| 【発明の名称】 |
電気車両の制動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】陳 曙銘
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| 【要約】 |
【課題】機械式ブレーキを用いることなく減速制御及び停止制御を可能にし、構成の簡素化及びコストの低減を図れるようにする。
【解決手段】車速検出部21、アクセルペダル検出部22、及び、ブレーキペダル検出部23が設けられ、これら各検出部21〜23の出力信号が制御手段25に出力され、アクセルペダルの踏み込み量に基づく指令速度Vsが車速検出部21による検出車速Vdよりも小さいときに、検出車速Vdと指令速度Vsとの差ΔVに応じた制動トルクを発生するように走行モータ3の回生制動制御が行われる。また、制御手段25の制御により、メインコンタクタ11のオフ時に電磁ブレーキ29が作動される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両本体に搭載されたバッテリの出力により駆動される走行モータと、前記モータの回生制動の制動トルクを利用して減速制御を行う減速制御部と、電磁ブレーキと、前記バッテリから前記モータへの通電をオン、オフする電源スイッチと、前記電源スイッチのオフ時に前記電磁ブレーキを作動させる電磁ブレーキ制御部とを備えていることを特徴とする電気車両の制動制御装置。 【請求項2】 前記電磁ブレーキ制御部が、アクセルの操作がなく、かつ停止状態が予め定められた一定時間以上継続する場合に、前記電磁ブレーキを作動させることを特徴とする請求項1に記載の電気車両の制動制御装置。 【請求項3】 前記電磁ブレーキ制御部が、前記モータの駆動による走行中における非常停止スイッチの操作時にも前記電磁ブレーキを作動させることを特徴とする請求項1または2に記載の電気車両の制動制御装置。 【請求項4】 車速を検出する車速検出部、及びアクセルの操作量を検出するアクセル検出部を備え、前記減速制御部は、前記車速検出部による検出車速よりも、前記アクセル検出部によるアクセルの操作量に基づく指令速度が小さいときに、前記検出車速と前記指令速度との差に応じた制動トルクを発生すべく前記モータの回生制動による減速制御を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電気車両の制動制御装置。 【請求項5】 ブレーキ及びこのブレーキの操作量を検出するブレーキ検出部を備え、前記減速制御部は、ブレーキ検出部により検出される前記ブレーキの操作量に応じた制動トルクを発生すべく前記モータの回生制動による減速制御を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電気車両の制動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、バッテリの出力により駆動される走行モータを動力源とする電気車両の制動制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】バッテリを搭載し、その出力により駆動される走行モータを動力源とする電気車両として、バッテリフォークリフトがあり、例えば図4及び図5に示すように構成されている。 【0003】図4はカウンタバランス型フォークリフトの外観構成を示し、車両本体1に搭載されたバッテリ2により走行モータ3に給電して走行し、この走行モータ3の駆動力を車輪に伝達する伝達手段(図示せず)を前進及び後退のいずれかまたは中立状態に切換設定するディレクショナルレバー(或いはスイッチ)4の操作により、伝達手段が前進、後退の走行方向及び中立状態への切り換えが行われ、ハンドル5により操舵が行われる。尚、図4において、6は車両本体1の前部に設けられたマスト、7はマスト6に設けられたリフトブラケット、8はリフトブラケット7に設けられた一対のフォーク、9はアクセルペダルである。 【0004】ここで、走行モータ3は例えば誘導モータ或いはDCブラシレスモータなどの3相モータにより構成されている。そして、図5に示すように、電源スイッチであるメインコンタクタ11のオンにより、バッテリ2の出力直流電力が、平滑コンデンサ12により平滑されると共に、6個の電界効果トランジスタT1〜T6をフルブリッジ接続しチョッパ制御による3相ブリッジインバータ13により交流電力に変換されて走行モータ3に給電されるようになっている。尚、各電界効果トランジスタT1〜T6は図示しないマイクロコンピュータ等から成る制御手段からの制御信号によりオン、オフされる。 