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【発明の名称】 ハイブリッド電気自動車用発電制御装置
【発明者】 【氏名】松下 健治

【氏名】藤塚 正史

【要約】 【課題】積極的な経済運転を可能とすると共に、運転者の意志による経済運転を可能とするハイブリッド電気自動車用発電制御装置を得る。

【解決手段】車載の発電装置17から充電される二次電池1と、発電装置17と二次電池1とから電力供給を受けて車両を駆動すると共に、減速時には回生電流により二次電池1を充電する電動機7と、車両の走行速度を検出する車速検出手段8と二次電池の電圧と電流とを検出する電圧電流検出手段13とから信号を入力し、電圧・電流検出手段13の信号から二次電池1の充電率を演算すると共に、車速の上昇に伴い発電装置17から二次電池1に対する充電率を低減させ、回生電流による充電量を増加させる制御手段10とを備えるようにしたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車載の発電装置から充電される二次電池、前記発電装置と前記二次電池とから電力供給を受けて車両を駆動すると共に、減速時には回生電流により前記二次電池を充電する電動機、前記車両の走行速度を検出する車速検出手段と、前記二次電池の電圧と電流とを検出する電圧・電流検出手段とから信号を入力し、前記電圧・電流検出手段の信号から前記二次電池の充電率を演算すると共に、車速の上昇に伴い前記発電装置から前記二次電池に対する充電率を低減させ、前記回生電流による充電を増加させる制御手段を備えたことを特徴とするハイブリッド電気自動車用発電制御装置。
【請求項2】 制御手段に回生による充電電流の上限値を設定する回生電流許容値設定手段を有し、この回生による充電電流が二次電池の充電率に応じて制限されるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車用発電制御装置。
【請求項3】 車載の発電装置が、水素ガスと空気とが供給されて発電し、出力を制御する半導体インバータ回路と燃料供給調整手段とを有する燃料電池で構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド電気自動車用発電制御装置。
【請求項4】 車載の発電装置が、回転速度制御手段と出力制御用の半導体界磁制御手段とを有するエンジン駆動式の発電機で構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド電気自動車用発電制御装置。
【請求項5】 制御手段に充電率低減調節手段が設けられ、発電装置から二次電池に対する充電率の低減度合が車両の運転者により変更可能なように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のハイブリッド電気自動車用発電制御装置。
【請求項6】 制御手段に惰行時回生電流調節手段が設けられ、車両の惰行走行時における回生による充電電流の上限値が車両の運転者により変更可能なように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のハイブリッド電気自動車用発電制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池またはエンジン発電機などの車載の発電装置から充電される二次電池と、発電装置と二次電池とから直交順逆変換機を介して電力供給を受け、力行駆動と回生制動とを行う電動機を備えたハイブリッド電気自動車の発電制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】排出ガスが少なく、燃料消費量の少ない車両として燃料電池やエンジン発電機と二次電池とを組み合わせたハイブリッド型電気自動車の開発が進み、エンジン発電機を使用したものについては実用域に達している。このような電気自動車において、燃料消費量をより効率的にするためには走行状態に対する発電量の的確な制御が不可欠であり、従来にも種々の技術が開発されて提案されており、例えば、特開平8−289410号公報に開示された技術もその一つである。この公報に開示された技術は、燃料電池により発電した電力を昇圧して二次電池の充電と電動機の駆動とに供するものにおいて、二次電池の充電状態をモニタして充電状態に応じて充電と充電停止とを制御すると共に、回生制動時には燃料電池から二次電池に対する充電を停止するようにしたものである。
