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【発明の名称】 鉄道車両の併合装置
【発明者】 【氏名】坂野 嘉信

【氏名】岩永 慎一郎

【氏名】富澤 幸夫

【氏名】鶴田 慎一郎

【要約】 【課題】引き通し線にて指令信号を送信する列車編成と、情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する列車編成との併合を可能にする。

【解決手段】情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する自列車編成と引き通し線にて指令信号を送信する他の列車編成との併合を行なう場合、併合入力部2が他の列車編成からの引き通し線の信号を入力し、当該信号のレベル変換を行い、また併合出力部3が、情報制御装置4から他の列車編成へ出力される信号をリモートIO装置5を経由して入力し、レベル変換を行ってから他の列車編成の車両に出力する。これにより、引き通し線にて指令信号を送信する列車編成と情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する列車編成との併合が可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 列車に搭載される機器各々に対する信号の入出力を行うリモートIO装置と、前記リモートIO装置間を接続するシリアル伝送路と、前記リモートIO装置にて入力した前記機器からの信号を前記シリアル伝送路にて入力し、かつ各機器へ出力する信号を前記リモートIO装置へ前記シリアル伝送路にて出力する情報制御装置と、列車編成内の前後の前記情報制御装置間を接続する車両間伝送路と、他の列車編成からの引き通し線の信号を入力し、当該信号のレベル変換を行う併合入力部と、前記情報制御装置から他の列車編成へ出力する信号を前記リモートIO装置経由にて入力し、レベル変換を行い他の列車編成の車両に出力する併合出力部とを備えて成る鉄道車両の併合装置。
【請求項2】 列車編成内における前後の前記併合入力部と併合出力部とを接続する引き通し信号路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の併合装置。
【請求項3】 前記リモートIO装置又は情報制御装置の異常時に、前記リモートIO装置から併合入力部及び併合出力部に切換指令を出力することにより、前記シリアル伝送路から前記引き通し信号路に自動的に信号の切換を行なう切換手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両の併合装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両の編成を結合するための併合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の鉄道車両システムでは、それまで引き通し線にて行われていたマスコンから主変換装置に対する指令信号の授受を、車両間については情報制御装置を介したシリアル伝送にて行うようになってきている。
【0003】図4にはマスコンから主変換装置・ブレーキ装置に対して走行指令を引き通し線にて送信する場合の従来例の構成を示し、図5にマスコンから主変換装置・ブレーキ装置に対して走行指令を情報制御装置を介してシリアル伝送にて送信する場合の従来例の構成を示している。
【0004】図4及び図5において、4は各車両に搭載される情報制御装置、7は情報制御装置4間を接続する車両伝送路、8はマスコン、9はブレーキ装置、10は主変換装置、11はマスコン8、ブレーキ装置9、主変換装置10を接続するための引き通し線を示している。
【0005】また鉄道車両システムでは、運用・走行路線により鉄道車両の編成を併合させて走行させる必要がある場合、引き通し線11にて指令信号を車両間を渡ってマスコン8からブレーキ装置9や主変換装置10等へ送信している列車編成同士を併合させ、また情報制御装置4、車両伝送路7を介してシリアル伝送にて指令信号の授受を行っている列車編成同士を併合させることが従来から実施されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の鉄道車両の伝送システムでは、引き通し線により指令信号の授受を行っている列車編成と情報制御装置を介してシリアル伝送により指令信号の授受を行っている列車編成同士とを併合することは困難であった。
【0007】本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、引き通し線にて指令信号を送信する列車編成と、情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する列車編成との併合が可能な鉄道車両の併合装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の鉄道車両の併合装置は、列車に搭載される機器各々に対する信号の入出力を行うリモートIO装置と、前記リモートIO装置間を接続する伝送路と、前記リモートIO装置にて入力した前記機器からの信号を前記伝送路にて入力し、かつ各機器へ出力する信号を前記リモートIO装置へ前記伝送路にて出力するための情報制御装置と、列車編成内の前記情報制御装置間を接続する伝送路と、他の列車編成からの引き通し線の信号を入力し、当該信号のレベル変換を行う併合入力部と、前記情報制御装置から他の列車編成へ出力する信号を前記リモートIO装置経由にて入力し、レベル変換を行い他の列車編成の車両に出力する併合出力部とを備えたものである。
