| 【発明の名称】 |
動力出力装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川島 由浩
【氏名】社本 純和
|
| 【要約】 |
【課題】電動機が高回転で回転している最中に制御できなくなり発電機として動作したときのインバータ回路や蓄電手段の保護を図る。
【解決手段】駆動軸22が高回転している最中にアシストモータ40の制御ができなくなったときには、システムメインリレー94a,94bをオフすることによりバッテリ94を遮断すると共に、第2の駆動回路92のダイオードD11〜D16により構成される三相全波整流回路を介してアシストモータ40により回生される電力を、第1の駆動回路91のトランジスタTr1〜Tr6をオンオフ制御することによりクラッチモータ30を電動機として動作させて消費する。この結果、アシストモータ40によって回生される電力によるバッテリ94の過充電を防止することができ、アシストモータ40の逆起電圧をコンデンサ93の耐電圧未満にしてコンデンサ93の破損を防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸と動力のやり取りをする電動機と、蓄電手段を有し、該電動機へ電力の供給が可能な電力供給手段と、複数のスイッチング素子と帰還ダイオードとからなり前記電動機と前記電力供給手段との間に介在するインバータ回路を有し、該インバータ回路のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記電動機を駆動制御する電動機制御手段と、電気エネルギを消費可能な電気的負荷と、該電動機制御手段による前記電動機の制御に異常が生じ前記インバータ回路が該電動機からみて整流回路を構成するとき、前記インバータ回路と前記蓄電手段との接続を遮断するとともに、該インバータ回路を介して前記電動機により回生される電気エネルギの少なくとも一部が前記電気的負荷で消費されるよう該電気的負荷を制御する異常時制御手段とを備える動力出力装置。 【請求項2】 前記電動機制御手段は、該電動機制御手段による前記電動機の制御に異常が生じたとき、前記インバータ回路が前記電動機からみて整流回路を構成するよう前記複数のスイッチング素子をスイッチングする異常時スイッチング手段を備える請求項1記載の動力出力装置。 【請求項3】 前記異常時スイッチング手段は、前記駆動軸の回転数が所定値以上のとき、前記インバータ回路が前記電動機からみて整流回路を構成するようスイッチングする手段である請求項2記載の動力出力装置。 【請求項4】 前記インバータ回路は、前記複数のスイッチング素子のスイッチングに必要な電力の供給が停止したとき、前記帰還ダイオードにより前記電動機からみて整流回路を構成する回路である請求項1記載の動力出力装置。 【請求項5】 請求項1ないし4記載の動力出力装置であって、前記電力供給手段は、(a)出力軸を有する原動機と、(b)該原動機の出力軸と前記駆動軸とに結合され、該出力軸に入出力される動力と該駆動軸に入出力される動力とのエネルギ偏差を対応する電気エネルギの入出力により調整するエネルギ調整手段と、(c)充放電が可能で、前記エネルギ調整手段と前記インバータ回路とを並列に接続する蓄電手段とを備え、前記電気的負荷は、前記エネルギ調整手段であり、前記異常時制御手段は、前記インバータ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギの少なくとも一部が前記エネルギ調整手段により消費されるよう該エネルギ調整手段を制御する手段である動力出力装置。 【請求項6】 前記異常時制御手段は、前記駆動軸に出力される動力の変動の少なくとも一部を打ち消すよう前記原動機および前記エネルギ調整手段を制御する手段である請求項5記載の動力出力装置。 【請求項7】 請求項6記載の動力出力装置であって、所定の指示に基づいて駆動軸に出力すべき目標動力を設定する目標動力設定手段を備え、異常時制御手段は、(d)前記インバータ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギが前記原動機から出力される動力と前記目標動力設定手段により設定された目標動力とのエネルギ偏差に相当するよう前記原動機の運転を制御する原動機運転手段と、(e)前記原動機から出力される動力と前記目標動力設定手段により設定された目標動力とのエネルギ偏差を、前記インバータ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギを用いて調整するよう前記エネルギ調整手段を制御するエネルギ調整制御手段とを備える動力出力装置。 【請求項8】 前記エネルギ調整手段は、前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に結合された第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする電動機を備える請求項5ないし7いずれか記載の動力出力装置。 【請求項9】 請求項5ないし7いずれか記載の動力出力装置であって、前記エネルギ調整手段は、(b1)回転軸を有し、該回転軸と動力のやり取りをする第2の電動機と、(b2)前記駆動軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結合される3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出力されたとき、該入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手段とを備える動力出力装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置に関し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の動力出力装置としては、車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と駆動軸とを電磁継手により電磁的に結合して原動機から出力された動力を駆動軸に出力すると共に駆動軸に取り付けられた電動機から駆動軸に動力を出力するものが提案されている(例えば、特開昭53−133814号公報等)。この動力出力装置では、電動機により車両の走行を開始し、電動機の回転数が所定の回転数になったら、電磁継手へ励磁電流を与えて原動機をクランキングすると共に原動機への燃料供給や火花点火を行なって原動機を始動する。原動機が始動した後は、原動機から出力される動力の一部を電磁継手による電磁的な結合を介して駆動軸に出力して車両を走行させる。原動機から出力される動力の残余は、電磁継手の電磁的な結合の滑りに応じた電力として回生され、走行の開始の際に用いられる電力としてバッテリに蓄えられたり、電動機の駆動に必要な電力として用いられる。電動機は、駆動軸に出力すべき動力が電磁継手を介して出力される動力では不足するときに駆動され、この不足分を補う。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした動力出力装置の電動機にインバータ回路等により駆動制御される電動機を用いると、駆動軸が高回転で回転している最中に何らかの異常により電動機の制御が行なうことができなくなったときには、バッテリやインバータ回路が破損する場合を生じるという問題があった。一般に、電動機は、必要な電流値を小さくするために逆起電圧が大きくなるよう設計されており、高回転で回転させるときには、逆起電圧がバッテリの電圧より高くならないよう弱め界磁制御がなされる。こうした制御の最中に制御装置等に異常が生じ、電動機の制御を行なうことができなくなると、電動機が生じる逆起電圧を低くすることができなくなり、電動機は発電機として動作し、これによって得られる電力によってバッテリを充電する。このときバッテリが満充電に近いと、バッテリは過充電されることになり、場合によっては破損する。また、電動機が生じる逆起電圧が高電圧となり、インバータ回路内の平滑コンデンサ等を破損させてしまう場合もある。 【0004】こうした問題は、上述の従来例の動力出力装置に限られず、駆動軸に電動機が取り付けられておれば、同様に生じる問題である。例えば、本出願人が以前提案した、原動機の出力軸と駆動軸と発電機の回転軸とに結合された遊星歯車装置を介して原動機から出力された動力を駆動軸に出力すると共に駆動軸に取り付けられた電動機から駆動軸に動力を出力する装置(特開昭第50−30223号公報)でも同様である。 【0005】本発明の動力出力装置は、駆動軸が高回転で回転している最中に電動機の制御を行なうことができなくなり、電動機が発電機として動作したときでも、電動機を制御するインバータ回路や蓄電手段の破損を防止することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置は、電動機の制御を行なうことができなくなったときに生じる駆動軸に出力される動力の変動を小さくすることを目的の一つとする。 【0006】 【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本発明の動力出力装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。 【0007】本発明の動力出力装置は、駆動軸と動力のやり取りをする電動機と、蓄電手段を有し、該電動機へ電力の供給が可能な電力供給手段と、複数のスイッチング素子と帰還ダイオードとからなり前記電動機と前記電力供給手段との間に介在するインバータ回路を有し、該インバータ回路のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより前記電動機を駆動制御する電動機制御手段と、電気エネルギを消費可能な電気的負荷と、該電動機制御手段による前記電動機の制御に異常が生じ前記インバータ回路が該電動機からみて整流回路を構成するとき、前記インバータ回路と前記蓄電手段との接続を遮断するとともに、該インバータ回路を介して前記電動機により回生される電気エネルギの少なくとも一部が前記電気的負荷で消費されるよう該電気的負荷を制御する異常時制御手段とを備えることを要旨とする。 【0008】この本発明の動力出力装置は、複数のスイッチング素子と帰還ダイオードとからなるインバータ回路を有する電動機制御手段が、インバータ回路のスイッチング素子のスイッチングを制御することにより電力供給手段から電力の供給を受けて駆動軸と動力のやり取りをする電動機を駆動制御する。異常時制御手段は、電動機制御手段による電動機の制御に異常が生じインバータ回路が電動機からみて整流回路を構成するときに、このインバータ回路を介して電動機により回生される電気エネルギの少なくとも一部が電気的負荷で消費されるよう電気的負荷を制御する。 【0009】こうした本発明の動力出力装置によれば、インバータ回路を介して電動機により回生される電気エネルギの一部を電気的負荷で消費することができる。