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【発明の名称】 電動車両の電力制御方法
【発明者】 【氏名】斎藤 幹夫

【氏名】塩澤 総一

【要約】 【課題】ハイブリッド電動車両における燃料電池の燃料の無駄を抑えて効率よく燃料電池を駆動する電力制御方法を提供する。

【解決手段】燃料電池および二次電池を電源とする電動車両の電力制御方法において、前記燃料電池のセル温度が所定温度より低いときに、該燃料電池の出力をその最大出力より低くする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】燃料電池および二次電池を電源とする電動車両の電力制御方法において、前記燃料電池のセル温度が所定温度より低いときに、該燃料電池の出力をその最大出力より低くすることを特徴とする電動車両の電力制御方法。
【請求項2】前記燃料電池の発電用空気ポンプを駆動制御することにより該燃料電池の出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の電動車両の電力制御方法。
【請求項3】前記燃料電池の出力側に設けたDC/DCコンバータを駆動制御することにより該燃料電池の出力を制御することを特徴とする請求項1に記載の電動車両の電力制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動車両の電力制御方法に関し、特に、燃料電池と二次電池とを組合せたハイブリッド電源からなる電動車両の電力制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両駆動用モータの電源として燃料電池を用いた電動車両において、燃料電池の電力を補うとともに要求負荷への応答性を高めるために、車両に燃料電池とともに二次電池を搭載し、これら2つの電源を用いてモータを駆動するハイブリッド電動車両が開発されている。このように二次電池を併用することにより、車両に搭載する燃料電池の重量や容積を軽減し且つ大電力が必要な場合に対処するとともに燃料電池の応答性をカバーすることができる。
【0003】このようなハイブリッド電動車両において、モータからの要求負荷に応じて、燃料電池と二次電池からの電力供給配分を変えて負荷や電池容量等に対応した最適な分担割合でモータを駆動することが考えられている。例えば、図9(A)に示すように、変動する要求負荷aに対し、燃料電池(FC)の最大電力を超えるピーク負荷時にはその超える分を二次電池からの放電で補い、燃料電池の最大電力以下のときにはその剰余電力で二次電池を充電する。また、同図(B)に示すように、要求負荷aが常に燃料電池の最大電力を超えているときには二次電池を充電することなく常に燃料電池と二次電池からの放電によりモータに電力を供給する。また、同図(C)に示すように、要求負荷が常に燃料電池の最大電力より小さいときには燃料電池のみでモータを駆動しつつ剰余電力で二次電池を充電する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような電動車両において、スペース等の点から燃料電池容量に大きな余裕を持たせることができないため、通常燃料電池は常に最大出力付近で運転される。したがって、起動直後から大きな出力で運転される。
【0005】一方、燃料電池の発電性能は電池を構成するセル温度に影響され、セル温度が低いと起電力が低下し燃料効率が悪くなる。したがって、起動直後のセル温度が低いときには、高出力を得るために多量の燃料を供給しても走行に必要な高電力が得られず燃料が無駄に消費される。
【0006】本発明は上記従来技術を考慮したものであって、ハイブリッド電動車両における燃料電池の燃料の無駄を抑えて効率よく燃料電池を駆動する電力制御方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明では、燃料電池および二次電池を電源とする電動車両の電力制御方法において、前記燃料電池のセル温度が所定温度より低いときに、該燃料電池の出力をその最大出力より低くすることを特徴とする電動車両の電力制御方法を提供する。
【0008】この構成によれば、燃料効率が低下するセル低温時に、燃料電池の出力指令値を低くすることにより、燃料の無駄を抑えて低出力で運転し出力の足りない分は二次電池でカバーすることができるため、燃料を有効に消費して効率よくハイブリッド電源を使用することができる。
【0009】好ましい構成例では、前記燃料電池の発電用空気ポンプを駆動制御することにより該燃料電池の出力を制御することを特徴としている。
