| 【発明の名称】 |
移動体の運転制御方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】門田 浩次
【氏名】石田 猛
【氏名】冨田 千代春
【氏名】廣瀬 雄介
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| 【要約】 |
【課題】後続移動体の不所望な加減速が生じることなく、乗り心地を向上し、できるだけ短い走行時間で駅などの目標停止地点に到達すること。
【解決手段】先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定しておく。先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求める。後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに先行移動体に最も近接する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求める。これらの時間に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTiを、先行移動体の存在する各区間について求め、ΔTiのうちの最大値ΔTmを時間間隔とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、走行経路を複数の区間に分割し、先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求め、後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求め、第1および第2の移動時間の和に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各区間について求め、これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求め、この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔とすることを特徴とする移動体の運転制御方法。 【請求項2】 先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、(a)予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、ストアする第1メモリと、(b)走行経路を複数の区間に分割し、先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、ストアする第2メモリと、(c)先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求める第1演算手段と、(d)後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求める第2演算手段と、(e)第1および第2の移動時間の和に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各区間について求める加算手段と、(f)これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求める検索手段と、(g)この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔として移動体の運転制御を行う手段を含むことを特徴とする移動体の運転制御装置。 【請求項3】 前記移動体は、列車であり、走行経路は線路であり、事象A、事象Bが駅での停車・発車・通過であることを特徴とする請求項2記載の移動体の運転制御装置。 【請求項4】 前記移動体は、自動車であり、走行経路は道路であり、事象A、事象Bが特定地点での停車・発車・通過であることを特徴とする請求項2記載の移動体の運転制御装置。 【請求項5】 前記移動体は、物流搬送機であり、走行経路は搬送路であり、事象A、事象Bが荷物積み卸し場所での停車・発車・通過であることを特徴とする請求項2記載の移動体の運転制御装置。 【請求項6】 先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、(a)予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、ストアする第1メモリと、(b)走行経路を複数の区間に分割し、先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、ストアする第2メモリと、(c)先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求める第1演算手段と、(d)後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求める第2演算手段と、(e)第1および第2の移動時間の和に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各区間について求める加算手段と、(f)これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求める検索手段と、(g)この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔として移動体の運転制御を行う手段を含むことを特徴とする移動体の最少時隔演算装置。 