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【発明の名称】 電気自動車のバッテリ冷却装置
【発明者】 【氏名】横山 裕

【要約】 【課題】簡単な構成及び制御で、メインバッテリの不所望な温度上昇を確実に防止でき、メインバッテリの寿命を有効に延命できる電気自動車のバッテリ冷却装置を提供する。

【解決手段】メインバッテリ1と制御回路6との間に、メインバッテリ1の充放電時に制御回路6から出力されるリレー投入信号によってオンとなるリレースイッチ5a、5bを有する電気自動車のバッテリ冷却装置において、メインバッテリ1の温度を検出する温度センサ16と、サブバッテリBを電源としてメインバッテリ1を収容するバッテリ室3内を冷却する冷却ファン15と、リレー投入信号及び温度センサ16の出力に基づいて冷却手段の駆動を制御する冷却制御回路17とを有し、少なくともリレースイッチがオンで、かつメインバッテリの温度が所定値よりも高いときに、冷却手段15を駆動するよう構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メインバッテリと制御回路との間に、上記メインバッテリの充放電時に上記制御回路から出力されるリレー投入信号によってオンとなるリレースイッチを有する電気自動車のバッテリ冷却装置において、上記メインバッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段と、サブバッテリを電源として上記メインバッテリを収容するバッテリ室内を冷却する冷却手段と、上記リレー投入信号及び上記バッテリ温度検出手段の出力に基づいて上記冷却手段の駆動を制御する冷却制御手段とを有し、上記冷却制御手段により、少なくとも上記リレースイッチがオンで、かつ上記メインバッテリの温度が所定値よりも高いときに、上記冷却手段を駆動するよう構成したことを特徴とする電気自動車のバッテリ冷却装置。
【請求項2】 上記冷却制御手段は、上記リレースイッチのオフによって起動するタイマ回路を有し、上記リレースイッチがオフした後も上記タイマ回路で設定された時間内は上記メインバッテリの温度が所定値よりも高いとき上記冷却手段を駆動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車のバッテリ冷却装置。
【請求項3】 上記冷却制御手段は、上記冷却手段を断続的に駆動するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気自動車のバッテリ冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に搭載されているメインバッテリを冷却するバッテリ冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、バッテリには、鉛、カドニウム等が用いられることが多く、バッテリ寿命の延命はそれらの再出現率を低下させることとなって、環境保全に直接的に貢献できると同時に経済的にも有利となる。特に、電気自動車やハイブリッド車(本明細書では、電気自動車及びハイブリッド車を総称して単に電気自動車と言う)では、大量のバッテリが搭載されることから、その効果はきわめて顕著となる。
【0003】そこで、従来からバッテリ寿命を延命するための種々の提案がなされている。例えば、実開平6−60204号公報には、バッテリケース内部端側に収納した端側単電池とこの端側単電池間に挟持した内側単電池とを有するバッテリ本体を二次元的に複数個配設したバッテリ集合体を有する電気自動車において、端側単電池のみが面する方向では隣接するバッテリケースの側面同士を近接して配設する一方、端側単電池及び内側単電池が面する方向では隣接するバッテリケースの側面間に熱交換用間隙部を形成して配設することによって、各バッテリ本体を端側単電池のみが面する側では外部との熱交換を行わず、端側単電池及び内側単電池が面する側において熱交換用間隙部を介して外部との熱交換を行うことで、各バッテリ本体の端側単電池及び内側単電池の熱交換条件を略同一として、各バッテリ本体の有する性能を十分に発揮させると共に、各バッテリ本体の寿命を向上させたバッテリ装置を提案している。
