減していく。
【0144】なお、駆動率低減は、たとえばPWM制御のデューティ比低減によって行ってもよいが、間欠駆動が可能な車載負荷の場合は間欠駆動の方が簡単である。なお、複数負荷を間欠駆動することもでき、この場合は、間欠駆動される複数の車載負荷が同時に駆動されないタイミングで間欠駆動を行うことが好ましい。更に、間欠駆動の代わりに、たとえばPWM制御のデューティ比を周期的に増減してもよい。なお、PWM制御される複数負荷のデューティ比を周期的に増減する場合は、をそれぞれのデューティ比の最大値タイミングをずらして駆動することにより、消費電力のピーク値を低減することができる。
(効果)なお、上記実施例では、高圧バッテリ3の放電電力が所定の上限値以上の場合に、発電電力を増大させることにより、放電可能電力と発電電力との合計である供給可能電力合計を要求電力合計より大きくしている。
【0145】なお、この時、実際の放電電力と発電電力との合計である供給電力合計はそれを消費する要求電力合計(すべての電気負荷の消費電力合計)に当然等しい。
【0146】これにより、高圧バッテリ3を大容量化することなく、その大電流放電による劣化を抑止することができる。
【0147】また、従来の制御が高圧バッテリ3の残存容量の低下を検出して発電電力を増大するのに対して、この実施例では、高圧バッテリ3の放電電力の増大を検出してただちに発電電力を増大するので、高圧バッテリ3の放電電力増大に起因する高圧バッテリ3の容量変動とそれによる充放電に伴う高圧バッテリ3の劣化を抑止することができる。
【0148】更に、その最大放電電力(放電可能電力の最大値)と発電電力の最大値との合計を超える要求電力合計(消費電力合計)が発生した場合には、重要でない車載負荷の停止又は駆動率低減や低圧バッテリ4から高圧バッテリ3への一時的な電力融通により、高圧バッテリ3を大容量化することなく、大きな給電能力を供給可能とすることができる。
(変形態様)なお、上述した図2のフローチャートでは、高圧バッテリ3の放電電力が所定の上限値を超えた場合に実施することにより、上記した発電電力のアップ更には負荷消費電力のダウン更には融通電力の送電により対応して、高圧バッテリ3の放電電力が所定の上限値を超えないように維持しているが、たとえばステップ1010を実施する前に、高圧バッテリ3のSOC(残存容量)が所定制限値未満となったかどうかを検出し、SOC(残存容量)が所定制限値未満とならないように、上記した発電電力のアップや負荷消費電力のダウンを実施するステップを追加してもよい。
【0149】これにより、高圧バッテリ3を大容量化することなく、その大電流放電を抑止するとともにその過放電も抑止することができ、高圧バッテリ3の一層の寿命延長を実現することができる。
(変形態様)なお、上記実施例では、高圧バッテリ3の放電電力が所定の上限値以上の場合に、発電電力を増大させることにより、放電可能電力と発電電力との合計である供給可能電力合計を要求電力合計より大きくしているが、高圧バッテリ3の放電電力を検出する代わりに、高圧補機6〜8を含む高圧バッテリ3が給電する全負荷の消費電力合計(すなわち要求電力合計)を算出し、この消費電力合計よりも高圧バッテリ3の容量の上限値と現時点の発電電力との合計である供給可能電力合計が大きくなるように、発電電力を制御したり、車載負荷の遮断や駆動率低減を行ってもよい。
【0150】
【実施例2】他の実施例を図3を参照して説明する。
【0151】図3に示す装置は、図1において、直ー直電力変換部5を省略し、その代わりに交ー直電力変換部2に加えて低圧バッテリ4及び低圧補機9〜11に給電する交ー直電力変換部2aを追加し、発電電動機1を2つの電機子コイルをもつ構造に変更し、両電機子コイルが交ー直電力変換部2,2aと個別に電力授受するようにしたものである。
【0152】この実施例によれば、高圧バッテリ3の放電電力が所定の上限値を超え、図2に示すステップ1026に至った場合に、交ー直電力変換部2aにより低圧バッテリ4の電力を発電電動機1に送電して発電電動機1に電動トルクを与え、その分、発電電動機1は高圧バッテリ3に大きな発電電力を送電することができ、いわば発電電動機1を通じて低圧バッテリ4から高圧バッテリ3に一時的に電力を融通することができる。
【0153】
【実施例3】他の実施例を図4を参照して説明する。
