| 【発明の名称】 |
電動モータ付車両のクリープ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】上原 康司
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| 【要約】 |
【課題】センサ類を新たに追加することなく、既存の設備でクリープトルクを適正に制御する。
【解決手段】シフトポジションが前進走行可能レンジ(Dレンジ等)にセットされ、且つフットブレーキを踏み込んで停車している状態から、発進操作すべくフットブレーキに対する踏力を開放すると、CVTのプライマリプーリ回転数Npを算出し(S14)、プライマリプーリ回転数Npが、690rpm≦Np≦700rpm(時速3〜8Km/h)になるように、駆動用モータBのモータB指示トルクTbを制御し(S19〜S22)、クリープトルクを発生させる。この場合、プライマリプーリ回転数Npを、エンジン出力軸とプライマリプーリとの間に介装されているプラネタリギヤユニットの駆動用モータBに連結するリングギヤの回転数Nrと、エンジン出力軸に直結するサンギヤの回転数Nsとに基づいて算出するようにしたので、リングギヤ回転数NbはモータB回転数を検出し、又サンギヤ回転数Nsはエンジン回転数を検出することで、既存の設備のままでクリープトルクを制御することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車速が微速の状態でクリープトルクを発生させる電動モータを有する電動モータ付車両のクリープ制御装置において、微速走行中における上記電動モータの出力回転数が設定回転数に維持されるように該電動モータのトルクを制御することを特徴とする電動モータ付車両のクリープ制御装置。 【請求項2】上記電動モータの出力回転数と走行レンジ検出手段で検出した走行レンジの種別により降下方向への移動を検出し、降下方向への移動を検出したときは上記電動モータのトルクを制御することを特徴とする請求項1記載の電動モータ付車両のクリープ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータによりクリープトルクを発生させるようにした電動モータ付車両のクリープ制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】エンジンを走行の動力源とした通常のAT車(トルクコンバータと自動変速機とを組み合せた車両)は、トルクコンバータから発生するクリープトルクにより、シフトが、Dレンジ等の走行可能レンジにセットされているときは、アクセルペダルが踏まれていなくとも、微低速で走行するように設定されており、このクリープトルクにより、車庫入れや渋滞時の等では、ブレーキの踏み加減のみで、車速をコントロールすることができる。 【0003】一方、電動モータを主な駆動源とする電気自動車、ハイブリッド車等の電動モータ付車両でも、通常のAT車のようなクリープトルクを発生させることで、AT車から電動モータ付車両に乗り換えた場合に、違和感なく操作できるようにした技術が種々提案されている。 【0004】例えば特開平6−261416号公報には、ブレーキペダルが踏み込まれた停車に近い走行状態にあるとき、実際の車速が微速となるようなクリープトルクを発生させるべく、電動モータの出力トルクを増減する技術が開示されている。 【0005】すなわち、この公報に開示されている技術では、路面勾配や車両重量などの運転条件の相違に拘わらず、適切なクリープトルクを得るために、車両傾斜角を検出する傾斜角センサや、車両重量を検出する重量センサを設けて、傾斜角と車両重量とに応じて基本クリープ制御量と学習制御量とを読込み、電動モータのクリープトルク制御を行うようにしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に開示されている技術では、傾斜角センサや重量センサなど通常制御では使用しない特別なセンサを新たに追加しなければ、クリープトルクを適正に制御することが困難であるため、部品点数の増加を招き、製品コストが高くなるばかりでなく、既存の電動モータ付車両に適用することが困難であるため、汎用性に欠ける課題がある。 