| 【発明の名称】 |
ハイブリッド型車両及びその制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 一男
【氏名】山口 幸蔵
【氏名】小島 博幸
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| 【要約】 |
【課題】制動力を発生させるのに伴って振動が発生するのを防止することができ、走行フィーリングを向上させることができるようにする。
【解決手段】エンジン11と、該エンジン11及び駆動輪に機械的に連結された発電機モータ16と、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断する制動要求判断処理手段91と、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジン11の駆動を停止させ、かつ、発電機モータ16のトルク制御を行うトルク制御処理手段93とを有する。ハイブリッド型車両を制動させる要求がされると、エンジン11の駆動が停止させられ、かつ、発電機モータ16のトルク制御が行われる。エンジン11が空回りさせられ、ハイブリッド型車両に制動力を発生させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンと、該エンジン及び駆動輪に機械的に連結された発電機モータと、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断する制動要求判断処理手段と、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行うトルク制御処理手段とを有することを特徴とするハイブリッド型車両。 【請求項2】 バッテリの状態を検出するバッテリ状態検出手段を有するとともに、前記トルク制御処理手段は、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、前記バッテリの状態に対応させて、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行う請求項1に記載のハイブリッド型車両。 【請求項3】 前記トルク制御処理手段は、バッテリ残量及びバッテリ電圧のうちの少なくとも一方が閾値より大きい場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行う請求項2に記載のハイブリッド型車両。 【請求項4】 駆動輪の回転速度に対応する変量、及び運転者による操作手段の操作量に基づいて、ハイブリッド型車両を走行させるのに必要な目標出力トルクを算出する目標出力トルク算出処理手段とを有するとともに、前記トルク制御処理手段は、前記目標出力トルクに対応する目標発電機モータトルクを算出し、前記発電機モータを駆動して目標発電機モータトルクを発生させる請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド型車両。 【請求項5】 駆動モータと、駆動輪に連結された出力軸と、少なくとも3個の歯車要素を備え、各歯車要素がエンジン、発電機モータ及び出力軸と連結された差動歯車装置とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド型車両。 【請求項6】 ハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断し、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行うことを特徴とするハイブリッド型車両の制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド型車両及びその制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ハイブリッド型車両においては、サンギヤ、リングギヤ及びキャリヤを備えたプラネタリギヤユニットを有し、前記キャリヤとエンジンとを連結し、リングギヤと駆動輪とを連結し、サンギヤと発電機モータとを連結し、前記リングギヤ及び駆動モータから出力された回転を駆動輪に伝達して駆動力を発生させるようにしている。 【0003】そして、前記エンジン及び駆動モータを駆動することによってハイブリッド型車両を走行させているときに、ハイブリッド型車両を制動する必要が生じると、前記駆動モータによる回生を行うことによって制動力が発生させられる。