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【発明の名称】 電気自動車の車内無線光LANシステム
【発明者】 【氏名】清水 浩

【要約】 【課題】コントロールユニットとこれらを接続する光ファイバの使用点数を少なくし、且つ、車体構造に共通の配線空間を設けて配線できる電気自動車の車内無線光LANシステムを提供することを目的とする。

【解決手段】電気自動車の車内無線光LANシステムにおいて、断面長方形の柱状フレーム2,2′を組み立てて車体を構成し、その柱状フレーム2,2′内に光LAN用の光ファイバ30を配線するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面長方形の柱状フレームを組み立てて車体を構成し、前記柱状フレーム内に光LAN用の光ファイバを配線することを特徴とする電気自動車の車内無線光LANシステム。
【請求項2】 断面長方形の柱状フレームを組み立てて車体を構成し、前記柱状フレーム内に光送受装置を配置することを特徴とする電気自動車の車内無線光LANシステム。
【請求項3】 請求項1又は2記載の電気自動車の車内無線光LANシステムにおいて、前記柱状フレームの上部にボディを支えるための中空のアッパーフレームを装着し、該アッパーフレームの中空部分に光LAN用の光ファイバを配線することを特徴とする電気自動車の車内無線光LANシステム。
【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電気自動車の車内無線光LANシステにおいて、前記柱状フレームの上部にボディを支えるための中空のアッパーフレームを装着し、該アッパーフレームの中空部分に光送受信装置を配置することを特徴とする電気自動車の車内無線光LANシステム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気自動車の車内無線光LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に係り、特に、自動車内等での多重伝送による集約配線システムに好適なLANシステムに関するものである。
【0002】図7に示すように、電気自動車とは、電動機101の駆動力のみを用いて走行が可能な車であり、その電動機101に供給する電力源として、二次電池(バッテリー)を用いるものを狭義の電気自動車A、エンジン発電機を用いるものをシリーズハイブリッド車B、燃料電池を用いるものを燃料電池車Cと呼ぶことにする。なお、図7において、102は車輪、103はコントローラ、104は二次電池、201はエンジン、202は発電機、301は水素供給源、302は燃料電池である。
【0003】このように、電気自動車とは、回転式電気電動機の駆動力のみを用いて走行が可能な車であり、その電気電動機に供給する電力源として、二次電池、燃料電池、内燃機関を用いた発電機、太陽電池等およびこれらを組み合わせたものを使用した車と定義する。ただし、以下の説明では、二次電池のみを用いた電気自動車を念頭におくが、燃料電池、内燃機関発電機、太陽電池を電力源とする車も当然に含まれる。
【0004】
【従来の技術】従来、車両においては、2地点間の複数チャネルの信号伝送を行うのに際し、通信側では並列の電気入力信号を直列化し、これを電気光変換して光ファイバで伝送する。一方、受信側では光ファイバからの直列光入力信号を光電気変換し、次いで、直並列変換して各々の対象負荷を制御するようにしている。これにより、複数の電線を1本の光ファイバで置換できるため、配線ケーブルの細線化が可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来は、総て2地点間で2本の光ファイバを用いて相互にデータを双方向伝送する形態をとっているため、操作スイッチ、ランプ、リレーボックス等の機器類が各所に分散して配置されている場合には、これらに対する信号の入出力を制御するコントロールユニットと、これらを接続する光ファイバとを多数使用せざるを得ず、システム全体が高価になるという問題があった。
【0006】また、従来の光ファイバの配線は、共通の配線構造というものがなく、それぞれの車体構造に応じて特別に設計する必要があった。
【0007】本発明は、上記状況に鑑みて、コントロールユニットとこれらを接続する光ファイバの使用点数を少なくし、且つ、車体構造に共通の配線空間を設けて配線できる電気自動車の車内無線光LANシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、〔1〕電気自動車の車内無線光LANシステムにおいて、断面長方形の柱状フレームを組み立てて車体を構成し、前記柱状フレーム内に光LAN用の光ファイバを配線することを特徴とする。
