| 【発明の名称】 |
車輌の制動力制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】丹羽 悟
【氏名】島田 道仁
【氏名】坂本 淳一
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| 【要約】 |
【課題】所定の前後輪制動力配分比を達成しつつ車輌全体の回生効率を最大にする。
【解決手段】運転者の制動操作量に基づく最終目標減速度Gt及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前後輪の目標制動力Fbft、Fbrtが演算され(S10〜60)、前輪の目標回生制動力FrgftがFbft及び最大回生制動力Frgfmaxの小さい方の値に、また後輪の目標回生制動力FrgrtがFbrt及び最大回生制動力Frgrmaxの小さい方の値に演算され(S70)、目標回生制動力Frgft、Frgrtを上限として回生制動が実行されると共に実際の回生制動力Frgfa、Frgraが演算され(S210〜260)、前後輪の目標摩擦制動力Fbpft、FbprtがそれぞれFbft−Frgfa、Fbrt−Frgraに演算され(S90)、前後輪の摩擦制動力が目標摩擦制動力になるよう摩擦制動装置42が制御される(S100、110)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】前輪及び後輪に回生制動装置及び摩擦制動装置を有する車輌の制動力制御装置にして、運転者の制動要求量及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力を演算し、前輪及び後輪の何れについても前記摩擦制動装置よりも前記回生制動装置を優先して制動力を発生させることにより前輪及び後輪の制動力をそれぞれ前記前輪及び後輪の目標制動力に制御することを特徴とする車輌の制動力制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車輌の制動力制御装置に係り、更に詳細には前輪及び後輪に回生制動装置及び摩擦制動装置を有する車輌の制動力制御装置に係る。 【0002】 【従来の技術】自動車等の車輌の制動力制御装置の一つとして、例えば特開平9−93711号公報に記載されている如く、従動輪に油圧制動装置(摩擦制動装置)を有すると共に駆動輪に回生制動装置及び油圧制動装置を有し、駆動輪の回生制動力が最大値以下の所定値に達したときには、その回生制動力を保持して従動輪の油圧制動を開始し、従動輪及び駆動輪の制動力配分比が所定の配分比になるまで回生制動力の保持を継続するよう構成された制動力制御装置が従来より知られている。 【0003】かかる制動力制御装置によれば、駆動輪の回生制動力が最大値以下の所定値になるよう駆動輪の回生制動を行いつつ従動輪及び駆動輪の制動力配分を所定の配分比に制御することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来の制動力制御装置に於いては、駆動輪の回生制動力が最大値以下の所定値に達すると、その回生制動力を保持した状態にて従動輪の油圧制動が開始され、従動輪及び駆動輪の制動力配分が所定の配分比になるまで回生制動力の保持が継続されるので、回生制動装置の回生効率を最大にすることができず、逆に回生制動装置の回生効率を最大にしようとすると、従動輪及び駆動輪の制動力配分を所定の配分に制御することができない。 【0005】また上記公開公報に記載された制動力制御装置が適用される車輌の従動輪には回生制動装置が設けられておらず、従動輪の制動によっては回生が行われないため、車輌全体の回生効率を高くすることができず、従って上記従来の制動力制御装置にはこの点に於いても改善の余地がある。 【0006】本発明は、回生制動装置及び摩擦制動装置を有する車輌の従来の制動力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、前輪及び後輪に回生制動装置及び摩擦制動装置を有する車輌に於いて、前輪及び後輪の回生制動装置及び摩擦制動装置を最適に作動させることにより、所定の前後輪制動力配分比を達成しつつ車輌全体の回生効率を最大にすることである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち前輪及び後輪に回生制動装置及び摩擦制動装置を有する車輌の制動力制御装置にして、運転者の制動要求量及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力を演算し、前輪及び後輪の何れについても前記摩擦制動装置よりも前記回生制動装置を優先して制動力を発生させることにより前輪及び後輪の制動力をそれぞれ前記前輪及び後輪の目標制動力に制御することを特徴とする車輌の制動力制御装置によって達成される。 