【0003】また、特開平11−8909号公報には、二次電池をエンジン発電機で充電して車両を駆動するものにおいて、二次電池の充電状態をモニタして充電状態に応じて充電と充電停止とを制御すると共に、車両の登坂時には電動機の消費電力により道路の勾配を算出して降坂時における回生電力量を予測することにより、登坂時における充電量を制御して回生エネルギを有効活用する技術が開示されている。さらに、特開平11−234806号公報には、二次電池を燃料電池またはエンジン発電機により充電しながら走行する車両において、二次電池の充電状態に応じて回生エネルギによる充電量を制御し、二次電池の過充電を回避する技術が開示されている。
【0004】これらの従来技術に示された二次電池の第一の役割は、車両の発進や加速、登坂時など過渡的に大きなエネルギを要する場合のバッファ機能であり、平均的なエネルギによる走行時には燃料電池またはエンジン発電機の出力に依存するものである。ただし、パラレルエンジン式のハイブリッド電気自動車ではエンジンの動力によっても車両の駆動も行われ、平均的なエネルギ全てをエンジン発電機に依存するものではない。また、二次電池の第二の役割は、車両の制動時や減速時または降坂時における運動エネルギの回生であり、回生電力を二次電池に充電することにより消費エネルギを軽減することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術によれば、ハイブリッド型電気自動車が耐環境性を意図した燃料消費量の少ない車両を目的としているにもかかわらず、運転者の意志が充分に反映できる構成にはなっていない。また、例えば、急激な加減速を回避して安定した運転を継続すれば燃料電池やエンジンの燃料消費率は低下するが、この状態で二次電池が満充電になっておれば降坂時や減速時における運動エネルギの回生ができず、回生しょうとすれば過充電となって二次電池の寿命を低下させることになる。また、上記の特開平11−8909号公報では、登坂時に回生エネルギを予測して充電率を抑制することになっているが、登坂時にはバッファとして二次電池を使用するので故意に抑制する必要はなく、積極的な改善策とはいえないものである。
【0006】この発明はこのような課題を解決するためになされたもので、第一の目的は、より積極的な経済運転を可能とするハイブリッド電気自動車用発電制御装置を得ることにあり、また第二の目的は、運転者の意志による経済運転を可能とするハイブリッド電気自動車用発電制御装置を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるハイブリッド電気自動車用発電制御装置は、車載の発電装置から充電される二次電池と、発電装置と二次電池とから電力供給を受けて車両を駆動すると共に、減速時には回生電流により二次電池を充電する電動機と、車両の走行速度を検出する車速検出手段と二次電池の電圧と電流とを検出する電圧・電流検出手段とから信号を入力し、電圧・電流検出手段の信号から二次電池の充電率を演算すると共に、車速の上昇に伴い発電装置から二次電池に対する充電率を低減させ、回生電流による充電を増加させる制御手段とを備えるようにしたものである。
【0008】また、制御手段に回生による充電電流の上限値を設定する回生電流許容値設定手段を有し、この回生による充電電流が二次電池の充電率に応じて制限されるようにしたものである。さらに、車載の発電装置に、水素ガスと空気とが供給されて発電し、出力を制御する半導体インバータ回路と燃料供給調整手段とを有する燃料電池を用いるようにしたものである。さらにまた、車載の発電装置に、回転速度制御手段と出力制御用の半導体界磁制御手段とを有するエンジン駆動式の発電機を用いたものである。
