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【発明の名称】 ヒートポンプサイクル
【発明者】 【氏名】鈴木 伸彦

【要約】 【課題】四方弁を不要にし、ユニット内に配置される熱交換器が高低圧両用で用いられることを避けることができる高圧仕様のヒートポンプサイクルを提供する。

【解決手段】吐出圧力が冷媒の臨界圧力以上に設定され得るコンプレッサ4と、ユニット内に配されて内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器1と、ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器2と、ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器3と、アキュムレータ5とを備える。冷房運転時に、コンプレッサ、第1の熱交換器、第3の熱交換器、第2の熱交換器、アキュムレータ、コンプレッサの順で冷媒が状態変化する冷房回路を構成し、暖房運転時に、コンプレッサ、第1の熱交換器、第3の熱交換器、第2の熱交換器、アキュムレータ、コンプレッサの順で冷媒が状態変化する暖房回路を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスさせて前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項2】 除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱すると共に前記第2の熱交換器でさらに吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプサイクル。
【請求項3】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第1の通路と前記第2の熱交換器とをバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項4】 除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、その後、前記第1の通路を通過させた後に前記第2の熱交換器でさらに吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにしたことを特徴とする請求項3記載のヒートポンプサイクル。
【請求項5】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項6】 除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器でさらに吸熱して前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにしたことを特徴とする請求項5記載のヒートポンプサイクル。
【請求項7】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項8】 除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにしたことを特徴とする請求項7記載のヒートポンプサイクル。
【請求項9】 前記除湿暖房運転時において、前記第1の通路を通過した冷媒を減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給する分流吸熱回路が選択的に付加できるようにしたことを特徴とする請求項8記載のヒートポンプサイクル。
【請求項10】 前記アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のヒートポンプサイクル。
【請求項11】 前記アキュムレータ内に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設けたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のヒートポンプサイクル。
【請求項12】 前記アキュムレータの下流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記コンプレッサへ戻す冷媒を前記加熱器を介して戻すことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のヒートポンプサイクル。
【請求項13】 前記暖房回路での前記冷媒を減圧する前の段階において前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設けたことを特徴とする請求項1、3、5、又は7に記載のヒートポンプサイクル。
【請求項14】 前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す第2除湿暖房回路の形成を可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のヒートポンプサイクル。
【請求項15】 前記アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給し、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2及び第3の熱交換器をバイパスして前記加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のヒートポンプサイクル。
【請求項16】 前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を介して前記コンプレッサに戻す第2除湿暖房回路の形成を可能にしたことを特徴とする請求項3又は4記載のヒートポンプサイクル。
【請求項17】 前記アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給し、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2及び第3の熱交換器をバイパスして前記加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を介して前記コンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にしたことを特徴とする請求項3又は4記載のヒートポンプサイクル。
【請求項18】 前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を介して前記コンプレッサに戻す第2除湿暖房回路の形成を可能にしたことを特徴とする請求項5又は6記載のヒートポンプサイクル。
【請求項19】 前記アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給し、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、前記第1の通路を通過させた後に減圧すると共に前記第2及び第3の熱交換器をバイパスして前記加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を介して前記コンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にしたことを特徴とする請求項5、6、7又は8記載のヒートポンプサイクル。
【請求項20】 前記冷媒は、二酸化炭素である請求項1乃至19のいずれかに記載のヒートポンプサイクル。
【請求項21】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配されて吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、第1乃至第3の流量調整手段と、アキュムレータとを有し、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第2の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータの順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項22】 前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間が前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続されることを特徴とする請求項21記載のヒートポンプサイクル。
【請求項23】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配されて吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、第1乃至第3の流量調整手段と、アキュムレータとを有し、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第1の通路、前記第2の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータ、前記第2の通路の順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第1の通路との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項24】 前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第1の通路との間が前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続されることを特徴とする請求項23記載のヒートポンプサイクル。
【請求項25】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配されて吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、第1乃至第4の流量調整手段と、アキュムレータとを有し、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第2の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータ、前記第2の通路の順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続し、前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間を前記第1の通路を経た後に第4の流量調整手段を介して前記第1の流量調整手段と前記第3の熱交換器との間に接続するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項26】 前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間が前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続されることを特徴とする請求項25記載のヒートポンプサイクル。