【請求項7】 先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、先行移動体の存在する地点に対応して後続移動体の位置に対する制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、先行移動体がある事象Aの完了後、ある地点に到達するまでの第1の移動時間ΔTbiを求め、後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する地点を求め、この地点に到達後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要す る第2の移動時間ΔTdiを求め、第1および第2の移動時間の和に制限速度パターン変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各地点について求め、これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求め、この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔とすることを特徴とする移動体の運転制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、列車などの移動体の運転制御方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】鉄道などの移動体の運転制御では、閉塞信号方式が採られている。この閉塞信号方式とは、鉄道などの移動体の運転制御では、移動体の移動する経路、路線を区間に区切り、各区間に移動体が存在するかどうかにより、その移動体の後方の各区間の制限速度を決め、移動体間の距離を適正に保つ方式である。最小時隔は、先行列車が駅到着・発車・通過などの事象を完了した時刻と、後続列車が駅到着・発車・通過などの事象を完了した時刻との差であり、駅以外の走行経路上の任意の地点の通過に対して最小時隔を定義することもできる。最小時隔は、鉄道の運行を決める上での重要な基礎データであり、1つの線路での1時間あたりの列車本数を決める値である。たとえば最小時隔が3分であれば、1時間あたりの列車本数は20本であるが、最小時隔が2分であれば、1時間あたりの列車本数は30本に増加して運行することができる。 【0003】時隔計算に関する典型的な先行技術は、「新幹線の運転と信号」(昭和52年8月10日改訂増補第4版発行、編者 俵英一 他、発行所 株式会社交友社)第104頁〜第106頁に開示される。この先行技術では、先行列車と後続列車との運転間隔を時間で表した最小運転時隔を求めるために、後続列車が先行列車に支障されることなく走行することができる閉塞区間のうちで、先行列車に最も近い区間である最接近区間を、後続列車に対して最高現示(通常は「G:進行信号」)が示される閉塞区間に設定しており、このような手法を、最高現示法と呼ぶことができる。このような先行技術では、最高現示が示される区間までしか、後続列車は進入することができないので、実際に進入可能な区間よりも外方すなわち列車が進む方向に対して後方の区間を、最接近区間として時隔を計算することになり、実際よりも最小時隔を長く見積もるという問題点がある。たとえば後続列車がその駅に停車する場合には、後続列車は駅の停車にあわせて減速するため、最高現示でなくとも支障を受けない。たとえば駅の手前(外方)で最高現示よりも低い、たとえば「Y:注意信号」が現示されていても、後続列車が駅停車のために注意信号に対する制限速度よりも低い速度でその閉塞区間を通過することを想定していたのならば、注意信号が現示されても後続列車は支障されることなく、予め想定したとおりの速度で駅へ進入し、停車することが可能である。つまり、最高現示区間よりもさらに内方に後続列車は進入できるのである。 【0004】最小時隔を現実に即して、もっと高精度で計算して求め、これによって列車の運転を制御することが望まれる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鉄道などにおける先行移動体が駅などの目標停止地点を出発・到着・通過してから、後続移動体が先行移動体に支障されずにその目標停止地点に到着・出発・通過を完了する最小の時間間隔を、現実に即して高精度で計算して求め、これによって移動体の運転制御を行う方法および装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、走行経路を複数の区間に分割し、先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求め、後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求め、第1および第2の移動時間の和に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各区間について求め、これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求め、この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔とすることを特徴とする移動体の運転制御方法である。 【0007】また本発明は、先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、(a)予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、ストアする第1メモリと、(b)走行経路を複数の区間に分割し、先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、ストアする第2メモリと、(c)先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求める第1演算手段と、(d)後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求める第2演算手段と、(e)第1および第2の移動時間の和に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各区間について求める加算手段と、(f)これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求める検索手段と、(g)この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔として移動体の運転制御を行う手段を含むことを特徴とする移動体の運転制御装置である。 【0008】このような時間間隔をもとに移動体の運行計画を作成し、移動体の運転を制御すれば、後続移動体が想定速度パターンで走行経路を走行することが可能となり、不所望な加減速が生じることなく、乗り心地を向上し、しかもできるだけ短い走行時間で目標停止地点に到達することを可能にする。