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【発明の名称】 ハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置
【発明者】 【氏名】江成 渉

【氏名】山田 隆司

【要約】 【課題】ハイブリッド自動車のモータユニットをエンジンドライブ方式のオイルポンプにより良好にオイルを循環して確実に冷却し得るようにする。

【解決手段】ハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置に関し、ブリーザ5付きモータユニット2をエンジンドライブ方式のオイルポンプ4によるオイル循環で冷却し得るように構成し、該オイルポンプ4の吸引側油路8の途中にモータユニット2側への逆流を阻止する逆止弁11を設ける。このようにすれば、オイルポンプ4の方がモータユニット2底部のオイルパン7における油面レベルxより高い位置に配置されていても、オイルポンプ4の停止時にオイルポンプ4の吸引側のオイルが重力でモータユニット2側へ逆流してしまうことが逆止弁11により阻止され、オイルポンプ4の良好な再起動が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンとモータジェネレータを併用したハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置であって、ブリーザ付きモータユニットをエンジンドライブ方式のオイルポンプによるオイル循環で冷却し得るように構成し、該オイルポンプの吸引側油路の途中にモータユニット側への逆流を阻止する逆止弁を設けたことを特徴とするハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置。
【請求項2】 オイルポンプの吐出側油路の途中に少なくとも一箇所の上向きに湾曲する空気溜め管部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、エンジンとモータジェネレータを併用した燃費性能の高いハイブリッド自動車の開発が進められているが、この種のハイブリッド自動車では、エンジンと同様にモータユニットについてもオイルによる冷却を行う必要がある。
【0003】ただし、モータユニットのハウジングは非常に大きなものとなるため、オイルを循環させるためのオイルポンプをモータユニットに付帯装備させることは、搭載上の問題から極めて困難な状況にある。
【0004】そこで、本発明者らは、従来のエンジン自動車におけるパワーステアリング用オイルポンプと同様に、エンジンドライブ方式のオイルポンプによるオイル循環でモータユニットを冷却することを検討するに到った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的に、エンジンドライブ方式のオイルポンプは、エンジンのクランク軸によりギヤを介して駆動されるものとなるので、その配置に関する高さ位置が、自ずからクランク軸の高さ位置に近いものとなるのに対し、エンジンの後段におけるクランク軸の延長上に連結されるモータユニット底部のオイルパンは、相対的にエンジンのクランク軸より低い位置に配置されることになり、オイルポンプの方がモータユニット底部のオイルパンにおける油面レベルより高い位置に配置されてしまうという配置上の不具合が生じてオイルポンプによるオイルの循環が良好に行えなくなる懸念があった。
【0006】即ち、モータユニットは、温度上昇時における内部空気の膨張による内圧上昇を回避する目的でブリーザにより大気開放されているため、オイルポンプの方がモータユニット底部のオイルパンにおける油面レベルより高い位置に配置されていると、オイルポンプの停止時にオイルポンプの吸引側のオイルが重力でモータユニット側へ逆流してオイルポンプ内が空になり、オイルポンプの再起動時にオイルを良好に吸引することができなくなる虞れがあった。
【0007】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、ハイブリッド自動車のモータユニットをエンジンドライブ方式のオイルポンプにより良好にオイルを循環して確実に冷却し得るようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジンとモータジェネレータを併用したハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置であって、ブリーザ付きモータユニットをエンジンドライブ方式のオイルポンプによるオイル循環で冷却し得るように構成し、該オイルポンプの吸引側油路の途中にモータユニット側への逆流を阻止する逆止弁を設けたことを特徴とするものである。
【0009】而して、このようにすれば、オイルポンプの方がモータユニット底部のオイルパンにおける油面レベルより高い位置に配置されていても、オイルポンプの停止時にオイルポンプの吸引側のオイルが重力でモータユニット側へ逆流してしまうことが逆止弁により阻止され、オイルポンプからモータユニットまでの間の吸引側油路がオイルで満たされた状態に保持されるので、オイルポンプの再起動時にオイルを支障なく良好に吸引することが可能となる。
【0010】また、本発明においては、オイルポンプの吐出側油路の途中に少なくとも一箇所の上向きに湾曲する空気溜め管部を形成しておくことが好ましく、このようにすれば、オイルポンプの停止時に吐出側油路のオイルの流れが止まることにより、モータユニット側から空気が気泡となって逆流してきても、前記空気溜め管部に気泡が集められて空気溜まりが形成され、これによりオイルポンプへの吐出側からの空気侵入が防止されるので、より一層確実にオイルポンプ内がオイルで満たされた状態に保持されることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】図1及び図2は本発明のハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置を実施する形態の一例を示すもので、図中1は燃料により駆動するエンジン、2は該エンジン1の後段に連結されてモータジェネレータを収容したモータユニット、3は該モータユニット2の後段に連結されてエンジン動力とモータ動力の分配又は切り替えを担うトランスファを示し、前記エンジン1の前端側における図示しないクランク軸の近傍位置には、該クランク軸とギヤ連結されたエンジンドライブ方式のオイルポンプ4が設けられている。
