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【発明の名称】 車両のエネルギー蓄積装置用制御装置
【発明者】 【氏名】坪根 賢二

【要約】 【課題】目的地の設定がない場合であっても、道路の高度もしくは勾配に基づくエネルギーの有効利用を図って燃費を向上させる。

【解決手段】車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、検出された現在位置から所定の範囲に存在する経路の高度と勾配とのいずれかを含む道路情報を検出する道路情報検出手段と、前記車両の動力源の負荷を、その検出された道路情報に基づいて経路ごとに予測する負荷予測手段(ステップS6,S7)と、その負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギーの蓄積および放出を制御する蓄積放出制御手段(ステップS10,S12,S15,S16)とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の動力源から駆動輪に到る駆動系統との間で動力を授受することにより、その駆動系統からエネルギーを回収して蓄積し、かつ蓄積したエネルギーを放出要求に応じて放出するエネルギー蓄積手段を備えた車両のエネルギー蓄積装置用制御装置において、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、検出された現在位置から所定の範囲に存在する経路の高度と勾配とのいずれかを含む道路情報を検出する道路情報検出手段と、前記車両の動力源の負荷を、その検出された道路情報に基づいて経路ごとに予測する負荷予測手段と、その負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出を制御する蓄積放出制御手段とを備えていることを特徴とする車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項2】 前記所定範囲は、前記現在位置からの距離に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項3】 前記所定範囲は、前記現在位置を通る道路の現在位置からの分岐点の数に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項4】 前記所定範囲は、前記現在位置での前記車両の進行方向を加味して設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項5】 前記車両の目的地を設定する目的地設定手段と、この目的地設定手段で目的地が設定されている場合には、前記所定範囲は、その目的地に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項6】 前記負荷予測手段は、前記所定範囲内における予め定めた条件を満たす主要経路についての動力源の負荷を予測するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項7】 前記予め定めた条件を満たす主要経路は、前記車両を誘導するナビゲーション装置が推奨経路を選択するための条件を満たす経路であることを特徴とする請求項6に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項8】 現在位置から入力された目的地までの推奨経路を求めて出力するナビゲーション装置を更に備え、前記負荷予測手段は、前記ナビゲーション装置で求められた推奨経路についての動力源の負荷を予測するように構成さていることを特徴とする請求項6に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項9】 前記蓄積放出制御手段は、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、実際のエネルギー蓄積状態と計画したエネルギー蓄積状態との差が所定値以上になった場合に前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項10】 前記蓄積放出制御手段は、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、その計画のもとになる経路と異なる経路を前記車両が走行していることが検出された場合に前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項11】 前記蓄積放出制御手段は、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、前記車両が前記所定範囲内の経路における所定の分岐点に到達するごとに前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項12】 前記蓄積放出制御手段は、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、前記車両が前記所定の範囲を出る前に前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項13】 前記蓄積放出制御手段は、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、前記車両が前記所定の範囲内を走行して予め定めた所定の条件を満たすごとに前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項14】 前記エネルギー蓄積手段は、前記車両に搭載された空調装置用コンプレッサーと、バッテリ充電用のオルタネータと、発電機機能および電動機機能を備えたモータ・ジェネレータと、エネルギーを回収しつつ制動力を生じさせる回生ブレーキとのいずれかを含むことを特徴とする請求項1ないし13に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項15】 前記空調装置は、熱エネルギーを蓄積する蓄熱装置を備えていることを特徴とする請求項14に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【請求項16】 前記空調装置は、前記車両の廃熱を電力に変換して蓄積する廃熱回収手段を備え、かつ前記計画策定手段は前記廃熱回収手段で蓄積された電力を優先的に使用して前記コンプレッサーを駆動する前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定するよう構成されていることを特徴とする請求項14に記載の車両のエネルギー蓄積装置用制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の有するエネルギーを蓄積してその有効利用を図るエネルギー蓄積装置のための制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の燃費の向上およびそれに伴う排ガスの削減が強く望まれていることは周知のとおりである。そこで例えば特開平8−331772号公報に記載された発明では、ナビゲーションシステムを利用して走行予定路の勾配もしくは標高データを取得し、降坂路ではエネルギー回生によって充電をおこない、また登坂路や平坦路では、その回生した電力を走行のために使用し、所定の降坂路の直前では充電量がほぼゼロとなるように制御し、また平坦路ではそれに続く降坂路での充電量が最大充電量を超えないように放電量を制御するなどのことにより、電力の回生および放出を効率よくおこなって燃費を向上させるように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載されているナビゲーションシステム(ナビゲーション装置)あるいはこれに類する従来のナビゲーション装置は、人工衛星を利用したGPS(グローバル・ポジションニング・システム)や自律航法システムなどによって自車両の位置を検出して、電子化した地図データ上に自車両の位置を表示する機能を基本的な機能として有している。そして、目的地を入力することにより、自車両の現在位置からその目的地までの推奨経路を求め、その推奨経路を表示することにより、車両を目的地に誘導するように構成されている。最近では、その推奨経路の平面上での位置データのみならず、標高データや登降坂路の勾配データなどを利用できるようになってきており、上記の公報に記載された発明では、その推奨経路における標高データもしくは勾配データを利用して,エネルギーの回生と放出とを効率よくおこなうように構成している。
