| 【発明の名称】 |
電気自動車の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】木内 達雄
【氏名】梁▲瀬▼ 尚志
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| 【要約】 |
【課題】電気自動車の制御装置において、バッテリの劣化を確実に防止できるようにする。
【解決手段】走行用車輪の駆動装置として少なくとも電動機3をそなえた電気自動車の制御装置において、電動機3に電力を供給するバッテリ1の充電率又は該充電率に相関するパラメータを検出するバッテリ充電率検出手段1aと、該電気自動車の車速を検出する車速検出手段8と、バッテリ充電率検出手段1aの検出情報と車速検出手段8の検出情報とに基づいて電動機3の回生制動力を制御する回生制動力制御手段7aとをそなえて構成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用車輪の駆動装置として少なくとも電動機をそなえた電気自動車の制御装置において、該電動機に電力を供給するバッテリの充電率又は該充電率に相関するパラメータを検出するバッテリ充電率検出手段と、該電気自動車の車速を検出する車速検出手段と、該バッテリ充電率検出手段の検出情報と該車速検出手段の検出情報とに基づいて該電動機の回生制動力を制御する回生制動力制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、電気自動車の制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行用車輪の駆動装置として少なくとも電動機をそなえた電気自動車において、電動機の回生制動力を制御する、電気自動車の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、電動機(モータ)により車両の駆動力を得るようにした電気自動車が開発/実用化されている。このような電動機をそなえた自動車としては、駆動源として電動機のみをそなえたものや、内燃機関(エンジン)と電動機(モータ)とを組み合わせて車両の駆動力を得るようにしたハイブリッド電気自動車がある(以下、これらをまとめて電気自動車という)。 【0003】このような電気自動車では、一充電あたりの車両の走行可能距離の延長を図るべく、いわゆる回生制動によりバッテリの充電が行なわれる。この回生制動は、モータを発電動作に切り替えることで行なうことができ、駆動輪の回転エネルギをモータを介して電気エネルギとして回収しながら制動を行なうものであり、例えばブレーキペダルの踏み込みに連動して回生制動力が発生するように制御される。 【0004】しかし、このように回生制動によりバッテリを充電する際、大きな回生制動力を発生させるとバッテリが劣化してしまう虞があるため、バッテリの状態に応じて回生制動力を制御する技術が種々開発されている。このような技術としては、例えば、特開平08−140203(特願平06−271009)号公報に開示された技術(従来技術1)や、特開平10−4602号公報に開示された技術(従来技術2)がある。 【0005】従来技術1では、バッテリ劣化のパラメータとしてバッテリ温度を用い、バッテリ温度が基準値よりも高い場合には、回生制動力の制限値をバッテリ温度の上昇にともなって低下させ、バッテリの高温時にバッテリが過剰な電力で充電されて損傷してしまうことを防止するようにしている。また、従来技術2では、検出したバッテリの電流及び電圧に基づきバッテリの劣化程度を判定し、この劣化程度に応じて回生制動力を最適に制御し、バッテリの長寿命化を図っている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した従来技術では、以下のような課題がある。つまり、充電によるバッテリの劣化は、バッテリ電圧過大(バッテリ電圧が高くなり過ぎること)が直接的な原因であり、このため、従来技術1のようにバッテリ温度に応じて回生制動力を制御しても、バッテリ電圧の過大によりバッテリが劣化してしまう虞がある。 【0007】また、従来技術2では、公報の図8からもわかるように、バッテリに不良があっても制動時には必ず充電が行なわれるのでバッテリ電圧過大を必ずしも防止できない。また、従来技術2は、上述したように検出したバッテリの電流及び電圧に基づきバッテリの劣化程度を推定し、この劣化程度に応じて回生制動を最適に制御してバッテリの長寿命化を図るものであるため、結果的にバッテリ電圧を考慮して制御を行なうこととなる。しかし、特に制動開始時には、車速が高く回生制動による発電力が大きいため、電圧を検出してからこれに基づいて回生制動力を制御しても制御系の応答性が悪いと制御遅れによりバッテリ電圧過大となってバッテリが劣化してしまう虞がある。 【0008】この他、特開平11−69507号公報には、車速が所定値以下の略停止した状態においては、蓄電量が所定量よりも小さい場合には、目標エンジン回転速度を所定値だけ低下させるとともに、この目標エンジン回転速度に見合った回生制動トルクを発生させるようにモータジェネレータの電流制御を行なって蓄電装置に対する充電量を低減する一方、蓄電量の変化量が負になった場合には、蓄電装置の充放電収支が略0となるように電気負荷の消費電力を低減するようにした技術が開示されている。