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【発明の名称】 自動車の電気システム
【発明者】 【氏名】木下 繁則

【氏名】植木 浩一

【氏名】中原 和仁

【氏名】高橋 文人

【要約】 【課題】電気自動車の電気システムの標準化と低価格化を図る。

【解決手段】主電池1を構成する複数組のモジュール電池10毎にユニットDC−DCコンバータ600を設け、このユニットDC−DCコンバータの出力側は補助電池6にそれぞれ接続する構成にすることで、従来、電気システム毎の個別仕様で製作していたものを標準化し、多様な主電池1の端子電圧に対しても該ユニットDD−DCコンバータの設置数の調整により対応できる様にして、電気システム全体としての価格低減を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 モジュール電池を複数組直列接続してなる主電池が半導体電力変換器を介して車両駆動用電動機に電力を供給すると共に、DC−DCコンバータを介して補助電池を充電する自動車の電気システムにおいて、前記DC−DCコンバータは、前記モジュール電池の端子電圧を入力電圧とし、前記補助電池の端子電圧を出力電圧とするユニットDC−DCコンバータを前記各モジュール電池毎に少なくとも1組備えてなることを特徴とする自動車の電気システム。
【請求項2】 請求項1に記載の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、前記モジュール電池の状態に応じて、その出力を制御することを特徴とする自動車の電気システム。
【請求項3】 請求項1に記載の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、前記補助電池の状態に応じて、その出力を制御することを特徴とする自動車の電気システム。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、その入力側と出力側とを電気的に絶縁したことを特徴とする自動車の電気システム。
【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、その入力側と出力側とを電気的に非絶縁にしたことを特徴とする自動車の電気システム。
【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の自動車の電気システムにおいて、前記モジュール電池は、セル電池を複数個直列または直並列接続構成にしてなることを特徴とする自動車の電気システム。
【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、可逆動作をすることを特徴とする自動車の電気システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気自動車,ハイブリッド電気自動車,トルクアシスト自動車などに備える補助電池を主電池から充電する自動車の電気システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図5は電気自動車の代表的なパワートレインと電気システムについて示し、1は主電池、2は車両駆動電動機、3は車両駆動電動機2を駆動するインバータ、4aは減速機、4bはデフギア、4cは車輪、5は車体、6は補助電池、7は補助電池6を電源とする車両補機、8は補助電池6を主電池1から充電する充電器としてのDC−DCコンバータ、9は主電池1を電源とする補機である。
【0003】図5に示した車両補機7としてはラジオ,照明などが該当し、また、補機9としてはエアコンなど比較的消費電力の大きい負荷が該当する。
【0004】また、図5に示した主電池1は、一般的にモジュール電池10を必要数直列接続した構成からなっている。
【0005】なお図5において、太実線表示の部位は車両駆動の機械系を、細実線表示の部位は電気系をそれぞれ示し、この電気自動車の電気システムは周知の技術で構成されているので、ここではその詳細説明を省略する。
【0006】図6はシリーズハイブリッド電気自動車の代表的なパワートレインと電気システムを示し、この図において、構成要素の下1桁または下2桁の参照番号が図5に示した構成要素の参照番号と同一のものは、図5と同一機能の構成要素を示し、例えば、図6に示すインバータ103は、図5に示したインバータ3と同一機能である。また、120はエンジン、130は発電機、140は整流器を示し、このシリーズハイブリッド電気自動車はエンジン120,発電機130,整流器140により、主電池101に必要な電力を発電し充電する構成である。