【0007】本発明は、上記事情に鑑み、センサ類を新たに追加することなく、既存の設備で、クリープトルクを適正に制御することができ、製品コストの高騰を抑制し、汎用性に優れた電動モータ付車両のクリープ制御装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、車速が微速の状態でクリープトルクを発生させる電動モータを有する電動モータ付車両のクリープ制御装置において、微速走行中における上記電動モータの出力回転数が設定回転数に維持されるように該電動モータのトルクを制御することを特徴とする。 【0009】このような構成では、微速走行の際には、電動モータの出力回転数が設定回転数に維持されるように、該電動モータのトルクを制御して一定のクリープトルクを発生させる。 【0010】この場合、好ましくは、上記電動モータの出力回転数と走行レンジ検出手段で検出した走行レンジの種別により降下方向への移動を検出し、降下方向への移動を検出したときは上記電動モータのトルクを制御することを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1にハイブリッド車の駆動系の基本構成図を示す。 【0012】本実施の形態では、電動モータ付車両の一例としてハイブリッド車を示す。このハイブリッド車は、エンジンと2つの電動モータA,Bとを併用するパラレルハイブリッド式の車両であり、エンジン1と、エンジン1の出力軸1aに直結されてエンジン1の起動及び発電・動力アシストを担う発電用モータAと、発電用モータAから延出するエンジン1の出力軸1aに連結されるシングルピニオン式プラネタリギヤユニット3と、このシングルピニオン式プラネタリギヤユニット3の機能を制御し、発進・後進時の駆動力源になると共に減速エネルギーの回収を担う駆動用モータBと、変速及びトルク増幅を行なって走行時の動力変換機能を担う無段変速装置5とを基本構成とする駆動系を備えている。 【0013】上記プラネタリギヤユニット3は、サンギヤ3a、このサンギヤ3aに噛合するピニオンを回転自在に支持するキャリア3b、ピニオンと噛合するリングギヤ3cを有しており、サンギヤ3aとリングギヤ3cとを締結・解放するためのロックアップクラッチ6が設けられている。 【0014】また、上記無段変速装置5は、入力軸5aに軸支されるプライマリプーリ5bと出力軸5cに軸支されるセカンダリプーリ5dとの間に駆動ベルト5eを巻装して構成されており、以下、無段変速装置5をCVT5として説明する。 【0015】すなわち、本実施の形態におけるハイブリッド車の駆動系では、サンギヤ3aとリングギヤ3cとの間にロックアップクラッチ6を介装したプラネタリギヤユニット3がエンジン1の出力軸1aとCVT5の入力軸5aとの間に配置されており、プラネタリギヤユニット3のサンギヤ3aがエンジン1の出力軸1aに発電用モータAを介して結合されると共に、キャリア3bがCVT5の入力軸5aに結合され、リングギヤ3cに駆動用モータBが連結されている。そして、CVT5の出力軸5cに減速歯車列7を介してデファレンシャル機構8が連設され、このデファレンシャル機構8に駆動軸9を介して前輪或いは後輪の駆動輪10が連設されている。 【0016】この場合、上述したようにエンジン1及び発電用モータAをプラネタリギヤユニット3のサンギヤ3aへ結合すると共にリングギヤ3cに駆動用モータBを結合してキャリア3bから出力を得るようにし、更に、キャリア3bからの出力をCVT5によって変速及びトルク増幅して駆動輪10に伝達するようにしているため、2つの電動モータA,Bは発電と駆動力供給との両方に使用することができる。 【0017】また、走行条件に応じてロックアップクラッチ6によりプラネタリギヤユニット3のサンギヤ3aとリングギヤ3cとを締結することで、間に2つの電動モータA,Bが配置された、エンジン1からCVT5に至るエンジン直結の駆動系を形成することができる。 【0018】この駆動系は、基本的にハイブリッドシステム制御ECU(HEV_ECU)15により、システム全体が集中制御される。このHEV_ECU15はマイクロコンピュータとマイクロコンピュータによって制御される機能回路とから構成されている。 