この場合、駆動モータによる回生が行われるのに伴って発生した電流は、バッテリに送られ、バッテリの充電が行われるが、バッテリ残量が多いと、バッテリの充電を行うことができない。その結果、駆動モータによる回生を行うことができず、十分な制動力を発生させることができない。 【0004】そこで、バッテリ残量が多い場合に、前記エンジンの駆動を停止させ、発電機モータを駆動して、エンジンを空回りさせ、エンジンにおける摺(しゅう)動抵抗を利用して制動力を発生させるようにしたハイブリッド型車両が提供されている(特許第3050138号参照)。この場合、ブレーキペダルの踏込量に基づいて、ハイブリッド型車両を制動するのに必要な制動トルクを算出し、算出された制動トルクに基づいてエンジン回転速度の目標値、すなわち、目標エンジン回転速度を算出し、算出された目標エンジン回転速度に基づいて発電機モータ回転速度の目標値、すなわち、目標発電機モータ回転速度を算出し、算出された目標発電機モータ回転速度を達成することができるように発電機モータの回転速度制御を行うようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来のハイブリッド型車両においては、発電機モータの回転速度制御を行っているときに、路面の凹凸等による外乱が駆動輪を介して発電機モータに加わると、発電機モータのトルク、すなわち、発電機モータトルクが変動し、ハイブリッド型車両に振動が発生して走行フィーリングが低下してしまう。 【0006】本発明は、前記従来のハイブリッド型車両の問題点を解決して、制動力を発生させるのに伴って振動が発生するのを防止することができ、走行フィーリングを向上させることができるハイブリッド型車両及びその制御方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】そのために、本発明のハイブリッド型車両においては、エンジンと、該エンジン及び駆動輪に機械的に連結された発電機モータと、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断する制動要求判断処理手段と、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行うトルク制御処理手段とを有する。 【0008】本発明の他のハイブリッド型車両においては、さらに、バッテリの状態を検出するバッテリ状態検出手段を有する。 【0009】そして、前記トルク制御処理手段は、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、前記バッテリの状態に対応させて、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行う。 【0010】本発明の更に他のハイブリッド型車両においては、さらに、前記トルク制御処理手段は、バッテリ残量及びバッテリ電圧のうちの少なくとも一方が閾(しきい)値より大きい場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行う。 【0011】本発明の更に他のハイブリッド型車両においては、さらに、駆動輪の回転速度に対応する変量、及び運転者による操作手段の操作量に基づいて、ハイブリッド型車両を走行させるのに必要な目標出力トルクを算出する目標出力トルク算出処理手段とを有する。 【0012】そして、前記トルク制御処理手段は、前記目標出力トルクに対応する目標発電機モータトルクを算出し、前記発電機モータを駆動して目標発電機モータトルクを発生させる。 【0013】本発明の更に他のハイブリッド型車両においては、さらに、駆動モータと、駆動輪に連結された出力軸と、少なくとも3個の歯車要素を備え、各歯車要素がエンジン、発電機モータ及び出力軸と連結された差動歯車装置とを有する。 【0014】本発明のハイブリッド型車両の制御方法においては、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断し、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行う。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0016】図1は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の機能ブロック図である。 【0017】図において、11はエンジン、16は発電機モータ、91はハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断する制動要求判断処理手段、93はハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジン11の駆動を停止させ、かつ、発電機モータ16のトルク制御を行うトルク制御処理手段である。