【請求項27】 冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配されて吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、第1乃至第6の流量調整手段と、アキュムレータとを有し、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第2の流量調整手段、前記第1の通路、前記第3の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータ、前記第2の通路の順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間を前記第4の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続し、前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間を第5の流量調整手段を介して前記第2の流量調整手段と前記第1の通路との間に接続し、前記第1の通路と前記第3の流量調整手段との間を第6の流量調整手段を介して前記第1の流量調整手段と前記第3の熱交換器との間に接続するようにしたことを特徴とするヒートポンプサイクル。
【請求項28】 前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間が前記第4の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続されることを特徴とする請求項27記載のヒートポンプサイクル。
【請求項29】 前記アキュムレータと前記コンプレッサとの間に加熱器を設けたことを特徴とする請求項21、23、25、又は27記載のヒートポンプサイクル。
【請求項30】 前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間に加熱器を設けたことを特徴とする請求項21、23記載のヒートポンプサイクル。
【請求項31】 前記第1の通路と前記第4の流量調整手段との間に加熱器を設けたことを特徴とする請求項25記載のヒートポンプサイクル。
【請求項32】 前記第1の通路と前記第6の流量調整手段との間に加熱器を設けたことを特徴とする請求項27記載のヒートポンプサイクル。
【請求項33】 前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間を、前記第4の流量調整手段を介して前記第2の流量調整手段と第2の熱交換器との間に接続すると共に前記第5の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続するようにしたことを特徴とする請求項22又は24記載のヒートポンプサイクル。
【請求項34】 前記第1の通路と前記第4の流量調整手段との間を第5の流量調整手段を介して前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間に接続するようにしたことを特徴とする請求項26記載のヒートポンプサイクル。
【請求項35】 前記第1の通路と前記第3の流量調整手段との間を第7の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続するようにしたことを特徴とする請求項28記載のヒートポンプサイクル。
【請求項36】 冷房運転時には、高圧圧力が高圧側の冷媒温度に応じて調節され、暖房運転時又は除湿暖房運転時には、前記高圧圧力が臨界圧力を下回らないように調節されると共に臨界圧力よりも高い所定値を超えないように調節されることを特徴とする請求項1〜35の何れかに記載のヒートポンプサイクル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、冷媒として臨界温度の低い冷媒、例えば、二酸化炭素(CO2 )等のように超臨界域で使用され得る冷媒を用いたヒートポンプサイクルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヒートポンプサイクルとして、例えば特公昭52−13025号公報に示されるもの等が知られている。これは、空調ユニット内に第1の熱交換器と第2の熱交換器とを配し、空調ユニット外に第3の熱交換器を配し、冷房運転時には四方弁を切り換えて冷房側にセットし、第1の熱交換器と第2の熱交換器とを吸熱器として用いると共に第3の熱交換器を放熱器として用い、暖房運転時には四方弁を切り換えて暖房側にセットし、第1の熱交換器と第2の熱交換器とを放熱器として用いると共に第3の熱交換器を吸熱器として用いるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のようなヒートポンプサイクルは、R134aなどを冷媒とする場合を前提としたものであり、R134aなどの代替として注目されている二酸化炭素(CO2 )を冷媒とする場合には、次のような点で克服すべき問題が多い。
【0004】即ち、二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプサイクルの場合にあっては、高圧ラインが冷媒の臨界圧力以上に設定され得ることからサイクル内が非常に高圧となり、このため、耐圧設計が十分でない現行の四方弁では対応することができず、また、高圧仕様の四方弁を製作するにしても、技術的に困難を伴う。
【0005】また、CO2 サイクルにおいては、高圧圧力(高圧ラインでの冷媒圧力)と低圧圧力(低圧ラインでの冷媒圧力)との差が非常に大きいことから、特に空調ユニット内の熱交換器を高圧ラインにも低圧ラインにも用いられるように高低圧両用の仕様に設計する場合には、性能面のみならず安全面の上から問題がある。
【0006】つまり、安全性を高めるためには熱交換器の構成部品を厚肉にするなどして耐圧力を大きくする設計を行うのに対し、熱交換性能を高めるためには熱交換器の構成部品を薄肉にして熱伝達をよくしたり熱交換面積を大きくするなどの設計を行うことから、熱交換器を高低圧両用で用いようとする場合に、安全面を重視して厚肉化を図るものとすれば、熱交換器の重量が増加すると共にコストが増加することとなり、また、熱交換性能を重視して薄肉化を図って耐圧力を抑えるものとすれば、安全性が損なわれることが懸念される。特に、安全性の確保は、車両用空調装置の場合、車室側に配されるユニット内の熱交換器において重要になることから、このようなユニット内に配される熱交換器にあっては、高圧ライン上で用いられる熱交換器と低圧ライン上で用いられる熱交換器とを区別し、それぞれに適した設計をすることが望ましい。
【0007】そこで、この発明においては、二酸化炭素等の冷媒のように、高圧ラインが超臨界圧で用いられ得る高圧仕様のヒートポンプサイクル、即ち、コンプレッサによって圧縮された冷媒が臨界圧力以上に設定され得ると共に、高圧ライン上の熱交換器の内部の圧力が前記冷媒の臨界圧力以上になり得るようなヒートポンプサイクルにおいて、四方弁を不要にすると共に、ユニット内に配置される熱交換器を運転モードに拘わらずに高圧仕様の熱交換器と低圧仕様の熱交換器とを分けるようにしたヒートポンプサイクルを提供することを主たる課題としている。
【0008】また、このようなヒートポンプサイクルにおいて、暖房性能の向上を図ると共に、ユニット外に配される熱交換器において冷媒が必要以上に冷やされて寝込んでしまったり、逆に不必要に熱を逃してしまうことを防止することができ、また、ユニット外に配される熱交換器の除霜をし易くすることができるヒートポンプサイクルを提供することをも課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、この発明に係るヒートポンプサイクルは、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスさせて前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしたことを特徴としている(請求項1)。
【0010】したがって、冷房運転時でも暖房運転時でも、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器へ導かれ、その後第3の熱交換器へ供給されることとなり、冷房運転時ではさらに第2の熱交換器を通り、暖房運転時では第2の熱交換器をバイパスすることとなるので、冷媒経路を冷房運転時と暖房運転時とで逆にする必要がなくなり(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要がなくなり)、四方弁を用いる必要が無くなる。また、ユニット内に配される第1の熱交換器は減圧される前の冷媒が通過して放熱用としてのみ用いられ、第2の熱交換器は減圧された後の冷媒が通過して吸熱用としてのみ用いられることから、空調ユニット内に配されるそれぞれの熱交換器を高圧用としても低圧用としても(放熱用としても吸熱用としても)用いる必要はなくなり、第1の熱交換器を放熱器として、また、第2の熱交換器を吸熱器として、別々に設計すればよいこととなる。
【0011】また、このような構成のヒートポンプサイクルにおいて、除湿暖房の要請がある場合には、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に第3の熱交換器で吸熱すると共に第2の熱交換器でさらに吸熱し、しかる後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータからコンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにすればよい(請求項2)。
【0012】このような除湿暖房運転を行う場合においても、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器に導かれ、その後、第3の熱交換器を経て第2の熱交換器へ導かれるようになるので、冷媒の流れを逆転させる必要はなく(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要はなく)、また、空調ユニット内に配置される第1の熱交換器を放熱器として、第2の熱交換器を吸熱器としてそれぞれ区別して用いられることとなるので、他の運転モードを通じて、空調ユニット内に収容されるそれぞれの熱交換器が放熱用としても吸熱用としても両用されることはない。
【0013】また、ヒートポンプサイクルは、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第1の通路と前記第2の熱交換器とをバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしてもよい(請求項3)。