【0008】上記請求項1の構成によれば、運転者の制動要求量及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力が演算され、前輪及び後輪の何れについても摩擦制動装置よりも回生制動装置を優先して制動力が発生せしめられることにより前輪及び後輪の制動力がそれぞれ前輪及び後輪の目標制動力に制御されるので、車輌の全体の制動力が運転者の制動要求量に対応して制御され、前後輪の制動力配分比が所定の前後輪制動力配分比に制御されると共に、前輪及び後輪の回生制動装置及び摩擦制動装置が最適に使用される。 【0009】 【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、制動力制御装置は、前輪及び後輪の回生制動装置の最大回生制動力をそれぞれFrgfmax及びFrgrmaxとして、運転者の制動要求量及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力Fbft及びFbrtを演算し、目標制動力Fbft及び最大回生制動力Frgfmaxの小さい方の値を目標回生制動力Frgftとして前輪の回生制動装置を制御すると共に、目標制動力Fbrt及び最大回生制動力Frgrmaxの小さい方の値を目標回生制動力Frgrtとして後輪の回生制動装置を制御し、前輪及び後輪の回生制動装置の実際の回生制動力Frgfa及びFrgraを求め、Fbft−Frgfa及びFbrt−Frgraを前輪及び後輪の目標摩擦制動力として前輪及び後輪の摩擦制動装置を制御するよう構成される(好ましい態様1)。 【0010】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、摩擦制動装置は相互に情報の通信を行う回生制動装置用制動力制御装置と摩擦制動装置用制動力制御装置とを有し、摩擦制動装置用制動力制御装置は運転者の制動要求量及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力Fbft及びFbrtを演算すると共に、Fbft−Frgfa及びFbrt−Frgraを前輪及び後輪の目標摩擦制動力として前輪及び後輪の摩擦制動装置を制御し、回生制動装置用制動力制御装置は目標制動力Fbft及び最大回生力Frgfmaxの小さい方の値を目標回生制動力Frgftとして前輪の回生制動装置を制御し、目標制動力Fbrt及び最大回生力Frgrmaxの小さい方の値を目標回生制動力Frgrtとして後輪の回生制動装置を制御すると共に、前輪及び後輪の回生制動装置の実際の回生制動力Frgfa及びFrgraを求めるよう構成される(好ましい態様2)。 【0011】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は好ましい態様1の構成に於いて、前輪及び後輪の少なくとも一方の回生制動装置はハイブリッドエンジンに於いて内燃機関と共働する電動発電機を含むよう構成される(好ましい態様3)。 【0012】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、前輪及び後輪の少なくとも一方の回生制動装置はハイブリッドエンジンに於いて内燃機関と共働する電動発電機を含み、該少なくとも一方の回生制動装置を制御する回生制動装置用制動力制御装置はハイブリッドエンジン制御装置であるよう構成される(好ましい態様4)。 【0013】 【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。 【0014】図1はハイブリッドエンジンが搭載された前輪駆動式の車輌に適用された本発明による制動力制御装置の一つの実施形態を示す概略構成図である。 【0015】図1に於いて、10は前輪を駆動するハイブリッドエンジンを示しており、ハイブリッドエンジン10はガソリンエンジン12と電動発電機14とを含んでいる。ガソリンエンジン12の出力軸16はクラッチを内蔵する無段変速機18の入力軸に連結されており、無段変速機18の入力軸は電動発電機14の出力軸20にも連結されている。無段変速機18の出力軸19の回転はフロントディファレンシャル22を介して左右前輪用車軸24FL及び24FRへ伝達され、これにより左右の前輪24FL及び24FRが回転駆動される。 【0016】ハイブリッドエンジン10のガソリンエンジン12及び電動発電機14はエンジン制御装置28により運転者による図には示されていないアクセルペダルの踏み込み量及び車輌の走行状況に応じて制御される。また電動発電機14は前輪用回生制動装置30の発電機としても機能し、回生発電機としての機能(回生制動)もエンジン制御装置28により制御される。 