【0009】〔2〕電気自動車の車内無線光LANシステムにおいて、断面長方形の柱状フレームを組み立てて車体を構成し、前記柱状フレーム内に光送受装置を配置することを特徴とする。
【0010】〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の電気自動車の車内無線光LANシステムにおいて、前記柱状フレームの上部にボディを支えるための中空のアッパーフレームを装着し、このアッパーフレームの中空部分に光LAN用の光ファイバを配線することを特徴とする。
【0011】〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の電気自動車の車内無線光LANシステにおいて、前記柱状フレームの上部にボディを支えるための中空のアッパーフレームを装着し、このアッパーフレームの中空部分に光送受信装置を配置することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の実施例を示す電気自動車の車体およびその装備を示す斜視図である。
【0014】まず、本発明の実施例を示す電気自動車のフラットな床について説明する。
【0015】本発明の実施例の車体は、インホイールドライブで、バッテリーを床下に組み込んだバッテリービルトイン式フレーム(BBF)で、かつ各車輪を前後2個に分離するタンデムホイール式サスペンションを備えているため、室内空間を広くとることができ、ボディの空気抵抗も比較的少ない。
【0016】図1に示すように、車台(シャーシ)1は、断面が略長方形の複数個の中空のセンターフレーム(柱状フレーム)2,2′,サイドフレーム3A,3A′,3B,3B′から構成されている。これらのフレーム2,2′,3A,3A′,3B,3B′は表面が平坦になるように固着され、電池21,22,23をこれらのフレームに収納するようにしたシャーシとする。
【0017】BBF構造においては、電池収納容器とフレーム構造体が兼用できるために、電池収納のための新たな空間を設ける必要がなく、車体全体を軽量化できるという利点がある。また、重量物である電池が床下に収納されているので、車体の重心が低く、自動車の安定性や乗り心地が向上するという利点も生れる。
【0018】BBF構造とインホイール方式を採用することにより有効利用空間を広く、かつ車体全体を軽量化でき、また車体の重心が低くなり、自動車の安定性や乗り心地も向上し、ロードホールディングも良い電気自動車が得られる。
【0019】また、電気自動車には電池および駆動装置の他に回転式電動機の速度とトルクを制御する制御装置、車載型の充電器、冷暖房装置等も搭載されるが、これらのすべて、あるいは一部も電池と同様にシャーシ1の内部空間に収納することにより、車体内部の有効容積を増やすことが可能となる。
【0020】さらに、タンデムホイール式サスペンションを採用し、従来の自動車の車輪1輪を、前後に配置した小径の車輪2輪に置き替えることにより、路面から車体が受ける振動を極力抑えるように構成される。
【0021】回転式電動機によって車輪が駆動されるようになっている電気自動車において、自動車のシャーシ1は、軸方向に中空の複数個のフレームから構成され、それによってシャーシ1の剛性が高められていると共に、電池21,22,23は前記シャーシ1に収納され、前記回転式電動機の少なくとも一部は、車輪のホイール部分に収納され、前記回転式電動機とシャーシ1は懸架装置を介して接続されるように構成される。
【0022】シャーシ1内には、回転式電動機の速度およびトルクを制御する制御装置の少なくともその一部も収納されるように、充電器の少なくともその一部も収納されるように構成される。車輪の前輪または後輪あるいは双方の車輪が、前後方向に2個連続して取り付けられるように、2個連続して取り付けられている車輪が、懸架装置を介して取り付けられるように構成される。
【0023】シャーシ1は、断面が略長方形の4個の中空体から上面が略平面になるように構成されている。すなわち、車両の両側に位置する軸方向に中空のサイドフレーム3A,3A′,3B,3B′と、その内側に位置する同様に軸方向に中空のセンターフレーム2,2′とから構成されている。そして、これらのフレーム2,2′,3A,3A′,3B,3B′は所定幅になるように互いに平行に配置され、補強用のサブフレーム(図示なし)が取り付けられた上でサイドフレーム3A,3A′,3B,3B′にはドアが、またセンターフレーム2,2′には従来周知の座席、ステアリング、アクセルあるいはブレーキペダル、カウル、進行方向を定めるためのレバー等(図示なし)が取り付けられ、これにより電気自動車の基本部分が構成されている。
【0024】シャーシ1を構成するフレーム2,2′,3A,3A′,3B,3B′の製作法、材質等は格別限定されない。しかしながら、例えば、アルミニウムの押し出し成形技術により成形するのが望ましい。
