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【発明の名称】 電気自動車の給電装置
【発明者】 【氏名】清水 浩

【要約】 【課題】車両の構造体を導電路として兼用すると共に構造体形状を規格化することにより、車両全体の軽量化を図り、車両の走行性を改善することを目的とする。

【解決手段】電気自動車の給電装置において、断面が略長方形の中空のフレーム34を単位として、車体の床を前記フレーム34を複数連設して構成し、前記フレーム34を導電路として給電線50を接続した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面が略長方形の中空のフレームを単位として、車体の床を前記フレームを複数連設して構成し、前記フレームを導電路として給電線を接続するようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項2】 請求項1記載の電気自動車の給電装置において、前記フレームの中空部を走行に必要な構成要素の収納スペースとしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項3】 請求項1又は2記載の電気自動車の給電装置において、断面が略長方形の中空のフレームを単位として、前記車体の床に前記フレームを車体の長さ方向に複数連設すると共に、該長さ方向のフレームの外側に前記長さ方向と直角方向に複数のフレームを連設して構成することを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項4】 請求項1、2又は3記載の電気自動車の給電装置において、前記各フレームは同一平面を構成するように連設されていることを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の電気自動車の給電装置において、前記フレームに絶縁被覆を施すようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項6】 請求項5記載の電気自動車の給電装置において、前記フレームに給電線を前記絶縁被覆を介して電気的に接続するようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項7】 請求項5又は6記載の電気自動車の給電装置において、前記電気的に接続する手段を絶縁体で被覆するようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項8】 断面が略長方形の中空フレームを単位として、車体の床を前記フレームを複数連設して構成し、前記フレームの中空部を走行に必要な構成要素の収納スペースとし、又は中空フレームの長さ方向のフレームの外側に並べて前記長さ方向と直角に複数のフレームを連設して構成することを特徴とする電気自動車の給電装置において、前記フレームの長手方向あるいはこれに直角方向さらには斜め方向に導電性の良い材料で補強を入れるとともに、該補強体を導電路として給電線を接続するようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項9】 請求項8記載の電気自動車の給電装置において、前記各フレームは同一平面を構成するように連設されていることを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項10】 請求項8又は9記載の電気自動車の給電装置において、前記補強体に絶縁被覆を施すようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項11】 請求項10記載の電気自動車の給電装置において、前記補強体に前記給電線を絶縁被覆を介して電気的に接続する手段を有することを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項12】 請求項10又は11記載の電気自動車の給電装置において、前記電気的に接続する手段を絶縁体で被覆するようにしたことを特徴とする電気自動車の給電装置。
【請求項13】 請求項1から12のいずれか1項に記載の電気自動車の給電装置において、中空フレームには複数の電池が挿入されており、該複数の電池は金属製のトレイに載せられて、該中空フレームに挿入される電気自動車の給電装置において、前記トレイを導電路として用いることを特徴とする電気自動車の給電装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車の給電装置に係り、特に、駆動用の電動モータへの大電流給電と軽量化が要求される電気自動車の給電装置に関する。