【0017】特に図示の実施形態に於いては、ハイブリッドエンジン10は図には示されていないシフトレバーがDレンジにある通常走行時にはガソリンエンジン12又はガソリンエンジン12と電動発電機14とにより駆動力又はエンジンブレーキ力を発生し(通常運転モード)、シフトレバーがDレンジにあるが負荷が低いときには電動発電機14のみにより駆動力を発生し(電気自動車モード)、シフトレバーがBレンジにあるときにもガソリンエンジン12と電動発電機14とにより駆動力又はエンジンブレーキ力を発生するが、その場合のエンジンブレーキ力はDレンジの場合よりも高く(エンジンブレーキモード)、シフトレバーがDレンジにあり運転者によりブレーキペダル32が踏み込まれたときにも電動発電機14は回生発電機として機能する。 【0018】また図1に於いて、従動輪である左右の後輪34RL及び34RRの回転は左右後輪用車軸36RL、36RR及び後輪用ディファレンシャル38を介して後輪用回生制動装置40の電動発電機42へ伝達されるようになっている。電動発電機42による回生制動もエンジン制御装置28により制御され、従ってエンジン制御装置28は回生制動装置用制御装置として機能する。 【0019】左右の前輪26FL、26FR及び左右の後輪34RL、34RRの摩擦制動力は摩擦制動装置44の油圧回路46により対応するホイールシリンダ48FL、48FR、48RL、48RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路46はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル32の踏み込み量及びブレーキペダル32の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ50の圧力に応じて摩擦制動装置用制御装置としての制動制御装置52により制御される。 【0020】エンジン制御装置28にはアクセルペダルセンサ54よりアクセルペダルの踏み込み量を示す信号、シフトポジションセンサ56より無段変速機18のシフト位置を示す信号、制動制御装置52より前輪の目標回生制動力Frgft及び後輪の目標回生制動力Frgrtを示す信号がそれぞれ入力される。 【0021】制動制御装置52にはストロークセンサ58よりブレーキペダル32の踏み込みストロークSpを示す信号、圧力センサ60よりマスタシリンダ50の圧力Pmを示す信号、圧力センサ62fl、62fr、62rl、62rrより左右前輪及び左右後輪のホイールシリンダ48FL、48FR、48RL、48RRの制動圧力Pfl、Pfr、Prl、Prrを示す信号がそれぞれ入力される。 【0022】尚エンジン制御装置28及び制動制御装置52は実際にはそれぞれ例えばCPU、ROM、RAM、入出力装置を含むマイクロコンピュータと駆動回路とを含む一般的な構成のものであってよい。 【0023】後に詳細に説明する如く、制動制御装置52は後述の如く図2に示されたルーチンに従ってブレーキペダル32の踏み込みストロークSp及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき運転者の制動要求量である車輌の最終目標減速度Gtを演算し、最終目標減速度Gt及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力Fbft及びFbrtを演算し、回生制動装置30及び40の最大回生制動力をそれぞれFrgfmax、Frgrmaxとして、目標制動力Fbft及び最大回生制動力Frgfmaxの小さい方の値を前輪の目標回生制動力Frgftとして演算すると共に、目標制動力Fbrt及び最大回生制動力Frgrmaxの小さい方の値を後輪の目標回生制動力Frgrtとして演算し、これらの目標回生制動力を示す信号をエンジン制御装置28へ出力する。 【0024】エンジン制御装置28は前輪の目標回生制動力Frgftを上限として前輪の回生制動装置30の電動発電機14を制御し、その発電電圧及び発電電流に基づき前輪の回生制動装置30による実際の回生制動力Frgfaを演算する。同様にエンジン制御装置28は後輪の目標回生制動力Frgrtを上限として後輪の回生制動装置40の電動発電機42を制御し、その発電電圧及び発電電流に基づき後輪の回生制動装置40による実際の回生制動力Frgraを演算する。更にエンジン制御装置28は実際の回生制動力Frgfa及びFrgraを示す信号を制動制御装置52へ出力する。 