この結果、電動機により回生される電気エネルギが過剰となったりその電圧が高電圧になることによって生じるインバータ回路を構成する素子や電動機制御手段を構成する素子の破損を防止することができる。 【0010】また、前記異常時制御手段は、前記インバータ回路と前記蓄電手段との接続を遮断する遮断手段を備える。従って、蓄電手段やインバータ回路,電動機の保護を強化することができる。 【0011】本発明の動力出力装置において、前記電動機制御手段は、該電動機制御手段による前記電動機の制御に異常が生じたとき、前記インバータ回路が前記電動機からみて整流回路を構成するよう前記複数のスイッチング素子をスイッチングする異常時スイッチング手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、電動機制御手段による電動機の制御に異常が生じたときに、インバータ回路を電動機からみて整流回路となるようにすることができる。こうした異常時スイッチング手段は、前記駆動軸の回転数が所定値以上のとき、前記インバータ回路が前記電動機からみて整流回路を構成するようスイッチングする手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の回転数が所定値以上のとき、即ち電動機から起電圧が高くインバータ回路を構成する素子や電動機制御手段を構成する素子に破損が生じるおそれがあるときにのみ制御するものとすることができる。 【0012】また、本発明の動力出力装置において、前記インバータ回路は、前記複数のスイッチング素子のスイッチングに必要な電力の供給が停止したとき、前記帰還ダイオードにより前記電動機からみて整流回路を構成する回路であるものとすることができる。こうすれば、スイッチング素子のスイッチングに必要な電力の供給が停止したときも同様に制御することができる。 【0013】これら変形例を含めて本発明の動力出力装置において、前記電力供給手段は、出力軸を有する原動機と、該原動機の出力軸と前記駆動軸とに結合され該出力軸に入出力される動力と該駆動軸に入出力される動力とのエネルギ偏差を対応する電気エネルギの入出力により調整するエネルギ調整手段と、充放電が可能で前記エネルギ調整手段と前記インバータ回路とを並列に接続する蓄電手段とを備え、前記電気的負荷は、前記エネルギ調整手段であり、前記異常時制御手段は、前記インバータ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギの少なくとも一部が前記エネルギ調整手段により消費されるよう該エネルギ調整手段を制御する手段であるものとすることもできる。 【0014】この態様の動力出力装置では、エネルギ調整手段による原動機の出力軸と前記駆動軸とに結合され、この出力軸に入出力される動力と駆動軸に入出力される動力とのエネルギ偏差を対応して入出力される電気エネルギか、エネルギ調整手段とインバータ回路とを並列に接続する蓄電手段に蓄えられた電気エネルギかが、電動機に電力として供給される。そして、エネルギ調整手段は、電動機制御手段による電動機の制御に異常が生じインバータ回路が電動機からみて整流回路を構成するときには、インバータ回路を介して電動機から回生される電気エネルギの少なくとも一部を消費するよう異常時制御手段によって制御されることにより、電気的負荷として動作する。この態様の動力出力装置とすれば、エネルギ調整手段を電気的負荷として動作させることができる。この結果、負荷量を調整することができる。 【0015】また、原動機とエネルギ調整手段と蓄電手段とを備える本発明の動力出力装置において、前記異常時制御手段は、前記駆動軸に出力される動力の変動の少なくとも一部を打ち消すよう前記原動機および前記エネルギ調整手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸に出力される動力の変動を小さくすることができる。 【0016】この駆動軸に出力される動力の変動を打ち消す態様の動力出力装置において、所定の指示に基づいて駆動軸に出力すべき目標動力を設定する目標動力設定手段を備え、異常時制御手段は、前記インバータ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギが前記原動機から出力される動力と前記目標動力設定手段により設定された目標動力とのエネルギ偏差に相当するよう前記原動機の運転を制御する原動機運転手段と、前記原動機から出力される動力と前記目標動力設定手段により設定された目標動力とのエネルギ偏差を前記インバータ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギを用いて調整するよう前記エネルギ調整手段を制御するエネルギ調整制御手段とを備えるものとすることもできる。こうすれば、電動機制御手段による電動機の制御に異常が生じたときでも、目標動力を駆動軸に出力することができる。 【0017】これら原動機とエネルギ調整手段と蓄電手段とを備える本発明の動力出力装置において、前記エネルギ調整手段は、前記原動機の出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に結合された第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする電動機を備えるものとしたり、前記エネルギ調整手段は、回転軸を有し該回転軸と動力のやり取りをする第2の電動機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結合される3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出力されたとき、該入出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手段とを備えるものとすることもできる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例としての動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図2は図1の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略構成を示す構成図である。説明の都合上、まず図2を用いて、車両全体の構成から説明する。 【0019】図2に示すように、この車両には、動力源であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガソリンエンジンが備えられている。このエンジン50は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラグ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。 【0020】このエンジン50の運転は、電子制御ユニット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御されている。EFIECU70には、エンジン50の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を検出する回転数センサ76および回転角度センサ78などである。なお、EFIECU70には、この他、例えばイグニッションキーの状態STを検出するスタータスイッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。 【0021】エンジン50のクランクシャフト56には、後述するクラッチモータ30およびアシストモータ40を介して駆動軸22が結合されている。駆動軸22は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪26,28に伝達される。このクラッチモータ30およびアシストモータ40は、制御装置80により制御されている。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には制御CPU90が備えられており、シフトレバー82に設けられたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル64に設けられたアクセルペダルポジションセンサ64a,ブレーキペダル65に設けられたブレーキペダルポジションセンサ65aなども接続されている。また、制御装置80は、上述したEFIECU70と通信により、種々の情報をやり取りしている。 【0022】図1に示すように、第1実施例の動力出力装置20は、大きくは、エンジン50と、エンジン50のクランクシャフト56にアウタロータ32が結合されると共に駆動軸22にインナロータ34が結合されたクラッチモータ30と、駆動軸22に結合されたロータ42を有するアシストモータ40と、クラッチモータ30およびアシストモータ40を駆動制御する制御装置80とから構成されている。 【0023】クラッチモータ30は、アウタロータ32の内周面に永久磁石35を備え、インナロータ34に形成されたスロットに三相のコイル36を巻回する同期電動機として構成されている。この三相コイル36への電力は、スリップリング38を介して供給される。インナロータ34において三相コイル36用のスロットおよびティースを形成する部分は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層することで構成されている。なお、クランクシャフト56には、その回転角度θeを検出するレゾルバ39が設けられているが、このレゾルバ39は、ディストリビュータ60に設けられた回転角度センサ78と兼用することも可能である。 【0024】他方、アシストモータ40も同期電動機として構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル44は、ケース45に固定されたステータ43に巻回されている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄板を積層することで形成されている。ロータ42の外周面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロータ42が回転する。ロータ42が機械的に結合された軸は、動力出力装置20のトルクの出力軸である駆動軸22であり、駆動軸22には、その回転角度θdを検出するレゾルバ48が設けられている。また、駆動軸22は、ケース45に設けられたベアリング49により軸支されている。 【0025】係るクラッチモータ30とアシストモータ40とは、クラッチモータ30のインナロータ34がアシストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に機械的に結合されている。したがって、エンジン50と両モータ30,40との関係を簡略に言えば、エンジン50からクランクシャフト56に出力された軸トルクがクラッチモータ30のアウタロータ32およびインナロータ34を介して駆動軸22に出力され、アシストモータ40からのトルクがこれに加減算されるということになる。 