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【発明の名称】 バッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置
【発明者】 【氏名】織田 耕治

【要約】 【課題】車両が休車中でも、ヒートシンクの温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転させて駆動回路への熱的負担を減少させること。

【解決手段】温度センサからの走行用または油圧用のヒートシンクの温度と、と予め設定した設定値と比較し(ステップS1)、検出温度の方が高い場合には、現在の状態が走行中、または油圧中かを判断する(ステップS2)。走行中、または油圧中であれば、ファンモータを全速駆動してヒートシンクを冷却する(ステップS3)。走行操作中でなく、または油圧操作中でもなくて、キースイッチがオン状態の場合には、ステップS4に移行して、ファンモータを半速駆動する。これにより、車両が休車中でも、走行用または油圧用のヒートシンクの温度が一定値以上であれば、ファンモータを低速回転することにより、バッテリの消費電力を抑えると共に、走行用または油圧用の駆動回路への熱的負担を減少させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】バッテリフォークリフトの走行用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ走行操作中ではなく運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴とするバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置。
【請求項2】バッテリフォークリフトの荷役用の油圧用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ油圧操作中ではなく運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴とするバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置。
【請求項3】バッテリフォークリフトの走行用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ走行用モータの電流が所定値以下で運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴とするバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置。
【請求項4】バッテリフォークリフトの荷役用の油圧用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ油圧用モータの電流が所定値以下で運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴とするバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置。
【請求項5】前記駆動回路の温度に比例して冷却ファンの回転数を増減させていることを特徴とする請求項1〜請求項4にいずれか記載のバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行用モータや油圧用モータの駆動回路の半導体スイッチング素子を冷却するファンを備えたバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォークリフトは一般に走行用モータとフォークなどの荷役用の油圧用モータが備えられており、バッテリを駆動源としたフォークリフトでは、このバッテリからの電源で駆動されて走行用モータや油圧用モータを駆動する駆動回路が設けられている。この駆動回路は、半導体スイッチング素子で構成されるインバータの回路構成となっている。これらの半導体スイッチング素子は、走行用モータあるいは油圧用モータに流れる大電流を制御するために発熱量が大きくなる。そのため、駆動回路の過熱を防止するために、駆動回路を冷却するためにファンが用いられている。
【0003】従来の走行用または油圧用のモータの駆動回路を冷却するファン(ファンモータ)を作動させる条件としては以下の条件に依っていた。すなわち、ファンモータを作動させる条件として、条件1:走行操作中または油圧操作中で、かつ半導体スイッチング素子を実装している ヒートシンクの温度が一定値以上。
条件2:走行用モータに所定値以上の電流が流れているか、または油圧用モータに所定 値以上の電流が流れており、ヒートシンクの温度が一定値以上。
これらの条件を満足したときに冷却用のファンモータを作動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来例では、走行用モータまたは油圧用モータが駆動中で且つ、ヒートシンクの検出温度が所定値以上のとき以外は、冷却用ファンモータが作動しない、つまり、検出温度が所定値以上でも一時的な休車時等は冷却ファンが作動しないため駆動回路に熱的負担がかかるという問題があった。
