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【発明の名称】 車両用駆動装置
【発明者】 【氏名】鮫島 勉

【要約】 【課題】ギアユニットに起因する振動や騒音を防止する。

【解決手段】VVVF形インバータ12で制御され駆動軸11aを有する駆動モータ11と車輪8,9に直結された車軸7との間を一対の歯車からなるギアユニット10で連結した車両用駆動装置において、駆動軸11aのトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器13と、車軸7のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器14と、各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段15と、判定信号を出力する出力手段16とを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、上記駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、上記車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、上記各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段と、上記判定信号を出力する出力手段とを備えた車両用駆動装置。
【請求項2】 VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、上記駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、上記車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、上記ギアユニットの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出器と、上記各トルク検出信号が零のときに上記振動検出信号が判定レベルを超えたとき判定信号を出力する判定手段と、上記判定信号を出力する出力手段とを備えた車両用駆動装置。
【請求項3】 VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、上記駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、上記車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、上記各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段と、上記判定信号により上記インバータを制御して一対の歯車が当接するように、上記駆動モータに微小の付加トルクを発生させる制御手段とを備えた車両用駆動装置。
【請求項4】 VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、上記駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、上記車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、上記ギアユニットの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出器と、上記各トルク検出信号が零のときに上記振動検出信号が判定レベルを超えたとき判定信号を出力する判定手段と、上記判定信号により上記インバータを制御して一対の歯車が当接するように、上記駆動モータに微小の付加トルクを発生させる制御手段とを備えた車両用駆動装置。
【請求項5】 VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、上記駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、上記車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、上記各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段と、上記車軸に駆動力を伝達する補助モータと、この補助モータを駆動する補助インバータと、上記判定信号により上記インバータを制御して一対の歯車が当接するように、上記駆動モータに微小の付加トルクを発生させると共に、上記補助インバータを制御して上記付加トルクと同一の大きさで反対方向の補助トルクを上記補助モータに発生させる制御手段とを備えた車両用駆動装置。
【請求項6】 VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、上記駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、上記車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、上記ギアユニットの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出器と、上記各トルク検出信号が零のときに上記振動検出信号が判定レベルを超えたとき判定信号を出力する判定手段と、上記車軸に駆動力を伝達する補助モータと、この補助モータを駆動する補助インバータと、上記判定信号により上記インバータを制御して一対の歯車が当接するように、上記駆動モータに微小の付加トルクを発生させると共に、上記補助インバータを制御して上記付加トルクと同一の大きさで反対方向の補助トルクを上記補助モータに発生させる制御手段とを備えた車両用駆動装置。
