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【発明の名称】 電動車両のモータ制御装置
【発明者】 【氏名】大橋 敏治

【氏名】池田 昌樹

【氏名】折笠 仁一

【氏名】品川 壮

【要約】 【課題】電動車両が不測の場所で停止した時も最低安全な距離を移動できる。

【解決手段】電源スイッチ1と、モータ2の駆動回路3の温度を検出する温度センサ4と、この温度センサ4で測定された温度が一定以上になった場合にモータ2の回転数を制御する電動車両のモータ制御装置である。電源スイッチ1を投入してからモータ2の回転数の累積値が一定以上の場合は温度が一定以上であってもモータ2を駆動できるように制御する制御部5を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源スイッチと、モータの駆動回路の温度を検出する温度センサと、この温度センサで測定された温度が一定以上になった場合にモータの回転数を制御する電動車両のモータ制御装置において、電源スイッチを投入してからモータの回転数の累積値が一定以上の場合は温度が一定以上であってもモータを駆動できるように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする電動車両のモータ制御装置。
【請求項2】 バッテリーの残容量を測定するバッテリー残容量測定手段を備え、バッテリーの残容量が設定された最低限の量になった場合にモータを制動するように駆動回路を制御する電動車両のモータ制御装置において、バッテリーが設定された最低限の量以下であっても、電源スイッチを投入してからモータの回転数の累積値が一定以下の場合はモータを駆動できるように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする電動車両のモータ制御装置。
【請求項3】 バッテリーの残容量を測定するバッテリー残容量測定手段を備え、バッテリー残容量が設定された最低限の量になった場合に、モータを制動するように駆動回路を制御する電動車両のモータ制御装置において、バッテリーが設定された最低限の量以下であっても電源スイッチを投入してから一定容量放電するまではモータが駆動できるように制御する制御部を設けて成ることを特徴とする電動車両のモータ制御装置。
【請求項4】 一定放電量を測定する手段が放電電気量の積算量で判定するものであることを特徴とする請求項3記載の電動車両のモータ制御装置。
【請求項5】 一定放電量を測定する手段が電圧降下量で判定するものであることを特徴とする請求項3記載の電動車両のモータ制御装置。
【請求項6】 電源スイッチの繰り返し投入回数が一定回数になれば制動することを特徴とする請求項3記載の電動車両のモータ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリーの電力でモータを駆動して走行する電動車両におけるモータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バッテリーの電力でモータを駆動して走行する電動車両におけるモータ制御装置として従来から特開平8−70501号公報が知られている。この従来例は駆動用回路が一定以上に温度上昇した時やバッテリーの残容量が最低限になった場合に、電動車両を停止するように制御するものである。そして、この従来例においては、上記の場合に停止した際に、再度電源スイッチを投入すると、この再度の電源スイッチ投入後、一定時間モータが駆動して不測の停止場所から安全な場所に移動できるようにしているが、上記従来例のものは再度の電源スイッチ投入後、一定時間モータが駆動して、一定時間が過ぎればモータが停止するようになっている。このように従来例にあっては一定時間が過ぎるとモータが停止してしまうので、低速で走行したり、走行と停止を繰り返したり、あるいは後退で走行したりした場合、必要距離移動できずに停止してしまうという問題があった。
【0003】上記のように、駆動回路の温度上昇、バッテリー残容量なしで電動車両保護のために停止する時でも、必要距離は走れるようにする必要があり、従来例にあっては、このような時でも一定時間だけモータは駆動するが、設定速度が低速であったりした場合、不測の場所で停止すると、すぐに時間がたってしまい、安全な位置に到達する前に再び停止してしまうという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、電動車両が不測の場所で停止した時も電源スイッチの再投入で最低安全な距離を移動できる電動車両のモータ制御装置を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係る電動車両のモータ制御装置は、電源スイッチ1と、モータ2の駆動回路3の温度を検出する温度センサ4と、この温度センサ4で測定された温度が一定以上になった場合にモータ2の回転数を制御する電動車両のモータ制御装置において、電源スイッチ1を投入してからモータ2の回転数の累積値が一定以上の場合は温度が一定以上であってもモータ2を駆動できるように制御する制御部5を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、電源スイッチ1を投入してからモータ2の回転数の累積値が一定以上の場合は温度が一定以上であってもモータ2を駆動できるように制御して電動車両が不測の場所で停止した時も最低安全な距離を移動できるようにするものである。