なお、92は図示されないバッテリの状態を検出するバッテリ状態検出手段である。 【0018】図2は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の概念図である。 【0019】図において、11は第1の軸線上に配設されたエンジン(E/G)、12は前記第1の軸線上に配設され、前記エンジン11を駆動することによって発生させられた回転を出力する出力軸、13は前記第1の軸線上に配設され、前記出力軸12を介して入力された回転に対して変速を行う差動歯車装置としてのプラネタリギヤユニット、14は前記第1の軸線上に配設され、前記プラネタリギヤユニット13における変速後の回転が出力される出力軸、15は該出力軸14に固定された出力ギヤとしての第1のカウンタドライブギヤ、16は前記第1の軸線上に配設され、同様に前記第1の軸線上に配設された伝達軸17を介して前記プラネタリギヤユニット13と連結され、更にエンジン11と機械的に連結された第1の電動機としての発電機モータ(G)である。 【0020】前記出力軸14はスリーブ形状を有し、前記出力軸12を包囲して配設される。また、前記第1のカウンタドライブギヤ15はプラネタリギヤユニット13よりエンジン11側に配設される。 【0021】そして、前記プラネタリギヤユニット13は、第1の歯車要素としてのサンギヤS、該サンギヤSと噛(し)合するピニオンP、該ピニオンPと噛合する第2の歯車要素としてのリングギヤR、及び前記ピニオンPを回転自在に支持する第3の歯車要素としてのキャリヤCRから成り、前記サンギヤSは前記伝達軸17を介して発電機モータ16と、リングギヤRは出力軸14及び所定のギヤ列を介して駆動輪37と、キャリヤCRは出力軸12を介してエンジン11と連結される。また、前記キャリヤCRと駆動装置のケース10との間にワンウェイクラッチFが配設され、該ワンウェイクラッチFは、エンジン11から正方向の回転がキャリヤCRに伝達されたときにフリーになり、発電機モータ16又は駆動モータ25から逆方向の回転がキャリヤCRに伝達されたときにロックされ、逆方向の回転がエンジン11に伝達されないようにする。 【0022】さらに、前記発電機モータ16は、前記伝達軸17に固定され、回転自在に配設されたロータ21、該ロータ21の周囲に配設されたステータ22、及び該ステータ22に巻装されたコイル23から成る。前記発電機モータ16は、伝達軸17を介して伝達される回転によって電力を発生させる。前記コイル23は、図示されないバッテリに接続され、該バッテリに直流電流を供給する。前記ロータ21と前記ケース10との間にブレーキBが配設され、該ブレーキBを係合させることによってロータ21を固定し、発電機モータ16の回転を停止させることができる。 【0023】また、25は前記第1の軸線と平行な第2の軸線上に配設され、前記発電機モータ16と互いに機械的に連結された第2の電動機としての駆動モータ(M)、26は前記第2の軸線上に配設され、前記駆動モータ25の回転が出力される出力軸、27は該出力軸26に固定された出力ギヤとしての第2のカウンタドライブギヤである。前記駆動モータ25は、前記出力軸26に固定され、回転自在に配設されたロータ40、該ロータ40の周囲に配設されたステータ41、及び該ステータ41に巻装されたコイル42から成る。 【0024】前記駆動モータ25は、コイル42に供給される電流によって駆動モータトルクを発生させる。そのために、前記コイル42は前記バッテリに接続され、該バッテリからの直流電流が交流電流に変換されて供給されるようになっている。なお、前記発電機モータ16及び駆動モータ25と駆動輪37とは機械的に連結される。 【0025】そして、前記駆動輪37をエンジン11の回転と同じ方向に回転させるために、前記第1、第2の軸線と平行な第3の軸線上にカウンタシャフト30が配設され、該カウンタシャフト30に、第1のカウンタドリブンギヤ31、及び該第1のカウンタドリブンギヤ31より歯数が多い第2のカウンタドリブンギヤ32が固定される。また、前記第1のカウンタドリブンギヤ31と前記第1のカウンタドライブギヤ15とが、また、前記第2のカウンタドリブンギヤ32と前記第2のカウンタドライブギヤ27とが噛合させられ、前記第1のカウンタドライブギヤ15の回転が反転されて第1のカウンタドリブンギヤ31に、前記第2のカウンタドライブギヤ27の回転が反転されて第2のカウンタドリブンギヤ32に伝達されるようになっている。 