| 【発明の名称】 |
車両用空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】四方 一史
【氏名】神谷 知宏
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| 【要約】 |
【課題】空調装置全体としての種類を多くさせることなく、多種の仕様のバリエーションを生じさせることを可能にする。
【解決手段】空調ユニット1を、複数の共通機能部品が1つの組付体としてモジュール化された標準共通部1aと、複数のオプション機能部品が1つの組付体としてモジュール化されたバリエーション対応部1bとに分けて構成する。これにより、バリエーション対応部1bで、各オプション機能部品の有無によるバリエーションを生じさせることができるので、空調ユニット1全体をバリエーション毎に変更させることを廃止して、標準共通部1aを仕様のバリエーションに関わらず1種類とすることができる。よって、空調装置のうち標準共通部1aの量産性を向上でき、コストダウンを図ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 仕様のバリエーションに関わらず共通の機能を発揮する複数の共通機能部品(20〜70)と、仕様のバリエーションを生じさせるオプションの機能を発揮する複数のオプション機能部品(82、90〜110)とを備え、前記複数の共通機能部品(20〜70)が1つの組付体としてモジュール化された標準共通部(1a)と、前記複数のオプション機能部品(82、90〜110)が1つの組付体としてモジュール化されたバリエーション対応部(1b)とに分けて構成されていることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項2】 車室内に空調風を送風する送風機(20)と、前記送風機(20)による送風空気を冷却する冷房用熱交換器(30)と、前記冷房用熱交換器(30)を通過した空気を加熱する暖房用熱交換器(40)とを備え、これらの送風機(20)、冷房用熱交換器(30)および暖房用熱交換器(40)のそれぞれが前記共通機能部品(20〜70)であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 【請求項3】 内気を導入する内気導入口(71)および外気を導入する外気導入口(72)を有する内外気切替箱(70)と、車室内に空調風を送風する送風機(20)と、前記送風機(20)の吸込口(23a)と前記内外気切換箱(70)とを接続する接続ダクト(80)とを備え、前記バリエーション対応部(1b)は、前記接続ダクト(80)に前記複数のオプション機能部品(82、90〜110)を組み付けてモジュール化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。 【請求項4】 前記複数のオプション機能部品(82、90〜110)の1つは、空気浄化用のフィルタ(90)であることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。 【請求項5】 前記フィルタ(90)は前記接続ダクト(80)内部に挿入配置されており、前記接続ダクト(80)の内面には、前記フィルタ(90)の挿入を案内する樹脂製の挿入ガイド(84)が一体に成形されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。 【請求項6】 前記接続ダクト(80)には、前記フィルタ(90)を内部に挿入するための挿入口(82a)を開閉する樹脂製のフィルタカバー(83)がヒンジ状に一体成形されていることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用空調装置。 【請求項7】 前記複数のオプション機能部品(82、90〜110)の1つは、吸音性を有する材質の吸音部材(82)であることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 【請求項8】 前記接続ダクト(80)を、前記複数のオプション機能部品(82、90〜110)を保持可能な強度を有する樹脂で成形し、前記吸音部材(82)を発泡性の樹脂で成形し、前記吸音部材(82)を前記接続ダクト(80)と一体に成形したことを特徴とする請求項7に記載の車両用空調装置。 