| 【発明の名称】 |
前後輪駆動車両の駆動制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】喜多野 和彦
【氏名】内山 直樹
【氏名】中佐古 享
【氏名】本多 健司
【氏名】福田 俊彦
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| 【要約】 |
【課題】加速時における電気モータによるアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行うことができ、良好な加速性および運転性を確保できる前後輪駆動車両の駆動制御装置を提供する。
【解決手段】車両2の目標駆動力FCMDに基づいて電気モータ4の目標駆動力FCMD_MOTを算出するモータ目標駆動力算出手段11と、目標駆動力およびモータ目標駆動力に基づいてエンジン3の目標駆動力FCMD_ENGを算出するエンジン目標駆動力算出手段11と、モータ目標駆動力に基づいて電気モータ4を駆動するモータ駆動手段10、11と、モータ駆動手段による電気モータ4の駆動を、目標駆動力の変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST以上の場合に許可するとともに、所定値未満の場合には、トルクコンバータ5aの速度比ETRが基準速度比ETR_CTRL1よりも小さいときに許可するモータ駆動許可手段11と、を備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前後の駆動輪の一方をトルクコンバータを介してエンジンで駆動するとともに、他方の前記駆動輪を電気モータで駆動する四輪駆動状態と、当該電気モータによる前記他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制御装置であって、前記車両の速度を検出する車速検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、前記検出された車速およびアクセル開度に基づいて前記車両の目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力に基づいて前記電気モータの目標駆動力を算出するモータ目標駆動力算出手段と、前記目標駆動力および前記モータ目標駆動力に基づいて前記エンジンの目標駆動力を算出するエンジン目標駆動力算出手段と、前記モータ目標駆動力に基づいて前記電気モータを駆動するモータ駆動手段と、前記トルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手段と、所定の基準速度比を記憶する基準速度比記憶手段と、前記検出された速度比と前記基準速度比を比較する速度比比較手段と、前記モータ駆動手段による前記電気モータの駆動を、前記目標駆動力の変化量が所定値以上の場合に許可するとともに、前記目標駆動力の変化量が所定値未満の場合には、前記速度比比較手段により前記速度比が前記基準速度比よりも小さいと判定されたときに許可するモータ駆動許可手段と、を備えていることを特徴とする前後輪駆動車両の駆動制御装置。 【請求項2】 前後の駆動輪の一方をトルクコンバータを介してエンジンで駆動するとともに、他方の前記駆動輪を電気モータで駆動する四輪駆動状態と、当該電気モータによる前記他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制御装置であって、前記電気モータの目標駆動力を算出するモータ目標駆動力算出手段と、当該算出されたモータ目標駆動力に基づいて前記電気モータを駆動するモータ駆動手段と、前記トルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手段と、所定の基準速度比を記憶する基準速度比記憶手段と、前記検出された速度比と前記基準速度比を比較する速度比比較手段と、前記車両の走行中にアクセルペダルが解除状態から踏込み操作されたか否かを検出する踏込み操作検出手段と、前記モータ駆動手段による前記電気モータの駆動を、前記踏込み操作検出手段により前記アクセルペダルの前記踏込み操作が検出された場合に許可するとともに、前記アクセルペダルの前記踏込み操作が検出されていない場合には、前記速度比比較手段により前記速度比が前記基準速度比よりも大きいと判定されたときに停止するモータ駆動許可手段と、を備えていることを特徴とする前後輪駆動車両の駆動制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、前輪および後輪の一方をトルクコンバータを介してエンジンで駆動するとともに、他方を電気モータで駆動する四輪駆動状態と、電気モータによる駆動を停止する二輪駆動状態とに切り換えて運転されるタイプの前後輪駆動車両の駆動制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】本出願人は、この種の駆動制御装置を、例えば特願平11−366934号ですでに提案している。この前後輪駆動車両は、前輪をトルクコンバータを介してエンジンで駆動し、後輪を電気モータで駆動するタイプのものである。この駆動制御装置では、電気モータによる後輪の駆動条件、すなわち四輪駆動の実行条件の1つとして、トルクコンバータの速度比が用いられている。具体的には、検出されたトルクコンバータの速度比が所定値以上のときに、電気モータを停止して二輪駆動を行う一方、所定値未満のときに、電気モータを作動させて四輪駆動を行うように構成されている。