こうして後続移動体が目標停止地点に近付くにつれて速度が低下されて減速されるのに応じて、最接近区間をできるだけ先行移動体に近付けることができるようにし、鉄道における最小時隔などの前記最小時間間隔を、現実に即して、高精度で演算して求めることができるようになる。こうして高精度の運転制御を行い、たとえば列車の運転本数を増加することができるようになる。 【0009】また本発明の適用例としては、前記移動体は、列車であり、走行経路は線路であり、事象A、事象Bが駅での停車・発車・通過である場合を挙げることができる。この例では鉄道車両に関連して本発明が実施され、1時間当たりの列車数を増加させることができるので輸送能力が向上される。 【0010】本発明では、先行列車発車、後続列車停車に限定するものではなく、停車・発車・通過の組合わせでもよい。事象は具体的には、駅での停車・発車・通過などであり、本発明では、事象からの時間が負になる場合も含む。 【0011】また本発明の適用例としては、前記移動体は、自動車であり、走行経路は道路であり、事象A、事象Bが特定地点での停車・発車・通過であることを特徴とする。また前記移動体は、物流搬送機であり、走行経路は搬送路であり、事象A、事象Bが荷物積み卸し場所での停車・発車・通過であることを特徴とする。 【0012】また本発明は、先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、(a)予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、ストアする第1メモリと、(b)走行経路を複数の区間に分割し、先行移動体の存在する区間に対応して後続移動体の区間ごとの制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、ストアする第2メモリと、(c)先行移動体がある事象Aの完了後、各区間に進入を完了するまでの第1の移動時間ΔTbiを求める第1演算手段と、(d)後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する区間を求め、この区間に進入後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求める第2演算手段と、(e)第1および第2の移動時間の和に信号現示変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各区間について求める加算手段と、(f)これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求める検索手段と、(g)この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔として移動体の運転制御を行う手段を含むことを特徴とする移動体の最少時隔演算装置である。こうして最少時隔演算装置が実現される。 【0013】また本発明は、先行移動体と後続移動体の時間的位置関係に関し、予め定める走行経路に沿った後続移動体の走行位置と速度との関係を表す速度パターンを予め想定し、先行移動体の存在する地点に対応して後続移動体の位置に対する制限速度を表す制限速度パターンを予め設定し、先行移動体がある事象Aの完了後、ある地点に到達するまでの第1の移動時間ΔTbiを求め、後続移動体の想定した速度パターンが、先行移動体による制限速度パターンを越えずに、かつ先行移動体に最も接近する地点を求め、この地点に到達後、想定した速度パターンに従って移動して、ある事象Bを完了するまでに要する第2の移動時間ΔTdiを求め、第1および第2の移動時間の和に制限速度パターン変化に要する時間ΔTsiを加えた値ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)を先行移動体の存在する各地点について求め、これらの値ΔTiのうちの最大値ΔTmを求め、この最大値ΔTmを先行移動体の事象A完了から後続列車の事象B完了までに取るべき時間間隔とすることを特徴とする移動体の運転制御方法であり、このような移動閉塞に関する構成もまた、本発明の精神に含まれる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は、本発明方法の実施例のひとつで、鉄道を例に採った場合の最小時隔を求める手順を説明するフローチャートである。この図1の動作は、図2のマイクロコンピュータなどによって実現される処理装置1の動作である。ステップa1で処理を始め、次のステップa2では信号の現示展開を実行する。この実施例で信号の現示展開とは、先行列車が軌道上の各区間の何れか、または連続した2区間以上にまたがって在線した場合、列車在線区間の後方の各区間に、予め決めておいた許容速度の信号を割り振ることをいう。この現示展開の基となるデータは、後述する図2の第3記憶装置14に格納されている。 【0015】ステップa3では、後続列車の想定運転速度を後述する第1記憶装置2へ格納する。続いてステップa4では、ステップa2で現示展開した結果のデータを基に、設定された各区間の制限速度を、後述する第2記憶装置3へ格納する。ステップa5では、演算のための変数設定を実行する。変数はiで、初期設定値を1とする。この変数は、後述する第1時間ΔTbi、第2時間ΔTdiほかの演算に用いる。ステップa6では、変数iに対応した先行列車11の在線する区間のデータを入力する。入力は、予めプログラムに設定した自動入力と、任意に入力する方法が考えられるが、何れを選ぶかは、本発明の必須要件ではない。 【0016】ステップa7では、ステップa4で格納した制限速度の中から,先行列車の位置に対応したものを第2記憶装置3から読み出す。ステップa8では、後続列車が先行列車に最も接近できる閉塞区間を構成する信号区間を求める。それには、ステップa3で設定した想定運転速度と、ステップa7で読み出した制限速度を比較し、想定運転速度が制限速度を超えない信号区間を、最接近可能区間とする。ステップa9では、先行列車11が基準地点に停車・通過・発車後,変数iに対応した区間に入りきるまでの時間ΔTbiを算出する。 