【0004】したがって、上記の公報に記載された発明では、目的地が入力されること、その目的地までの推奨経路もしくは走行予定経路が求められていることが必須となる。しかしながら、車両に搭載されているナビゲーション装置は、任意に選択して使用される装置であり、またその誘導機能は、目的地までの経路を運転者が知らない場合に使用されるのが一般的であって、その使用頻度は必ずも高くない。そのため、日常的に走行している道路では、ナビゲーション装置の誘導機能が使用されないことになり、走行経路に適したエネルギーの回生・放出の制御をおこなうことができず、燃費の向上を図れなくなる可能性がある。
【0005】この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、走行予定路が不明な場合であっても車両の有するエネルギーの蓄積や放出を効率よくおこない、車両の動力性能を阻害することなく燃費を向上させることのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明は、上記の目的を達成するために、車両の現在位置を検出するとともに、その検出した現在位置から所定の範囲内の経路についての勾配などの道路情報から動力源の負荷を予測し、その予測結果に基づいてエネルギーの蓄積・放出を制御するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、車両の動力源から駆動輪に到る駆動系統との間で動力を授受することにより、その駆動系統からエネルギーを回収して蓄積し、かつ蓄積したエネルギーを放出要求に応じて放出するエネルギー蓄積手段を備えた車両のエネルギー蓄積装置用制御装置において、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、検出された現在位置から所定の範囲に存在する経路の高度と勾配とのいずれかを含む道路情報を検出する道路情報検出手段と、前記車両の動力源の負荷を、その検出された道路情報に基づいて経路ごとに予測する負荷予測手段と、その負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出を制御する蓄積放出制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0007】したがって請求項1の発明では、現在位置が検出されるとともに、その現在位置から所定範囲の経路を走行したと仮定した場合の動力源の負荷が、経路の勾配もしくは高度を含む道路情報に基づいて求められる。すなわち所定の範囲の経路についての動力源の負荷が予測される。そして、最高の負荷の経路を走行した場合、あるいは最低の負荷の経路を走行した場合に、蓄積したエネルギーに過不足が生じないように、エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出が制御される。したがって目的地が設定されていない場合であっても、現在位置が検出されれば、車両の有するエネルギーの蓄積と放出とが効率よくおこなわれ、動力性能を低下させることなく、燃費を向上させることができる。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1における前記所定範囲が、前記現在位置からの距離に基づいて設定されていることを特徴とする制御装置である。
【0009】したがって請求項2の発明では、請求項1の発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が、現在位置からの距離によって特定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減される。
【0010】さらに、請求項3の発明は、請求項1の発明における前記所定範囲が、前記現在位置を通る道路の現在位置からの分岐点の数に基づいて設定されていることを特徴とする制御装置である。
【0011】したがって、請求項3の発明では、請求項1の発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が、現在位置から延びている経路での分岐点の数によって特定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減される。
【0012】そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおける前記所定範囲が、前記現在位置での前記車両の進行方向を加味して設定されていることを特徴とする制御装置である。
【0013】したがって請求項4の発明では、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減される。
【0014】またさらに、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記車両の目的地を設定する目的地設定手段と、この目的地設定手段で目的地が設定されている場合には、前記所定範囲は、その目的地に基づいて設定されていることを特徴とする制御装置である。
【0015】したがって請求項5の発明では、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減される。
【0016】そしてまた、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおける前記負荷予測手段が、前記所定範囲内における予め定めた条件を満たす主要経路についての動力源の負荷を予測するよう構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0017】したがって請求項6の発明では、請求項1ないし5のいずれかの発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減される。
【0018】そしてさらに、請求項7の発明は、請求項6において、前記予め定めた条件を満たす主要経路が、前記車両を誘導するナビゲーション装置が推奨経路を選択するための条件を満たす経路であることを特徴とする制御装置である。
【0019】したがって、請求項7の発明では、請求項6の発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減されるとともに、動力源の負荷を予測した経路を実際に走行する頻度が高くなるので、演算の繰り返し回数を低減することができる。
【0020】さらにまた、請求項8の発明は、請求項6の発明において、現在位置から入力された目的地までの推奨経路を求めて出力するナビゲーション装置を更に備え、前記負荷予測手段が、前記ナビゲーション装置で求められた推奨経路についての動力源の負荷を予測するように構成さていることを特徴とする制御装置である。
【0021】したがって請求項8の発明では、請求項6の発明と同様の作用に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量が低減されるとともに、動力源の負荷を予測した経路を実際に走行する頻度が高くなるので、演算の繰り返し回数を低減することができる。