【0026】アシストモータ40は、通常の永久磁石型三相同期モータとして構成されているが、クラッチモータ30は、永久磁石35を有するアウタロータ32も三相コイル36を備えたインナロータ34も、共に回転するよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の構成の詳細について、さらに説明する。クラッチモータ30のアウタロータ32はクランクシャフト56に、インナロータ34は駆動軸22に結合されており、アウタロータ32に永久磁石35が設けられていることは既に説明した。この永久磁石35は、第1実施例では8個(N極,S極が各4個)設けられており、アウタロータ32の内周面に貼付されている。その磁化方向はクラッチモータ30の軸中心に向かう方向であり、一つおきに磁極の方向は逆向きになっている。この永久磁石35と僅かなギャップにより対向するインナロータ34の三相コイル36は、インナロータ34に設けられた計12個のスロット(図示せず)に巻回されており、各コイルに通電すると、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成する。各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転する。三相コイル36の各々は、スリップリング38から電力の供給を受けるよう接続されている。このスリップリング38は、駆動軸22に固定された回転リング38aとブラシ38bとから構成されている。なお、三相(U,V,W相)の電流をやり取りするために、スリップリング38には三相分の回転リング38aとブラシ38bとが用意されている。 【0027】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ32とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クランクシャフト56に直結されたアウタロータ32の回転数(1秒間の回転数)とインナロータ34の回転数との偏差の周波数としている。 【0028】次に、クラッチモータ30およびアシストモータ40を駆動制御する制御装置80について説明する。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第1の駆動回路91と、アシストモータ40を駆動する第2の駆動回路92と、両駆動回路91,92を制御する制御CPU90と、二次電池であるバッテリ94とから構成されている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プログラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示せず)およびEFIECU70と通信を行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90には、レゾルバ39からのエンジン50の回転角度θe、レゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θd、アクセルペダルポジションセンサ64aからのアクセルペダルポジション(アクセルペダルの踏込量)AP、シフトポジションセンサ84からのシフトポジションSP、バッテリ94の残容量を検出する残容量検出器99からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器99は、バッテリ94の電解液の比重またはバッテリ94の全体の重量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知られている。 【0029】また、制御CPU90は、第1の駆動回路91および第2の駆動回路92が備える後述するスイッチング用の電子制御ユニット(以下、「スイッチングCPU」という)91a,92aと通信によりモータ制御に必要な情報のやり取りをしている。 【0030】第1の駆動回路91は、スイッチング素子である6個のトランジスタTr1ないしTr6と、6個のダイオードD1ないしD6と、トランジスタTr1ないしTr6のスイッチングを制御するスイッチングCPU91aとから構成されている。6個のトランジスタTr1ないしTr6は、トランジスタインバータを構成しており、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の各々が、スリップリング38を介して接続されている。また、各トランジスタTr1ないしTr6には帰還ダイオードD1ないしD6が取り付けられており、トランジスタTr1ないしTr6をすべてオフとすると、ダイオードD1ないしD6により三相全波整流回路が構成されるようになっている。スイッチングCPU91aは、1チップマイクロプロセッサとして構成されており、図示しないが、内部に、ワーク用のRAM、クラッチモータ30の駆動制御用のプログラムを記憶したROM、レゾルバ39からのエンジン50の回転角度θeやレゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θd,2つの電流検出器95,96からのクラッチ電流値Iuc,Ivcを入力する入力ポート、トランジスタTr1ないしTr6をオンオフする制御信号SW1を出力する出力ポートを備える。電源ラインL1,L2は、バッテリ94のプラス側とマイナス側に、それぞれ接続されているから、スイッチングCPU91aにより対をなすトランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コイル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル36により回転磁界が形成される。 【0031】第2の駆動回路92も、スイッチング素子である6個のトランジスタTr11ないしTr16と、6個のダイオードD11ないしD16と、トランジスタTr11ないしTr16のスイッチングを制御するスイッチングCPU92aとから構成されている。第2の駆動回路92の6個のトランジスタTr11ないしTr16もトランジスタインバータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続されている。また、各トランジスタTr11ないしTr16にも帰還ダイオードD11ないしD16が取り付けられており、第1の駆動回路91と同様に、トランジスタTr11ないしTr16をすべてオフとすると、ダイオードD11ないしD16により三相全波整流回路が構成されるようになっている。スイッチングCPU92aも、1チップマイクロプロセッサとして構成されており、図示しないが、内部に、ワーク用のRAM、アシストモータ40の駆動制御用のプログラムを記憶したROM、レゾルバ39からのエンジン50の回転角度θeや2つの電流検出器97,98からのアシスト電流値Iua,Ivaを入力する入力ポート、トランジスタTr11ないしTr16をオンオフする制御信号SW2を出力する出力ポートを備える。したがって、スイッチングCPU92aにより対をなすトランジスタTr11ないしTr16のオン時間の割合を制御信号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル44により、回転磁界が形成される。なお、電源ラインL1とL2との間には、電圧を平滑化するためのコンデンサ93が設けられている。また、バッテリ94は、制御用の電力の供給が停止したときにはオフとなるノーマルオープンのシステムメインリレー94a,94bにより電源ラインL1,L2と接続されており、このシステムメインリレー94a,94bは、制御CPU90によって駆動制御される。 【0032】以上構成を説明した第1実施例の動力出力装置20の動作について説明する。第1実施例の動力出力装置20の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りである。エンジン50がEFIECU70により運転され、エンジン50の回転数Neが所定の回転数N1で回転しているとする。このとき、スイッチングCPU91aがスリップリング38を介してクラッチモータ30の三相コイル36に何等電流を流していないとすれば、すなわちスイッチングCPU91aから出力される制御信号SW1によりトランジスタTr1,3,5をオフとしトランジスタTr2,4,6をオンとした状態とすれば、三相コイル36には何等の電流も流れないから、クラッチモータ30のアウタロータ32とインナロータ34とは電磁的に全く結合されていない状態となり、エンジン50のクランクシャフト56は空回りしている状態となる。この状態では、三相コイル36からの回生も行なわれない。すなわち、エンジン50はアイドル回転をしていることになる。 【0033】スイッチングCPU91aからの制御信号SW1によりトランジスタをオンオフ制御すると、エンジン50のクランクシャフト56の回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏差(言い換えれば、クラッチモータ30におけるアウタロータ32とインナロータ34の回転数差Nc(Ne−Nd))に応じて、クラッチモータ30の三相コイル36に一定の電流が流れ、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流が第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94が充電される。このとき、アウタロータ32とインナロータ34とは一定の滑りが存在する結合状態となり、インナロータ34は、エンジン50の回転数Ne(クランクシャフト56の回転数)よりは低い回転数Ndで回転する。この状態で、回生される電気エネルギと等しいエネルギがアシストモータ40で消費されるように、スイッチングCPU92aが第2の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16をオンオフ制御すると、アシストモータ40の三相コイル44に電流が流れ、アシストモータ40においてトルクが発生する。 【0034】図3に照らせば、エンジン50が回転数N1,トルクT1の運転ポイントP1で運転しているときに、クラッチモータ30によりトルクT1を駆動軸22に出力すると共に領域G1で表わされるエネルギを回生し、この回生されたエネルギを領域G2で表わされるエネルギとしてアシストモータ40に供給することにより、駆動軸22を回転数N2,トルクT2の運転ポイントP2で回転させることができるのである。 【0035】次に、エンジン50が回転数Neが所定の回転数N2でトルクTeがトルクT2で運転されており、駆動軸22が回転数N2より大きな回転数N1で回転している場合を考える。この状態では、クラッチモータ30のインナロータ34は、アウタロータ32に対して回転数差Nc(Ne−Nd)の絶対値で示される回転数で駆動軸22の回転方向に回転するから、クラッチモータ30は、通常のモータとして機能し、バッテリ94からの電力により駆動軸22に回転エネルギを与える。