| 【発明の名称】 |
燃料電池車両と同車両用改質器の停止方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】氏家 孝
【氏名】中川 功夫
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| 【要約】 |
【課題】不活性ガスボンベを備えることなく簡便な方法により、車両停止又は異常信号に基づいて、改質器内を不活性ガスで速やかにパージ・封入した状態で停止可能な燃料電池車両と同車両用改質器の停止方法を提供する。
【解決手段】燃料電池車両は、改質器5と、空気圧縮器21と、この空気圧縮器21から改質器5に酸化剤ガスを供給するために設けられ、第1の切換弁82を有する酸化剤ガス供給ライン61と、さらに空気圧縮器21から改質器5に不活性ガスを供給するために酸化剤ガス供給ライン61と並列に設けられ、不活性ガスを生成するための酸素窒素分離器15と第2の切換弁83aおよび83bとを有する不活性ガス供給ライン62と、車両の停止時または車両の異常時に、第1の切換弁82を閉じ、第2の切換弁83aおよび83bを開とする弁の切換制御を行うための制御装置81とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原燃料ガスを改質触媒層に通流させて水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、燃料電池本体とを備えた燃料電池車両であって、空気圧縮器と、この空気圧縮器から改質器に酸化剤ガスを供給するために設けられ、第1の切換弁を有する酸化剤ガス供給ラインと、さらに前記空気圧縮器から改質器に不活性ガスを供給するために前記酸化剤ガス供給ラインと並列に設けられ、不活性ガスを生成するための酸素窒素分離器と第2の切換弁とを有する不活性ガス供給ラインと、車両の停止時または車両の異常時に、前記不活性ガスにより改質器内部に滞留する可燃性ガスをパージし改質器内部に不活性ガスを封入するために前記第1の切換弁と第2の切換弁の切換制御を行う制御装置とを備えたことを特徴とする燃料電池車両。 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池車両において、前記酸素窒素分離器は、気体選択透過膜を有する膜分離方式の分離器としたことを特徴とする燃料電池車両。 【請求項3】 原燃料ガスを改質触媒層に通流させて水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、燃料電池本体とを備えた燃料電池車両に用いられる改質器の停止方法であって、改質器内部に滞留する可燃性ガスを、空気から分離した窒素ガスによりパージし、この窒素ガスを改質器内部に封入した後に改質器の運転を停止することを特徴とする燃料電池車両用改質器の停止方法。 【請求項4】 請求項3記載の停止方法において、前記窒素ガスの空気からの分離は、膜分離法により行うことを特徴とする燃料電池車両用改質器の停止方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、メタノール,エタノール,ガソリン等の液状の炭化水素と水との混合物を気化した原燃料ガスを酸化剤ガスとともに改質触媒層に通流水素リッチな改質ガスを生成する燃料改質器(以下、単に改質器ともいう。)と、燃料電池本体とを備えた燃料電池車両と同車両に用いられる改質器の停止方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、環境問題の悪化から内燃エンジンを搭載する自動車に代わって、燃料電池自動車への期待が集まっている。しかしながら、燃料電池自動車では、水素を燃料電池本体に供給する手段が必要であり、その手段としては高圧水素ボンベの搭載、水素吸蔵合金の搭載、或いは液体燃料の燃料改質方式などが考えられている。 【0003】高圧水素ボンベ方式は危険が大きい問題があり、また、水素吸蔵合金方式は自動車の運行距離を伸ばそうとした場合、装置が大きくなりすぎる欠点がある。これに対して、ガソリンと同様に液体燃料タンクを搭載し、燃料改質しながら走る燃料改質方式を採用した燃料電池自動車は、最も実用性の高い方法であると考えられている。 