【0025】制動制御装置52は、目標制動力Fbftより実際の回生制動力Frgfaを減算した値を前輪の目標摩擦制動力Fbpftとして演算し、また目標制動力Fbrtより実際の回生制動力Frgraを減算した値を後輪の目標摩擦制動力Fbprtとして演算し、前輪の目標摩擦制動力Fbpftに基づき左右前輪の目標制動圧力Pbtfl及びPbtfrを演算し、また後輪の目標摩擦制動力Fbprtに基づき左右後輪の目標制動圧力Pbtrl及びPbtrrを演算し、左右前輪及び左右後輪の制動圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ対応する目標制動圧力Pbti(i=fl、fr、rl、rr)になるよう各車輪の制動圧力を制御する。 【0026】尚エンジン制御装置28によるハイブリッドエンジン10の運転モードの制御及びガソリンエンジン12の制御は本発明の要旨をなすものではなく、これらの制御は当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実施されてよい。 【0027】次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける制動制御装置52による制動力制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。 【0028】まずステップ10に於いてはストロークセンサ58により検出されたブレーキペダル32の踏み込みストロークSpを示す信号及び圧力センサ60により検出されたマスタシリンダ50の圧力Pmを示す信号の読み込みが行われ、ステップ20に於いては図4に示されたグラフに対応するマップより踏み込みストロークSpに基づく目標減速度Gstが演算され、ステップ30に於いては図5に示されたグラフに対応するマップよりマスタシリンダ圧力Pmに基づく目標減速度Gptが演算される。 【0029】ステップ40に於いては前サイクルに於いて演算された最終目標減速度Gtに基づき図6に示されたグラフに対応するマップよりマスタシリンダ圧力Pmに基づく目標減速度Gptに対する重みα(0≦α≦1)が演算され、ステップ50に於いては下記の式1に従って目標減速度Gpt及び目標減速度Gstの重み付け和として最終目標減速度Gtが演算される。 Gt =α・Gpt+(1−α)Gst ……(1) 【0030】ステップ60に於いてはKf及びKrをそれぞれ前輪及び後輪に対する制動力の配分比(正の定数)として、前輪の目標制動力Fbft及び後輪の目標制動力Fbrtがそれぞれ下記の式2及び3に従って演算される。 Fbft=Kf・Gt ……(2) Fbrt=Kr・Gt ……(3) 【0031】ステップ70に於いては前輪の目標回生制動力Frgft及び後輪の目標回生制動力Frgrtがそれぞれ下記の式4及び5に従って演算されると共に、目標回生制動力Frgft及びFrgrtを示す信号がエンジン制御装置28へ出力される。尚下記の式4及び5に於けるMINは( )内の数値の小さい方を選択することを意味する。また最大回生制動力Frgfmax及びFrgrmaxはそれぞれ正の定数であってよいが、ハイブリッドエンジン10の運転モードや車速に応じて可変設定されてもよい。 Frgft=MIN(Fbft,Frgfmax) ……(4) Frgrt=MIN(Fbrt,Frgrmax) ……(5) 【0032】ステップ80に於いては後述の如くエンジン制御装置28による回生制動制御により達成された実際の前輪の回生制動力Frgfa及び実際の後輪の回生制動力Frgraを示す信号がエンジン制御装置28より読み込まれ、ステップ90に於いては前輪の目標摩擦制動力Fbpft及び後輪の目標摩擦制動力Fbprtがそれぞれ下記の式6及び7に従って演算される。 Fbpft=Fbft−Frgfa ……(6) Fbprt=Fbrt−Frgra ……(7) 【0033】ステップ100に於いては前輪の目標摩擦制動力Fbpftに基づき左右前輪の目標制動圧力Pbtfl及びPbtfrが演算され、また後輪の目標摩擦制動力Fbprtに基づき左右後輪の目標制動圧力Pbtrl及びPbtrrが演算され、ステップ110に於いては左右前輪及び左右後輪の制動圧力Piがそれぞれ対応する目標制動圧力Pbtiになるよう各車輪の制動圧力が圧力フィードバックにより制御され、しかる後ステップ10へ戻る。 【0034】次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於けるエンジン装置28による回生制動制御ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。 【0035】まずステップ210に於いては制動制御装置52より前輪の目標回生制動力Frgft及び後輪の目標回生制動力Frgrtを示す信号の読み込みが行われ、ステップ220に於いては目標回生制動力Frgftを上限として前輪の回生制動装置30による回生制動が実行され、ステップ230に於いては前輪の回生制動装置30による前輪の実際の回生制動力Frgfaが演算される。 