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【発明の名称】 ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及びシステム
【発明者】 【氏名】ビンセント ジョン ウィンステッド

【要約】 【課題】充電状態又はバッテリー内の初期充電量を利用する態様で、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及び装置を提供する。

【解決手段】ハイブリッド車両10により消費されるエネルギー量を動的かつ周期的に判定する方法及び装置46である。具体的には、装置つまり制御器46が、バッテリー14内の初期充電量、バッテリー14に供給される電力量及びバッテリー14の放電効率に基いて、利用されるエネルギー量を動的に計算し、それにより、全体的なエネルギーの管理ロジックが実行されるのを可能とし、正確な動作解析及び/又はシミュレーションが実行されるのを可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動力を発生する内燃機関及びバッテリーを持つ形式のハイブリッド車両で使用される装置であって、等価バッテリー・エネルギー・コストを生成することにより、上記ハイブリッド車両により消費されるエネルギーを動的に判定する制御器、を有する装置。
【請求項2】 上記バッテリーは、特定の放電効率及び特定の初期充電量を持ち、そして、上記等価バッテリー・コストは、上記特定の放電効率を用いることにより、そして、上記特定の初期充電量を用いることにより、演算される、請求項1の装置。
【請求項3】 上記内燃機関は特定の再充電効率を持ち、上記等価バッテリー・コストは、上記特定の再充電効率を用いることにより演算される、請求項2の装置。
【請求項4】 上記ハイブリッド車両は、再生制動により発生されたエネルギーを上記バッテリーへ選択的に伝達させ、上記等価バッテリー・コストは上記エネルギーを用いることにより演算される、請求項3の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、概略的には、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及び装置に関し、より具体的には、車両の各種構造及び作動ロジックを評価し、比較的正確な作動シミュレーションが行われるのを可能とするのに有効な、ハイブリッド車両により消費されるエネルギー量を判定する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド車両は、車両に出力を与える又は作動させるために交互に用いられるトルクとしてのエネルギーの供給源を少なくとも2つ含む(つまり、各々が発生したトルク・エネルギーが車両の車輪に伝達され、ハイブリッド車両が選択的に動作させられるのを可能とするのに有効である)。一般的に、エネルギーの第1の供給源は、所望の動力を供給するために、炭化水素形の燃料を用いる、内燃機関からなる。エネルギーの第2の供給源は、モーターと組合わせられるバッテリーからなる。バッテリーは、第2のエネルギー供給源の利用が継続して可能となるのを確実なものとするために、作動中の内燃機関により、選択的かつ周期的に「再充電」される。それで、バッテリーは、炭化水素燃料の使用量の削減を可能とし、そして、その様な燃料の使用により発生する種々の望ましくない副産物の削減を可能とするので、望ましい。
【0003】その様なハイブリッド車両により使用されるエネルギーのコスト又は量を判定するのは、複数のエネルギー供給源を使用していること及び、電力又は電気エネルギーを他の供給源に供給するために少なくとも一つのエネルギー供給源を使用していることに起因して、比較的困難である。それにより、比較的正確にエネルギー消費つまりエネルギー・コストのモデルを構築することが妨げられ又は実質的に妨害され、その様なハイブリッド車両の動作シミュレーションを比較的正確にすることが妨げられ又は実質的に妨害され、そして、種々の構造設計及び動作ロジックを正確に評価することが、妨げられ又は実質的に妨害される。その様なエネルギー・コスト又は消費を判定しようとする手法がいくつかあるが、それらは、正確なものではなく、そして、その様なコストを信頼性高く予測又は判定するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】それで、従来の手法の前述の欠点の少なくともあるものを解消する態様で、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及び装置が必要である。
【0005】本発明の第1の目的は、前述の欠点の少なくともあるものを解消する態様で、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及び装置を提供することである。
【0006】本発明の第2の目的は、前述の欠点の少なくともあるものを解消し、充電状態又はバッテリー内の初期充電量を利用する態様で、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及び装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点によれば、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する装置が提供される。この装置は、等価バッテリー・エネルギー・コストを動的に演算し、そして動的に演算された上記コストをハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定するのに用いる、制御器を有する。
【0008】本発明の第2の観点によれば、ハイブリッド車両の動作コストを判定する方法が、提供される。この方法は、放電効率を演算する工程、再充電効率を演算する工程、再生制動により供給されるエネルギー量を演算する工程及び、上記演算された充電効率、再充電効率及び上記エネルギー量を用いて、上記車両の動作コストを判定する工程、を含む。
【0009】本発明のこれらのものなどの特徴、観点及び利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、明らかとなろう。
【0010】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、従来の欠点の少なくともあるものを解消し、充電状態又はバッテリー内の初期充電量を利用する態様で、ハイブリッド車両の動作エネルギー・コストを判定する方法及び装置を提供することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】ここで図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態の内容に従い作られるハイブリッド車両10が示されている。図示の様に、車両10は、トルク・エネルギーの第1供給源(つまり、限定するものではない実施形態において、内燃機関)12、バッテリー14及びモーター16を含む。本発明の限定するものではない実施形態において、バッテリー14及びモーター16は協働して、トルク・エネルギーの第2の供給源を構成する。