【0005】ところで、このようなフォークリフトにおいて、制動に関わる構成として、図4では省略されているブレーキペダル及び機械式ブレーキ(ブレーキドラム、ディスクパッド等から成る)のほか、サイドブレーキ、またはブレーキペダルから足を離すとブレーキがかかるデッドマンブレーキが設けられている。 【0006】そして、操作者によるブレーキペダルの操作により機械式ブレーキが動作して走行中の減速制御が行われ、サイドブレーキの操作により車両本体1を駐停車させる停止制御が行われる。このとき、アクセルペダル9の踏み込みを緩めることによる弱い制動も利用されるが、上記した機械式ブレーキによる制動がほとんどである。また、停止制御において、ブレーキペダルをいっぱいまで踏み続けることで駐停車状態を維持することも行われる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来のフォークリフトの場合、フットブレーキの操作による減速制御、及びサイドブレーキの操作による停止制御のいずれも、機械式ブレーキを動作させて制動をかけるようになっており、同じ機械式ブレーキを動作させるために重複した構成が必要になり、コストの上昇を招くといった問題がある。 【0008】更に、例えば傾斜のある路面上に駐停車する場合において、サイドブレーキの操作し忘れがあると、車両本体1の暴走を引き起こすおそれがある。 【0009】そこで、本発明は、機械式ブレーキを用いることなく減速制御及び停止制御を可能にし、構成の簡素化及びコストの低減を図れるようにすることを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明は、車両本体に搭載されたバッテリの出力により駆動される走行モータと、前記モータの回生制動の制動トルクを利用して減速制御を行う減速制御部と、電磁ブレーキと、前記バッテリから前記モータへの通電をオン、オフする電源スイッチと、前記電源スイッチのオフ時に前記電磁ブレーキを作動させる電磁ブレーキ制御部とを備えていることを特徴としている。 【0011】このような構成によれば、減速制御部による走行モータの回生制動の制動トルクを利用した減速制御、及び、電磁ブレーキ制御部による電源スイッチのオフ時における電磁ブレーキの作動による停止制御を実行できるため、従来のような機械式ブレーキが不要になり、構成を簡素化すると共にコストの低減を図ることができる。 【0012】また、本発明は、前記電磁ブレーキ制御部が、アクセルの操作がなく、かつ停止状態が予め定められた一定時間以上継続する場合に、前記電磁ブレーキを作動させることを特徴としている。 【0013】このような構成によれば、アクセルの操作がなく、かつ停止状態が一定時間以上継続することを条件として停止制御を行うことで、確実な停止制御により車両を駐停車させることができる。 【0014】また、本発明は、前記電磁ブレーキ制御部が、前記モータの駆動による走行中における非常停止スイッチの操作時にも前記電磁ブレーキを作動させることを特徴としている。このような構成によれば、緊急時における非常停止が可能になり安全性の向上を図ることができる。 【0015】また、本発明は、車速を検出する車速検出部、及びアクセルの操作量を検出するアクセル検出部を備え、前記減速制御部は、前記車速検出部による検出車速よりも、前記アクセル検出部によるアクセルの操作量に基づく指令速度が小さいときに、前記検出車速と前記指令速度との差に応じた制動トルクを発生すべく前記モータの回生制動による減速制御を行うことを特徴としている。 【0016】このような構成によれば、アクセルの操作量に基づく指令速度が検出車速よりも小さいときには、操作者がアクセルを緩めたと判断できるため、自動車におけるエンジンブレーキと同様に減速制御を行うことにより操作者の意図に合致した減速が可能になる。 【0017】また、本発明は、ブレーキ及びこのブレーキの操作量を検出するブレーキ検出部を備え、前記減速制御部は、ブレーキ検出部により検出される前記ブレーキの操作量に応じた制動トルクを発生すべく前記モータの回生制動による減速制御を行うことを特徴としている。 【0018】このような構成によれば、ブレーキ検出部により検出されるブレーキの操作量に応じて、モータの回生制動による制動トルクを発生できるため、機械式ブレーキがなくても、操作者は従来のブレーキを操作するのと同じ感覚で違和感なくブレーキ操作をすることができる。 【0019】 【発明の実施の形態】この発明を電気車両であるカウンタバランス型フォークリフトに適用した場合の一実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。但し、図1はブロック図、図2は一部の概略構成図、図3は動作説明図である。尚、図1及び図2において、上記した図4及び図5と同一符号は同一もしくは相当するものを示す。 