(構成)図4に示す装置は、図1において、エンジン100を省略し、燃料電池300を高圧バッテリ3と並列に接続したものである。なお、高圧バッテリ3を大容量コンデンサに変更することも可能である。
(動作)この装置の動作を図5に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
【0154】まず、イグニッションキーのオンによりスタートし、初期設定して、各コントローラ13〜16と随時交信して必要な情報を送受信する。
【0155】次に、ステップ200にて、高圧バッテリ3の充放電電力(充放電電流でもよい)PbとSOCとを読み込み、ステップ204に進む。
【0156】ステップ204では、SOCが好適範囲(この実施例では、40〜60%)かどうかを調べ、範囲外であればステップ206に進む。
【0157】ステップ206では、SOCを上記好適範囲内に復帰させる方向に発電電力を制御してステップ204に戻る。更に具体的に説明すると、SOCが好適範囲より大きければ発電電力を削減してSOCを低減し、SOCが好適範囲より小さければ発電電力を増大してSOCを増加する。
【0158】なお、ステップ206においてSOCが好適範囲より大きい場合は、SOCが所定のSOC減少率で上記好適範囲に復帰するようにし、SOCが好適範囲より小さい場合は、SOCが所定のSOC増加率で上記好適範囲に復帰するようにすることが好ましい。
【0159】ステップ204において、SOCが上記好適範囲範囲にあれば、ステップ208に進み、高圧バッテリ3の放電電力(放電電流でもよい)Pbが、予め定められた所定値Pbth未満であればメインルーチンにリターンし、以上であればステップ210に進んで、発電量(発電電力)を放電電力Pbに応じて調整する。たとえば発電電力を放電電力と一致させる。
【0160】次に、この新しく調整された発電電力が予め決定されている発電電力の上限を超過しているかどうかを判定し(ステップ212)、超過していなければ、メインルーチンにリターンする。
【0161】ステップ212において、新発電電力値が予め決定されている発電電力の上限を超過していれば、ステップ1026(図2参照)に等しいステップ218にて電力融通サブルーチンを実施する。次に、ステップ1024(図2参照)に相当するステップ216にてPbがPbthより小さいかどうかを判断し、Noの場合はステップ1022(図2参照)に等しいステップ214にて負荷制御を実行し、Yesの場合はステップ1028(図2参照)に相当するステップ220にて負荷を要求通り駆動する。次に、ステップ1022(図2参照)に相当するステップ214にて車載負荷の消費電力(要求電力合計)の削減を実行する。
(効果)上記説明したこの実施例によれば、SOCが好適範囲であっても、その充放電電力を検出して直ちに発電電力によりそれを肩代わりするので、高圧バッテリ3のSOC変動を良好に抑止することができる。
(変形態様)好適な実施例において、要求電力合計の変化を伴う指令の入力に対して、変化後の要求電力合計が供給可能電力合計以上となる場合に、供給可能電力合計が変化後の要求電力合計を超えるように供給可能電力合計の増大又は要求電力合計の低減を指令した時点してから、要求電力合計の変化を伴う指令の実行を許可する。これにより、供給可能電力合計が不足しているのに車載負荷を駆動した場合の不具合を解消することができる。
【0162】
【実施例4】他の実施例を図6を参照して説明する。
【0163】この実施例は、実施例1のステップ1022に示す負荷制御サブルーチン、すなわち要求電力合計削減処理の変形例である。
【0164】この実施例では、図6に示すように、要求電力合計を、消費電力が小さい所定の小電力負荷及び特に重要な所定の重要負荷へ給電する電力に相当する基礎要求電力値aと、現在給電中の車載負荷の消費電力bとに区分し、これらの合計値a+bを要求電力合計としたものである。
【0165】更に、この実施例では、基礎要求電力値aを発生する上記小電力負荷や上記重要負荷の消費電力値はいちいち検出せず、予め設定した所定定数値としている。
【0166】すなわち、これら小電力負荷の消費電力分を制御できないない分としてプールすることにより、これら小電力の負荷を個別に制御することによる装置構成の複雑化や重量、コストのいたずらな増大を回避することができる。また、特に重要と判断された負荷の消費電力も制限不能のためこの電力も制御できない分として別扱いにするために所定値としてプールしている。