【0012】ハイブリッド車両10は更に、一対のアクスル20, 22及び一対の実質的に同一のホイール24, 26に結合されて動作するデファレンシャル組立体18を含む。図示の様に、ホイール24がアクスル20に結合されて動作するのに対し、ホイール26がアクスル22に結合されて動作する。更に、ハイブリッド車両10は、クラッチ28、発電機30及び遊星歯車組立体32を含む。
【0013】図示の様に、クラッチ28がトルク・エネルギーの第1供給源(つまり、内燃機関12の選択的に動作可能な出力軸)、及び、発電機30に結合される。発電機30は遊星歯車組立体32に結合され、遊星歯車組立体32は更にモーター16へ結合される。モーター16の選択的に回転可能な出力軸は、デファレンシャル組立体18に結合される。
【0014】ハイブリッド車両10は更に、一対の略同一な電力インバーター34, 36を含み、それらは、それぞれバス38, 40を使用することにより、電気的そして物理的にバッテリー14へ結合される。インバーター34, 36は更に、それぞれバス42, 44を使用することにより、電気的そして物理的に発電機30及びモーター16へ結合される。
【0015】更に、ハイブリッド車両10は制御器46を含み、その制御器は、格納されたプログラムの制御の下で動作可能であり、そして、エンジン12、クラッチ28、発電機30、バッテリー14、遊星歯車組立体32及びインバーター36へ、それぞれバス47, 48, 50, 52, 54及び56により、電気的に、情報伝達可能に、そして物理的に結合される。制御器46は、バッテリー14の充電状態を監視すると共に、ある充電状態の閾値を格納している。制御器46は、クラッチ28、歯車組立体32及び発電機30を用いて、モーター16が、動作状態でバッテリー14から電力を受け、トルクを発生し、そしてそのトルクをデファレンシャル18及びホイール24, 26へ与える様にさせ、また、その代りに、エンジン12を動作させ、デファレンシャル18に伝達されるトルクを発生させる。更に、この態様において、監視されている充電状態が、格納された閾値未満に落ちたことが計測されると、制御器46は、内燃機関12を動作させ、そして、インバーター34を介しそして/又は用いることにより、電力をバッテリー組立体14へ与えさせる。再生充電は、インバーター36を介してモーター16により行われ得るものである。ある種の、つまりある構成のハイブリッド車両が図1に示されているが、本発明は、ハイブリッド車両の多様な非類似構成に適用されても動作可能であり、車両10が、別のエネルギー源を選択的に用いることが可能であることが、認識されるはずである。本発明の好ましい実施形態のロジックは、以下に詳細に説明されるものである。
【0016】第1に、以下の態様で、式(1)が動力閾値(つまり、バッテリー14の充電状態に関連し、解析及び/又はハイブリッド車両の動作シミュレーションで用いられるのが一般的な指標)を表し得ることが認識されるはずである。
threshold = P(ηengine = ηoverall motor)…(1)
ここで、“ηengine”として表されるエンジン12の効率は、"BSFC"として表されるのが一般的であるブレーキ特有の燃料消費データ又は「データ・マップ」の既知の関数であり(つまりηengine (BSFC(Tengine ,ωengine)))、“ηmotor overall”として表されるモーター16の全体効率は、バッテリー効率、モーター効率そして、バッテリー14に蓄えられるエネルギーを発生する部品(つまり、ハイブリッド電動車両10における内燃機関12であるのが一般的である)の効率の、組合せの関数(つまり、ηmotor overallbattery discharge, ηmotor, ηengine during battery charge * ηbattery during battery charge))である。本件で用いられている様に、記号“η”は、下付き文字で特定された部品、組立体又は動作(例えばバッテリー充電)の効率を表し、記号“Tengine”は、エンジン12により発生されるトルクを表し、記号“ωengine”は、エンジン12の角速度を表す。
【0017】エネルギー・コストの表示が効率の表示と実質的に等しいとみなすならば、以下の式が導かれ得る。
ηengine = BSFC(Tengine,ωengine) …(2)
ηmotor overall = (BSFCbattery charge *ηbattery charge)/ (ηbattery discharge *ηmotor (Tmotor,ωmotor)) …(3)
ここで、項“T motor”は、モーター16により供給されるトルクを表し、項“ωmotor”は、モーター16の角速度を表す。また、式(4)が、導かれる場合もある。
ηmotor overall = CBE/(ηbattery discharge * ηmotor (Tmotormotor)) …(4)
ここで、項"CBE"は、等価バッテリー・エネルギー・コストを表し、本発明の好ましい実施形態の内容に従い、制御器46により、動的そして周期的に演算されるものである。
【0018】バッテリー効率がバッテリーから引き出される動力量又はバッテリーへ供給される電力量の関数であると仮定すると、式(5)の様に、閾値が表され得る。
threshold = P{BSFC = CBE/ (ηbattery discharge (Pmotor )*ηmotor} …(5)
BSFC = CBE/(ηbattery discharge (Pmotor)*ηmotor) …(6)
ここで、項“Pmotor”は、モーター16により供給される動力量を表す。
【0019】それで、上記式は、ハイブリッド車両の動力閾値についての表示を有用なものとし、"CBE”として表されてきた項の値の動的な演算を可能とする。本件において用いられる「動的」と言う用語は、"CBE"の計算が、制御器46により周期的に行われ得ると共に再充電及びブレーキ回生動作又は事象により、バッテリー14へ伝達されるエネルギーを、バッテリー14からそして/又は車両10により、消費されたエネルギーと共に、「捕捉」又は動的に考慮するのに、有効である、と言うことを意味する。
【0020】更に、再充電事象は、"BSFCbattery charge"(つまりバッテリー14を再充電することによるエネルギー・コストの指標)として表される変数について、エンジン12の動作モードにより変化する、燃料消費量又はエネルギー・コスト値を生じることがあるのが、認識されるはずである。更に、回生制動には、エンジン12の動作モードに応じて(つまり、エンジンが車両に駆動力を与えているか否かに応じて)異なる特有のエネルギー・コストが対応し得る。それで、本発明の好ましい実施形態においては、"CR"と表され、そしてエンジン12の種々の動作モードのうち殆ど全て又はあるものを用いることにより、回生エネルギーを供給する際の、平均つまり代表的な全体コストを表し得る、所定の一定コスト値に、回生制動エネルギーが割当てられる。更に、“Crecharge”として表される第2の所定コスト変数が、ある動作モードにおけるエンジン12によるバッテリー14を再充電するコストつまり効率を、計測又は評価するのに、用いられる。変数“Crecharge”はそれで、エンジンの動作モードの関数である。
【0021】本発明の好ましい実施形態において、バッテリー・エネルギー・コストに対して、4つの成分が存在する。それらは、制御器46により周期的に計算され、協働的かつ動的に「移動平均」を生成するために、制御器46により用いられる。上記成分の第1のものは、以下の通りである。
【数1】