【0009】請求項1の発明の鉄道車両の併合装置では、情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する自列車編成と引き通し線にて指令信号を送信する他の列車編成との併合を行なう場合、併合入力部が他の列車編成からの引き通し線の信号を入力し、当該信号のレベル変換を行い、また併合出力部が、情報制御装置から他の列車編成へ出力される信号をリモートIO装置経由にて入力し、レベル変換を行ってから他の列車編成の車両に出力することができ、これにより、引き通し線にて指令信号を送信する列車編成と情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する列車編成との併合が可能になる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の鉄道車両の併合装置において、列車編成内における前後の前記併合入力部と併合出力部とを接続する引き通し信号路を備えたものである。
【0011】請求項2の発明の鉄道車両の併合装置では、情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する自列車編成に対して引き通し線にて指令信号を送信する他の列車編成を前後に併合した状態で自編成内の情報制御装置が停止したような場合、併合入力部に接続されたリモートIO装置より信号を取り込む処理から引き通し線により取り込むように信号伝送系統を変更することにより、自編成の情報制御装置等を介さずに前後の他編成間で指令信号の受け渡しを行うように切換えることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項2の鉄道車両の併合装置において、前記リモートIO装置又は情報制御装置の異常時に、前記リモートIO装置から併合入力部及び併合出力部に切換指令を出力することにより、前記シリアル伝送路から前記引き通し信号路に自動的に信号の切換を行なう切換手段を備えたものであり、自編成内の情報制御装置に異常が発生した場合に、他編成に送信する信号をリモートIO装置からの信号から引き通し線からの信号に自動的に切り換える処理を行い、一方の他編成から他方の他編成へ自編成内の引き通し線を通じて信号伝達することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は、本発明の第1の実施の形態の構成を示している。併合装置1は、他編成の引き通し線から信号を入力する入力部2、この引き通し線に対して他編成への信号を出力する出力部3を備えている。
【0014】情報制御装置4は車両間の伝送を行う。リモートIO装置5は、併合装置1の入力部2にて入力した他編成の引き通し線からの信号を入力し、シリアル伝送路6を介して情報制御装置4に送信し、また情報制御装置4からの指令信号を各機器に出力し、また併合装置1の出力部3に出力する。車両間伝送路7は、情報制御装置4間の信号伝送を受持つ。なお、8は運転士の操作する指令を入力するマスコン、9はブレーキ装置、10は主変換装置である。
【0015】次に、図1に示す第1の実施の形態の鉄道車両の併合装置の動作を説明する。図1に示した列車編成は、指令の伝送を情報制御装置4を介してシリアル伝送により送信する編成であり、このような列車編成を、指令信号の受け渡しを引き通し線にて行う他の列車編成と併合する場合について説明する。
【0016】最初に、図1の列車編成を他編成と併合せずに走行させる場合の動作を示す。図1の構成の列車編成を併合せずに単独にて走行させる場合には、編成の運転台に設けられているマスコン8を運転士が操作する。マスコン8では運転士の操作から指令信号を決定し、リモートIO装置5に出力する。リモートIO装置5では、マスコン8から入力した信号をシリアル伝送路6を介して情報制御装置4に対して送信する。
【0017】情報制御装置4では、マスコン入力から指令信号を自車のブレーキ装置9と主変換装置10に対してリモートIO装置5を介して出力すると共に、車両間伝送路7を介して同一編成内の他車両の情報制御装置4に対して送信し、そこから他車両のブレーキ装置9及び主変換装置10に対してリモートIO装置5を介して出力することにより列車を走行させる。
【0018】次に、このような車両を、引き通し線を通じて指令信号の受け渡しを行う他の編成と併合した場合の動作について説明する。引き通し線により指令信号の受け渡しを行う列車編成と併合する場合、指令信号の伝達媒体が異なるために、直接それぞれの編成を接続して信号の受け渡しを行うことはできない。そのため、他編成のマスコンにより操作された指令信号は、いったん併合装置1の入力部2に入力する。そして併合装置1の入力部2にて入力した他編成からの指令信号は、自編成内のマスコン8に接続されているリモートIO装置に入力する。