【0006】また、バッテリー6の残容量を測定するバッテリー残容量測定手段7を備え、バッテリー6の残容量が設定された最低限の量になった場合にモータ2を制動するように駆動回路3を制御する電動車両のモータ制御装置において、バッテリー6が設定された最低限の量以下であっても、電源スイッチ1を投入してからモータ2の回転数の累積値が一定以下の場合はモータ2を駆動できるように制御する制御部5を設けることが好ましい。このような構成とすることで、バッテリー6が設定された最低限の量以下であっても、電源スイッチ1を投入してからモータ2の回転数の累積値が一定以下の場合はモータ2を駆動できるように制御して電動車両が不測の場所で停止した時も最低安全な距離を移動できるようにするものである。
【0007】また、バッテリー6の残容量を測定するバッテリー残容量測定手段7を備え、バッテリー残容量が設定された最低限の量になった場合に、モータ2を制動するように駆動回路3を制御する電動車両のモータ制御装置において、バッテリー6が設定された最低限の量以下であっても電源スイッチ1を投入してから一定容量放電するまではモータ2が駆動できるように制御する制御部5を設けることが好ましい。このような構成とすることで、バッテリー6が設定された最低限の量以下であっても電源スイッチ1を投入してから一定容量放電するまではモータ2が駆動できるように制御して電動車両が不測の場所で停止した時も最低安全な距離を移動できるようにするものである。
【0008】また、一定放電量を測定する手段が放電電気量の積算量で判定するものであることが好ましい。このような構成とすることで、簡単に放電量を測定できるものである。
【0009】また、一定放電量を測定する手段が電圧降下量で判定するものであることが好ましい。このような構成とすることで、簡単に放電量を測定できるものである。
【0010】また、電源スイッチ1の繰り返し投入回数が一定回数になれば制動することが好ましい。このような構成とすることで、電源スイッチ1の繰り返し投入回数が一定回数になれば過放電防止のために再度電源スイッチ1をオンにしてもモータ2が回転しないようにするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】図1、図2、図3に基づいて本発明の一実施形態につき説明する。モータ制御装置は図1の制御回路に示すように、電源スイッチ1と、モータ2の駆動回路3と、モータ2の駆動回路3の温度を測定する温度センサ4と、バッテリー6と、モータ駆動回路3を制御する制御部5を構成するマイクロコンピュータとを備えている。
【0013】モータ駆動回路3はFETドライブ回路10と、4個のスイッチング素子であるFET11a、11b、11c、11dとから構成してあり、4個のFET11a、11b、11c、11dはHブリッジ回路に構成してあり、FET11a、11bを直列に接続した直列回路と、FET11c、11dを直列に接続した直列回路とを直流電源であるバッテリー6に並列に接続し、直列に接続したFET11a、11bの接続点と、直列に接続したFET11c、11dの接続点間にモータ2が接続してあり、FETドライブ回路10による制御でFET11a、11dを対とするとともに、FET11b、11cを対としてオン、オフすることで直流を交流に変換してモータ2の駆動を制御するようになっている。
【0014】モータ2の軸にはエンコーダ12が直結してあり、モータ2の回転数をエンコーダ12により検出してマイコンよりなる制御部5に入力するようになっている。温度センサ4はモータ2の駆動回路3の温度を検出するものであり、温度センサ4で検出された駆動回路3の温度は制御部5に入力するようになっている。
【0015】図2、図3には本実施形態の制御のフローチャートが示してある。
【0016】しかして、温度センサ4で検出したモータ2の駆動回路3の温度が一定以上になると、マイコンよりなる制御部5によりモータ2の回転数を低下又は停止するように制御するものであって、これにより駆動回路3やモータ2を過熱から保護するようになっている。例えば、坂道を連続して登った場合など、モータ2電流が大きくなり、FET11a、11b、11c、11dやモータ2の温度が上がる。この温度があらかじめ設定された設定値を越えた場合、駆動回路3やモータ2等の破壊を防ぐために図3に示すようにモータ2の回転数を低下させ(つまり、通常はモータ2に60アンペアの電流を流すがこの場合には30アンペアの電流を流して回転数を低下させる)たり、あるいは図2に示すようにモータ2の回転数をゼロ、つまりモータ2を停止させるように制御部5により制御するものである。