【0002】図17に示すように、電気自動車とは、電動機101の駆動力のみを用いて走行が可能な車であり、その電動機101に供給する電力源として、二次電池(バッテリー)を用いるものを狭義の電気自動車A、エンジン発電機を用いるものをシリーズハイブリッド車B、燃料電池を用いるものを燃料電池車Cと呼ぶことにする。なお、図17において、102は車輪、103はコントローラ、104は二次電池、201はエンジン、202は発電機、301は水素供給源、302は燃料電池である。
【0003】このように、電気自動車とは、回転式電気電動機の駆動力のみを用いて走行が可能な車であり、その電気電動機に供給する電力源として、二次電池、燃料電池、内燃機関を用いた発電機、太陽電池等およびこれらを組み合わせたものを使用した車と定義する。ただし、以下の説明では、二次電池のみを用いた電気自動車を念頭におくが、燃料電池、内燃機関発電機、太陽電池を電力源とする車も当然に含まれる。
【0004】
【従来の技術】電気自動車においては、ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン等を搭載した自動車等と同様に、シャーシを一方の導体として使用し、他方の導体として適宜の配線を設けている。電気自動車では、電池重量が大きく、しかも充電1回当りの走行距離が限られることから、他のエネルギー源を使用する自動車に比較して車体の軽量化に対する要求が厳しい。また、電気自動車では、バッテリーからモータに流れる電流は、大電流になる。回生ブレーキとして使用する場合、モータを発電機とし、モータからコントローラを経てバッテリーに通電する。そのため、給電路における電圧降下が大きな問題となる。電圧降下は、太い導体の使用によって抑制できる。しかし、大電流供給用導体は重く、軽量化に対する要求が過酷な電気自動車全体の重量を増加させる原因となる。また、電気自動車は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した自動車に比較してバッテリー重量が極めて大きく、たとえばトランスミッション、ディファレンシャルギヤ、シャフト等を省略しても重量増加が否めない。
【0005】更に、電気自動車の普及には、充電1回当りの走行距離を如何に長くし、且つ加速性、登坂性等を如何にして良くするか等の走行性の向上が重要な問題である。バッテリーの改良、車体形状の設計、動力伝達機構の低摩擦化、転がり性の良好なタイヤの採用等によって、走行性はある程度まで改善できるが、車体の軽量化が図られていない現状では、その走行性の改善にも限度がある。
【0006】この問題は、燃料電池や従来のエンジンをバッテリーと併用するハイブリッド自動車等にも存在し、電気自動車に限らず、他のエネルギーを電気と複合して使用する自動車でも同様である。また、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等を搭載した自動車においても、各種の電装部品の増加に応じて供給される電流が増加の傾向にある一方で、軽量化を狙って薄肉部材の使用が増加しているため、同様な問題を有する。
【0007】この従来の課題を解決するために、車体の構造材料を給電路と兼用して車両の軽量化を図る目的の技術は、既に特開平7−89355号公報に示されている。この技術は種々の実施例を含む。以下、それらについて図11〜16を用いて説明する。
【0008】図11は従来の構造体のみからなる車両の概略側面図、図12は従来の導体を兼ねる構造体の接続部を示す図である。
【0009】電気自動車の構造体を構成する構造材料として、Al合金を図11のA部に使用する。構造体は、最も軽く且つ最大強度が得られるように形状、肉厚等を定めてあり、特に、端子取付部が肉厚になっている。図12に肉厚化の例を示す。給電機能を兼ね備えた構造体70は、長手方向に伸びた内部空洞69をもち、ボルト68が取り付けられる部分の肉厚が他の部分の肉厚よりも厚くなっている。また、バッテリーのマイナス極に接続される導体71がボルト68によって構造体70に取り付けられている。