例えば発進時には、速度比が小さくトルク増幅率が高いことから、低摩擦路などでは前輪がスリップしやすいので、上記の制御により電気モータを作動させて後輪でアシストすることによって、発進性を高めることができる。また、アクセルペダルが踏み込まれた加速時には、トルクコンバータの滑りが大きくなることで、速度比が一時的に低下するので、このような場合にも、後輪によるアシストが行われることによって、加速性を確保できる。なお、この四輪駆動状態では、まず車両全体に要求される総駆動力が決定され、モータ駆動力がその最大出力を上限値として決定されるとともに、エンジン駆動力は、総駆動力からモータ駆動力を差し引いた残り分として決定される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した駆動制御装置では、以下の理由により、加速時にトルク段差が生じることがあり、この点で改善の余地がある。すなわち、この駆動制御装置では、上述したように、加速時におけるトルクコンバータの滑りによる速度比の低下を想定し、速度比が所定値未満に低下することを条件として、電気モータによるアシストを開始している。しかし、トルクコンバータの滑りは瞬時には発生せず、徐々に大きくなるので、速度比が実際に所定値未満まで低下するのに、すなわち電気モータによるアシストの開始までに、時間遅れを伴う。一方、この間、加速要求に伴って総駆動力は増大し続け、モータ駆動力=0であることから、エンジン駆動力も総駆動力と同じ値で増大し続ける。その結果、速度比が所定値未満まで低下した時点で、大きなモータ駆動力が急激に発生するとともに、このモータ駆動力に等しい分だけ、エンジン駆動力が急激に大きく減少してしまう。この場合、モータ駆動力の発生とエンジン駆動力の減少を完全に同期させることは困難であるため、トルク段差がある程度、発生することは避けられない。特に、低速状態からの加速時や、減速状態からの加速時には、アクセルペダルの踏込み量が小さい場合でも、総駆動力が大きく増大するため、このような不具合が顕著に現われやすい。 【0004】本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、加速時における電気モータによるアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行うことができ、それにより、良好な加速性および運転性を確保することができる前後輪駆動車両の駆動制御装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、前後の駆動輪の一方(実施形態における(以下、本項において同じ)前輪WFL、WFR)をトルクコンバータ5aを介してエンジン3で駆動するとともに、他方の駆動輪(後輪WRL、WRR)を電気モータ4で駆動する四輪駆動状態と、電気モータ4による他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制御装置であって、車両2の速度(車速Vcar)を検出する車速検出手段(車輪回転数センサ12、ECU11)と、アクセル開度θAPを検出するアクセル開度検出手段(アクセル開度センサ16)と、検出された車速Vcarおよびアクセル開度θAPに基づいて車両2の目標駆動力FCMDを算出する目標駆動力算出手段(ECU11、図3のステップ31)と、目標駆動力FCMDに基づいて電気モータ4の目標駆動力(後輪目標駆動力FCMD_MOT)を算出するモータ目標駆動力算出手段(ECU11、図3のステップ33)と、目標駆動力FCMDおよびモータ目標駆動力に基づいてエンジン3の目標駆動力(前輪目標駆動力FCMD_ENG)を算出するエンジン目標駆動力算出手段(ECU11、図3のステップ35)と、モータ目標駆動力に基づいて電気モータ4を駆動するモータ駆動手段(モータドライバー10、ECU11)と、トルクコンバータ5aの速度比ETRを検出する速度比検出手段(クランク角センサ13、メインシャフト回転数センサ14a、ECU11)と、所定の基準速度比(アシスト開始基準速度比ETR_CTRL1)を記憶する基準速度比記憶手段(ECU11、図7のテーブル)と、検出された速度比ETRと基準速度比を比較する速度比比較手段(ECU11、図6のステップ65)と、モータ駆動手段による電気モータ4の駆動を、目標駆動力の変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST以上の場合に許可するとともに、目標駆動力の変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST未満の場合には、速度比比較手段により速度比ETRが基準速度比よりも小さいと判定されたときに許可するモータ駆動許可手段(ECU11、図6のステップ65、66)と、を備えていることを特徴とする。 【0006】この前後輪駆動車両の駆動制御装置によれば、検出されたアクセル開度および車速に基づいて車両の目標駆動力が算出され、この目標駆動力に基づいて電気モータの目標駆動力が算出されるとともに、さらに、これらの目標駆動力およびモータ目標駆動力に基づいてエンジンの目標駆動力が算出される。このモータ目標駆動力に基づき、モータ駆動手段が電気モータを駆動し、他方の駆動輪を駆動することによって、電気モータによりアシストされた四輪駆動状態で運転される。また、トルクコンバータの速度比を検出するとともに、検出された速度比と所定の基準速度比を比較する。そして、モータ駆動許可手段は、算出した目標駆動力の変化量が所定値以上の場合には、モータ駆動手段による電気モータの駆動を許可する一方、目標駆動力の変化量が所定値未満の場合には、速度比が基準速度比よりも小さいときに、電気モータの駆動を許可する。 