| 【発明の名称】 |
電気自動車の回生ブレーキ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】野本 大志
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| 【要約】 |
【課題】簡単かつ安価な構成及び制御で回生ブレーキ力を効率良く回収できる電気自動車の回生ブレーキ制御装置を提供する。
【解決手段】電動モータ1を駆動源とする電気自動車の回生ブレーキ制御装置において、前進側のドライブモードとして通常のドライブモード及び強回生ドライブモードから任意のドライブモードを選択するドライブモード選択手段2と、該ドライブモード選択手段2によるドライブモードの選択に応じて、強回生ドライブモードが選択されたときは、通常のドライブモードにおける少なくとも1つの変速比と同じ変速比でありながら、該変速比の通常のドライブモードで発生し得る回生トルクよりも大きな回生トルクを発生するように電動モータ1の駆動を制御する電動モータ駆動制御手段4とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電動モータを駆動源とする電気自動車の回生ブレーキ制御装置において、前進側のドライブモードとして通常のドライブモード及び強回生ドライブモードから任意のドライブモードを選択するドライブモード選択手段と、該ドライブモード選択手段によるドライブモードの選択に応じて、上記強回生ドライブモードが選択されたときは、上記通常のドライブモードにおける少なくとも1つの変速比と同じ変速比でありながら、該変速比の通常のドライブモードで発生し得る回生トルクよりも大きな回生トルクを発生するように上記電動モータの駆動を制御する電動モータ駆動制御手段とを有することを特徴とする電気自動車の回生ブレーキ制御装置。 【請求項2】 ブレーキ操作のオン・オフを検出するブレーキセンサを有し、上記電動モータ駆動制御手段は、上記ブレーキセンサの出力に基づいて、上記前進側の各ドライブモードにおいてブレーキ操作がオンのときはオフのときよりも大きな回生トルクを発生させるように上記電動モータの駆動を制御するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の回生ブレーキ制御装置。 【請求項3】 上記ドライブモード選択手段は、上記強回生ドライブモードとして複数の強回生ドライブモードから任意の強回生ドライブモードを選択するよう構成し、上記電動モータ駆動制御手段は、上記複数の強回生ドライブモード間で異なる回生トルクを発生するように、上記ドライブモード選択手段による強回生ドライブモードの選択に応じて上記電動モータの駆動を制御するよう構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電気自動車の回生ブレーキ制御装置。 【請求項4】 上記ドライブモード選択手段は、変速レバーのシフトポジションによってドライブモードを選択するよう構成したことを特徴とする請求項1〜3に記載の電気自動車の回生ブレーキ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータを駆動源とする電気自動車の回生ブレーキ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電動モータを駆動源とする電気自動車では、アクセルをオフとすることにより電動モータを発電機として作動させて回生ブレーキ力を得て、その制動時のエネルギーを回収したり、フットブレーキによるブレーキ力の補助に利用している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、電動モータは低速時のトルクが非常に大きいことから、廉価さが要求されると同時にタウンユースを重視した電気自動車の場合には、通常のガソリン車のように複数段の変速機を必要とせず、殆ど場合において減速機が1段となっている。 【0004】このため、大きな回生トルクを発生させるように設定すると、乗車人員が少ない時等の軽負荷状態では車両の走行がギクシャクして乗り心地が悪化することが懸念される。また、最初から大きな回生トルクを発生するように設定すると、降雪時等の路面の摩擦抵抗が低い状態下では、駆動輪が容易にロックしてスピンするおそれがある。 【0005】更に、ガソリン車の場合のように、下り坂で変速ギヤを1〜2段下げることにより、エンジンブレーキをかけてフットブレーキの過熱を防いだり、不必要な車速の上昇を防ぐことができないと共に、電気自動車では大量のバッテリを搭載することから車両重量が増加するため、フットブレーキの負担が大きくなることが懸念される。 