ここで、”Cirecharge”は最後の演算が完了してから、バッテリー14に対する再充電形の充電エネルギーを供給するためのコスト、つまりその様に供給されるエネルギーの量である。上記成分の第2のものは、以下の通りである。
【数2】

ここで、項"CR"は、演算が完了してから、バッテリー14に対する再生形の充電エネルギーを供給するためのコスト、つまりその様に供給されるエネルギーの量である。上記成分の第3のものは、以下の通りである。
【数3】

ここで、Cdischargeは、バッテリー14の放電効率である。上記成分の第4のものは、以下の通りである。
【数4】

【0022】初期のバッテリーのエネルギーの全てが、「アイドル」モードで動作し既知の対応する“BSFC”値を持つエンジン12の様な、コストが既知のエネルギー源から生じると仮定すると、以下の式が導かれ得る。
【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

4 = (バッテリー内の初期エネルギー量) …(15)
ここで、項”P”は、ハイブリッド車両10により要求される動力量を示し、項“Plosses”は、供給された動力のうち損失量を示し、項“Pmotor”は、モーターにより供給される動力を示す。
【0023】それで、本発明の好ましい実施形態において、バッテリー・エネルギーのコストは、以下の様に表され、そして動的に計算され得る。
CBE=(CBE1+CBE2+CBE3+CBE4 )/(T1+T2+T3+T4) …(16)
このバッテリー・エネルギー・コストは、動力の流れが、ハイブリッド車両10及び/又はバッテリー14において、変化する際に、動的に更新され得る。更に、この手法は、それ自身を、離散化及び離散型シミュレーションの対象とし、そして、それ自身を、(例えば、バッテリー14内に存在する充電量のより正確な演算を可能とすることにより)燃料経済性を高め、エンジン排出物を低減する可能性を持ち得る動的動力閾値化演算の対象とする。更に、(正又は負の)変数と共にこの手法を用いて、初期バッテリー充電コストは、ハイブリッド車両の全体的なエネルギー管理ロジックを、生成そして動的に修正するのを可能とし、前述のエネルギーの流れを、ハイブリッド車両10内で発生する他のエネルギーの流れと共に、計測そして/又はシミュレーションするのを可能とし、全体的なエネルギーのシミュレーションの生成を可能とする。
【0024】本発明は、先に述べてきた方法そのものに限定されるものではなく、添付の請求項により完全に設定された発明の範囲の思想から逸脱することなしに、種々の変更がなされ得ることが、理解されるはずである。
【出願人】 【識別番号】597092978
【氏名又は名称】フォード、グローバル、テクノロジーズ、インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】FORD GLOBAL TECHNOLOGIES, INC.
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外7名)
【公開番号】 特開2002−118905(P2002−118905A)
【公開日】 平成14年4月19日(2002.4.19)
【出願番号】 特願2001−194524(P2001−194524)