【0007】以上のように、この駆動制御装置によれば、車両の目標駆動力の変化量が所定値以上の場合には、トルクコンバータの速度比にかかわらず、電気モータの駆動を許可し、アシストモードを実行する。したがって、低速状態からの加速時や、減速状態からの加速時に、速度比が基準速度比未満まで低下するのを待たずに、その変化の遅れに影響されることなく、電気モータによるアシストを即座に開始することができる。その結果、電気モータによるアシストを、モータ駆動力の小さな状態で開始し、これを徐々に増大させながら行えるとともに、それに応じてエンジン駆動力が徐々に減少するので、電気モータによるアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行うことができる。 【0008】一方、目標駆動力の変化量が所定値未満の場合、すなわちトルク段差への影響が小さい場合には、速度比が基準速度比よりも小さいときに、電気モータの駆動を許可するので、電気モータによるアシストを、実際の速度比に応じて適切に行うことができる。以上により、良好な加速性および運転性を確保することができる。 【0009】また、前記目的を達成するため、本発明の請求項2に係る発明は、前後の駆動輪の一方(前輪WFL、WFR)をトルクコンバータ5aを介してエンジン3で駆動するとともに、他方の駆動輪(後輪WRL、WRR)を電気モータ4で駆動する四輪駆動状態と、電気モータ4による他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制御装置であって、電気モータ4の目標駆動力(後輪目標駆動力FCMD_MOT)を算出するモータ目標駆動力算出手段(ECU11、図3のステップ33)と、算出されたモータ目標駆動力に基づいて電気モータ4を駆動するモータ駆動手段(モータドライバー10、ECU11)と、トルクコンバータ5aの速度比ETRを検出する速度比検出手段(クランク角センサ13、メインシャフト回転数センサ14a、ECU11)と、所定の基準速度比(アシスト停止基準速度比ETR_CTRL2)を記憶する基準速度比記憶手段(ECU11、図7のテーブル)と、検出された速度比ETRと基準速度比を比較する速度比比較手段(ECU11、図6のステップ67)と、車両2の走行中にアクセルペダル17が解除状態から踏込み操作されたか否かを検出する踏込み操作検出手段(アクセル開度センサ16、ECU11、図6のステップ62)と、モータ駆動手段による電気モータ4の駆動を、踏込み操作検出手段によりアクセルペダル17の踏込み操作が検出された場合に許可するとともに、アクセルペダル17の踏込み操作が検出されていない場合には、速度比比較手段により速度比ETRが基準速度比よりも大きいと判定されたときに停止するモータ駆動許可手段(ECU11、図6のステップ62、66、67、69)と、を備えていることを特徴とする。 【0010】この前後輪駆動車両の駆動制御装置によれば、車両の走行中にアクセルペダルが解除状態から踏込み操作されたか否かを検出する。そして、そのようなアクセルペダルの踏込み操作が検出された場合には、電気モータの駆動を許可する一方、踏込み操作が検出されていない場合には、速度比が基準速度比よりも大きいときに、電気モータの駆動を停止する。 【0011】このように、アクセルペダルOFFの減速状態からアクセルペダルが踏み込まれ、加速された場合には、トルクコンバータの速度比にかかわらず、電気モータの駆動を許可するので、この場合においても、電気モータによるアシストを、速度比変化の遅れに影響されることなく、加速直後から開始でき、モータ駆動力を小さな状態から徐々に増大させることができる。したがって、電気モータによるアシストを、トルクコンバータの速度比変化の遅れに起因するトルク段差を生じることなく、円滑に行うことができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本発明による駆動制御装置1を適用した前後輪駆動車両(以下「車両」という)2の概略構成を示している。同図に示すように、この車両2は、左右の前輪WFL、WFR(以下、総称する場合は「WF」という)をエンジン3で駆動するとともに、左右の後輪WRL、WRR(以下、総称する場合は「WR」という)をモータ4で駆動するものである。 【0013】エンジン3は、車両2の前部に横置きに搭載されており、トルクコンバータ5aを有する自動変速機5、およびフロントディファレンシャル6を介して、前輪WFに接続されている。 【0014】モータ4は、その駆動源であるバッテリ7に接続されるとともに、電磁クラッチ8およびリヤディファレンシャル9を介して、後輪WRに接続されている。モータ4がバッテリ7で駆動され、かつ電磁クラッチ8が接続されているときに、後輪WRがモータ4で駆動される。このとき、車両2は、モータ4によりアシストされた四輪駆動状態になる。一方、モータ4がバッテリ7で駆動されていないときや、電磁クラッチ8が遮断されているときには、車両2は二輪駆動状態になる。なお、モータ4は比較的小型のものであり、車速Vcarが大きい高速運転時には、モータ4が後輪WRに追随して回転することが困難になるため、電磁クラッチ8が遮断されるようになっている。モータ4の出力は、最大12kWの範囲内で任意に変更することが可能である。一方、モータ4は、車両2の制動エネルギにより回転駆動されているとき(減速回生モード)などに発電を行い、発電した電力(回生エネルギ)をバッテリ7に充電するジェネレータとしての機能を有している。このバッテリ7の充電残量SOCは、検出されたバッテリ7の電流・電圧値に基づき、後述するECU11によって算出される。 