【0014】このような構成においても、冷房運転時と暖房運転時のそれぞれにおいて、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器へ導かれ、その後第3の熱交換器へ供給されることとなり、冷房運転時ではさらに第1の通路を経て第2の熱交換器へ供給され、暖房運転時では第1の通路と第2の熱交換器とをバイパスすることとなるので、冷媒経路を冷房運転時と暖房運転時とで逆にする必要がなくなり(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要がなくなり)、四方弁を用いる必要が無くなる。また、ユニット内に配される第1の熱交換器は減圧される前の冷媒が通過して放熱用としてのみ用いられ、第2の熱交換器は減圧された後の冷媒が通過して吸熱用としてのみ用いられることから、空調ユニット内に配されるそれぞれの熱交換器を高圧用としても低圧用としても(放熱用としても吸熱用としても)用いる必要はなくなり、第1の熱交換器を放熱器として、また、第2の熱交換器を吸熱器として、別々に設計すればよいこととなる。
【0015】また、このような構成のヒートポンプサイクルにおいて、除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、その後、前記第1の通路を通過させた後に前記第2の熱交換器でさらに吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにすればよい(請求項4)。
【0016】このような除湿暖房運転を行う場合には、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器に導かれ、その後、第3の熱交換器と第1の通路を経て第2の熱交換器へ導かれるようになるので、冷媒の流れを逆転させる必要はなく(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要はなく)、また、空調ユニット内に配置される第1の熱交換器を放熱器として、第2の熱交換器を吸熱器としてそれぞれ区別して用いられることとなるので、他の運転モードを通じて、空調ユニット内に収容されるそれぞれの熱交換器が放熱用としても吸熱用としても両用されることはない。
【0017】また、ヒートポンプサイクルは、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしてもよい(請求項5)。
【0018】このような構成においても、冷房運転時と暖房運転時のそれぞれにおいて、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器へ導かれ、その後、第1の通路をバイパス又は経由して第3の熱交換器へ供給されることとなり、冷房運転時ではさらに第2の熱交換器を通り、暖房運転時では第2の熱交換器をバイパスすることとなるので、冷媒経路を冷房運転時と暖房運転時とで逆にする必要がなくなり(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要がなくなり)、四方弁を用いる必要が無くなる。また、ユニット内に配される第1の熱交換器は減圧される前の冷媒が通過して放熱用としてのみ用いられ、第2の熱交換器は減圧された後の冷媒が通過して吸熱用としてのみ用いられることから、空調ユニット内に配されるそれぞれの熱交換器を高圧用としても低圧用としても(放熱用としても吸熱用としても)用いる必要はなくなり、第1の熱交換器を放熱器として、また、第2の熱交換器を吸熱器として、別々に設計すればよいこととなる。
【0019】また、このような構成のヒートポンプサイクルにおいて、除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器でさらに吸熱して前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにすればよい(請求項6)。
【0020】このような除湿暖房運転を行う場合には、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器に導かれ、その後、第1の通路と第3の熱交換器を経て第2の熱交換器へ導かれるようになるので、冷媒の流れを逆転させる必要はなく(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要はなく)、また、空調ユニット内に配置される第1の熱交換器を放熱器として、第2の熱交換器を吸熱器としてそれぞれ区別して用いられることとなるので、他の運転モードを通じて、空調ユニット内に収容されるそれぞれの熱交換器が放熱用としても吸熱用としても両用されることはない。
【0021】また、ヒートポンプサイクルは、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するようにしてもよい(請求項7)。
【0022】このような構成においては、冷房運転時と暖房運転時とのそれぞれにおいて、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器へ導かれ、その後、冷房運転時では第3の熱交換器へ直接供給され、暖房運転時では第1の通路を経由して第3の熱交換器へ供給されることとなる。また、第3の熱交換器を通過した冷媒は、冷房運転時では第1の通路を経由して第2の熱交換器を通り、暖房運転時では第2の熱交換器をバイパスすることとなるので、冷媒経路を冷房運転時と暖房運転時とで逆にする必要がなくなり(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要がなくなり)、四方弁を用いる必要が無くなる。また、ユニット内に配される第1の熱交換器は減圧される前の冷媒が通過して放熱用としてのみ用いられ、第2の熱交換器は減圧された後の冷媒が通過して吸熱用としてのみ用いられることから、空調ユニット内に配されるそれぞれの熱交換器を高圧用としても低圧用としても(放熱用としても吸熱用としても)用いる必要はなくなり、第1の熱交換器を放熱器として、また、第2の熱交換器を吸熱器として、別々に設計すればよいこととなる。
【0023】また、このような構成のヒートポンプサイクルにおいて、除湿暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す除湿暖房回路を構成するようにすればよい(請求項8)。
【0024】このような除湿暖房運転を行う場合には、コンプレッサで圧縮された冷媒が、先ず、第1の熱交換器に導かれ、その後、第1の通路を経て第2の熱交換器へ導かれるようになるので、冷媒の流れを逆転させる必要はなく(コンプレッサから吐出した冷媒が直接供給される熱交換器を切り換える必要はなく)、また、空調ユニット内に配置される第1の熱交換器を放熱器として、第2の熱交換器を吸熱器としてそれぞれ区別して用いられることとなるので、他の運転モードを通じて、空調ユニット内に収容されるそれぞれの熱交換器が放熱用としても吸熱用としても両用されることはない。
【0025】上述の除湿暖房運転時においては、前記第1の通路を通過させた冷媒を減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスしてアキュムレータへ供給する分流吸熱回路を選択的に付加できるようにし、必要に応じて吸熱量を多くするようにしてもよい(請求項9)。
【0026】以上の構成において、暖房運転時での冷媒の吸熱量を多くし、コンプレッサの吸入冷媒温度を高める手段として、アキュムレータの上流側に冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、アキュムレータへ供給される冷媒を加熱器を介して供給するようにしても(請求項10)、アキュムレータ内に冷媒の加熱を可能とする加熱器を設けるようにしても(請求項11)、アキュムレータの下流側に冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、コンプレッサへ戻す冷媒を加熱器を介して戻すようにしても(請求項12)、暖房回路での冷媒を減圧する前の段階において冷媒の加熱を可能とする加熱器を設けるようにしてもよい(請求項13)。
【0027】特に、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスさせて前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルや、これに、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に第3の熱交換器で吸熱すると共に第2の熱交換器でさらに吸熱し、しかる後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータからコンプレッサに戻す除湿暖房回路の構成を可能とするヒートポンプサイクルにおいて、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す第2除湿暖房回路の形成を可能にするようにしても(請求項14)、アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給する構成とし、コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2及び第3の熱交換器をバイパスして前記加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にするようにしてもよい(請求項15)。
【0028】また、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、空調ユニット内に配された放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第1の通路と前記第2の熱交換器とをバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルや、これに、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に第3の熱交換器で吸熱し、その後、第1の通路を通過させた後に第2の熱交換器でさらに吸熱し、しかる後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータから第2の通路を通過させてコンプレッサに戻す除湿暖房回路の構成を可能とするヒートポンプサイクルにおいて、コンプレッサで圧縮された冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を介して前記コンプレッサに戻す第2除湿暖房回路の形成を可能にするようにしても(請求項16)、アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給する構成とし、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第2及び第3の熱交換器をバイパスして前記加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を介して前記コンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にするようにしてもよい(請求項17)。