【0026】さらに、前記カウンタシャフト30には前記第1のカウンタドリブンギヤ31より歯数が少ないデフピニオンギヤ33が固定される。 【0027】そして、前記第1〜第3の軸線と平行な第4の軸線上にディファレンシャル装置36が配設され、該ディファレンシャル装置36のデフリングギヤ35と前記デフピニオンギヤ33とが噛合させられる。したがって、デフリングギヤ35に伝達された回転が前記ディファレンシャル装置36によって分配され、駆動輪37に伝達される。なお、38は発電機モータ16の回転速度を表す発電機モータ回転速度NGを検出する発電機モータ回転速度センサ、39は駆動モータ25の回転速度を表す駆動モータ回転速度NMを検出する駆動モータ回転速度センサである。 【0028】このように、エンジン11によって発生させられた回転を第1のカウンタドリブンギヤ31に伝達することができるだけでなく、駆動モータ25によって発生させられた回転を第2のカウンタドリブンギヤ32に伝達することができるので、エンジン11及び駆動モータ25を駆動することによってハイブリッド型車両を走行させることができる。 【0029】次に、前記構成のハイブリッド型車両の制御装置について説明する。 【0030】図3は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の制御装置を示すブロック図である。 【0031】図において、11はエンジン、16は発電機モータ、25は駆動モータ、43はバッテリである。46は前記エンジン11の制御を行うエンジン制御手段としてのエンジン制御装置であり、該エンジン制御装置46は、エンジン回転速度センサ71によって検出されたエンジン11の回転速度を表すエンジン回転速度NEを読み込み、スロットル開度θ等の指示信号をエンジン11に送る。47は前記発電機モータ16の制御を行う発電機モータ制御手段としての発電機モータ制御装置であり、該発電機モータ制御装置47は発電機モータ16に電流指令値IGを送る。49は前記駆動モータ25の制御を行う駆動モータ制御手段としての駆動モータ制御装置であり、該駆動モータ制御装置49は駆動モータ25に電流指令値IMを送る。 【0032】また、51は、図示されないCPU、記憶装置等から成り、ハイブリッド型車両の全体の制御を行う車両制御装置、44は前記バッテリ43の状態としてのバッテリ残量SOCを検出するバッテリ残量検出装置、52は運転者によって操作される第1の操作手段としてのアクセルペダル、53は車速Vを検出する車速センサ、55は前記アクセルペダル52の踏込量、すなわち、アクセル開度αを検出するアクセル操作検出手段としてのアクセルスイッチ、61は運転者によって操作される第2の操作手段としてのブレーキペダル、62は該ブレーキペダル61の踏込量βを検出するブレーキ操作検出手段としてのブレーキスイッチ、38は発電機モータ回転速度NGを検出する発電機モータ回転速度センサ、39は駆動モータ回転速度NMを検出する駆動モータ回転速度センサ、72は前記バッテリ43の状態としてのバッテリ電圧VBを検出するバッテリ電圧センサである。なお、バッテリ残量検出装置44及びバッテリ電圧センサ72によってバッテリ状態検出手段92が構成される。 【0033】前記車両制御装置51は、前記エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送ってエンジン11の駆動・停止を設定したり、エンジン制御装置46にエンジン回転速度NEの目標値、すなわち、目標エンジン回転速度NE* を設定したり、前記発電機モータ制御装置47に発電機モータ回転速度NGの目標値、すなわち、目標発電機モータ回転速度NG* 、及び発電機モータトルクTGの目標値、すなわち、目標発電機モータトルクTG* を設定したり、前記駆動モータ制御装置49に駆動モータトルクTMの目標値、すなわち、目標駆動モータトルクTM*及び駆動モータトルク補正値δTMを設定したりする。 【0034】なお、本実施の形態において、車速Vは、出力軸14(図2)の回転速度、すなわち、出力回転速度NOによって検出されるようになっているが、リングギヤRの回転速度、駆動輪の回転速度等によって検出することもできる。 【0035】次に、前記構成のハイブリッド型車両の動作について説明する。 【0036】図4は本発明の実施の形態におけるハイブリッド型車両の動作を示すフローチャート、図5は本発明の実施の形態における第1の車両駆動力マップを示す図、図6は本発明の実施の形態における第2の車両駆動力マップを示す図、図7は本発明の実施の形態におけるプラネタリギヤユニットの作動説明図、図8は本発明の実施の形態における車速線図である。