【0004】図2は、上記のような部分酸化反応と水蒸気改質反応とを併用した改質器を備えた自動車搭載用の燃料電池発電装置の従来の構成の一例を示し、改質原料として、メタノール・水混合液体を用いた例を示す。 【0005】図2における燃料電池発電装置の主な構成要素は、燃料電池本体10と、改質器5と、原燃料ガス供給系51と、酸化剤ガス供給系60と、改質ガス供給系70であり、その他に、オフ水素の系統およびオフ空気の系統がある。原燃料ガス供給系51は、メタノール1の供給源と、水2の供給源と、改質原料ポンプ20と、加熱器3と、蒸発器4と各接続配管とから構成される。また、酸化剤ガス供給系60は、空気6の供給源と、圧縮機21とからなる。その他の部材については、以下の本装置の動作説明と共に述べる。 【0006】液体燃料であるメタノール1と水蒸気改質用の水2とを、予め所定の割合で混合した改質原料を、改質原料ポンプ20により加熱器3に通流して予熱する。予熱された改質原料は、蒸発器4に導かれてさらに加熱,気化され原燃料ガスとなって、改質触媒が充填された改質触媒層を備えた改質器5に導入される。改質触媒としては、銅−亜鉛(Cu-Zn)系触媒,貴金属系触媒やNi系の触媒などが使用される。 【0007】原燃料ガス導入と同時に、圧縮機21を駆動して空気6を改質器5に供給し、改質器5内部における、部分酸化反応と水蒸気改質反応とにより、水素リッチな改質ガスを生成する。 【0008】水蒸気改質反応は、外から熱を与えなければならない吸熱反応であるのに対し、部分酸化反応は、発熱反応である。従って、部分酸化反応を同一反応器内にて併用することにより、水蒸気改質反応に必要な熱を賄って反応を行うようにすることができ、外部加熱装置が不要となるので、装置がコンパクトとなりかつ、改質器の起動時間が短縮できる。 【0009】上記反応により、改質器5において、燃料電池本体10で必要な水素を生成する。この生成ガス中には、燃料電池本体10の被毒物質となる一酸化炭素COが含まれるため、選択酸化触媒が充填された選択酸化反応器としてのCO変換器7において、COをCO2に変換除去しCO濃度をPPMレベルまで低減し、水冷の冷却器9によりガス温度を下げた後、燃料電池本体10に改質ガスを供給して発電を行う。なお、上記CO変換器7は、自動車用においては、CO除去器とすることが多い。 【0010】燃料電池本体10にて消費しなかったオフ水素(燃料電池排ガス水素)は、水蒸気として含まれる水分を凝縮器12にて除去し、一方、燃料電池本体の空気極から排出されるオフ空気は、水分を凝縮器14にて除去する。その後、前記オフ水素をオフ空気と共に、排水素燃焼器13において燃焼させ、その熱を蒸発器4の熱源として利用する。また、冷却器9で水が得た熱は、加熱器3において利用する。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、燃料を改質するためには燃料改質器が必要となる。従来の自動車では、このような燃料改質器のような反応器は搭載されていなかったため、このような機器に対する安全対策を施す必要性は存在しなかったが、燃料電池自動車においては、燃料改質器を搭載した自動車が事故等に遭遇した場合の安全対策が新たに必要となる。この問題について以下に詳述する。 【0012】燃料電池自動車運転中における不測の事故発生時において、万一、燃料改質器に破損部位が発生した場合、改質器の破損状況によっては、大気中の空気が燃料改質器内部に混入することとなり、この場合、空気中の酸素と改質器内部に充填されている触媒が反応して酸化熱を発生する危険が生じる。燃料改質器内部に使用されている触媒種によっては、酸化熱によって運転中の触媒温度を大幅に上回る熱を発生する危険を伴い、こうした熱が発生した場合、周辺環境によっては火災発生の原因となるばかりか、自動車事故災害で最も最優先されるべき負傷者の救助作業に支障をきたす問題が発生する可能性がある。 【0013】上記のような不測の事故災害が発生した際においても、安全確保を考えた燃料電池自動車が必要となる。これまでの自動車産業においては、ガソリン,軽油といった燃料を使用しているため、燃料タンクの安全性に関しては配慮がされてきた。しかし、燃料改質器のような反応器の搭載はなく、また、触媒反応器の事故発生時の緊急対応に関する技術を満足する燃料電池自動車は存在していなかった。