| 【発明の名称】 |
作業用車輌 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤本 明彦
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| 【要約】 |
【課題】運転手等の人手を煩わさずに、ドレーンを自動的に処理することができる装置を備えた作業用車輌を提供する。
【解決手段】運転室3内を空調するためのエアコン9を備え、運搬や荷役作業などを行なうための作業用車輌1において、エアコン9から生ずるドレーンを貯留するドレーンタンク11を車体1aに設置し、ドレーンタンク11の底部付近に一端を接続又は挿入したドレーン吸引管12の他端を、作業用車輌1の車体1aに装備されるエンジン5のマフラ6の排気ガス吸込口付近又はそのすぐ上流側の排気管7に接続している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車内を空調するためのエアコンディショナを備え、運搬や荷役作業などを行なうための作業用車輌において、前記エアコンディショナから生ずるドレーンを貯留するドレーンタンクを前記車内あるいは前記車体に設置し、前記ドレーンタンクの底部付近に一端を接続又は挿入したドレーン吸引管の他端を、前記作業用車輌の車体に装備されるエンジンのマフラの排気ガス吸込口付近又はそのすぐ上流側の排気管に接続したことを特徴とする作業用車輌。 【請求項2】 前記マフラ内の排気ガス吸込口付近に、排気ガスにより負圧を有効に発生させるための負圧発生器具を配設し、前記ドレーン吸引管の一端開口を前記負圧発生器具内に臨ませた請求項1記載の作業用車輌。 【請求項3】 前記ドレーン吸引管に、電磁開閉弁を介設した請求項1又は請求項2記載の作業用車輌。 【請求項4】 前記ドレーン吸引管に、セラミックス製パイプを使用した請求項1〜3のいずれかに記載の作業用車輌。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車内(運転室内)を空調するためのエアコンディショナ(空調機、以下、エアコンともいう)を備えており、しかも船内・船上や倉庫内などの主にエアコンのドレーン(結露水)を垂れ流しできない場所で運搬や荷役作業などを行なうための作業用車輌(重機と称されるものも含む)に関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の作業用車輌は、船内や倉庫内で走行して荷役や運搬などの作業を行なうことが多いために、運転室内の温度および湿度が上昇し、運転環境が悪くなりがちであるところから、一般的に運転室内にエアコンが装備されている。こうした作業用車輌では、図7に示すようにエアコン32から生じるドレーン(ドレーン水)を貯留するためのドレーンタンク33を、運転室31の下方や運転室内に設けており、このドレーンタンク33の底部には開閉コック5を介設した排水ホース34を接続している。そして、船内や倉庫内での作業中にエアコンを使用するときは、ドレーンをドレーンタンクに貯留して垂れ流しを阻止し、作業用車輌を船外や倉庫の外に出したときに、開閉コックを開放してドレーンタンク内のドレーンを排出するようにしている。また、船外や倉庫の外に出る機会のない場合や船内や倉庫内での使用中に、ドレーンタンクが満杯になったときには、運転手がドレーンタンク内のドレーンをバケツ等の他の容器に移し替えて、その容器を船外や倉庫の外まで運んで排水している。 【0003】その他の先行技術に、実開平4−24864号公報に記載のように排気ガスを利用した自動車の清掃装置がある。この装置は、マフラの排気出口にエゼクタを付設し、マフラの排気出口から排出される排気ガスをエゼクタ内に流して負圧を発生させ、この負圧を用いて清掃用ノズルからゴミを吸引して清掃する装置である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来のドレーンの処理方法および上記公報に記載の装置では、次のような不都合がある。すなわち、■ 従来の、ドレーンをタンクに一時貯留し、満杯になったときに他の容器に移し替えて船外や倉庫外に運んで排水する方法では、ドレーンタンク内のドレーンの貯留量を常に監視する必要があるうえに、運転手らの負担が大きい。 ■ 上記公報に記載の装置は、運転室等を清掃するためにマフラから排出される排気ガスによる吸引力を利用するものであり、たとえばドレーンタンクに接続して吸引してもドレーンをマフラの周辺に撒き散らすことになるため、そのまま利用できない。 【0005】この発明は上述の点に鑑みなされたもので、搭載されているエンジンのマフラを利用してエアコンから生ずるドレーンを吸引するとともに加熱して蒸発させることにより、運転手等の人手を煩わさずに、ドレーンを処理することができる装置を備えた作業用車輌を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明に係る作業用車輌は、車内を空調するためのエアコンを備え、運搬や荷役作業などを行なうための作業用車輌において、前記エアコンから生ずるドレーンを貯留するドレーンタンクを前記車内あるいは前記車体に設置し、前記ドレーンタンクの底部付近に一端を接続又は挿入したドレーン吸引管の他端を、前記作業用車輌の車体に装備されるエンジンのマフラの排気ガス吸込口付近又はそのすぐ上流側の排気管に接続したことを特徴としている。 【0007】上記の構成を有する本発明の作業用車輌によれば、エアコンの運転中に生じるドレーンは一旦ドレーンタンクに貯留されるが、従来と違って、ドレーンタンク内に貯留されたドレーンは、排気管およびマフラを通って排出される排気ガスにより発生する吸引作用でマフラ内に吸引される。このマフラ内はエンジンから排出される高温の排気ガスによってかなり高い温度まで加熱され、また高温の排気ガスとも接触するので、ドレーンは蒸気になって排気ガスとともにマフラから排出される。一方、エアコンから排出されるドレーンは一種の結露水であり、通常、断続的に少量ずつ生じるが、ドレーンタンクに一旦貯留した状態でマフラに吸引させるので、マフラ内で瞬時に蒸発可能な水量になるように例えばドレーン吸引管の内径を決定し、定量ずつマフラへ吸引されるようにすることで、ドレーンは連続してスムーズにマフラへ送給され蒸気化される。 【0008】請求項2に記載のように、前記マフラ内の排気ガス吸込口付近に、排気ガスにより負圧を有効に発生させるための負圧発生器具を配設し、前記ドレーン吸引管の一端開口を前記負圧発生器具内に臨ませることが好ましい。ここでいう負圧発生器具とは、前後両端に開口を設けた筒形の器具で、前後方向の中間位置に排気ガスの流速を速めるための絞り部を設けたものをいう。 【0009】請求項2記載の構造により、マフラ内の排気ガス吸込口付近に配設された負圧発生器具内を通過する排気ガスにより、負圧発生器具内に負圧が発生し、この負圧によって負圧発生器具内に一端開口を臨ませたドレーン吸引管内を吸引するから、吸引力が大きく、ドレーンタンク内のドレーンをマフラ内に確実に吸引する。 【0010】請求項3に記載のように、前記ドレーン吸引管に、電磁開閉弁を介設することができる。 【0011】請求項3記載の作業用車輌では、例えばドレーンタンクにドレーンの貯留量を検出するセンサーを備えておき、センサーによりドレーンの貯留量が所定の容量を超えたことを検知したときに、信号を電磁開閉弁に発してドレーン吸引管を開放することによりドレーンをマフラに吸引させ、蒸気化する一方、ドレーンタンク内のドレーン貯留量が空若しくは空に近い状態まで減少した時には同様にセンサーで検知し、信号を電磁開閉弁に発してドレーン吸引管を閉鎖することにより、マフラへエアが吸引されることを防止できる。あるいは、電磁開閉弁にタイマー付き開閉弁を使用し、一定時間ごとにドレーンタンク内のドレーンをマフラで吸引するようにしてもよい。 【0012】請求項4に記載のように、前記ドレーン吸引管に、セラミックス製パイプを使用することができる。 【0013】請求項4に記載の作業用車輌では、ドレーン吸引管に耐熱性に優れたセラミックス製パイプを用いることで、排気管との接続箇所に断熱材等を介在させる必要がなく、また排気管の熱がドレーン吸引管には伝わりにくいうえに、ドレーン吸引管内を吸引されるドレーンによっても冷却されるから、ドレーン吸引管の温度が高くならないので、その周囲を断熱材などで被覆する手間も省ける。