【0022】また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかにおける前記蓄積放出制御手段が、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、実際のエネルギー蓄積状態と計画したエネルギー蓄積状態との差が所定値以上になった場合に前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0023】したがって請求項9の発明では、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の作用に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果に優れる。
【0024】さらに、請求項10の発明は、請求項1ないし8のいずれかにおける前記蓄積放出制御手段が、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、その計画のもとになる経路と異なる経路を前記車両が走行していることが検出された場合に前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0025】したがって請求項10の発明では、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の作用に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果に優れる。
【0026】またさらに、請求項11の発明は、請求項1ないし8のいずれかにおける前記蓄積放出制御手段が、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、前記車両が前記所定範囲内の経路における所定の分岐点に到達するごとに前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0027】したがって請求項11の発明では、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の作用に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果に優れる。
【0028】そしてまた、請求項12の発明は、請求項1ないし8のいずれかにおける前記蓄積放出制御手段が、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、前記車両が前記所定の範囲を出る前に前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0029】したがって請求項12の発明では、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の作用に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果に優れる。
【0030】そしてさらに、請求項13の発明は、請求項1ないし8のいずれかにおける前記蓄積放出制御手段が、前記負荷予測手段で予測された動力源の負荷のうち最大負荷の経路もしくは最低負荷の経路を走行した場合に前記蓄積されたエネルギーに過不足が生じないように前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定する計画策定手段と、前記車両が前記所定の範囲内を走行して予め定めた所定の条件を満たすごとに前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を更新する更新手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0031】したがって請求項13の発明では、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の作用に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果に優れる。
【0032】またそして、請求項14の発明は、請求項1ないし13の発明において、前記エネルギー蓄積手段が、前記車両に搭載された空調装置用コンプレッサーと、バッテリ充電用のオルタネータと、発電機機能および電動機機能を備えたモータ・ジェネレータと、エネルギーを回収しつつ制動力を生じさせる回生ブレーキとのいずれかを含むことを特徴とする制御装置である。
【0033】したがって請求項14の発明では、請求項1ないし13の発明と同様の作用に加え、車両の有するエネルギーを熱エネルギーあるいは電気エネルギーなど形態で蓄積し、かつ利用することができる。
【0034】さらにそして、請求項15の発明は、請求項14における前記空調装置が、熱エネルギーを蓄積する蓄熱装置を備えていることを特徴とする制御装置である。
【0035】したがって請求項15の発明では、請求項14の発明と同様の作用に加え、車両の有するエネルギーを熱エネルギーとして蓄積し、かつ再利用することができる。
【0036】そして、請求項16の発明は、請求項14における前記空調装置が、前記車両の廃熱を電力に変換して蓄積する廃熱回収手段を備え、かつ前記計画策定手段は前記廃熱回収手段で蓄積された電力を優先的に使用して前記コンプレッサーを駆動する前記エネルギー蓄積手段によるエネルギーの蓄積および放出の計画を策定するよう構成されていることを特徴とする制御装置である。
【0037】したがって請求項16の発明では、請求項14の発明と同様の作用に加え、廃熱から回収した電力を優先的に使用して空調装置のコンプレッサーを駆動するので、その廃熱から回収した電力分、動力源に対する負荷が低減され、その結果、動力源を駆動するために消費するエネルギーが少なくなって燃費が向上し、また走行のための動力性能が向上する。
【0038】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とすることのできる車両1について説明すると、図7において、動力源2の出力側に変速機3が連結され、その出力軸4がデファレンシャルを介して駆動輪5に連結されている。その動力源2としては、ガソリンエンジンなどの内燃機関を単独で使用する以外に、電動機と内燃機関とを組み合わせたハイブリッド機構あるいは電動機を単独で使用する構成などを採用することができる。以下に述べる例では、動力源2としてエンジン6およびモータ・ジェネレータ7を併用したハイブリッド機構を用いた例を示す。なお、このエンジン6とモータ・ジェネレータ7とは、それぞれの出力軸を直接連結した構成としてもよく、あるいは遊星歯車機構などのトルク合成・分配機構を介してそれぞれの出力軸を連結するように構成してもよい。
【0039】また、変速機3は、要は、入力回転数と出力回転数との比率を適宜に変更できる構成のものであり、有段式の自動変速機や無段変速機を採用することができる。
【0040】エンジン6は、スロットル開度や点火時期あるいはバルブの開閉タイミングを電気的に制御できるように構成されており、その制御をおこなうエンジン用電子制御装置(E−ECU)8が設けられている。また、変速機3は、変速比や変速パターンを電気的に制御できるように構成されており、その制御をおこなう変速機用電子制御装置(T−ECU)9が設けられている。
【0041】前記モータ・ジェネレータ7は、一例として固定磁石式同期電動機であって、インバータ10を介して高圧バッテリー11に接続されている。これらのインバータ10および高圧バッテリー11を制御するための電子制御装置(M−ECU)12が設けられている。そしてこの電子制御装置12は、モータ・ジェネレータ7の出力や発電電力(すなわち高圧バッテリー11に対する充電電力)を制御するようになっている。