特に、還元された状態にて使用される触媒、例えば銅・亜鉛系触媒においては、大気中の酸素によって酸化されると事故発生後において、二次災害を引き起こす可能性がある。 【0014】従って、事故発生時において燃料改質器を安全に停止保管することができる簡便な緊急対応手段を、燃料電池車両用改質器は備える必要がある。 【0015】さらに、事故発生時ではなく、一般の停止時においても下記のような要請がある。一般の改質器停止時には通常、燃料改質器および付随する配管系内の可燃性ガスを、不活性ガス(例えば、窒素ガス)によりパージして置換した後、改質器を保管,スタンバイすることが行われる。そのために、パージ用の不活性ガスボンベを備えるのが一般的であるが、車両の場合には、この不活性ガスボンベは、サイズ,重量,交換頻度などの点で問題があり、簡便な不活性ガス供給方法が望まれていた。 【0016】この発明は、上記の要請に鑑みてなされたもので、この発明の課題は、不活性ガスボンベを備える必要がない簡便な方法により、車両停止信号または異常信号に基づいて、改質器および付随する配管系内を、不活性ガスにより速やかにパージし、改質器を安全に停止し、不活性ガスを封入した状態でスタンバイ可能な燃料電池車両用と同車両用改質器の停止方法を提供することにある。 【0017】 【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するために、この発明においては、改質器の停止方法を下記方法とする。即ち、原燃料ガスを改質触媒層に通流させて水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、燃料電池本体とを備えた燃料電池車両に用いられる改質器の停止方法であって、改質器内部に滞留する可燃性ガスを、空気から分離した窒素ガスによりパージし、この窒素ガスを改質器内部に封入した後に改質器の運転を停止することとする(請求項3の発明)。 【0018】また、上記請求項3の発明の実施態様としては、下記の方法が好ましい。即ち、請求項3記載の停止方法において、前記窒素ガスの空気からの分離は、膜分離法により行うこととする(請求項4の発明)。 【0019】さらに、上記請求項3および4の発明を実施するための装置を備えた車両としては、請求項1および2の発明が好適である。即ち、原燃料ガスを改質触媒層に通流させて水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、燃料電池本体とを備えた燃料電池車両であって、空気圧縮器と、この空気圧縮器から改質器に酸化剤ガスを供給するために設けられ、第1の切換弁を有する酸化剤ガス供給ラインと、さらに前記空気圧縮器から改質器に不活性ガスを供給するために前記酸化剤ガス供給ラインと並列に設けられ、不活性ガスを生成するための酸素窒素分離器と第2の切換弁とを有する不活性ガス供給ラインと、車両の停止時または車両の異常時に、前記不活性ガスにより改質器内部に滞留する可燃性ガスをパージし改質器内部に不活性ガスを封入するために前記第1の切換弁と第2の切換弁の切換制御を行う制御装置とを備えたものとする(請求項1の発明)。 【0020】また、上記請求項1記載の燃料電池車両において、前記酸素窒素分離器は、気体選択透過膜を有する膜分離方式の分離器とする(請求項2の発明)。 【0021】上記発明によれば、車両停止信号または異常信号に基づいて、改質器および付随する配管系内に滞留する可燃性ガスを、空気中の窒素成分により排気置換させた後に、改質器を安全に停止後、安全に保管かつスタンバイできる。また、不活性ガスボンベを備える必要がなく、ボンベ交換の手間が不要な簡便な車両とすることができる。 【0022】さらに、空気から酸素窒素を分離する方法としては、圧力スイグ式吸着法や他の方法も考えられるが、設置スペース,コスト,運転方法の簡便さ等の観点から、上記膜分離法が特に好適である。 【0023】 【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施の形態について以下にのべる。 【0024】図1は、請求項1ないし4の発明に関わる燃料電池車両の、主に燃料改質器まわりに着目した実施例のシステム系統図を示し、図2と同一の構成部材には、同一の記号を付して説明を省略する。 