| 【発明の名称】 |
車両用電力変換装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 充宏
【氏名】梅田 克也
|
| 【要約】 |
【課題】冷却ユニットおよび電力変換装置の小形・軽量化を図った車両用電力変換装置を提供する。
【解決手段】複数個の冷却ユニットの放熱部を装置箱外に突出するように配置し、空気の自然対流と車両の走行風によって前記放熱部を介して前記冷却ユニットから発生する熱を外気中に排出し前記冷却ユニットを冷却する車両用電力変換装置において、走行風の流れに沿って各冷却ユニットの放熱部を直列に配置し、かつ冷却ユニットと接続してフィルタ回路を構成するフィルタコンデンサを前記装置内の冷却ユニット間に配置したので、進行方向後位のユニットの入風温度が、前位のユニットの排風のあおりを受けないことで低減し、ユニットの小形・軽量化が図れ、その結果電力変換装置全体の小形・軽量化を実現することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個の冷却ユニットの放熱部を装置箱外に突出するように配置し、空気の自然対流と車両の走行風によって前記放熱部を介して前記冷却ユニットから発生する熱を外気中に排出し前記冷却ユニットを冷却する車両用電力変換装置において、走行風の流れに沿って各冷却ユニットの放熱部を直列に配置し、かつ冷却ユニットと接続してフィルタ回路を構成するフィルタコンデンサを前記装置内の冷却ユニット間に配置したことを特徴とする車両用電力変換装置。 【請求項2】 フィルタコンデンサの端子の向きを当該フィルタコンデンサが接続される冷却ユニット側に向けたことを特徴とする請求項1記載の車両用電力変換装置。 【請求項3】 フィルタコンデンサの端子の向きを車体中央側となる装置裏面側に向けたことを特徴とする請求項1記載の車両用電力変換装置。 【請求項4】 フィルタコンデンサと冷却ユニット間の配線を複数枚の薄板の導体で接続したことを特徴とする請求項1記載の車両用電力変換装置。 【請求項5】 複数個の冷却ユニットとフィルタコンデンサの配置関係を当該装置内で同一としたことを特徴とする請求項1記載の車両用電力変換装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自己発熱する半導体素子を冷却するユニットを収納する車両用電力変換装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の複数個の冷却ユニットを収納した車両用電力変換装置を図7の平面図、図8の正面図を参照して説明する。図において、1は電力変換装置本体であり、その電力変換装置本体1内には、半導体素子の如き自己発熱する半導体素子を冷却する複数の冷却ユニット2,3と、冷却ユニットのフィルタコンデンサ4a,4bと、その他のユニット5a,5b,5c,5dが収納されている。フィルタコンデンサ4a,4bは場合によっては、冷却ユニット2,3に内蔵されている。冷却ユニット2,3は、自己発熱した素子を冷却する放熱部2a,3aを有している。 【0003】ところで、電力変換装置本体1に収納される複数個の冷却ユニット2,3は、放熱部の冷却に車両の走行風が放熱部に当たって冷却されることを期待して、車側側に突出して放熱部がくるように配置し、また主回路部分の配線インダクタンスを低減するために電力変換装置内に設置されている。そのため、フィルタコンデンサ4a,4bはユニット裏面側(車体中央側)に配置されている。また、残りのユニット5a,5b,5c,5dは、電力変換装置1内の残りのスペースに配置されている。 【0004】しかして、冷却ユニット2,3でそれぞれ発生した熱は、放熱部2a,3aに伝わり自然冷却により外気に熱放散されることで、冷却ユニット2,3の冷却が行われる。車両走行中の場合は、前述の自然冷却以外に走行風が放熱部2a,3aに当たることで冷却性能向上に寄与する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このような車両制御装置の場合、車両の進行方向に対して後位の冷却ユニット放熱部3aに入風する走行風は、前位の冷却ユニット放熱部2aで熱放散された走行風となるため、前位の冷却ユニットに入風する走行風よりも温度の高い走行風が後位の冷却ユニットに入風することになる。 【0006】したがって、冷却ユニットの冷却部は、前位のユニットのあおり分を考慮しなければならないため冷却部が大きくなり、結果として冷却ユニットが大きくなることから、小形・軽量化を阻害する等の問題がある。 【0007】また、一方でフィルタコンデンサはフィルタ回路内の配線インダクタンスを小さくするために冷却ユニットの近傍に配置しなければならず、冷却ユニット内に内蔵するか、裏面側にできたスペースに配置しなければならない。 