【0010】構造体は、車体設計に対応した断面形状をもっている。この構造体によって、この部分の接触抵抗が低下し、電圧降下が抑えられ、バッテリー又はコントロールユニットからモータへの電力供給効率が向上する。その結果、電気自動車の走行可能な距離が長くなる。また、これにより、バッテリーとモータとの間を接続していた太い2本の導線のうち、1本が省略され、軽量化が図られる。
【0011】上記技術の結果に基づき、その変形としてプラス側及びマイナス側の双方共にシャーシ及びフレームで兼用し、その間に、絶縁体として働く中間部材を配置する。中間部材はAl等の金属製基体とし、プラス側及びマイナス側に対する絶縁を図るプラスチックスを組み合わせることもできるようになっている。たとえば、図13に示すように、シャーシ及びフレームとなる構造体62,62とAl製基体63の間にプラスチックス,ネオプレンゴム等の絶縁体61を挟み込み、両構造体62,62をシャーシやフレームに接続固定する。
【0012】ハニカム構造体を導電体として兼用する場合、図15,16に示すように、ハニカム構造体60の両側に配置されるフレーム62の間にプラスチック製等の絶縁体61を介在させる。両側のフレーム62は、それぞれプラス側及びマイナス側の導電体として使用される。また、ハニカム構造体のコアを絶縁体としてもよい。このようなハニカム構造体60は、たとえば図15に斜線を付したように車両の床面大半に敷かれるため、バッテリーとモータとの接続に有効に利用される。
【0013】更に、プラス側導体及びマイナス側導体の双方の機能を1本のAl製フレームに持たせることもできる。この場合、たとえば、図14に示すように、内側Al製導体66と外側Al製導体64との間に絶縁体65を挟み込んだ一体型構造体67とする。通常、内側Al製導体66がプラス側に、外側Al製導体64がマイナス側に使用される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記給電路兼用技術は、(1)構造体の形状を車両の形状および部位に合わせる必要があることから、加工が難しく、(2)給電路の位置が車両の形状に応じて異なりその都度設計する必要があり、(3)構造体を絶縁する手段が不明である等の問題点があった。
【0015】本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、車両の構造体を導電路として兼用すると共に構造体形状を規格化することにより、車両全体の軽量化を図り、車両の走行性を改善することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、車体のフレームを断面長方形で中空柱状の導電体とし、バッテリーと電気的負荷との間の給電路をフレームで兼用したことを特徴とする。車体の床面は前記断面長方形で中空柱状導電体のフレームを複数並べて表面を平面にする。フレームの材質としては、Al合金材が使用される。フレームの表面は絶縁体で被覆する。フレームはその表面が絶縁膜で被覆されている板状体を断面長方形になるように折曲・溶着形成してもよい。また、フレームは断面長方形で中空の柱状体に形成した後、絶縁被覆してもよい。
【0017】以下、本発明の特徴を列記する。
【0018】〔1〕電気自動車の給電装置において、断面が略長方形の中空のフレームを単位として、車体の床を前記フレームを複数連設して構成し、前記フレームを導電路として給電線を接続した。
【0019】〔2〕上記〔1〕記載の電気自動車の給電装置において、前記フレームの中空部を走行に必要な構成要素の収納スペースとした。
【0020】〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の電気自動車の給電装置において、断面が略長方形の中空のフレームを単位として、前記車体の床に前記フレームを車体の長さ方向に複数連設すると共に、前記長さ方向のフレームの外側に前記長さ方向と直角方向に複数のフレームを連設して構成した。
【0021】〔4〕上記〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の電気自動車の給電装置において、前記各フレームは同一平面を構成するように連設されている。
【0022】〔5〕上記〔1〕、〔2〕、〔3〕又は〔4〕記載の電気自動車の給電装置において、前記フレームに絶縁被覆を施すようにした。
【0023】〔6〕上記〔5〕記載の電気自動車の給電装置において、フレームに給電線を前記絶縁被覆を介して電気的に接続した。
【0024】〔7〕上記〔5〕又は〔6〕記載の電気自動車の給電装置において、前記電気的に接続する手段を絶縁体により被覆するようにした。