【0042】前記動力源2から駆動輪5に到る駆動系統との間で選択的に動力を授受する空調用コンプレッサー13が設けられている。具体的には、動力源2の出力軸から選択的にトルクが伝達されるようにコンプレッサー13が配置されている。そして、このコンプレッサー13を含む空調装置を制御する電子制御装置(A/C−ECU)14が設けられている。
【0043】さらに、前記エンジン6には、その回転数が予め定めた所定回転数以上の回転数のときに発電をおこなうオルタネータ15が連結され、その発電した電力を低圧バッテリー16に充電するようになっている。その充電を制御するための電子制御装置(B−ECU)17が設けられている。
【0044】上記の各電子制御装置8,9,12,14,17は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータと予め記憶しているデータならびにプログラムとに従って演算をおこない、その演算の結果に基づいて指令信号を出力するようになっている。また、これらの各電子制御装置8,9,12,14,17は相互にデータ通信可能に接続されており、さらにナビゲーション装置18にデータ通信可能に接続されている。
【0045】このナビゲーション装置18について更に説明すると、図8に示すように、このナビゲーション装置18は、光ディスクや磁気ディスクなどの情報記録媒体19が装填され、情報記録媒体19に記憶されている情報を読み取るプレーヤー20と、プレーヤー20により読み取られた情報を二次元や三次元で画像表示するための表示部21とを備えている。
【0046】また、ナビゲーション装置18は、車両の現在位置や道路状況を検出するための第1位置検出部22および第2位置検出部23と、道路状況を音声により運転者に知らせるスピーカ24とを備えている。上記表示部21は、室内のインストルメントパネルやグローブボックスの側方などに設けられた液晶ディスプレイ、CRTなどの他、フロントウィンドの視界に影響のない箇所に設けられた画像投影部などを用いることが可能である。
【0047】そして、これらプレーヤー20と、表示部21と、第1位置検出部22および第2位置検出部23と、スピーカ24とは、電子制御装置25により制御される。この電子制御装置25は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0048】前記情報記録媒体19には車両の走行に必要な情報、例えば地図、地名、道路、道路周辺の主要建築物、交差点などが記憶されているとともに、道路の具体的な状況、例えば直線路やカーブあるいは登坂、降坂、その勾配もしくは標高(高度)、一般路、高速道路、未舗装道、砂利道、砂漠、河川敷、林道、農道、低摩擦係数路、踏切などが記憶されている。
【0049】また、第1位置検出部22は自律航法により自車両の位置を検出するための検出部であり、車両の走行する方位を検出する地磁気センサ26、車速センサ27、ステアリングホイールの操舵角を検出するステアリングセンサ28、車両と周囲の物体との距離を検出する距離センサ29、変速機3の出力軸回転数の変化率から加速度を求める加速度センサ30などを備えている。さらに、第2位置検出部23はグローバル・ポジショニング・システム(GPS)によって自車両の位置を検出するための検出部であり、人工衛星31からの電波を受信するGPSアンテナ32と、GPSアンテナ32に接続されたアンプ33と、アンプ33に接続されたGPS受信機34とを備えている。
【0050】この第2位置検出部23は、路側、信号機、交差点の路面などに設置され、かつ、物体検知およびその伝達をおこなう地上検出システムや、道路情報を出力するビーコンまたはサインポストや、VICS(登録商標)(ビークル・インフォメーション&コミュニケーション・システム)、SSVS(スーパー・スマート・ビークル・システム)などの地上設置情報伝達システム35から発信される電波を受信するアンテナ36と、アンテナ36に接続されたアンプ37と、アンプ37に接続された地上情報受信機38とを備えている。
【0051】上記第1位置検出部22および第2位置検出部23により、現在位置の検出と走行予定道路に存在する走行阻害状態、例えば渋滞、工事中、積雪、土砂崩れ、河川の増水、通行止め、落石、倒木、交差点での停止車両、人や動物の存在、接近している前方交差点の信号機の表示(赤色、黄色、青色の別)、前方踏切の信号機や遮断機の動作状態、これらの信号機の表示もしくは遮断機の動作状態などが切り替わるまでの時間などを検出することができるようになっている。
【0052】さらに、上記のナビゲーション装置18は、自律航法により検出した自車両の位置とGPSにより検出した自車両の位置との一致・不一致を常時判定しており、例えばタイヤのスリップが原因となって自律航法での自車両の位置に狂いが生じたり、トンネルや構造物の内部における電波の受信状態の低下が原因となってGPSでの自車両の位置に狂いが生じたりした場合に、自車両の位置情報を含む走行経路情報の検出精度の低下を判定するようになっている。
【0053】図9に上記の空調装置の概要を示してある。前記コンプレッサー13は冷媒を加圧圧縮するためのものであって、前記動力源2にクラッチ39を介して連結されている。また、動力源2によらずにコンプレッサー13を駆動するために、モータ40が設けられている。コンプレッサー13の吐出口に凝縮器(コンデンサー)41が接続され、更にこのコンデンサー41に、気化熱を外部から吸収するエバポレータ42が接続されている。このエバポレータ42は、空調ダクト43の内部に配置され、ブロアー44によって吸引した空気を冷却して車室内に供給するようになっている。
【0054】気化して温度の低下した冷媒との間で熱交換をおこなうことにより、蓄熱用冷媒を冷却する熱交換器45が、エバポレータ42とコンプレッサー13との間の管路に設けられている。この蓄熱用冷媒は、空気を冷却するための冷熱エネルギーを蓄えるためのものであって、水や塩水(ブライン)、エチレングリコール溶液などの液体あるいは二酸化炭素などの気体が一例として採用されている。この蓄熱用冷媒は、上記の熱交換器45および冷媒貯留用のタンク46、前記空調ダクト43内に配置された冷却用熱交換器47ならびにポンプ48によって構成された循環管路49に封入されている。そして、熱交換器45において空調用の冷媒によって蓄熱用冷媒が冷却され、その状態でタンク46に貯留されることにより、いわゆる冷熱を蓄え、またタンク46から冷却用熱交換器47に送られて、ここで空調ダクト43内を流通する空気を冷却するようになっている。
【0055】なお、図9における符号50は温度センサーを示し、エバポレータ42の下流温度を検出してその検出信号を空調用の電子制御装置14に入力するようになっている。
【0056】上記の空調装置は、動力源2に余裕動力がある場合、あるいは動力源2が走行慣性力などによって強制的に回転させられている場合に、コンプレッサー13を駆動し、それに伴って生じる低温エネルギー(負のエネルギー)を蓄熱用冷媒によって蓄えることができ、したがって図9に示す空調装置は、エネルギー蓄積手段となっている。また、前記モータ・ジェネレータ7およびインバータ10ならびに高圧バッテリー11は、車両の走行慣性力でモータ・ジェネレータ7を駆動させて発電をおこなうことにより、エネルギーを回収(回生)して蓄積するエネルギー蓄積手段を構成し、同時にエネルギー回生に伴って制動力を生じるので、回生ブレーキ手段となっている。
【0057】上記の車両は更に他のエネルギー蓄積手段を備えている。すなわち図9において、符号51は熱・電気変換器を示し、一例としてゼーベック効果を利用した素子を主体として構成され、エンジン冷却水やエンジン6の排気管などの高温廃熱部52の熱によって起電力を生じるように構成されている。そして、その起電力を前記低圧バッテリー16に充電するように構成されている。
