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【発明の名称】 磁気浮上式鉄道用地上コイル装置
【発明者】 【氏名】板橋 好文

【氏名】地蔵 吉洋

【氏名】織田 晴弘

【氏名】梅木 健

【要約】 【課題】軌道側壁への浮上コイルと推進コイルとの取付けにあたって、取付ボルト本数を削減するとともに取付作業の低減ができる磁気浮上式鉄道用地上コイル装置を提供する。

【解決手段】浮上コイルの軌道側壁側に推進コイル嵌め込み用突起部を設け、その突起部に上記推進コイルを嵌め込んで、推進コイルを浮上コイルと軌道側壁との間に介在させ、浮上コイルを軌道側壁に取付ボルトで固定するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁気浮上式車両に搭載された超電導磁石装置との間で電磁作用を行うように、絶縁体でコイル導体が被覆された推進コイルおよび浮上コイルを軌道側壁に配置した磁気浮上式鉄道用地上コイル装置において、上記浮上コイルの上記軌道側壁側に上記推進コイル嵌め込み用突起部又は凹部を設け、上記突起部又は凹部に上記推進コイルを嵌め込んで、上記推進コイルを上記浮上コイルと上記軌道側壁との間に介在させ、上記浮上コイルを上記軌道側壁に取付ボルトで固定するように構成したことを特徴とする磁気浮上式鉄道用地上コイル装置。
【請求項2】 田の字形浮上コイルを複数個一体成形し、隣り合う田の字形浮上コイル間の軌道側壁への取付ボルトを共用する構造としたことを特徴とする請求項1記載の磁気浮上式鉄道用地上コイル装置。
【請求項3】 浮上コイルに推進コイル取付用の非磁性インサートを埋め込んで一体成形し、上記推進コイルを上記浮上コイルの非磁性インサートにボルトで取り付けるように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気浮上式鉄道用地上コイル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気浮上式鉄道用地上コイル装置に関し、特にその地上コイル取付構造に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の磁気浮上式鉄道の軌道装置を示す正面断面図、図13はコンクリートパネルに対する単層配置方式の推進コイルおよび浮上コイルの取付状態を示す要部分解斜視図である。これらは特開平8−275307号公報や特開平8−51013号公報等に記載されている。図14は単層用浮上コイルの軌道側の正面図、図15は単層用浮上コイルの軌道側壁側の正面図、図16は単層用推進コイルの正面図である。図において、1は軌道、2は軌道1の両側に立設されたコンクリート軌道側壁、3は単層用推進コイルで、両軌道側壁2にそれぞれ装着されている。4は単層用浮上コイルで、推進コイル3上に重なるように配設され両軌道側壁2にそれぞれ装着されている。5は車両、6は超電導磁石で、軌道1上を浮上する車両5に取付けられている。7は両軌道側壁2に取り付けられる軌道側壁の一部を成すコンクリートパネル、8はこのコンクリートパネル7に埋め込まれたインサート、9は座金、10はボルト、11、12は取付用の穴である。
【0003】次に、上記従来のコイル装置の構成と取付方法について説明する。まず、図14、図15に示すように単層配置方式の浮上コイル4は、素線等絶縁を施された8の字形コイル13を2個組み合わせた田の字形コイルをSMC(sheet molding compound)等の成形によりモールドして形成される。取付穴12は合計7ヶ所形成され、例えばステンレス製の非磁性金属等のブッシュ14が同時成形される。また、図16に示すように単層用推進コイル3は、エポキシ樹脂等で注型されて形成される。取付穴11は合計4ヶ所形成され、浮上コイルと同様に非磁性金属等のブッシュ15が同時成形される。