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置を、計器盤の内側のうち車両左右方向の略中央部に搭載したことを特徴とする車両用空調装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気浄化用のフィルタや寒冷地対応用の電気ヒータ等の複数のオプション機能部品を有する車両用空調装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、車両用空調装置は、空気浄化用のフィルタ、オートエアコン用の送風機の作動を制御するパワートランジスタ、寒冷地仕様等の空調装置に適用されて空気を補助的に加熱する電気ヒータ、送風機の騒音を吸音する吸音材等のオプション機能部品の有無により多種の仕様のバリエーションを生じさせている。 【0003】そして、図9は、これらのオプション機能部品の空調装置への取り付け位置を示す正面図であり、フィルタ90は送風機ユニット2に取り付けられ、パワートランジスタ110および吸音材82は送風機ユニット2と空調ユニット3とを接続する接続ダクト4に取り付けられ、電気ヒータ100は空調ユニット3内のヒータコア40に取り付けられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来の空調装置では、各オプション機能部品82、90、100、110の取り付け位置が空調装置の様々な部分に分散しているので、空調装置のうちオプション機能部品82、90、100、110が取り付けられた部分のみを変更することで多種の仕様のバリエーションを生じさせることが困難であり、空調装置の全体をバリエーション毎に変更させなければならない。よって、空調装置全体としての種類が多くなってしまうため、多品番の在庫管理にともなう物流管理コストの増大および量産性の悪化によるコストの増大を招いていた。 【0005】本発明は、上記点に鑑み、空調装置全体としての種類を多くさせることなく、多種の仕様のバリエーションを生じさせることを可能にすることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、仕様のバリエーションに関わらず共通の機能を発揮する複数の共通機能部品(20〜70)と、仕様のバリエーションを生じさせるオプションの機能を発揮する複数のオプション機能部品(82、90〜110)とを備え、複数の共通機能部品(20〜70)が1つの組付体としてモジュール化された標準共通部(1a)と、複数のオプション機能部品(82、90〜110)が1つの組付体としてモジュール化されたバリエーション対応部(1b)とに分けて構成されていることを特徴とする。 【0007】これにより、バリエーション対応部(1b)で、各オプション機能部品(82、90〜110)の有無によるバリエーションを生じさせることができるので、空調装置の全体をバリエーション毎に変更させることを廃止して、標準共通部(1a)を仕様のバリエーションに関わらず1種類とすることができる。よって、空調装置のうち標準共通部(1a)の量産性を向上でき、コストダウンを図ることができる。 【0008】また、市場においても、バリエーション対応部(1b)のみを変更することにより空調装置の仕様を変更することができるので、市場における仕様変更を容易にでき、好適である。 【0009】また、標準共通部(1a)およびバリエーション対応部(1b)はそれぞれモジュール化されているので、空調装置を組み立てる作業において、標準共通部(1a)の組立作業を先行して行い、バリエーション対応部(1b)の組立作業の時期を遅らせることができる。よって、各オプション機能部品(82、90〜110)の在庫量を減少させることができ、多品番の在庫管理にともなう物流管理コストの増大を抑制できる。 【0010】また、車室内に空調風を送風する送風機(20)と、送風機(20)による送風空気を冷却する冷房用熱交換器(30)と、冷房用熱交換器(30)を通過した空気を加熱する暖房用熱交換器(40)とは仕様のバリエーションに関わらず共通の機能を発揮するものであるため、請求項2に記載の発明のように、送風機(20)、冷房用熱交換器(30)および暖房用熱交換器(40)を共通機能部品(20〜70)として好適である。 【0011】また、請求項3に記載の発明のように、送風機(20)の吸込口(23a)と内外気切換箱(70)とを接続する接続ダクト(80)に複数のオプション機能部品(82、90〜110)を組み付けて、バリエーション対応部(1b)をモジュール化すれば、標準共通部(1a)とバリエーション対応部(1b)とに分けて構成することを容易に実現でき、好適である。 【0012】また、空気浄化用のフィルタ(90)は、その有無により仕様のバリエーションを生じさせるものであるため、請求項4に記載の発明のように、フィルタ(90)をオプション機能部品(82、90〜110)の1つとして好適である。 