【0058】なお、前記オルタネータ15もエンジン6に余裕動力がある場合、あるいはエンジン6が走行慣性気力で強制的に回転させられている場合に駆動されて発電をおこない、その起電力を低圧バッテリー16に充電できるので、エネルギー蓄積手段を構成している。また、前記コンプレッサー13に連結されたモータ40は、低圧バッテリー16の電力で駆動されるように構成されている。低圧バッテリー16に替えて、あるいは低圧バッテリー16と並列的に高圧バッテリー11によってモータ40を駆動するように構成してもよい。
【0059】この発明に係る制御装置は、上述した各装置もしくはシステムを協調して制御することにより、エネルギーの有効利用を図るように構成されており、そのために各電子制御装置の間で以下のデータが相互に伝送されている。例えば、ナビゲーション装置18と動力源用電子制御装置8との間では、道路(走行経路)の高度(標高)や登降坂の別ならびに勾配などの情報が伝送され、また、その動力源用電子制御装置8と空調用電子制御装置14との間では、空調装置の制御状態や動力源2の負荷に関する情報などが伝送されている。さらに、この空調用電子制御装置14には、コンプレッサー13の駆動情報、蓄熱用冷媒による蓄熱温度に関する情報、エバポレータ42の下流温度の情報、前記熱・電気変換器51による充電電力もしくは発電電力に関する情報、バッテリー11,16からモータ40に対する給電電力に関する情報、冷熱の蓄熱量に関する情報、内外気温度および設定温度ならびに吹き出し温度さらには日射に関する情報などが入力されている。それらの入力情報にうちの所定の必要な情報は、動力源用電子制御装置8に伝送されている。
【0060】この発明に係る制御装置は、現在位置の周囲の道路情報に基づいてエネルギーの蓄積および放出の制御を実行することにより、燃費を向上させるように構成されている。その一例は、空調のためのエネルギーの蓄積および放出の制御であり、これを図1を参照して説明する。図1に示すルーチンは、車両のスタータ(図示せず)がオンになった後に所定時間ごとに繰り返されるようになっており、先ず、空調装置(エアコン)の設定温度が読み込まれる(ステップS1)。この設定温度は、運転者がスイッチ操作するなどのことによって設定された温度である。つぎに、各センサの検出値(センサー値)が読み込まれる(ステップS2)。具体的には、車室内の温度(内気温度)、車両の外部の温度(外気温度)、前記エバポレータ42の下流側の温度(エバポ後温度)、吹き出し口温度、蓄熱システムの温度(具体的には前記タンク46内の蓄熱冷媒の温度)、日射量などがそれぞれに応じて設けられたセンサー(図示せず)によって検出され、その検出信号が読み込まれる。
【0061】さらに、蓄熱エネルギー量αが算出される(ステップS3)。前述したように上記の車両は、冷熱の形で熱エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積手段、モータ・ジェネレータ7やオルタネータ15によって発電して充電するエネルギー蓄積手段、熱・電気変換器51によって発電して電力として蓄積するエネルギー蓄積手段を備えており、ステップS3ではこれらのエネルギー蓄積手段で蓄えたエネルギーの合計量を算出する。このような算出をおこなうために、エネルギーの蓄積をおこなった場合にそのエネルギーを積算し、またエネルギーを放出した場合には減算する積算機能を前述した所定の電子制御装置に持たせることが好ましい。
【0062】また、ナビ情報が読み込まれる(ステップS4)。そのナビ情報は、前述したナビゲーション装置18で得られる自車両の現在位置、その周辺の道路、その道路の高度(標高)もしくは勾配、通行規制、渋滞の状況、交通信号の内容などの情報であり、これは、車両に搭載しているCD−ROMなどの外部記憶手段から読みとられる情報、サインポストや信号機などの路面設置機器からの情報、所定の地上局からの通信情報、衛星からの通信情報などとして得れる。
【0063】つぎにナビゲーション装置18で目的地が設定されているか否かが判断される(ステップS5)。ナビゲーション装置18の本来の機能は、車両を目的地に向けて誘導することにあり、目的地が入力されると、現在位置からその目的地までの推奨経路を出力する。具体的には画面上の地図情報に、推奨経路を重ねて表示する。その推奨経路の検出は、市街地などの混雑地帯を避けること、幅員の広い道路を優先すること、目的地までの走行距離が可及的に短くなることなどの予め定めた条件を満たす経路を探索しておこなわれる。また、反対に、目的地が設定(入力)されていない場合には、地図情報とその地図上での自車両の現在位置とを、画面に表示するなどのことによって出力する。
【0064】ナビゲーション装置18に目的地が設定されていることによりステップS5で肯定的に判断された場合には、目的地を入力した際の自車両の位置すなわち出発地点から目的地までの全区間(全行程)のエンジン負荷が予測される(ステップS6)。そのエンジン負荷は、前記エンジン6を動力源として使用して全行程を走行したとした場合の負荷であり、例えば車速、エンジン回転数、エンジン回転数とブースト圧との関係もしくはエンジン回転数とアクセル開度との関係とから求まる燃料消費量などから算出される。
【0065】このステップS6のサブルーチンを図2に示してある。先ず、出発地点から目的地までの全区間の道路高度情報が読み込まれる(ステップS61)。ついで出発地点から目的地までの全区間でのエンジン高負荷区間が予測される(ステップS62)。具体的には所定以上の登り勾配の区間が、ナビゲーション装置18で得られた道路情報から予測される。
【0066】さらに、そのエンジン高負荷区間で必要となる蓄熱エネルギー量ζが算出される(ステップS63)。すなわち登坂路では、エンジン負荷が増大するので、その際にはエンジン6によるコンプレッサー13の駆動を停止し、もしくはエンジン6によるコンプレッサー13の駆動量を減じる。これに対して、設定温度や外気温あるいは日射に変化がなければ、空調に要するエネルギー量は、登坂路に到る直前の状態と同じである。したがってエンジン6によるコンプレッサー13の駆動を停止し、もしくは低減した場合には、そのコンプレッサー13の出力の低減分、空調のためのエネルギーが不足する。これを蓄熱したエネルギーで補うとすれば、その蓄熱エネルギー量が、エンジン高負荷区間での必要蓄熱エネルギー量ζとなる。
【0067】こうして算出された必要蓄熱エネルギー量ζと既に蓄えてある蓄熱エネルギー量αとが比較される(ステップS64)。前者の必要蓄熱エネルギー量ζが後者の蓄熱エネルギー量αより少ないことによりステップS64で肯定的に判断された場合には、その差分(α−ζ)を、現在位置から一定区間内で、エンジン負荷に応じて空調のために使用することが許可される(ステップS65)。したがって蓄熱エネルギーの必要量に対する過剰分は、エンジン6によるエネルギーに代えて使用されるので、エンジン6の駆動割合がその分、低下し、燃費が向上する。
【0068】なお、必要蓄熱エネルギー量ζが蓄熱エネルギー量α以上であることによりステップS64で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜ける。すなわち、蓄熱エネルギーを使用しない。したがって蓄熱エネルギーが不足することが回避され、その結果、エネルギーの蓄積のためにエンジン6を駆動するなどの事態が生じないので、この点でも燃費が向上するとともに、登坂路などのエンジン高負荷状態でエンジン6の出力の一部が空調に使用されて駆動力が低下するなどの事態を防止することができる。
【0069】この図2に示すルーチンに基づく制御の一例を模式的に示すと図3のとおりである。目的地を設定することにより推奨経路がナビゲーション装置18によって設定され、その行程中での高度が求められる。エンジン6の高負荷時には蓄熱エネルギーを使用することを基本とすれば、必要蓄熱エネルギー量ζは、出発地点で最も多く、登坂路で蓄熱エネルギーが使用されて必要蓄熱エネルギー量ζが目的地に近づくに従って少なくなる。したがって図3の下側に実線で示す高度(勾配)をもった全区間での必要蓄熱エネルギー量ζは、図3の上側に破線で示すようになる。