【0010】この構成によれば、燃料電池の起電力発生のために水素イオンと反応させる酸素供給用の空気ポンプを駆動制御することにより、酸素の供給量を制御して燃料電池の出力が制御される。
【0011】別の好ましい構成例においては、前記燃料電池の出力側に設けたDC/DCコンバータを駆動制御することにより該燃料電池の出力を制御することを特徴としている。
【0012】この構成によれば、燃料電池の出力側に燃料電池出力電圧を必要な電圧に変換するDC/DCコンバータを接続し、このDC/DCコンバータの出力指令値を制御することにより、燃料電池の出力が制御される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明が適用される電動車両の電源供給装置全体のブロック構成図である。この実施形態は例えば自動二輪車の電源供給装置である。車両の後輪(不図示)に連結された車両駆動用モータ1の電源となる燃料電池(FCユニット)2および二次電池3がインターフェイス(IF)を介してコントローラ4に連結される。
【0014】燃料電池2の構成を簡単に説明すると、この燃料電池2は、アノード極に燃料となる水素を供給し、カソード極に酸化剤として空気を供給し、触媒による電気化学反応を行って発電するものである。両電極間には高分子イオン交換膜が介装される。このイオン交換膜には水素イオンの透過性を確保して円滑に移動させるため及び起電力反応に伴う発熱を冷却するために水が供給される。このような電極対を単位としてセルが構成され、複数枚のセルを組合せて各セルの起電力を合計した所定出力のFCユニットを形成する。
【0015】燃料となる水素は、例えばメタノールを一次燃料としてこれを水と混合して加熱蒸発させ、改質器の触媒反応により水素と二酸化炭素に分解し、シフトコンバータや選択酸化反応器等を介して改質器で微量に発生した一酸化炭素の濃度を低下させた後、この水素ガスを燃料電池のセルのアノード電極に供給する。あるいは水素ガスをボンベから直接供給してもよい。
【0016】発電用の空気は空気ポンプ44によりカソード極に供給される。また、水素は水素ガスボンベあるいはメタノールタンクや改質器等からなる燃料源45から供給される。
【0017】燃料電池2には、FCユニット内の水の凍結防止のためのヒータ6と、該ヒータ6の加熱温度均一化のため及び発電時の冷却のための冷却ファン7が備わる。ユーザスイッチ8は、例えば夜間充電モード等の運転モードの設定を行う。メインスイッチ9がONにされると、これがコントローラ4内のメインスイッチ検出部10で検出され、システム電源制御部11を介してコントローラ電源12およびモータコントローラ13等の電源がONとなり、コントローラ4によるシステム全体の電力供給制御が可能な状態となる。
【0018】タイマ時間算出部14は、夜間低温時等に燃料電池2内の水の凍結防止のために、ヒータ6あるいは燃料電池2自体を駆動するためのタイマ時間を算出し、メインスイッチ9がOFFであってもシステム電源制御部11を介して電源をONにして暖気運転を行う。この暖気運転は、外気温度検出部16およびセル温度検出部17からの検出温度に基づいて暖気運転制御部18が判断し、ヒータ制御部19あるいはFC出力制御部20を介してヒータ6あるいは燃料電池2を駆動する。ヒータ6を駆動するときには温度均一化のために冷却ファン制御部21を介して冷却ファン7も駆動する。また、燃料電池2を駆動する場合においてもセル温度に応じて冷却ファン7を駆動する。
【0019】モータ出力計算部22は、スロットル23の操作によるスロットル開度信号からモータ1への供給電力を算出する。このとき二次電池保護制御部24により二次電池の残存容量や温度に応じて、二次電池保護のために燃料電池2と二次電池3との電力分担割合に制限が加えられ、この制限値を加味してモータの制御信号がモータコントローラ13に送られる。
【0020】充電状態検出部25は、二次電池3が充電状態か放電状態かを判別するとともに充電の場合には燃料電池によるものか回生電流によるものかを判別する。すなわち、二次電池3の電流センサ26からの電流検出信号を電流検出部27で充電方向か放電方向かを判別するとともに、モータ1の電流センサ28により回生電流が二次電池側に流れているかを検出して充電状態を判別する。
【0021】容量計算部29は、二次電池3の電圧検出部30および温度検出部31からの検出信号および電流検出データに基づいて二次電池3の容量を計算し、これを前述の二次電池保護制御部24に送るとともに、FC出力制御部20に送り、二次電池容量に応じて燃料電池2の電力配分を制御する。