【0019】併合装置1の入力部2からリモートIO装置5に指令信号が入力された後のブレーキ装置9、主変換装置10への指令信号の流れは、他編成と併合しない場合と同様である。
【0020】そして併合時には、情報制御装置4からの指令信号を併合されている他編成に対して送信する必要があるが、その場合には併合装置1の出力部3と接続されているリモートIO装置5がシリアル伝送路6を介して指令信号を入力して出力部3に与える。併合装置1の出力部3では、リモートIO装置5から入力した指令信号を他編成に対して出力する。
【0021】こうして、第1の実施の形態の鉄道車両の併合装置では、引き通し線にて指令信号を送信する列車編成と、情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する列車編成とを併合することができる。
【0022】次に、本発明の第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。図2において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して示してある。第2の実施の形態では、自編成内の併合装置1,1間を引き通し線11で接続している。そして併合装置1の入力部2には切換スイッチ12を設け、自編成内の機器の状態により他編成からの信号をリモートIO装置5に導くか、引き通し線11に導くかを切換えるようにしている。
【0023】指令信号を伝送により受け渡しする自編成の前後に、引き通し線により指令信号の受け渡しを行う他編成を接続した場合、通常時は一方の他編成からの指令信号は、自編成内では情報制御装置4,4と車両間伝送路7で伝送し、そして他方の他編成に対して情報制御装置4からリモートIO装置5、併合装置1の出力部3を通して送信する。
【0024】しかしそれだけの構成であれば、情報制御装置4等が異常のために動作不能となったような場合には、他編成からの指令信号がもう一方の他編成に送信されなくなる。そこで第2の実施の形態では、自編成の前後の併合装置1,1の間を接続する引き通し線11を設け、自編成内の情報制御装置4が停止した場合には併合装置1に設けられた切換スイッチ12により併合装置1の入力部2に接続されたリモートIO装置5から取り込む処理から、引き通し線11に取り込むように変更し、情報制御装置4等を介さずに指令信号の受け渡しを行うようにしたのである。
【0025】これにより、情報制御装置4等が異常のために動作不能となったような場合には、自編成内の情報制御装置4等を介さずに一方の他編成から他方の他編成へ指令信号の受け渡しを行うことができ、信号伝送の信頼性が高められる。
【0026】次に、本発明の第3の実施の形態を図3に基づいて説明する。図3においても、図1、図2と同一の装置には同一の符号を付して示してある。第3の実施の形態は、情報制御装置4の異常を併合装置1に出力するための異常用信号路13を設けたことを特徴とする。
【0027】この異常用信号路13により、情報制御装置4に異常が発生した場合に併合装置1に対して異常信号を出力し、併合装置1では、情報制御装置4の異常を検知した場合に、他編成に送信する信号をリモートIO装置5からの信号から引き通し線11からの信号に自動的に切り換える処理を行う。
【0028】これにより、自編成内の情報制御装置4等に異常が発生しても、自動的に一方の他編成から他方の他編成へ自編成内の引き通し線11を通じて信号伝達ができるようになり、信頼性が一層向上する。
【0029】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、引き通し線にて指令信号を送信する列車編成と、情報制御装置を介してシリアル伝送にて指令信号を送信する列車編成とを併合することができる。
【0030】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、列車編成内における前後の併合入力部と併合出力部とを接続する引き通し信号路を設けたことにより、自編成内の情報制御装置等が異常のために動作不能となったような場合に、自編成内の情報制御装置等を介さずに、この信号路を通じて一方の他編成から他方の他編成へ指令信号の受け渡しを行うことができ、編成併合時の信号伝送の信頼性が高められる。
【0031】請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加えて、リモートIO装置から併合入力部及び併合出力部に切換指令を出力することにより、リモートIO装置や情報制御装置に異常が発生したときには自動的に信号路を切換え、自動的に一方の他編成から他方の他編成へ自編成内の引き通し線を通じて信号伝達ができ、編成併合時の信頼性が一層向上する。
【出願人】 【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年8月21日(2000.8.21)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2002−64907(P2002−64907A)
【公開日】 平成14年2月28日(2002.2.28)
【出願番号】 特願2000−250047(P2000−250047)