【0070】そして、図3に示す現在地の前方の降坂路であるa区間では、エンジン負荷が低負荷であるから、エンジン6の出力もしくは駆動系統から得られる走行慣性力によってコンプレッサー13を強制的に駆動し、蓄熱用冷媒を冷却していわゆる冷熱を蓄える。これに続く比較的長い登坂路であるb区間は、エンジン高負荷区間となるので、コンプレッサー13を強制的に停止し、これに代えて蓄積したエネルギーを使用して空調をおこなう。具体的には、前記ポンプ48を駆動して蓄熱用冷媒をタンク46から冷却用熱交換器47に送り、空調ダクト43を通る空気を冷却する。また、熱・電気変換器51やオルタネータ15によって低圧バッテリー16に充電した電力もしくはモータ・ジェネレータ7によって高圧バッテリー11に充電した電力、すなわち回生エネルギーを使用してモータ40を駆動し、これによってコンプレッサー13を駆動することにより空調をおこなう。したがってこのb区間では蓄熱エネルギーの残量が低下する。
【0071】さらに、目的地に近い緩い登坂路であるc区間では、車両の加減速に伴うエンジン負荷の大小に応じてコンプレッサー13の出力を変更する。すなわちエンジン6で低負荷であれば、エンジン6によってコンプレッサー13を駆動し、また高負荷であれば、コンプレッサー13の出力を絞り、もしくは強制的に停止させ、不足するエネルギーを蓄熱エネルギーで補う。
【0072】この図3に破線で示す必要蓄熱エネルギー量ζの算出が前記ステップS63でおこなわれ、これが、この発明のエネルギーの蓄積および放出の計画の策定に相当する。
【0073】なお、コンプレッサー13を利用したエネルギーの蓄積は、車両の動力性能を阻害しない範囲でおこなうので、登坂路などのエンジン負荷が大きい状態では、コンプレッサー13を使用したエネルギーの蓄積はおこなわないが、熱・電気変換器51を使用したエネルギーの回収・蓄積は、車両の動力性能に関係しないので、走行中はバッテリー16の許容範囲で、常時、実行する。
【0074】このように、図2に示す制御例では、出発地から目的までの全行程におけるエンジン負荷を予測し、それに応じた必要蓄積エネルギー量を求め、現在位置から一定範囲の区間では、蓄積エネルギーの必要量に対する過剰分を使用して、その分のエンジン6に対する負荷を低下させるので、走行のための駆動力の低下を防止できると同時に、エネルギーを有効利用して燃費を向上させることができる。
【0075】つぎに、目的地が設定されていない場合、すなわち図1のステップS5で否定的に判断された場合の制御について説明する。目的地が設定されていない場合であっても自車両の現在位置は、ナビゲーション装置18によって検出されており、また同時に、現在位置から所定の範囲内の地図情報および道路情報が検出されている。したがってステップS5で否定的に判断された場合には、現在位置から予め定めた一定区間内のエンジン負荷が予測される(ステップS7)。そのエンジン負荷の予測の仕方は、上述したステップS6の場合と同様である。
【0076】このステップS7のサブルーチンを図4に示してある。先ず、現在地から予め定めた一定区間の道路高度情報が読み込まれる(ステップS71)。ここで、一定区間とは、一例として現在地からの一定距離の範囲であり、その一定距離は、市街地や郊外等の地域ごとに異ならせることができ、また人為操作で設定するようにしてもよい。あるいは一定区間を、現在地を通る経路(道路)の現在地からの分岐点の数によって定めることもできる。分岐点数が多ければ、走行の可能性のある経路の数が増大し、以下に述べる各種の演算の負荷が増大する反面、実際に走行する経路は、いずれか一本であるから、無駄な演算が増大するので、分岐点の数で一定区間を規定する。また、道路情報は車両が前進走行する場合に必要な情報であるから、現在地の車両の進行方向での前方側のみを一定区間としてもよい。さらに、ナビゲーション装置18に備えられている地図情報は、幹線路から私道に近い細い道までの多様な道路を含んでいるので、ナビゲーション装置18が推奨経路を求める場合の条件と同様の条件で判定された道路を一定区間の経路として採用することにより、演算のための負荷を軽減するようにしてもよい。したがってステップS71では、このようにして挙げられた複数の道路に関する高度情報が読み込まれる。
【0077】ついでこれらの複数の道路についての現在地から予め定めた一定区間でのエンジン高負荷区間が予測される(ステップS72)。具体的には所定以上の登り勾配の区間が、ナビゲーション装置18で得られた道路情報から予測される。
【0078】さらに、それぞれの道路におけるエンジン高負荷区間で必要となる蓄熱エネルギー量ζが算出される(ステップS73)。すなわち登坂路では、エンジン負荷が増大するので、その際にはエンジン6によるコンプレッサー13の駆動を停止し、もしくはエンジン6によるコンプレッサー13の駆動量を減じる。これに対して、設定温度や外気温あるいは日射に変化がなければ、空調に要するエネルギー量は、登坂路に到る直前の状態と同じである。したがってエンジン6によるコンプレッサー13の駆動を停止し、もしくは低減した場合には、そのコンプレッサー13の出力の低減分、空調のためのエネルギーが不足する。これを蓄熱したエネルギーが補うとすれば、その蓄熱エネルギー量が、エンジン高負荷区間での必要蓄熱エネルギー量ηとなる。
【0079】こうして算出された必要蓄熱エネルギー量ηと既に蓄えてある蓄熱エネルギー量αとが比較される(ステップS74)。前者の必要蓄熱エネルギー量ηが後者の蓄熱エネルギー量αより少ないことによりステップS74で肯定的に判断された場合には、その差分(α−η)を、現在位置から一定区間内で、エンジン負荷に応じて空調のために使用することが許可される(ステップS75)。したがって蓄熱エネルギーの必要量に対する過剰分は、エンジン6によるエネルギーに代えて使用されるので、エンジン6の駆動割合がその分、低下し、燃費が向上する。
【0080】なお、必要蓄熱エネルギー量ηが蓄熱エネルギー量α以上であることによりステップS74で否定的に判断された場合には、特に制御をおこなうことなくこのルーチンを抜ける。すなわち、蓄熱エネルギーを使用しない。したがって蓄熱エネルギーが不足することが回避され、その結果、エネルギーの蓄積のためにエンジン6を駆動するなどの事態が生じないので、この点でも燃費が向上するとともに、登坂路などのエンジン高負荷状態でエンジン6の出力の一部が空調に使用されて駆動力が低下するなどの事態を防止することができる。
【0081】この図4に示すルーチンに基づく制御の一例を模式的に示すと図5のとおりである。ここに示す例は、現在地から前方の道路が途中で分岐し、予め定めた一定距離Xkmまでの地点に到る経路がA,B,Cの3経路ある場合の例である。A経路を走行するとした場合、一定距離の地点の高度が現在地より高く、その過程に存在する登坂路の勾配が大きいので、全体としてのエンジン負荷が大きくなり、そのために蓄熱エネルギーの必要量ηが多くなる。これに対してB経路を走行するとした場合、一定距離の地点の高度が現在地より幾分高いものの、その過程に存在すると坂路の勾配が相対的に小さいので、全体としてのエンジン負荷はA経路より小さくなり、そのために蓄熱エネルギーの必要量ηが少なくなる。さらに、C経路を走行するとした場合、一定距離の地点の高度が現在地とほぼ同じであって、C経路に独自の区間には登坂路がないので、蓄熱エネルギーの必要量ηが最も少なくなる。なお、負荷およびエネルギーの蓄積に関係する勾配は、水平距離と高度とに基づいて求めることもできる。そして、登坂路での蓄熱エネルギーの放出および降坂路での蓄熱エネルギーの蓄積は、前述した図3に示す例と同様にして実行される。
【0082】したがってC経路についての必要蓄熱エネルギー量ηをもって蓄積したエネルギーの蓄積・放出の制御をおこなうと、実際にはA経路を走行している場合、蓄積エネルギー量が不足してエンジン6によってコンプレッサー13を駆動する割合が増大する。このような事態を避けるために、A経路を走行することを予定して蓄積エネルギーの蓄積・放出の制御を実行する。その場合、実際にはC経路を走行すると、蓄熱エネルギー量が過剰になるが、その過剰分は、上記のステップS75で示してあるように、エンジン6に代えて使用されるので、燃費の悪化要因となることはない。