【0022】FC出力制御部20は、D/A変換器32を介して電圧指令値を空気ポンプ44に送る。この電圧指令値は、モータ1に供給される燃料電池2からの電力を制御するものである。この場合、燃料電池の異常、例えば燃料切れやセル温度の異常等が発生した場合には、その検出データが異常データ受信部33に送られる。この異常データはFC出力制御部20を介してFC起動/停止判断部34に送られ、ここで燃料電池2の駆動が可能かどうかを判断して燃料電池2のON/OFF信号を送出する。
【0023】図2は、上記構成の電動車両における本発明の電力制御方法の制御ルーチンを示す。まず、メインスイッチ9(図1)がONされているかを判別する(ステップS1)。これはメインスイッチ検出部10(図1)で行われる。OFFであればONになるまで待機する。
【0024】メインスイッチがONであれば、燃料電池のセル温度を検出する(ステップS2)。続いて、このセル温度に基づいて、燃料電池(FC)の電流指令値(出力指令値)をマップを用いて演算する(ステップS3)。このマップは、後述の図3に示すように、セル温度が低いときにFCの電流指令値を低くするものである。次に、この電流指令値により、後述の図4に示すように、空気ポンプを駆動してFCの出力制御を行う(ステップS4)。この場合、電流指令値のままFC出力制御部20(図1)からD/A変換器32を介して空気ポンプ44を駆動してもよいし、あるいは図1に示すように、電圧指令値に変換して空気ポンプを駆動してもよい。
【0025】図3(A)は、上記ステップS3で用いるマップの一例を示す。セル温度がT2以上では、FC電流指令値をFCの定格最大出力電流となるi1とする。セル温度がT1以下ではFC電流指令値をi1より小さいi0とする。セル温度がT1とT2の間では温度に応じてi0からi1まで比例的に変化させる。このようなセル温度T1,T2は、図3(B)に示す燃料効率特性グラフに基づいて定められる。図示したように、温度がT2から下がると燃料効率が徐々に低下し、T1およびそれ以下でほぼ最小となる。この燃料効率特性の具体的数値は各燃料電池により異なり、実験等により求められる。このような燃料電池の燃料効率特性に基づいて、出力指令値マップのセル温度T1,T2および電流指令値i0等が定められる。
【0026】図4(A)は、上記ステップS4における空気ポンプによるFC電流(出力)の制御ルーチンを示す。まず目標とするFC電流値(FC出力指令値Wfc)から同図(B)のマップ1を用いて反応空気量を算出する(ステップR1)。続いて、同図(C)のマップ2を用いて反応空気量に対応するモータデューティを算出する(ステップR2)。このモータデューティに対応したデューティ比のパルス信号を出力して空気ポンプを駆動する(ステップR3)。これにより、FCの起電力が制御され、前述のようにセル温度に基づいてFCの出力を制限することができる。
【0027】図5は本発明の別の実施形態の全体構成図である。この実施形態は、燃料電池2の出力側にDC/DCコンバータ5を接続し、このDC/DCコンバータ5の出力を制御することにより、FCの出力制御を行うものである。すなわち、前述の図1の実施形態では、空気ポンプ44を駆動制御することによりFC出力を制御していたが、この図5の実施形態ではDC/DCコンバータの出力制御によりFCの出力制御を行うものである。DC/DCコンバータ5は、出力可変型であり、出力指令信号に応じて燃料電池2からの電圧をモータ駆動に必要な電圧に変換してモータ1に電力を供給する。このDC/DCコンバータ5により、前述のようにセル温度に応じて燃料電池からの出力を制御することができ、これにより燃料電池を効率よく駆動させることができる。なお、図5において、FCに必要な発電用空気ポンプおよび燃料源は図示省略してある。
【0028】図6は、図5のDC/DCコンバータ5によるFCの出力制御のルーチンを示す。まず、FCの電流を検出し、この検出値と目標とするFC電流値(FC出力指令値Wfc)とに基づいてDC/DCコンバータ5の出力電圧の指令値をPI計算により以下のように算出する(ステップT1)。
DC/DC出力電圧=H(FC電流検出値,目標FC電流)
=係数1*(目標FC電流)
+係数2*(目標FC電流−FC電流検出値)
+係数3*d(目標FC電流−FC電流検出値)/dTこれにより、DC/DCコンバータの出力電圧指令値が求まる。この計算はFC出力制御部20(図5)で行われる。
【0029】次に、このDC/DCコンバータ5への出力電圧指令値に対応して実際の信号電圧を計算する(ステップT2)。この信号電圧は、図6(B)のグラフに示すように、DC/DC出力電圧と比例関係にあり、信号電圧=係数*(DC/DC出力電圧)
により求まる。