【0007】すなわち図6に示した電気システムは、エンジン120,発電機130,整流器140による主電池101の充電制御を除けば、図5に示した電気自動車の電気システムと同じである。
【0008】また、図6に示した主電池101は、一般にモジュール電池110を必要数直列接続した構成からなっている。
【0009】なお図6において、太実線表示の部位は車両駆動の機械系を、細実線表示の部位は電気系をそれぞれ示し、このシリーズハイブリット電気自動車の電気システムは周知の技術で構成されているので、ここではその詳細説明を省略する。
【0010】図7はパラレルハイブリッド電気自動車の代表的なパワートレインと電気システムを示し、この図においても、構成要素の下1桁または下2桁の参照番号が図5に示した構成要素の参照番号と同一のものは、図5と同一機能の構成要素を示している。また、220はエンジン、250は動力分配機、230は発電機、240は整流器である。
【0011】また、図7に示した主電池201は、一般にモジュール電池210を必要数直列接続した構成にしている。
【0012】なお図7において、太実線表示の部位は車両駆動の機械系を、細実線表示の部位は電気系をそれぞれ示し、このパラレルハイブリット電気自動車の電気システムは周知の技術で構成されているので、ここではその詳細説明を省略する。
【0013】図8はトルクアシスト電気自動車の代表的なパワートレインと電気システムを示し、この図においても、構成要素の下1桁または下2桁の参照番号が図5に示した構成要素の参照番号と同一のものは、図5と同一機能の構成要素を示している。また、320はエンジン、360は発電動機、370は変速機である。
【0014】また、図8に示した主電池301は、一般にモジュール電池310を必要数直列接続した構成にしている。
【0015】なお図8において、太実線表示の部位は車両駆動の機械系を、細実線表示の部位は電気系をそれぞれ示し、このトルクアシスト電気自動車の電気システムは周知の技術で構成されているので、ここではその詳細説明を省略する。
【0016】上記図5〜図7に示した電気自動車においては、車両駆動電動機のみによる車両駆動を行うのに対し、図8に示した電気自動車では、車両駆動電動機360のみによる車両駆動を行わない。また、主電池301の端子電圧も50V以下とし、その容量も図5〜図7に示した主電池に比べて小さく、安価になっている。
【0017】図9は、図5〜図8に示した電気自動車の電気システムの主電池の状態監視と充放電制御の代表的なシステム構成を、図5に示した電気自動車の例で示し、500は車両制御装置を示し電気自動車としての制御,保護を行い、501は主電池監視制御装置を示し主電池1および各モジュール電池10の充電,放電状況及び動作状態を監視,制御し、500a〜500cは制御信号線を示す。
【0018】なお、図9に示すシステム構成では図示しないが、必要に応じ主電池冷却系の運転制御も主電池監視制御装置501が行う。
【0019】図10は、図5〜図7に示した電気自動車に備えるDC−DCコンバータの代表的な基本システム構成を図5に示した電気自動車の例で示したものである。
【0020】この種のDC−DCコンバータとしては、主電池1側と補助電池6側とを一般に電気的に絶縁する必要があるため、高周波スイッチング技術を適用した回路方式が採用されている。
【0021】すなわち図10において、81は高周波インバータ、82は高周波変圧器、83は整流器、84は制御回路、84aは入力電圧検出器、84bは出力電圧検出器、84cは出力電流検出器である。
【0022】この制御回路84は、出力電圧と出力電流とが所定の値になるよう高周波インバータ81を制御する。
【0023】図11は、図8に示した電気自動車に備えるDC−DCコンバータ308の代表的な基本システム構成を示したものであり、図8,図10と同一構成要素には同一参照番号を付している。
【0024】このDC−DCコンバータ8(308)としては、主電池1(301)側と補助電池6(306)側とを電気的に絶縁する必要がないため、チョッパ回路方式が採用されている。
【0025】すなわち図11において、制御回路84により、出力電圧と出力電流とを所定の値になるようチョッパ85を制御する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上述の図5〜図8に示した電気自動車に備える主電池の端子電圧は下記の如く多様であり、また、同じ構成の電気システムでも、車種が異なると、その主電池の端子電圧も異なっていることがある。