【0167】これにより、実施例1のフィードフォワード制御時の誤差による供給電力不足を防止し、かつ、要求電力合計算検出のための回路構成を簡素化し及び演算負担を軽減することができる。
【0168】
【実施例5】他の実施例を図7を参照して説明する。
【0169】この実施例は、実施例1のステップ1022に示す負荷制御サブルーチン、すなわち要求電力合計削減処理の変形例である。
【0170】この実施例では、コントローラ12は、図7に示すマップを記憶している。
【0171】このマップは、高圧バッテリ3が給電する各車載負荷A〜Fの各判定基準ごとにポイントと、各ポイントの車載負荷ごとの総合評価ポイントである優先ポイントとを示すものである。
【0172】図7に示す「領域」の列のポイントは、車載負荷の用途を基準として各車載負荷ごとの重要度を査定した数値である。この実施例では、走行用又は安全確保用の車載負荷A〜Cには高いポイントが付与され、空調用、娯楽用の車載負荷D〜Eには低いポイントが付与されている。
【0173】図7に示す「機能」の列のポイントは、車載負荷の機能を基準として各車載負荷ごとの重要度を査定した数値である。この実施例では、車載負荷A、Eには高いポイントが付与され、車載負荷Cには低いポイントが付与されている。なお、ここでいう「機能」の一つに、車載負荷の給電形態がある。つまり、オン時に常に連続給電される給電形態の車載負荷は高いポイントをもち、オン時でも部分負荷運転又は間欠運転が可能な負荷は低いポイントをもつ。
【0174】図8に示す「効果」の列のポイントは、車載負荷の効果を基準として各車載負荷ごとの重要度を査定した数値である。この実施例では、車載負荷B、Cには高いポイントが付与され、車載負荷Eには低いポイントが付与されている。なお、ここでいう「効果」としては、たとえば電動油圧ポンプの回転数などのように車載負荷運転により生じる効果が人間の感覚器官に直接に作用しない効果(定量的効果又は非感性効果という)や、たとえばエアコンの吹き出し温度などのように車載負荷運転により人間の感覚器官に直接に作用する効果(定性的効果又は感性効果という)がある。前者には大きいポイントが付与され、後者には小さいポイントが付与される。
【0175】図7に示す「特殊コントロール」の列のポイントでは、車載負荷CとEとに変数x、yにより示されるポイントが与えられ、他の車載負荷にポイント1が与えられている。なお、変数xは、車載負荷Cのポイントの最小値0.7と最大値1.0との間に設定され、変数yは、車載負荷Eのポイントの最小値0.5と最大値1.0との間に設定されている。
【0176】なお、ここで言う特殊コントロールとは、図8に示すように、時間的にポイントを変化させる制御を意味している。このように時間的にポイントを変化させることにより、同程度の優先ポイントを持つ複数の負荷に関し、優先ポイントを強制的に順次変化させることにより、特定の負荷に偏らず、それらを順次駆動することが可能になる。なお、この特殊コントロールポイントの変化パターンは予めテーブルに記憶しておくことも可能であり、また、所定の範囲でのランダム値を用いる等、時間と共に変化する値であれば様々な形態の値を用いることが可能である。また、本構成によれば、PWM制御装置を装備せず部分負荷運転ができない負荷群をまとめて消費電力低減を実現することができる。
【0177】コントローラ12は、図7に示すマップに図8のマップに基づいて決定した変数ポイントx、yを代入して、各車載負荷の総合評価(本明細書では優先ポイントと称する)を所定の関数に基づいて演算し、この結果得られた各車載負荷A〜Fの優先ポイントの大小により、要求電力合計削減時の遮断又は給電電力削減の順番を決定し、今回必要な要求電力合計の削減量に相当する電力量分の車載負荷の停止又は給電電力削減を優先ポイントの小さい車載負荷順に行う。上記した、図7及び図8のマップに基づく各車載負荷ごとの優先ポイントの抽出とそれによる上記順序決定と、それによる要求電力合計の削減自体はマイコン制御では周知の簡単な制御構造であるので、フローチャートの図示は省略する。
【0178】なお、図7において、車載負荷A、B、D、Fに関しては、優先ポイントはそれぞれ所定の一定値となるので、優先ポイントだけを記憶しておいてもよい。