【0025】〔8〕断面が略長方形の中空フレームを単位として、車体の床を前記フレームを複数連設して構成し、前記フレームの中空部を走行に必要な構成要素の収納スペースとし、又は中空フレームの長さ方向のフレームの外側に並べて前記長さ方向と直角に複数のフレームを連設して構成することを特徴とする電気自動車の給電装置において、前記フレームの長手方向あるいはこれに直角方向さらには斜め方向に導電性の良い材料で補強を入れるとともに、この補強体を導電路として給電線を接続するようにしたことを特徴とする。
【0026】〔9〕上記〔8〕記載の電気自動車の給電装置において、前記各フレームは同一平面を構成するように連設されていることを特徴とする。
【0027】〔10〕上記〔8〕又は〔9〕記載の電気自動車の給電装置において、前記補強体に絶縁被覆を施すようにしたことを特徴とする。
【0028】〔11〕上記〔10〕記載の電気自動車の給電装置において、前記補強体に給電線を絶縁被覆を介して電気的に接続する手段を有することを特徴とする。
【0029】〔12〕上記〔10〕又は〔11〕記載の電気自動車の給電装置において、前記電気的に接続する手段を絶縁体で被覆するようにしたことを特徴とする。
【0030】〔13〕上記〔1〕から〔12〕の何れか1項に記載の電気自動車の給電装置において、中空フレームには複数の電池が挿入されており、該複数の電池は金属製のトレイに載せられて、該中空フレームに挿入される電気自動車の給電装置において、前記トレイを導電路として用いることを特徴とする。
【0031】本発明においては、車両のフレームに導電体としての機能を予め持たせている。このフレームは、給電専用の導体に比較して大きな断面積をもっているため通電抵抗が小さく、大きな電圧降下を伴うことがない。また、大きな肉厚のフレームは、給電体としての電気抵抗の低下及び強度部材としての強度上昇の両方の機能を兼ね備えている。フレームは、少なくとも一方の導体として使用され、その分だけ車両が軽量化される。また、フレームは規格化された断面長方形で中空柱状の導電体からなり、車両の床面はこのフレームを複数並置して表面が平面に成るように組み合わされているので、フレームが規格化でき、床面はこの規格化されたフレームを適宜組み合わせることで任意の大きさとすることができる。フレームは表面が絶縁被覆されているので、他に絶縁を考慮することなく、フレーム上に部品を組み付けることができる。
【0032】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係わる電気自動車の実施の形態を示す床構造体および収納部品の斜視図、図2、図3は本発明のフレームの長方形の一辺を構成する基体および必要に応じて設ける絶縁被覆を示す図、図4,5,6は、図2の構成を基本にして構成した本発明の断面長方形フレームと各種絶縁被覆との関係を示す図である。
(1)床構造体:図1に示されているように、床構造体1は、断面が略長方形の6個の中空体から上面が略平面になるように構成されている。すなわち車両の内側に位置する車両の長さ方向に中空のセンタフレーム2,2′と車両の両側に位置し車両の長さ方向と直角方向に中空のサイドフレーム3A,3B,3A′3B′とから構成されている。これらのフレーム2,2′,3A,3B,3A′3B′は所定幅になるように互いに平行に配置され、サイドフレーム3A,3B,3A′3B′には図示されていないがドアが、またセンタフレーム2,2′には図示されていないが従来周知の座席、ステアリング、アクセルあるいはブレーキペダル、カウル、進行方向を定めるためのレバー等が取り付けられ、これにより電気自動車の基本部分が構成されている。床構造体1は、上記のようにサイドフレーム3A,3B,3A′3B′と、センタフレーム2,2′とから所定幅になるように形成されているが、これらのフレーム2,2′,3A,3B,3A′3B′の製作法、材質等は格別限定されない。しかしながら、例えばアルミニウム合金の押し出し成形技術により成形するのが望ましい。
【0033】このようにして形成されるセンタフレーム2,2′およびサイドフレーム3A,3B,3A′3B′は、強度の強化や収納物の大きさの関係で、前後方向に複数個に仕切ることもできるが、図1には仕切る例は示されていない。センタフレーム2,2′は、自動車の全長から車の前部および後部の衝突緩衝部分を差し引いた長さに略等しく、高さおよび幅は収納する電池21,22,23,…の形状あるいは大きさを考慮して、空気の流通があるように広く作られている。また、サイドフレーム3A,3B,3A′3B′は、センタフレーム2,2′よりも短く、高さはセンタフレーム2,2′と略同じ高さになっている。