【0029】さらに、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルや、これに、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱した後に第1の通路を通過させ、減圧した後に第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に第2の熱交換器でさらに吸熱してアキュムレータへ供給し、このアキュムレータから第2の通路を通過させた後にコンプレッサに戻す除湿暖房回路の構成を可能とするヒートポンプサイクルにおいて、コンプレッサで圧縮された冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、第1の通路を通過させた後に減圧して第2の熱交換器で吸熱し、しかる後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータから第2の通路を介してコンプレッサに戻す第2除湿暖房回路の形成を可能にするようにしても(請求項18)、アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して供給する構成とし、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱し、第1の通路を通過させた後に減圧すると共に第2及び第3の熱交換器をバイパスして加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータから第2の通路を介してコンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にするようにしてもよい(請求項19)。
【0030】このように、第2除湿暖房回路の形成を可能とすることにより、第3の熱交換器が外気で冷却されて内部に冷媒が寝込むような運転条件下において、あるいは、第3の熱交換器を吸熱器として用いている場合に、蒸発温度が外気温度よりも高くなって逆に熱を逃してしまうような運転条件下において、第2除湿暖房回路の形成により、冷媒の寝込みや吸熱段階で熱を逃してしまうことを防止することができ、また、第2暖房回路の形成を可能とすることにより、暖房運転時において第3の熱交換器の除霜を必要とするような場合に、第3の熱交換器への冷媒の供給を避けることができ、また、第1の熱交換器による放熱能力を保つことで暖房能力の確保を図ることが可能となる。
【0031】また、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、前記冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、前記第1の通路を通過する冷媒と前記第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルや、これに、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱した後に第1の通路を通過させ、その後減圧して第2の熱交換器で吸熱し、しかる後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータから第2の通路を通過させた後にコンプレッサに戻す除湿暖房回路の構成を可能とするヒートポンプサイクルにおいて、アキュムレータの上流側に前記冷媒の加熱を可能とする加熱器を設け、前記アキュムレータへ供給される冷媒を前記加熱器を介して前記アキュムレータへ供給する構成とし、コンプレッサで圧縮された冷媒を第1の熱交換器で放熱し、第1の通路を通過させた後に減圧すると共に第2及び第3の熱交換器をバイパスして加熱器へ供給し、この加熱器で吸熱した後にアキュムレータへ供給し、このアキュムレータから第2の通路を介してコンプレッサに戻す第2暖房回路の形成を可能にするようにしてもよい(請求項19)。
【0032】このような第2暖房回路の形成を可能とすることにより、暖房運転時において第3の熱交換器の除霜を必要とするような場合に、第3の熱交換器への冷媒の供給を避けることができ、また、第1の熱交換器による放熱能力を保つことで暖房能力の確保を図ることが可能となる。
【0033】尚、上述したそれぞれのヒートポンプサイクルは、二酸化炭素を冷媒とする場合に有用である(請求項20)。
【0034】冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配されて吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、アキュムレータとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスさせて前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルの具体的構成例としては、第1乃至第3の流量調整手段を備え、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第2の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータの順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続する構成が考えられる(請求項21)。
【0035】このような構成において、暖房能力の向上を図る加熱器を設けるには、前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続する構成としても(請求項22)、前記アキュムレータと前記コンプレッサとの間に加熱器を設けるようにしても(請求項29)、前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間に加熱器を設けるようにしてもよい(請求項30)。
【0036】また、第2除湿暖房回路と第2暖房回路の形成を可能とするために、第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、第3の熱交換器と第2の流量調整手段との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続する構成とし、第1の熱交換器と第1の流量調整手段との間を、第4の流量調整手段を介して第2の流量調整手段と第2の熱交換器との間に接続すると共に第5の流量調整手段を介して第2の熱交換器と加熱器との間に接続するようにするとよい(請求項33)。
【0037】冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されてダンパによって通風量が調節されると共に内部の圧力が冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配されて吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、第1の通路を通過する冷媒と第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有するヒートポンプサイクルのうち、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱し、減圧した後に前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第1の通路と前記第2の熱交換器とをバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルの具体的構成例としては、第1乃至第3の流量調整手段を備え、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第1の通路、前記第2の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータ、前記第2の通路の順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第1の通路との間を前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続する構成が考えられる(請求項23)。
【0038】このような構成において、暖房能力の向上を図る加熱器を設けるには、前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第1の通路との間が前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続する構成としても(請求項24)、前記アキュムレータと前記コンプレッサとの間に加熱器を設けるようにしても(請求項29)、前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間に加熱器を設けるようにしてもよい(請求項30)。
【0039】また、第2除湿暖房回路と第2暖房回路の形成を可能とするために、第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第1の通路との間を第3の流量調整手段を介して第2の熱交換器と加熱器との間に接続する構成とし、第1の熱交換器と第1の流量調整手段との間を、第4の流量調整手段を介して第2の流量調整手段と第2の熱交換器との間に接続すると共に第5の流量調整手段を介して第2の熱交換器と加熱器との間に接続するようにするとよい(請求項33)。
【0040】冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されて内部の圧力が前記冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、第1の通路を通過する冷媒と第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有するヒートポンプサイクルのうち、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルの具体的構成例としては、第1乃至第4の流量調整手段を備え、コンプレッサ、第1の熱交換器、第1の流量調整手段、第3の熱交換器、第2の流量調整手段、第2の熱交換器、アキュムレータ、第2の通路の順に接続してループを形成すると共に、第3の熱交換器と第2の流量調整手段との間を第3の流量調整手段を介して第2の熱交換器とアキュムレータとの間に接続し、第1の熱交換器と第1の流量調整手段との間を第1の通路を経た後に第4の流量調整手段を介して第1の流量調整手段と第3の熱交換器との間に接続する構成が考えられる(請求項25)。