【請求項7】 振動検出器は駆動軸の回転数の整数倍の振動成分を検出することを特徴とする請求項2、請求項4又は請求項6に記載の車両用駆動装置。
【請求項8】 付加トルクは正方向と負方向とを0.5〜1Hzで交互に発生させることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ギアユニットで発生する振動を低減させるようにした車両用駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の車両用駆動装置を示す構成図である。図6において、駆動モータ1はVVVF形インバータ2により制御される。駆動モータ1の発生したトルクは駆動軸1aから、大小の一対の歯車(図示せず)からなるギアユニット3を介して車軸4に伝達される。一般に、インバータ2により駆動モータ1をトルク一定制御して加速し、車輪5,6が所定の回転数に達すると、駆動モータ1がトルクを発生しないようにして惰行運転に移行する。しかし、惰行運転時においても駆動モータ1、ギアユニット3内の歯車(図示せず)及び車軸4は所定の回転数で回転している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両用駆動装置は以上のように構成されているので、惰行運転時には車輪5,6に作用する摩擦力により車軸4に微小なトルクが作用する。この状態では、ギアユニット3の一対の歯車(図示せず)間にバックラッシは存在しない。そして、ギアユニット3内の摩擦のために駆動軸1aにはトルクが殆ど作用しない。しかし、車両が惰行運転時にギアユニット3の歯車(図示せず)間のトルクが零になる場合が発生する。すなわち、駆動軸1a、ギアユニット3内の歯車(図示せず)及び車軸4に作用するトルクがすべて零になる。ギアユニット3内の一対の歯車(図示せず)間には遊びがあるので、駆動軸1aと車軸4との間はギアユニット3を介してトルクの伝達がない状態である。このような状態で車両がレールの継ぎ目やポイント等を通過すると、通過時のショックでギアユニット3内の一対の歯車(図示せず)が互いに当接したり離れたりして振動が発生する。これにより発生する振動は駆動モータ1の回転数の整数倍を主成分とする振動数を有する。このようにして発生した振動は駆動モータ1を支持している台車(図示せず)を介して伝達されると、振動や騒音となって放射され乗客に不快感を与えるという問題点があった。この発明は、ギアユニットに起因する振動や騒音を防止することができる車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる車両用駆動装置は、VVVF形インバータで制御され駆動軸を有する駆動モータと車輪に直結された車軸との間を一対の歯車からなるギアユニットで連結した車両用駆動装置において、駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段と、判定信号を出力する出力手段とを備えたものである。また、駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、ギアユニットの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出器と、各トルク検出信号が零のときに振動検出信号が判定レベルを超えたとき判定信号を出力する判定手段と、判定信号を出力する出力手段とを備えたものである。
【0005】また、駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段と、判定信号によりインバータを制御して一対の歯車が当接するように、駆動モータに微小の付加トルクを発生させる制御手段とを備えたものである。また、駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、ギアユニットの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出器と、各トルク検出信号が零のときに振動検出信号が判定レベルを超えたとき判定信号を出力する判定手段と、判定信号によりインバータを制御して一対の歯車が当接するように、駆動モータに微小の付加トルクを発生させる制御手段とを備えたものである。また、駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、各トルク検出信号が零のときに判定信号を出力する判定手段と、車軸に駆動力を伝達する補助モータと、この補助モータを駆動する補助インバータと、判定信号によりインバータを制御して一対の歯車が当接するように、駆動モータに微小の付加トルクを発生させると共に、補助インバータを制御して付加トルクと同一の大きさで反対方向の補助トルクを補助モータに発生させる制御手段とを備えたものである。