一方、スイッチングCPU92aによりアシストモータ40によって電力が回生されるようトランジスタTr11ないしTr16をオンオフ制御すると、アシストモータ40のロータ42とステータ43との間の滑りにより三相コイル44に回生電流が流れる。ここで、アシストモータ40により回生される電力がクラッチモータ30により消費されるようスイッチングCPU91aによりトランジスタTr1ないしTr6をオンオフ制御すれば、クラッチモータ30を、バッテリ94に蓄えられた電力を用いることなく駆動することができる。 【0036】図3に照らせば、エンジン50が回転数N2,トルクT2で運転しているときに、領域G1と領域G3との和として表わされるエネルギをクラッチモータ30に供給して駆動軸22にトルクT2を出力すると共に、クラッチモータ30に供給するエネルギを領域G2と領域G3との和として表わされるエネルギとしてアシストモータ40から回生して賄うことにより、駆動軸22を回転数N1,トルクT1の運転ポイントP2で回転させることができるのである。 【0037】なお、第1実施例の動力出力装置20では、こうしたエンジン50から出力される動力のすべてをトルク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エンジン50から出力される動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、クラッチモータ30により回生または消費される電気エネルギと、アシストモータ40により消費または回生される電気エネルギとを調節することにより、余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放電する動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ94に蓄えられた電力により補う動作など種々の動作とすることもできる。 【0038】次に、車両が走行状態にあるときに、第2の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16の温度異常を検出したときやトランジスタTr11ないしTr16に過電流が生じたときなど、通常にアシストモータ40の制御を行なうことができないときのトルク制御について図4に例示する異常時トルク制御ルーチンに基づき説明する。こうした異常時トルク制御ルーチンは、第2の駆動回路92に設けられた図示しない温度センサからの信号や電流検出器97,98により検出されるアシスト電流Iua,Ivaなどの信号に基づいてスイッチングCPU92aで実行される図示しない異常判定ルーチンにより異常が判定されたときに実行される。 【0039】本ルーチンが実行されると、制御装置80の制御CPU90は、まず、バッテリ94を保護するためにシステムメインリレー94a,94bをオフとしてバッテリ94と第1の駆動回路91および第2の駆動回路92とを遮断する(ステップS100)。そして、第2の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16のすべてをオフとする(ステップS102)。具体的には、制御CPU90からスイッチングCPU92aに向けてトランジスタTr11ないしTr16のすべてをオフとする信号を出力し、これを受信したスイッチングCPU92aが制御信号SW2を出力することによりトランジスタTr11ないしTr16のすべてをオフするのである。このようにトランジスタTr11ないしTr16のすべてをオフとすると、第2の駆動回路92は、各トランジスタに設けられた帰還ダイオードD11ないしD16により三相全波整流回路を構成し、これにより同期電動機として構成されたアシストモータ40は、発電機として動作することになる。 【0040】続いて、アクセルペダルポジションセンサ64aにより検出されるアクセルペダル64の踏込量であるアクセルペダルポジションAPを読み込む処理を行なう(ステップS104)。アクセルペダル64は運転者が出力トルクが足りないと感じたときに踏み込まれるものであり、したがって、アクセルペダルポジションAPの値は運転者の欲している出力トルク(すなわち、駆動軸22に出力すべきトルク)に対応するものである。続いて、読み込まれたアクセルペダルポジションAPに応じた出力トルクの目標値(駆動軸22に出力すべきトルクの目標値(以下、「トルク指令値」ともいう))Td*を導出する処理を行なう(ステップS106)。実施例では、各アクセルペダルポジションAPに対して対応する出力トルク指令値Td*を定め、これを予めマップとしてROM90bに記憶しておき、アクセルペダルポジションAPが読み込まれると、ROM90bに記憶したマップを参照して読み込んだアクセルペダルポジションAPに対応する出力トルク指令値Td*を導出するものとした。 【0041】次に、駆動軸22の回転数Ndを読み込み(ステップS108)、読み込んだ回転数Ndを閾値Nsetと比較する(ステップS110)。ここで、駆動軸22の回転数Ndは、レゾルバ48により検出される駆動軸22の回転角度θdから求めることができる。また、閾値Nsetは、アシストモータ40の逆起電圧Eaがコンデンサ93の耐電圧となるロータ42の回転数より若干小さな値として設定されるものである。 【0042】駆動軸22の回転数Ndが閾値Nsetより大きいときには、アシストモータ40の逆起電圧Eaがコンデンサ93の耐電圧より大きくなってコンデンサ93を破損させるおそれがあると判断し、アシストモータ40により得られる電気エネルギの一部をクラッチモータ30により消費するようクラッチモータ30のトルク指令値Tc*とエンジン50の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する処理(ステップS112ないしS116の処理)を実行する。この処理としては、まず、駆動軸22の回転数Ndに基づいてアシストモータ40から回生される電力Paを計算する(ステップS112)。実施例では、駆動軸22の各回転数Ndに対してアシストモータ40から回生される電力Paを予め実験により求めてマップとしてROM90bに記憶しておき、回転数Ndが読み込まれると、ROM90bに記憶したマップからこの回転数Ndに対応する電力Paを導出するものとしたが、次式(1)により算出するものとしてもよい。式(1)中、Vはコンデンサ93の耐電圧より若干高い電圧であり、RaおよびjωLaはアシストモータ40を起電力Eaの電源としてみたときのアシストモータ40および第2の駆動回路92のインピーダンスである。アシストモータ40を起電力Eaの電源としてみたときの動力出力装置20の等価回路を図5に示す。なお、アシストモータ40の逆起電圧Eaは、式(2)により求めることができる。式(2)中、kは巻線係数、nは一相の巻き数、fは周波数、φは一極当たりのエアギャップ磁束基本波成分である。 【0043】 Pa=Ea・Ia=Ea・(Ea−V)/(Ra+jωLa) …(1) Ea=4.44knfφ …(2) 【0044】アシストモータ40により回生される電力Paを導出すると、次式(3)によりクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を設定する(ステップS114)。ここで、式(3)中、右辺第2項は、アシストモータ40から駆動軸22に出力される制動トルクに相当するものである。このようにクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を設定することにより、駆動軸22に運転者の欲するトルク(トルク指令値Td*)を出力することができる。 【0045】 Tc*←Td*+Pa/Nd …(3) 【0046】次に、次式(4)および式(5)によりエンジン50の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する(ステップS116)。ここで、式(4)の右辺第2項は、アシストモータ40により回生される電力Paをクラッチモータ30で消費するときのクラッチモータ30の回転数に相当するものである。したがって、式(4)で計算される値をエンジン50の目標回転数Ne*として設定することにより、クラッチモータ30の回転数であるエンジン50の回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの回転数差Ncを−Pa/Tc*とし、アシストモータ40により回生される電力Paをクラッチモータ30で消費することができるようになる。また、式(5)に示すように、エンジン50の目標トルクTe*にクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を設定するのは、クラッチモータ30から出力されるトルクがエンジン50の負荷トルクとなるからである。 【0047】Ne*←Nd−Pa/Nd …(4) Te*←Tc* …(5) 【0048】一方、ステップS110で駆動軸22の回転数Ndが閾値Nset以下のときには、コンデンサ93を破損させるおそれはないと判断し、クラッチモータ30をロックアップする信号を出力すると共に(ステップS118)、エンジン50の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに駆動軸22の回転数Ndとトルク指令値Td*とを設定する(ステップS120)。このように設定することによりエンジン50から出力される回転数が値Ndでトルクが値Td*の動力を直接駆動軸22に出力することができる。なお、クラッチモータ30をロックアップするのに必要な電力は銅損や鉄損のみであるから小さく、アシストモータ40によって回生される電力で賄うことができる。 【0049】こうしてクラッチモータ30のトルク指令値Tc*やエンジン50の目標回転数Ne*,目標トルクTe*を設定すると、クラッチモータ30およびエンジン50の制御を行なう(ステップS122およびS124)。具体的には、制御CPU90からスイッチングCPU91aに向けてクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を出力すると共にEFIECU70に向けてエンジン50の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを出力することにより、スイッチングCPU91aによってクラッチモータ30から出力されるトルクが値Td*となるようクラッチモータ30を制御すると共にEFIECU70によってエンジン50が回転数が値Ne*でトルクが値Te*となるようエンジン50を制御するのである。実施例では、図示の都合上、クラッチモータ30とエンジン50の制御を本ルーチンの別々のステップとして記載したが、スイッチングCPU91aによるクラッチモータ30の制御とEFIECU70によるエンジン50の制御は、本ルーチンとは別個独立に行なわれる。 