【0179】また、一つの車載負荷に対する各ポイントと優先ポイントとの関数は、各車載負荷すべて同一でもよく、あるいは、車載負荷ごとに異なってもよい。好適には、この関数は単なる各ポイントの平均値を求める加算式でもよく、各ポイントの積を求める式でもよい。各ポイントにそれぞれ異なる重み付け係数を掛けることは当然可能である。
(変形態様)なお、たとえ時間的に駆動率を変化させない車載負荷A、B、D、Fであっても、複数の電動機負荷の同時オン時には、それらに優先ポイントの順に又は所定の順序で順次起動することが好ましい。すなわち、たとえば誘導電動機負荷はその起動時にその後の運転時の7〜10倍といった起動電流を必要とし、一時的に要求電力合計が大きくなる。誘導電動機負荷以外の電動機負荷でも同様の傾向をもつ。このため、この電動機負荷の起動時間が重ならないように各車載負荷の起動タイミングをずらせることは蓄電部の負担軽減にとって有効である。
【0180】同様に、所定の電動機負荷の起動時にのみこの電動機負荷の優先ポイントを起動期間のみ増大し、他の車載負荷の給電電力を削減し、この電動機負荷の動作安定後、その優先ポイントを低下させることも有効である。
(変形態様)他の変形態様を図9を参照して説明する。
【0181】この変形態様では、図7に示す優先ポイントに応じて各負荷を駆動するときの負荷動作率を決定する関係を示している。
【0182】たとえば、図9のAの関係の場合は、優先ポイントが低くてもある最小値を保持しているが、Bの関係の場合は、優先ポイントが低くなると、負荷を完全停止することことになる。つまり、Aのような関係に設定しておけば、いろいろな負荷が選択される可能性が高くなり、Bのような関係に設定しておけば、重要度の高い負荷の動作がより重視される。このように、負荷全体の動作の重み付けを変更することが可能になる。この優先ポイントと負荷駆動率との関数は、マップなどでコントローラ12に記憶させることができる。
【0183】そして、優先ポイントの高い負荷から負荷動作率に従い、電力余裕のある範囲の負荷まで、順次駆動される。このフローチャートを図13に記載する。負荷制御ルーチンに入ると、先ず1502で各負荷の優先ポイントを図7に従い算出する。次に、1504で優先ポイントの順位を付ける。次に1506で負荷動作率を図9の関数により決定する。そして、1508で優先ポイント順番1を設定し、1510で、順序1番目の負荷を決定された動作率で駆動する。なお、オンオフしかしない負荷はこの動作率に関係なく、オンされる。そして、1512で電力余裕があるかどうか判断し、余裕があれば、1514で順序をインクリメントし、1510で2番目の負荷を駆動する。以下同様に、電力余裕のある範囲まで、負荷を駆動する。
【0184】(変形態様)なお、上記負荷制御は、実際の電力を測定し、余裕がある範囲まで順次負荷を駆動するフィードバック形式をしめしたが、図14のフローチャートに示すように、負荷電力推定値を合計し、それが所定値以下となる範囲で駆動するフィードフォワード制御も可能である。具体的には、負荷制御ルーチンに入ると、先ず1602で各負荷の優先ポイントを図7に従い算出する。そして、1604で優先ポイントの順位を付ける。次に1606で負荷動作率を図9の関数により決定する。そして1608では、どの優先順位までの負荷を駆動出来るかを推定する。先ず、様々な小電力負荷は、それぞれを個別にコントロールしないので、その電力合計分Poを予め見積っておく。そして、Poと順位N迄の各負荷電力の予測値合計がバッテリの出力許容値Pbthと発電量Pgenと電力変換器による融通分Pdcdcの合計以下となる範囲で、最大のNを決定する。なお、オンオフしかしない負荷はこの動作率に関係なく、オンするときの電力が見積もる。
【0185】
【実施例6】他の実施例を図10及び図11を参照して説明する。
【0186】この実施例は、実施例1に示す車両用電源装置に、所定のエンジン駆動規制地域においてエンジン停止又は所定のエンジン小出力運転を行う機能を付与したものである。なお、この機能は、上記エンジン及びエンジンに代えて走行動力を発生する発電電動機をもつハイブリッド車両であれば、上記実施例とは別に単独で実施できるものである。ただし、この実施例では、実施例1の負荷制御サブルーチン1022にて実施するものとする。
