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【発明の名称】 ディーゼル鉄道車両用モニタリング装置
【発明者】 【氏名】鈴木 一也

【氏名】市毛 修

【氏名】大河原 貞男

【氏名】佐藤 敏雄

【要約】 【課題】作業効率がよく配線作業コストの上昇を招くことなく端末局とモニタ局の間で運行情報の伝送をすることができるディーゼル鉄道車両用モニタリング装置を提供することである。

【解決手段】ディーゼル鉄道車両における運行情報を端末局で収集しモニタ局に伝送しモニタ局で格納保存しておくディーゼル鉄道車両用モニタリング装置であり、モニタ局と端末局はそれぞれ端末局で収集した運行情報を無線により伝送を行う無線部を備え、モニタ局は格納保存した運行情報のうち所望の情報に基づいて故障検出を行う検出処理手段を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ディーゼル鉄道車両における運行情報を端末局で収集しモニタ局に伝送しモニタ局で格納保存しておくディーゼル鉄道車両用モニタリング装置において、モニタ局と端末局はそれぞれ端末局で収集した運行情報を無線により伝送を行う無線部を備え、モニタ局は格納保存した運行情報のうち所望の情報に基づいて故障検出を行う検出処理手段を備えていることを特徴とするディーゼル鉄道車両用モニタリング装置。
【請求項2】上記請求項1に記載のものにおいて、モニタ局は端末局との交信の中断があると中断のあった時刻以降について記憶部の情報格納領域を空白としておき、その後、端末局に送信要求を再出し送信受信が復活すると、交信の中断のあった時刻情報を端末局に送信し、その送信に基いて端末局から送信されてくる交信の中断のあった時刻以降の運行情報を交信の中断により空白となっている記憶部の情報格納領域に格納しておくものであることを特徴とするディーゼル鉄道車両用モニタリング装置。
【請求項3】上記請求項1に記載のものにおいて、モニタ局と端末局の無線部はスペクトラム拡散方式で無線を行うものであることを特徴とするディーゼル鉄道車両用モニタリング装置。
【請求項4】上記請求項1に記載のものにおいて、検出処理手段は格納保存した運行情報のうち複数の所望の情報に基づいて故障検出を行うものであることを特徴とするディーゼル鉄道車両用モニタリング装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼル鉄道車両用モニタリング装置に係わり、特に、制御装置などの近辺に設けた端末局で収集した走行中や停止中における運行情報を運転席近辺などに設けたモニタ局に無線を使用して伝送してモニタ局で格納保存しておくとともに制御装置やディーゼルエンジンなど諸設備で発生する故障を検出できるワイヤレス型のディーゼル鉄道車両用モニタリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル鉄道車両(以下、車両と略記する)においては、分散している制御装置の情報などを時系列に並べることで、車両における走行中や停止中のディーゼルエンジン(以下、エンジンと略記する)や各種制御装置の動作状態がシステム的にわかる。
【0003】従来、車両搭載のエンジンや制御装置などの状態をモニタリングする設備を備えた車両では、走行中や停止中の運行情報(以下、データと略記する)をセンサから収集する端末局と収集したデータを格納保存しておくモニタ局の間を車両の新規製作時に計画的に電線ケーブルや光ケーブルによる有線で結合し、端末局とモニタ局の間でデータの伝送(データ伝送)できるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術においてはモニタリング設備を備えていない既存の車両に、新たにエンジンや制御装置のデータを収集するセンサや端末局とモニタ局を設置しようとする場合、既存車両の外装や内装を外したり、既に設置してある機器の間隙をぬって配線作業をしなければならず、作業効率が悪く配線作業コストが高くなる問題があるだけでなく、故障情報や動作状態を検出する為のセンサの追加に伴う改修費用がかさむという問題があった。
【0005】新規製作の車両でも、配線本数やセンサ取付数の増加は、機械設計や作業計画を困難にするだけでなく製作日数の低減において好ましくない。