【0036】同様にステップ240に於いては目標回生制動力Frgrtを上限として後輪の回生制動装置40による回生制動が実行され、ステップ250に於いては後輪の回生制動装置40による後輪の実際の回生制動力Frgraが演算され、ステップ260に於いては前輪の実際の回生制動力Frgfa及び後輪の実際の回生制動力Frgraを示す信号が制動制御装置52へ出力され、しかる後ステップ210へ戻る。 【0037】かくして図示の実施形態によれば、ステップ20に於いてブレーキペダル32の踏み込みストロークSpに基づく目標減速度Gstが演算され、ステップ30に於いてマスタシリンダ圧力Pmに基づく目標減速度Gptが演算され、ステップ40に於いて前サイクルに於いて演算された最終目標減速度Gtに基づき目標減速度Gptに対する重みαが演算される。 【0038】そしてステップ50に於いて目標減速度Gpt及び目標減速度Gstの重み付け和として最終目標減速度Gtが演算され、ステップ60に於いて所定の前後輪制動力配分比及び最終目標減速度Gtに基づき前輪の目標制動力Fbft及び後輪の目標制動力Fbrtが演算され、ステップ70に於いて前輪の目標回生制動力Frgftが目標制動力Fbft及び最大回生制動力Frgfmaxの小さい方の値として演算されると共に、後輪の目標回生制動力Frgrtが目標制動力Fbrt及び最大回生制動力Frgrmaxの小さい方の値として演算され、これらの目標回生制動力を示す信号がエンジン制御装置28へ出力される。 【0039】また図3に示された回生制動ルーチンのステップ220に於いてエンジン制御装置28により前輪の目標回生制動力Frgftを上限として前輪の回生制動装置30の電動発電機14が制御され、ステップ230に於いて電動発電機14の発電電圧及び発電電流に基づき前輪の回生制動装置30による実際の回生制動力Frgfaが演算され、またステップ240に於いてエンジン制御装置28により後輪の目標回生制動力Frgrtを上限として後輪の回生制動装置40の電動発電機42が制御され、ステップ250に於いて電動発電機42の発電電圧及び発電電流に基づき後輪の回生制動装置40による実際の回生制動力Frgraが演算される。 【0040】更にステップ90に於いて前輪の目標摩擦制動力Fbpftが目標制動力Fbftより実際の回生制動力Frgfaを減算した値として演算されると共に、後輪の目標摩擦制動力Fbprtが目標制動力Fbrtより実際の回生制動力Frgraを減算した値として演算され、ステップ100に於いて前輪の目標摩擦制動力Fbpftに基づき左右前輪の目標制動圧力Pbtfl及びPbtfrが演算されると共に、後輪の目標摩擦制動力Fbprtに基づき左右後輪の目標制動圧力Pbtrl及びPbtrrが演算され、ステップ110に於いて左右前輪及び左右後輪の制動圧力Piがそれぞれ対応する目標制動圧力Pbtiになるよう各車輪の制動圧力がフィードバック制御される。 【0041】従って図示の実施形態によれば、運転者による制動要求量である最終目標減速度Gtがブレーキペダル32に対する制動操作量としてのペダルストロークSp及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき演算され、車輌全体の制動力、即ち前輪及び後輪の摩擦制動装置による制動力と回生制動装置による制動力との合計が最終目標減速度Gtに対応する値になるよう制御されるので、車輌全体の制動力を確実に運転者による制動要求量に応じて制御することができる。 【0042】また前輪及び後輪の摩擦制動装置による制動力と回生制動装置による制動力との合計及び後輪の摩擦制動装置による制動力と回生制動装置による制動力との合計の比が必ず所定の前後輪制動力配分比Kf/Krになるよう制御されるので、摩擦制動装置による制動力と回生制動装置による制動力との割合に拘わらず前後輪の制動力の配分比を確実に所定の前後輪制動力配分比に制御することができ、これにより前後輪の制動力配分比が所定の配分比以外の配分比になることに起因する車輌の安定性の低下やステア特性の変化を確実に防止することができる。 【0043】更に前輪の目標制動力Fbftは前輪の回生制動装置による制動力が最大になるよう前輪の回生制動力及び摩擦制動力が制御されることによって達成され、後輪の目標制動力Fbrtも後輪の回生制動装置による制動力が最大になるよう後輪の回生制動力及び摩擦制動力が制御されることによって達成されるので、所定の前後輪制動力配分比を達成しつつ車輌全体の回生効率が最大になるよう回生制動力及び摩擦制動力を制御することができる。 【0044】また一般に、回生制動装置、特にハイブリッドエンジンに組み込まれた電動発電機を使用する回生制動装置は種々の制約からある目標回生制動力にて制御されても実際の回生制動力は目標回生制動力にならず、実際の回生制動力は目標回生制動力よりも低い値になる。 