【0034】本実施の形態によると、床構造体1は、上記のように中空の断面が略長方形のセンタフレーム2,2′とサイドフレーム3A,3B,3A′3B′から構成されているので、どのフレーム2,2′,3A,3B,3A′3B′にも車両の走行に必要な構成要素、例えば、電池と必要に応じ充電器5、制御装置4,4′、電力コントローラ等を収納することができる。図1に示されている実施の形態では中央部に位置するセンタフレーム2,2′に電池21,22,23,…を収納する例が示されている。この場合、電池21,22,23,…は前方からもあるいは後方からも収納できる。しかしながら、図1に示されている実施の形態では、例示的に前方(矢印A方向)からトレー20に載せて出し入れする例を示す。また、サイドフレーム3A,3A′には、後述する回転式電動機の速度、トルク等を制御する制御装置4,4′、サイドフレーム3Bには電池21,22,23,…を充電する充電器5、サイドフレーム3B′には車内用の冷暖房装置6等が図1に示されるように車両の側方(矢印D方向)から収納されている。上記構成要素のフレームへの収納方向は、前記以外に上から挿入する収納(B)方式、下から挿入する収納(C)方式が採用できる。これらの収納方式は、断面で上辺または下辺が削除されているコ字型フレームに、上記構成要素を収納した断面長方形のアダプタを下方向または上方向に挿入し、アダプタの両側の弾性係止部をフレーム側壁に嵌合係止する構成に成っている。
(2)フレーム:本発明のフレームについて以下説明する。
【0035】図2はフレームの長方形の一辺を構成する基体で、長方形の板状を呈するAl合金板31と、必要に応じて設けられる絶縁被覆30,32からなる。絶縁被覆30,32は、強度を必要とすることから、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂の多層コーテイング層が使用可能であるが、特に耐荷重特性からグラスファイバー強化エポキシ樹脂が好ましい。
【0036】図3は、図2の細部の詳細図であり、図4、図5、図6は、図2の構成を基本にした本発明の断面長方形フレームの構成図であり、必要に応じて内側および外側が絶縁被覆されている。
【0037】以下、本発明のフレームに絶縁被覆を施した際の被覆形態の相違を図4、図5、図6を用いて説明する。
【0038】図4は、Al合金板31から形成される断面長方形の中空柱状体で、本発明のフレームを構成する。この図4のフレーム34は、必要に応じて内側および外側が完全に絶縁被覆30,32されている。
【0039】図5のフレーム35が、図4の例と異なるところは、左右外側に絶縁被覆300が施されていないところである。これは、図1のようにフレームを並置して組み合わせるとき、溶着、ネジ止め等の固着手段を施した際に絶縁被覆が固着の阻害要因にならないようにするためである。
【0040】また、図6のフレーム36が、図4の例と異なるところは、左右外側のどちらか片方に絶縁被覆30が施されていないところである。これは、図1のようにフレームを並置して組み合わせるとき、一番外側になるフレームに溶着、ネジ止め等の固着手段を施した際に絶縁被覆が固着の阻害要因にならないようにするためである。
【0041】図7は本発明の絶縁被覆を有するフレームと給電線との接続状態を示す図、図8及び図9は図7の実施態様を示す図である。
【0042】図7の電動モータや照明機器等への給電線をフレームに接続するときは、例えば、図8,図9のような接続を行う。
【0043】図8の場合は、フレームの一辺およびその内外側の絶縁被覆32,30を貫通して略円錐状の孔を開け、給電線50にも同様の孔を開け、これらの孔にボルトを挿入しナット41で締め付ける。ボルトは、頭37、太径部38、テーパー部39、小径部40よりなり、テーパー部39が略円錐状の孔に習接する。この結果、摺接作用により接触圧力が高まり接触抵抗の少ない接続ができる。
【0044】また、他の接続の例として、図9の場合は、ボルトの頭37に絶縁被覆32を介してAl合金板31表面に食い込む突起44が形成されていて、ナット41による締め付け時、突起44によって良好な接触抵抗にする。
【0045】図8、図9共に、ボルトの頭37とナット41に、絶縁体カバー43,42を嵌合する。必要に応じて給電線50の表面にも絶縁体を被せる。このように最終的に絶縁体および絶縁被覆を設けることによって、給電路を絶縁することができる。