【0020】図1に示すように、車速に応じた信号を出力する車輪速センサ等から成る車速検出部21、アクセルペダル9の踏み込み量に応じた信号を出力するアクセルペダル検出部22、及び、ブレーキペダルの踏み込み量に応じた信号を出力するブレーキペダル検出部23が設けられ、これら各検出部21〜23の出力信号はマイクロコンピュータ等から成る制御手段25に出力され、制御手段25により、車速、アクセルペダル9の踏み込み量、ブレーキペダルの踏み込み量それぞれの検出が行われる。 【0021】また、図1に示すように、非常停止スイッチ27が設けられ、この非常停止スイッチ27が操作されると、この非常停止スイッチ27からの操作信号が制御手段25に出力され、インバータ13の停止をはじめ、各部の動作を停止するように制御手段25による制御が行われる。 【0022】この制御手段25は、車速検出部21により検出される検出車速Vdよりも、アクセルペダル9の踏み込み量に基づく指令速度Vsが小さいかどうかを判定し、指令速度Vsが検出車速Vdよりも小さい(Vs<Vd)と判断できるときに、検出車速Vdと指令速度Vsとの差ΔV(=Vd−Vs)に応じた制動トルクを発生するように走行モータ3の回生制動制御を行う。 【0023】このとき、例えば図3(a)に示すような、検出車速Vdと指令速度Vsとの差ΔV(=Vd−Vs)と、この差ΔVに応じた制動トルクとの関係を求め、速度差ΔVの各数値ごとの制動トルクをテーブル化してROM等のメモリに予め格納しておき、操作者によるアクセルペダル9の操作により、検出車速Vdと指令速度Vsとの差ΔVが生じたときに、その差に対応する制動トルクをメモリから読み出し、読み出した制動トルクを発生するように、制御手段25によりインバータ13を制御して走行モータ3の回生制動制御を行えばよい。 【0024】このように、指令速度Vsが検出車速Vdよりも小さいときには、操作者がアクセルペダル9の踏み込みを緩めたと判断することができるため、ガソリン車におけるエンジンブレーキと同様の減速制御が可能になるのである。 【0025】更に、制御手段25は、ブレーキペダル検出部23により検出されるブレーキペダルの操作量(ブレーキ踏み込み量)に応じた制動トルクを発生するように、インバータ13を制御して走行モータ3の回生制動制御を行う。このような制御手段25による走行モータ3の回生制動制御が減速制御であり、制御手段25による減速制御処理が減速制御部に相当する。 【0026】このときも、例えば図3(b)に示すような、ブレーキ踏み込み量と発生すべき制動トルクとの関係を求め、これをテーブル化して予めメモリに格納しておき、ブレーキペダル検出部23により検出されるブレーキ踏み込み量をに対応する制動トルクをメモリから読み出し、読み出した制動トルクを発生するように、制御手段25によりインバータ13を制御して走行モータ3の回生制動制御を行えばよい。 【0027】ところで、図1に示すように、電磁ブレーキ29が設けられ、制御手段25の制御により、電源スイッチであるメインコンタクタ11がオンしている間、電磁ブレーキ29は作動されず、メインコンタクタ11がオフすることによって電磁ブレーキ29は作動される。ここで、例えば図2に示すように、走行モータ3の回転軸31の回転は減速機33により減速されて車輪35に伝達されるが、電磁ブレーキ29は走行モータ3の回転軸31に直結し、走行モータ3の回転軸31をロックしてその回転を停止させるようにするのが望ましく、こうすると電磁ブレーキ29をコンパクト化することが可能になる。尚、電磁ブレーキ29は、走行モータ3と減速機33との間に配設されていても構わない。 【0028】また、アクセルペダル9の操作がなく、かつ停止状態が予め定められた一定時間以上継続する場合に、制御手段25により電磁ブレーキ29が作動され、しかも走行モータ3の駆動による走行中に、上記した非常停止スイッチ27が操作されたときにも、制御手段25により電磁ブレーキ29が作動されるようになっている。このような制御手段25による電磁ブレーキ29の制御が停止制御であり、制御手段25による停止制御処理が電磁ブレーキ制御部に相当する。 【0029】従って、上記した実施形態によれば、走行モータ3の回生制動の制動トルクを利用した減速制御、及び、メインコンタクタ11のオフ時における電磁ブレーキ29の作動による停止制御を行うようにしたため、従来のようなサイドブレーキ用にも使用される機械式ブレーキを設ける必要がなくなり、構成を簡素化と同時にコストの低減を図ることが可能になる。 【0030】しかも、メインコンタクタ11のオフ時には、自動的に電磁ブレーキ29が作動されるため、従来のようなサイドブレーキのかけ忘れが生じることもなく、安全性の向上を図ることができる。 【0031】また、アクセルペダル9の操作がなく、かつ停止状態が一定時間以上継続することを条件として停止制御を行うようにしたため、車両本体1が停止したと判断できるときにのみ駐停車を行うことができ、確実な駐停車が可能になる。 