なお、図5及び6において、横軸に車速Vを、縦軸に車両駆動力Qを採ってある。 【0037】まず、車両制御装置51(図3)の制動要求判断処理手段91(図1)は、制動要求判断処理を行い、アクセルスイッチ55によって検出されたアクセル開度α、及びブレーキスイッチ62によって検出された踏込量βを読み込み、例えば、踏込量βが負の値を採ること等に基づいて運転者によってハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断する。運転者によってハイブリッド型車両を制動させる要求がされていない場合、車両制御装置51の図示されない目標出力トルク算出処理手段は、目標出力トルク算出処理を行い、駆動輪37の回転速度に対応する変量、本実施の形態においては、車速センサ53によって検出された車速V及びエンジン制御装置46から送られたスロットル開度θを読み込み、アクセルペダル52が踏み込まれた場合、図5に示される第1の車両駆動力マップを参照し、ブレーキペダル61が踏み込まれた場合、図6に示される第2の車両駆動力マップを参照して、車速V、アクセル開度α及び踏込量βに対応させてあらかじめ設定された、ハイブリッド型車両を走行させるのに必要な車両駆動力Qを算出し、算出された車両駆動力Qに基づいて目標出力トルクTO* を算出する。なお、算出された目標出力トルクTO* は、前記車両駆動力Q、及び出力軸14(図2)から駆動輪37までのトルク伝達系におけるギヤ比に基づいて算出される。 【0038】そして、車両制御装置51のトルク制御処理手段93は、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、バッテリ43の状態に対応させてトルク制御処理を行う。そのために、前記車両制御装置51の図示されないトルク制御条件成立判断処理手段は、トルク制御条件成立判断処理を行い、発電機モータ16のトルク制御を行うための条件、すなわち、トルク制御条件が成立したかどうかを判断する。すなわち、前記トルク制御条件成立判断処理手段は、前記目標出力トルクTO* 、バッテリ残量検出装置44によって検出されたバッテリ残量SOC、及びバッテリ電圧センサ72によって検出されたバッテリ電圧VBを読み込み、前記目標出力トルクTO* が負であるかどうかによって第1の条件が成立したかどうかを判断し、バッテリ残量SOCが閾値SOCthより大きいかどうかによって第2の条件が成立したかどうかを判断し、バッテリ電圧VBが閾値VBthより大きいかどうかによって第3の条件が成立したかどうかを判断し、第1、第2の条件がいずれも成立するか、第1、第3の条件がいずれも成立する場合、トルク制御条件が成立したと判断し、第1の条件が成立しない場合、又は第2、第3の条件がいずれも成立しない場合、トルク制御条件が成立しないと判断する。そして、トルク制御条件が成立した場合、前記トルク制御処理手段93は、エンジン制御装置46にエンジン制御信号を送り、エンジン11の駆動を停止させる。ここで、エンジン11の駆動を停止させることは、エンジン11を機械的にロックすることではなく、自立運転を停止させることを意味する。したがって、エンジン11の駆動を停止させた状態で図示されないクランクシャフトを回転させることができる。なお、エンジン制御装置46に燃料カット信号を送ることによって燃料カットを行い、エンジン11の駆動を停止させることもできる。 【0039】次に、前記トルク制御処理手段93の図示されない目標発電機モータトルク設定処理手段は、目標発電機モータトルク設定処理を行い、前記目標出力トルクTO* に基づいて、目標発電機モータトルクTG* を算出し、設定する。ハイブリッド型車両を制御させる要求がされた場合、第1の条件が成立していて、目標出力トルクTO* は、負であり、かつ、ハイブリッド型車両を制動するための制動トルクの目標値になる。 【0040】そして、前記発電機モータ制御装置47の図示されない発電機モータ指令値算出処理手段は、発電機モータ指令値算出処理を行い、車両制御装置51から目標発電機モータトルクTG* が送られてくると、該目標発電機モータトルクTG*に基づいて発電機モータトルク指令値STG* を算出する。続いて、前記発電機モータ制御装置47の図示されない電流指令値発生処理手段は、第1の電流指令値発生処理を行い、前記発電機モータトルクTGと前記目標発電機モータトルクTG* との偏差ΔTGが0になるように電流指令値IGを発生させ、該電流指令値IGを発電機モータ16に送り、発電機モータ16を駆動する。このようにして、発電機モータ16のトルク制御が行われる。 