| 【発明の名称】 |
ハイブリット電気自動車における蓄電装置の充電制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡村 廸夫
【氏名】山岸 政章
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| 【要約】 |
【課題】比較的小容量のキャパシタ蓄電装置を最大限有効に利用する。
【解決手段】電気二重層キャパシタの充放電を並列モニタを含む制御回路にて制御する蓄電装置を用いたハイブリット電気自動車において、定速走行モードN、加速走行モードPおよび減速走行モードBの3つの走行モードが選択可能で、各走行モードに応じて蓄電装置に対する充電上限値Uおよび充電下限値Dの充電管理幅を変更する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関などよりなる主動力源と、上記主動力源により駆動される発電機と、走行車輪を単独もしくは上記主動力源とともに駆動する電動機と、上記電動機に電力を供給するとともに、上記発電機および回生制動時の上記電動機により充電される蓄電装置およびその制御回路とを含み、上記蓄電装置が互いに直列に接続された所定数の電気二重層キャパシタを含むキャパシタ群からなり、上記制御回路が上記蓄電装置の充電レベルを設定する充電レベル設定部と、同充電レベル設定部の設定電圧に基づいて上記発電機の運転を制御する充電電圧制御部とを備えているハイブリット電気自動車における蓄電装置の充電制御方法において、上記充電レベル設定部には、少なくとも定速走行モード、加速走行モードおよび減速走行モードの3つの走行モードが選択可能に用意されており、上記各走行モードに応じて上記蓄電装置に対する充電上限値および充電下限値が変更され、上記各走行モード時において上記蓄電装置の充電レベルが上記充電下限値よりも低下した場合にのみ、上記発電機により上記蓄電装置が充電されるようにしたことを特徴とするハイブリット電気自動車における蓄電装置の充電制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はハイブリット電気自動車における蓄電装置の充電制御方法に関し、さらに詳しく言えば、蓄電装置が電気二重層キャパシタからなり、走行モードに応じてその充電管理幅を変更することにより、エネルギーを効果的に利用することを意図した技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電気二重層キャパシタによる蓄電装置は、急速充電が可能であるとともに、瞬時に大電流を取り出すことができるため、ハイブリット電気自動車の蓄電装置としても実用化が進められている。 【0003】この種の蓄電装置に該当するものとして、ECS(Energy Capacitor System)と呼ばれ、電気二重層キャパシタ、並列モニタおよび電流ポンプを組み合わせてなる電力貯蔵システムがすでに各種文献に紹介されている(例えば、電子技術1994−12,p1〜3参照)。また、特開平10−174285号公報には、このECSについて、好ましい充電レベルの設定方法が提案されている。 【0004】すなわち、上記公報に記載の先行技術においては、直列に接続された複数の電気二重層キャパシタの各々に、設定電圧値を超えると充電電流をバイパスさせる並列モニタを接続してなる蓄電装置について、充電レベル設定手段により設定された充電レベルに応じて並列モニタの設定電圧を制御するとともに、充電電源から供給する充電電流を電気二重層キャパシタの充電状態に応じて制御することにより、通常の使用状態では、電気二重層キャパシタに対する充電電圧を満充電電圧よりも低く抑えることを可能としている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】この先行技術によれば、図4の充放電パターンに示されているように、満充電レベルを100%として、充放電の管理電圧を例えば75%レベルに設定することができ、高い電圧に充電するほど寿命が短くなる傾向を示す電気二重層キャパシタの用法としては自然でメリットが大きい。なお、図4で鎖線で示されている充放電パターンは二次電池のものである。 【0006】ハイブリット電気自動車において、蓄電装置は発電機のみならず回生制動電力によっても充電されるが、上記の管理電圧(充電管理レベル)をどこに設定するかによって蓄電エネルギー、特に回生制動電力の利用に大きな違いが生ずる。 【0007】これを図5の車速に沿った充放電のタイミングチャートにより説明すると、車が加速して車速が増加していく時間t1からの過程ではキャパシタは加速用のエネルギーを電動機に放電するので、電動機が加速をアシストする全期間にわたって蓄電量は減少していく。 【0008】時間t2で加速が完了して定速走行に入ると、エンジンだけの力で走行できるので電動機への電流は不要でキャパシタの放電は止まる。しかしながら、当初から見れば、蓄電量が低下しているため、エンジンの馬力に余裕があれば、発電機を駆動し、時間t2からキャパシタへの充電が始まる。これにより、キャパシタの蓄電量は増加に転じ、定速走行の時間が十分に長ければ、当初の充電管理レベル(例えば75%)まで復帰して充電が停止する。 【0009】次に、時間t3で走行中の車が減速すると、回生制動によって電力が発生し、キャパシタを充電しようとする。しかしながら、キャパシタは先の定速走行時にすでに充電管理レベルにまで充電されているため、回生制動電力を受け入れることができない。 