【0027】例えば、図5に示した電気自動車では主電池の端子電圧は120〜336V(モジュール電池数:10〜28)であり、また、図6,図7に示した電気自動車では主電池の端子電圧は288〜336V(モジュール電池数:24〜28)であり、さらに、図8に示した電気自動車では主電池の端子電圧は36V(モジュール電池数:3)である。
【0028】一方、電気自動車に備える補助電池の端子電圧は前述の如く電気システムや車種が異なっても12V又は24Vとなっている。
【0029】21世紀の自動車は地球環境保全の観点から無公害自動車および低公害自動車の普及が望まれている。この目的のために、図5〜図10に示した各種の自動車の実用化が進められている。
【0030】これらの自動車を広く普及させるためには、価格低減が最優先課題であり、その結果、図10に示した電気システムの低価格化も大きな課題となっている。
【0031】この発明の目的は、現状では多種多様の補助電池充電用DC−DCコンバータを共通化して、価格低減を図った自動車の電気システムを提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】この第1の発明は、モジュール電池を複数組直列接続してなる主電池が半導体電力変換器を介して車両駆動用電動機に電力を供給すると共に、DC−DCコンバータを介して補助電池を充電する自動車の電気システムにおいて、前記DC−DCコンバータは、前記モジュール電池の端子電圧を入力電圧とし、前記補助電池の端子電圧を出力電圧とするユニットDC−DCコンバータを前記各モジュール電池毎に少なくとも1組備えてなることを特徴とする。
【0033】第2の発明は前記第1の発明の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、前記モジュール電池の状態に応じて、その出力を制御することを特徴とする。
【0034】第3の発明は前記第1の発明の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、前記補助電池の状態に応じて、その出力を制御することを特徴とする。
【0035】第4の発明は前記第1〜第3の発明の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、その入力側と出力側とを電気的に絶縁したことを特徴とする。
【0036】第5の発明は前記第1〜第3の発明の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、その入力側と出力側とを電気的に非絶縁にしたことを特徴とする。
【0037】第6の発明は前記第1〜第5の発明の自動車の電気システムにおいて、前記モジュール電池は、セル電池を複数個直列または直並列接続構成にしてなることを特徴とする。
【0038】第7の発明は前記第1〜第6の発明の自動車の電気システムにおいて、前記ユニットDC−DCコンバータは、可逆動作をすることを特徴とする。
【0039】この発明は、下記(1)〜(3)項に着目してなされたものである。
(1)自動車の主電池はモジュール電池を必要数直列接続した構成である。
(2)自動車の車両制御装置は車載機器を個別に監視,制御している。
(3)上記モジュール電池は個別にその状態が監視されている。
【0040】すなわち、前記DC−DCコンバータは前記モジュール電池の端子電圧を入力とし、前記補助電池の端子電圧を出力としたユニットDC−DCコンバータを前記各モジュール電池毎に少なくとも1組備える構成にしたことにより、それぞれのユニットDC−DCコンバータを同一仕様で製作し、全体としての共通化,低価格化を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施例を示す自動車の電気システムの構成図であり、この電気システムは図5に示した自動車の電気システムに適用した場合の例であり、また、図5〜図10に示した構成要素と同一機能の構成要素には同一参照番号を付している。
【0042】すなわち図1において、600はユニットDC−DCコンバータであり、その入力はモジュール電池10に接続線610aにより接続し、その出力の一方は接続線610bにより補助電池6に電流検出器621を介して接続し、他方の出力は接続線610cにより車体5に接続している。この図から明らかなように、各ユニットDC−DCコンバータの出力は補助電池6に並列接続されている。
【0043】以下に、図1に示し電気システムの制御動作について説明する。