【0009】また、制御手段に充電率低減調節手段が設けられ、発電装置から二次電池に対する充電率の低減度合が車両の運転者により変更可能なように構成したものである。さらに、制御手段に惰行時回生電流調節手段が設けられ、車両の惰行走行時における回生による充電電流の上限値が車両の運転者により変更可能なように構成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1ないし図4は、この発明の実施の形態1によるハイブリッド電気自動車用発電制御装置を説明するためのもので、図1はその電気回路図、図2と図3とは動作を説明する特性図、図4は動作説明用のフローチャートである。図1において、1は例えば鉛電池などの二次電池、2は二次電池1の出力電流を平滑するコンデンサ、3は図示しないキースイッチの操作など、運転開始のための操作と共に閉路し、限流抵抗4を介してコンデンサ2を充電する補助スイッチ、5は補助スイッチ3より所定の時間遅れて閉路し、二次電池1とコンデンサ2とを接続する主スイッチである。
【0011】6はコンデンサ2により平滑された電流が供給され、直流から交流への順変換を行って三相交流電動機7を力行駆動すると共に、交流から直流への逆変換を行って三相交流電動機7の回生エネルギを二次電池1に回生充電する直交順逆変換器、8は三相交流電動機7から駆動される車速センサ、9は直交順逆変換器6の開閉素子をON/OFF制御する力行回生制御装置であり、直交順逆変換器6は逆並列ダイオードを有するトランジスタなどからなる開閉素子を六個使用して三相ブリッジ回路を構成したものである。
【0012】10はマイクロプロセッサやメモリ、および、各種のインターフェイス回路などにより構成されたコントローラ、11は車両のアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ、12は車両のブレーキペダルの踏み込み量または踏み込み圧を検知するブレーキセンサ、13は二次電池1の電圧と電流とを検出する電圧・電流センサ、14は直交順逆変換器6の入出力電流を計測する負荷電流センサ、15は例えば可変抵抗器などからなる惰行時回生電流調節器、16は同じく可変抵抗器などからなる充電率低減調節器であり、車速センサ8と、アクセルセンサ11と、ブレーキセンサ12と、電圧・電流センサ13と、負荷電流センサ14と、惰行時回生電流調節器15と、充電率低減調節器16との信号出力はそれぞれコントローラ10に入力される。
【0013】17は発電装置であり、この実施の形態では水素ガスまたは炭化水素系燃料の分解により得た水素と空気とが供給されて発電する燃料電池が使用される。18は発電用補機であり、発電用補機18には燃料電池17を動作させるための燃料ポンプ、酸素供給用のコンプレッサなど給気装置、冷却水や加湿水を供給する給水ポンプ、および、各種電磁弁など、燃料電池17の運転に必要な補機類が含まれる。19はこの発電用補機18を二次電池1に接続する補機駆動スイッチ、20は発電用補機18を制御する補機制御装置である。
【0014】21は燃料電池17と二次電池1との間に接続され、半導体インバータ回路で構成されて燃料電池17の定格電圧と二次電池1の定格電圧との相違を補正する昇圧機能を有する発電制御装置であり、補機制御装置20は発電制御装置21が燃料電池17の出力電流を制御するとき、燃料電池17に供給する燃料や酸素の供給量を自動制御するようにクローズドループの制御がなされる。また、各センサ類の信号を入力したコントローラ10により発電制御装置21と力行回生制御装置9とが制御されるように構成されている。
【0015】このように構成されたこの発明の実施の形態1によるハイブリッド電気自動車用発電制御装置において、コントローラ10が発電制御装置21と力行回生制御装置9とを制御して二次電池1の充電率や三相交流電動機7の回生エネルギを制御するが、その制御の内容は次の通りである。図2は二次電池1の車速に対する目標充電率の設定特性を示すもので、縦軸は目標充電率、横軸は車速を示し、目標充電率はJISC8704に示されているように、全ての活性物質が放電前の状態に戻った状態を100%充電とする。また、横軸のSP1は例えば車速30Km/h程度の第一車速、SP2は車速60Km/h程度の第二車速である。