【0041】これに伴って、エンジン11が空回りさせられ、エンジン11における摺動抵抗を利用してハイブリッド型車両に制動力を発生させることができる。この場合、発電機モータトルクTGが目標発電機モータトルクTG* になるようなトルク制御が行われるが、プラネタリギヤユニット13におけるトルクバランスの関係から、制動力と発電機モータトルクTGとは常に一定の比例関係になるので、エンジン11の状態に関わらず、常に正確な制動力を発生させることができる。 【0042】また、路面の凹凸等による外乱が駆動輪37を介して発電機モータ16に加わっても、トルク制御が行われているので、発電機モータトルクTGが変動することがない。したがって、ハイブリッド型車両に振動が発生するのを防止することができ、走行フィーリングを向上させることができる。 【0043】ところで、プラネタリギヤユニット13においては、図7に示されるように、キャリヤCRがエンジン11と、サンギヤSが発電機モータ16と、リングギヤRが出力軸14を介して前記駆動輪37とそれぞれ連結されるので、リングギヤRの回転速度と出力回転速度NOとが等しく、キャリヤCRの回転速度とエンジン回転速度NEとが等しく、サンギヤSの回転速度と発電機モータ回転速度NGとが等しくなる。そして、リングギヤRの歯数がサンギヤSの歯数のρ倍(本実施の形態においては2倍)にされるので、(ρ+1)・NE=1・NG+ρ・NOの関係が成立する。 【0044】また、エンジントルクTE、出力トルクTO及び発電機モータトルクTGは、TE:TO:TG=(ρ+1):ρ:1の関係になり、互いに反力を受け合う。 【0045】そして、ハイブリッド型車両が停止しているときは、図8の車速線図において、ラインL1で示されるように、出力回転速度NO、エンジン回転速度NE及び発電機モータ回転速度NGがいずれも0〔rpm〕になる。また、ハイブリッド型車両が走行しているときに、エンジン11の駆動を停止させると、ラインL2で示されるように、出力回転速度NOは正の値を採り、エンジン回転速度NEは0〔rpm〕になり、発電機モータ回転速度NGは負の値を採る。そして、エンジン11の駆動を停止させた状態で発電機モータ16を駆動してトルク制御を行うと、発電機モータ回転速度NGが矢印で示されるように変化させられ、正の値を採り、それに伴って、エンジン回転速度NEが正の値を採る。その結果、エンジン11は空回りさせられる。そして、前記発電機モータ回転速度NGが正の値を採る場合、発電機モータ16は電動機として駆動されるので、バッテリ43の電流は発電機モータ16に供給され、バッテリ43は放電させられる。 【0046】このようにして、前記目標発電機モータトルクTG* に対応させて電流指令値IGを発生させ、該電流指令値IGを発電機モータ16に送り、発電機モータ16を駆動してトルク制御を行う。 【0047】ところで、前述されたように、エンジントルクTE、出力トルクTO及び発電機モータトルクTGは互いに反力を受け合うので、前記発電機モータ16が駆動されてトルク制御が行われる場合、発電機モータトルクTGがリングギヤトルクTRに変換されてリングギヤRから出力されるが、これに伴って、発電機モータ回転速度NGが変動し、前記リングギヤトルクTRが変動し、変動したリングギヤトルクTRが駆動輪37に伝達され、ハイブリッド型車両の走行フィーリングが低下してしまう。そこで、リングギヤトルクTRの変動分だけ駆動モータトルクTMを補正し、駆動モータトルク補正値δTMを駆動モータ制御装置49に送るようにしている。 【0048】そのために、前記発電機モータ制御装置47の図示されない発電機モータトルク算出処理手段は、発電機モータトルク算出処理を行い、車両制御装置51を介して発電機モータ回転速度NGを読み込み、図示されない発電機モータトルクマップを参照し、発電機モータ回転速度NGに対応する発電機モータトルクTGを算出し、算出された発電機モータトルクTGを車両制御装置51に送る。 【0049】そして、該車両制御装置51の図示されない駆動モータトルク補正値算出処理手段は、駆動モータトルク補正値算出処理を行い、前記発電機モータ制御装置47から送られた発電機モータトルクTG、及びサンギヤSの歯数に対する第2のカウンタドライブギヤ27の歯数の比、すなわち、発電機モータ16と駆動モータ25との間のギヤ比γ1に基づいて駆動モータトルク補正値δTMを算出する。 【0050】この場合、前記駆動モータトルク補正値δTMは次のように算出される。すなわち、発電機モータ16のイナーシャをInGとし、発電機モータ16の角加速度(回転変化率)をαGとしたとき、サンギヤSに加わるサンギヤトルクTSは、TS=TG+InG・αGになる。