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る作業用車輌の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は船内用牽引車および搬送物台車の一部を示す側面図、図2は図1の船内用牽引車を示す正面図、図3はエアコン・ドレーンタンク・エンジン・排気管およびマフラの接続関係を概略的に示す斜視図、図4はマフラの部分的な内部構造を示す一部を断面で表した側面図である。 【0015】図1〜図3に示すように、船内用牽引車1は車体1aの下方に装備した左右の履帯2を回転させて走行する構造の作業用車輌で、車体1a上の前部一側方に運転室3が配設され、この運転室3の他側方にエンジンルーム4が隣接して配設されている。船内用牽引車1は搬送物Bを積載した搬送物台車23を随時連結し、船倉やデッキ上などを押したり牽引したりしながら搬送する。 【0016】船内用牽引車1のエンジンルーム4内には、エンジン5とマフラ6とが排気管7で接続された状態で収容され、マフラ6の出口のテールパイプ8の上部をエンジンルーム4の上方から突出させている。エンジン5は本例では6気筒で、エンジン5の各排気ポートに一端が接続された排気マニホールド7’の他端側に排気管7の一端が接続され、この排気管7の他端がマフラ6の吸込口に接続されている。 【0017】空調機としてのエアコン9は、その本体部分が運転室3内の後壁3aに添わせて装備されている。エアコン9の底部にドレーン口9aが設けられ、このドレーン口9aにドレーンホース10が接続されている。ドレーンホース10から垂れ落ちるドレーンを貯留するためのドレーンタンク11が、運転室3の下方の車体1a上に設置されている。ドレーンタンク11には、図2・図3に示すようにドレーンホース10の他端が挿入され、またドレーン吸引管12の一端もドレーンタンク11内の底部付近まで挿入され、他端がマフラ6の吸込口付近に接続されている。 【0018】本例では排気ガスによる吸引作用を高めるために、図4に示すように負圧発生器具13をマフラ6の吸込口付近に装入している。負圧発生器具13は入口側と出口側の口径がほぼ同一で、中間の入口側寄りの口径を小さく絞った円筒体形状からなり、ドレーン吸引管12の端部開口を負圧発生器具13の入口から挿入し、絞り部13aの中心部に配置している。ドレーン吸引管12には耐熱性および断熱性に優れたセラミックス製パイプを使用し、途中に電磁開閉弁14(図5)を介設している。またドレーン吸引管12の内径は、一度の多量のドレーンが送給されないように、いいかえれば送給されるドレーンがマフラ6内で瞬時に蒸気化されるように設定している。 【0019】一方、図5のようにドレーンタンク11にはドレーンの貯留量を検出するためのセンサー15として、フロート15aを水平な回転軸15bによりタンク壁11bに軸受15cを介して上下方向に旋回自在に軸支している。タンク壁11bの外側には、回転軸15bの外方突出端に設けた接触子15dの先端部が接する位置に接点式スイッチ15eが設けられ、ドレーンタンク11内にドレーンが貯留されているか否かを検出するようにしている。スイッチ15eと電磁開閉弁14とを配線16で接続するとともに、運転室3内に配置したパイロットランプ17にも配線18で接続し、ドレーンタンク11内にドレーンが貯留されている間は電磁開閉弁14が開放され、かつパイロットランプ17が点灯するように構成している。 【0020】なお、図1・図2において、符号21は燃料タンク、22は船内のデッキ、23は搬送物台車をそれぞれ示す。 【0021】以上のようにして本発明の実施例に係る船内用牽引車1が構成されるが、これに装備されるエアコン9から生じるドレーンの処理態様について説明する。 【0022】図1・図2・図5に示すように、船内用牽引車1による搬送作業時に、運転室3内のエアコン9を使用する場合、エアコン9からドレーンが生じるが、このドレーンはドレーンホース10からドレーンタンク11内に垂れ落ち、徐々に貯留される。タンク11内にドレーンがある程度溜ると、センサー15のフロート15aが浮き上がりスイッチ15eがONになって電磁開閉弁14が開放され、かつパイロットランプ17が点灯する。