【0044】図1に示した電気システムでは、1個のモジュール電池に1組のユニットDC−DCコンバータを接続した構成であり、電圧検出器620,電流検出器621で補助電池6の充電電圧,充電電流を検出する。車両制御装置500は補助電池6の端子電圧値,電流値(電圧検出器620および電流検出器621の検出値)と、主電池監視制御装置501による各モジュール電池10の状態情報とから各ユニットDC−DCコンバータ600の出力電流値を制御線630を介して指令する。この指令された出力電流値になるように各ユニットDC−DCコンバータ600は動作する。
【0045】その結果、ユニットDC−DCコンバータは電気自動車,ハイブリット自動車などの電気システムの構成や車種に関係なく標準化が図れ、また、各モジュール電池の放電電流の均等化が図れる。
【0046】図2は、図1に示したユニットDC−DCコンバータ600の詳細構成図であり、このユニットDC−DCコンバータ600の構成は図10に示した従来の構成ものとほぼ同じであり、従って、それぞれの構成要素の参照番号の接頭数字の6を削除した参照番号が、図10に示した参照番号と同じものは同一機能の構成要素であることを示している。
【0047】なお、ユニットDC−DCコンバータ600がモジュール電池10から補助電池6へ充電する場合で説明したが、補助電池6からモジュール電池10へ充電する機能を合せ持った可逆動作にすることも可能である。この可逆動作により、例えば、主電池の端子電圧が下限値未満になろうとしたときにも補助電池からの電力で上昇させることができ、電気システム全体の動作信頼性が向上する。
【0048】図3は図2に示したユニットDC−DCコンバータとは別のユニットDC−DCコンバータ構成図であり、この電気システムは図8に示した自動車の電気システムに適用した場合の例であり、このユニットDC−DCコンバータ700の構成は図11に示した従来の構成ものとほぼ同じであり、従って、それぞれの構成要素の参照番号の接頭数字の7を削除した参照番号が、図11に示した参照番号と同じものは同一機能の構成要素であることを示している。
【0049】図4はこの発明の第2の実施例を示す自動車の電気システム構成図であり、図1に示した構成要素と同一機能を有するものには同一参照番号を付している。
【0050】すなわち図4に示した構成が図1に示した構成と異なっている点は、各モジュール電池に複数組のユニットDC−DCコンバータを並列接続する電気システムであり、この図ではその並列数を2の場合で示している。
【0051】すなわち図4において、10a〜10cはモジュール電池を示し、図1に示したモジュール電池10に相当する。また、600a1〜600c2はユニットDC−DCコンバータを示し、図1に示したユニットDC−DCコンバータ600に相当する。このユニットDC−DCコンバータ600a1、600a2は接続線610a1を介してモジュール電池10aに並列接続する。同様に、ユニットDC−DCコンバータ600b1、600b2はモジュール電池10bに並列接続し、ユニットDC−DCコンバータ600c1、600c2はモジュール電池10cに並列接続している。
【0052】また、車両制御装置500からの指令により、各ユニットDC−DCコンバータが個別に制御動作をするが、この制御動作は図1に示したた実施例と同じであり、その結果、ユニットDC−DCコンバータは電気システムの構成や車種に関係なく標準化が図れ、また、各モジュール電池の放電電流の均等化が図れる。
【0053】
【発明の効果】この発明は、主電池を構成するモジュール電池の端子電圧を入力電圧とし、補助電池の端子電圧を出力電圧とするユニットDC−DCコンバータを必要数直並列接続して、主電池から補助電池を充電する自動車の電気システムにしたので、以下の(1)〜(4)項に記す効果が期待できる。
(1)ユニットDC−DCコンバータは電気自動車,ハイブリット自動車などの電気システムの構成や車種に関係なく製作でき、従って、ユニットDC−DCコンバータの標準化が図れる。
(2)上述の標準化により、ユニットDC−DCコンバータの価格低減が図れ、自動車の電気システムの価格低減に大きく寄与する。
(3)ユニットDC−DCコンバータを可逆動作にすることにより、自動車全体の動作信頼性が向上する。
(4)各モジュール電池の放電電流の均等化が図れ、その結果、主電池の寿命が大幅に延びる。
【0054】
【出願人】 【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖 (外2名)
【公開番号】 特開2002−10410(P2002−10410A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−190204(P2000−190204)