【0006】上記の対策としては、例えば実用新案登録第2580478号公報に開示されるように、ブレーキペダルの操作時間に応じた回生ブレーキ力となるように電動モータの回生状態を制御したり、或いはブレーキペダルの操作時間及び車速の増加に応じて回生ブレーキ力が増加するように電動モータの回生状態を制御することが考えられる。 【0007】しかし、前者の場合には、ブレーキペダルの操作時間を検出し、その操作時間に応じて回生状態を制御し、また後者の場合には、ブレーキペダルの操作時間及び車速を検出すると共にこれらの増加を検出し、ブレーキペダルの操作時間及び車速の増加に応じて回生状態を制御するため、構成及び制御が複雑となりコストの増大を招くおそれがある。 【0008】従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、簡単かつ安価な構成及び制御で回生ブレーキ力を効率良く回収できる電気自動車の回生ブレーキ制御装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求項1に記載の発明は、電動モータを駆動源とする電気自動車の回生ブレーキ制御装置において、前進側のドライブモードとして通常のドライブモード及び強回生ドライブモードから任意のドライブモードを選択するドライブモード選択手段と、該ドライブモード選択手段によるドライブモードの選択に応じて、上記強回生ドライブモードが選択されたときは、上記通常のドライブモードにおける少なくとも1つの変速比と同じ変速比でありながら、該変速比の通常のドライブモードで発生し得る回生トルクよりも大きな回生トルクを発生するように上記電動モータの駆動を制御する電動モータ駆動制御手段とを有することを特徴とする。 【0010】請求項1の発明によると、ドライブモード選択手段で強回生ドライブモードを選択し、それにより通常のドライブモードにおける変速比と同じ変速比でありながら、通常よりも大きな回生トルクを発生するように電動モータ駆動制御手段によって電動モータの駆動を制御するので、簡単な制御で回生ブレーキ力を効率良く回収することが可能になると共に、構成も簡単かつ安価にすることが可能となる。 【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1の電気自動車の回生ブレーキ制御装置において、ブレーキ操作のオン・オフを検出するブレーキセンサを有し、上記電動モータ駆動制御手段は、上記ブレーキセンサの出力に基づいて、上記前進側の各ドライブモードにおいてブレーキ操作がオンのときはオフのときよりも大きな回生トルクを発生させるように上記電動モータの駆動を制御するよう構成したことを特徴とする。 【0012】請求項2の発明によると、前進側の各ドライブモードにおいてブレーキ操作がオンのときはオフのときよりも大きな回生トルクが発生するので、回生トルクを多段階に制御することが可能となり、これによりガソリン車のエンジンブレーキのフィーリングと違和感のない運転操作が可能になると共に、降雪時等の路面の摩擦抵抗が低い場合では通常のドライブモードを選択することで、駆動輪のロックによるスピンを有効に防止することが可能になる。 【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または2の電気自動車の回生ブレーキ制御装置において、上記ドライブモード選択手段は、上記強回生ドライブモードとして複数の強回生ドライブモードから任意の強回生ドライブモードを選択するよう構成し、上記電動モータ駆動制御手段は、上記複数の強回生ドライブモード間で異なる回生トルクを発生するように、上記ドライブモード選択手段による強回生ドライブモードの選択に応じて上記電動モータの駆動を制御するよう構成したことを特徴とする。 【0014】請求項3の発明によると、複数の強回生ドライブモードから任意の強回生ドライブモードを選択でき、その選択された強回生ドライブモードに応じて電動モータの回生トルクが制御されるので、下り坂の傾斜や搭載重量が変化してもフットブレーキに負担をかけることなく、略一定の速度を保つことが可能となる。 【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の電気自動車の回生ブレーキ制御装置において、上記ドライブモード選択手段は、変速レバーのシフトポジションによってドライブモードを選択するよう構成したことを特徴とする。 【0016】請求項4の発明によると、変速レバーのシフトポジションによってドライブモードを選択するので、ガソリン車と同様のシフト操作で所望のドライブモードを容易に選択することが可能となる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明による電気自動車の回生ブレーキ制御装置の一実施の形態について図によって説明する。 