【0015】モータ4は、モータドライバー10を介して、ECU11に接続されており、モータ4の駆動モードおよび減速回生モードなどの切換え、駆動モード時における最大出力の設定や駆動トルク、ならびに減速回生モード時における回生量(充電量)などは、ECU11で制御されるモータドライバー10によって、制御される。電磁クラッチ8の接続・遮断もまた、そのソレノイド(図示せず)への電流の供給・停止がECU11で制御されることによって、制御される。 【0016】左右の前輪WFL、WFRおよび後輪WRL、WRRには、磁気ピックアップ式の車輪回転数センサ12がそれぞれ設けられており、これらの車輪回転数センサ12から、各車輪回転数N_FL、N_FR、N_RL、N_RRを表すパルス信号がECU11にそれぞれ出力される。ECU11は、これらのパルス信号から、前輪速度V_FF、後輪速度V_RRや車速Vcarなどを算出する。 【0017】また、エンジン3のクランクシャフト(図示せず)には、所定のクランク角ごとにクランクパルス信号CRKを出力するクランク角センサ13が、自動変速機5のメインシャフト5bおよびカウンタシャフト(図示せず)には、それらの回転数Nm、Ncounterを表すパルス信号を出力する磁気ピックアップ式のメイン・カウンタシャフト回転数センサ14a、14bが、それぞれ設けられており、これらの信号もまた、ECU11に出力される。ECU11は、クランクパルス信号CRKに基づいてエンジン回転数NEを算出するとともに、このエンジン回転数NEとメインシャフト回転数Nmから、トルクコンバータ5aの速度比ETRを算出する(ETR=Nm/NE)。また、モータ4にはその回転数Nmotを表すパルス信号を出力するレゾルバによるモータ回転数センサ15が設けられており、この信号もECU11に出力される。 【0018】また、ECU11には、アクセル開度センサ16から、アクセルペダル17のON/OFFを含む開度(アクセル開度)θAPを表す検出信号が入力される。ECU11にはさらに、ブレーキのマスタシリンダ(図示せず)に取り付けたブレーキ圧センサ19からブレーキ圧PBRを表す検出信号が、操舵角センサ20からハンドル(図示せず)の操舵角θSTRを表す検出信号が、シフト位置センサ21から自動変速機5のシフトレバー位置POSIを表す検出信号が、加速度センサ22、23から前後の車輪WF、WRの加速度GF、GRを表す検出信号が、それぞれ入力される。 【0019】上記ECU11は、RAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成されている。ECU11は、上述した各種センサからの検出信号に基づいて、車両2の走行状態を検出し、制御モードを判定するとともに、その結果に基づいて、車両2の目標駆動力FCMD、前輪目標駆動力FCMD_ENGおよび後輪目標駆動力FCMD_MOTを算出する。そして、算出した前輪目標駆動力FCMD_ENGに基づく駆動信号DBW_THを、DBW式のアクチュエータ24に出力することによって、スロットル弁25の開度(スロットル弁開度θTH)を制御し、エンジン3の駆動力を制御する。また、後輪目標駆動力FCMD_MOTに基づくモータ要求トルク信号TRQ_MOTをモータドライバー10に出力することによって、モータ4の駆動力を制御する。 【0020】図2は、ECU11で実行される制御処理のメインフローを示すフローチャートである。このプログラムは、所定時間(例えば10ms)ごとに実行される。この制御処理ではまず、ステップ21(「S21」と図示。以下同じ)において車両2の状態を検出する。具体的には、前述した各種センサで検出されたパラメータ信号を読み込み、これらに基づき、所定の演算を行うとともに、車両2が前進、後退および停止のいずれの走行状態にあるかを判定する。 【0021】次いで、ステップ21で検出された、自動変速機5のシフトレバー位置POSIおよびアクセルペダル17のON/OFF状態、ならびに車両2の走行状態から、車両2の制御モードを判定する(ステップ22)。具体的には、制御モードを、車両2が前進状態または後退状態でアクセルペダル17がONのときに前進駆動モードまたは後退駆動モード(以下、まとめて「駆動モード」という)と判定し、車両2が前進状態または後退状態でアクセルペダル17がOFFのときに前進減速回生モードまたは後退減速回生モード(以下、まとめて「減速回生モード」という)と判定し、車両2が停止状態のときに停止モードと判定する。制御モードが減速回生モードのときには、原則として、回生制動トルクを利用したバッテリ7の充電が行われる。 【0022】次に、ステップ22で判定された制御モードに応じて、車両2全体の目標駆動力FCMD、前輪目標駆動力FCMD_ENGおよび後輪目標駆動力FCMD_MOTを算出する(ステップ23)。これについては後述する。 【0023】次いで、電磁クラッチ8のON/OFF制御を実行する(ステップ24)。具体的には、車速Vcar、およびモータ4と後輪WRとの差回転数に基づいて、電磁クラッチ8をONまたはOFFするかを判定するとともに、その判定結果に基づいて電磁クラッチ8をON/OFF制御する。 【0024】次に、ステップ23で算出した後輪目標駆動力FCMD_MOTと、ステップ24で制御した電磁クラッチ8のON/OFF状態に基づいて、モータ4の要求トルクTRQ_MOTを算出し(ステップ25)、これに基づく駆動信号をモータドライバー10に出力することによって、モータ4の駆動力を制御する。 