【0006】また、駆動軸のトルクを検出して第1のトルク検出信号を出力する第1のトルク検出器と、車軸のトルクを検出して第2のトルク検出信号を出力する第2のトルク検出器と、ギアユニットの振動を検出して振動検出信号を出力する振動検出器と、各トルク検出信号が零のときに振動検出信号が判定レベルを超えたとき判定信号を出力する判定手段と、車軸に駆動力を伝達する補助モータと、この補助モータを駆動する補助インバータと、判定信号によりインバータを制御して一対の歯車が当接するように、駆動モータに微小の付加トルクを発生させると共に、補助インバータを制御して付加トルクと同一の大きさで反対方向の補助トルクを補助モータに発生させる制御手段とを備えたものである。また、振動検出器は駆動軸の回転数の整数倍の振動成分を検出するようにしたものである。さらに、付加トルクは正方向と負方向とを0.5〜1Hzで交互に発生させるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は実施の形態1の構成図である。図1において、7は台車(図示せず)に回動自在に支持された車軸、8,9は車軸7に固着された車輪、10は噛み合った一対の大歯車(図示せず)と小歯車(図示せず)とが収容されたギアユニットで、大歯車(図示せず)が車軸7に固着され、小歯車(図示せず)が後述の駆動軸に固着されている。11は台車(図示せず)に配置された駆動モータで、駆動軸11aがギアユニット10の小歯車(図示せず)に直結されている。12はVVVF(可変電圧可変周波数)形インバータで、駆動モータ11に交流電力を供給する。13は歪みゲージ等を使用した第1のトルク検出手段で、駆動軸11aのトルクを検出して第1のトルク検出信号13aを出力する。14は歪みゲージ等を使用した第2のトルク検出手段で、車軸7のトルクを検出して第2のトルク検出信号14aを出力する。15は各トルク検出信号13a、14aが入力される判定手段で、各トルク検出信号13a,14aが零のときに判定信号15aを出力する。16は判定信号15aが入力される出力手段で、警報灯や警報音により警報を発する。
【0008】次に動作について説明する。図1において、駆動モータ11がインバータ12により制御されてトルクを出力し車両が加速されているとき、あるいは減速制御されているときは、駆動モータ11が発生したトルクが駆動軸11aからギアユニット10を介して車軸7へ伝達される。そして、各トルク検出器13,14から零ではない各トルク検出信号13a,14aが出力されているので、判定手段15から判定信号15aは出力されない。そして、駆動モータ11が加速されて車両速度が上昇して所定の速度に到達すると、インバータ12から駆動モータ11への電力供給を止めて惰行運転に移行する。そうすると、駆動モータ11がトルクを発生していないので、駆動軸11a及び車軸7にはトルクが作用していない。従って、各トルク検出器13,14の各トルク検出信号13a,14aは零である。そこで、判定手段15は各トルク検出信号13a,14aが零になっているので、判定信号15aを出力する。判定信号15aが入力された出力手段16から警報が出されたら、乗務員が操作スイッチ(図示せず)を操作して、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の付加トルクを駆動モータ11が出力するようにインバータ12に指令する。なお、歯車(図示せず)同士が接触する程度の付加トルクは、実験的に決定する。以上のように、駆動モータ11の駆動軸11aのトルクを第1のトルク検出手段13で検出して第1のトルク検出信号13aを出力し、車軸7のトルクを第2のトルク検出手段14で検出して第2のトルク検出信号14aを出力し、各トルク検出信号13a,14aが零のときに判定手段15から判定信号15aを出力して、判定信号15aにより出力手段16から警報を出すことにより、乗務員がギアユニット10の歯車(図示せず)間に所定の付加トルクを作用させることができるので、振動や騒音を防止することができる。
【0009】実施の形態2.図2は実施の形態2の構成図である。図2において、7〜14は実施の形態1のものと同様のものである。17はギアユニット10の振動を検出する振動検出器で、振動検出信号17aを出力する。18は各トルク検出信号13a、14a及び振動検出信号17aが入力される判定手段で、各トルク検出信号13a,14aが零のときに振動検出信号17aが所定の判定レベルを超えると判定信号18aを出力する。なお、振動検出信号17aの判定レベルは、歯車の噛み合わせ振動等による通常の低いレベルを除去できるように設定されている。19は判定信号18aが入力される出力手段で、警報灯や警報音により警報を発する。次に動作について説明する。図3は図2の信号処理を示す説明図である。図2及び図3において、図3(a)に示すように時間t0 から、駆動モータ11がインバータ12により制御されてトルクを出力し車両が加速されているとき、あるいは減速制御されているときは、発生したトルクが駆動軸11aからギアユニット10を介して車軸7へ伝達されている。この場合は実施の形態1と同様に零以上の各トルク検出信号13a,14aが出力されているので、判定手段18から判定信号18aが出力されない。