【0006】それゆえ本発明の目的は、作業効率がよく配線作業コストの上昇を招くことなく端末局とモニタ局の間で運行情報の伝送をすることができるディーゼル鉄道車両用モニタリング装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、既存車両のとってはセンサの追加が少なくて改修費用が安くてすむディーゼル鉄道車両用モニタリング装置を提供することにある。
【0008】さらに本発明の他の目的は、新規製作の車両にとっては、配線本数やセンサ取付数を減少することができ、機械設計や作業計画を容易にするだけでなく製作日数を低減することができるディーゼル鉄道車両用モニタリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の特徴とするところは、ディーゼル鉄道車両における運行情報を端末局で収集しモニタ局に伝送しモニタ局で格納保存しておくディーゼル鉄道車両用モニタリング装置において、モニタ局と端末局はそれぞれ端末局で収集した運行情報を無線により伝送を行う無線部を備え、モニタ局は格納保存した運行情報のうち所望の情報に基づいて故障検出を行う検出処理手段を備えていることにある。
【0010】また、本発明の特徴は、モニタ局は端末局との交信の中断があると中断のあった時刻以降について記憶部の情報格納領域を空白としておき、その後、端末局に送信要求を再出し送信受信が復活すると、交信の中断のあった時刻情報を端末局に送信し、その送信に基いて端末局から送信されてくる交信の中断のあった時刻以降の運行情報を交信の中断により空白となっている記憶部の情報格納領域に格納しておくものであることにある。
【0011】本発明の他の特徴は、モニタ局と端末局の無線部はスペクトラム拡散方式で無線を行うものであることにある。
【0012】さらに本発明の他の特徴は、検出処理手段は格納保存した運行情報のうち複数の所望の情報に基づいて故障検出を行うものであることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態例を図に基づいて説明する。図1は、本発明に係わるワイヤレス型モニタリング装置を搭載したディーゼル鉄道車両を示す図である。
【0014】図1においてDCは車両(ディーゼル鉄道車両)であるHsは本発明のワイヤレス型のモニタリング装置を構成するモニタ局(中央局或いは親局)Sa,Sb〜Sxは本発明のワイヤレス型のモニタリング装置を構成する端末局(子局)で、端末局の数は情報を取込む機器の数によって決まる。図1では車両DCが左方向に進行するとし、運転席近辺にホスト局を設置し、車掌席近傍に最後の端末局Sxを設置した形であるが、逆の方向に進行する場合には図における端末局Sxがホスト局、ホスト局が最後の端末局Sxに機能逆転できるようになっている。また、図では1両のみであるが、客車を1台以上連結している場合には、各客車の制御装置近傍にも端末局を設けると良い。
【0015】Aはモニタ局Hsや端末局Sa,Sb〜Sxにおける無線用アンテナでありモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxの間はスペクトルラム拡散方式無線(SS無線)を使用してデ−タ伝送を行っているSS無線の使用により、周波数スペクトルラムを広帯域に広げて送受信を行うことができ、他の無線設備からの干渉を受け難く、周波数帯域が車両搭載機器に比べ高く、かつ、使用電力量が小さいことから車両搭載の電子装置への影響が生じない。
【0016】モニタ局Hsと最後の端末局Sx以外の端末局Sa,Sb〜は各車両床下などに配置された制御装置などの各機器の動作状況をセンサで電気信号として取り込むものであるので、それらセンサとの接続配線に都合のよい適宜な位置に設置される。また、モニタ局Hsは運転席近辺に配置された各機器の動作状況をセンサで電気信号として取込めるように各端末局と同等の機能も持たせている次に図2によりモニタ局Hs(Sx)と各端末局Sa,Sb〜のハード構成について説明する各端末局SaSb〜は同一構成であるため端末局Saを代表として説明する最後の端末局Sxは上記したように進行方向によってはモニタ局Hsになり得るが、ここでは端末局として説明する。