【0018】図1は、回生ブレーキ制御装置の要部の構成を示すブロック図、図2は電動モータのトルク特性を示す図、図3は同じくトルクマップを示す図である。本実施の形態では、電動モータ1を変速レバー2のシフト操作に基づいて、メインバッテリ3により電動モータ駆動制御回路4を介して駆動制御し、その駆動力を変速比が固定のトランスミッション(T/M)5を介して駆動輪(図示せず)に伝達する。 【0019】変速レバー2には、パーキング(P)ポジション、リバース(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション及び前進側の通常のドライブモードを選択するドライブ(D)ポジションの他に、前進側に強回生ドライブモードを選択するための強回生ドライブ(Db)ポジションを追加し、これら各シフトポジションに変速レバー2を選択的にシフトさせるようにする。 【0020】電動モータ駆動制御回路4とイグニッションスイッチ(IGN)との間には、変速レバー2の各シフトポジションに対応して常開のポジションスイッチ6P、6R、6N、6D及び6Dbを設け、これらポジションスイッチを変速レバー2の各シフトポジションへのシフト操作に対応してオンするようにする。 【0021】また、電動モータ駆動制御回路4には、アクセルセンサ7を接続し、このアクセルセンサ7でアクセル(図示せず)のオン・オフを検出すると共に、その操作量を検出して、変速レバー2がR、DまたはDbの各シフトポジションにシフトされたときに、アクセルの操作量に応じて電動モータ駆動制御回路4により電動モータ1の駆動を制御する。 【0022】更に、サブバッテリ8には、常開のブレーキスイッチ9を介してブレーキランプ10を接続し、ブレーキ(図示せず)の操作によりブレーキスイッチ9をオンにしてブレーキランプ10を点灯させると共に、ブレーキスイッチ9のオン・オフ信号を電動モータ駆動制御回路4に供給する。 【0023】本実施の形態では、上記構成において、変速レバー2がDまたはDbのシフトポジションにシフトされ、アクセルセンサ6の出力がオフ、換言するとアクセルが操作さていないときは、DポジションとDbポジションとで同じ変速比でありながら、Dポジションにシフトされているときよりも、Dbポジションにシフトされているときの方が大きな回生トルクを発生させ、かつ、D及びDbの各シフトポジションにおいて、ブレーキスイッチ9がオンのときは、ブレーキスイッチ9がオフのときよりも大きな回生トルクを発生するように、電動モータ駆動制御回路4により電動モータ1の発生トルクを制御する。 【0024】即ち、図2及び図3に示すように、変速レバー2がDポジションにシフトされている状態で、ブレーキスイッチ9がオフのときは回生トルクをTb1に設定し、ブレーキスイッチ9がオンのときは回生トルクをTb2(>Tb1)に設定する。また、変速レバー2がDbポジションにシフトされている状態で、ブレーキスイッチ9がオフのときは回生トルクをTb3(>Tb2)に設定し、ブレーキスイッチ9がオンのときは回生トルクをTb4(>Tb3)に設定する。なお、図2に示すトルク特性において、Tc1及びTc2はクリープの設定トルクを示している。 【0025】ここで、上記の回生トルクは、電動モータ1が直流分巻電動モータの場合には、界磁巻線に流す電流量を制御することで設定し、電動モータ1が誘導電動モータの場合には、インバータを介して例えばステータに印加する交流の周波数を制御することにより設定する。 【0026】このように、本実施の形態では、変速レバー2の前進側のシフトポジションにDbポジションを追加し、変速レバー2がDbポジションにシフトされているときは、Dポジションでの通常のドライブモードと同じ変速比でありながら、通常のドライブモードの場合よりも大きな回生トルクを発生させるようにしたので、簡単かつ安価な構成及び制御で回生ブレーキ力を効率良く回収することができると共に、変速レバーにDbポジションを追加したので、ガソリン車と同様のシフト操作で所望のドライブモードを容易に選択することができる。 【0027】また、D及びDbの各シフトポジションにおいて、ブレーキスイッチ9がオンのときは、ブレーキスイッチ9がオフのときよりも大きな回生トルクを発生するようにしたので、回生トルクを多段階に設定でき、これによりガソリン車のエンジンブレーキのフィーリングと違和感のない運転操作ができると共に、降雪時等の低路面摩擦抵抗下では変速レバー2をDポジションにシフトすることで、駆動輪のロックによるスピンを有効に防止することができる。 