なお、前記角加速度αGは極めて小さいので、サンギヤトルクTSと発電機モータトルクTGとを近似して、TS=TGとすることができる。そして、リングギヤRの歯数がサンギヤSの歯数のρ倍であるとすると、リングギヤトルクTRは、サンギヤトルクTSのρ倍であるので、TR=ρ・TS=ρ・TGになる。 【0051】このように、発電機モータトルクTGからリングギヤトルクTRを算出することができる。そして、カウンタギヤ比、すなわち、第2のカウンタドリブンギヤ32の歯数に対する第2のカウンタドライブギヤ27の歯数の比をiとすると、駆動モータトルク補正値δTMは、δTM=ρ・TS・i=ρ・TG・iになる。なお、前記ギヤ比γ1は、γ1=ρ・iであるので、駆動モータトルク補正値δTMは、δTM=γ1・TGになる。 【0052】続いて、前記車両制御装置51の図示されない目標駆動モータトルク設定処理手段は、目標駆動モータトルク設定処理を行い、前記目標出力トルクTO* から目標発電機モータトルクTG* を減算することによって発電機モータトルクTGでは不足する分を目標駆動モータトルクTM* として算出し、設定するとともに、該目標駆動モータトルクTM* 及び駆動モータトルク補正値δTMを駆動モータ制御装置49に送る。そして、該駆動モータ制御装置49の図示されない駆動モータ指令値算出手段は、車両制御装置51から目標駆動モータトルクTM* 及び駆動モータトルク補正値δTMが送られてくると、前記目標駆動モータトルクTM* から駆動モータトルク補正値δTMを減算して駆動モータトルク指令値STM*STM* =TM* −δTMを算出する。 【0053】続いて、駆動モータ制御装置49の図示されない電流指令値発生処理手段は、第2の電流指令値発生処理を行い、前記駆動モータトルクTMと前記駆動モータトルク指令値STM* との偏差ΔTMが0になるように、電流指令値IMを発生させ、該電流指令値IMを駆動モータ25に送る。このようにして、トルク制御が行われる。 【0054】一方、トルク制御条件が成立しない場合、エンジン11の駆動を停止させることなく、発電機モータ16の制御を行う。 【0055】すなわち、前記トルク制御処理手段93の図示されないエンジン目標運転状態設定処理手段は、エンジン目標運転状態設定処理を行い、図示されないエンジン目標運転状態マップを参照し、エンジン運転ポイントのうちの効率が良いエンジン運転ポイントをエンジン目標運転状態として設定し、該エンジン目標運転状態におけるエンジン回転速度NEを目標エンジン回転速度NE* として算出する。続いて、前記車両制御装置51は目標発電機モータ回転速度NG* を算出する。そのために、前記車両制御装置51は、車速Vを読み込み、該車速V及びプラネタリギヤユニット13から駆動輪37までのギヤ比GOに基づいて、次の式によって出力回転速度NOを算出する。 【0056】NO=V・GOそして、前記車両制御装置51の図示されない目標発電機モータ回転速度設定処理手段は、目標発電機モータ回転速度設定処理を行い、前記目標エンジン回転速度NE* 及び出力回転速度NOに基づいて、次の式によって目標発電機モータ回転速度NG* を算出し、設定して、発電機モータ制御装置47に送る。 【0057】 NG* =NO−(NO−NE* )・(1+ρ)/ρまた、前記発電機モータ制御装置47の前記電流指令値発生処理手段は、第3の電流指令値発生処理を行い、車両制御装置51から目標発電機モータ回転速度NG* が送られてくると、発電機回転速度NGと前記目標発電機モータ回転速度NG* との偏差ΔNGが0になるように電流指令値IGを発生させ、該電流指令値IGを発電機モータ16に送り、発電機モータ16を駆動して回転速度制御を行う。 【0058】ところで、本実施の形態において、発電機モータ16のトルク制御は、エンジン11の状態とは関係なく行われるようになっているので、エンジン11の吹上りが発生し、エンジン回転速度NEが必要以上に高くなることが考えられる。そこで、エンジン11における摺動抵抗に相当する発電機モータトルクTG1を算出し、該発電機モータトルクTG1を発電機モータトルク制限値TGL1とし、前記目標駆動モータトルクTM* が発電機モータトルク制限値TGL1を超えないように設定している。 【0059】また、エンジン回転速度NEの上限値NELを設定し、該上限値NEL及び車速Vに基づいて発電機モータ回転速度NGの上限値NGLを算出するとともに、該上限値NGLに基づいて発電機モータトルクTG2を算出し、該発電機モータトルクTG2を発電機モータトルク制限値TGL2とし、前記目標駆動モータトルクTM* が発電機モータトルク制限値TGL2を超えないように設定することもできる。 