【0041】このような構成において、暖房能力の向上を図る加熱器を設けるには、前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間が前記第3の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続する構成としても(請求項26)、前記アキュムレータと前記コンプレッサとの間に加熱器を設けるようにしても(請求項29)、前記第1の通路と前記第4の流量調整手段との間に加熱器を設けるようにしてもよい(請求項31)。
【0042】また、第2除湿暖房回路と第2暖房回路の形成を可能とするために、第2の熱交換器とアキュムレータとの間に加熱器を設け、第3の熱交換器と第2の流量調整手段との間を第3の流量調整手段を介して第2の熱交換器と加熱器との間に接続する構成とし、第1の通路と前記第4の流量調整手段との間を第5の流量調整手段を介して第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間に接続するようにするとよい(請求項34)。
【0043】さらに、冷媒を圧縮して吐出圧力を前記冷媒の臨界圧力以上に設定し得るコンプレッサと、空調ユニット内に配されて内部の圧力が前記冷媒の臨界圧力以上になり得る放熱機能を有する第1の熱交換器と、前記空調ユニット内に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、前記空調ユニット外に配されて放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換器と、冷媒が通過する第1の通路と第2の通路とを備え、第1の通路を通過する冷媒と第2の通路を通過する冷媒とを熱交換させる第4の熱交換器と、アキュムレータとを有するヒートポンプサイクルのうち、冷房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器を通過させた後に前記第3の熱交換器で放熱し、その後前記第1の通路を通過させた後に減圧して前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させて前記コンプレッサに戻す冷房回路を構成し、暖房運転時には、前記コンプレッサで圧縮された前記冷媒を前記第1の熱交換器で放熱した後に前記第1の通路を通過させ、その後減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記第2の熱交換器をバイパスして前記アキュムレータへ供給し、このアキュムレータから前記第2の通路を通過させた後に前記コンプレッサに戻す暖房回路を構成するヒートポンプサイクルの具体的構成例としては、第1乃至第6の流量調整手段を備え、前記コンプレッサ、前記第1の熱交換器、前記第1の流量調整手段、前記第3の熱交換器、前記第2の流量調整手段、前記第1の通路、前記第3の流量調整手段、前記第2の熱交換器、前記アキュムレータ、前記第2の通路の順に接続してループを形成すると共に、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間を前記第4の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続し、前記第1の熱交換器と前記第1の流量調整手段との間を第5の流量調整手段を介して前記第2の流量調整手段と前記第1の通路との間に接続し、前記第1の通路と前記第3の流量調整手段との間を第6の流量調整手段を介して前記第1の流量調整手段と前記第3の熱交換器との間に接続する構成が考えられる(請求項27)。
【0044】このような構成において、暖房能力の向上を図る加熱器を設けるには、前記第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に加熱器を設け、前記第3の熱交換器と前記第2の流量調整手段との間が前記第4の流量調整手段を介して前記第2の熱交換器と前記加熱器との間に接続する構成としても(請求項28)、前記アキュムレータと前記コンプレッサとの間に加熱器を設けるようにしても(請求項29)、前記第1の通路と前記第6の流量調整手段との間に加熱器を設けるようにしてもよい(請求項32)。
【0045】また、第2除湿暖房回路と第2暖房回路の形成を可能とするために、第2の熱交換器とアキュムレータとの間に加熱器を設け、第3の熱交換器と第2の流量調整手段との間を第4の流量調整手段を介して第2の熱交換器と前記アキュムレータとの間に接続する構成とし、第1の通路と第3の流量調整弁との間を第7の流量調整手段を介して第2の熱交換器と加熱器との間に接続するようにするとよい(請求項35)。
【0046】さらに、上述した各構成において、暖房運転時または除湿暖房運転時において、暖房能力の確保を確実にすると共にコンプレッサ吐出側の冷媒圧力、即ち高圧圧力が上昇し過ぎることを防止するために、冷房運転時には、高圧圧力を高圧側の冷媒温度に応じて調節し、暖房運転時又は除湿暖房運転時には、高圧圧力を臨界圧力を下回らないように調節すると共に臨界圧力よりも高い所定値を超えないように調節するとよい(請求項36)。
【0047】
【発明の実施の形態】以下において、本発明に係るヒートポンプサイクルの実施の態様を図面に基づいて説明する。以下において示されるヒートポンプサイクルは、臨界温度が低い冷媒、例えば、二酸化炭素(CO2 )を冷媒として用いた場合に適したサイクルであり、車両用空調装置に利用されて車室内を冷暖房するため等に利用されるものである。図1において、このようなヒートポンプサイクルの第1の構成例が示され、このヒートポンプサイクルは、第1乃至第3の熱交換器1,2,3、コンプレッサ4、アキュムレータ5、第1乃至第3の流量調整弁11,12,13を有して構成されている。
【0048】第1及び第2の熱交換器1,2は、車両の車室側に設けられた空調ユニット6内に配置されるもので、第2の熱交換器2は、空調ユニット6の通路断面全体を遮るように配されて上流から送られてくる空気を全て通過するようになっており、また、第1の熱交換器1は、ダクト内の一部を2分してなる一方の通路上を遮るように設けられている。第1の熱交換器1は、放熱機能を有する熱交換器であり、その上流側に配置されたエアミックスドア7によってここを通過する空気とバイパスする空気との割合が調節されるようになっており、また、第2の熱交換器2は、吸熱機能を有する熱交換器であり、エアミックスドア7よりも上流側に配置されている。
【0049】実際において空調ユニット6は、最上流側に図示しないインテーク装置が配置され、内気入口と外気入口との開口割合がインテークドアによって調整されるようになっており、また、内気入口と外気入口とに臨むように送風機8が収納され、この送風機8の回転により吸引された空気を第2の熱交換器2へ圧送するようになっている。また、第1の熱交換器1よりも下流側は、図示しないデフロスト吹出口、ベント吹出口、およびヒート吹出口に分かれて車室内に開口し、その分かれた部分にモードドアが設けられ、このモードドアを操作することにより吹出モードが切り換えられるようになっている。
【0050】したがって、内気入口又は外気入口から導入された内気又は外気は、送風機8の回転により吸引され、下流側に配されている第1の熱交換器1と第2の熱交換器2とによって適宜熱交換されて温調され、所望の吹出口から車室内へ供給されるようになっている。
【0051】空調ユニット外の例えばエンジンルームには、前記第3の熱交換器3やコンプレッサ4、アキュムレータ5等が配置され、アキュムレータ5はコンプレッサ14の吸入側の配管上に設けられており、この例におけるサイクル構成では、コンプレッサ4の吐出側が第1の熱交換器1の冷媒流入側に接続され、第1の熱交換器1の冷媒流出側が第1の流量調整弁11を介して第3の熱交換器3の冷媒流入側に接続され、第3の熱交換器3の冷媒流出側が第2の流量調整弁12を介して第2の熱交換器2の冷媒流入側に接続され、第2の熱交換器2の冷媒流出側が前記アキュムレータ5を介してコンプレッサ4の吸入側に接続されている。即ち、コンプレッサ4→第1の熱交換器1→第1の流量調整弁11→第3の熱交換器3→第2の流量調整弁12→第2の熱交換器2→アキュムレータ5→コンプレッサ4の順で配管接続されて閉ループを構成している。また、第3の熱交換器3の冷媒流出側と第2の流量調整弁12との間が、第3の流量調整弁13を介して第2の熱交換器2とアキュムレータ5との間(図中の接続点A)に接続されている。
【0052】ここで、コンプレッサ4は、冷媒を圧縮して吐出圧力を該冷媒の臨界圧力以上に設定し得るものであり、また、コンプレッサ4で圧縮された冷媒は第1の熱交換器1に供給されることから、第1の熱交換器1の内部の圧力は冷媒の臨界圧力以上になり得るものであり、このため、第1の熱交換器1は高圧に適した耐圧構造を備えたものとなっている。また、第1の流量調整弁11と第2の流量調整弁12とは、弁開度を全閉状態から全開状態へ至るまで任意に変化させることができるもので、開閉弁としての機能と、膨張弁としての機能を合わせ持った調節弁であり、第3の流量調整弁13にあっては、第1及び第2の流量調整弁と同様のものを用いてもよいが、この例では開閉のみの機能を持たせている。
【0053】16は、温度設定や吸入モード、冷暖房の切り換えなどをマニュアル設定する操作パネル17aや内気や外気などの温度センサを含む各種センサ17bなどからの信号が入力されるコントロールユニットであり、このコントロールユニット16は、図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)等を備えると共に、第1乃至第3の流量調整弁11〜13やエアミックスドア7、送風機8などを制御する駆動回路を有して構成され、ROMに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、第1乃至第3の流量調整弁11〜13の開閉若しくは弁開度、送風機8の回転、エアミックスドア7の開度等を制御するようになっている。
【0054】上記構成において、車室内を冷房する冷房運転時においては、表1に示されるように、第1の流量調整弁11を全開、第2の流量調整弁12を流調、第3の流量調整弁13を全閉とする。ここで、流調とは、コントロールユニット16からの制御信号に応じて要求される開度となるように弁開度が調節される状態であり、電気膨張弁として機能させる状態を言う。
【0055】また、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が小さくなる位置、特に、冷房負荷が大きい場合や急速冷房の要請がある場合には、第1の熱交換器1への通風量が最小となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0056】
【表1】