【0045】図示の実施形態によれば、それぞれ前輪の目標回生制動力Frgft及び後輪の目標回生制動力Frgrtを上限としてエンジン制御装置28により前輪の回生制動装置30の電動発電機14及び後輪の回生制動装置40の電動発電機42が制御され、各電動発電機の発電電圧及び発電電流に基づき前輪及び後輪の実際の回生制動力Frgfa、Frgraが演算され、前輪の目標摩擦制動力Fbpft及び後輪の目標摩擦制動力Fbprtはそれぞれ目標制動力Fbft、Fbrtより実際の回生制動力Frgfa、Frgraを減算することにより演算されるので、前輪の目標摩擦制動力Fbpft及び後輪の目標摩擦制動力Fbprtがそれぞれ目標制動力Fbft、Fbrtより目標回生制動力Frgft、Frgrtを減算することにより演算される場合に比して、車輌全体の制動力が正確に運転者の制動要求量に対応するよう前輪及び後輪の摩擦制動力を制御をすることができる。 【0046】以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。 【0047】例えば上述の実施形態に於いては、ブレーキペダル32の踏み込みストロークSp及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の目標減速度Gtが演算され、目標減速度に基づき前輪の目標制動力Fbft及び後輪の目標制動力Fbrtが演算されるようになっているが、前輪及び後輪の目標制動力は踏み込みストロークSp又はマスタシリンダ圧力Pmに基づき演算されてもよい。 【0048】また上述の実施形態に於いては、制動力の前後輪配分比Kf/Krは目標制動力の大小に拘わらず一定であるが、例えば図7に於いて破線にて示されている如く、目標制動力が高くなるにつれて前輪に対する後輪の制動力配分比が小さくなるよう修正されてもよい。 【0049】また上述の実施形態に於いては、エンジン制御装置28と制動制御装置52との間に於いて目標回生制動力及び実際の回生制動力が通信されるようになっているが、目標回生制動力に基づき目標回生制動トルクが演算され、その目標回生制動トルクを示す信号が制動制御装置52よりエンジン制御装置28へ通信され、エンジン制御装置28により目標回生制動トルクを上限として回生制動が制御され、逆に実際の回生制動トルクを示す信号がエンジン制御装置28より制動制御装置52へ通信され、実際の回生制動トルクに基づき実際の回生制動力が演算されるよう修正されてもよい。 【0050】また上述の実施形態に於いては、車輌を駆動する駆動手段はガソリンエンジン12と電動発電機14とを含むハイブリッドエンジン10であり、電動発電機14が回生制動用の発電機として作動するようになっているが、ハイブリッドエンジンの内燃機関はディーゼルエンジンの如き他の内燃機関であってもよく、また車輌を駆動する駆動手段は通常の内燃機関であり、回生制動用の発電機は内燃機関とは独立のものであってもよい。 【0051】また上述の実施形態に於いては、車輌は前輪駆動車であるが、本発明が適用される車輌は後輪駆動車や四輪駆動車であってもよく、また後輪の電動発電機40は回生制動用の発電機としてのみ作動するようになっているが、例えば必要に応じて後輪を駆動する補助的な駆動源として機能するよう修正されてもよい。 【0052】 【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発明によれば、運転者の制動要求量及び所定の前後輪制動力配分比に基づき前輪及び後輪の目標制動力が演算され、前輪及び後輪の何れについても摩擦制動装置よりも回生制動装置を優先して制動力が発生せしめられることにより前輪及び後輪の制動力がそれぞれ前輪及び後輪の目標制動力に制御されるので、車輌の全体の制動力を運転者の制動要求量に対応して制御し、前後輪の制動力配分比を所定の前後輪制動力配分比に制御することができると共に、前輪及び後輪の回生制動装置及び摩擦制動装置を最適に作動させ、これにより車輌全体の回生効率を最大に制御し、従来に比して一層燃費の向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月14日(2000.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071216 【弁理士】 【氏名又は名称】明石 昌毅
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| 【公開番号】 |
特開2002−95108(P2002−95108A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月29日(2002.3.29) |
| 【出願番号】 |
特願2000−280516(P2000−280516) |
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