【0046】図10は本発明の導電路が形成されるトレーの構成を示す図である。
【0047】この図において、51は絶縁体から構成されるトレー、52はそのトレーに配線される導電路、53はその導電路52に接続される端子、54は電池、55は中空フレームである。
【0048】この実施例では、トレー51に配線からなる導電路52を設けて、所定の位置に端子53を形成して、その端子53に電池54を接続できるようにしている。このようにして、トレー51上の電池54はトレー51に施される導電路52を介して接続可能である。
【0049】(3)インホイールドライブ:図1に示すインホイール式駆動装置7,7′自体は、特開平8ー289501号公報に示されているような装置を適用できるので詳しい説明はしないが、回転式電動機の回転数を減らすための減速歯車機構、機械式ブレーキ、回転を支えるためのベアリング等から一体構造的に形成されている。
【0050】そして駆動輪のホイール8,8′の内部に取り付けられ、回転式電動機の電機子が固定されている外枠はサスペンションアームに取り付けられている。ホイール8,8′にはタイヤ9、9′が取り付けられ、走行を可能としている。インホイール式駆動装置7,7′には、サスペンションを形成するアーム類、バネ、ダンパー等が取り付けられるが、図1では省略されている。
【0051】また、前部輪のホイール10,10′も、サブフレームおよびサスペンションを形成するアーム類、バネ、ダンパー等を介してセンタフレーム2,2′に取り付けられるが、同様に図1では省略されている。
【0052】本実施の形態は、車輪の直径を従来のものに比較して小さくして、有効利用空間をさらに広く確保し、車輪の小径化により生じる車輪1輪当たりの耐荷重の低下を2輪に置き替えることにより補ったものである。すなわち、床構造体1は比較的小径の4個の後部輪13,14,13′,14′と、同様に比較的小径の4個の前部輪15,16,15′,16′とで支えられている。本実施の形態はインホイール式駆動装置7,7′が適用される。このインホイール式駆動装置7,7′は、後部輪13,13′,14,14′に対称的に2個あるいは4個、または前部輪15,15′,16,16′に同様に対称的に2個あるいは4個、さらには、これらの車輪13〜16′の8個のすべてに取り付けることもできる。しかしながら、図1には後部輪13,13′のみにインホイール式駆動装置7,7′が取り付けられた例が示されている。なお、これらの車輪13〜16′は、サスペンション構造を形成するアーム類、バネ、ダンパー等を介して同様にセンタフレーム3,3′に取り付けられる。
【0053】図1の床構造体1の懸架装置は、図示しないが、ダブルウィッシュボーン式により1個の車輪で懸架されるか、またはボギー構造とダブルウィッシュボーン方式の組み合わせからなるサスペンションにより2個の車輪16,15で支持されている。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明においては、電池とモータ、照明装置等とを接続する給電路を断面長方形で中空柱状のフレームで兼用させている。そのため、特に軽量化の要求が過酷な電気自動車において適し、給電路の断面積を大きくできることから電圧降下に起因したエネルギー損失が抑制され、効率よく車両の走行に電気エネルギーが消費される。また、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等を搭載した従来の自動車にあっても、各種電気機器に対する給電路が同様に構築される。また、給電路を形成するフレームの形状が一定の形状を有するので、給電路の形成が画一的にでき容易になる。フレームはその内部に走行制御用の種々の部品を収納できるので、フレームは導電路、種々の部品の収納庫および車体の3役に兼用することができる。
【出願人】 【識別番号】396020800
【氏名又は名称】科学技術振興事業団
【出願日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【代理人】 【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
【公開番号】 特開2002−186112(P2002−186112A)
【公開日】 平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願番号】 特願2000−377724(P2000−377724)