【0008】冷却ユニットに内蔵させた場合は、ユニットとしての外形増・質量増となるため、冷却ユニットの取り扱いが困難となる。また、ユニットの裏面側のスペースに配置した場合は、冷却ユニットの裏面側を塞ぐ形となるため、ユニットへのアクセスがしにくくなり、メンテナンス性を悪化させる要因になるという問題がある。 【0009】本発明は、このような点に鑑み、複数個の冷却ユニットの間にフィルタコンデンサを配置し、冷却ユニット間の間隔を大きくとることにより、進行方向に向かって後位の冷却ユニットの入風が前位ユニットの排風のあおりを受けないことで冷却性能を向上させると共に、フィルタコンデンサを冷却ユニットに内蔵させず、かつ裏面側のメンテナンススペースを阻害させず、冷却ユニットへのアクセスを良くする構成にすることで、冷却ユニットおよび電力変換装置の小形・軽量化を図った車両用電力変換装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、複数個の冷却ユニットの放熱部を装置箱外に突出するように配置し、空気の自然対流と車両の走行風によって前記放熱部を介して前記冷却ユニットから発生する熱を外気中に排出し前記冷却ユニットを冷却する車両用電力変換装置において、走行風の流れに沿って各冷却ユニットの放熱部を直列に配置し、かつ冷却ユニットと接続してフィルタ回路を構成するフィルタコンデンサを前記装置内の冷却ユニット間に配置したことを特徴とする。 【0011】請求項1によると、複数個の冷却ユニットの間隔が大きくなるため、進行方向後位の冷却ユニットの放熱部に入風する走行風の温度が低減する。また、フィルタコンデンサも直近に配置されるため、フィルタコンデンサと冷却ユニット間の主回路配線インダクタンスが低減する。 【0012】請求項2に係る発明は、フィルタコンデンサの端子の向きを当該フィルタコンデンサが接続される冷却ユニット側に向けたことを特徴とする。請求項2によると、請求項1の発明に比べ、さらにフィルタコンデンサと冷却ユニット間の配線長が短くなり、主回路配線インダクタンスが低減する。 【0013】請求項3に係る発明は、フィルタコンデンサの端子の向きを車体中央側となる装置裏面側に向けたことを特徴とする。請求項3によると、フィルタコンデンサの端子が点検面に向くため、フィルタコンデンサに配線する配線作業を正対して行うことができる。 【0014】請求項4に係る発明は、フィルタコンデンサと冷却ユニット間の配線を複数枚の薄板の導体で接続したことを特徴とする。請求項4によると、電位の異なる半導体間の表皮効果により主回路配線インダクタンスが低減する。 【0015】請求項5に係る発明は、複数個の冷却ユニットとフィルタコンデンサの配置関係を装置内で同一としたことを特徴とする。請求項5によると、冷却ユニットとフィルタコンデンサ周辺の構成を同一にできることから、標準部品による部品点数の削減ができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態(請求項1対応)の車両用電力変換装置の平面図であり、図2は正面図である。 【0017】図において、複数個の冷却ユニット12,13は、電力変換装置本体11に車両進行方向に沿って間隔を空けて配置されている。この冷却ユニット12,13間には、冷却ユニットのフィルタコンデンサ14a,14bが冷却ユニットに近接されて配置されている。さらに、フィルタコンデンサ14a,14b間のスペースにその他のユニット15a,15b,15c,15dを配置している。 【0018】しかして、車両用電力変換装置の動作時は、冷却ユニット内の半導体素子が発熱し、その熱が放熱部12a,13aに伝達され、外気へ熱放散される。車両が走行中は、走行風により外気の循環が促進されるため、冷却性能が向上する。 【0019】進行方向前位の冷却ユニット12から、走行風により送風された排風は、後位の冷却ユニットに入風する前に外気と混合して温度が低下することから、進行方向後位の冷却ユニット13の冷却効果が向上し、上記放熱部を含む冷却機構の小形・軽量化を図ることができる。したがって、電力変換装置11の小形・軽量化を図ることができる。 【0020】また、フィルタコンデンサ14a,14bが冷却ユニット12,13間に配置されたことで、冷却ユニットの裏面側を塞ぐものがなくなり、冷却ユニット12,13へアクセスし易くなり、メンテナンス性が向上する。加えて、車両用電力変換装置本体11の枕木方向の寸法を小さくできることから、冷却ユニットの放熱部12a,13aの寸法が大きくとれ、冷却ユニットの冷却性能が向上し、上記放熱部を含む冷却機構の小形・軽量化を図ることができる。したがって、結果的に車両用電力変換装置の小形・軽量化を図ることができる。 