【0013】また、請求項5に記載の発明では、フィルタ(90)は接続ダクト(80)内部に挿入配置されており、接続ダクト(80)の内面には、フィルタ(90)の挿入を案内する樹脂製の挿入ガイド(84)が一体に成形されていることを特徴とするので、挿入ガイド(84)を別体に成形する場合に比べて部品点数を少なくできる。 【0014】また、請求項6に記載の発明では、接続ダクト(80)には、フィルタ(90)を内部に挿入するための挿入口(82a)を開閉する樹脂製のフィルタカバー(83)がヒンジ状に一体成形されていることを特徴とするので、フィルタカバー(83)を別体に成形する場合に比べて部品点数を少なくできる。 【0015】また、吸音部材(82)は、その有無により仕様のバリエーションを生じさせるものであるため、請求項7に記載の発明のように、吸音部材(82)をオプション機能部品(82、90〜110)の1つとして好適である。 【0016】また、請求項8に記載の発明では、接続ダクト(80)を、複数のオプション機能部品(82、90〜110)を保持可能な強度を有する樹脂で成形し、吸音部材(82)を発泡性の樹脂で成形し、吸音部材(82)を接続ダクト(80)と一体に成形したことを特徴とするので、吸音部材(82)を別体に成形する場合に比べて部品点数を少なくできる。 【0017】また、請求項9に記載の発明では、本発明の空調装置を計器盤の内側のうち車両左右方向の略中央部に搭載している。 【0018】ところで、計器盤の内側のうち車両左右方向の略中央部は、オーディオ装置等のセンタクラスタを構成する装置が密集する部分であるため、この部分に搭載された従来の空調装置では、市場における仕様変更作業の作業性が悪かった。これに対し、本発明の空調装置は、前述のように市場での仕様変更が容易である効果を有するものであるため、計器盤の内側のうち車両左右方向の略中央部に搭載した場合には、本発明の効果を有効に発揮でき、好適である。 【0019】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0020】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。 【0021】図1は本実施形態の車両用空調装置における空調ユニット(室内ユニット)部の正面図であり、図2は図1のX−X断面図である。この空調ユニット1は、車室内前部に配置される計器盤(図示せず)の内側において、車両左右方向(幅方向)の概略中央部に搭載される。図1、図2の前後、上下、左右の矢印は車両搭載状態での方向を示す。なお、本実施形態は右ハンドル車への搭載例を示している。 【0022】空調ユニット1は、樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)で成形されたケース10を有している。このケース10は図1に示すように車両左右方向に2分割された分割ケース10a、10bをネジ、金属バネクリップ等の締結手段により一体に締結して構成されるものであって、その内部に空調空気の通路を形成している。本例の空調ユニット1は後述するように送風機部、熱交換器部、吹出モード切替部等をケース10内に一体構成する。 【0023】空調ユニット1のうち、車両左右方向の中央部の車両後方側部分に送風機20が配置されている。この送風機20は、遠心式多翼送風ファン(シロッコファン)21、ファン駆動用モータ22、およびスクロールケーシング23から構成されている。このスクロールケーシング23はケース10(分割ケース10a、110b)に一体成形されている。 【0024】ここで、送風ファン21と駆動用モータ22の軸方向が車両左右方向に向いており、そして、車両左側に送風ファン21を配置し、車両右側に駆動用モータ22を配置している。スクロールケーシング23の車両左側の端部に吸入口23aが配置され、この吸入口23aは後述の接続ダクト80により内外気切替箱70と接続され、内気又は外気が吸入口23aに吸入されるようになっている。 【0025】そして、スクロールケーシング23の出口側から車両前方へ向かって斜め下方に傾斜する空気通路11が空調ケース10内の底面部に形成されている。そして、ケース10内の最も下方側の部位には、空気通路11全体を横切るように蒸発器30が配置されている。この蒸発器30は冷房用熱交換器であって、図示しない圧縮機により冷媒が循環する冷凍サイクルの膨張弁(図示せず)により減圧された低圧冷媒が蒸発器30に流入し、この低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより空気を冷却する。 【0026】蒸発器30は空気通路11の傾斜方向に沿って水平面より所定角度だけ傾斜配置されている。すなわち、蒸発器30は車両後方側より車両前方側が低くなるように傾斜している。