【0005】本発明は上述の点に鑑みて提供したものであって、車両が休車中でも、ヒートシンクの温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転させて駆動回路への熱的負担を減少させることを目的としたバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項1記載のバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置では、バッテリフォークリフトの走行用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ走行操作中ではなく運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0007】かかる構成とすることで、車両が休車中でも、走行用モータの駆動回路の温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転することにより、駆動回路への熱的負担を減少させることができる。また、冷却ファンを低速回転に抑えることで、バッテリの消費電力を抑えると共に、低騒音となり、騒音の問題も解消することができる。
【0008】請求項2記載のバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置では、バッテリフォークリフトの荷役用の油圧用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ油圧操作中ではなく運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】かかる構成とすることで、油圧操作が停止中でも、油圧用モータの駆動回路の温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転することにより、駆動回路への熱的負担を減少させることができる。また、冷却ファンを低速回転に抑えることで、低騒音となり、騒音の問題も解消することができる。
【0010】請求項3記載のバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置では、バッテリフォークリフトの走行用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ走行用モータの電流が所定値以下で運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】これにより、走行用モータの電流が所定値以下の場合でも、走行用モータの駆動回路の温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転することにより、駆動回路への熱的負担を減少させることができる。また、冷却ファンを低速回転に抑えることで、低騒音となり、騒音の問題も解消することができる。
【0012】また、請求項4記載のバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置では、バッテリフォークリフトの荷役用の油圧用モータを駆動するための駆動回路を冷却する装置であって、前記駆動回路の温度を検出する温度センサと、前記駆動回路を冷却する冷却ファンと、前記温度センサによる検出温度が予め設定した値より大きく、且つ油圧用モータの電流が所定値以下で運転キースイッチがオン状態の時に前記冷却ファンを低速回転させる制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】これにより、油圧用モータの電流が所定値以下の場合でも、油圧用モータの駆動回路の温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転することにより、駆動回路への熱的負担を減少させることができる。また、冷却ファンを低速回転に抑えることで、低騒音となり、騒音の問題も解消することができる。
【0014】請求項5記載のバッテリフォークリフトの駆動回路の冷却装置では、前記駆動回路の温度に比例して冷却ファンの回転数を増減させていることを特徴としている。
【0015】これにより、例えば、チョッパ制御などで冷却ファンの回転数を増減することで、駆動回路を更に効率良く冷却することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図2は本発明の全体の電気的なブロック図を示し、全体の制御を司る制御部1は、例えば1チップのCPUで構成されている。制御部1により制御される走行用モータ駆動回路10、油圧用モータ駆動回路12は、それぞれ複数のIGBT等の半導体スイッチング素子からなるインバータ回路で構成されており、走行用モータ駆動回路10は走行用モータ11を、油圧用モータ駆動回路12は油圧用モータ13をそれぞれ駆動制御する。
【0017】走行用モータ駆動回路10と、この走行用モータ駆動回路10を構成している半導体スイッチング素子を実装して冷却するヒートシンクとで図3に示すように走行用回路ユニット20を構成している。また、油圧用モータ駆動回路12と、この油圧用モータ駆動回路12を構成している半導体スイッチング素子を実装して冷却するヒートシンクとで油圧用回路ユニット21を構成している。これら走行用回路ユニット20と油圧用回路ユニット21は並設して車体内に配設されている。
【0018】走行用回路ユニット20のヒートシンクには、該ヒートシンクの温度を検出する温度センサ2が設けられ、また、同様に油圧用回路ユニット21のヒートシンクには、該ヒートシンクの温度を検出する温度センサ3が設けられている。さらに、走行用回路ユニット20及び油圧用回路ユニット21のそれぞれのヒートシンクには該ヒートシンクを冷却するためのファンモータ15、17が配設されている。上記走行用ヒートシンクの温度センサ2からの検出温度信号が制御部1に入力され、また、油圧用ヒートシンクの温度センサ3からの検出温度信号が制御部1に入力されている。