【0030】この信号電圧は、電圧指令値としてD/A変換器32に送られ実際の信号電圧がDC/DCコンバータ5に出力される(ステップT3)。
【0031】図7は、上記本発明に係るセル温度によるFC制御方法を応用したFC出力制限ルーチンのフローチャートである。この応用例は、前述のようにセル温度に基づいてFC出力を制限するルーチン(ステップP4〜P7)と、バッテリ(二次電池)の容量に基づいてFC出力を制限するルーチン(ステップP8〜P14)と、バッテリの温度に基づいてFCの出力を制限するルーチン(ステップP15〜P22)とを有している。
【0032】最初、メインスイッチの動作電流やタイマ信号の有無チェック等のみに必要な微弱電流が流れる小電力状態で待機している(ステップP1)。タイマ信号またはメインスイッチONの外部信号があるかどうかを判別し(ステップP2)、外部信号があれば小電力状態を解除する(ステップP3)。ここでコントローラ4(図1、図5)による燃料電池2の制御動作が実行可能状態となる。
【0033】まず、FCのセル温度を検出し(ステップP4)、これを判別する(ステップP5)。セル温度がt1以上であればFCの出力指令値Wfc1をLmaxに設定する(ステップP7)。このLmaxは、例えば前述の図3(A)の電流指令値i1に対応する指令値である。セル温度がt1未満であれば、FCの出力指令値Wfc1をLmaxより小さいL1に設定する(ステップP6)。これにより、セル温度に基づいてFCの出力を制御し、セル温度が低いときの出力を抑えて効率よくFCを駆動することができる。なお、この例では、温度t1を境に2段階(Lmax,L1)で出力を制御しているが、前述の図3の例と同様に、所定の温度範囲内で温度に対応して徐々に出力を変化させてもよい。
【0034】次にバッテリ電流を検出し(ステップP8)、これを積算してバッテリ容量を計算する(ステップP9)。この場合、積算した容量データを温度や電圧の検出データを用いて補正することにより、容量計算値の精度を高めることができる。このバッテリ容量が最大容量の何%かを計算し、これがC1〜C2%の範囲内かどうかを判別する(ステップP10)。このC1〜C2%は、バッテリの充放電を行うのに適正な容量であり、C1%以下での放電およびC2%以上での充電はバッテリ劣化の要因となる。
【0035】容量がC1%以下の場合、すなわち放電が好ましくない場合に、FCが現在動作しているかどうかを判別する(ステップP11)。FCがOFF(バッテリは放電)であればステップP13に進む。ステップP13では、FCが現在OFFである場合に、これを再起動してONにする。二次電池(バッテリ)を充電するためである。
【0036】二次電池の容量がC2%以上である場合、すなわち充電が好ましくない場合には、FCをOFFにしてこれ以上充電されないようにする(ステップP12)。
【0037】二次電池の容量がC1〜C2%の範囲、すなわち充放電に適正な範囲内の場合には、FCの出力指令値(電流指令値)Wfc2を計算する(ステップP14)。この計算は後述の図8のグラフに示すマップ演算により行われる。この出力指令値Wfc2は、バッテリ容量が所定の適正範囲内で充放電を行わせるための出力指令値である。
【0038】次に、バッテリ温度に基づくFC出力制限のルーチンを行う。まず、モータの電流およびバッテリの温度を検出する(ステップP15,P16)。この検出データに基づき、まずステップP17でバッテリ温度が充電に適正な所定の温度範囲内かどうかを判別する。特に充電時のバッテリ温度が特性劣化に影響するからである。適正な温度範囲内(Q1〜Q2℃)であれば、前述のセル温度によるFC出力制限のフローでのステップP6またはP7で求めた出力指令値Wfc1をバッテリ温度によるFC制限の出力指令値Wfc3とする(ステップP21)。
【0039】バッテリ温度が充電に適正な所定の温度範囲外の場合、バッテリに電流が流れているかを判別するとともに流れていれば充電方向か放電方向かを判別する(ステップP18)。放電状態であれば、温度条件は問題ないので前述の出力指令値Wfc1をバッテリ温度による出力指令値Wfc3とする(ステップP21)。
【0040】ステップP18でバッテリが充電状態の場合、FCからの電流で充電されているか又はモータ1からの回生電流によるものかを前述のモータ電流検出データ(またはFC電流検出データ)から判別する(ステップP19)。FC電流が流れてなく回生電流による充電の場合には、FCからの充電作用は行われてない状態であり、この場合にはFCの出力指令値Wfc3は前述のWfc1とする(ステップP21)。