【0017】ステップa10では、後続列車12が最接近区間に進入後,目標地点に停車・通過・発車するまでに要する時間,第2時間ΔTdiを算出する。ステップa11では、第1時間ΔTbi,第2時間ΔTdiと信号現示変化に要する時間ΔTsiを加算して、時隔ΔTiを算出する。 【0018】ステップa12では、変数iに1を加算して書き換える。ステップa13では、変数iが予め定めた値i0を越えたか否かを判定し、越えていればステップa14を、越えていなければステップa6の、何れかを実行する。 【0019】ステップa14では、i=1からi0まで繰り返して求めた各時隔ΔTiの内から、最大の時隔ΔTmを探して求める。ステップa15では、以上の各データを基に、運行図表を作成するデータを,後述する第4記憶装置へ格納する。ステップa16で、一連の手順が終了する。 【0020】図2は、本発明装置の実施例のひとつであり、全体の構成を示すブロック図である。処理装置1には、第1、第2、第3,第4の各記憶装置2、3、14,15と、入力装置4、表示装置5、出力装置6がそれぞれ接続される。処理装置1は前記図1で説明した処理手順を実行するもので、コンピュータの中央演算装置などで実現できる。 【0021】第1記憶装置には、前記した無数の選択肢から自動的に選択されて生成される、後続列車12の想定運転速度を格納するもので、コンピュータのメモリチップなどの記憶手段で実現できる。 【0022】第2記憶装置には、前記した現示展開後の各信号区間の制限速度を格納するもので、同じくコンピュータのメモリチップなどの記憶手段で実現できる。 【0023】第3記憶装置には、前記した現示展開の基となるデータを格納するもので、同じくコンピュータのメモリチップなどの記憶手段で実現できる。 【0024】第4記憶装置には、前記した時隔計算結果などのデータを格納するもので、同じくコンピュータのメモリチップなどの記憶手段で実現できる。入力装置4は、人が操作して一連の処理手順を実行する際の手段で、コンピュータのキーボードなどで実現できる。 【0025】表示装置5は、処理手順を実行した結果や各記憶装置の内部データを人が見て判断したりする手段となるもので、コンピュータの表示画面装置などで実現できる。出力装置6は、処理結果や各記憶装置の内部データを出力するためのもので、コンピュータの印刷装置などで実現できる。 【0026】図3は、鉄道の線路7を簡略化した図である。この線路7では、目標停止地点である駅8が、途中に設けられている。ここでは先行列車11が駅8から発車し、後続列車12が先行列車位置に基づく信号現示に制限されることなく想定通りの速度で走行し、駅8に到着することができる時間間隔を求める。 【0027】はじめに従来技術である最高現示法に基づいて列車の時間間隔を求める。図4は、先行列車が駅に停車している場合、つまり区間59Tに在線している場合における、想定速度パターンと信号現示の関係を示している。先行列車の外方には順次、R,Y,YG,G信号が現示される。したがって区間51Tの信号が最高現示(G)であるので、後続列車はこの区間に進入可能となる。 【0028】図5は、先行列車が駅を発車後、区間61Tに入りきった場合の信号現示を示している。先行列車の外方の信号現示が変化し、区間53Tの信号が最高現示(G)となる。これにより後続列車は区間53Tに進入可能となる。 【0029】図6は、さらに先行列車が区間63Tに入りきった場合の信号現示を示しており、区間55Tが最高現示となっており、後続列車はこの区間55Tまで進入可能である。 【0030】図7は、さらに先行列車が区間65Tに入りきった場合の信号現示を示しており、区間57Tが最高現示となっており、後続列車はこの区間57Tまで進入可能である。 【0031】図8は、先行列車が区間67Tに入りきった場合の信号現示を示している。先行列車が区間67Tに入りきると区間59Tが最高現示となり、後続列車は駅に進入して停車位置に停車することができるようになる。つまり、最高現示法に従えば、後続列車は先行列車が区間67Tに入りきって初めて駅停車位置に進入可能となるのである。表1は、最高現示法に基づいて時隔を計算した結果を示している。 【0032】 【表1】
【0033】先行列車は発車後、14.20秒で区間61Tに入りきり、2秒間の信号現示変化時間の後、区間53Tの信号が最高現示(G)となり、後続列車はこの区間に進入可能となる。この時点から32.00秒後に後続列車は駅に停車する。したがって、これらの時分を合計し、この場合の時隔は48.20秒となる。 【0034】また先行列車が区間63Tに入りきり、後続列車が最高現示で区間55Tに進入可能となる場合の時隔は同様にして50.83秒となる。 【0035】このようにして順次、先行列車の位置を進めながら、それぞれの場合の時隔を計算すれば、これらのうち最大の値が、先行列車発車後、後続列車が駅で停車するまでの時隔を決めることになる。 【0036】この計算例では、先行列車が区間65Tに入りきり、後続列車が区間57Tに進入する場合の時隔が50.96秒で最大であり、これが最高現示法で求めた、この計算条件での時隔となる。 【0037】次に本発明の想定現示法による時隔計算方法について述べる。想定現示法で求めた時隔の計算結果を表2に示す。 【0038】 【表2】
【0039】本発明では、後続列車が予め想定した速度以上の信号が現示されていれば、後続列車はその区間に進入可能として時隔を計算する。図5で、先行列車が駅を発車後、区間61Tに入りきると、外方の信号現示が変化するが、信号現示が想定速度以上であるのは区間53Tまでであるので、後続列車はこの区間までしか進入できない。 【0040】次に図6で、先行列車が区間63に入りきると、区間59TではY信号が、区間57TではYG信号が、区間55TではG信号が現示されるが、これらの信号に対する制限速度は、後続列車の想定速度を上回っているので、後続列車は区間59Tまで進入して駅に停車することができる。 【0041】表2に示すように、先行列車は発車後、14.20秒で区間61Tに入りきり、2秒間の信号現示変化時間の後、区間53Tの信号が最高現示(G)となり、後続列車はこの区間に進入可能となり、この時点から32.00秒後に後続列車は駅に停車する。したがって、これらの時分を合計し、この場合の時隔は48.20秒となる。 