【0083】この図5に破線で示す必要蓄熱エネルギー量ηの算出が前記ステップS73でおこなわれ、これが、この発明のエネルギーの蓄積および放出の計画の策定に相当する。
【0084】なお、図5に示す例の場合、A経路の分岐点に達した時点もしくはその分岐点を通過した時点で、必要蓄熱エネルギー量ηの過剰・不足が判明することになる。すなわち、制御の元になる経路と実際に走行している経路との相違が判明する。そこで、このような予測したエンジン負荷およびそれに伴う必要蓄熱エネルギー量ηと、実際の生じるエンジン負荷およびそれに伴う必要蓄熱エネルギー量との乖離を可及的に少なくするために、分岐点ごとに図4に示すルーチンを実行して、エンジン負荷の予測およびそれに伴う必要蓄熱エネルギー量ηを更新することが好ましい。なお、その更新制御は、分岐点を通過するごとに実行することに代えて、一定距離走行するごとに実行し、あるいは一定時間ごとに実行し、さらには運転者によるスイッチなどを使用した指示操作に基づいて実行するようにしてもよい。またさらに、実際の蓄熱エネルギー量と予測した蓄熱エネルギー量との差が、予め定めた値以上に広がった場合に、上記の更新制御を実行するように構成することもできる。いずれの場合であっても、前記一定区間を出る前に更新制御が実行されるように構成する。
【0085】図1のステップS6もしくはステップS7でエンジン負荷を予測した後、現在地でのエンジン負荷量βが算出される(ステップS8)。そのエンジン負荷量βが予め定めた第1の基準値γ以上か否かが判断される(ステップS9)。この第1の基準値γはある程度大きい値であり、したがってステップS8ではエンジン高負荷状態か否かが判断されることになる。
【0086】ステップS9で肯定的に判断され、エンジン6が高負荷状態にある場合には、蓄熱エネルギー量αがエンジン高負荷区間での必要蓄熱エネルギー量ζ(またはη)以上か否かが判断される(ステップS10)。蓄熱エネルギー量αに余裕があってステップS9で肯定的に判断された場合には、コンプレッサー13を停止(OFF)し(ステップS11)、また、前述したステップS65あるいはステップS75で蓄熱エネルギーの使用が許可されていることにより、蓄熱エネルギーを使用して空調をおこなう(ステップS12,S13)。なお、ステップS10で否定的に判断された場合、すなわち蓄熱エネルギー量αに余裕がない場合には、直ちにステップS13に進んで、従前の空調制御を継続する。
【0087】これに対してエンジン6が高負荷状態にないことによりステップS9で否定的に判断された場合には、現時点のエンジン負荷量βが予め定めた第2の基準値δより小さいか否かが判断される(ステップS14)。この第2の基準値δはかなり小さい値であり、したがってステップS14はエンジン6が低負荷状態にあるか否かを判断することになる。
【0088】エンジン6で低負荷状態にあることによりステップS14で肯定的に判断された場合には、コンプレッサー13をONにしてエンジン6によってコンプレッサー13を駆動し(ステップS15)、エネルギーを蓄熱システムに貯蔵する(ステップS16)。すなわち、コンプレッサー13を駆動して冷媒の温度を低下させ、これによって前記循環管路49に封入されている蓄熱用冷媒を冷却し、温度の低下した蓄熱用冷媒をタンク46に貯留する。その場合、エバポレータ42により空調ダクト43内の空気を冷却できるので、空調を実行する(ステップS13)。
【0089】上述したようにこの発明に係る制御装置では、空調に要するエネルギーの多くをエンジン6もしくは動力源2の動力に負っていることに鑑み、エネルギーを蓄積して有効利用することにより、エンジン6に対する負荷が過剰になったり、それに伴って効率の悪い運転状態となったりすることを回避し、さらにそのエネルギーの蓄積を回生によっておこなうことにより、エネルギーの有効利用を図り、その結果、車両の動力性能を維持しつつ、もしくは低下させることなく、燃費を向上させることができる。特に、走行予定経路が不明な状態であっても、現在位置から所定の範囲について道路勾配などの情報を使用してエネルギーの蓄積および放出を、動力源の負荷に応じて実行するので、目的地の設定をおこなわずに車両の燃費を向上させ、またそれに伴って排ガスを低減することができる。
【0090】そして、エンジン6が低負荷の状態では、コンプレッサー13を駆動することによりいわゆる冷熱を蓄積するので、エバポレータ42の下流側の温度が、蓄熱を実行している場合と、実行していない場合とで異なることがある。このエバポレータ42の下流側温度は、外気温度や日射あるいは設定温度などの各種の要因で、空調にとって適切な温度の場合もあり、あるいは不適切な温度である場合もある。そこで、快適な空調をおこなうためには、例えば図6に示すように、予めモードを設定し、それぞれのモードに応じて空調のための各種の制御、例えばブロワーの吹き出し方向、風量、温度などを制御すればよい。
【0091】すなわち図6において、先ず、車室内の温度(内気温度)、車両の外部の温度(外気温度)、前記エバポレータ42の下流側の温度(エバポ後温度)、吹き出し口温度、蓄熱システムの温度(具体的には前記タンク46内の蓄熱冷媒の温度)、日射量などがそれぞれに応じて設けられたセンサー(図示せず)によって検出された検出値を元に、予め定められたマップから制御モードを決定する(ステップS21)。そして、そのモードが“1”か否かが判断される(ステップS22)。第1の制御モードに決定されていることによりステップS22で肯定的に判断された場合には、ブロワーの吹き出し方向(ステップS23)、吹き出し風量(ステップS24)、吹き出し温度(ステップS25)がそれぞれそのモードの内容に応じて制御される。
【0092】これに対してステップS22で否定的に判断された場合には、決定されたモードが“2”か否かが判断される(ステップS26)。第2の制御モードに決定されていることによりステップS26で肯定的に判断された場合には、ブロワーの吹き出し風量(ステップS24)、吹き出し温度(ステップS25)がそれぞれそのモードの内容に応じて制御される。そして、決定されたモードが“2”でないことによりステップS26で否定的に判断された場合には、ステップS25に進んでブロワーの吹き出し温度が制御される。
【0093】このように、内気温度や蓄熱温度などの各種の要因に従って空調用空気の吹き出し方向などを制御することにより、蓄熱をおこなう場合や蓄熱エネルギーを使用する場合においても、快適なな空調をおこなうことができる。
【0094】ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、この発明のエネルギー蓄積手段には、上述したモータ・ジェネレータ7および高圧バッテリー11、オルタネータ15および低圧バッテリー16、熱交換機45およびタンク46を含む循環管路49、熱・電気変換器51が相当する。また、この発明の現在位置検出手段および道路情報検出手段には、ナビゲーション装置18が相当する。さらに、この発明における負荷予測手段には、図1に示すステップS6,S7の機能的手段および図2に示すステップS62と図4に示すステップS72との機能的手段が相当する。そして、この発明の蓄積放出制御手段には、図1および図2ならびに図4のフローチャートにおけるステップS10,S12,S15,S16,S63,S64,S65,S73,S74,S75の機能的手段がそれぞれ相当する。またさらに、この発明の目的地設定手段には、前述したナビゲーション装置18が相当する。そしてまた、この発明の蓄熱装置には、前述した熱交換器45およびタンク46を含む循環管路49が相当する。さらにまた、この発明の廃熱回収手段には、前述した熱・電気変換器51が相当する。