【0025】図1に示す改質器5は、空気圧縮器21と、この空気圧縮器21から改質器5に酸化剤ガスを供給するために設けられ、第1の切換弁82を有する酸化剤ガス供給ライン61と、さらに前記空気圧縮器21から改質器5に不活性ガスを供給するために前記酸化剤ガス供給ライン61と並列に設けられ、不活性ガスを生成するための酸素窒素分離器15と第2の切換弁83aおよび83bとを有する不活性ガス供給ライン62と、車両の停止時または車両の異常時に、第1の切換弁82を閉じ、第2の切換弁83aおよび83bを開とする弁の切換制御を行うための制御装置81とを備える。 【0026】この制御装置81は、車両停止信号91または異常信号92の入力に基づき、車両の停止時または車両の異常時に、酸素窒素分離器15によって生成された不活性ガスとしての窒素ガスにより、改質器内部に滞留する可燃性ガスをパージし、改質器内部にこの窒素ガスを封入するために、前述の弁の切換制御を行う機能を有する。通常運転時においては、第1の切換弁82を開とし、第2の切換弁83aおよび83bを閉とすることにより、酸化剤ガスとしての空気を、前記酸化剤ガス供給ライン61から改質器5へ供給する。 【0027】図1において、酸素窒素分離器15は、圧縮機21による空気6の押し込み圧のみで利用できる膜分離方式の分離器とする。使用される膜としては、気体選択透過膜からなる中空糸膜、平板膜が利用し易く、特に、形状を限定するものではない。気体選択透過膜の材料としては、公知のポリオルガノシロキサン系やポリアセチレン系の高分子膜を用いることができる。 【0028】酸素窒素分離器15により、酸素分を分離したあとの窒素成分のみを不活性ガス供給ライン62を通して改質器5へ導入し、分離された酸素は、分離酸素排出系25から系外へと排出される。 【0029】不活性ガスとしての窒素を、所定時間、改質器5へ供給し、付随する配管系を含めてパージが完了した後、改質器前後の図示しない遮断弁を閉じることにより、改質器5内部には窒素ガスが封入され、保管,スタンバイモードとなる。 【0030】 【発明の効果】上記のとおり、この発明によれば、原燃料ガスを改質触媒層に通流させて水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、燃料電池本体とを備えた燃料電池車両に用いられる改質器の停止方法であって、改質器内部に滞留する可燃性ガスを、空気から分離した窒素ガスによりパージし、この窒素ガスを改質器内部に封入した改質器の運転を停止することとし、上記方法を実施するための燃料電池車両は、空気圧縮器と、この空気圧縮器から改質器に酸化剤ガスを供給するために設けられ、第1の切換弁を有する酸化剤ガス供給ラインと、さらに前記空気圧縮器から改質器に不活性ガスを供給するために前記酸化剤ガス供給ラインと並列に設けられ、不活性ガスを生成するための酸素窒素分離器と第2の切換弁とを有する不活性ガス供給ラインと、車両の停止時または車両の異常時に、前記不活性ガスにより改質器内部に滞留する可燃性ガスをパージし改質器内部に不活性ガスを封入するために前記第1の切換弁と第2の切換弁の切換制御を行う制御装置とを備えたものとしたので、不活性ガスボンベを備える必要がない簡便な方法により、車両停止信号または異常信号に基づいて、改質器および付随する配管系内を、不活性ガスにより速やかにパージし、改質器を安全に停止し、不活性ガスを封入した状態で安全に保管かつスタンバイできる。さらに、燃料電池車両がパージシステムを含めて全体として、コンパクトかつ軽量となるので、極めて好適である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075166 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 巖 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−34102(P2002−34102A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−214467(P2000−214467) |
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