【0017】上記のように温度センサ4で検出したモータ2の駆動回路3の温度が一定以上になって、制御部5によりモータ2に制動をかけた場合であっても、再度電源スイッチ1を投入すると(オンにすると)、該電源スイッチ1のオンからのモータ2の回転数の累積値が設定された一定以下の場合にはモータ2を駆動するように制御部5により制御するものであり、この場合、モータ2を駆動できるかできないかを決定する上記電源スイッチ1のオンからのモータ2の回転数の累積値は、不測の場所、例えば坂道や道路の中央部から安全な場所まで移動できるのに必要なモータ2の回転数の累積値をあらかじめ求めて設定しておくものであり、これにより駆動回路3の温度が一定以上になって不測の場所で停止しても、再度電源スイッチ1をオンすることで、電動車両の設定速度を高速に設定しているか低速に設定しているかに関係なく、安全な位置まで確実に移動することができるものである。つまり、再度電源スイッチ1をオンした場合に一定時間だけモータ2を駆動するように制御した場合には、低速走行すると時間が経過してしまって安全な場所まで移動する前に停止してしまうおそれがあるが、本発明のようにモータ2の回転数の累積値をあらかじめ設定してこれに基づいて制御することで、電動車両の移動速度に関係なく設定された距離移動できて安全な場所まで確実に移動できるのである。
【0018】次に、図4に基づいて本発明の他の実施形態につき説明する。図4には本実施形態の制御回路が示してあり、本実施形態においては図1に示す前述の制御回路にモータ2電流を検出する抵抗R1を4個のFET11a、11b、11c、11dよりなるHブリッジ回路に接続してあり、また、バッテリー6の電圧を検出する抵抗R2、R3をモータ2と並列に接続してある。
【0019】しかして、図4においては抵抗R2、R3及び抵抗R1がバッテリー6の残容量を測定するバッテリー残容量測定手段7を構成しており、抵抗R2、R3で検出した電圧を制御部5に入力し、また、抵抗R1によりモータ2の電流値を求め、これを制御部5に入力して、この電流の値と電流の流れている時間の積により放電電気量を求め、バッテリー6の容量を推定するものであり、そして、上記抵抗R2、R3で検出したバッテリー6の残容量、抵抗R1により求めた放電電気量を総合的に判定してバッテリー6の残容量を求め、これにより、バッテリー6の残容量があらかじめ設定された最低限の量になった場合にモータ2を制動するように駆動回路3を制御してモータ2を停止するようになっている。ここで、図4においては抵抗R2、R3及び抵抗R1によりバッテリー6の残容量を測定するバッテリー残容量測定手段7を構成しているが、抵抗R2、R3のみによりバッテリー6の残容量を測定するバッテリー残容量測定手段7を構成してもよく、あるいは抵抗R1のみによりバッテリー6の残容量を測定するバッテリー残容量測定手段7を構成してもよいものである。
【0020】そして、図5の制御のフローチャートに示す実施形態においては、バッテリー6が設定された最低限の量以下であっても、再度電源スイッチ1を投入し、この電源スイッチ1の投入からモータ2の回転数の累積値が一定以下の場合はモータ2を駆動できるように制御する制御部5を設けるようになっている。これによりバッテリー6の残容量が設定された最低限の量以下となって不測の場所で停止しても、再度電源スイッチ1をオンすることで、該スイッチ1の投入からモータ2の回転数の累積値になるまでモータ2を回転して走行できて安全な位置に確実に到達することができるものである。
【0021】また、図6の制御のフローチャートに示す実施形態においては、バッテリー6の残容量の推定をモータ2の電流値により求めるもので、抵抗R1の電圧よりモータ2電流を検出し、この電流の値と電流の流れている時間の積より、放電電気量を求めてバッテリー6の残容量を推定するものである。そして、バッテリー6の推定残容量が設定された最低限の量になるとモータ2を停止するように制御部5により制御する。
【0022】上記のようにバッテリー6の残容量が設定された最低限の量になって、制御部5によりモータ2に制動をかけた場合であっても、再度電源スイッチ1を投入すると、放電電気量が一定値の間だけはモータ2を駆動するように制御部5により制御するものである。これによりバッテリー6の残容量が設定された最低限の量以下となって不測の場所で停止しても、再度電源スイッチ1をオンすることで、該電源スイッチ1の投入から放電電気量が一定値の間だけはモータ2を回転して走行できて安全な位置に確実に到達することができるものである。
【0023】上記図6の制御のフローチャートに示す実施形態においては、一定放電量を測定する手段が放電電気量の積算量で判定した例であるが、図7の制御のフローチャートに示す実施形態においては、一定放電量の検出を電圧降下量で判定するようになっている。そして、バッテリー6の残容量が設定された最低限の量になって、制御部5によりモータ2に制動をかけた場合であっても、再度電源スイッチ1をオンにし、一定電圧だけ低下するまでモータ2を駆動するように制御部5により制御するものである。これによりバッテリー6の残容量が設定された最低限の量以下となって不測の場所で停止しても、再度電源スイッチ1をオンすることで、該電源スイッチ1の投入から一定電圧だけ低下するまでモータ2を回転して走行できて安全な位置に確実に到達することができるものである。