【0095】なお、この発明に含まれる実施の形態は上述した具体例で述べたものに限定されずきわめて多様であり、例えばエネルギーの蓄積は、いわゆる冷熱として蓄積する以外に高温媒体を使用していわゆる温熱として蓄積してもよく、また電気エネルギーとして蓄積する場合には、二次電池を使用する替わりに大容量のコンデンサーなどのキャパシターを使用してもよい。さらに、フライホイールなどを使用して運動エネルギーとして蓄積するように構成してよい。
【0096】一方、動力源の負荷やエネルギーの蓄積・放出を予測もしくは算定する元になる経路は、上述した具体例で述べ、また特許請求の範囲に記載したようにして設定することに加え、自車両の現在位置を含む道路を人為的に選択することにより設定するようにしてもよい。言い換えれば、この発明の目的地設定手段は、車両の最終到達点としての目的地に加えて、通過地点を目的地として設定する機能をも含む。
【0097】また、コンプレッサー13を駆動して冷熱を蓄積する場合、上述した具体例で述べた蓄熱用冷媒を使用することに代えて、空調用冷媒を直接使用してエネルギーを蓄積するように構成してもよい。さらに、廃熱からエネルギーを回収する場合、電気に変換して回収することに代えて、温熱として回収してもよく、またその廃熱部は、上述したエンジン冷却水やエンジン6の排気管以外にブレーキキャリパー、モータ・ジェネレータ7のコイル、変速機3のオイル、電子制御装置のユニットなどであってもよい。
【0098】さらに、この発明で道路情報を得る手段は、上述したナビゲーション装置に限らないのであって、前述したCD−ROMなどの記憶手段の情報と実際の道路上級が異なる場合に、エンジン負荷の算出に必要となる区間について、地上局や人工衛星などから最新の道路情報を取得してエンジン負荷を算出するようにしてもよい。また、CD−ROMなどの外部記憶手段を持たずに、必要箇所のみについての道路情報を地上局や人工衛星から取得するように構成してもよい。さらにまた、ナビゲーション装置自体が推奨経路を探索することに替えて、ナビゲーション装置に通信機能を持たせ、車両側から送信した目的地に応じて地上局側で探索した推奨経路を推奨経路を取得し、その推奨経路に基づいてエンジン(動力源)負荷などを求めるようにしてもよい。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、現在位置から所定範囲に存在する経路を走行したと仮定した場合の動力源の負荷が、経路の勾配もしくは高度を含む道路情報に基づいて予測され、さらに最高の負荷の経路を走行した場合、あるいは最低の負荷の経路を走行した場合に、蓄積したエネルギーに過不足が生じないように、エネルギーの蓄積および放出が制御される。したがって目的地が設定されていない場合であっても、現在位置が検出されれば、車両の有するエネルギーの蓄積と放出とが効率よくおこなわれ、動力性能を低下させることなく、燃費を向上させることができる。
【0100】また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が、現在位置からの距離によって特定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができる。
【0101】さらに、請求項3の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が、現在位置から延びている経路での分岐点の数によって特定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができる。
【0102】そして、請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができる。
【0103】またさらに、請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができる。
【0104】そしてまた、請求項6の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかの発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができる。
【0105】そしてさらに、請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができるとともに、動力源の負荷を予測した経路を実際に走行する頻度が高くなるので、演算の繰り返し回数を低減することができる。
【0106】さらにまた、請求項8の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果に加え、動力源の負荷を予測するべき範囲が更に限定されるので、処理するべきデータの量あるいは演算量を低減することができるとともに、動力源の負荷を予測した経路を実際に走行する頻度が高くなるので、演算の繰り返し回数を低減することができる。
【0107】また、請求項9の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の効果に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果を更に優れたものとすることができる。
【0108】さらに、請求項10の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の効果に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果を更に優れたものとすることができる。
【0109】またさらに、請求項11の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の効果に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果を更に優れたものとすることができる。
【0110】そしてまた、請求項12の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の効果に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果を更に優れたものとすることができる。
【0111】そしてさらに、請求項13の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかの発明と同様の効果に加え、エネルギーの蓄積および放出の計画と実際のエネルギーの蓄積状態との乖離が低減されるので、燃費の向上効果を更に優れたものとすることができる。
【0112】またそして、請求項14の発明によれば、請求項1ないし13の発明と同様の効果に加え、車両の有するエネルギーを熱エネルギーあるいは電気エネルギーなど形態で蓄積し、かつ利用することができる。
【0113】さらにそして、請求項15の発明によれば、請求項14の発明と同様の効果に加え、車両の有するエネルギーを熱エネルギーとして蓄積し、かつ再利用することができる。
【0114】そして、請求項16の発明によれば、請求項14の発明と同様の効果に加え、廃熱から回収した電力を優先的に使用して空調装置のコンプレッサーを駆動するので、その廃熱から回収した電力分、動力源に対する負荷が低減され、その結果、動力源を駆動するために消費するエネルギーが少なくなって燃費が向上し、また走行のための動力性能が向上する。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成12年7月24日(2000.7.24)
【代理人】 【識別番号】100083998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 丈夫
【公開番号】 特開2002−36903(P2002−36903A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−222970(P2000−222970)