【0019】図2において、アクセルペダルの踏み込み量に応じた信号がアクセラレータ4により制御部1に入力されて、走行用モータ駆動回路10に信号が入力されて走行用モータ11を駆動する。5はフォークリフトの前進、中立、後進などを判断するディレクショナルスイッチである。また、油圧操作スイッチ6からの信号が制御部1に入力され、これにより、油圧用モータ駆動回路12を制御して油圧用モータ13を駆動して荷役作業を行なう。キースイッチセンサ7は、車両の運転キースイッチのオン、オフの状態を検出するスイッチであり、このキースイッチセンサ7による検出信号も制御部1に入力されていて、後述するようにファンモータ15、17を制御するようになっている。
【0020】次に、本発明の制御動作について図1のフローチャートを用いて説明する。バッテリフォークリフトの走行用モータ駆動回路10または油圧用モータ駆動回路12を冷却するファンモータ15または17を作動させる条件として、下記のように設定している。条件1:走行操作中または油圧操作中で、かつ半導体スイッチング素子を実装しているヒートシンクの温度が一定値以上。条件2:走行用モータに所定値以上の電流が流れているか、または油圧用モータに所定値以上の電流が流れており、ヒートシンクの温度が一定値以上。これらの条件を満足したときに冷却用のファンモータ15または17を作動させるようにしているが、以上の条件以外でもキースイッチがオンのときで、ヒートシンクの温度が一定値以上であれば、ファンモータ15、17の電圧を減じ、あるいは、チョッパ制御によりファンモータ15、17を低速回転させるようにしている。
【0021】すなわち、図1のステップS1において、走行用または油圧用の回路ユニット20、21のヒートシンクの温度を、温度センサ2、3が検出しており、この検出温度(入力値)と予め設定した設定値と比較し、設定値より検出温度の方が高い場合には、ステップS2に移行する。そして、ステップS2において、現在の状態が走行中、または油圧中かを判断し、走行中、または油圧中であれば、モータ駆動回路14、またはモータ駆動回路16を介してファンモータ15または17を全速駆動してヒートシンクを冷却する(ステップS3参照)。
【0022】ステップS2において、走行操作中でなく、または油圧操作中でもなくて、キースイッチセンサ7からの信号によりキースイッチがオン状態の場合には、ステップS4に移行して、モータ駆動回路14、16によりファンモータ15、17を半速駆動する。これにより、車両が休車中でも、走行用回路ユニット20または油圧用回路ユニット21のヒートシンクの温度が一定値以上であれば、ファンモータ15、17を低速回転することにより、走行用モータ駆動回路10または油圧用モータ駆動回路12への熱的負担を減少させることができる。また、ファンモータ15、17を低速回転させることで、バッテリの消費電流を抑えると共に、回転中の騒音を低減でき、騒音問題も解消することができる。
【0023】図4は、上記の条件2に対応した走行用モータ11または油圧用モータ13に流れる電流を検出して、ファンモータ15、17を制御する場合のフローチャートを示している。なお、走行用モータ11、油圧用モータ13に流れる電流を検出する手段としては、例えば、カレントトランスなどを用いている。
【0024】図4のステップS11において、走行用回路ユニット20、油圧用回路ユニット21のヒートシンクの検出温度と設定値とを比較し、検出温度の方が設定値より高い場合にはステップS12に移行する。ステップS12では、走行用モータ11または油圧用モータ13に流れる電流が所定値以上かを判断し、所定値以上の場合にはステップS13に進んでファンモータ15、17を全速駆動する。また、ステップS12でモータ11または13に流れる電流が所定値以下の場合にはステップS14に移行して、ファンモータ15、17を半速駆動する。
【0025】ところで、先の実施形態では、図3に示すように走行用回路ユニット20、油圧用回路ユニット21のそれぞれにファンモータ15、17を配設していたが、1個のファンにより回路ユニット20、21を同時に冷却するようにしても良い。
【0026】また、ファンモータ15、17を低速回転させる場合、全速の半分としていたが、駆動回路10、12に熱的負担を減少させる範囲内の低速回転、例えば、全速回転の1/4〜3/4の範囲内でも良く、全速回転以外の低速回転であれば良いものである。
【0027】また、走行用回路ユニット20、油圧用回路ユニット21のヒートシンクの温度に比例して、ファンモータ15、17の回転数を増減させることで、ヒートシンクを更に効率良く冷却することができる。なお、この場合のモータ駆動回路14、16における制御は、例えばチョッパ制御としている。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、車両が休車中でも、駆動回路の温度が一定値以上であれば、冷却ファンを低速回転することにより、駆動回路への熱的負担を減少させることができる。また、冷却ファンを低速回転に抑えることで、バッテリの消費電力を抑えると共に、低騒音となり、騒音の問題も解消することができる。
【出願人】 【識別番号】000232807
【氏名又は名称】日本輸送機株式会社
【出願日】 平成12年7月5日(2000.7.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−27602(P2002−27602A)
【公開日】 平成14年1月25日(2002.1.25)
【出願番号】 特願2000−204414(P2000−204414)