【0025】このようにして形成されるセンターフレーム2,2′およびサイドフレーム3A,3A′,3B,3B′は、強度の強化や収納物の大きさの関係で、前後方向に複数個に仕切ることもできるが、図1には仕切る例は示されていない。
【0026】センターフレーム2,2′は、自動車の全長から車の前部および後部の衝突緩衝部分を差し引いた長さに略等しく、高さおよび幅は収納する電池21,22,23…の形状あるいは大きさを考慮して、電池21,22,23…の高さよりやや高く、幅はやや広く作られている。
【0027】また、サイドフレーム3A,3A′,3B,3B′は、センターフレーム2,2′よりもホイールハウスの部分だけ短く、高さはセンターフレーム2,2′と略同じ高さになっている。なお、13,13′は後部後輪、14,14′は前部後輪、15,15′は後部前輪、16,16′は前部前輪である。
【0028】この実施例によると、シャーシ1のどのフレーム2,2′,3A,3A′,3B,3B′にも電池を収納することができるが、図1に示されている実施例では中央部に位置するセンターフレーム2,2′に収納する例が示されている。この場合、電池21,22,23…は前方からもあるいは後方からも収納できる。
【0029】しかしながら、図1に示されている実施例では、右後方にホイール8,8′を駆動する駆動用のモータ、減速機等からなる駆動装置が配置されているので、前方から台20に載せて出し入れするようになっている。
【0030】また、センターフレーム2,2′には、後述する回転式電動機の速度、トルク等を制御する制御装置4,4′、電池21,22,23,…を充電する充電器5、車内用の冷暖房装置6等が収納されている。
【0031】インホイール式駆動装置7,7′自体には、回転式電動機の回転数を減らすための減速歯車機構、機械式ブレーキ、回転を支えるためのベアリング等が一体構造的に形成されている。そして駆動輪のホイール8,8′の内部に取り付けられ、回転式電動機の電機子が固定されている外枠はサスペンションアームに取り付けられている。ホイール8,8′にはタイヤ9,9′が取り付けられ、走行を可能としている。
【0032】インホイール式駆動装置7,7′には、サスペンションを形成するアーム類、バネ、ダンパー等が取り付けられるが、図1では省略されている。また、前輪のホイールにも、サブフレームおよびサスペンションを形成するアーム類、バネ、ダンパー等を介してセンターフレーム(図示なし)に取り付けられるが、同様に図1では省略されている。
【0033】図1においてはインホイール式駆動装置7,7′は、後輪のホイール8,8′のみに取り付けられているが、これらを前輪のホイールのみに取り付けることも、また8輪のすべてのホイールに取り付けることも可能である。なお、図1において、10,10′はホイールである。
【0034】次に、本発明のコントロールユニットについて図5を参照しながら説明する。
【0035】図5は本発明のコントロールユニットの概略図である。
【0036】マイクロコンピュータ51に電気的に接続した光LANドライバー52間を光伝送デバイスを介して光ファイバ53で結んで、どこへでも光信号によりデータを転送できるように接続する。この光LANドライバー52には、ノードが割り付けられており、また、光LANドライバー52に取り付けられた送信部から送られるデータ(ノード)には送り先認識データが付けられている。
【0037】従って、転送先の光LANドライバー52では、データの取り入れ及びスキップを避ける機能を備える。この光LANドライバー52は、マイクロコンピュータ51に電気的に接続されており、そこには、受信部54と送信部55からなる光伝送デバイスが2対光ファイバ53に各々接続される。
【0038】この受信部54はノード検出部56に接続され、ノード検出部56の出力信号は、パラレル/シリアル変換部57に入力される。パラレル/シリアル変換部57の出力信号は、DMAインターフェース58に入力され、DMAインターフェース58の出力信号は、パラレル/シリアル変換部57を経て送信部55に入力され、光ファイバ53に接続され送信される。
【0039】パラレル/シリアル変換部57とDMAインターフェース58間は、光LANドライバー52とマイクロコンピュータ51間の電気的な関係と全く同様に電気信号が入出力される。
【0040】図4は本発明の車両用光LANシステムを示すブロック図である。
【0041】この図において、41は図示しないワイパー、ヘッドライト、スタータ等の操作スイッチおよびその表示ランプに接続されてこれらに対する信号の入出力を制御する第1のコントロールユニット、42は図示しないエバポレータ、クラッチスイッチ、ドアロックスイッチ等の操作スイッチおよびその表示ランプに接続されてこれらに対する信号の入出力を制御する第2のコントロールユニットである。また、43はリレーボックス45に対する制御信号の入出力を制御する第3のコントロールユニット、44は光ファイバである。