【0025】次いで、ステップ23で算出した前輪目標駆動力FCMD_ENGに基づいて、アクチュエータ出力値DBW_THを算出し(ステップ26)、これに基づく駆動信号をアクチュエータ24に出力し、スロットル弁開度θTHを制御することで、エンジン3の駆動力を制御し、本プログラムを終了する。 【0026】図3は、図2のステップ23で実行される駆動力算出サブルーチンを示す。この制御処理ではまず、判定された制御モードに従い、車両2全体の目標駆動力FCMDを演算する(ステップ31)。この目標駆動力FCMDは、例えば、検出された車速Vcarおよびアクセル開度θAPに応じ、図4に一例を示すテーブルを検索することによって、算出される。図4には、アクセル開度θAPが0deg、5degおよび80degのときのテーブル値が代表的に示されており、目標駆動力FCMDは、アクセル開度θTHが大きいほど大きく、また車速Vcarが大きいほど小さくなるように設定されている。なお、アクセル開度θAP=0degのときのテーブル値は、シフトレバー位置がD4相当のラインを表しており、この場合、目標駆動力FCMDは、負値として算出される。 【0027】次に、定速走行時の充電モード要求判定を実行する(ステップ32)。具体的には、車速Vcarおよびバッテリ7の充電残量SOCに応じて、基準駆動力を求めるとともに、この基準駆動力と、ステップ31で算出した目標駆動力FCMDとの関係から、車両2がバッテリ7の充電を行うべきクルーズ走行状態にあるか否かを判定し、その判定結果が肯定のときに、制御モードがクルーズ充電モードとされ、バッテリ7への充電が行われる。 【0028】次いで、後輪目標駆動力FCMD_MOTを演算する(ステップ33)。この演算は、図2のステップ22および上記ステップ32で判定された制御モード(駆動、減速回生、クルーズ充電および停止のいずれか)に従い、制御モード別に行われる。その詳細については後述する。 【0029】次に、上記ステップ33で算出した後輪目標駆動力FCMD_MOTに所定のフィルタ処理を施した(ステップ34)後、前輪目標駆動力FCMD_ENGを次式(1)によって演算し(ステップ35)、本プログラムを終了する。 FCMD_ENG =FCMD−FCMD_MOT−FENG_OFF・・・(1) ここで、FENG_OFFは、エンジン引きずり量(負値)である。このように、前輪目標駆動力FCMD_ENGは、基本的に、目標駆動力FCMDから後輪目標駆動力FCMD_MOTを差し引いた値として設定される。 【0030】図5は、図3のステップ33で実行される後輪目標駆動力FCMD_MOTの算出サブルーチンを示している。前述したように、この後輪目標駆動力FCMD_MOTの演算は、決定された制御モード別に行われる。すなわち、制御モードが減速回生モードであるか否かを判別し(ステップ41)、減速回生モードのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTとして、減速回生用後輪目標駆動力を算出する(ステップ42)。この減速回生用後輪目標駆動力は、基本的に、車両2の目標駆動力FCMD(負値)から、エンジン2のエンジンブレーキ力(負値)を差し引いた値(負値)、すなわち制動力として算出される。 【0031】前記ステップ41の答がNOのときには、制御モードがクルーズ充電モードであるか否かを判別し(ステップ43)、クルーズ充電モードのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTとして、クルーズ充電用後輪目標駆動力を算出する(ステップ44)。このクルーズ充電用後輪目標駆動力は、基本的に、車両2の目標駆動力FCMDから、車速Vcarおよび充電残量SOCに応じて求めた基準駆動力を差し引いた値(負値)として算出される。 【0032】前記ステップ43の答がNOのときには、制御モードが停止モードであるか否かを判別し(ステップ45)、停止モードのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTを値0に設定する(ステップ46)。 【0033】また、前記ステップ45の答がNOのとき、すなわち制御モードが駆動モードのときには、モータ4によるアシストを実行するか否かを判定する(ステップ47)とともに、その判定結果に従って、駆動用後輪目標駆動力FCMD_MOTを算出し(ステップ48)、本プログラムを終了する。 【0034】図6は、上記ステップ47で実行されるアシスト実行判定サブルーチンを示している。この制御処理ではまず、車速Vcarに応じて、アシスト開始基準速度比ETR_CTRL1およびアシスト停止基準速度比ETR_CTRL2を検索する(ステップ61)。図7は、このための基準速度比テーブルの一例を示している。同図に示すように、アシスト開始基準速度比ETR_CTRL1は、アシスト停止基準速度比ETR_CTRL2に対して、一定のヒステリシスETR_HISS(例えば5%)を付与したものであり、これにより、後述するトルクコンバータ5aの速度比ETRに応じたアシストの開始と停止の間の制御ハンチングが回避される。また、このテーブルでは、両基準速度比ETR_CTRL1、2は、車速Vcarが小さいほど、モータ4によるアシストが実行されやすいよう、より大きな値に設定されている。 【0035】図6に戻り、前記ステップ61に続くステップ62では、前回の制御モードが減速回生モードまたは停止モードであったか否を判別する。この答がNOのときには、前回時にモータ4によるアシストが実行されていたか否かを判別する(ステップ63)。 【0036】この答がNOで、前回時にアシストが実行されていないときには、アシストの開始条件が成立しているか否かを判定する。