【0010】したがって、回生制動電力を回収したとしても、減速が終了する時間t4まで、やむを得ずエネルギーを廃棄する放電用抵抗を発熱させるか、もしくは機械ブレーキを用いざるを得ない。これを回避するには、充電管理レベルを低めに設定すればよいのであるが、このようにすると、他方において加速時の放電電流が足りなくなるおそれが生ずるので好ましくない。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、基本的には上記先行技術を踏襲しながらも、回生制動電力を捨てることなく、そのエネルギーをより有効に利用することができる。 【0012】そのため、本発明は、内燃機関などよりなる主動力源と、上記主動力源により駆動される発電機と、走行車輪を単独もしくは上記主動力源とともに駆動する電動機と、上記電動機に電力を供給するとともに、上記発電機および回生制動時の上記電動機により充電される蓄電装置およびその制御回路とを含み、上記蓄電装置が互いに直列に接続された所定数の電気二重層キャパシタを含むキャパシタ群からなり、上記制御回路が上記蓄電装置の充電レベルを設定する充電レベル設定部と、同充電レベル設定部の設定電圧に基づいて上記発電機の運転を制御する充電電圧制御部とを備えているハイブリット電気自動車における蓄電装置の充電制御方法において、上記充電レベル設定部には、少なくとも定速走行モード、加速走行モードおよび減速走行モードの3つの走行モードが選択可能に用意されており、上記各走行モードに応じて上記蓄電装置に対する充電上限値および充電下限値が変更され、上記各走行モード時において上記蓄電装置の充電レベルが上記充電下限値よりも低下した場合にのみ、上記発電機により上記蓄電装置が充電されるようにしたことを特徴としている。 【0013】本発明の好ましい態様によれば、上記キャパシタ群の全蓄電容量を100%として、上記定速走行モード時における充電管理幅が約75%〜約37%の範囲とされ、上記加速走行モード時における充電管理幅が約100%〜約75%の範囲とされ、上記減速走行モード時における充電管理幅が約37%〜約25%の範囲とされる。 【0014】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図1ないし図3により説明する。本発明が対象とするハイブリット電気自動車の方式はパラレル、シリアルもしくはその中間的なものを問わず、また、その主動力源はエンジン、タービンもしくは燃料電池のいずれであってもよいが、図1には本発明を主動力源をエンジンとするシリアル方式に適用した例が示されている。 【0015】すなわち、このハイブリット電気自動車は、その基本的な構成として、エンジン1により駆動される発電機(充電装置)2と、発電機2により充電される蓄電装置3と、蓄電装置3の充放電を制御する制御回路4と、蓄電装置3から供給される電力により車輪6を駆動する電動機5とを備えている。発電機2および電動機5は公知のものであってよい。 【0016】蓄電装置3は、複数の電気二重層キャパシタ3a〜3nを直列に接続したものからなるが、個々の電気二重層キャパシタは、所定数のキャパシタセルを任意の直並列に組み合わせたものであってもよい。 【0017】蓄電装置3の充放電を制御する制御回路4は、電気二重層キャパシタ3a〜3nの各々に接続される並列モニタ41a〜41nと、蓄電装置3の充電電流を検出する電流検出回路42と、蓄電装置3の充電レベルを設定する充電レベル設定部43と、充電制御回路44とを備えている。 【0018】並列モニタ41a〜41nは、あらかじめ設定された充電電圧を超えると充電電流をバイパスする回路であり、これにより各電気二重層キャパシタ3a〜3nが所定の電圧にまで均一に充電される。なお、並列モニタ41a〜41nの詳しい構成に関しては、例えば特開平10−174285号公報を参照されたい。 【0019】充電レベル設定部43には、例えばスライドスイッチが用いられており、定速走行モードN、加速走行モードPおよび減速走行モードBの3つの走行モードが選択可能とされている。この充電レベル設定部43には、選択された走行モードに応じた電圧を発生する設定電圧発生部43aが接続されている。なお、充電レベル設定部43は、選択釦式もしくはロータリースイッチであってもよい。 【0020】この実施形態において、充電制御回路44は、設定電圧発生部43aからの設定電圧Vrに基づいて、並列モニタ41a〜41nの監視電圧(電気二重層キャパシタの充電電圧)を制御する。また、充電制御回路44は、蓄電装置3に対する充電電圧Vcと上記設定電圧Vrとの差に応じて発電機2を制御する。すなわち、充電電圧Vcが設定電圧Vrに近づくにしたがって、電流検出回路42からの検出信号Viが漸減するように発電機2を制御する。 【0021】図2の充電管理モードグラフを参照して、この実施形態においては、充電レベル設定部43にて、定速走行モードNが選択された場合には、充電上限値Uが蓄電容量の75%、下限値Dがその1/2の37.5%に設定される。加速走行モードPでは、充電上限値Uが蓄電容量ほぼ一杯の約100%、下限値Dが75%近傍に設定される。また、減速走行モードBでは、充電上限値Uが蓄電容量の約37%近傍で、下限値Dが約25%近傍に設定される。 【0022】定速走行モードNのときの動作を、図3の車速に沿った充放電のタイミングチャートにより説明すると、時間t1では加速が始まり時間t2で加速が完了するまで蓄電装置3の蓄電量が減少していくのは先に説明した図5の場合と同様であるが、本発明では、時間t2で定速走行に入ってエンジン1に余裕が出ても蓄電装置3を充電しない。