この技術では、上述のような制御により、車速が所定値以下の略停止した状態において、蓄電装置の蓄電量不足を防止しつつ充電のためのエンジン騒音や振動を低減できるようにしている。しかし、この技術は、バッテリ電圧過大を防止するものではなかった。 【0009】本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、バッテリの劣化を確実に防止できるようにした、電気自動車の制御装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】このため、本発明の電気自動車の制御装置では、バッテリ充電率検出手段により、電動機に電力を供給するバッテリの充電率又は充電率に相関するパラメータが検出され、車速検出手段により電気自動車の車速が検出され、回生制動力制御手段により、バッテリ充電率検出手段の検出情報と車速検出手段の検出情報とに基づいて回生制動が行なわれ、バッテリの電圧が上昇してもバッテリが劣化しないように電動機の回生制動力が制御される。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態としての電気自動車の制御装置について示す図である。先ず、本制御装置が装備される電気自動車について説明すると、この電気自動車は、ここでは、車両の駆動輪(走行用車輪)を駆動するモータ(電動機)と、このモータの電力供給源として専ら使用されるエンジンとをそなえたシリーズ式ハイブリッド電気自動車(以下、単に電気自動車ともいう)として構成されている。 【0012】即ち、本実施形態のシリーズ式ハイブリッド電気自動車には、図1に示すように、バッテリ1が搭載され、バッテリ1はインバータ2を介してモータ(電動機)3に電気的に接続されている。モータ3は車両の駆動輪(走行用車輪)4側に連結されており、モータ3の駆動力により車両が走行するようになっている。また、車両にはエンジン5も設けられており、このエンジン5の出力側には、バッテリ1及びモータ3に電力を供給する発電機6が機械的に連結されている。そして、エンジン5により発電機6が駆動されることで、発電機6の負荷に応じた電力が発生するようになっているのである。 【0013】また、この車両には、バッテリ1の充電率SOCを直接検出するバッテリ充電率センサ(バッテリ充電率検出手段)1aや車速センサ(車速検出手段)8等の各種のセンサ類が設けられ、これらのセンサ類は、ECU(電子制御ユニット)7に接続されている。そして、ECU7では、各センサ類の検出情報に基づきモータ3やエンジン5等の作動を制御するようになっている。 【0014】なお、バッテリ充電率センサ1aは、ここでは、バッテリ1の充電率を直接検出するセンサにより構成されている。勿論、バッテリ充電率センサ(バッテリ充電率検出手段)1aとして、バッテリ充電率に相関する電流積算値等のパラメータを検出するセンサを設け、このセンサからの検出情報に基づきECU7によりバッテリ充電率を演算するように構成してもよい。 【0015】また、ここでは、車速センサ8は、車速Vに相関するパラメータとしてモータ3の出力軸の回転速度を検出し、この回転速度に基づきECU7により車速Vが演算されるようになっているが、車輪速から車速Vを推定するようにしてもよい。さて、ECU7には回生制動力制御手段7aが設けられており、本制御装置は、バッテリ充電率センサ1aと、車速センサ(車速検出手段)8と、この回生制動力制御手段7aとをそなえて構成されている。 【0016】従来技術として上述したように、電気自動車では、一充電あたりの車両の走行可能距離の延長を図るべく、モータを発電動作に切り替えて駆動輪の回転エネルギをモータを介して電気エネルギとして回収しながら制動(回生制動)を行なうことによりバッテリの充電が行なわれ、例えばブレーキペダルの踏み込みに連動して制動力が発生するように制御される。回生制動力制御手段7aは、このような回生制動を行なうべくインバータ2を介してモータ3の作動を制御するものである。 【0017】また、回生制動力制御手段7aは、回生制動力制限値決定手段(以下、単に制限値決定手段という)7bをそなえ、バッテリ充電率センサ1aの検出情報と車速センサ8の検出情報とに基づいて制限値決定手段7bにより回生制動力制限値PLIMを決定し、ブレーキペダルが踏み込まれるのと略同時に、回生制動力制限値PLIMを超えないようにモータ3の回生制動力を制限するようになっている。制限値決定手段7bは、ここでは、図2に示すような予め記憶された3次元マップにしたがって回生制動力制限値PLIMを決定するようになっている。 【0018】ここで、回生制動力制限値PLIMについて説明すると、回生制動力制限値PLIMとは、回生制動を行なうことによりバッテリ1が充電されてバッテリ電圧が上昇してもバッテリ1が劣化しない回生制動力の最大値である。したがって、同じ大きさの回生制動力を作用させても、車速Vが高いほど、回生制動を行なった際に駆動輪4からモータ3を介して電気エネルギとして回収される回転エネルギが増大してバッテリ電圧が急速に上昇するようになるので、図2に示すように、車速Vの増加にしたがって回生制動力制限値PLIMを減少させるようになっている。また、同じ大きさの回生制動力を作用させても、バッテリ充電率SOC(図2では、略してバッテリSOCと表記している)が大きいほどバッテリ電圧が高くなるので、この分、回生制動力によるバッテリ電圧の上昇を抑制すべくバッテリ充電率SOCの増加にしたがって回生制動力制限値PLIMを減少させるようになっている。 