【0019】HEV_ECU15には、ドライバの運転操作状況を検出するセンサ・スイッチ類、例えば、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ(APS)22、図示しないブレーキペダルの踏み込みによってONするブレーキスイッチ23、シフトポジションがD,Ds(スポーツモード),Rレンジ等の走行可能レンジにセットされているか否かを検出する走行レンジ検出手段の一例であるシフトレンジスイッチ24、及びエンジン回転数センサ25等が接続されている。 【0020】そして、HEV_ECU15では、各センサ・スイッチ類からの信号に基づいて、エンジン1の制御、CVT5の変速制御を行うと共に、各電動モータA,Bの駆動を制御し、更に、ロックアップクラッチ6の断続を制御する。 【0021】又、HEV_ECU15では、車両が停車状態に近い走行条件のとき、駆動用モータBのトルクを制御して、車速が一定となるようなクリープトルクを発生させる。 【0022】このクリープトルク制御は、具体的には、図2〜図4に示すフローチャートに従って処理される。これらは、予め設定された所定周期(例えば、10ms)毎に実行される。 【0023】図2に示すノーマルクリープトルク制御判定ルーチンでは、ステップS1〜S4において、車両がノーマルクリープトルク制御領域にあるか否かを調べる。 【0024】先ず、ステップS1でシフトポジションが走行可能レンジ(D,Ds,Rレンジ)にセットされているか否かを、シフトレンジスイッチ24の出力信号に基づいて判断し、走行可能レンジにセットされているときは、ステップS2へ進み、走行可能レンジ以外のレンジ(P,Nレンジ等)にセットされているときは、ステップS6へジャンプする。 【0025】ステップS2へ進むと、APS22の出力信号に基づき、アクセルペダルが開放状態にあるか否かを調べ、開放状態のときは、ステップS3へ進み、又、アクセルペダルが踏み込まれているときは、ステップS6へジャンプする。 【0026】ステップS3へ進むと、プライマリプーリ5bの回転数(プライマリプーリ回転数)Npを、次式に基づいて算出する。Np=(Gr・Nr+Gs・Ns)/(Gr+Gs) …(1)但し、Gs:リングギヤ3cの歯数、Nr:リングギヤ回転数、Gs:サンギヤ3aの歯数、Ns:サンギヤ3aの回転数である。 【0027】ここで、リングギヤ3cは駆動用モータBにより回転数制御されており、リングギヤ3cと駆動用モータBとは一体回転するため、駆動用モータBからフィードバック送信されたモータB回転数Nbを検出することで、リングギヤ3cの回転数Nrを求めることができる(Nb=Nr)。この場合、モータB回転数Nbを検出するレゾルバは、正回転、負回転を検出することが可能であるため、リングギヤ回転数Nrは正負の符号を持ち、従って、プライマリプーリ回転数Npは正負の符号を有する。 【0028】又、サンギヤ3aはエンジン1に直結されており、エンジン1とサンギヤ3aとは一体回転するため、エンジン回転数センサ25で検出したエンジン回転数Neを検出することで、サンギヤ3aの回転数Nsを求めることができる(Ne=Ns)。尚、発電用モータAもエンジン1に直結されているため、モータA回転数Naからサンギヤ回転数Nsを求めることもできる。 【0029】エンジン回転数センサ25は、クランク角センサで代表されるように、エンジン1に対して、通常併設されているものであり、従って、プライマリプーリ回転数Npは、既存のセンサ類からの検出データを利用して求めることかでき、センサ類を特別に設ける必要がない。 【0030】次いで、ステップS4へ進み、プライマリプーリ回転数Npが±1400rpmの範囲に収まっているか否かを調べ、収まっているときは(−1400≦Np≦1400)、微速走行中と判断し、ステップS5へ進む。又、外れているときは(Np<−1400、或いは1400<Np)、ステップS6へ分岐する。 【0031】尚、CVT5は車速が低下するに従い変速比を次第に大きく変化させ、零に近い車速では最大の変速比となる。微速走行中のCVT5の変速比は最大値で固定されており、従って、微速走行中の車速とプライマリプーリ回転数Npとは比例関係にある。