すなわち、蓄電装置3の蓄電量が下限値Dまで下がらない限り充電することなくそのまま使い続ける。 【0023】時間t3からブレーキを掛けて減速に入ると、電動機5からの回生制動電力により蓄電装置3が充電されることになるが、この場合、蓄電装置3は充電される余地が十分な状態とされているため、回生制動電力のほぼ全部が回収され蓄電量が増える。 【0024】なお、平地の走行ならば回生エネルギーは加速エネルギーより必ず少ないから、減速完了後の時間t4での蓄電量は時間t1のときよりも少ないが、この定速走行モードNにおいては、蓄電装置3の蓄電量が下限値Dまで下がらない限り発電が不要で、しかも放電抵抗によるエネルギー破棄も生じない。 【0025】このように、定速走行モードNにおいて、上限値Uと下限値Dと間の充電管理幅を広く設定したとしても、例えば上り坂がかなり長く続くような場合には蓄電量が底をつき加速エネルギーを失い、また、下り坂がかなり長く続くような場合には蓄電量が上限値Uに達し、それ以上はせっかく回収した回生エネルギーを放熱抵抗で捨てざるを得ない事態が予想される。 【0026】もっとも、このような事態を回避するには、キャパシタを大量に積載すればよいのであるが、いつ使うか分からない余分な蓄電能力を常に積載して走行したのでは、そのコストもエネルギーも無駄である。そこで、本発明においては、限られた積載量のキャパシタをより有効に使うため、加速走行モードPおよび減速走行モードBを設けている。 【0027】加速走行モードPは加速に重点が置かれ、このモードPが選択されると、上記のように充電管理幅の上限値Uは全蓄電容量の100%近くにまでに設定され、下限値もそれに近いレベルの例えば75%近傍に設定される。この状態のとき、回生制動電力が入ってくれば放電抵抗で棄てるしかないが、加速側では蓄電装置3の蓄電量を最大限利用することができる。 【0028】そして、蓄電量が下限値Dまで低下すると発電機2が起動して蓄電装置3の充電が開始されるため、定速走行モードNの平均的な同じレベルに比べて約2倍の蓄電量を加速に利用することが可能となる。 【0029】これに対して、減速走行モードBは回生制動に重点が置かれている。このモードBにおいては、加速用の蓄電量は定速走行モードNの下限値Dより下に少ししかないが、回生制動電力を蓄える蓄電容量は平均的な定速走行モードNに比べて約2倍用意され、これにより、下り坂がかなり長く続くような場合でも、その回生制動電力を棄てることなく、ほぼ100%回収することができる。 【0030】上記実施形態では、各走行モードN,P,Bを手動にて切り替えるようにしているが、例えばカーナビゲータから車道の上り下りの情報を得て自動的にモード切替を行なうようにしてもよい。別の方法として、運転操作を検出してモード切替を行なうことも可能である。 【0031】例えば、アクセル操作が頻繁でブレーキ操作がない場合、あるいはアクセル操作の割には車速が上がらないなどの場合には、上り坂と判断して加速走行モードPに入る。これに対して、ブレーキ操作が頻繁でアクセル操作なしの場合、あるいはアクセル操作の割には車速が大であるなどの場合には、下り坂と判断して減速走行モードBに入る。 【0032】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。特に、各走行モードにおける充電管理幅は、設計により、また、使用する部品の特性などによって適宜変更可能であるし、充電制御回路44はCPUやマイクロコンピュータで構成されてもよい。また、上記実施形態では各並列モニタ41a〜41nの監視電圧を制御して蓄電装置3の充電管理幅を変更するようにしているが、これはオプション的機能であり、並列モニタによることなく蓄電装置3の充電管理幅は変更可能である。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、電気二重層キャパシタの充放電を並列モニタを含む制御回路にて制御する蓄電装置を用いたハイブリット電気自動車において、少なくとも定速走行モード、加速走行モードおよび減速走行モードの3つの走行モードが選択可能で、しかも各走行モードに応じて蓄電装置に対する充電上限値および充電下限値(充電管理幅)が変更されるようにしたことにより、比較的小容量のキャパシタ蓄電装置を最大限有効に利用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】393013560 【氏名又は名称】株式会社岡村研究所 【識別番号】594086288 【氏名又は名称】株式会社パワーシステム
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| 【出願日】 |
平成12年6月30日(2000.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083404 【弁理士】 【氏名又は名称】大原 拓也
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| 【公開番号】 |
特開2002−17001(P2002−17001A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月18日(2002.1.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−198193(P2000−198193) |
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