【0004】また、実開平6−50249号公報には、高温環境となるエンジン房内にバッテリが搭載される車両において、バッテリの周面との間に冷却風流通クリアランスを形成して遮熱ボックスを設けると共に、この遮熱ボックスに車両の走行風による正圧発生部位に臨む冷却風吸入口及びラジエータファンの送風による負圧発生部位に臨む排出口を配設することによって、車両走行中の走行風による正圧を吸入口に作用させると共に、車両の渋滞走行中であってもラジエータファンの作動時にその送風による負圧を排出口に作用せしめることで、遮熱ボックスとバッテリ周面との間の冷却風流通クリアランスに冷却風を流通させてバッテリの温度を適温範囲内に低下させる車載バッテリの空冷装置が開示されている。
【0005】上記の従来技術によると、いずれも簡単な構成でバッテリの不所望な温度上昇を有効に防止でき、バッテリの寿命を延ばすことができる。
【0006】同様にバッテリの不所望な温度上昇を防止してバッテリ寿命の延命を図るものとして、例えば特許第2894427号公報には、バッテリを冷却する車載冷却手段と、その制御手段と、バッテリの温度状態を検出するバッテリ温度検出手段と、バッテリが外部充電中か否かを検出する外部充電状態検出手段と、車両が走行モードにあるか停止モードにあるかを検出するモード検出手段とを有し、車両の走行モードでは、バッテリ温度が所定温度よりも高いときに車載冷却手段を作動させ、車両の停止モードでは、バッテリが外部充電中でかつバッテリ温度が所定温度よりも高いときに車載冷却手段を作動させる電気自動車用バッテリの冷却装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の特許第2894427号公報によると、車両が走行モードにあるのか停止モードにあるのかを判定し、それぞれに通風冷却の条件を設定する等、構成及び制御が複雑になることが懸念される。
【0008】また、電気自動車においては、エアコンやヒータもバッテリで駆動され、これらは必ずしも走行モードと連動させる必要はないため、上記のように停止モードではバッテリが外部充電中でかつバッテリ温度が所定温度よりも高いときに車載冷却手段を作動させるようにすると、停止モードでエアコンやヒータが駆動されてバッテリ温度が所定温度よりも高くなっても車載冷却手段が作動しないため、初期の目的を十分達成できないおそれがある。
【0009】一方、電気自動車には、通常、メインバッテリと制御回路との間に、メインリレーによってオン・オフ制御されるリレースイッチが設けられ、メインバッテリの充放電時に制御回路から出力されるリレー投入信号によってメインリレーが附勢(オン)されることにより、リレースイッチがオンとなってメインバッテリの充放電が行われるようになっている。そして、メインバッテリの温度制御が必要となるのは、メインリレーの動作とほぼ一致している。
【0010】本発明の目的は、かかる点に着目することで、簡単な構成及び制御で、メインバッテリの不所望な温度上昇を確実に防止でき、メインバッテリの寿命を有効に延命できる電気自動車のバッテリ冷却装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する請求項1に記載の発明は、メインバッテリと制御回路との間に、上記メインバッテリの充放電時に上記制御回路から出力されるリレー投入信号によってオンとなるリレースイッチを有する電気自動車のバッテリ冷却装置において、上記メインバッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段と、サブバッテリを電源として上記メインバッテリを収容するバッテリ室内を冷却する冷却手段と、上記リレー投入信号及び上記バッテリ温度検出手段の出力に基づいて上記冷却手段の駆動を制御する冷却制御手段とを有し、上記冷却制御手段により、少なくとも上記リレースイッチがオンで、かつ上記メインバッテリの温度が所定値よりも高いときに、上記冷却手段を駆動するよう構成したことを特徴とする。
【0012】請求項1の発明によると、少なくともリレースイッチがオンで、メインバッテリの温度が所定値よりも高いときは冷却手段が作動するので、電気自動車の停止中にエアコンやヒータの駆動によりメインバッテリが放電してバッテリ温度が所定温度よりも高くなった場合でも冷却手段が作動してメインバッテリが冷却されることになる。従って、電気自動車が走行モードにあるのか停止モードにあるのかを判定し、それぞれに通風冷却の条件を設定することなく、簡単な構成及び制御で、メインバッテリの不所望な温度上昇を確実に防止でき、メインバッテリの寿命を有効に延命することが可能となる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気自動車のバッテリ冷却装置において、上記冷却制御手段は、上記リレースイッチのオフによって起動するタイマ回路を有し、上記リレースイッチがオフした後も上記タイマ回路で設定された時間内は上記メインバッテリの温度が所定値よりも高いとき上記冷却手段を駆動するように構成されていることを特徴とする。