本実施の形態では、クリープ走行車速の最大値を、プライマリプーリ回転数Npで1400rpmに設定しているが、これは、後進走行も含めて、10Km/h前後の車速に相当する値である。 【0032】そして、微速走行中であると判断されて、ステップS5へ進むと、クリープ中フラグX_CLPをセットして(X_CLP=1)、ルーチンを抜ける。 【0033】一方、ステップS6へ分岐したとき、すなわち、クリープ走行以外の走行状態、例えば10Km/h以上の車速で、シフトポジションをDレンジ等の前進走行可能レンジにセットした状態で、降坂路を惰性走行し、或いはシフトポジションを後進走行可能レンジ(Rレンジ)にセットした状態で降坂路を惰性走行している(車両がバックしている)とき、又は、シフトポジションが、N,Pレンジ等の停車レンジにセットされているときは、クリープ中フラグX_CLPをクリアして(X_CLP=0)、ルーチンを抜ける。 【0034】ノーマルクリープトルク制御では、シフトポジションが走行可能レンジ(D,Ds,Rレンジ)にセットされており、且つアクセルペダル開放状態であっても、プライマリプーリ回転数Npが±1400rpmの範囲に収まっていないときは、車両が降下方向へ惰性走行しているような状態であると判断し、クリープ走行と峻別するようにしたので、以後の制御では、不要なクリープトルク制御が行われず、良好なクリープトルク制御性を得ることができる。 【0035】ステップS5或いはS6で設定されるクリープ中フラグX_CLPの値は、図3、図4に示すクリープトルク制御ルーチンで読込まれる。 【0036】このルーチンでは、先ず、ステップS11で、クリープ中フラグX_CLPの値を参照して、走行状態を調べ、続くステップS12でブレーキフラグX_BRKの値を参照して、フットブレーキの操作状態を調べる。 【0037】尚、ブレーキフラグX_BRKは、ブレーキスイッチ23の出力信号に基づいて設定されるもので、ブレーキスイッチ23がONのときセットされ、OFFのときクリアされる。 【0038】そして、X_CLP=0、或いはX_BRK=1のブレーキ踏込み状態のときは、ステップS13へ分岐し、後述するモータB指示トルク初期設定フラグX_Tbをクリアして(X_Tb=0)、ルーチンを抜ける。一方、X_CLP=1のノーマルクリープトルク制御状態で、且つX_BRK=0のブレーキ未踏状態のときは、ステップS14へ進む。 【0039】ステップS14へ進むと、シフトポジションが前進走行可能レンジ(D、或いはDsレンジ)にあるか否かを、シフトレンジスイッチ24の出力信号に基づいて判断し、前進走行可能レンジ以外のレンジにセットされているときは、ステップS23へ分岐する。一方、前進走行可能レンジにセットされているときは、ステップS15へ進む。 【0040】そして、ステップS15以下で、前進走行時クリープトルク制御を実行する。先ず、ステップS15では、上述したステップS3と同様の計算方法で、プライマリプーリ回転数Npを算出する。 【0041】その後、ステップS16へ進み、モータB指示トルク初期設定フラグX_Tbの値を参照し、X_Tb=0、すなわち、前進走行時クリープトルク制御へ移行した後、最初のルーチン実行時は、ステップS17へ進み、プライマリプーリ回転数Npに基づきテーブルを補完計算付で参照して、モータB指示トルクTbの初期値を設定し、ステップS18で、モータB指示トルク初期設定フラグX_Tbをセットした後(X_Tb=1)、ルーチンを抜ける。 【0042】図6に示すように、テーブルには正回転、負回転双方のプライマリプーリ回転数Npに対応するモータB指示トルクTbが格納されている。正回転方向では、プライマリプーリ回転数Npが上昇するに従い減少する値のモータB指示トルクTbが格納されており、又、負回転方向では、プライマリプーリ回転数Npが減少するに従い減少する値のモータB指示トルクTbが格納されている。 【0043】例えば、登坂路で停車している状態から発進しようとして、フットブレーキを開放すると、車両は一瞬後退するが、このとき、ステップS15では、前進時の回転方向とは逆の負回転のプライマリプーリ回転数Npが算出され、このプライマリプーリ回転数Npに基づきテーブル参照によりモータB指示トルクTbの初期値が算出され、このモータB指示トルクTbに応じたトルク指令を駆動用モータBへ出力するため、この駆動用モータBの回転によりクリープトルクが発生し、車両の後退が阻止される。 