ここで、蒸発器30は、周知のように偏平チューブ(図示せず)と、複数のコルゲート状の伝熱フィン(図示せず)とを交互に並列的に多数積層して接合した熱交換部を有し、空気通路11から蒸発器30の下側空間に流入した送風空気は図2の矢印Aのように熱交換部を下方から上方へ通過するようになっている。 【0027】蒸発器30で発生する凝縮水が空気流れに沿って傾斜下端部に集まり、この傾斜下端部近傍の下方位置に配置された図示しない凝縮水排出口より凝縮水を外部へスムースに排出できる。 【0028】そして、ケース10内において、蒸発器30の空気流れ下流側、すなわち、蒸発器30の上方側で、且つ、蒸発器30の傾斜上端側(車両後方側)の部位にヒータコア40が略直角状に垂直方向(上下方向)に配置されている。ここで、ヒータコア40は、車両エンジン(図示せず)からの温水により空気を加熱する暖房用熱交換器である。 【0029】このヒータコア40も蒸発器30と同様に偏平チューブ(図示せず)と、複数のコルゲート状の伝熱フィン(図示せず)とを交互に並列的に多数積層して接合した熱交換部を有しており、この熱交換部を送風空気が矢印Bのように車両前方から後方へ通過するようになっている。 【0030】上記のようなヒータコア40の配置により、蒸発器30の上方側でヒータコア40の車両前方側に、ヒータコア40をバイパスして冷風を矢印Cのように流す冷風バイパス通路13が形成されている。ヒータコア40の上方端部付近で、冷風バイパス通路13側(車両前方側)の部位に、板状のエアミックスドア50の回転軸51が配置されている。 【0031】この回転軸51の軸方向は車両左右方向に向いている。回転軸51の両端部はケース10の壁面の軸受孔(図示せず)に回転可能に保持される。回転軸51には板状のエアミックスドア50の一端部が一体に連結され、エアミックスドア50は回転軸51を中心として図2の点線位置と2点鎖線位置との間で回転可能になっている。 【0032】ここで、エアミックスドア50の実線位置はヒータコア40の熱交換部の通風路を全閉する最大冷房位置であって、2点鎖線位置は冷風バイパス通路13を全閉する最大暖房位置である。エアミックスドア50がヒータコア40の熱交換部の通風路を開けると、蒸発器30通過後の空気が矢印Bのように熱交換部を車両前方側から後方側へと通過する。また、エアミックスドア50は周知のごとくヒータコア40の熱交換部を通過する温風(矢印B)とヒータコア40をバイパスして冷風バイパス通路13を通過する冷風(矢印C)との風量割合を調整して車室内への吹出空気温度を調整する温度調整手段である。 【0033】また、冷風バイパス通路13は、ヒータコア40の上方に向かって車両前方から後方へ湾曲している。そして、ヒータコア40の上方部に、ヒータコア40からの温風と冷風バイパス通路13からの冷風とを混合する空気混合部14を形成している。 【0034】また、空気混合部14の上方に、吹出モード切替ドアとしてロータリドア60を回転可能に配置している。このロータリドア60の回転軸61も車両左右方向に向くように配置されている。ロータリドア60のドア面62は回転軸61の径方向外方の所定部位で、回転軸61と一体に回転する半円筒状の部材である。このドア面62はその軸方向(車両前後方向)の両端部で側板63により回転軸61と一体に連結されている。また、ドア面62には連通穴62aが開けてある。 【0035】空調ケース10において、ロータリドア60の外周側の部位にデフロスタ開口部15、フェイス開口部16およびフット開口部17が開口している。ここで、デフロスタ開口部15は空調ケース10の上面部で車両前方側に位置し、フェイス開口部16はデフロスタ開口部15の後方側に位置している。そして、フット開口部17はフェイス開口部16の下側に位置している。 【0036】そして、デフロスタ開口部15には図示しないデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダクトには車両前面窓ガラスに向けて風を吹き出すデフロスタ吹出口が設けてある。また、フェイス開口部16には図示しないフェイスダクトが接続され、このフェイスダクトには車室内の乗員の顔部側へ風を吹き出すフェイス吹出口が設けてある。また、フット開口部17には図示しないフットダクトが接続され、このフットダクトには車室内の乗員の足元に向けて風を吹き出すフット吹出口が設けてある。 【0037】また、空調ケース10のうちロータリドア60の車両前方側かつ冷風バイパス通路13の湾曲部の上方側の部位には、内気および外気を空調ユニット1内に導入する内外気切換箱70が一体に形成されている。内外気切換箱70のうち、車両右側の面には内気を導入する内気導入口71が形成され、車両上側の面には外気を導入する外気導入口72が形成され、車両右側の面には接続ダクト80と連通する連通口73が形成されている。