【0017】モニタ局Hsは各端末局Sa,Sb〜Sxとの交信(送信や返信あるいは受信)をするための無線部11時計(CLOCK)12交信処理や情報収集をした機器の故障検出及び子局機として機器の情報収集処理を行う処理部(CPU)13交信や情報収集の処理プログラム或いは収集したデータを用いて情報収集をした機器の動作状況を診断する故障検出の処理プログラム(故障検出手段)を内蔵した記憶部(ROM)14端末局として機器から収集するデータのうちディジタル信号をポート15から入力するディジタル信号入力部(Di)16同様に機器から収集のデータのうちアナログ信号をポート17から入力するアナログ信号入力部(Ai)18Ai18で取り込んだアナログ信号をディジタル信号に変換する変換器(A/D)19Di16やAi18から取り込んだ機器のデータを一時的に格納しておく格納部(RAMa)20RAMa20に格納されたデータや各端末局Sa,Sb〜Sxが収集した機器のデータを無線部11を介して交信で得て各端末局Sa,Sb〜Sx毎に時系列的(時刻データと共に)に蓄積しておく収集データ蓄積部(RAMb)21車両編成毎に付けられた他の車両編成とすれ違った時などに混信を生じない(同一交信システムを持つものが近くにあっても干渉を受けない)ようにする番号を設定しておくグループ番号設定部(GNP)22無線11〜GNP22を接続するバス23そして列車の1回や1日の運行でRAMb21に蓄積したデータ或いは記憶部14の故障検出プログラムで検出した故障情報などをパソコンPMやモニタに伝送するインターフェース24とポート25を備えている【0018】端末局Saはモニタ局Hsとの交信(送信や返信あるいは受信)をするための無線部31時計(CLOCK)32交信処理や機器の情報収集処理を行う処理部(CPU)33交信や情報収集の処理プログラムを内蔵した記憶部(ROM)34機器から収集するデータのうちディジタル信号をポート35から入力するディジタル信号入力部(Di)36同様にアナログ信号をポート37から入力するアナログ信号入力部(Ai)38Ai38で取り込んだアナログ信号アナログ信号をディジタル信号に変換する変換器(A/D)39Di36やAi38から取り込んだ機器のデータを収集個所の番号(計測地番)とともに一時的に格納しておく格納部(RAMa)40RAMa40に格納されたデータを機器毎に時系列的(時刻データと共に)に蓄積しておく収集データ蓄積部(RAMb)41モニタ局Hsと同様に他の車両編成とすれ違った時などに混信を生じないようにする番号を設定しておくグループ番号設定部(GNP)42そして無線部31〜GNP42を接続するバス43を備えているなおモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxは電源部を備えているが図示は省略したモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜SxはCLOCK1232の設定時刻とGNP22,42の設定グループ番号が同一であり立ち上げ処理の際にその一致化が図られる設定グループ番号が同一であることにより他の同一交信システムを持つものが発信している無線波は受信しないで自己のグループが(1列車編成内で)発信している無線波のみを取り込むようにしているまた各端末局Sa,Sb〜Sxには子局番号が割り付けられ各端末局Sa,Sb〜SxのGNP42に設定される従ってモニタ局Hsから送信要求が出された場合各端末局 Sa,Sb〜Sxは送信要求に付けられた子局番号で自局に対する要求かどうかを判断して適宜な交信を行う【0019】列車運行中にモニタ局Hsは各端末局 Sa,Sb〜Sxからデータ収集を一巡するとそれで終了としないで1回や1日の列車運行中交信を行いデータ収集を継続するのでその繰り返しが容易に分かるようにCPU1333は情報収集時に収集データにシリアル番号を付けてRAMa20,40やRAMb21,41に格納し一巡毎にシリアル番号を更新させていく収集データに付けられるシリアル番号や時刻データは後述するようにモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxの間で無線交信が途絶えその後復活した場合にモニタ局Hsでの収集データ蓄積に有効となるなおモニタ局Hs内でのデータ収集は無線でなくバス23を通して行う【0020】以下図3に基づいてモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxの立上げ処理と機器の情報収集処理および終了処理について説明する図3(イ)に