【0041】FCからバッテリ充電電流が流れている場合には、この充電の電流がゼロになるようにFC電流指令値Wfc3を計算する(ステップP20)。このバッテリ温度に基づいてFC出力に制限を加えるための出力指令値(電流指令値)Wfc3は、バッテリ電流検出値と,目標とするバッテリ電流値とを関数として、PI計算により求める。このPI計算の基本式は以下のとおりである。
Wfc3=G(バッテリ電流検出値,目標バッテリ電流)
=係数1*(目標バッテリ電流)
+係数2*(目標バッテリ電流−バッテリ電流検出値)
+係数3*d(目標バッテリ電流−バッテリ電流検出値)/dTこのようにして求めた電流指令値Wfc3は、バッテリの温度条件に基づいてFC出力に制限を加えた指令値である。
【0042】次に、ステップP22において、セル温度に基づいてFC出力に制限を加えた出力指令値Wfc1と、バッテリ容量に基づいてFC出力に制限を加えた出力指令値Wfc2と、バッテリ温度に基づいてFC出力に制限を加えた出力指令値Wfc3のうち最小の指令値を最終的なFC出力指令値Wfcとする。このように最小指令値WfcでFCを駆動することにより、セル温度に基づき最適効率でFCを駆動するとともにバッテリの温度および容量によるいずれの条件においても適正範囲で充放電を行ってバッテリの劣化を抑制することができる。
【0043】このようにして求めたFC出力指令値Wfcにより、前述のように、空気ポンプまたはDC/DCコンバータを駆動してFCの出力制御を行う。この場合、電流指令値によりFC出力制御部20(図1、図5)からD/A変換器32を介して空気ポンプ44またはDC/DCコンバータを駆動してもよいし、あるいは図1および図5に示すように、電圧指令値に変換して駆動してもよい。
【0044】以上で1回の制御サイクルが終了し、メインスイッチがON状態であれば前述のステップP4からP22までを繰返し、メインスイッチがOFFになればステップP1の小電力状態で待機する(ステップP23)。
【0045】図8は上記ステップP14におけるWcf2の演算処理の説明図であり、(A)および(B)はそれぞれ別の実施例の充放電動作を示す。
【0046】図8(A)の方法は、バッテリ容量がC1〜C2%の範囲内で、FCの出力指令値(電流指令値)Wfc2をONまたはOFFのいずれか一方にするものである。すなわち、C2%以下の領域ではラインA1で示すように、電流指令値は例えば最大定格出力に対応する一定電流値i1としてバッテリを充電する。バッテリ容量がC2%に達したら、ラインA2で示すように、FCをOFFにして充電を停止する。この後はバッテリの放電によりモータ1(図1、図5)を駆動する。これによりラインA3で示すように、容量が低下する。容量がC1%まで低下したらラインA4で示すように、FCを起動して電流指令値wfc2を前述の一定値i1にしてバッテリを充電する。C1%以下ではFCをONにしてバッテリに充電することにより放電を防止し、C2%以上ではFCをOFFにしてバッテリへの充電を防止する。このようにC1〜C2%の範囲内でFCのON/OFFを繰り返すことにより、適正な容量範囲内での充放電が行われバッテリ劣化が抑制される。
【0047】なお、FCをOFFにして充電を停止する方法に代えて、FCからバッテリに充電電流が流れないように電流停止回路を形成してもよい。
【0048】図8(B)の方法は、容量がC1〜C2%の範囲内で、FC出力指令値(電流指令値)Wfc2を容量に応じて変化させる。この例では、ラインB2で示すように、容量に比例して指令値を減少させている。前記(A)と同様に、C1%以下ではラインB1で示すように、電流指令値はi1であってバッテリを充電し、C2%以上ではFCをOFFにして充電を防止する。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、燃料効率が低下するセル低温時に、燃料電池の出力指令値を低くすることにより、燃料の無駄を抑えて低出力で運転し出力の足りない分は二次電池でカバーすることができるため、燃料を有効に消費して効率よくハイブリッド電源を使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成12年7月17日(2000.7.17)
【代理人】 【識別番号】100100284
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 潤
【公開番号】 特開2002−34103(P2002−34103A)
【公開日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【出願番号】 特願2000−216503(P2000−216503)