まず、ステップ64において、後輪速度V_RRがそのアシスト開始上限車速V_4WD_ON(例えば60km/h)以下であるか否かを判別する。このアシスト開始上限車速V_4WD_ONは、電磁クラッチ8の接続上限値に相当する。したがって、この答がNO、すなわちV_RR>V_4WD_ONのときには、そのまま本プログラムを終了し、引き続きアシストを禁止する。 【0037】前記ステップ64の答がYES、すなわちV_RR≦V_4WD_ONのときには、次の条件のいずれかが満たされているか否を判別する(ステップ65)。 ■ トルクコンバータ5aの速度比ETRが、ステップ61で求めたアシスト開始基準速度比ETR_CTRL1以下(ETR≦ETR_CTRL1) ■ 前輪WFがスリップ中である(F_MPWR_UP=1) ■ 目標駆動力変化量dFCMDが、その所定値dFCMD_AST(例えば70kgf/0.01sec)以上(dFCMD≧dFCMD_AST) ここで、■のF_MPWR_UPは、前輪WFがスリップしていると判定されるのに応じてモータ4が出力アップ中であるときに「1」にセットされるモータ出力アップフラグである。また、■の目標駆動力変化量dFCMDは、目標駆動力FCMDの今回値と前回値との差である。 【0038】このステップ65の答がYES、すなわち上記の条件■〜■のいずれもが満たされていないときには、そのまま本プログラムを終了し、引き続きアシストを禁止する。 【0039】一方、ステップ65の答がYES、すなわち上記の条件■〜■のいずれかが満たされているときには、アシストの開始条件が成立しているとして、アシストを許可・開始し(ステップ66)、本プログラムを終了する。このように、目標駆動力変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST以上のときには、トルクコンバータ5aの速度比ETRにかかわらず、アシストが許可・開始され、四輪駆動状態に移行する。これにより、加速時に、速度比ETRの変化の遅れに影響されることなく、アシストを即座に開始することができる。 【0040】一方、前記ステップ63の答がYES、すなわち前回時にアシストが実行されていたときには、アシストの停止条件が成立しているか否かを判定する。まず、ステップ67において、トルクコンバータ5aの速度比ETRが、ステップ61で求めたアシスト停止基準速度比ETR_CTRL2より大きくかつ100%以下であり、かつモータ出力アップフラグF_MPWR_UPが「0」であるか否かを判別する。この答がNO、すなわちETR≦ETR_CTRL2が成立し、または前輪WFがスリップしているときには、ステップ68に進み、後輪速度V_RRが、アシスト停止上限車速V_4WD_OFF(例えば65km/h)よりも大きいか否かを判別する。このアシスト停止上限車速V_4WD_OFFは、前述したアシスト開始上限車速V_4WD_ONに対してヒステリシスを与えたものである。このステップ68の答がNO、すなわちV_RR≦V_4WD_OFFのときには、そのまま本プログラムを終了し、引き続きアシストを実行する。 【0041】一方、前記ステップ67またはステップ68の答がYES、すなわちETR_CTRL2<ETR≦100%で且つ前輪WFがスリップしていないか、またはV_RR>V_4WD_OFFのときには、アシストの停止条件が成立しているとして、アシストを停止し(ステップ69)、二輪駆動状態に移行するようにして、本プログラムを終了する。 【0042】一方、前記ステップ62の答がYES、すなわち前回の制御モードが減速回生モードまたは停止モードであったときには、前記ステップ66に進み、アシストを許可する。すなわち、アクセルペダル17がOFF状態にある減速回生モードから、アクセルペダル17が踏み込まれることによって駆動モードに移行した場合には、トルクコンバータ5aの速度比ETRにかかわらず、無条件にアシストが許可され、四輪駆動状態に移行する。これにより、減速状態からの加速時に、速度比ETRの変化の遅れに影響されることなく、アシストを即座に実行することができる。 【0043】図11は、これまでに説明した制御処理によって得られる加速時における駆動力の推移の一例を、同じ状況での従来の場合の例とともに、模式的に表したものである。すなわち、低速状態あるいは減速状態から、時刻t1においてアクセルペダル17が踏み込まれ、加速状態に入ったとする。この場合、同図(b)に示す従来例では、前述したように、トルクコンバータ5aの変速比ETRが所定値未満に低下することがアシスト開始の条件になっているとともに、変速比ETRが実際に変化するのに時間がかかるため、時刻t1から遅れた時刻t2で初めてアシストが開始される。そして、この間、加速要求に伴ってエンジン目標駆動力FCMDが増大し続けるため、アシストの開始時に、大きなモータ目標駆動力FCMD_MOTが急激に発生するとともに、それに等しい分だけ、エンジン目標駆動力FCMD_ENGが急激に大きく減少することで、トルク段差が発生してしまう。 【0044】これに対して、同図(a)に示す本実施形態の例では、低速状態からの加速の場合には、目標駆動力変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST以上になり、図6のステップ65がYESになることによって、また、アクセルペダル17がOFFの減速状態からの加速の場合には、減速回生モードから駆動モードへの移行となり、ステップ62の答がYESになることによって、いずれの場合にも、そのときの速度比ETRにかかわらず、アシストが許可される(ステップ66)。これにより、速度比ETRの変化の遅れに影響されることなく、アシストを加速開始時の時刻t1直後から開始することができる。