そして、連通口73と前述のスクロールケーシング23の吸入口23aとが接続ダクト80により接続されている。 【0038】また、内外気切換箱70内には内気導入口71と外気導入口72とを切替開閉する内外気切換ドア74が配置されている。この内外気切替ドア74のドア本体74aは、車両前後方向には半円状の円周面を形成し、且つ、車両上下方向には、下側から上側に行くにつれて面積が三角状に拡大する形状になっている。そして、ドア本体74aの車両前後方向の両端部には回転軸74bが樹脂にて一体成形されている。この回転軸74bの軸方向は車両前後方向に向いており、回転軸74bの両端部は内外気切換箱70の壁面の軸受孔(図示せず)に回転可能に保持される。よって、内外気切替ドア74は回転軸74bを中心として回転可能になっている。 【0039】図3は接続ダクト80単体を示す斜視図である。この接続ダクト80は、空調ケース10の車両左側面に沿って上下方向に延びる形状であり、車両右側面の全面に開口部80aが形成されている。そして、この開口部80aは空調ケース10の車両左側面により閉塞されるようになっている。また、開口部80aの上端部分80bは内外気切換箱70の連通口73と連通し、開口部80aの下端部分80cは送風機20の吸入口23aと連通する。これにより、内外気切換箱70と送風機20とが連通されることとなる。 【0040】接続ダクト80には、吸音部材82、フィルタ90、電気ヒータ100およびパワートランジスタ110が組み付けられている。そして、接続ダクト80は、図3中の符号Dに示す分割面で車両左右方向に2分割されて構成されている。 【0041】接続ダクト80のうち車両右側部分は、フィルタ90、電気ヒータ100およびパワートランジスタ110を保持可能な強度を有する樹脂製部材(例えばポリプロピレンをインジェクション成形した部材)であるハード部材81を構成し、車両左側部分は、送風機20で発生する騒音を吸収する発泡性(例えば25倍発泡)の樹脂(例えばポリプロピレン)で成形された吸音部材82を構成している。ここで、接続ダクト80のうち車両左側部分は、送風機20の吸入口23aから内外気切換箱70の連通口73までの送風経路のうち風の曲がり(偏向部)部に相当する部分であるため、この部分に吸音部材82を配置することにより、効果的に送風騒音を低減することができる。 【0042】なお、ハード部材81と吸音部材82とは一体化(例えば溶着による一体化)されている。このように接続ダクト80の一部を発泡性の樹脂により構成するので、本実施形態では接続ダクト80の軽量化を図ることができる。 【0043】フィルタ90は、内外気切換箱80から導入された空気を浄化するためのものであり、接続ダクト80の上下方向の略中央部にて、接続ダクト80の通風路全面を横切るように傾斜して配置されている。すなわち、図1に示すように、フィルタ90は車両左方側より車両右方側が高くなるように傾斜している。また、接続ダクト80の車両左側面にはフィルタ90を挿入するための挿入口82aが形成されており、空調ユニット1の組み立てが完了した状態において、フィルタ90を接続ダクト80に脱着できるようにしている。 【0044】図4は接続ダクト80を車両左側から見た斜視図であり、吸音部材82には挿入口82aを開閉する樹脂製部材(例えばポリプロピレンをインジェクション成形した部材)であるフィルタカバー83がヒンジ状に一体化されている。本実施形態では、フィルタカバー83の上端部分を吸音部材82の挿入口82a部分に溶着して一体化させている。この一体化により部品点数を削減できるので、フィルタカバー83を別体にした場合に生じるフィルタカバー83の接続ダクト80への組付け作業を廃止できる。 【0045】また、図1、図3に示すように、接続ダクト80のうちハード部材81の内面には、フィルタ90の挿入を案内する樹脂製の挿入ガイド84が一体に成形されている。この挿入ガイド84はフィルタ90の車両右側(図1の右側)部分のうち上面および下面に沿って車両前後方向に延びる形状であり、下面の挿入ガイド84はフィルタ90の荷重を受けるようになっている。また、フィルタカバー83にもフィルタ90の挿入を案内する樹脂製の挿入ガイド85が一体に成形されている。この挿入ガイド85はフィルタ90の車両左側(図1の左側)部分のうち上面および下面に沿って車両前後方向に延びる形状であり、下面の挿入ガイド85はフィルタ90の荷重を受けるようになっている。 【0046】電気ヒータ(例えばPTCヒータ)100は、ハード部材81の車両後方側の面のうち送風機20の吸入口23a近傍に開口する挿入口から挿入されて取り付けられている。そして、通電により発熱する発熱部101を接続ダクト80内に配置させており、接続ダクト80内を流通する空気を加熱して、ヒータコア40による加熱を補助するようになっている。