【0042】先行列車が発車後21.47秒で区間63Tに入りきると、後続列車は区間59Tまで進入可能となり、この15.18秒後に駅に停車する。この場合の時隔は信号現示変化時分2秒を加え,38.65秒となる。このようにして順次、先行列車の位置を進めながら、各場合の時隔を計算すれば、これらのうち最大の値が後続列車が駅で停車するまでの時隔を決めることになる。 【0043】この例では先行列車が61Tに入りきった後、後続列車が53Tに進入可能となる場合の時隔48.20秒が最大であり、これが本発明の想定現示法での時隔となる。 【0044】本発明の方法と従来技術の比較すると、次のとおりである。従来の時隔計算方法である最高現示法では、後続列車はその区間の最高現示が現示されることがその区間への進入条件である。本発明の想定現示法では、後続列車が想定している速度パターンを現示される信号の制限速度が上回っていれば、後続列車はその区間に進入可能である。この想定現示法では、従来の最高現示法に比べてより実際の現象に近い正確な時隔を計算することが可能である。 【0045】前述の例では、従来技術である最高現示法による最大時隔50.96秒に対して、本発明の想定現示法による最大時隔は48.20秒となり、3秒近く少ない値となっている。つまり従来技術である最高現示法では、実際の現象よりも約3秒余分に時隔を設定するという、無駄があることを示している。このように本発明に基づく想定現示法による時隔計算では、実際の現象に近い短い時隔を得ることができるので、従来の時隔計算方法を用いた場合よりも列車本数を増やすことができるために、都心部での通勤時のラッシュ緩和などに寄与するものである。 【0046】副本線がある場合を述べる。図9は、本発明の実施例の他の形態の路線16を示す図である。この実施の形態では、線路16は副本線のある駅の場合を示している。このような副本線があるような駅では、先行列車と後続列車の発車・到着・通過,番線の組合せにより、種々の時隔を計算する必要があるが、このような場合についても、本発明の方法を繰り返し用いることにより、時隔を計算することができる。 【0047】駅以外での時隔の計算方法を述べる。本発明では、時隔計算の対象となる事象は、駅での停車・発車・通過に限定されるわけではない。駅以外の任意の地点を基準として、時隔を計算することができる。本発明では任意の区間、その区間の開始点からの距離を与えることにより任意の地点を基準として、各区間の進入・進出からこの基準点までの走行に要する時分を計算することにより、この地点を基準とした時隔を計算することができる。 【0048】移動閉塞方式での時隔の計算方法を述べる。図10は、移動閉塞方式と呼ばれる信号方式での想定速度パターンと制限速度パターンの関係を示したものである。最近、従来のような路線を区間に分割せずに、先行列車の位置を例えばメートル単位で識別し、これに基づいて後続列車に連続的に変化する制限速度パターンを指示する移動閉塞と呼ばれる方式が考えられている。この移動閉塞方式の場合についても。本発明の方法を用いることにより時隔を計算することができる。 【0049】先行列車が駅を発車した後、基準点からX1メートルの位置に達したとすると、この位置に基づいて後続列車がとりうる制限速度が、後続列車の位置との関係で図中に示すように与えられる。この制限速度のパターンと後続列車が想定している速度パターンを比較し、制限速度パターンが想定速度パターンを上回っている範囲で駅に最も近い地点(図10中のX2の位置)が後続列車の最接近地点となる。したがって先行列車が駅を発車してからX1の地点に到着するまでの時分ΔTbiと、後続列車が最接近地点(X2)から駅に到着するまでの時分ΔTdiを求め、これに制限速度パターン変化に要する時間ΔTsiを加えれば、この先行列車の地点に対する時隔ΔTi(=ΔTbi+ΔTdi+ΔTsi)が求まることになる。これを先行列車の位置を1メートルあるいは10メートルといった単位で進めながら、繰り返し時隔ΔTiを計算し、その最大値を求めれば、それがこの場合の時隔となる。 【0050】本発明は、走行経路である線路を走行する列車だけでなく、走行経路である道路を走行する自動車および走行経路である搬送路を走行する物流搬送機などに関連してもまた、本発明を実施することができる。 【0051】 【発明の効果】本発明によれば、時間間隔をもとに移動体の運行計画を作成し、移動体の運転を制御すれば後続移動体が想定速度パターンで走行経路を走行することが可能となり、不所望な加減速が生じることなく、乗り心地を向上し、しかもできるだけ短い走行時間で目標停止地点に到達することを可能にする。こうして後続移動体が目標停止地点に近付くにつれて速度が低下されて減速されるのに応じて、最接近区間をできるだけ先行移動体に近付けることができるようにし、鉄道における最小時隔などの前記最小時間間隔を、現実に即して、高精度で演算して求めることができるようになる。こうして高精度の運転制御を行い、列車の運転間隔を短くすることができるようになる。 【0052】また本発明によれば、1時間当たりの列車数などの移動体の数を増加させることができるので輸送能力が向上される。さらに本発明は、移動閉塞の場合にも、実施することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000974 【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月25日(2000.9.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075557 【弁理士】 【氏名又は名称】西教 圭一郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−101504(P2002−101504A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月5日(2002.4.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−290964(P2000−290964) |
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