【0044】一方、その後、再びルーチンが実行されて、ステップS16へ至ると、モータB指示トルク初期設定フラグX_Tbがセットされているため、ステップS19へ進み、このステップS19以下で、車両が微速走行するように駆動用モータBのトルク制御を行う。 【0045】先ず、ステップS19,S20で、プライマリプーリ回転数Npが、690rpm≦Np≦700rpmの範囲にあるか否かを調べる。上述したように、プライマリプーリ回転数Npと車速とは比例しており、本実施の形態では、微速走行時の車速を3〜8Km/hとし、この車速に対応するプライマリプーリ回転数Npを、690〜700rpmに設定している。 【0046】そして、Np<690rpmのときは、ステップS21へ進み、前回設定したモータB指示トルクTboldにクリープ増分調整トルクTcaを加算して、今回のモータBトルク指令を算出し、ルーチンを抜ける。 Tb=Tbold+Tca尚、このときのモータB指示トルクTbの加算値は20Nm以下となるようにリミッタが設けられている。 【0047】一方、Np>700rpmのときは、ステップS22へ進み、前回設定したモータB指示トルクTboldにクリープ減分調整トルクTcdを減算して、今回のモータBトルク指令を算出し、ルーチンを抜ける。 Tb=Tbold−Tcd尚、このときのモータB指示トルクTbの減算値は3Nm以上となるようにリミッタが設けられている。 【0048】その結果、急な登坂路で停車した状態から発進させるために、フットブレーキを開放すると、上述したように駆動用モータBが、テーブル検索により設定したモータB指示トルクTbの初期値に対応するクリープトルクを発生させて、車両の後退を阻止し、次いで、モータB指示トルクTbを、微速前進走行可能な車速(3〜8Km/h)に達するまで増加させ、この車速が維持される。そのため、運転者は急な登坂路での発進操作に際しても、フットブレーキの開放操作とアクセルペダルを踏み込む操作とを連続的に慌ただしく行う必要が無く、余裕を持って各々の操作を行うことができる。 【0049】又、ステップS14で、シフトポジションが前進走行可能レンジ(D、或いはDsレンジ)以外のレンジにセットされていると判断されて、ステップS23へ進むと、シフトポジションが後進走行可能レンジ(Rレンジ)にセットされているか否かを調べ、後進走行可能レンジ(Rレンジ)にセットされていないときは、そのままルーチンを抜ける。 【0050】一方、シフトポジションがRレンジにセットされているときは、ステップS24へ進み、このステップS24以下で、後進走行時クリープトルク制御を行う。先ず、ステップS24では、上述したステップS3と同様の計算方法で、プライマリプーリ回転数Npを算出する。 【0051】次いで、ステップS25へ進み、モータB指示トルク初期設定フラグX_Tbの値を参照し、X_Tb=0、すなわち、後進走行時クリープトルク制御へ移行した後、最初のルーチン実行時の場合は、ステップS17へ戻り、モータB指示トルクTbの初期値を設定する。 【0052】その結果、例えば、降坂路で停車している状態から登坂方向へ後進しようとして、フットブレーキを開放すると、車両は一瞬前進するが、このとき、ステップS24では、正回転のプライマリプーリ回転数Npが算出され、このプライマリプーリ回転数Npに基づきテーブル参照によりモータB指示トルクTbの初期値が算出され、このモータB指示トルクTbに応じたトルク指令が駆動用モータBへ出力されるため、この駆動用モータBの回転によりクリープトルクが発生し、車両の前進が阻止される。 【0053】一方、その後、再びルーチンが実行されて、ステップS25へ至ると、モータB指示トルク初期設定フラグX_Tbがセットされているため、ステップS28へ進み、このステップS28以下で、車両が微速前進走行するように駆動用モータBのトルク制御を行う。 【0054】先ず、ステップS28,S29で、プライマリプーリ回転数Npが、−690rpm≧Np≧−700rpmの範囲にあるか否かを調べる。