【0014】請求項2の発明によると、リレースイッチのオフ後も、タイマ回路で設定された時間内はメインバッテリの温度が所定値よりも高い場合には冷却手段が駆動されるので、メインバッテリの劣化をより確実に防止でき、延命効果をより高めることが可能となる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電気自動車のバッテリ冷却装置において、上記冷却制御手段は、上記冷却手段を断続的に駆動するように構成されていることを特徴とする。
【0016】請求項3の発明によると、冷却手段が断続的に駆動されるので、その電源となるサブバッテリの消費を抑えることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電気自動車のバッテリ冷却装置の実施の形態について、図1乃至図5により説明する。
【0018】(第1実施の形態)図1及び図2は第1実施の形態を示すもので、図1は回路構成図であり、図2は動作を説明するためのフローチャートである。
【0019】図1において、メインバッテリ1は、複数個のバッテリ本体2を直列接続したバッテリ集合体からなり、バッテリ室3内に収容されている。このメインバッテリ1は、メインリレー4のリレースイッチ5a、5bを経て制御回路6に接続され、制御回路6によりメインバッテリ1を電源とする走行用モータ(M)7、充電器8、エアコン(A/C)9、ヒータ10等の駆動が制御されるようになっている。
【0020】また、制御回路6は、サブバッテリB(例えば、+12V)にも接続され、電気自動車のキースイッチ(図示せず)のオンによってメインリレー4を附勢(オン)するためのハイレベルのリレー投入信号をリレー駆動回路11に出力するようになっている。
【0021】メインリレー4のリレーコイル4aは、一端がサブバッテリBに接続され、他端はリレー駆動回路11に接続されている。リレー駆動回路11は、例えばスイッチング素子としてのトランジスタ12を有し、そのコレクタ−エミッタ通路を経てリレーコイル4aの他端を車体アースに接地するようになっており、このトランジスタ12のベースに制御回路6からのリレー投入信号を供給することにより、トランジスタ12を導通させてメインリレー4を附勢(オン)し、リレースイッチ5a、5bをオンするようになっている。
【0022】本実施の形態では、バッテリ室3内を冷却するための冷却手段として冷却ファン15を設けると共に、バッテリ本体2の温度を検出するためのバッテリ温度検出手段となる温度センサ16を設ける。冷却ファン15は、そのDCモータの正極端子をサブバッテリBに接続し、負極端子は冷却制御回路17に接続する。また、温度センサ16は冷却制御回路17に接続する。
【0023】冷却制御回路17には、スイッチング素子としてのトランジスタ21と、サブバッテリBを電源として動作する温度検出回路22及びAND回路23を設け、トランジスタ21のコレクタ−エミッタ通路を経て冷却ファン15の負極端子を車体アースに接地するようにする。温度検出回路22は、温度センサ16の出力と予め設定した所定温度に対応する基準値とを比較して、温度センサ16の出力が基準値を越えたとき、すなわちバッテリ本体2の温度が所定値よりも高いときはハイレベルの信号を、バッテリ本体2の温度が所定値以下のときはローレベルの信号を出力するようにする。また、AND回路23は、温度検出回路22の出力及び制御回路6からのリレー投入信号を入力とし、その出力をトランジスタ21のベースに供給して、該トランジスタ21をオン・オフ制御することにより冷却ファン15の駆動を制御するようにする。
【0024】このようにして、本実施の形態では、図2に示すように、リレー投入信号がハイレベル(H)で、かつ温度検出回路22の出力もハイレベル(H)のとき、すなわちリレースイッチ5a、5bがオンで、かつメインバッテリ1の温度が所定値よりも高いときに、AND回路23の出力によりトランジスタ21をオンさせて冷却ファン16を駆動し、バッテリ室3内を冷却する。