【0004】上記のように形成された推進コイル3は4ヶ所の取付穴11に座金9とボルト10を通してコンクリートパネル7のインサート8に螺合されて固定される。次に浮上コイル4は7ヶ所の取付穴12に座金9とボルト10を通してコンクリートパネル7のインサート8に螺合、固定されて地上コイル装置が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の地上コイル装置は以上のように構成されているので、取付ボルトの本数が推進コイル1個当り4本、浮上コイル1個当り7本必要であり、1パネル(長さ約12.6m:推進コイル14個、浮上コイル14個取付)当りでは合計154本ものボルトが必要となるため、取付作業および取付後の保守作業に時間がかかるという課題があり、取付ボルト本数を削減するとともに取付作業の低減を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる磁気浮上式鉄道用地上コイル装置においては、磁気浮上式車両に搭載された超電導磁石装置との間で電磁作用を行うように、絶縁体でコイル導体が被覆された推進コイルおよび浮上コイルを軌道側壁に配置した磁気浮上式鉄道用地上コイル装置において、上記浮上コイルの上記軌道側壁側に上記推進コイル嵌め込み用突起部又は凹部を設け、上記突起部又は凹部に上記推進コイルを嵌め込んで、上記推進コイルを上記浮上コイルと上記軌道側壁との間に介在させ、上記浮上コイルを上記軌道側壁に取付ボルトで固定するように構成したものである。
【0007】また、田の字形浮上コイルを複数個一体成形し、隣り合う田の字形浮上コイル間の軌道側壁への取付ボルトを共用する構造としたものである。
【0008】さらに、浮上コイルに推進コイル取付用の非磁性インサートを埋め込んで一体成形し、上記推進コイルを上記浮上コイルの非磁性インサートにボルトで取り付けるように構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1〜図5はこの発明の実施の形態1を示すもので、図1は単層用浮上コイルの軌道側の正面図、図2は単層用浮上コイルの軌道側壁側の正面図、図3は単層用推進コイルの正面図、図4は浮上コイルに推進コイルを嵌め込んだ状態を示す軌道側壁側の正面図、図5は図4のV−V線断面図である。図1〜図5において、図12〜16に示した従来の地上コイル装置と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を一部省略している。4は単層用浮上コイルで、取付穴12は合計7ヶ所形成され、例えばステンレス製の非磁性金属等のブッシュ14が同時成形される。16は浮上コイル4の背面側すなわち軌道側壁側に浮上コイル4に一体形成された推進コイルの嵌め込み用突起部で、この場合は浮上コイル1個あたり合計4個で形成している。17はこの発明に用いられる単層用推進コイルである。
【0010】次に、上記実施の形態1の地上コイル装置の取付方法について説明する。まず、図2に示すように、従来と同様に素線等絶縁を施された8の字形コイル13を2個組み合わせた田の字形コイルをSMC等の成形によりモールドして単層用浮上コイル4が形成される。この成形時に浮上コイル4の背面すなわち軌道側壁側に推進コイル17の嵌め込み用突起部16が同時成形して一体化される。次に図3に示すエポキシ樹脂等で注型された単層用推進コイル17が、図4に示すように、浮上コイル4の突起部16にその直線部分が嵌め込まれて固定される。図5は図4の嵌め込み部分のV―V線断面を示したものである。
【0011】このように、推進コイル17を浮上コイル4の突起部16に嵌め込んだ状態で、推進コイル17を浮上コイル4と軌道側壁との間に介在させる。その後浮上コイル4は7ヶ所の取付穴12に座金とボルトを通してコンクリートパネルのインサートに螺合、固定されて地上コイル装置が形成される。実施の形態1では、推進コイル17は取付穴が不要となるため、従来の浮上コイル4と推進コイルの合計取付ボルト本数11本から4本の取付ボルト本数が削減できる。また、浮上コイル4への推進コイル17の嵌め込み用として、浮上コイル4に突起部16を設けたが。これに代わり浮上コイル4に嵌め込み用凹部を形成しても良い。
【0012】実施の形態2.図6〜図8はこの発明の実施の形態2を示すもので、図6は単層用一体成形浮上コイルの軌道側の正面図、図7は単層用一体成形浮上コイルの軌道側壁側の正面図、図8は一体成形浮上コイルに推進コイルを嵌め込んだ状態を示す軌道側壁側の正面図である。図6〜図8において、図12〜16、図1〜5に示した地上コイル装置と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を一部省略する。図6〜図8において、18は8の字形コイル13を例えば12個組み合わせて一体成形した浮上コイル(長さ約5.4m:田の字形コイル6個相当)、16は一体成形浮上コイル18の背面すなわち軌道側壁側に同時成形された突起部である。図8に示すように一体成形浮上コイル18の背面すなわち軌道側壁側の突起部16に推進コイル17が嵌め込まれて固定される。