【0028】なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、D及びDbの各シフトポジションでのブレーキスイッチ9のオン・オフによる回生トルクの制御は、必要に応じて行えばよく、単にDbポジションでの回生トルクをDポジションでの回生トルクよりも大きく設定するようにすることもできる。 【0029】また、上記実施の形態では、変速レバー2のシフトポジションとしてDbポジションを追加して強回生ドライブモードを選択するようにしたが、例えば変速レバー2にマニュアル操作可能な強回生ドライブモードの選択スイッチを設け、変速レバー2をシフトすることなく選択スイッチをオンすることで、強回生ドライブモードを選択するようにすることもできる。 【0030】更に、強回生ドライブモードとして、通常のドライブモードにおける回生トルクよりも大きく、かつ異なる回生トルクを発生するように複数の強回生ドライブモードを設定して、任意の強回生ドライブモードを選択するようにすることもできる。このようにすれば、下り坂の傾斜や搭載重量が変化してもフットブレーキに負担をかけることなく、略一定の速度を保つことができる。また、この場合、各強回生ドライブモードにおいて、ブレーキスイッチのオン・オフにより上記実施の形態で説明したと同様に異なる回生トルクを発生するように制御することもでき、これにより回生トルクをより多段階に設定することができる。 【0031】また、上記実施の形態では、通常のドライブモードを一つとして、トランスミッション5の変速比を固定としたが、通常のドライブモードとして複数のドライブモードを有し、各ドライブモードに応じた変速段数を複数有するトランスミッションを用いる場合にも、本発明を有効に適用することができる。この場合、例えば変速レバーにマニュアル操作可能な強回生ドライブモードの選択スイッチを設け、変速レバーがあるドライブポジションに位置する状態で選択スイッチがオンになったときは、当該ドライブポジションでの通常ドライブモードと同じ変速比で、その通常ドライブモードにおける回生トルクよりも大きく、かつ次段のドライブポジションでの通常ドライブモードにおける回生トルクよりも小さい回生トルクを発生させるように制御したり、或いはシフトポジションや選択スイッチによって強回生ドライブモードを選択し、これにより複数のドライブモードの中で最も大きい回生トルクを発生する変速比と同じ変速比で、これよりも更に大きい回生トルクを発生させるように制御することができる。 【0032】 【発明の効果】以上説明した本発明による電気自動車の回生ブレーキ制御装置によると、ドライブモード選択手段で強回生ドライブモードを選択し、これにより電動モータ駆動制御手段によって電動モータの駆動を制御して通常のドライブモードにおける変速比と同じ変速比でありながら、通常よりも大きな回生トルクを発生させるようにしたので、簡単かつ安価な構成及び制御で、回生ブレーキ力を効率良く回収することができる。 【0033】また、前進側の各ドライブモードにおいてブレーキ操作がオンのときはオフのときよりも大きな回生トルクを発生させることで、回生トルクを多段階に制御でき、ガソリン車のエンジンブレーキのフィーリングと違和感のない運転操作ができると共に、降雪時等の低路面摩擦抵抗下では通常のドライブモードを選択することで、駆動輪のロックによるスピンを有効に防止することができる。 【0034】更に複数の強回生ドライブモードから任意の強回生ドライブモードを選択して、その選択された強回生ドライブモードに応じて回生トルクを制御することで、下り坂の傾斜や搭載重量が変化してもフットブレーキに負担をかけることなく、略一定の速度を保つことができ、また、変速レバーのシフトポジションによってドライブモードを選択するようにすることで、ガソリン車と同様のシフト操作で所望のドライブモードを容易に選択することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月10日(2000.8.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100354 【弁理士】 【氏名又は名称】江藤 聡明
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| 【公開番号】 |
特開2002−58105(P2002−58105A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月22日(2002.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−242589(P2000−242589) |
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