示す立上げ処理ではモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxが起動されるとモニタ局Hsは各端末局Sa,Sb〜Sxの数を確認し順次局番a,b〜xを割り付けていく各端末局Sa,Sb〜Sxではモニタ局Hsが割り付けた局番a,b〜xをそれぞれRAMa40に格納しておくそしてシリアル番号を初期化し各端末局Sa,Sb〜Sxに初期化後のシリアル番号とCLOCK12の時刻データを送信し各端末局Sa,Sb〜Sxのシリアル番号とCLOCK32の時刻データを一致させるその後モニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxは交信処理に入るなおシリアル番号と時刻データは各端末局Sa,Sb〜SxにおいてそれぞれのRAMa40に格納されて更新されていく図3では交信(1)〜(n)の表示をしているがその数値にシリアル番号が対応する即ちシリアル番号は交信のモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxで繰り返し行われる交信の順を表す番号である(1)〜(n)で示した各交信処理は図3(ロ)に示すようにモニタ局内での交信に続いてモニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxとの間で行われ最後にリトライ処理があってこれが1回の交信で同一交信処理がn回繰り返されて終了となる【0021】モニタ局Hsと各端末局Sa,Sb〜Sxは交信処理を行う一方でポート15,17,35,37を介して車両における機器の動作状況を電気信号化して取り込みディジタル信号の形でRAMa20,40に一時的に格納しておくその際ディジタル信号にはバックアップのためシリアル番号と時刻データが一緒に付けられるRAMa20,40に一時的に格納されるデータ量は一回の交信が終了する間に機器から収集した(取り込んだ)量とする【0022】さて交信でモニタ局Hsに情報を収集することを図3(ハ)(ニ)で詳細に説明する図3(ハ)ではモニタ局での例を示しているが他の各端末局Sa,Sb〜Sxとの交信でも同じ交信が行われる先ずモニタ局Hsから送信要求が出されるこの要求には返答させる局番が付けられるので送信要求を受信しても同一局番以外は返答しないなお後述するように交信している局との交信が終わったところで次の局番に更新されるモニタ局Hsからの送信要求に続いてグループ番号,シリアル番号および時刻データが送信されるすると要求された端末局側ではモニタ局に対し返信回答に続いて同じグループであることをモニタ局に確認させるためのグループ番号,何回目の交信であるかの確認のための時刻データとともに収集データを送信し最後に終了信号を付けている【0023】収集データは図3(ニ)のようにディジタル信号のバイト,アナログ信号をディジタル信号化したバイトおよび予備のバイトから構成されている予備バイトは後日設備にセンサが追加され動作状況をモニタ局Hsに送信するデータが発生することを予測して予備として設けておくものであるディジタル信号とアナログ信号にはそれぞれ計測地番を付けているが図3では省略している端末局からモニタ局Hsに返信中の各種データはモニタ局に上手く受信され続ければよいが電波障害が生じ上手く受信されないことが往々にして発生する各局との交信には一定時間が割り当てられ割り当てられた時間が経つと終了信号がつけられていることによってその局との交信は打ち切られ次の局との交信にシフトする終了信号を送ると端末局Sa側ではRAMa40に格納してあった各種データをRAMb41に移し替え新たなデータの収集をしてRAMa40に次の交信のための用意をする【0024】モニタ局Hsは終了信号を受信すると送信要求に付ける端末局番号を更新し,次の端末局に送信要求を出すそしてモニタ局Hsは受信したデータをRAMb21に蓄積していくそれで図3(ロ)のように順次端末局との交信が行われ最後の端末局Sxとの交信が終了すると図4に示すようにしてリトライ処理が行われるなおリトライ処理と故障検出処理がソフト処理でありその他は以上説明したようにシーケンス処理であるのでそのフローの図示は省略した【0025】さてこのリトライ処理は図4のように一定時間内に行うべくタイマがスタートされ(ステップ101)モニタ局Hsが端末局と交信中に電波が途絶えRAMb21にデータが格納されていない個所を探してその空きができている個所の端末局番号,シリアル番号,時刻データを得て該当の端末局に送信要求を出すものである(ステップ102)そのときの送受信は図3(ハ),(ニ)と同様に実施される【0026】モニタ局Hsはリトライ処理で指定した端末局から返信回答があると(ステップ103)その返信中から時刻データで指定されたデータをRAMbの空白になっている場所にそのデータを格納し収集データの連続性を持たせる受信処理を行う(ステップ104)リトライ処理にも終了信号が付いておりモニタ局Hsは終了信号を受信すると新たな交信に入るためシリアル番号を更新し図3(ロ)のようにモニタ局を新たな交信のスタートとしてモニタ局内のRAMa20におけるデータをRAMb21に格納する返信回答がない場合にはリトライ処理として割り付けられた時間内かどうかを判断し(ステップ105)その時間内であればステップ102に戻ることで送信要求を繰り返して出しそれでも返信回答を受信できない時(タイムアウトの場合)はその交信を終了しシリアル番号を更新し次の新たな交信を開始する【0027】従ってリトライ処理をしても受信できない場合に限ってモニタ局HsのRAMb21に空きができることになるしかしながらある交信で空きができたとしても前後の交信で受信があってRAMb21に格納された同種のデータに変化が見られない時は異常がなかったものとして取り扱うことができるそのような分析はその車両の運転が終わったところでパソコンPMやモニタの画面にデータを表示させたりパソコンPMに異常値が含まれているか否かの判断をさせる場合に確認することができる【0028】また終了処理を行う時にモニタ局HsのRAMb21における全ての空きを検索し空きを検出できたら該当端末局の番号,シリアル番号,時刻データなどを読み出して該当する端末局にリトライ処理として送信要求を出し指定するデータを送信させて空きを埋めるようにしてもよい【0029】図3(ハ)におけるモニタ局Hsが出す送信要求と端末局からの返信回答は割り付けられた時間内に繰り返して互いに出すことで端末局から収集データを分割して送らせるようにしてもよいそうするとこの交信の間に出される送信要求はリトライ処理の送信要求と同様の効果を持つようになって交信が一時的に途絶えた場合にRAMb21の空きが大幅に低減されその交信の最後に実行されるリトライ処理の負担が大幅に軽減できる以上のようにモニタ局Hsと端末局Sa,Sb〜Sxを適宜に設置するだけでこれらの間を配線で接続することなく機器の動作状況に関するデータを収集することができる次に、収集したデータを用いて機器に故障がないかどうか確認をするホスト局Hsで行う故障検出について説明する。
【0030】図5に一例を示す車両における故障検出フロー(故障検出手段)はホスト局HsのROM14に格納されている。
【0031】モニタリング設備を備えていない既設の車両においては、エンジン機関の故障を検知するセンサを備えておらず、故障発生時の故障信号がないので車両に搭載の各機器のデータ(動作信号)を組み合わせて故障検出の論理を組み、故障検出を行う構成にしている。
【0032】データは図3のRAMb21に格納しており、故障検出はその車両の運転が終わったところで実行する。運転中に異常に気付いた場合には最寄りの駅に停車した時点で図3に示すパソコンPMにデータを表示させ実行することもできる。
【0033】故障検出処理を燃料制御系の故障,逆転機系の故障,変速機系の故障並びにエンジン系の故障を例にとって説明する。
【0034】故障検出処理を開始すると、先ず、燃料制御関係のデータ読み出しを行う(ステップ201)。この場合のデータは、図6(イ)に示す前進指令信号または後進指令信号,1km/h以上の車両速度,力行信号そして700rpm以下のエンジン回転数であり、図6(イ)に示す判断論理で故障があるかどうかの判断を行う(ステップ202)。この時の故障がなければ、次の検出のデータ読み出し(ステップ204)に進むが、故障が検出された場合はステップ203で故障表示をしてからステップ204に進む。
【0035】以下、同様にしてデータ読み出しと故障検出判断と故障表示を順次行って(ステップ204〜206,207〜209,210〜212)、終了する。