【0013】ここで、前記モータユニット2の上部には、温度上昇時に膨張した内部空気を大気に開放するためのブリーザ5が装備されていると共に、前記オイルポンプ4によりオイルが吐出側油路6を介して供給されるようになっており、他方、前記モータユニット2の底部に形成したオイルパン7の下面からは、該オイルパン7に溜まったオイルが吸引側油路8を介して前記オイルポンプ4へ戻されるようになっている。
【0014】また、前記吐出側油路6には、オイルを濾して不純物を除去するオイルフィルタ9と、オイルを空冷又は水冷により冷却して油温を下げるオイルクーラ10とが備えられており、不純物のない比較的低温のオイルがモータユニット2へと送られるようにしてある。
【0015】そして、前記吸引側油路8における前記オイルパン7の油面レベルxより高い位置には、モータユニット2側への逆流を阻止し得るようにした逆止弁11が備えられている。
【0016】尚、特に本形態例においては、オイルポンプ4の吐出側油路6におけるオイルポンプ4とオイルフィルタ9との間に、少なくとも一箇所の上向きに湾曲する空気溜め管部6aが形成されており、図2に拡大して示すように、オイルポンプ4の停止時にオイル中の気泡Aが集められるようにしてある。
【0017】而して、このようにすれば、オイルポンプ4の方がモータユニット2底部のオイルパン7における油面レベルxより高い位置に配置されていても、オイルポンプ4の停止時にオイルポンプ4の吸引側のオイルが重力でモータユニット2側へ逆流してしまうことが逆止弁11により阻止され、オイルポンプ4からモータユニット2までの間の吸引側油路8がオイルで満たされた状態に保持されるので、オイルポンプ4の再起動時にオイルを支障なく良好に吸引することが可能となる。
【0018】また、本形態例では、オイルポンプ4の吐出側油路6におけるオイルポンプ4とオイルフィルタ9との間に空気溜め管部6aを形成しているので、オイルポンプ4の停止時に吐出側油路6のオイルの流れが止まることにより、モータユニット2側から空気が気泡Aとなって逆流してきても、前記空気溜め管部6aに気泡Aが集められて空気溜まりが形成され、これによりオイルポンプ4への吐出側からの空気侵入が防止されるので、より一層確実にオイルポンプ4内がオイルで満たされた状態に保持されることになる。
【0019】従って、上記形態例によれば、オイルポンプ4の停止時においても該オイルポンプ4からモータユニット2までの間の吸引側油路8をオイルで満たされた状態に保持し、オイルポンプ4の再起動時にオイルを支障なく良好に吸引することができるので、エンジンドライブ方式のオイルポンプ4により良好にオイルを循環し得てモータユニット2の確実な冷却を行うことができる。
【0020】ここで、本形態例におけるオイルポンプ4に関して補足説明を付け加えておくと、例えば、適用対象となるハイブリッド自動車が、エンジン動力走行とモータ動力走行とを交互に切り替えるような方式であった場合、そもそも従来のエンジン自動車と同様のエンジンドライブ方式のパワーステアリング用オイルポンプは使えなくなり、パワーステアリング用オイルポンプとして電気駆動方式などのオイルポンプを別途設けなければならなくなるので、従来のエンジン自動車におけるパワーステアリング用オイルポンプをそのまま冷却用オイルの循環用オイルポンプ4として流用することにすれば、新たな搭載上の問題を惹起することなくオイルポンプ4を配置でき、しかも、既存のエンジン自動車のパワーステアリング用オイルポンプとの部品の共通化を図ることで大幅なコストの削減化を図ることも可能となるのである。
【0021】尚、本発明のハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】上記した本発明のハイブリッド自動車のモータユニット冷却装置によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0023】(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、オイルポンプの停止時においても該オイルポンプからモータユニットまでの間の吸引側油路をオイルで満たされた状態に保持し、オイルポンプの再起動時にオイルを支障なく良好に吸引することができるので、エンジンドライブ方式のオイルポンプにより良好にオイルを循環し得てモータユニットの確実な冷却を行うことができる。
【0024】(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、オイルポンプの停止時にモータユニット側から空気が気泡となって逆流してきても、空気溜め管部に気泡を集めて空気溜まりを形成させることにより、オイルポンプへの吐出側からの空気侵入を防止できるので、より一層確実にオイルポンプ内をオイルで満たされた状態に保持することができ、オイルポンプの再起動時における更に良好な吸引を実現できる。
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【出願日】 平成12年10月19日(2000.10.19)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2002−135907(P2002−135907A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−319533(P2000−319533)