【0032】更に、非常停止スイッチ27の操作時にも電磁ブレーキ29を作動させるため、緊急時における非常停止が可能になり、安全性をよりいっそう向上することができる。 【0033】また、アクセルペダル9の操作量に基づく指令速度Vsが検出車速Vdよりも小さいときには、操作者がアクセルペダルの踏み込みを緩めたと判断できるため、ガソリン車におけるエンジンブレーキと同様に、操作者の意図に合致した減速が可能になる。しかも、ブレーキ踏み込み量に応じて、走行モータ3の回生制動による制動トルクを発生するため、機械式ブレーキがなくても、操作者は通常のブレーキペダルを操作するのと同じ感覚で違和感なくブレーキ操作をすることができる。 【0034】なお、上記した実施形態では、非常停止スイッチ27を設け、この非常停止スイッチ27の操作時にも電磁ブレーキ29を作動させるようにした場合について説明したが、必ずしもこのような非常停止スイッチを設ける必要はない。 【0035】また、上記した実施形態では、ブレーキペダルを設けてその操作量に応じて走行モータ3の回生制動による制動トルクを発生するようにしているが、特にブレーキペダルを設けなくてもよいのは勿論であり、この場合、ブレーキペダルの操作が不要になって操作者の負担を軽減することができる。また、坂道発進などを容易にするために、別の操作スイッチなどによって強制的に電磁ブレーキを動作させ、それと同時にアクセルを踏み、モータの駆動力が上がったところで電磁ブレーキをOFFさせる発進も可能である。 【0036】更に、上記した実施形態では、カウンタバランス型フォークリフトに本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用可能な範囲はこれに限定されるものではなく、その他のバッテリフォークリフトや電気車両であってもよく、要するに回生制動可能なバッテリを駆動源とするモータを備えた電気車両であればどのような構成であっても構わない。 【0037】また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。 【0038】 【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明によれば、減速制御部による走行モータの回生制動の制動トルクを利用した減速制御、及び、電磁ブレーキ制御部による電源スイッチのオフ時における電磁ブレーキの作動による停止制御を実行できるため、従来のような機械式ブレーキが不要になり、構成を簡素化すると共にコストの低減を図ることが可能になる。 【0039】更に、電源スイッチのオフ時に自動的に電磁ブレーキが作動するため、駐車時において従来のようなサイドブレーキのかけ忘れが生じることもなく、安全性の向上を図ることが可能になる。 【0040】また、請求項2に記載の発明によれば、アクセルペダルの操作がなく、かつ停止状態が一定時間以上継続することを条件として停止制御を行うため、確実な停止制御により車両を駐停車させることが可能になる。 【0041】また、請求項3に記載の発明によれば、非常停止スイッチの操作時にも電磁ブレーキを作動させるため、緊急時における非常停止が可能になり、安全性の向上を図ることが可能になる。 【0042】また、請求項4に記載の発明によれば、アクセルペダルの操作量に基づく指令速度が検出車速よりも小さいときには、操作者がアクセルペダルの踏み込みを緩めたと判断できるため、自動車におけるエンジンブレーキと同様に減速制御を行うことにより、操作者の意図に合致した減速が可能になる。 【0043】また、請求項5に記載の発明によれば、ブレーキペダル検出部により検出されるブレーキペダルの操作量に応じて、モータの回生制動による制動トルクを発生するようにしたため、機械式ブレーキがなくても、操作者は通常のブレーキペダルを操作するのと同じ感覚で違和感なくブレーキ操作をすることが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000232807 【氏名又は名称】日本輸送機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月19日(2000.9.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−101501(P2002−101501A) |
| 【公開日】 |
平成14年4月5日(2002.4.5) |
| 【出願番号】 |
特願2000−284379(P2000−284379) |
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