トップ :: B 処理操作 運輸 :: B60 車両一般




【発明の名称】 ハイブリッド車の制御装置
【発明者】 【氏名】集貝 雅彦

【氏名】入江 一博

【要約】 【課題】走行用エンジン、走行用モータ及びコンプレッサ用モータを具備するハイブリッド車において、簡易な構造で、前記走行用エンジンの加速時には走行用エンジンの負荷を低減し、減速時には回生制御による発電とブレーキ作用とがえられるハイブリッド車の制御装置を提供する。

【解決手段】走行用エンジンの加速時には走行用モータと、コンプレッサ用モータを駆動させて、走行用エンジンの駆動負荷を低減すると共に、コンプレッサに十分な駆動トルクを与えることができ、また走行用エンジンの減速時には、走行用エンジンに、走行用モータ及びコンプレッサ用モータを発電機として使用するための駆動負荷と、前記ハイブリッドコンプレッサを駆動するための負荷がかかることから、減速性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用エンジンと、走行用モータと、前記走行用エンジンによって駆動されると共にコンプレッサ用モータにても駆動可能な空調用のハイブリッドコンプレッサを具備するハイブリッド車において、前記走行用エンジンの加速時に、前記走行用モータを駆動すると同時に前記コンプレッサ用モータを駆動する加速時駆動制御手段と、前記走行用エンジンの減速時に、前記走行用モータを発電機としてバッテリ電源に充電すると同時に、前記コンプレッサ用モータを発電機としてバッテリ電源に充電する減速時回生制御手段とを具備することを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、走行用駆動源として、エンジンとモータを具備すると共に、走行用エンジン及び専用のモータによって駆動可能な空調用のハイブリッドコンプレッサを具備するハイブリッド車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平5−139151号公報に開示される車両用空調装置は、空調装置の駆動手段として新たにモータを追加し、車両加速時にはこのモータによりコンプレッサを駆動させてコンプレッサの駆動負荷がエンジンにかからないようにして加速性の低下を防止するようにしたものである。また、加速期間中も、コンプレッサをモータにより駆動しているので、コンプレッサを停止させずにすみ、空調制御を継続して行えるものである。
【0003】
【発明が解決しようする課題】しかしながら、上記引例では、コンプレッサと走行用エンジンとの連結をオンオフする電磁クラッチ、及びモータ及び走行用エンジンとコンプレッサとの連結をオンオフする電磁クラッチを設ける必要があるという不具合を有する。
【0004】また、走行用エンジンの加速時に、走行用エンジンをコンプレッサから切り離し、モータのみにてコンプレッサを駆動させるには、十分なトルクが必要となるため、大型のモータを使用する必要が生じる。
【0005】また、走行用エンジン、走行用モータ及びコンプレッサ用モータを有するハイブリッド車では、走行用モータでの消費電力を補填する目的で、車両の減速時に生じる余剰トルクを利用して、走行用モータを回転させ、この走行用モータを発電機として使用して、この発電機によって生じた電力をバッテリー電源に充電するようにしたものもある。
【0006】よって、この発明は、走行用エンジン、走行用モータ及びコンプレッサ用モータを具備するハイブリッド車において、簡易な構造で、前記走行用エンジンの加速時には走行用エンジンの負荷を低減し、減速時には回生制御による発電とブレーキ作用とがえられるハイブリッド車の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】よって、この発明は、走行用エンジンと、走行用モータと、前記走行用エンジンによって駆動されると共にコンプレッサ用モータにても駆動可能な空調用のハイブリッドコンプレッサを具備するハイブリッド車において、前記走行用エンジンの加速時に、前記走行用モータを駆動すると同時に前記コンプレッサ用モータを駆動する加速時駆動制御手段と、前記走行用エンジンの減速時に、前記走行用モータを発電機としてバッテリ電源に充電すると同時に、前記コンプレッサ用モータを発電機としてバッテリ電源に充電する減速時回生制御手段とを具備することにある。
【0008】したがって、この発明によれば、走行用エンジンの加速時には走行用モータと、コンプレッサ用モータを駆動させて、走行用エンジンの駆動負荷を低減すると共に、コンプレッサに十分な駆動トルクを与えることができ、また走行用エンジンの減速時には、走行用エンジンに、走行用モータ及びコンプレッサ用モータを発電機として使用するための駆動負荷と、前記ハイブリッドコンプレッサを駆動するための負荷がかかることから、減速性を向上させることができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面により説明する。
【0010】図1に示すように、ハイブリッド車は、走行用エンジン1と、走行用モータ2とを有し、さらに図示しない空調装置の冷凍サイクルの一部を構成すると共に、走行用エンジン1及び走行用モータ2を駆動源とすると共に、専用のコンプレッサ用モータ4を具備するハイブリッドコンプレッサ3とを有する。そして、走行用エンジン1、走行用モータ2およびコンプレッサ3は、ベルト13によって一連に連結される。