【0016】図2において、A1は第一車速SP1以下の低速域における最大目標充電率であり、例えば78%の充電率に設定され、C1は第二車速SP2以上の高速域における最小目標充電率であり、例えば72%の充電率に設定される。B1は第一車速SP1と第二車速SP2との間の漸減目標充電率であり、充電率A1からC1に向かって直線的に漸減させるか、もしくは、車速の上昇に伴って変化率が大きくなるように折れ線または二次曲線で漸減させる。また、A2、B2、C2は充電率低減調節器16を運転者が操作して目標充電率の低減度合を変えた場合を示し、例えば長距離に及ぶ降坂走行時などに使用され、この調節は充電率低減調節器16を可変抵抗として連続的に変化させてもよいし、スイッチなどにより段階的に変化させてもよい。そして、燃料電池17から二次電池1に対する充電はこの目標充電率を超えないように発電制御装置21が制御する。
【0017】また、図3は二次電池1の充電率に対する許容回生電流の設定特性を示すもので、縦軸は許容回生電流を、横軸は二次電池1の被充電率を示し、図の完全充電は上記の100%充電であり、図の高充電の部分は例えば75%レベルの充電率である。図のD1は75%レベル以下の充電率に対して許容される最大許容回生電流、Eは75%レベルの充電率から完全充電状態に至る領域での漸減許容回生電流であり、完全充電状態では許容回生電流は零とされる。D2はアクセルペダルとブレーキペダルとが踏み込まれていない状態、すなわち、惰性走行時に、惰行時回生電流調節器15により回生電流を抑制した場合の最大許容回生電流であり、二次電池としてはD1の値まで回生電流が許容できる場合でも、回生制動力を制限したいときなど、運転者が意図的に回生電流を抑制した状態を示すものである。この惰行時回生電流調節器15による回生電流の調整範囲は零まで、すなわち、回生制動力が零まで調整できるものであり、可変抵抗器を使用して連続的に変化させてもよいし、スイッチなどにより段階的に変化させてもよい。
【0018】図4はコントローラ10による制御の内容を示すフローチャートであり、ステップ400にて動作が開始されると、ステップ401にて二次電池1の充電率の測定が行われる。この充電率の測定は、二次電池1の標準的な特性として予め様々な充電率状態における充電電流または放電電流と電池電圧との関係をコントローラ10に内蔵する記憶テーブルに格納しておき、運転状態における実際の充電電流または放電電流と電池電圧との関係を、記憶テーブルに格納された内容と対比することにより現時点での充電率を判定するものである。なお、この記憶テーブルに格納された充電電流または放電電流と電池電圧との関係は、二次電池1の温度に対応したものとし、二次電池1に温度センサを設けて運転中の電池温度に対応した充電率を判定すればより高精度の制御が可能となる。
【0019】続くステップ402では車速の測定が車速センサ8の出力により行われ、ステップ403にてアクセルペダルが踏み込まれているかどうかがアクセルセンサ11の信号により判定される。ステップ403にてアクセルペダルが踏み込まれていると判定されるとステップ404に進み、アクセルペダルの踏み込み量がアクセルセンサ11の出力から算定され、ステップ405にてアクセルペダルの踏み込み量に応じた力行電流が指令される。このステップ405における力行電流指令値は力行回生制御装置9に入力され、力行回生制御装置9から直交順逆変換器6を介して三相交流電動機7に与えられて三相交流電動機7を駆動制御する。
【0020】ステップ406は、図2に示した車速に対する目標充電率の低減パラメータを設定するステップであり、充電率低減調節器16により設定された充電率低減特性が読み込まれる。ステップ407は燃料電池17の必要発電電流・電圧を演算するステップであり、ステップ401で測定された現時点の充電率と、ステップ402にて測定された車速と、ステップ406で設定された充電率低減パラメータとに基づき、現在の充電率と目標とする充電率との差に対応した必要発電電流・電圧が演算される。
【0021】この必要発電電流は次式のように演算され、この電流を確保するように燃料電池17の発生電圧が制御される。必要発電電流をIcとすると、Ic=Ib+Im≧0 (1)
として演算され、式中のIbは二次電池の入力電流であり、このIbはIb=α×(A−B) (2)
として演算される。ここに、Imは負荷電流で力行時は正符号、回生時は負の符号となり、αは比例常数、Aは図2に示した現車速による目標充電率、Bはステップ401で測定した現在の充電率である。また、二次電池1の入力電流Ibは充電時には正符号、放電時には負の符号となり、必要発電電流Icは0から燃料電池17の最大電流容量の間の値となり、回生動作中は0に設定される。