【0050】クラッチモータ30の制御は、図6に例示するクラッチモータ制御ルーチンにより行なわれる。本ルーチンが実行されると、スイッチングCPU91aは、まず、駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ48から、エンジン50のクランクシャフト56の回転角度θeをレゾルバ39から入力する処理を行ない(ステップS130,S132)、クラッチモータ30の電気角θcを両軸の回転角度θe,θdから求める処理を行なう(ステップS134)。実施例では、クラッチモータ30として4極対の同期電動機を用いているから、θc=4(θe−θd)を演算することになる。 【0051】次に、電流検出器95,96により、クラッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れている電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステップS136)。電流はU,V,Wの三相に流れているが、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS138)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q軸の電流値に変換することであり、次式(6)を演算することにより行なわれる。ここで座標変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機においては、d軸及びq軸の電流が、トルクを制御する上で本質的な量だからである。もとより、三相のまま制御することも可能である。 【0052】 【数1】
【0053】次に、2軸の電流値に変換した後、クラッチモータ30におけるトルク指令値Tc*から求められる各軸の電流指令値Idc*,Iqc*と実際各軸に流れた電流Idc,Iqcと偏差を求め、各軸の電圧指令値Vdc,Vqcを求める処理を行なう(ステップS140)。すなわち、まず以下の式(7)の演算を行ない、次に次式(8)の演算を行なうのである。ここで、Kp1,2及びKi1,2は、各々係数である。これらの係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整される。なお、電圧指令値Vdc,Vqcは、電流指令値I*との偏差ΔIに比例する部分(式(8)右辺第1項)と偏差ΔIのi回分の過去の累積分(右辺第2項)とから求められる。 【0054】 【数2】
【0055】 【数3】
【0056】その後、こうして求めた電圧指令値をステップS138で行なった変換の逆変換に相当する座標変換(二相−三相変換)を行ない(ステップS142)、実際に三相コイル36に印加する電圧Vuc,Vvc,Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(9)により求める。 【0057】 【数4】
【0058】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91のトランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間によりなされるから、式(9)によって求めた各電圧指令値となるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間をPWM制御する(ステップS144)。 【0059】ステップS110で駆動軸22の回転数Ndが閾値Nset以下と判断され、ステップS118でクラッチモータ30をロックアップする信号が出力されたときには、クラッチモータ30の制御は、クラッチモータ30のアウタロータ32とインナロータ34とが相対的に回転しないようロックアップする制御となる。具体的には、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*にトルク指令値Td*を設定したものとして図6に例示するクラッチモータ制御ルーチンを実行し、各相の電流値を求め、求めた電流値の定電流を三相コイル36に流すことによって行なわれる。 【0060】次に、エンジン50の制御(図4のステップS120)について説明する。エンジン50は、図4のステップS116で設定された目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転状態されるよう、EFIECU70によるスロットルバルブ66の開度制御,燃料噴射弁51からの燃料噴射制御,点火プラグ62による点火制御を受ける。なお、エンジン50は、その負荷トルクにより出力トルクTeと回転数Neとが変化するから、EFIECU70による制御だけでは目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで運転することはできず、負荷トルクの制御、すなわちクラッチモータ30のトルクTcの制御も必要となるが、このクラッチモータ30のトルクTcの制御は、前述したクラッチモータ30の制御となる。 【0061】駆動軸22の回転数Ndが閾値Nsetより大きいときの各軸へのトルクの作用状態の一例を図7に示す。図示するように、発電機として動作するアシストモータ40から回生される電力Paが丁度クラッチモータ30により消費されるように、かつ、クラッチモータ30から出力されるトルクTcがアシストモータ40から駆動軸22に作用するトルクTaを打ち消してなお駆動軸22にトルクTd(値Td*)が作用するようクラッチモータ30のトルクTcおよびエンジン50の運転ポイント(回転数NeとトルクTe)を調整することにより、アシストモータ40を制御できない状態となっても駆動軸22に所望の動力を出力することができる。 【0062】以上説明した第1実施例の動力出力装置20によれば、アシストモータ40が制御できない状態となり発電機として動作しても、アシストモータ40により回生される電力Paをクラッチモータ30によって消費することができる。この結果、アシストモータ40の逆起電圧がコンデンサ93の耐電圧より高くなる回転数で回転していても、図5に示すアシストモータ40を電源としてみたときのインピーダンス(RaとjωLa)を流れる電流が大きくなるから、このインピーダンスによる電圧降下によってコンデンサ93の端子電圧を耐電圧未満にすることができ、コンデンサ93の破損を防止することができる。しかも、アシストモータ40の逆起電圧がコンデンサ93の耐電圧より高くなる回転数で駆動軸22が回転しているときには、アシストモータ40から回生される電力Paをクラッチモータ30によって消費すると共にクラッチモータ30から出力されるトルクTcがアシストモータ40から駆動軸22に作用するトルクTaを打ち消してなお駆動軸22に値Td*のトルクが作用するようクラッチモータ30のトルクTcおよびエンジン50の運転ポイント(回転数NeとトルクTe)を調整し、駆動軸22がそれ以下の回転数で回転しているときには、クラッチモータ30をロックアップすると共に駆動軸22に出力すべき動力(回転数が値Ndでトルクが値Td*)がエンジン50から出力されるようその運転ポイントに調整するから、アシストモータ40が制御できない状態のときでも、駆動軸22に所望の動力を出力することができる。そして、この制御は、アシストモータ40が制御できない状態となったときに直ちに行なわれるから、駆動軸22に出力されるトルクの変動を小さくすることができる。 【0063】また、バッテリ94をシステムメインリレー94a,94bにより第1の駆動回路91および第2の駆動回路92から切り離すから、アシストモータ40により回生される電力Paによるバッテリ94の過充電を防止することができ、過充電の結果生じるバッテリ94の破損を防止することができる。 【0064】第1実施例の動力出力装置20では、第2の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16の温度異常を検出したときやトランジスタTr11ないしTr16に過電流が生じたときなど、スイッチングCPU92aによるトランジスタTr11ないしTr16のスイッチングがまだ可能な状態のときに図4の異常時トルク制御ルーチンを実行するものとしたが、電源ラインの切断などによりスイッチングCPU92aへの電力の供給が停止したときや、スイッチングCPU92aの内部ロジックに異常が生じスイッチングCPU92aが動作できない状態となったときなどにも図4の異常時トルク制御ルーチンを適用することができる。この場合、スイッチングCPU92aの動作の停止によってトランジスタTr11ないしTr16はすべてオフとなるから、ステップS102の処理は不要となる。こうすれば、スイッチングCPU92aが動作不能となったときでも、上述の効果を得ることができ、コンデンサ93やバッテリ94の破損を防止することができる。 【0065】第1実施例の動力出力装置20では、アシストモータ40の制御を行なうことができない状態のときでもアクセルペダル64の踏込量に応じたトルクを駆動軸22に出力するようクラッチモータ30とエンジン50とを制御したが、アシストモータ40により回生される電力Paをクラッチモータ30により消費するようクラッチモータ30を制御するものであれば、駆動軸22に出力するトルクは如何なるトルクとしてもよい。 【0066】第1実施例の動力出力装置20では、駆動軸22の回転数Ndが閾値Nsetより大きいときにアシストモータ40により回生される電力Paをクラッチモータ30で消費するようクラッチモータ30とエンジン50とを制御したが、駆動軸22の回転数Ndが閾値Nset以下のときにも同様に制御するものとしてもよい。 【0067】第1実施例の動力出力装置20では、クラッチモータ30とアシストモータ40とをそれぞれ別個に駆動軸22に取り付けたが、図8に例示する変形例である動力出力装置20Bのように、クラッチモータとアシストモータとが一体となるよう構成してもよい。この変形例の動力出力装置20Bの構成について以下に簡単に説明する。図示するように、変形例の動力出力装置20Bのクラッチモータ30Bは、クランクシャフト56に結合したインナロータ34Bと、駆動軸22に結合したアウタロータ32Bとから構成され、インナロータ34Bには三相コイル36Bが取り付けられており、アウタロータ32Bには永久磁石35Bがその外周面側の磁極と内周面側の磁極とが異なるよう嵌め込まれている。なお、図示しないが、永久磁石35Bの外周面側の磁極と内周面側の磁極との間には、非磁性体により構成された部材が嵌挿されている。一方、アシストモータ40Bは、このクラッチモータ30Bのアウタロータ32Bと、三相コイル44が取り付けられたステータ43とから構成される。すなわち、クラッチモータ30Bのアウタロータ32Bがアシストモータ40Bのロータを兼ねる構成となっている。なお、クランクシャフト56に結合したインナロータ34Bに三相コイル36Bが取り付けられているから、クラッチモータ30Bの三相コイル36Bに電力を供給するスリップリング38は、クランクシャフト56に取り付けられている。 