その結果、モータ4によるアシストを、モータ目標駆動力FCMD_MOTが小さな状態で開始し、これを徐々に増大させながら行えるとともに、それに応じてエンジン駆動力FCMD_ENGが徐々に減少するので、モータ4によるアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行うことができる。なお、同図中のFCMD_MOT_Fは、図3のステップ34によるフィルタ処理がなされた後の後輪目標駆動力を表している。 【0045】図8および図9は、図5のステップ48で実行される駆動用後輪目標駆動力の算出サブルーチンを示している。この制御処理では、図6のサブルーチンによるアシスト実行の判定結果に従って、駆動用後輪目標駆動力FCMD_MOTを算出する。まず、車速Vcarに応じて、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPを検索する(ステップ81)。この移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPは、後述するように、アシストの実行状態から停止状態に移行した際に後輪目標駆動力FCMD_MOTを徐々に減少させる時間に相当する。図11は、このための移行タイマ作動時間テーブルの一例を示している。このテーブルでは、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPは、車速Vcarが大きいほど、より小さな値に設定されている。これは、車速Vcarが大きいほど、後輪目標駆動力FCMD_MOTが小さいためである。 【0046】図8に戻り、前記ステップ81に続くステップ82では、図6のサブルーチンにおいてアシストを実行すべきと判定されているか否かを判定する。この答がYESのときには、次のステップ83〜85において、アシスト実行時用の後輪目標時FCMD_MOTを算出する。まず、車両2の目標駆動力FCMDからモータ引きずり量FMOT_OFF(回転抵抗、負値)を差し引いた値(FCMD−FMOT_OFF)が、モータ2の最大駆動力FMAX_DRVよりも小さいか否かを判別する(ステップ83)。この答がYES、すなわち(FCMD−FMOT_OFF)値が、モータ4の最大駆動力FMAX_DRVの範囲内にあるときには、この値を後輪目標駆動力FCMD_MOTとして設定する(ステップ84)。一方、ステップ83の答がNO、すなわち(FCMD−FMOT_OFF)≧FMAX_DRVのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTをモータ最大駆動力FMAX_DRVに設定した(ステップ85)後、後述するステップ90に進む。 【0047】一方、前記ステップ82の答がNO、すなわちアシストを実行しないときには、次のステップ86〜89において、アシスト停止時用の後輪目標時FCMD_MOTを算出する。まず、移行タイマTM_RR_DRVのタイマ値が、値0より大きく、かつ前記ステップ81で求めた移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STP以下であるか否かを判別する(ステップ86)。この答がYES、すなわちアシストの停止後、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPが経過していないときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTを、スロープ状に徐々に減少させるために、これを次式(2)によって算出する(ステップ87)とともに、移行タイマTM_RR_DRVをインクリメントする(ステップ88)。 FCMD_MOT =FCMD_MOT_OLD+(FCMD_MOT_2WD−FCMD_ MOT_OLD)/(TM_RR_DRV_STP−TM_RR_DRV +1) ・・・(2) 【0048】ここで、FCMD_MOT_OLDは、後輪目標駆動力の前回値、FCMD_MOT_2WDは、アシスト停止時用の後輪目標駆動力計算値、右辺の分母(TM_RR_DRV_STP−TM_RR_DRV+1)は、移行タイマTM_RR_DRVの作動残り時間(減算残り回数)を表す。すなわち、式(2)による演算により、このタイマの作動時間中の各ループにおいて、そのときの後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT_2WDと後輪目標駆動力の前回値FCMD_MOT_OLDとの差をタイマの作動残り時間で除した値を、FCMD_MOT_OLD値に随時、加算することによって、後輪目標駆動力FCMD_MOTは、スロープ状に徐々に減少し、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPの経過時に、最終的に後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT_2WDに達する。これにより、アシスト停止時用の後輪目標駆動力FCMD_MOTを、それ以前のアシスト実行時の値からスロープ状に徐々に減少させることができる。 【0049】一方、前記ステップ86の答がNO、すなわちアシストの停止後、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPが経過したときには、アシスト停止時用の後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT_2WDをそのまま後輪目標駆動力FCMD_MOTとして設定するとともに、移行タイマTM_RR_DRVを値0にリセットした(ステップ89)後、ステップ90以降に進む。 