上述したように、プライマリプーリ回転数Npと車速とは比例しており、本実施の形態では、微速後進走行時の車速を3〜8Km/hとし、この車速に対応するプライマリプーリ回転数Npを、−690〜−700rpmに設定している。 【0055】そして、Np>−690rpmのときは、ステップS30へ進み、前回設定したモータB指示トルクTboldにクリープ増分調整トルクTcraを加算して、今回のモータBトルク指令を算出し、ルーチンを抜ける。 Tb=Tbold+Tcra尚、このときのモータB指示トルクTbの加算値は−20Nm以下となるようにリミッタが設けられている。 【0056】一方、Np<−700rpmのときは、ステップS31へ進み、前回設定したモータB指示トルクTboldにクリープ減分調整トルクTcrdを減算して、今回のモータBトルク指令を算出し、ルーチンを抜ける。 Tb=Tbold−Tcrd尚、このときのモータB指示トルクTbの減算値は−3Nm以上となるようにリミッタが設けられている。 【0057】その結果、急な降坂路で停車した状態から登坂方向へ後進させるために、フットブレーキを開放すると、上述したように駆動用モータBが、テーブル検索により設定したモータB指示トルクTbの初期値に対応するクリープトルクを発生させて、車両の降下方向への移動を阻止し、次いで、モータB指示トルクTbを、微速後進走行可能な車速(3〜8Km/h)に達するまで増加し、この車速が維持される。そのため、運転者は急な降坂路での後退操作に際しても、フットブレーキの開放操作とアクセルペダルを踏み込む操作とを連続的に慌ただしく行う必要が無く、余裕を持って各々の操作を行うことができる。 【0058】このように、本実施の形態によれば、例えば登坂路での前進方向への発進操作、降坂路での後進方向への発進操作に際し、シフトポジションとプライマリプーリ5bの回転方向とにより、プライマリプーリ5bが本来の回転方向とは逆方向へ回転しているか否かを判断するようにしたので、車両の降下方向への移動を、センサ類を追加することなく、既存の設備で正確に検出することができる。 【0059】又、駆動用モータBの回転数Nb(=リングギヤ回転数Nr)とエンジン回転数(=サンギヤ回転数Ns)とを使用して、登坂路での降下方向への移動に抗するクリープトルクの不足分を、駆動用モータBのトルクを増減することで調整して、車両の降下方向への移動を阻止すると共に、駆動用モータBの回転数を登坂方向へ微速走行可能となるように制御したので、運転者は慌てることなく、余裕を持って発進操作を行うことができる。 【0060】尚、本発明は上述した実施の形態に限るものではなく、例えばクリープトルクを発生させる電動モータを備えている車両であれば、ハイブリッド車に限らず、電気自動車であっても良い。 【0061】 【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、センサ類を新たに追加することなく、既存の設備で、クリープトルクを適正に制御することができ、製品コストの高騰を抑制し、優れた汎用性を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005348 【氏名又は名称】富士重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月15日(2000.6.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076233 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 進
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| 【公開番号】 |
特開2002−10407(P2002−10407A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月11日(2002.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−180265(P2000−180265) |
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