この状態で、エンジン5が運転(作動)中であると、排気ガスがマフラ6内の負圧発生器具13内を流れて排出されるので、負圧発生器具13内で負圧が発生し、ドレーンタンク11内のドレーンが吸引管12を介してマフラ6内に吸引される。マフラ6内は排気ガスによりかなりの高温に加熱されており、かつ高温の排気ガスと接触するうえ、ドレーンタンク11内から継続的に送給されるドレーンの量を少量ずつに制限しているので、瞬時に蒸気になって排気ガスとともにマフラ6内を通過してテールパイプ8から大気中に排出される。 【0023】このようにして、ドレーンタンク11内のドレーンがマフラ6へ吸引され、蒸気化されて排出されることにより、ほぼ空に近くなると、この状態がセンサー15のフロート15aによって検知され、スイッチ15eがOFFになって電磁開閉弁14が閉鎖される。したがって、ドレーンタンク11内のエアがマフラ6内に吸引されることはない。 【0024】図6は本発明の他の実施例を示す図面で、ドレーン吸引管12と排気管7の接続箇所の一部を表した斜視図である。本例の装置が上記実施例と相違するところは、ドレーン吸引管12の一端開口をマフラ6のすぐ上流側の排気管7内に挿入し、マフラ6の吸込口に向けて配置し、負圧発生器具13を省いたことである。負圧発生器具13を省いているが、マフラ6に比べて口径の小さい排気管7内にドレーン吸引管12の一端を開口しているので、吸引効果は高く、とくに支障はなく、構造が簡素化されるというメリットがある。なお、図示は省略するが、ドレーンタンク11にセンサー15を設ける代わりに、エアコン9の運転に連動してタイマーが作動して一定時間だけ電磁開閉弁14を開放するようにしてもよい。 【0025】上記に本発明の実施例を示したが、本発明は船内用牽引車や船内キャリアに限らず、ドレーンの垂れ流しが禁止される場所で使用される各種作業用車輌に適用できることは言うまでもない。また、ドレーンタンク11は運転室3内に設けることができる。 【0026】 【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、本発明に係る作業用車輌には、次のような優れた効果がある。 【0027】■ エアコンの運転中に生じるドレーンを、人手を煩わすことなく、自動的に蒸気にして処理できる。しかも、自動車のエンジンの排気系統を利用して吸引し蒸気化するので、特別な吸引機構や加熱装置が不要で、構造が簡単なうえに、製造コストが安く、ランニングコストもほとんどかからない。 【0028】■ 請求項2に記載の発明では、負圧発生器具で負圧を発生させるので、吸引力が大きく、ドレーンタンク内のドレーンをマフラ内に確実に吸引する。 【0029】■ 請求項3に記載の発明では、例えばドレーンタンクにドレーンが貯留されているときにだけ電磁開閉弁を介してドレーン吸引管を開放することによりドレーンをマフラに吸引させて蒸気化でき、ドレーンタンク内のエアがマフラへ吸引されることを防止できる。 【0030】■ 請求項4に記載の発明では、排気管との接続箇所に断熱材等を介在させる必要がなく、またドレーン吸引管の温度が高くなりにくいので、その周囲を断熱材などで被覆しなくて済む。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003241 【氏名又は名称】ティー・シー・エム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月8日(2000.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085291 【弁理士】 【氏名又は名称】鳥巣 実
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| 【公開番号】 |
特開2002−144854(P2002−144854A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月22日(2002.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−340080(P2000−340080) |
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