【0042】第1のコントロールユニット41は、インスツルメントパネル内の運転席前方のコンビネーションスイッチ部に、第2のコントロールユニット42は、インスツルメントパネル内のセンターコンソール部にそれぞれ配置される。第3のコントロールユニット43は、運転席床下部に配置される。
【0043】第1,第2,第3のコントロールユニット41,42,43相互間は、各1本の光ファイバ44を介してリング状に接続される。これにより、第1、第2、第3のコントロールユニット41,42,43相互間でデータ伝送を行うデータネットワークNTが構成される。すなわち、このデータネットワークNTは、一種の簡易なローカルエリアネットワーク(LAN)として機能することになる。
【0044】他の実施態様として、光ファイバの代わりに、光送受信装置を設けて無線で光送信することもできる。
【0045】本発明の柱状フレーム2,2′の中空部は、配線空間としても用いることができる。センターフレーム2,2′は、図1に示すように、その表面が平坦になるように組み立てられているので、配線空間は直線上で広くなり、容易に配線することができる。
【0046】具体的な配線は、図2および図3に示すように行う。
【0047】センターフレーム2,2′に床面から開口を設け、その開口にブッシュ31を嵌合する。このブッシュ31には、中央に貫通孔32が形成されており、光ファイバ30を挿通できるようになっている。この光ファイバ30の一方はセンターフレーム2,2′内を配線され、他方は特定の機器のコントロールユニットに接続される。
【0048】また、光送受信装置をフレームの中空内側に固定して、フレーム内で光送受信を行うこともできる。光送受信装置までの配線は適宜行い、引き出し部にブッシュを用いることもできる。
【0049】図6は本発明の他の実施例を示す電気自動車のアッパーフレームへの配線を示す斜視図である。
【0050】この図に示すように、フレーム61の上部にボディを支えるための中空のアッパーフレーム62を装着し、このアッパーフレーム62の中空部分に光LAN用の光ファイバ63を配線する用に構成する。
【0051】また、そのアッパーフレーム62の中空部分に光送受信装置64を配置するように構成することができる。
【0052】このように構成することにより、電気自動車の構造部材内に配線及び通信部品を収めることができ、電装品のコンパクト化と防護化を図ることができる。
【0053】なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0054】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下の様な効果を奏することができる。
【0055】(A)本発明の電気自動車のシャーシは、軸方向に中空の複数個のフレームから構成され、それによってシャーシの剛性が高められると共に、電池はシャーシに収納され、回転式電動機の少なくとも一部は、車輪のホイール部分に収納され、回転式電動機とシャーシは懸架装置を介して接続されているので、車室内の空間を有効に利用できる。しかも、電池はシャーシの中空体内に収納されているので、電気自動車の重心の位置は低くなる。したがって、インホイール式の駆動装置を採用しているにも拘らず、バネ下重量の影響を最小限に抑えることができ、車の乗り心地も向上する。さらに、制御装置、充電器、冷暖房装置の少なくともその一部がシャーシ内に収納されるので、車室内の有効利用空間はさらに拡大される。
【0056】(B)本発明は、第1、第2、第3のコントロールユニット相互間が、各1本の光ファイバを介してリング状に接続されるため、第1、第2、第3のコントロールユニット相互間でデータ伝送を行うデータネットワークNTが構成される。このため、配線数を削減することができ、かつ、制御信号伝送のバックアップが可能になる。
【0057】さらに、光ファイバの配線を本発明のフレーム中で行うことができるため、電気自動車の構造部材内に配線及び通信部品を収めることができ、電装品のコンパクト化と防護化を図ることができる。また、その施工が容易になる。
【出願人】 【識別番号】396020800
【氏名又は名称】科学技術振興事業団
【出願日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【代理人】 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
【公開番号】 特開2002−186116(P2002−186116A)
【公開日】 平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願番号】 特願2000−377722(P2000−377722)