【0013】このように、推進コイル17を一体成形浮上コイル18の突起部16に嵌め込んだ状態で、推進コイル17を一体成形浮上コイル18と軌道側壁との間に介在させる。その後一体成形浮上コイル18の取付穴12に座金とボルトを通してコンクリートパネルのインサートに螺合、固定されて地上コイル装置が形成される。実施の形態2では、隣り合う田の字形コイル間の取付穴が共用できるため、田の字形コイル6個分では合計10個の取付穴12が共用でき、従来の合計取付ボルト本数42本から10本の取付ボルト本数が削減できる。さらに、一体成形浮上コイル18の背面の突起部16に推進コイル17を嵌め込んで固定するので、推進コイル17の6個分合計24個の取付穴が不要となり、24本の取付ボルト本数が削減できる。また、一体成形浮上コイル18への推進コイル17の嵌め込み用として、一体成形浮上コイル18に突起部16を設けたが。これに代わり一体成形浮上コイル18に嵌め込み用凹部を形成しても良い。
【0014】実施の形態3.図9〜図11はこの発明の実施の形態3を示すもので、図9は単層用一体成形浮上コイルの軌道側壁側の正面図、図10は一体成形浮上コイルに推進コイルを嵌め込んだ状態を示す軌道側壁側の正面図、図11は図10のXI―XI線断面図である。図9〜図11において、図12〜16、図1〜8に示した地上コイル装置と同一または相当部分には同一符号を付し、その説明を一部省略する。19は8の字形コイルを例えば12個組み合わせて一体成形した浮上コイル(長さ約5.4m:田の字形コイル6個相当)、16は一体成形浮上コイル19の背面すなわち軌道側壁側に同時成形された突起部、20は一体成形浮上コイル19に埋め込まれたインサートである。21は単層用推進コイルで、取付穴22が4個形成されている。
【0015】図10および図11に示すように、突起部16に推進コイル21が嵌め込まれて固定され、さらに、推進コイル21をその取付穴22で座金9、ボルト10を用いて一体成形浮上コイル19のインサート20に螺合されるため、推進コイル21の一層強固な取付が可能となる。このように、推進コイル21を一体成形浮上コイル19の突起部16に嵌め込み、ボルト10で一体成形浮上コイル19に螺合された状態で、推進コイル21を一体成形浮上コイル19と軌道側壁との間に介在させる。その後一体成形浮上コイル19の取付穴に座金とボルトを通してコンクリートパネルのインサートに螺合、固定させて地上コイル装置が形成される。
【0016】実施の形態3では、隣り合う田の字形コイル間の取付穴が共用できるため、実施の形態2と同様、田の字形コイル6個分では合計10個の取付穴12が共用でき、従来の合計取付ボルト本数42本から10本の取付ボルト本数が削減できる。また、一体成形浮上コイル19への推進コイル21の嵌め込み用として、一体成形浮上コイル19に突起部16を設けたが。これに代わり一体成形浮上コイル19に嵌め込み用凹部を形成しても良い。
【0017】
【発明の効果】以上のように、この発明に係わる磁気浮上式鉄道用地上コイル装置によれば、磁気浮上式車両に搭載された超電導磁石装置との間で電磁作用を行うように、絶縁体でコイル導体が被覆された推進コイルおよび浮上コイルを軌道側壁に配置した磁気浮上式鉄道用地上コイル装置において、上記浮上コイルの上記軌道側壁側に上記推進コイル嵌め込み用突起部又は凹部を設け、上記突起部又は凹部に上記推進コイルを嵌め込んで、上記推進コイルを上記浮上コイルと上記軌道側壁との間に介在させ、上記浮上コイルを上記軌道側壁に取付ボルトで固定するように構成したので、取付ボルト本数を削減できると共に取付作業が低減できる。
【0018】また、田の字形浮上コイルを複数個一体成形し、隣り合う田の字形浮上コイル間の軌道側壁への取付ボルトを共用する構造としたので、取付ボルト本数をさらに削減でき、取付作業が低減できる。
【0019】さらに、浮上コイルに推進コイル取付用の非磁性インサートを埋め込んで一体成形し、上記推進コイルを上記浮上コイルの非磁性インサートにボルトで取り付けるように構成したので、推進コイルの一層強固な取付が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【出願日】 平成12年6月30日(2000.6.30)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
【公開番号】 特開2002−27613(P2002−27613A)
【公開日】 平成14年1月25日(2002.1.25)
【出願番号】 特願2000−199655(P2000−199655)