【0057】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図2の太線に示されるように、第1の熱交換器1に直接供給され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器への通風量が無い場合には、この第1の熱交換器1で熱交換されることなく、そのまま第1の熱交換器1を通過し、また、第1の熱交換器1への通風を許容する開度にエアミックスドアが位置する場合には、この第1の熱交換器1を通過する際に放熱される。そして、第1の熱交換器1を通過した冷媒は、第1の流量調整弁11が全開であることから、第1の流量調整弁11で減圧されることなく第3の熱交換器3へ供給され、ここで放熱した後に第2の流量調整弁12へ導かれ、この第2の流量調整弁12で減圧されて第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2で吸熱した後にアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。
【0058】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量がない場合には、第1の熱交換器1で加熱されることなくこれをバイパスして車室内へ供給され、また、エアミックスドア7の開度が幾分開き気味にあり、第1の熱交換器1による加熱を許容する場合には、第2の熱交換器2で冷却された空気の一部が加熱されて第1の熱交換器1の下流側においてこれをバイパスした空気と混合し、車室内へ供給されることとなる。
【0059】これに対して、車室内を暖房する通常の暖房運転時においては、表1に示すように、第1の流量調整弁11を流調、第2の流量調整弁12を全閉、第3の流量調整弁13を全開とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0060】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図3の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁11へ導かれる。そして、第1の流量調整弁11へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第3の流量調整弁13を介してアキュムレータ5へ送られる。即ち、第3の熱交換器3から流出した冷媒は、第2の熱交換器2をバイパスしてアキュムレータ5へ送られ、ここで気液分離された後に気相冷媒のみがコンプレッサ4に戻される。
【0061】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2を通過するものの、ここで冷却されることなくエアミックスドア7の開度に応じて第1の熱交換器1を通過し、ここで加熱された後に車室内へ供給される。
【0062】また、除湿された温かい空気を送風する除湿暖房運転時においては、表1に示すように、第1の流量調整弁11を流調、第2の流量調整弁12を全開、第3の流量調整弁を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0063】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図4の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁11へ導かれる。そして、第1の流量調整弁11へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第2の流量調整弁12を介して第2の熱交換器へ送られ、この第2の熱交換器12でさらに吸熱した後にアキュムレータ5に至り、ここで気液分離されて気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。
【0064】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で除湿され、その後第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給される。ここで、第1の熱交換器1での放熱量の絶対値は第2の熱交換器2での吸熱量の絶対値よりも大きく設定されるのが通常であることから、ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却除湿されるものの、第1の熱交換器1によって第2の熱交換器2で冷却された以上に加熱され、全体として除湿された温かい空気として車室内へ供給される。
【0065】したがって、上述のヒートポンプサイクルによれば、運転モードに拘わらずにコンプレッサ4から吐出した冷媒を常に第1の熱交換器1へ導き、その後、第1の流量調整弁11を介して第3の熱交換器3へ供給されるものであり、冷房運転と暖房運転とを切り換えるためには、単に、流量調整弁によって第2の熱交換器2を通過させるかバイパスさせるようにするかの切り換え操作をすればよいことから、冷暖房の切り換えのために四方弁を用いて冷媒の流れを逆転させる必要はなくなる。つまり、二酸化炭素などようにサイクルの高圧ラインの冷媒圧力がその冷媒の臨界圧力以上となり得る高圧仕様のヒートポンプサイクルを構築する場合には、これに適した四方弁の製作が困難であることから、このような四方弁を無くすことで、二酸化炭素などのように冷媒圧力が高圧となるヒートポンプサイクルの構築を容易にし、もってコストの低減を図ることができる。
【0066】また、上述のヒートポンプサイクルにおいては、車室内に配される空調ユニット内の熱交換器のうち、第1の熱交換器は常に高圧ライン上に配置される熱交換器であり、また、第2の熱交換器は、常に低圧ライン上に配置される熱交換器とすることができることから、二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍サイクルのように、高圧ラインの圧力が冷媒の臨界圧力以上となり、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差は大きくなるような場合においても、第1の熱交換器1を高圧専用の放熱器として、また第2の熱交換器を低圧専用の吸熱器として別々に分けて設計することができるようになる。
【0067】即ち、空調ユニット内に配される第1の熱交換器1と第2の熱交換器2とを、それぞれ高低圧両用の熱交換器とする必要がなくなることから、第2の熱交換器2を、耐圧の面で高圧ラインに用いられる場合の仕様に合わせる必要がなくなり、熱交換器の構成部品の厚肉による性能の低下や、高低圧両用の熱交換器の性能を重視することによる安全性の低下を避けることができ、それぞれのラインに相応した耐圧設計を行えると共に、安全面を考慮した構造設計を行うことが可能となる。
【0068】以上の基本構成においては、暖房性能の向上を図るためにコンプレッサに吸入する冷媒温度を高めることが有用であり、このため、上述の基本構成の発展形として、図5〜図7に示されるように冷媒を加熱するための加熱器をサイクル上に設けるようにしても良い。
【0069】即ち、図5に示されるヒートポンプサイクルにおいては、アキュムレータ5よりも上流側に位置し、アキュムレータ5に流入する冷媒が必ず通過することとなる経路上、即ち、第2の熱交換器2からアキュムレータ5へ至る経路と第3の熱交換器3から第3の流量調整弁13を介してアキュムレータ5へ至る経路との共有部分(接続点Aとアキュムレータとの間)に加熱器18を設け、アキュムレータ5へ流入する冷媒を加熱できるようにした構成である。
【0070】また、図6に示されるヒートポンプサイクルにおいては、アキュムレータ5とコンプレッサ4との間に加熱器19を設け、コンプレッサ4へ吸引される冷媒を加熱できるようにした構成であり、図7に示されるヒートポンプサイクルにおいては、第1の流量調整弁11の上流側、即ち、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁11との間に加熱器20を設け、高圧ライン上の冷媒温度を直接高めるようにした構成である。
【0071】これらの構成に用いられる加熱器18,19,20としては、例えば、図8に示されるように、エンジン冷却水などの温水を利用して冷媒を加熱するために、温水流量をバルブ9によって調整できる構成とし、暖房能力を高めたい要請がある場合などにサイクル内の冷媒と温水とを熱交換させるようにしても、電気ヒータを利用してサイクル内の冷媒を加熱するもの等であっても良い。また、加熱器18,19,20は、図9に示されるように、サイクル経路上に開閉弁29と共に並列的に設けられるものであってもよい。さらに、加熱器18はアキュムレータ8の内部に設けられるものであっても良い。
【0072】このような構成とすることで、例えば暖房運転時に加熱器によって冷媒を加熱することにより、コンプレッサ4の吸入冷媒温度を高めることができ、これにより、コンプレッサ4の吐出冷媒温度を高めて第1の熱交換器1による放熱量を多くし、暖房能力を高めることが可能となる。
【0073】尚、上述の構成において、膨張弁の機能を有する第1の流量調整弁11と第2の流量調整弁12とに開閉弁の機能も持たせるようにした場合を示したが、開閉弁と膨張弁の機能を別々にして、図10に示されるように、電気式又は温度作動式の膨張弁21と電磁開閉弁22とを並列接続したもので代用するようにしても良く、各流量調整弁の全開に対応する状態、流調状態、全閉に対応する状態を適宜得ることができれば、流量を調整する手段は特に限定されるものではない。
【0074】また、上述の構成においては、ヒートポンプサイクルの熱源のみを利用して暖房を行う構成について説明したが、昨今のエンジン燃焼効率の向上などから、エンジン冷却水を熱源とする温水ヒータ10(図1(b)に示す)によっては十分な暖房能力が得られないような場合に、上述した構成を併用するようにしてもよい。即ち、第1の熱交換器1を通常の温水ヒータ10に対して並設し、温水ヒータ10による暖房能力の不足を第1の熱交換器1によって補うために利用するようにしてもよい。
【0075】図11において、アキュムレータ5の上流側に加熱器18を設けたヒートポンプサイクルの変形例が示され、この構成においては、図5に示される構成に対して、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁11との間を第4の流量調整弁14を介して第2の流量調整弁12と第2の熱交換器2との間に接続し、さらに、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁11との間を第5の流量調整弁15を介して第2の熱交換器2と加熱器18との間に接続するようにしたものである。
【0076】ここで、第4の流量調整弁14と第5の流量調整弁15とは、弁開度を全閉状態から全開状態へ至るまで任意に変化させることができるもので、開閉弁としての機能と、膨張弁としての機能とを合わせ持った調節弁となっている。また、加熱器18としては、例えば、図8に示されるような温水と熱交換させるようなものであっても、温水の代わりに電気ヒータを用いたものなどであってもよく、加熱器18は、図9に示されるように、開閉弁29と共に並設されるものであっても良い。