【0025】以上のように、本実施の形態によると、メインバッテリ1の充放電が行われるリレースイッチ5a、5bのオンの期間中は、メインバッテリ1の温度が所定値よりも高くなると、冷却ファン16が駆動してバッテリ室3内が冷却されるので、電気自動車の停止中にエアコン9やヒータ10等が駆動されてもメインバッテリ1の不所望な温度上昇を防止でき、メインバッテリ1の寿命を延命することができる。また、電気自動車が走行モードにあるのか停止モードにあるのかを判定し、それぞれに通風冷却の条件を設定する必要がないので、構成及び制御が簡単になる。
【0026】(第2実施の形態)図3及び図4は第2実施の形態を示すもので、図3は要部の回路構成図で、図4は動作を説明するためのフローチャートである。本実施の形態は、第1実施の形態において、冷却制御回路17にタイマ回路24を設け、制御回路6からのリレー投入信号を冷却制御回路17のAND回路23に直接供給すると共に、タイマ回路24に供給し、このタイマ回路24においてリレー投入信号がローレベルになった時点、すなわちメインリレー4がオフとなってリレースイッチ5a、5bがオフとなった時点から所定時間(T秒)だけハイレベルの信号を出力させてAND回路23に供給するようにしたもので、その他の構成は第1実施の形態と同様である。
【0027】このようにして、本実施の形態では、図4に示すように、第1実施の形態と同様、リレー投入信号がハイレベル(H)で、かつ温度検出回路22の出力もハイレベル(H)のときに冷却ファン16を駆動してバッテリ室3内を冷却する他、リレー投入信号がローレベル、即ちメインリレー4がオフとなってリレースイッチ5a、5bがオフとなった後も、タイマ回路24で設定された時間T秒内はメインバッテリ1の温度が所定値よりも高いときに冷却ファン16を駆動してバッテリ室3内を冷却する。
【0028】従って、本実施の形態によると、第1実施の形態におけるよりもメインバッテリ1の劣化をより確実に防止でき、延命効果をより高めることができる。
【0029】(第3実施の形態)図5は第3実施の形態の要部の回路構成図である。本実施の形態は、第2実施の形態において、冷却制御回路17のAND回路23とトランジスタ21のベースとの間にパルス発生回路25を接続し、AND回路23の出力がハイレベルにあるときにパルス発生回路25から所定の周期のパルスを発生させて、トランジスタ21をスイッチングさせることにより、冷却ファン16を断続的に駆動するようにしたもので、その他の構成は第2実施の形態と同様である。
【0030】このように、冷却ファン16を断続的に駆動するようにすれば、冷却ファン16の電源となるサブバッテリの消費を抑えることができる。
【0031】なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、第3実施の形態のパルス発生回路25は、タイマ回路24の出力側に設けて、リレースイッチ5a、5bがオンで、メインバッテリ1の温度が所定値よりも高いときは冷却ファン16を連続的に駆動し、リレースイッチ5a、5bのオフ後、メインバッテリ1の温度が所定値よりも高いときに冷却ファン16を断続的に駆動するようにすることもできる。また、このパルス発生回路25は、第1実施の形態においてAND回路23とトランジスタ21のベースとの間に設けることもできる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、電気自動車が走行モードにあるのか停止モードにあるのかを判定してそれぞれに通風冷却の条件を設定することなく、少なくともメインリレーのリレースイッチがオンで、メインバッテリの温度が所定値よりも高いときは冷却手段を作動させて、メインバッテリを収容するバッテリ室内を冷却するようにしたので、簡単な構成及び制御により電気自動車の停止中にエアコンやヒータの駆動によりメインバッテリの温度が所定温度よりも高くなった場合でも、冷却手段を作動させてメインバッテリを冷却することができ、メインバッテリの不所望な温度上昇を確実に防止してメインバッテリの寿命を有効に延命することができる。
【出願人】 【識別番号】000005348
【氏名又は名称】富士重工業株式会社
【出願日】 平成12年7月6日(2000.7.6)
【代理人】 【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
【公開番号】 特開2002−27612(P2002−27612A)
【公開日】 平成14年1月25日(2002.1.25)
【出願番号】 特願2000−204704(P2000−204704)