【0010】そして、図3(b)に示すように時間t1 で車両速度が所定の速度に到達して惰行運転に移行すると、駆動軸11a及び車軸7にはトルクが作用していないので、各トルク検出信号13a,14aは零である。ここで、車両が惰行運転に移行した後に、図3(c)に示すように時間t2 で振動検出器17から判定レベル以上の振動検出信号17aが出力されたとする。すると、判定手段18は図3(d)に示すように時間t2 でギアユニット10に振動が発生したと判定する。このとき、各トルク検出信号13a,14aが零であり、振動検出信号17aが入力されたので、判定信号18aを出力する。判定信号18aが入力された出力手段19から警報が出されたら、図3(e)に示すように時間t3 で乗務員が操作スイッチ(図示せず)を操作して、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の付加トルクを駆動モータ11が出力するようにインバータ12に指令する。
【0011】以上のように、各トルク検出信号13a,14aが零のときに振動検出器17の振動検出信号17aが判定レベルを超えたとき、判定手段18が出力した判定信号18aにより出力手段19から警報が出されるので、乗務員がギアユニット10の歯車(図示せず)間に所定の付加トルクを作用させることができるため、振動や騒音を防止することができる。実施の形態2において、車両の惰行運転時には振動検出器17は種々の振動を検出する。しかし、ギアユニット1の振動や騒音に主として関連するのは、駆動軸11aの回転数の整数倍の振動成分である。駆動軸11aの整数倍以外の振動成分は突発振動や振動ノイズであることが多い。従って、振動検出器17は駆動軸11aの回転数の整数倍の振動成分のみを検出するようにすることによりデータ処理量を減らすことができる。
【0012】実施の形態3.図4は実施の形態3の構成図である。図4において、7〜15は実施の形態1のものと同様のものである。20は判定信号15aが入力される制御手段で、判定信号15aが入力されると、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータ11が出力するようにインバータ12に指令する。次に動作について説明する。図4において、車両が所定の速度に到達して惰行運転に移行すると、駆動モータ11がトルクを発生していないので、駆動軸11a及び車軸7にはトルクが作用していない。従って、各トルク検出信号13a,14aが零になっているので、判定手段15から判定信号15aが出力される。制御手段20に判定信号15aが入力されると、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の付加トルクを駆動モータ11が出力するように、制御手段20がインバータ12に指令する。以上のように、各トルク検出信号13a、14aが零のときに判定手段15から出された判定信号15aが制御手段20に入力されると、制御手段20がインバータ12に指令して、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータ11に適切なタイミングで発生させて、ギアユニット10の歯車(図示せず)間に所定のトルクを作用させるため、振動や騒音を防止することができる。なお、実施の形態2における判定手段18から出力された判定信号18aを図4の制御手段20に入力して、駆動モータ11に付加トルクを発生させるようにしても同様の効果を期待することができる。
【0013】実施の形態4.実施の形態3において、駆動モータ11に正方向のトルク、即ち車輪8,9の回転を加速する方向の付加トルクを継続して発生させると、車両の速度が上昇するので、車両の速度上昇の許容範囲内でトルクをギアユニット10の歯車(図示せず)に作用させるのが良い。通常の惰行運転時は駆動モータ11の回転数が2,000〜5,000回転/分(33〜83Hz)である。そして、振動や騒音は駆動モータ11の回転数の整数倍を主成分としている。そこで、駆動モータ11の付加トルクを駆動モータ11の回転数より十分に低い周波数で、正方向及び負方向(車輪8,9の方向を減速する方向)に切り替えることにより、駆動モータ11が外乱に影響されることなく制御を行うことができる。実験の結果では、駆動モータ11が0.5〜1Hzで正方向の付加トルクと負方向の付加トルクとを交互に発生するようにすることにより、安定した制御ができる。なお、駆動モータ11に負方向のトルク、即ち車輪8,9の回転を減速する方向の付加トルクを継続して発生させた場合には、車両の速度が低下するので、同様の制御を行う。
【0014】実施の形態5.図5は実施の形態5の構成図である。図5において、7〜15は実施の形態1のものと同様のものである。21は車軸7に装着された補助モータで、車軸7に駆動力を伝達する。22は補助モータを駆動する補助インバータ、23は判定信号15aが入力される制御手段で、判定信号15aが入力されると、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータ11が出力するようにインバータ12に指令すると共に、インバータ12が発生する付加トルクと同一の大きさで、反対方向の補助トルクを補助モータ21が発生するように補助インバータ22に指令する。次に動作について説明する。図5において、車両が所定の速度に到達して惰行運転に移行すると、駆動モータ11がトルクを発生していないので、駆動軸11a及び車軸7にはトルクが作用していない。従って、各トルク検出信号13a,14aが零になっているので、判定手段15から判定信号15aが出力される。制御手段23に判定信号15aが入力されると、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の付加トルクを間駆動モータ11が出力するように、制御手段23がインバータ12に指令する。さらに、制御手段23はインバータ12が発生する付加トルクと同一の大きさで、反対方向の補助トルクを補助モータ21が発生するように補助インバータ22に指令する。