【0060】なお、エンジン回転速度NEが過度に低く、例えば、アイドル回転速度より低くなると、エンジン11にクランキング振動が発生してしまう。そこで、エンジン回転速度NEの下限値としてアイドル回転速度を設定し、エンジン回転速度NEがアイドル回転速度以上になるようにすることもできる。また、エンジン11と発電機モータ16とがダンパを介して連結されている場合には、エンジン回転速度NEが、ダンパによって共振現象が発生する回転速度以上になるようにすることもできる。 【0061】次に、フローチャートについて説明する。 ステップS1 アクセル開度α及びブレーキペダル61の踏込量βを読み込む。 ステップS2 目標出力トルクTO* を算出する。 ステップS3 バッテリ残量SOC及びバッテリ電圧VBを読み込む。 ステップS4 目標出力トルクTO* が負である(TO* <0)かどうかを判断する。目標出力トルクTO* が負である場合はステップS5に、目標出力トルクTO* が負でない場合はステップS6に進む。 ステップS5 バッテリ残量SOCが閾値SOCthより大きいかどうかを判断する。バッテリ残量SOCが閾値SOCthより大きい場合はステップS9に、バッテリ残量SOCが閾値SOCth以下である場合はステップS8に進む。 ステップS6 エンジン目標運転状態設定処理を行う。 ステップS7 目標発電機モータ回転速度設定処理を行い、ステップS11に進む。 ステップS8 バッテリ電圧VBが閾値VBthより大きいかどうかを判断する。バッテリ電圧VBが閾値VBthより大きい場合はステップS9に、バッテリ電圧VBが閾値VBth以下である場合はステップS6に進む。 ステップS9 エンジン11の駆動を停止する。 ステップS10 目標発電機モータトルク設定処理を行う。 ステップS11 発電機モータトルクTGからリングギヤトルクTRを算出する。 ステップS12 目標駆動モータトルク設定処理を行い、処理を終了する。 【0062】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。 【0063】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、ハイブリッド型車両においては、エンジンと、該エンジン及び駆動輪に機械的に連結された発電機モータと、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされたかどうかを判断する制動要求判断処理手段と、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされた場合に、エンジンの駆動を停止させ、かつ、発電機モータのトルク制御を行うトルク制御処理手段とを有する。 【0064】この場合、ハイブリッド型車両を制動させる要求がされると、エンジンの駆動が停止させられ、かつ、発電機モータのトルク制御が行われる。 【0065】したがって、エンジンが空回りさせられ、エンジンにおける摺動抵抗を利用してハイブリッド型車両に制動力を発生させることができる。また、制動力を発生させるために発電機モータのトルク制御が行われるので、エンジンの状態に関わらず、常に正確な制動力を発生させることができる。 【0066】また、路面の凹凸等による外乱が駆動輪を介して発電機モータに加わっても、トルク制御が行われているので、発電機モータトルクが変動することがない。したがって、ハイブリッド型車両に振動が発生するのを防止することができ、走行フィーリングを向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100768 【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月27日(2000.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096426 【弁理士】 【氏名又は名称】川合 誠 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−199504(P2002−199504A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月12日(2002.7.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−399061(P2000−399061) |
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