【0068】この変形例の動力出力装置20Bでは、アウタロータ32Bに嵌め込まれた永久磁石35Bの内周面側の磁極に対してインナロータ34Bの三相コイル36Bに印加する電圧を制御することにより、クラッチモータ30とアシストモータ40とを駆動軸22に別個に取り付けた前述の動力出力装置20のクラッチモータ30と同様に動作する。また、アウタロータ32Bに嵌め込まれた永久磁石35Bの外周面側の磁極に対してステータ43の三相コイル44に印加する電圧を制御することにより第1実施例の動力出力装置20のアシストモータ40と同様に動作する。したがって、変形例の動力出力装置20Bは、上述した第1実施例の動力出力装置20のすべての動作について同様に動作する。 【0069】こうした変形例の動力出力装置20Bによれば、アウタロータ32Bがクラッチモータ30Bのロータの一方とアシストモータ40Bのロータとを兼ねるから、動力出力装置20Bの小型化および軽量化を図ることができる。 【0070】また、第1実施例の動力出力装置20は、FR型の車両に適用する場合について説明したが、FF型の車両に搭載する構成や4輪駆動の車両に搭載する構成としてもよい。4輪駆動の車両に搭載する場合は、図9に例示する変形例の動力出力装置20Cのようになる。この変形例の動力出力装置20Cでは、駆動軸22に取り付けられていたアシストモータ40を駆動軸22より分離して、車両の後輪部に独立して配置し、このアシストモータ40によって後輪部の駆動輪27,29を駆動する。一方、駆動軸22の先端はギヤ23を介してディファレンシャルギヤ24に結合されており、この駆動軸22によって前輪部の駆動輪26,28を駆動する。このような構成の下においても、前述した第1実施例を実現することは可能である。 【0071】第1実施例の動力出力装置20では、クラッチモータ30に対する電力の伝達手段として回転リング38aとブラシ38bとからなるスリップリング38を用いたが、回転リング−水銀接触、磁気エネルギの半導体カップリング、回転トランス等を用いることもできる。 【0072】次に、本発明の第2の実施例としての動力出力装置110について説明する。図10は第2実施例の動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図11は第2実施例の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略構成を示す構成図である。 【0073】第2実施例の動力出力装置110が組み込まれた車両は、図11に示すように、クランクシャフト156にクラッチモータ30とアシストモータ40とが取り付けられている代わりにプラネタリギヤ120,モータMG1およびモータMG2が取り付けられている点を除いて第1実施例の動力出力装置20が組み込まれた車両(図2)と同様の構成をしている。したがって、第2実施例の動力出力装置110の構成のうち第1実施例の動力出力装置20と同一の構成については、値100を加えた符号を付し、その説明は省略する。なお、第2実施例の動力出力装置110の説明でも、明示しない限り第1実施例の動力出力装置20の説明の際に用いた符号はそのまま同じ意味で用いる。 【0074】図10に示すように、動力出力装置110は、大きくは、エンジン150、エンジン150のクランクシャフト156にプラネタリキャリア124が機械的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタリギヤ120のサンギヤ121を回転可能に取り付けられたたモータMG1、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合された駆動軸112に取り付けられたモータMG2および両モータMG1,MG2を駆動制御する制御装置180から構成されている。 【0075】プラネタリギヤ120は、クランクシャフト156に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸125に結合されたサンギヤ121と、クランクシャフト156と同軸の駆動軸112に結合されたリングギヤ122と、サンギヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオンギヤ123と、クランクシャフト156の端部に結合され各プラネタリピニオンギヤ123の回転軸を軸支するプラネタリキャリア124とから構成されている。このプラネタリギヤ120では、サンギヤ121,リングギヤ122およびプラネタリキャリア124にそれぞれ結合されたサンギヤ軸125,駆動軸112およびクランクシャフト156の3軸が動力の入出力軸とされ、3軸のうちいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、残余の1軸に入出力される動力は決定された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。なお、このプラネタリギヤ120の3軸への動力の入出力についての詳細は後述する。 【0076】モータMG1は、同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロータ132と、回転磁界を形成する三相コイル134が巻回されたステータ133とを備える。ロータ132は、プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたサンギヤ軸125に結合されている。ステータ133は、無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケース113に固定されている。このモータMG1は、永久磁石135による磁界と三相コイル134によって形成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界とロータ132の回転との相互作用により三相コイル134の両端に起電力を生じさせる発電機として動作する。なお、サンギヤ軸125には、その回転角度θsを検出するレゾルバ139が設けられている。 【0077】モータMG2も、モータMG1と同様に同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する三相コイル144が巻回されたステータ143とを備える。ロータ142は、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合された駆動軸112に結合されており、ステータ143はケース113に固定されている。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されている。このモータMG2もモータMG1と同様に、電動機あるいは発電機として動作する。駆動軸112には、その回転角度θdを検出するレゾルバ149が設けられている。また、駆動軸112は、ケース113に設けられたベアリング113aにより軸支されている。 【0078】図10に示すように、第2実施例の動力出力装置110が備える制御装置180は、第1実施例の動力出力装置20の制御装置80と同様に構成されている。すなわち制御装置180は、モータMG1を駆動する第1の駆動回路191、モータMG2を駆動する第2の駆動回路192、両駆動回路191,192を制御する制御CPU190、二次電池であるバッテリ194から構成されている。なお、第2実施例の制御CPU190の入力ポートには、第1実施例の制御CPU90の入力ポートに入力されるクランクシャフト56の回転角度θeに代えてレゾルバ139からのサンギヤ軸125の回転角度θsが入力されている。 【0079】第1および第2の駆動回路191,192も、第1実施例の第1および第2の駆動回路91,92と同様に、トランジスタインバータを構成する6個のトランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16と、トランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16のすべてオフとすると三相全波整流回路を構成する帰還ダイオードD1〜D6,D11〜D16と、トランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16のスイッチングを制御するスイッチングCPU191a,192aとから構成されている。なお、第1の駆動回路191のスイッチングCPU191aの入力ポートには、クランクシャフト56の回転角度θsと駆動軸22の回転角度θdおよびクラッチ電流値Iuc,Ivcに代えてレゾルバ139からのサンギヤ軸125の回転角度θsと2つの電流検出器195,196からのモータMG1の電流値Iu1,Iv1とが入力されており、第2の駆動回路192のスイッチングCPU192aの入力ポートには、クランクシャフト56の回転角度θsおよびアシスト電流値Iua,Ivaに代えてレゾルバ149からの駆動軸112の回転角度θdと2つの電流検出器197,198からのモータMG2の電流値Iu2,Iv2とが入力されている。したがって、スイッチングCPU191a,192aにより対をなすトランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16のオン時間の割合を制御信号SW1,SW2により順次制御し、三相コイル134,144に流れる電流をPWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相コイル134,144により、回転磁界が形成される。 【0080】次に第2実施例の動力出力装置110の動作について説明する。第2実施例の動力出力装置110の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りである。エンジン150を回転数Ne,トルクTeの運転ポイントP1で運転し、このエンジン150から出力されるエネルギPeと同一のエネルギであるが異なる回転数Nd,トルクTdの運転ポイントP2で駆動軸112を運転する場合、すなわち、エンジン150から出力される動力をトルク変換して駆動軸112に作用させる場合について考える。この時のエンジン150と駆動軸112の回転数およびトルクの関係を図12に示す。 【0081】プラネタリギヤ120のサンギヤ121,リングギヤ122およびプラネタリキャリア124に結合された3軸(サンギヤ軸125,駆動軸112およびクランクシャフト156)における回転数やトルクの関係は、機構学の教えるところによれば、図13および図14に例示する共線図と呼ばれる図として表わすことができ、幾何学的に解くことができる。なお、プラネタリギヤ120における3軸の回転数やトルクの関係は、上述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを計算することなどにより数式的に解析することもできる。本実施例では説明の容易のため共線図を用いて説明する。 【0082】図13における縦軸は3軸の回転数軸であり、横軸は3軸の座標軸の位置の比を表わす。すなわち、サンギヤ軸125と駆動軸112の座標軸S,Rを両端にとったとき、クランクシャフト156の座標軸Cは、軸Sと軸Rを1:ρに内分する軸として定められる。ここで、ρは、リングギヤ122の歯数に対するサンギヤ121の歯数の比であり、次式(10)で表わされる。 【0083】 【数5】