【0021】図3は、本発明の第2の実施の形態(請求項1及び請求項2対応)の車両用電力変換装置の正面図である。図に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態の電力変換装置において、フィルタコンデンサ14a,14bの端子を冷却ユニット12,13側に向けて配置する構成としている。 【0022】本実施の形態も図1の第1の実施の形態と同様に、進行方向後位の冷却ユニット12に入風する走行風の温度が低減され、冷却効果が向上すると共に、冷却ユニットへのメンテナンス性が向上する上、電気性能も向上する。 【0023】ところで、冷却ユニットの電気性能を向上させるには、フィルタ回路内の主回路配線インダクタンスを小さくする構成が求められる。本実施の形態によれば、フィルタコンデンサと冷却ユニットとの配線長が短くなり、主回路配線インダクタンスの低減が図れる。 【0024】図4は、本発明の第3の実施の形態(請求項1及び請求項3対応)の車両用電力変換装置の平面図である。図に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態の車両用電力変換装置において、フィルタコンデンサ14a,14bの端子を装置の裏面側に向けて配置する構成としている。 【0025】本実施の形態も図1の第1の実施の形態と同様に、進行方向後位の冷却ユニット13に入風する走行風の温度が低減され、冷却効果が向上すると共に、冷却ユニットへのメンテナンス性が向上する上、フィルタコンデンサの端子への配線作業が裏面側から正対して行うことができるため、フィルタコンデンサ4a,4bへのメンテナンス性も向上する。 【0026】図5は、本発明の第4の実施の形態(請求項1及び請求項4対応)の車両用電力変換装置の導体構成図である。図に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態の車両用電力変換装置において、フィルタコンデンサ14a,14bの端子と冷却ユニット12,13間の配線を複数枚の薄板の導体で接続したものである。電位の違う導体16a,16b間には、薄板の絶縁板17を挟んで各々の絶縁をとっている。この配線を薄板でそれぞれの電位の導体を沿わせたことで、導体に表皮効果が発生し、この間の配線インダクタンスを小さくすることができる。 【0027】しかして、本実施の形態も図1の第1の実施の形態と同様に、進行方向後位の冷却ユニット13に入風する走行風の温度が低減され、冷却効果が向上すると共に、冷却ユニットへのメンテナンス性が向上する上、電気性能も向上する。 【0028】図6は、本発明の第5の実施の形態(請求項1及び請求項5対応)の車両用電力変換装置の平面図である。図に示すように、本実施の形態では、第1の実施の形態の車両用電力変換装置において、複数個の冷却ユニット12,13とフィルタコンデンサ14a,14bの配置構成を同一にしている。 【0029】本実施の形態も図1の第1の実施形態と同様に、進行方向後位の冷却ユニット13に入風する走行風の温度が低減され、冷却効果が向上すると共に、冷却ユニットへのメンテナンス性が向上する。また、冷却ユニットとフィルタコンデンサとの配置構成が同一のため、箱構成の簡素化・部品点数の削減が図れ、構成の標準化が達成できる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、冷却ユニットの間にフィルタコンデンサを配置することで、進行方向後位のユニットの入風温度が、前位のユニットの排風のあおりを受けないことで低減する。さらに、進行方向後位のユニットも効果的に冷却することができ、ユニットの小形・軽量化が図れ、その結果電力変換装置全体の小形・軽量化を実現することができる。さらにメンテナンス性に優れた車両用電力変換装置を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000221177 【氏名又は名称】東芝トランスポートエンジニアリング株式会社 【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
|
| 【出願日】 |
平成12年9月28日(2000.9.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087332 【弁理士】 【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−112403(P2002−112403A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−295814(P2000−295814) |
|