【0024】また、バッテリー6の残容量が設定された最低限の量になって、制御部5により停止するように制御された場合、上記したように電源スイッチ1を再投入して該電源スイッチ1の投入からモータ2の回転数の累積値が一定以下の場合や、あるいは放電電気量が一定値の間、あるいは一定電圧まで低下するまでの間は、モータ2を回転して走行できるようになっているが、バッテリー6の残容量が設定された最低限の量になった後に、電源スイッチ1を何回でも投入するとバッテリー6が過放電してバッテリー6寿命の低下を招いてしまうので、図8に示す実施形態においては、バッテリー6の残容量が設定された最低限の量になって、停止した際における電源スイッチ1の投入回数(オン回数)を制御部5によりカウントし、あらかじめ設定した設定回数になれば過放電防止のために電源スイッチ1を再度投入してもモータ2が回転しないように制御部5により制御するものであり、これにより過放電を防止してバッテリー6寿命が低下しないようにするものである。
【0025】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、電源スイッチと、モータの駆動回路の温度を検出する温度センサと、この温度センサで測定された温度が一定以上になった場合にモータの回転数を制御する電動車両のモータ制御装置において、電源スイッチを投入してからモータの回転数の累積値が一定以上の場合は温度が一定以上であってもモータを駆動できるように制御する制御部を設けてあるので、モータの温度上昇があると電動車両が停止するが、このように、モータの温度が上昇しても、電源スイッチを投入してからモータの回転数の累積値が一定以上の場合は上記停止が不測の状態で起こったとしても再度電源スイッチを投入することにより、モータを駆動して最低安全な距離を移動できるものである。
【0026】また、請求項2記載の発明にあっては、バッテリーの残容量を測定するバッテリー残容量測定手段を備え、バッテリーの残容量が設定された最低限の量になった場合にモータを制動するように駆動回路を制御する電動車両のモータ制御装置において、バッテリーが設定された最低限の量以下であっても、電源スイッチを投入してからモータの回転数の累積値が一定以下の場合はモータを駆動できるように制御する制御部を設けてあるので、バッテリーの残容量が設定された最低限の量になると電動車両が停止するが、このようにバッテリーが設定された最低限の量以下であっても、上記停止が不測の状態で起こったとしても再度電源スイッチを投入することで、電源スイッチを投入してからモータの回転数の累積値が一定以下の場合はモータを駆動して最低安全な距離を移動できるものである。
【0027】また、請求項3記載の発明にあっては、バッテリーの残容量を測定するバッテリー残容量測定手段を備え、バッテリー残容量が設定された最低限の量になった場合に、モータを制動するように駆動回路を制御する電動車両のモータ制御装置において、バッテリーが設定された最低限の量以下であっても電源スイッチを投入してから一定容量放電するまではモータが駆動できるように制御する制御部を設けてあるので、バッテリーの残容量が設定された最低限の量になると電動車両が停止するが、このようにバッテリーが設定された最低限の量以下で上記停止が不測の状態で起こったとしても再度電源スイッチを投入することで、電源スイッチを投入してから一定容量放電するまではモータが駆動できるように制御して最低安全な距離を移動できるものである。
【0028】また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、一定放電量を測定する手段が放電電気量の積算量で判定するので、簡単に放電量を測定できるものである。
【0029】また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、一定放電量を測定する手段が電圧降下量で判定するので、簡単に放電量を測定できるものである。
【0030】また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項3記載の発明の効果に加えて、電源スイッチの繰り返し投入回数が一定回数になれば制動するので、電源スイッチの繰り返し投入回数が一定回数になれば過放電防止のために再度電源スイッチをオンにしてもモータが回転しないようにでき、バッテリーの過放電を防止してバッテリー寿命の低下を防止できるものである。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成12年6月30日(2000.6.30)
【代理人】 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開2002−27606(P2002−27606A)
【公開日】 平成14年1月25日(2002.1.25)
【出願番号】 特願2000−199920(P2000−199920)