【0036】以下故障の状況について説明する。図6(イ)の燃料制御関係の故障検出であるが、車両を動かすための前進指令信号または後進指令信号のいずれかの力行指令信号があり、車両速度がある速度以上で、かつ、力行指令信号がある値の時の合成信号とエンジン回転数の取込み情報がある値以下の場合、燃料制御回路の故障指令を出す構成としている。また、エンジン回転数等機械系からの取込み情報と力行指令信号等の電気系信号との同期化を図るために、電気系信号に遅れを持たせる構成としている。即ち、車両が走行している状態で、エンジンの回転数がアイドリング回転以下の時にエンジンの燃料制御が故障したと検出する構成としている。
【0037】これにより、燃料制御の故障検出センサを備えていない既存の車両おいてはセンサを付加することなく燃料制御系の故障検出ができるし、新設の車両では同種のセンサを設けることなく、故障検出ができるので、配線作業は容易になるし、製作日程を短縮できる。
【0038】図6(ロ)は逆転機関係の故障検出で、上記(イ)と同様に車両を動かすための力行指令信号(前進指令信号または、後進指令信号のいずれか)の反転信号があり、車両速度がある速度以上で、かつ、力行指令信号がある値の時の合成信号とエンジン回転数の取込み情報がある値以上の場合、逆転機関係に故障ありとの判断を出す構成としている。即ち、車両が走行している状態で、かつ、力行指令信号が1ノッチ以上でエンジンの回転数が規定の回転以上の時に逆転機関係が故障したと検出する構成としている。
【0039】これにより、逆転機関係の故障検出センサを備えていない車両おいて逆転機関係の故障検出ができ、(イ)の場合と同様の効果が得られる。
【0040】図6(ハ)は変速機関係の故障検出で、上記(イ)と同様に車両を動かすための力行指令信号(前進指令信号または、後進指令信号のいずれか)があり、車両速度がある速度以上で、かつ、力行指令信号がある値の時の合成信号と変速機電磁弁信号または変速機直結信号のいずれかの反転信号と運転表示灯信号の合成とある場合、変速機関係の故障指令を出す構成としている。即ち、車両が走行している状態で、かつ、力行指令信号が1ノッチ以上で変速機電磁弁信号または変速機直結信号等がない時に変速機関係が故障したと検出する構成としている。
【0041】これにより、変速機関係の故障検出センサを備えていない車両おいて変速機関係の故障検出ができる。
【0042】図6(ニ)はエンジンの故障検出を示すもので、冷却水温度上昇信号または、機関関係油温度上昇信号、または、変速機関係油温度上昇信号のいずれかがある場合、温度異常の故障指令を出す構成としている。
【0043】これにより、温度異常の故障検出センサを備えていない車両において温度異常の故障検出ができる。
【0044】これらのデータは運転席での運行操作や機器における既存のセンサから得られホスト局に収集されるデータであり格段のセンサを増設あるいは新設する必要がないことから、配線は楽になり機器の動作状況や故障状況、さらには故障時の原因究明が容易にできる。
【0045】そして、端末局とモニタ局の間のデータ伝送はSS無線を使用することで、外装や内装を剥がしたり既に設置してある機器の間隙をぬうような大掛かりな艤装配線の引き回しが不要となり、作業効率は良く配線作業コストが掛からないし、新規製作の車両でも配線本数やセンサ数が減ることから機械設計や作業計画は容易になり製作日数を低減できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、作業効率がよく配線作業コストの上昇を招くことなく端末局とモニタ局の間で運行情報の伝送をすることができる。また、モニタ局の検出処理手段で収集し格納保存した運行情報に基づいて故障検出をすることができる。
【出願人】 【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】000233077
【氏名又は名称】株式会社 日立インダストリイズ
【出願日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【代理人】 【識別番号】100074631
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
【公開番号】 特開2002−95116(P2002−95116A)
【公開日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【出願番号】 特願2000−281025(P2000−281025)