【0019】なお、このような車速V,バッテリ充電率SOC及び回生制動力制限値PLIMの相関関係は、シミュレーションや台上試験により解析される。本発明の一実施形態としての電気自動車の制御装置は、上述したように構成されるので以下のようにして回生制動制御が行なわれる。つまり、ブレーキペダルが踏み込まれると、バッテリ充電率センサ1aにより検出されたバッテリ充電率SOCと車速センサ8により検出された車速Vとに応じて、制限値決定手段7bにより図2に示すマップにしたがって回生制動力制限値PLIMが決定される。そして、回生制動力制御手段7aにより、回生制動力が、この回生制動力制限値PLIMを超えないようにインバータ2を介してモータ3の作動が制御される。この際、ドライバの要求するブレーキ力(ブレーキペダルの踏込量に応じて決定されるブレーキ力)Pが回生制動力制限値PLIMを超える場合、つまり回生制動力制限値PLIMよりも大きな制動力Pが必要とされる場合には、制動力Pに対する回生制動力制限値PLIMの不足分は、サービスブレーキにより補われる。 【0020】回生制動力制限値PLIMは、車速Vとバッテリ充電率SOCとに応じて、所定の回生制動力を発生させた際にバッテリ電圧がどれだけ上昇するかを予測して決定されるものである。つまり、回生制動によりバッテリ1を充電してバッテリ電圧が上昇してもバッテリ1が劣化しない回生制動力の上限値を予測し、この上限値を回生制動力制限値PLIMとしているのである。 【0021】このように、本制御装置によれば、ブレーキペダルが踏み込まれてモータ3により回生制動が行なわれる際、車速Vとバッテリ充電率SOCとに応じて回生制動を行なってもバッテリが電圧過大により劣化しない回生制動力の上限値を、回生制動力制限値PLIMとして決定し、回生制動力がこの回生制動力制限値PLIMを超えないようにモータ3の作動が制御される。 【0022】すなわち、バッテリ1の劣化の直接的な原因であるバッテリ電圧に着目して回生制動力を制御しているので、正確にバッテリ電圧過大を防止でき、且つ、ブレーキペダルの踏込と略同時に、バッテリ電圧過大とならないように回生制動力が先行的に制限されるので、制御系の応答性が悪い場合であっても回生制動力に対する制御遅れを生じさせることがない。したがって、バッテリの劣化を確実に抑制できるという利点がある。 【0023】なお、本発明の電気自動車の制御装置は、上述の実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形を行なうことができる。例えば、上述の実施形態では、図2に示すように、回生制動力制限値PLIMは常に0よりも大きく設定されている(=制動が行なわれる際には必ず回生制動が行なわれてバッテリ1の充電が行なわれる)が、車速V又はバッテリ充電率SOCが高い場合には、回生制動力制限値PLIMを0に設定するようにして回生制動によりバッテリ1の充電が行なわれないように構成してもよい。これにより、電圧過大によるバッテリ1の劣化を一層確実に防止できるようになるという利点がある。 【0024】また、制限値決定手段7bは、図2に示すようなマップにしたがって車速Vとバッテリ充電率SOCとに応じて回生制動力制限値PLIMを決定するようになっているが、マップではなく予め記憶された演算式により車速Vとバッテリ充電率SOCとに応じて回生制動力制限値PLIMを決定するように構成してもよい。また、上述の実施形態では、本発明の電気自動車の制御装置を、シリーズ式ハイブリッド電気自動車に適用した例を説明したが、パラレル式ハイブリッド電気自動車や、駆動輪の駆動源として電動機だけが用いられる電気自動車に適用することも可能である。 【0025】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の電気自動車の制御装置によれば、回生制動力制御手段により、回生制動を行なってもバッテリ電圧過大とならない回生制動力の上限値が、バッテリ充電率検出手段の検出情報と車速検出手段の検出情報とに基づいて予測され、そして、この上限値を超えないように電動機の回生制動力が制御される。すなわち、回生制動力が、バッテリ劣化の主要因であるバッテリ電圧に着目して制御され、且つバッテリ電圧過大とならないように先行的に制限されるので、制御系の応答性が悪い場合であってもバッテリの劣化を確実に防止できるという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月29日(2000.9.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092978 【弁理士】 【氏名又は名称】真田 有
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| 【公開番号】 |
特開2002−112402(P2002−112402A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月12日(2002.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−300279(P2000−300279) |
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