【0084】いま、エンジン150が回転数Neで運転されており、駆動軸112が回転数Ndで運転されている場合を考えているから、クランクシャフト156の座標軸Cにエンジン150の回転数Neを、駆動軸112の座標軸Rに回転数Ndをプロットすることができる。この両点を通る直線を描けば、この直線と座標軸Sとの交点で表わされる回転数としてサンギヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以下、この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、回転数Neと回転数Ndとを用いて比例計算式(次式(11))により求めることができる。このようにプラネタリギヤ120では、サンギヤ121,リングギヤ122およびプラネタリキャリア124に結合された3軸のうちいずれか2つの回転を決定すると、残余の1つの回転は、決定した2つの回転に基づいて決定される。 【0085】 【数6】
【0086】次に、描かれた動作共線に、エンジン150のトルクTeをクランクシャフト156の座標軸Cを作用線として図中下から上に作用させる。このとき動作共線は、トルクに対してはベクトルとしての力を作用させたときの剛体として取り扱うことができるから、座標軸C上に作用させたトルクTeは、平行な2つの異なる作用線への力の分離の手法により、座標軸S上のトルクTesと座標軸R上のトルクTerとに分離することができる。このときトルクTesおよびTerの大きさは、次式(12)および(13)によって表わされる。 【0087】 【数7】
【0088】動作共線がこの状態で安定であるためには、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、駆動軸112に出力すべきトルクTdと同じ大きさで向きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさが同じで向きが反対のトルクTm2を作用させるのである。このトルクTm1はモータMG1により、トルクTm2はモータMG2により作用させることができる。このとき、モータMG1では回転の方向と逆向きにトルクを作用させるから、モータMG1は発電機として動作することになり、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされる電気エネルギPm1をサンギヤ軸125から回生する。モータMG2では、回転の方向とトルクの方向とが同じであるから、モータMG2は電動機として動作し、トルクTm2と回転数Ndとの積で表わされる電気エネルギPm2を動力として駆動軸112に出力する。 【0089】ここで、電気エネルギPm1と電気エネルギPm2とを等しくすれば、モータMG2で消費する電力のすべてをモータMG1により回生して賄うことができる。このためには、入力されたエネルギのすべてを出力するものとすればよいから、エンジン150から出力されるエネルギPeと駆動軸112に出力すべきエネルギPdとを等しくすればよい。すなわち、トルクTeと回転数Neとの積で表わされるエネルギPeと、トルクTdと回転数Ndとの積で表わされるエネルギPdとを等しくするのである。図12に照らせば、運転ポイントP1で運転されているエンジン150から出力されるトルクTeと回転数Neとで表わされる動力を、トルク変換して、同一のエネルギでトルクTdと回転数Ndとで表わされる動力として駆動軸112に出力するのである。 【0090】図13に示す共線図ではサンギヤ軸125の回転数Nsは正の値であったが、エンジン150の回転数Neと駆動軸112の回転数Ndとによっては、図14に示す共線図のように負の値となる場合もある。このときには、モータMG1では、回転の方向とトルクの作用する方向とが同じになるから、モータMG1は電動機として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされる電気エネルギPm1を消費する。一方、モータMG2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になるから、モータMG2は発電機として動作し、トルクTm2と回転数Ndとの積で表わされる電気エネルギPm2を駆動軸112から回生することになる。この場合、モータMG1で消費する電気エネルギPm1とモータMG2で回生する電気エネルギPm2とを等しくすれば、モータMG1で消費する電気エネルギPm1をモータMG2で丁度賄うことができる。 【0091】以上、第2実施例の動力出力装置110における基本的なトルク変換について説明したが、第2実施例の動力出力装置110は、こうしたエンジン150から出力される動力のすべてをトルク変換して駆動軸112に出力する動作の他に、エンジン150から出力される動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、モータMG1により回生または消費される電気エネルギPm1と、モータMG2により消費または回生される電気エネルギPm2とを調節することにより、余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ194を放電する動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ194に蓄えられた電力により補う動作など種々の動作とすることもできる。 【0092】こうした第2実施例の動力出力装置110でも、車両が走行状態にあるときに、第2の駆動回路192のトランジスタTr11ないしTr16の温度異常を検出したときやトランジスタTr11ないしTr16に過電流が生じたときなど、通常にモータMG2の制御を行なうことができないときには、第1実施例の動力出力装置20と同様の異常時トルク制御処理を行なうことができる。第2実施例の動力出力装置110における異常時トルク制御処理は、図15に例示する異常時トルク制御ルーチンにより行なわれる。本ルーチンのステップS200ないしS210の処理は、第1実施例の異常時トルク制御ルーチン(図4)のステップS100ないしS110の処理と同一であるから、その説明は省略する。 【0093】ステップS210で、駆動軸112の回転数Ndが閾値Nsetより大きいときには、モータMG2の逆起電圧Em2がコンデンサ193の耐電圧より大きくなってコンデンサ193を破損させるおそれがあると判断し、モータMG2により得られる電気エネルギの一部をモータMG1により消費するようモータMG1のトルク指令値Tm1*とエンジン150の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する処理(ステップS212ないしS216の処理)を実行する。この処理としては、まず、駆動軸112の回転数Ndに基づいてモータMG2から回生される電力Pm2を計算する(ステップS212)。この計算の手法または導出の手法は第1実施例で説明した。 【0094】続いて、次式(14)によりモータMG1のトルク指令値Tc*を設定する(ステップS214)。ここで、式(14)中、右辺括弧内第2項は、モータMG2から駆動軸112に出力される制動トルクに相当するものであるから、右辺括弧内は、モータMG2の制動トルクを打ち消してなお駆動軸112に値Td*のトルクが作用するようプラネタリギヤ120側から駆動軸112に出力するトルクとなる。したがって、式(14)により設定されるモータMG1のトルク指令値Tm1*は、上述のトルクをプラネタリギヤ120側から駆動軸112に出力するための反力としてのトルクとなる。 【0095】 Tm1*←ρ×(Td*+Pm2/Nd) …(14) 【0096】次に、次式(15)によりサンギヤ軸125の目標回転数Ns*を計算する(ステップS215)。なお、式(15)の右辺の負符号は、モータMG2により回生される電力Pm2をモータMG1で消費するために、モータMG1のロータ132が取り付けられたサンギヤ軸125をモータMG1から出力されるトルクとは逆向きに回転させる必要があるために付されるものである。 【0097】 Ns*←−Pm2/Tm1* …(15) 【0098】そして、エンジン150の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを次式(16)と式(17)とにより設定する(ステップS216)。ここで、式(16)は、プラネタリギヤ120を介して駆動軸112を回転数Ndで回転させ、サンギヤ軸125を目標回転数Ns*で回転させたときのクランクシャフト156の回転数を算出する式であり、式(17)は、式(14)と同様に、モータMG2の制動トルクを打ち消してなお駆動軸112に値Td*のトルクが作用するようプラネタリギヤ120側から駆動軸112に出力するトルク(括弧内)をプラネタリギヤ120側から駆動軸112に出力するためにエンジン50から出力すべきトルクを求める式である。この状態の共線図を図16に示す。 【0099】 【数8】
【0100】一方、ステップS210で駆動軸112の回転数Ndが閾値Nset以下のときには、コンデンサ193を破損させるおそれはないと判断し、モータMG1をロックアップする信号を出力すると共に(ステップS218)、次式(18)と式(19)とによりエンジン150の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS220)。このように設定することによりプラネタリギヤ120を介して駆動軸112に値Td*のトルクを出力することができる。なお、モータMG1をロックアップするのに必要な電力は銅損や鉄損のみだから小さく、モータMG2によって回生される電力で賄うことができる。この状態の共線図を図17に示す。 【0101】 【数9】