【0015】以上のように、各トルク検出信号13a、14aが零のときに判定手段15から出された判定信号15aが制御手段23に入力されると、制御手段23がインバータ12及び補助インバータ22に指令して、ギアユニット10の歯車(図示せず)同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータ11に適切なタイミングで発生させて、ギアユニット10の歯車(図示せず)間に所定のトルクを作用させると共に、付加トルクと同一の大きさで、反対方向の補助トルクを補助モータ21に発生させるので、駆動系の出力トルクに影響を与えることなく、振動や騒音を防止することができる。なお、実施の形態2における判定手段18から出力された判定信号18aを図5の制御手段23に入力して、駆動モータ11に付加トルクを発生させると共に、付加トルクと同一の大きさで、反対方向の補助トルクを補助モータ21が発生するようににしても同様の効果を期待することができる。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、駆動モータの駆動軸のトルクを第1のトルク検出手段で検出して第1のトルク検出信号を出力し、車軸のトルクを第2のトルク検出手段で検出して第2のトルク検出信号を出力し、各トルク検出信号が零のときに判定手段から判定信号を出力して、判定信号により出力手段から警報を出すことにより、乗務員がギアユニットの歯車間に所定の付加トルクを作用させることができるので、振動や騒音を防止することができる。また、第1のトルク検出信号及び第2のトルク信号が零のときに振動検出器の振動検出信号が判定レベルを超えたとき、判定手段が出力した判定信号により出力手段から警報が出されるので、乗務員がギアユニットの歯車間に所定の付加トルクを作用させることができるため、振動や騒音を防止することができる。
【0017】また、第1のトルク検出信号及び第2のトルク信号が零のときに判定手段から出された判定信号が制御手段に入力されると、制御手段がインバータに指令して、ギアユニットの歯車同士が接触する程度の付加トルクを駆動モータに適切なタイミングで発生させて、ギアユニットの歯車同士が接触する程度の微小の付加トルクを作用させるため、振動や騒音を防止することができる。また、第1のトルク検出信号及び第2のトルク信号が零のときに振動検出器の振動検出信号が判定レベルを超えたとき、判定手段が出力した判定信号が制御手段に入力されると、制御手段がインバータに指令して、ギアユニットの歯車同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータに適切なタイミングで発生させて、ギアユニットの歯車間に所定の付加トルクを作用させるため、振動や騒音を防止することができる。また、第1のトルク検出信号及び第2のトルク検出信号が零のときに判定手段から出された判定信号が制御手段に入力されると、制御手段がインバータ及び補助インバータに指令して、ギアユニットの歯車同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータに適切なタイミングで発生させて、ギアユニットの歯車間に所定のトルクを作用させると共に、付加トルクと同一の大きさで、反対方向の補助トルクを補助モータに発生させるので、駆動系の出力トルクに影響を与えることなく、振動や騒音を防止することができる。
【0018】また、第1のトルク検出信号、第2のトルク検出信号および振動検出信号が零のときに判定手段から出された判定信号が制御手段に入力されると、制御手段がインバータ及び補助インバータに指令して、ギアユニットの歯車同士が接触する程度の微小の付加トルクを駆動モータに適切なタイミングで発生させて、ギアユニットの歯車間に所定のトルクを作用させると共に、付加トルクと同一の大きさで、反対方向の補助トルクを補助モータに発生させるので、駆動系の出力トルクに影響を与えることなく、振動や騒音を防止することができる。また、振動検出器が駆動軸の回転数の整数倍の振動成分を検出することによりデータ処理量を減らすことができるので、効率の良い制御を行うことができる。さらに、正方向と負方向との付加トルクを0.5〜1Hzで交互に発生させることにより、駆動モータが外乱に影響されることなく安定した制御を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年11月22日(2000.11.22)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄 (外3名)
【公開番号】 特開2002−95110(P2002−95110A)
【公開日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【出願番号】 特願2000−356311(P2000−356311)