【0011】また、前記走行用エンジン1及び前記走行用モータ2は、前記コントロールユニット6によって制御される。このコントロールユニット6に、図示しないアクセルからのアクセル信号、走行用エンジン1の回転速度等が入力され、必要に応じて走行用エンジン1及び走行用モータ2が選択されて車両の走行に寄与するものである。
【0012】前記走行用モータ2には、前記コントロールユニット6からの信号によって、バッテリー電源5から電力が供給される駆動回路9で作られた駆動信号がリレー7のB接点7aを介して供給され、また、前記走行用モータ2が発電機として使用される場合には、前記リレー7に制御信号を出力して前記B接点7aを切断して、A接点7bを投入して、発電機として働く前記モータ2を整流回路10と接続し、ここで整流された電流が前記バッテリー電源5に充電されるものである。
【0013】同様に、前記コンプレッサ用モータ4は、駆動回路11による制御信号がリレー8のB接点8aを介して供給され、また、前記コンプレッサ用モータ4が発電機として使用される場合には、前記コントロールユニット6が前記リレー8に制御信号を出力して前記B接点8aを切断して、A接点8bを投入して、発電機として働く前記コンプレッサ用モータ4を整流回路12と接続し、ここで整流された電流が前記バッテリー電源5に充電されるものである。
【0014】以上の構成において、前記コントロールユニット6で実行されるモータ制御のフローチャートは、例えば図2に示すものである。以下、このフローチャートに従って説明する。
【0015】ステップ100から開始される制御は、先ずステップ110において車両(走行用エンジン1)が加速状態にあるか否かを判定する。例えば、この判定としては、アクセル信号が所定の増加量以上であるか否かを判定することによって達成される。
【0016】そして、前記ステップ110の判定において、車両(走行用エンジン1)が加速状態であることが判定された場合には、ステップ120に進んで走行用モータ2の駆動制御を実行する。具体的には、リレー7の状態を通常の状態として前記駆動回路9に駆動信号を出力する旨の信号を出力して前記走行用モータ2を駆動する。そして、ステップ130に進んで、コンプレッサ用モータ(COMP用モータ)4を、リレー8の状態を通常の状態として前記駆動回路9に駆動信号を出力する旨の信号を出力して駆動し、ステップ170からメイン制御ルーチンに回帰する。
【0017】これによって、車両が加速状態にあるときには、走行用モータ2およびコンプレッサ用モータ4を駆動状態にできるので、走行用エンジン1の回転を走行用モータ2でアシストできると共に、コンプレッサ用モータ4を駆動するので、コンプレッサ駆動に必要な負荷を最小限に低減できるので、走行用エンジン1の燃焼状態を良好に保つことができると共に、空調装置の稼動を維持できるものである。
【0018】また、前記ステップ110の判定で、車両の加速が判定されなかった場合、ステップ140に進んで、車両が減速状態であるか否かが判定される。例えば、この判定としては、アクセル信号が所定の減少量以上であるか否かを判定することによって達成される。
【0019】そして、前記ステップ140の判定において、車両(走行用エンジン1)が減速状態であることが判定された場合には、ステップ150に進んで走行用モータ2の回生制御を実行する。具体的には、リレー7に通電してB接点7aを開成すると同時にA接点7bを閉成し、走行用モータ2で発電された電力を整流回路10へ導いて整流し、バッテリー電源5へ供給して充電を行うものである。そして、ステップ160に進んで、リレー8に通電してB接点8aを開成すると同時にA接点8bを閉成し、コンプレッサ用モータ4で発電された電力を請求回路12に導いて整流し、バッテリ〜伝g年5へ供給して充電を行うものである。
【0020】これによって、車両の減速時に生じる余剰負荷によって走行用モータ及びコンプレッサ用モータ4を発電機として回生制御を行うと共に、さらにハイブリッドコンプレッサ3の駆動トルクが加わることから、走行用エンジン1の減速性が向上するものである。さらに、バッテリー電源も十分に充電できるものである。
【0021】また、車両が加速又は減速しない場合には、ステップ140からステップ170に進んでメイン制御ルーチンに回帰するものである。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、車両(走行用エンジン)の加速時には、走行用モータとコンプレッサ用モータとを共に駆動させるようにしたので、加速時に走行用エンジンの負荷を低減できるので、エンジンの燃焼状態を良好に保つことができるものである。
【0023】また、車両(走行用エンジン)の減速時には、走行用モータとコンプレッサ用モータとを共に発電機として使用するので十分な充電電力が得られると共に、走行用エンジンの余剰トルクを吸収できるので、十分なエンジンブレーキ性を確保できるものである。
【出願人】 【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ゼクセルヴァレオクライメートコントロール
【出願日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【代理人】 【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保 (外1名)
【公開番号】 特開2002−95101(P2002−95101A)
【公開日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【出願番号】 特願2000−279515(P2000−279515)