【0050】このステップ90以降では、重量配分率を考慮した後輪目標駆動力FCMD_MOTのリミット処理を行う。まず、ステップ90において、車重(FR_DYN_WT+RR_DYN_WT)、路面勾配SLOPE_ANGおよび車両2の重心高Hight_Wtを互いに乗算した値を、ホイールベースWheel_baseで割ることによって、荷重移動量dWtを算出する。ここで、FR_DYN_WT、RR_DYN_WTは、それぞれ前輪側重量、後輪側重量である。また、路面勾配SLOPE_ANGは、停止時に求められたものであり、例えば、前後輪の車輪回転数N_FL、N_FRおよびN_RL、N_RRがともに値0で、かつブレーキペダルが操作されている場合に、前後の加速度センサ22、23の出力を積分することによって算出・推定される。 【0051】次に、後輪側重量RR_DYN_WTとステップ90で算出した荷重移動量dWtとの和(RR_DYN_WT+dWt)を、車重(FR_DYN_WT+RR_DYN_WT)で割ることによって、後輪最大重量配分率DRV_AST_maxを算出する(ステップ91)。次いで、算出した後輪最大重量配分率DRV_AST_maxを目標駆動力FCMDに乗算した値から、モータ引きずり量FMOT_OFFを差し引いた値を、後輪駆動力制限値FCMD_MOT_DRV_MAXとして算出する(ステップ92)。 【0052】次いで、前記ステップ84などで算出した後輪目標駆動力FCMD_MOTが、後輪駆動力制限値FCMD_MOT_DRV_MAX以上であるか否かを判別する(ステップ93)。この答がYES、すなわちFCMD_MOT≧FCMD_MOT_DRV_MAXのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTを後輪駆動力制限値FCMD_MOT_DRV_MAXに設定する(ステップ94)一方、NOのときには、ステップ94をスキップして、後輪目標駆動力FCMD_MOTを保持し、本プログラムを終了する。 【0053】以上のように、本実施形態によれば、低速状態からの加速の場合には、目標駆動力変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST以上になることによって、また、アクセルペダル17がOFFの減速状態からの加速の場合には、減速回生モードから駆動モードに移行することによって、いずれの場合にも、そのときの速度比ETRにかかわらず、アシストが許可される。したがって、速度比ETRの変化の遅れに影響されることなく、アシストを加速直後から開始することができる。その結果、モータ4によるアシストを、モータ目標駆動力FCMD_MOTの小さな状態で開始し、これを徐々に増大させながら行えるので、モータ4によるアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行うことができ、したがって、良好な加速性と運転性を確保することができる。 【0054】なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、前輪をエンジンで駆動し、後輪をモータで駆動するタイプの前後輪駆動車両に、本発明を適用した例であるが、本発明は、これに限らず、エンジンおよびモータによる駆動を前後輪逆に行う車両にも、同様に適用することが可能である。さらに、実施形態では、モータ4と後輪WRの間を接続・遮断するクラッチとして、電磁クラッチ8を用いているが、伝達容量を制御可能なクラッチであればよく、例えば油圧式多板クラッチを採用してもよい。また、大型モータを用いて後輪WRと直結し、電磁クラッチ8を省略することも可能である。 【0055】 【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1による前後輪駆動車両の駆動制御装置によれば、加速時に、トルクコンバータの速度比変化の遅れに影響されることなく、電気モータによるアシストを即座に開始できるので、電気モータによるアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行うことができ、それにより、良好な加速性と運転性を確保することができる。また、請求項2による前後輪駆動車両の駆動制御装置によれば、アクセルペダルOFFの減速状態からアクセルペダルが踏み込まれ、加速された場合に、電気モータによるアシストを、トルクコンバータの速度比変化の遅れに影響されることなく、加速直後から開始でき、したがって、請求項1と同様の効果を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年8月1日(2000.8.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095566 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 友雄
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| 【公開番号】 |
特開2002−51404(P2002−51404A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月15日(2002.2.15) |
| 【出願番号】 |
特願2000−232890(P2000−232890) |
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