【0102】こうしてモータMG1のトルク指令値Tm1*やエンジン150の目標回転数Ne*,目標トルクTe*を設定すると、モータMG1およびエンジン150の制御を行なう(ステップS222およびS224)。具体的には、制御CPU190からスイッチングCPU191aに向けてモータMG1のトルク指令値Tm1*を出力すると共にEFIECU170に向けてエンジン150の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを出力することにより、スイッチングCPU191aによってモータMG1から出力されるトルクが式(14)により計算される値となるようモータMG1を制御すると共にEFIECU170によってエンジン150が回転数が値Ne*でトルクが値Te*となるようエンジン150を制御するのである。第2実施例でも、図示の都合上、モータMG1とエンジン150の制御を本ルーチンの別々のステップとして記載したが、スイッチングCPU191aによるモータMG1の制御とEFIECU170によるエンジン150の制御は、本ルーチンとは別個独立に行なわれる。なお、EFIECU170によるエンジン150の制御は、第1実施例のEFIECU70によるエンジン50の制御と同一であるから、その説明は省略する。 【0103】モータMG1の制御は、図18に例示するクラッチモータ制御ルーチンにより行なわれる。本ルーチンが実行されると、スイッチングCPU191aは、まず、サンギヤ軸125の回転角度θsをレゾルバ139から入力し(ステップS230)、入力した回転角度θsからモータMG1の電気角θ1を求める処理を行なう(ステップS234)。第2実施例では、モータMG1として4極対の同期電動機を用いているから、θ1=4θsを演算することになる。 【0104】そして、電流検出器195,196により、モータMG1の三相コイル134のU相とV相に流れている電流Iu1,Iv1を検出し(ステップS236)、第1実施例のクラッチモータ30の制御(図6)と同様の座標変換(ステップS238)および電圧指令値Vd1,Vq1の演算を行ない(ステップS240)、更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS242)を行なって、第1の駆動回路191のトランジスタTr1ないしTr6のオンオフ制御時間を求め、PWM制御を行なう(ステップS244)。これらの処理は、クラッチモータ30について行なったものと全く同一である。 【0105】以上説明した第2実施例の動力出力装置110によれば、モータMG2が制御できない状態となり発電機として動作しても、モータMG2により回生される電力Pm2をモータMG1によって消費することができる。この結果、モータMG2の逆起電圧がコンデンサ193の耐電圧より高くなる回転数で回転していても、モータMG2を電源としてみたときのモータMG2や第2の駆動回路192におけるインピーダンスを流れる電流が大きくなるから、このインピーダンスによる電圧降下によってコンデンサ193の端子電圧を耐電圧未満にすることができ、コンデンサ193の破損を防止することができる。しかも、モータMG2の逆起電圧がコンデンサ193の耐電圧より高くなる回転数で駆動軸112が回転しているときには、モータMG2から回生される電力Pm2をモータMG1により消費すると共にプラネタリギヤ120を介して駆動軸112に出力されるトルクがモータMG2の制動トルクを打ち消してなお駆動軸112にトルクTd(値Td*)が作用するようモータMG1のトルクTm1およびエンジン150の運転ポイント(回転数NeとトルクTe)を調整し、駆動軸112がそれ以下の回転数で回転しているときには、モータMG1をロックアップすると共にプラネタリギヤ120を介して駆動軸112に出力されるトルクが値Td*となるようエンジン150の運転ポイントを調整するから、モータMG2が制御できない状態のときでも、駆動軸112に所望の動力を出力することができる。そして、この制御は、モータMG2が制御できない状態となったときに直ちに行なわれるから、駆動軸112に出力するトルクの変動を小さくすることができる。 【0106】もとより、バッテリ194をシステムメインリレー194a,194bにより第1の駆動回路91および第2の駆動回路92から切り離すから、モータMG2により回生される電力Pm2によるバッテリ194の過充電を防止することができ、過充電の結果生じるバッテリ194の破損を防止することができる。 【0107】第2実施例の動力出力装置110では、第2の駆動回路192のトランジスタTr11ないしTr16の温度異常を検出したときやトランジスタTr11ないしTr16に過電流が生じたときなど、スイッチングCPU192aによるトランジスタTr11ないしTr16のスイッチングがまだ可能な状態のときに図15の異常時トルク制御ルーチンを実行するものとしたが、電源ラインの切断などによりスイッチングCPU192aへの電力の供給が停止したときや、スイッチングCPU192aの内部ロジックに異常が生じスイッチングCPU192aが動作できない状態となったときなどにも図15の異常時トルク制御ルーチンを適用することができる。この場合、スイッチングCPU192aの動作の停止によってトランジスタTr11ないしTr16はすべてオフとなるから、ステップS202の処理は不要となる。こうすれば、スイッチングCPU192aが動作不能となったときでも、上述の効果を得ることができ、コンデンサ193やバッテリ194の破損を防止することができる。 【0108】第2実施例の動力出力装置110では、モータMG2が制御できない状態のときでもアクセルペダル164の踏込量に応じたトルクを駆動軸112に出力するようモータMG1とエンジン150とを制御したが、モータMG2により回生される電力Pm2をモータMG1により消費するようモータMG1を制御するものであれば、駆動軸112に出力するトルクは如何なるトルクとしてもよい。たとえば、図19の共線図に示すように、エンジン150への燃料噴射を停止するものとしてもよい。この場合、次式(20)に示すように、駆動軸112の回転数Ndから求められるモータMG2により回生される電力Pm2とサンギヤ軸125の回転数Nsとから求められる値をモータMG1のトルク指令値Tm1*に設定してモータMG1を制御すればよい。なお、図19の共線図中の座標軸C上に作用するトルクTeは、エンジン150を連れ回すのに必要なトルクであり、座標軸Sおよび座標軸R上のトルクTesおよびトルクTerは、座標軸C上にトルクTeが作用することによって座標軸Sおよび座標軸R上に作用するトルクである。 【0109】 Tm1*←−Pm2/Ns …(20) 【0110】第2実施例の動力出力装置110では、駆動軸112の回転数Ndが閾値Nsetより大きいときにモータMG2により回生される電力Pm2をモータMG1で消費するようモータMG1とエンジン150とを制御したが、駆動軸112の回転数Ndが閾値Nset以下のときにも同様に制御するものとしてもよい。 【0111】第2実施例の動力出力装置110は、FR型の車両に適用する場合について説明したが、FF型の車両に搭載する構成や4輪駆動の車両に搭載する構成としてもよい。4輪駆動の車両に搭載する場合は、図20に例示する変形例の動力出力装置110Cのようになる。この変形例の動力出力装置110Cでは、駆動軸112に結合していたモータMG2を駆動軸112より分離して、車両の後輪部に独立して配置し、このモータMG2によって後輪部の駆動輪117,119を駆動する。一方、リングギヤ122に出力される動力はリングギヤ122に取り付けられた動力取出ギヤ128および動力伝達ギヤ111を介してディファレンシャルギヤ114に伝達されて前輪部の駆動輪116,118を駆動する。このような構成の下においても、前述した第2実施例を実現することは可能である。 【0112】また、第2実施例の動力出力装置110では、3軸式動力入出力手段としてプラネタリギヤ120を用いたが、一方はサンギヤと他方はリングギヤとギヤ結合すると共に互いにギヤ結合しサンギヤの外周を自転しながら公転する2つ1組の複数組みのプラネタリピニオンギヤを備えるダブルピニオンプラネタリギヤを用いるものとしてもよい。この他、3軸式動力入出力手段として3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力を決定すれば、この決定した動力に基づいて残余の1軸に入出力される動力を決定されるものであれば如何なる装置やギヤユニット等、例えば、ディファレンシャルギヤ等を用いることもできる。 【0113】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。 【0114】例えば、上述した第1実施例の動力出力装置20や第2実施例の動力出力装置110では、エンジン50,150としてガソリンエンジンを用いたが、その他に、ディーゼルエンジンや、タービンエンジンや、ジェットエンジンなど各種の内燃あるいは外燃機関を用いることもできる。 【0115】また、第1実施例の動力出力装置20や第2実施例の動力出力装置110では、クラッチモータ30やアシストモータ40,モータMG1,モータMG2にPM形(永久磁石形;Permanent Magnet type)同期電動機を用いたが、回転子を回転させるだけで逆起電圧を発生するものであれば如何なる電動機を用いてもよく、例えば、バーニアモータや、直流電動機や、超電導モータや、ステップモータなどを用いることもできる。 【0116】あるいは、第1実施例の動力出力装置20や第2実施例の動力出力装置110では、第1および第2の駆動回路91,92,191,192としてトランジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar mode Transistor)インバータや電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)インバータ,方形波インバータ(電圧形インバータ,電流形インバータ),共振インバータなどを用いることもできる。 【0117】また、バッテリ94,194としては、Pbバッテリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いることができるが、バッテリ94,194に代えてキャパシタを用いることもできる。 【0118】さらに、第1実施例の動力出力装置20や第2実施例の動力出力装置110では、アシストモータ40やモータMG2により回生された電力Pa、Pm2をクラッチモータ30やモータMG1により消費したが、第2の駆動回路92や第2の駆動回路192を、動力出力装置が備える補機の電動機や車両が備えるエアーコンディショナーのコンプレッサ,エネルギ消費用の抵抗などの電気的負荷に接続し、アシストモータ40やモータMG2により回生された電力Pa、Pm2をこの電気的負荷により消費するものとしてもよい。 【0119】以上の各実施例では、動力出力装置を車両に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段や、その他各種産業機械などに搭載することも可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
|
| 【出願日】 |
平成8年11月14日(1996.11.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096817 【弁理士】 【氏名又は名称】五十嵐 孝雄 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2002−17004(P2002−17004A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−119666(P2001−119666) |
|