【0187】図10において、車両には、車両搭載のナビゲータ21、道路情報受信機22、ガソリン残量計23が装備されている。車両ECU13は、これらナビゲータ21、道路情報受信機22、ガソリン残量計23と交信し、また、エンジン停止スイッチ24の手動操作情報を受け取る構成となっている。
【0188】この車両ECU13によるエンジン駆動規制動作を示すエンジン停止判断ルーチン300を図11のフローチャートを参照して説明する。
【0189】ナビゲータ(車両位置特定装置)21は、現在の車両位置を車両ECU13に送信する。なお、ナビゲータ21が、所定のエンジン駆動規制地域・エンジン駆動規制時間帯を予め記憶しており、車両位置がこのエンジン駆動規制地域・エンジン駆動規制時間帯に入った場合、それを示す情報を車両ECU13に送信するようにしてもよい。
【0190】車載の道路情報受信機22は、道路沿いの所定地点に固定された道路情報送信ステーション30が送信する現在の車両位置が所定のエンジン駆動規制地域内でかつエンジン駆動規制時間帯であることを示す情報を随時受信する。また、ガソリン残量計23は、ガソリンタンク40のガソリン残量が所定値未満になった場合に、その情報を車両ECU13に送信する。
【0191】車両ECU13は、まず上記情報をナビゲータ21又は道路情報受信機22からの受信情報又は内蔵の計時手段により、自己の車両位置及び現在の時刻を検出する(ステップ302)。
【0192】次に、ナビゲータ21からの車両位置情報及び車両ECU13に予め記憶されたエンジン駆動規制地域及びエンジン駆動規制時間帯に関する記憶情報により、現車両位置及び時刻が、上記エンジン駆動規制地域かつエンジン駆動規制時間帯に入っているかどうかを判定し(ステップ304)、入っていればエンジンを停止して(ステップ318)してメインルーチンにリターンする。
【0193】次に、車載の道路情報受信機からの受信を行い(ステップ306)、受信情報により、現車両位置及び時刻が、上記エンジン駆動規制地域かつエンジン駆動規制時間帯に入っているかどうかを判定し(ステップ308)、入っていればエンジンを停止して(ステップ318)してメインルーチンにリターンする。
【0194】次に、運転者の操作によるエンジン停止スイッチ24の操作状態を読み込み(ステップ310)んでそれを判定し(ステップ312)、オフ状態であればエンジンを停止して(ステップ318)してメインルーチンにリターンする。
【0195】次に、ガソリン残量計23からガソリン残量を読み込んで(ステップ314)、残量0かどうかを判定し(ステップ316)、残量が0であればエンジンを停止して(ステップ318)してメインルーチンにリターンする。
【0196】このようにすれば、排気ガスが深刻な地域などで、各ハイブリッド車のエンジンを停止させて排気ガスを軽減することができる。
【0197】
【実施例7】他の実施例を図12を参照して説明する。
【0198】この実施例は、実施例1に示す車両用電源装置において、ステップ2000〜2003を追加したものである。
【0199】まず、ステップ1010にて、高圧バッテリ3の放電電力Pbがその所定の最小しきい値Pbthより小さいと判定した後、高圧バッテリ3のSOCを算出し(ステップ2000)、算出したSOCが所定の最小しきい値SOCthLより大きいかどうかを調べ(ステップ2001)、大きければステップ2002に進み、そうでなければステップ1012に進んで、供給可能電力合計のアップもしくは要求電力合計の削減もしくは融通電力の増大を図る。
【0200】ステップ2002では、算出したSOCが所定の最大しきい値SOCthHより小さいかどうかを調べ、小さければメインルーチンにリターンし、大きければステップ2003にて発電量をダウンしてSOCを削減する。
【0201】これにより、蓄電部の過放電及び過充電を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年12月28日(2000.12.28)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
【公開番号】 特開2002−199505(P2002−199505A)
【公開日】 平成14年7月12日(2002.7.12)
【出願番号】 特願2000−402724(P2000−402724)