例えば、寒冷地仕様の空調装置などにこの電気ヒータ100を用いて好適である。 【0047】パワートランジスタ110は送風機20の電動モータ22に供給する電力を制御する電子制御部品であり、ハード部材81の車両後方側の面のうち電気ヒータ100の下方に開口する挿入口から挿入されて取り付けられている。そして、パワートランジスタ110に取り付けられた冷却フィン111を接続ダクト80内に配置させており、接続ダクト80内を流通する空気により冷却フィン111を冷却して、パワートランジスタ110の温度上昇を抑制するようになっている。 【0048】以上のように、電気ヒータ100およびパワートランジスタ110は接続ダクト80のうちハード部材81に取り付けられるので、電気ヒータ100およびパワートランジスタ110の接続ダクト80への保持、組付、交換が可能となっている。 【0049】ところで、上述の送風機20、蒸発器30、ヒータコア40、エアミックスドア50、ロータリドア60および内外気切換箱70は、空調ユニット1の仕様のバリエーションに関わらず共通の機能を発揮する部品であり、以下、これらの部品を共通機能部品20〜70と呼ぶ。一方、上述の吸音部材82、フィルタ90、電気ヒータ100およびパワートランジスタ110は、空調ユニット1の仕様のバリエーションを生じさせるオプションの機能を発揮する部品であり、以下、これらの部品をオプション機能部品82、90〜110と呼ぶ。 【0050】次に、空調ユニット1の組み立て手順を簡単に説明すると、空調ケース10内に共通機能部品20〜70を組み付けて1つの組付け体としてモジュール化する。一方、接続ダクト80内にオプション機能部品82、90〜110を組み付けて1つの組付け体としてモジュール化する。そして、共通機能部品20〜70からなる組付け体にオプション機能部品82、90〜110からなる組付け体をタッピングスクリュー(図示せず)等により締結して空調ユニット1を組み立てる。 【0051】これにより、図1に示す如く、共通機能部品20〜70は空調ユニット1の車両右側部分(標準共通部)1aに集中して配置され、オプション機能部品82、90〜110は空調ユニット1の車両左側部分(バリエーション対応部)1bに集中して配置されることとなる。すなわち、空調ユニット1は、共通機能部品20〜70からなる標準共通部1aと、オプション機能部品82、90〜110からなるバリエーション対応部1bとに分けて構成されている。よって、バリエーション対応部1bで、各オプション機能部品82、90〜110の有無による仕様のバリエーションを生じさせることができる。 【0052】ここで、本実施形態の他の仕様のバリエーションについて説明すると、図3のバリエーション対応部1bは、全てのオプション機能部品82、90〜110を有するフルオプション仕様のものであるのに対し、図5に示すバリエーション対応部1cは、オプション機能部品82、90〜110を1つも有さないベーシック仕様のものである。 【0053】このベーシック仕様のバリエーション対応部1cの接続ダクト80は、吸音部材82を用いることなくハード部材81のみから構成されており、フィルタカバー83、挿入ガイド84、85および電気ヒータ100を挿入取付するための挿入口を廃止している。また、ベーシック仕様のバリエーション対応部1cでは、送風機20の電動モータ22に供給する電力を制御する電子制御部品として、パワートランジスタ110の替わりに電気抵抗器(レジスタ)120が取り付けられている。 【0054】ここで、一般的に電気抵抗器120はパワートランジスタ110より小型であるため、電子制御部品を挿入取付するために接続ダクト80に形成された挿入口の大きさは、ベーシック仕様では小さい形状となる。すなわち、オプション機能部品としてパワートランジスタ110を取り付ける場合と、電気抵抗器120を取り付ける場合とでは接続ダクト80の挿入口形状が異なる。 【0055】そして、このベーシック仕様のバリエーション対応部1cに対して、各オプション機能部品82、90〜110の有無を選択することにより、多種の仕様のバリエーションを生じさせるようになっている。 【0056】これにより、標準共通部1aを仕様のバリエーションに関わらず1種類とすることができるので、空調装置のうち標準共通部1aの量産性を向上でき、コストダウンを図ることができる。 【0057】また、標準共通部1aおよびバリエーション対応部1bはそれぞれモジュール化されているので、例えば、空調ユニット1を車両に組み付けるラインのサイドにて、各オプション機能部品82、90〜110を接続ダクト80に組み付ける作業を行うようにすれば、空調ユニット1を車両に組み付ける時点で発注に対応した種類の仕様のバリエーションを生じさせることができる。