【0022】従って、(2)式の演算で二次電池1の入力電流Ibが必要なときでも(1)式による負荷電流Imが燃料電池17の最大電流容量を超えるときには二次電池1の入力電流Ibは負の値となり、二次電池1と燃料電池17とが協働して三相交流電動機7を駆動することになる。また、(2)式の演算結果で二次電池1の入力電流Ibが必要なときであっても回生動作中はIcは0であり、三相交流電動機7の回生動作に基づく電流で二次電池1が充電されることになる。
【0023】さらに、必要発電電流Icは次の式により演算し、この電流を確保するように燃料電池17の電圧を制御することもできる。すなわち必要発電電流Icは、Ic=β×(A−B)≧0 (3)
として演算し、また、二次電池1の入力電流IbはIb=Ic−Im (4)
として演算する。ここに、βは比例常数であり、その他の記号は(1)(2)式と同様である。この場合も負荷電流Imが燃料電池17の最大電流容量を超えるときには二次電池1の入力電流Ibは負となって放電状態となり、また(3)式にてIcが0と演算されていても、回生動作中は二次電池1が充電されることになる。なお、(1)(3)式のようにIc≧0であるのでA<Bの場合はIcの値は0として演算される。
【0024】ステップ408は上記に説明したステップ407の演算結果による発電電流・電圧の指令を行うステップであり、この指令は発電制御装置21に対して指令され、発電制御装置21はこの指令に基づき発電装置である燃料電池17を制御する。また、ステップ403にてアクセルペダルが踏み込まれていないと判定されればステップ409に進み、ここでブレーキセンサ12の信号からブレーキペダルが踏み込まれているかどうかが判定され、ブレーキペダルが踏み込まれていなければステップ410に進む。このステップ410は、図3に示した充電率の上昇に対する許容回生電流の低減パラメータを設定するステップであり、惰行時回生電流調節器15により設定された最大許容回生電流が読み込まれる。ステップ411ではステップ410で読み込んだ許容回生電流の値を判定し、こらが0であればステップ406に進み、0でなければステップ413に進む。
【0025】ステップ409において、ブレーキペダルが踏み込まれていると判定されればステップ412に進み、ここではブレーキセンサ12の出力からブレーキペダルの踏み込み量、もしくは、踏み込み圧力が計測され、ステップ413では図3の実線に示すように設定された許容回生電流と、ステップ401で測定された現時点の充電率とから実際に許容される回生電流値が演算される。ステップ414はブレーキペダルの踏み込み量、もしくは、踏み込み圧力に比例すると共に、上限がステップ413で演算された許容回生電流に制限された回生電流値を指令するステップであり、この指令値は力行回生制御装置9を介して直交順逆変換器6に与えられ、三相交流電動機7で発生する回生エネルギにより二次電池1が充電されることになる。
【0026】なお、ステップ411からステップ413に進むときは惰行走行時における回生であり、ステップ410にて設定される許容回生電流の低減パラメータは、図3の点線にて示したD2の特性によるものである。従って、ステップ413では運転者が設定した許容回生電流の低減パラメータにて許容回生電流が演算され、ステップ414での指令値となり、運転者が回生制動でなく単に惰行運転をしたいときには許容回生電流は零に設定されることもある。また、ステップ415にてルーチンが終了するとステップ400に戻り、以上の動作が繰り返される。
【0027】ここで、ブレーキペダルの踏み込みによる回生制動は摩擦式ブレーキと協働して制動制御が行われるものであり、回生による制動力が不足の場合には摩擦式ブレーキを強化するように制御される。また、発電制御装置21に与えられた発電指令値はこの指令電流値を得るのに必要な燃料電池17の発電電圧を制御することであり、必要な電圧を得るために補機制御装置20が動作し、供給燃料や供給酸素の自動制御が行われると共に、燃料電池17の温度制御のための冷却水の循環管理が行われる。
【0028】実施の形態2.図5は、この発明の実施の形態2によるハイブリッド電気自動車用発電制御装置の電気回路図を示すもので、実施の形態1が発電装置に燃料電池を使用したのに対し、この実施の形態はエンジン発電機を使用するようにしたものである。図5において実施の形態1との相違点を説明すると、22は例えばガソリンを燃料とするエンジン23により駆動される三相交流発電機であり、三相交流発電機22の交流出力は三相全波整流器24により全波整流されて二次電池1を充電し、また、三相交流電動機7を駆動する。
【0029】25は三相交流発電機22の界磁コイル、26は発電制御装置であり、発電制御装置26はコントローラ10からの発電電流、または、電圧指令に基づき界磁コイル25の電流を制御して三相交流発電機22の出力を制御する。ただし、三相交流発電機22の能力を超えた電流が出力されると出力電圧は低下するので、出力電流は定格値以下に抑制される。27はエンジン23が最も効率的な運転となるように、例えばエンジンの吸気系を制御して回転速度を所定値に制御する回転速度制御装置であり、三相交流発電機22の発電量に応じて吸気量を制御することにより回転を制御し、燃料消費量を効率化する。
【0030】このように構成されたこの発明の実施の形態2によるハイブリッド電気自動車は、通称シリアル式と呼ばれるハイブリッド電気自動車であり、実施の形態1の場合と発電装置が燃料電池17と三相交流発電機22との違いがあり、また、双方の発電制御装置21と26とには構成上の差はあるが、発電制御の内容は同様であり、実施の形態1にて説明した二次電池1の充電率制御と許容回生電流制御とが行われるものであり、重複するのでここでの説明は省略する。なお、エンジンが発電機を駆動すると共に車両自体を駆動する通称パラレル式と呼ばれるハイブリッド電気自動車においても充電率や回生電流のパラメータを変えることにより、二次電池の充電率制御や許容回生電流制御をこの発明の制御と同様に行うことができるものである。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したようにこの発明のハイブリッド電気自動車用発電制御装置によれば、発電装置から充電される二次電池と、発電装置と二次電池とから電力供給を受けると共に、減速時には回生電流により二次電池を充電する電動機と、車速信号と二次電池の電圧・電流信号とを入力して、二次電池の充電率を演算し、車速の上昇に伴って発電装置から二次電池に対する充電率を低減して回生による充電量を増加させる制御手段とを備えたので、車速のほぼ二乗に比例する回生エネルギが無駄なく回収できることになり、車両の走行に必要な燃料の消費を大幅に低減することが可能になるものであり、また、二次電池の充電率に応じて回生電流による充電量が制限されるようにしたので二次電池の過充電が抑制され、二次電池の寿命を延長しながら省エネルギが可能なハイブリッド電気自動車用発電制御装置を得ることができるものである。
【0032】また、二次電池を充電する発電装置を、出力制御用の半導体インバータ回路と燃料供給調整手段とを備えた燃料電池、あるいは、回転速度制御手段と出力制御用の半導体界磁制御手段とを備えたエンジン駆動式の発電機としたので、二次電池に対する充電制御が速やかに行え、負荷の変動に対する燃料消費を抑制することができ、さらに、二次電池に対する充電率の低減パラメータが車両の運転者により設定可能なようにしたので長距離に及ぶ降坂走行や高頻度の減速運転に対しても二次電池の過充電を避けながら燃料の消費を低減することができ、さらにまた、惰行減速時における回生電流による充電量が車両の運転者により設定可能なようにしたので、走行条件により回生制動を伴わない惰行運転の設定が可能になるなど優れたハイブリッド電気自動車用発電制御装置を得ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年8月10日(2000.8.10)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
【公開番号】 特開2002−58111(P2002−58111A)
【公開日】 平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願番号】 特願2000−242963(P2000−242963)