【0077】さらに、膨張弁の機能と開閉弁の機能とを有する第1の流量調整弁11、第2の流量調整弁12、第4の流量調整弁14、第5の流量調整弁15を、図10に示されるように、電気式又は温度作動式の膨張弁21と電磁開閉弁22とを並列接続したもので代用するようにしてもよい。尚、その他の構成にあっては、図1で示されるヒートポンプサイクルと同様であるから、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0078】このような構成において、車室内を冷房する冷房運転時においては、表2に示されるように、第1の流量調整弁11を全開、第2の流量調整弁12を流調、第3の流量調整弁13を全閉、第4の流量調整弁14を全閉、第5の流量調整弁15を全閉とする。ここで、流調とは、前述と同様、コントロールユニット16からの制御信号に応じて要求される開度となるように弁開度が調節される状態であり、電気膨張弁として機能させる状態を言う。
【0079】また、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が小さくなる位置、特に、冷房負荷が大きい場合や急速冷房の要請がある場合には、第1の熱交換器1への通風量が最小となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0080】
【表2】

【0081】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図12の太線に示されるように、第1の熱交換器1に直接供給され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器への通風量が無い場合には、この第1の熱交換器1で熱交換されることなく、そのまま第1の熱交換器1を通過し、また、第1の熱交換器1への通風を許容する開度にエアミックスドアが位置する場合には、この第1の熱交換器1を通過する際に放熱される。そして、第1の熱交換器1を通過した冷媒は、第1の流量調整弁11が全開であることから、第1の流量調整弁11で減圧されることなく第3の熱交換器3へ供給され、ここで放熱した後に第2の流量調整弁12へ導かれ、この第2の流量調整弁12で減圧されて第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2で吸熱した後に加熱器18を通過してアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。
【0082】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量がない場合には、第1の熱交換器1で加熱されることなくこれをバイパスして車室内へ供給され、また、エアミックスドア7の開度が幾分開き気味にあり、第1の熱交換器1による加熱を許容する場合には、第2の熱交換器2で冷却された空気の一部が加熱されて第1の熱交換器1の下流側においてこれをバイパスした空気と混合し、車室内へ供給されることとなる。
【0083】これに対して、車室内を暖房する通常の暖房運転時においては、表2に示されるように、第1の流量調整弁11を流調、第2の流量調整弁12を全閉、第3の流量調整弁13を全開、第4の流量調整弁14を全閉、第5の流量調整弁15を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0084】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図13の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁11へ導かれる。そして、第1の流量調整弁11へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3に入ってここで吸熱し、この第3の熱交換器3から第3の流量調整弁13及び加熱器18を介してアキュムレータ5へ送られる。即ち、第3の熱交換器3から流出した冷媒は、第2の熱交換器2をバイパスしてアキュムレータ5へ送られ、ここで気液分離された後に気相冷媒のみがコンプレッサ4に戻される。
【0085】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2を通過するものの、ここで冷却されることなくエアミックスドア7の開度に応じて第1の熱交換器1を通過し、ここで加熱された後に車室内へ供給される。
【0086】また、除湿された温かい空気を送風する除湿暖房運転時においては、表2に示されるように、第1の流量調整弁11を流調、第2の流量調整弁12を全開、3の流量調整弁13を全閉、第4の流量調整弁14を全閉、第5の流量調整弁15を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0087】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図14の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁11へ導かれる。そして、第1の流量調整弁11へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第2の流量調整弁12を介して第2の熱交換器へ送られ、この第2の熱交換器12でさらに吸熱した後に加熱器18を通過してアキュムレータ5に至り、ここで気液分離されて気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。
【0088】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で除湿され、その後第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給される。ここで、第1の熱交換器1での放熱量の絶対値は第2の熱交換器2での吸熱量の絶対値よりも大きく設定されるのが通常であることから、ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却除湿されるものの、第1の熱交換器1によって第2の熱交換器2で冷却された以上に加熱され、全体として除湿された温かい空気として車室内へ供給される。
【0089】ところで、第3の熱交換器を通る冷媒が外気によって必要以上に冷やされて、この第3の熱交換器に冷媒が寝込む事態や、蒸発温度が外気温度よりも高くなる運転条件下においては、逆に熱を逃してしまう事態が生じることから、このような事態を避けるために、第3の熱交換器3をバイパスさせる第2除湿暖房モードが用意されている。
【0090】即ち、第2除湿暖房運転時においては、表2に示されるように、第1の流量調整弁11を全閉、第2の流量調整弁12を全閉、3の流量調整弁13を全閉、第4の流量調整弁14を流調、第5の流量調整弁15を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0091】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図15の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第3の熱交換器3を通ることなく第4の流量調整弁11へ導かれる。そして、第4の流量調整弁11へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第2の熱交換器2へ入ってここで吸熱し、その後、加熱器18を通過してアキュムレータ5に至り、ここで気液分離されて気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。
【0092】よって、第2除湿暖房運転時においては、第3の熱交換器を冷媒がバイパスすることとなるため、冷媒が第3の熱交換器に寝込む事態や逆に冷媒の熱を逃してしまう事態を避けることができる。
【0093】また、通常の暖房運転時においては、エンジンルームなどの空調ダクト外に配された第3の熱交換器3が吸熱器として用いられることから、特に車両の走行中などのように外気が吹き付けられることによって着霜しやすくなると共に、一旦、着霜してしまうと除霜が困難となり、十分な吸熱機能が得られなくなって暖房能力が低下することが懸念される。この場合、除霜する必要から冷房運転時のように高温高圧の冷媒を第3の熱交換器3へ供給することも考えられるが、このような構成とすれば、車室の暖房を阻害するばかりか、吹出空気温度の低下に伴って窓ガラスに曇りが生じ、安全走行を害する不都合が生じる。
【0094】そこで、暖房能力を維持しつつ、第3の熱交換器3の除霜を図ることを目的として、乗員の操作によって、又は、着霜状態の検出によって自動的に図16に示されるような第2暖房運転モードを設定できるようにしている。即ち、第2暖房運転時においては、表2に示されるように、第1の流量調整弁11を全閉、第2の流量調整弁12を全閉、第3の流量調整弁13を全閉、第4の流量調整弁14を全閉、第5の流量調整弁15を流調とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0095】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図16の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第5の流量調整弁15へ導かれる。そして、この第5の流量調整弁15へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に加熱器18に入ってここで吸熱し、その後、アキュムレータ5に至り、ここで気液分離されて気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。即ち、第3の熱交換器3と第2の熱交換器2とをバイパスして加熱器18に入り、この加熱器18を吸熱器として用いるサイクルが構成されるようになっている。ここで、加熱器18での吸熱は、例えば、温水を利用したり、電気ヒータを利用する加熱器であれば、温水流量を最大にしたり、通電量を最大にして吸熱能力を最大に設定するような構成とすればよい。
【0096】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却されることなく第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給されることとなり、また、第3の熱交換器3への冷媒の供給を避けることによって冷媒が第3の熱交換器で熱交換される状態を遮断することができる。このため、車室内の暖房能力を確保しつつ、第3の熱交換器3の除霜時における除霜をし易いものとすることができる。