よって、各オプション機能部品82、90〜110の在庫量を減少させることができ、多品番の在庫管理にともなう物流管理コストの増大を抑制できる。 【0058】なお、計器盤と空調ユニット1とを1つの組付体としてコクピットモジュールを形成させる場合においては、コクピットモジュールを組み立てるラインのサイドにて、各オプション機能部品82、90〜110を接続ダクト80に組み付ける作業を行うようにすれば、上述の在庫量減少を同様に図ることができる。 【0059】また、市場においても、バリエーション対応部1bのみを変更することにより空調ユニット1の仕様を変更することができるので、市場における仕様変更を容易にできる。 【0060】次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。モータ22により送風ファン21を作動させると、内外気切替箱70から内気または外気が吸入され、この吸入空気は接続ダクト80を介してスクロールケーシング23の吸入口23aに吸入される。 【0061】そして、この吸入空気は、送風ファン21によりスクロールケーシング23内を送風され、その後、車両後方側から車両前方側へ向かって送風されて蒸発器30の下側へ導入され、その後、蒸発器30を矢印Aのごとく下方から上方へ通過して冷却され、冷風となる。 【0062】この冷風は、次に、エアミックスドア50の開度により冷風バイパス通路13を通過する冷風Cとヒータコア40を通過する温風Bとに振り分けられるので、エアミックスドア50により冷風Cと温風Bの風量割合を調整することにより、この冷風Cと温風Bが空気混合部14付近で混合して所望の温度の空気が得られる。 【0063】そして、ロータリドア60を操作して、フット開口部17とフェイス開口部16とデフロスタ開口部15の開閉を選択することにより、所定の1つの開口部または複数の開口部から車室内へ空気を吹き出すことができる。 【0064】(第2実施形態)第1実施形態のバリエーション対応部1bでは、吸音部材82として発泡性の樹脂を用い、この吸音部材82をハード部材81に溶着する構造であるのに対し、本実施形態のバリエーション対応部1dでは、図6に示すように、接続ダクト80をハード部材81のみから構成し、吸音部材82として吸音ウレタン材を用い、このウレタン材82をハード部材81に貼り付ける構造としている。 【0065】(第3実施形態)第1実施形態では、内外気切換箱70を空調ケース10に一体に形成して、内外気切換箱70を標準共通部1aに含ませているのに対し、本実施形態では、図7、図8に示すように、内外気切換箱70を接続ダクト80に一体に形成して、内外気切換箱70をバリエーション対応部1bに含ませるようにしている。なお、図7、図8の内外気切換箱70に配置された内外気切換ドア74は板状のドアであり、ドア本体74aの車両左右方向の両端部には回転軸74bが樹脂にて一体成形されている。この回転軸74bの軸方向は車両左右方向に向いており、回転軸74bの両端部は内外気切換箱70の壁面の軸受孔(図示せず)に回転可能に保持される。よって、内外気切替ドア74は回転軸74bを中心として回転可能になっている。 【0066】(他の実施形態)上記第1〜第3実施形態では、空調ユニット1に送風機20を備えるレイアウトの空調装置に本発明を適用させているが、本発明は、このようなレイアウトの空調装置への適用に限られるものではなく、複数の共通機能部品20〜70を1つの組付体としてモジュール化された標準共通部1aと、複数のオプション機能部品82、90〜110が1つの組付体としてモジュール化されたバリエーション対応部1bとに分けて構成した空調装置であれば適用できる。例えば、図9に例示するような、送風機ユニット2と、空調ユニット3とこれらのユニット2、3を接続する接続ダクト4とから構成されるレイアウトの空調装置であっても、内外気切換箱70と送風機20との間にオプション機能部品82、90〜110を集中して配置し、標準共通部1aとバリエーション対応部1bとに分けてモジュール化した構造にすればよい。 【0067】また、第1実施形態ではフィルタカバー83および挿入ガイド84、85を接続ダクト80に一体に構成しているが、別体構成であっても本発明を適用できることは勿論である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−274153(P2002−274153A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月25日(2002.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−76952(P2001−76952) |
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