【0097】したがって、このようなヒートポンプサイクルによれば、図1で示されるヒートポンプサイクルと同様に、運転モードを切り換えるために四方弁を用いて冷媒の流れを逆転させる必要がなく、流量調整弁のみによって運転モードの切り換えが可能となり、車室内に配される空調ユニット内の熱交換器のうち、第1の熱交換器1は常に高圧用の熱交換器(放熱器)として、また、第2の熱交換器2は常に低圧用の熱交換器(吸熱器)として用いられることから、二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍サイクルのように、高圧ラインの圧力が冷媒の臨界圧力以上となり、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差が大きくなるような場合においても、第1の熱交換器1を高圧専用の熱交換器として、また第2の熱交換器2を低圧専用の熱交換器として別々に分けて耐圧設計や安全面を考慮した構造設計をすることができるようになる。そして、このような効果に加えて、上述の第2除湿暖房運転を利用すれば、第3の熱交換器への冷媒の寝込みや不必要な放熱を避けることができ、第2暖房運転を利用すれば、暖房能力を低下させることなく第3の熱交換器3の除霜を行うことが可能となる。
【0098】以上の構成に対し、二酸化炭素などを冷媒とする冷凍サイクルにおいては、成績係数(COP)の向上を図るために高圧ラインの冷媒と低圧ラインの冷媒とを熱交換させることが有用である。このため、図17においては、二酸化炭素(CO2 )などを冷媒とした場合に適した高圧仕様のヒートポンプサイクルとして、高圧ラインの冷媒と低圧ラインの冷媒との熱交換が可能な構成を付加した第2の構成例が示されている。
【0099】このヒートポンプサイクルは、第1乃至第4の熱交換器1,2,3,30、コンプレッサ4、アキュムレータ5、第1乃至第3の流量調整弁31,32,33を有して構成されているもので、第1及び第2の熱交換器1,2は、車両の車室側に設けられた空調ユニット6内に配置されている。第2の熱交換器2は、空調ユニット6の通路断面全体を遮るように配されて上流から送られてくる空気を全て通過するようになっており、また、第1の熱交換器1は、ダクト内の一部を2分してなる一方の通路上を遮るように設けられている。第1の熱交換器1は、放熱機能を有する熱交換器であり、その上流側に配置されたエアミックスドア7によってここを通過する空気とバイパスする空気との割合が調節されるようになっており、また、第2の熱交換器2は、吸熱機能を有する熱交換器であり、エアミックスドア7よりも上流側に配置されている。
【0100】この空調ユニット6においても、最上流側に図示しないインテーク装置が配置され、内気入口と外気入口との開口割合がインテークドアによって調整されるようになっており、また、内気入口と外気入口とに臨むように送風機8が収納され、この送風機8の回転により吸引された空気を第2の熱交換器2へ圧送するようになっている。また、第1の熱交換器1よりも下流側は、図示しないデフロスト吹出口、ベント吹出口、およびヒート吹出口に分かれて車室内に開口し、その分かれた部分にモードドアが設けられ、このモードドアを操作することにより吹出モードが切り換えられるようになっている。
【0101】したがって、内気入口又は外気入口から導入された内気又は外気は、送風機8の回転により吸引され、下流側に配されている第1の熱交換器1と第2の熱交換器2とによって適宜熱交換されて温調され、所望の吹出口から車室内へ供給されるようになっている。
【0102】空調ユニット外の例えばエンジンルームには、前記第3の熱交換器3や第4の熱交換器30、コンプレッサ4、アキュムレータ5等が配置され、第4の熱交換器30は、冷媒を流通させる第1の通路30aと、冷媒を流通させる第2の通路30bとを有し、これら第1の通路30aを流れる冷媒と第2の通路30bを流れる冷媒とを熱交換させる構成となっている。
【0103】この例におけるサイクル構成では、コンプレッサ4の吐出側が第1の熱交換器1の冷媒流入側に接続され、第1の熱交換器1の冷媒流出側が第1の流量調整弁31を介して第3の熱交換器3の冷媒流入側に接続され、第3の熱交換器3の冷媒流出側が第1の通路30aの一端に接続され、第1の通路30aの他端が第2の流量調整弁32を介して第2の熱交換器2の冷媒流入側に接続され、第2の熱交換器2の冷媒流出側が前記アキュムレータ5を介して第2の通路30bの一端に接続され、第2の通路30bの他端がコンプレッサ4の吸入側に接続されている。即ち、コンプレッサ4→第1の熱交換器1→第1の流量調整弁31→第3の熱交換器3→第1の通路30a→第2の流量調整弁32→第2の熱交換器2→アキュムレータ5→第2の通路30b→コンプレッサ4の順で配管接続されて閉ループを構成している。また、第3の熱交換器3の冷媒流出側と第1の通路30aとの間が、第3の流量調整弁33を介して第2の熱交換器2とアキュムレータ5との間(図中の接続点A)に接続されている。
【0104】この構成例においても、コンプレッサ4は、冷媒を圧縮して吐出圧力を該冷媒の臨界圧力以上に設定し得るものであり、また、コンプレッサ4で圧縮された冷媒は第1の熱交換器1に供給されることから、第1の熱交換器1の内部の圧力は冷媒の臨界圧力以上になり得るものであり、このため、第1の熱交換器1は高圧に適した耐圧構造を備えたものとなっている。また、第1の流量調整弁31と第2の流量調整弁32とは、弁開度を全閉状態から全開状態へ至るまで任意に変化させることができるもので、開閉弁としての機能と、膨張弁としての機能を合わせ持った調節弁であり、第3の流量調整弁33にあっては、第1及び第2の流量調整弁と同様のものを用いてもよいが、この例では開閉のみの機能を持たせている。
【0105】コントロールユニット16は、前述と同様、図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)、第1乃至第3の流量調整弁31〜33やエアミックスドア7、送風機8などを制御する駆動回路を有して構成され、温度設定や吸入モード、冷暖房の切り換えなどをマニュアル設定する操作パネル17aや内気や外気などの温度センサを含む各種センサ17bなどからの信号を入力し、ROMに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、第1乃至第3の流量調整弁31〜33の開閉若しくは弁開度、送風機8の回転、エアミックスドア7の開度等を制御するようになっている。
【0106】上記構成において、車室内を冷房する冷房運転時においては、表3に示されるように、第1の流量調整弁31を全開、第2の流量調整弁32を流調、第3の流量調整弁33を全閉とする。ここで、流調とは、コントロールユニット16からの制御信号に応じて要求される開度となるように弁開度が調節される状態であり、電気膨張弁として機能させる状態を言う。
【0107】また、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が小さくなる位置、特に、冷房負荷が大きい場合や急速冷房の要請がある場合には、第1の熱交換器1への通風量が最小となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0108】
【表3】

【0109】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図18の太線に示されるように、第1の熱交換器1に直接供給され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器への通風量が無い場合には、この第1の熱交換器1で熱交換されることなく、そのまま第1の熱交換器1を通過し、また、第1の熱交換器1への通風を許容する開度にエアミックスドア7が位置する場合には、この第1の熱交換器1を通過する際に放熱される。そして、第1の熱交換器1を通過した冷媒は、第1の流量調整弁31が全開であることから、第1の流量調整弁31で減圧されることなく第3の熱交換器3へ供給され、ここで放熱された後に第4の熱交換器30の第1の通路30aを通過し、この第1の通路30aを通過する際に第2の通路30bを流れる冷媒と熱交換し、その後、第2の流量調整弁32で減圧されて第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2で吸熱した後にアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通過し、ここで、第1の通路を通過する高温高圧冷媒と熱交換して吸熱した後にコンプレッサ4へ戻される。
【0110】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量がない場合には、第1の熱交換器1で加熱されることなくこれをバイパスして車室内へ供給され、また、エアミックスドア7の開度が幾分開き気味にあり、第1の熱交換器1による加熱を許容する場合には、第2の熱交換器2で冷却された空気の一部が加熱されて第1の熱交換器1の下流側においてこれをバイパスした空気と混合し、車室内へ供給されることとなる。
【0111】これに対して、車室内を暖房する通常の暖房運転時においては、表3に示すように、第1の流量調整弁31を流調、第2の流量調整弁32を全閉、第3の流量調整弁33を全開とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0112】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図19の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁31へ導かれる。そして、第1の流量調整弁31へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第3の流量調整弁33を介してアキュムレータ5へ送られる。即ち、第3の熱交換器3から流出した冷媒は、第2の熱交換器2をバイパスしてアキュムレータ5へ送られ、ここで気液分離し、しかる後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通ってコンプレッサ4に戻される。
【0113】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2を通過するものの、ここで冷却されることなくエアミックスドア7の開度に応じて第1の熱交換器1を通過し、ここで加熱された後に車室内へ供給される。
【0114】また、除湿された温かい空気を送風する除湿暖房運転時においては、表3に示すように、第1の流量調整弁31を流調、第2の流量調整弁32を全開、第3の流量調整弁33を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0115】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図20の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁31へ導かれる。そして、第1の流量調整弁31へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第4の熱交換器30の第1の通路30aを通過する。この第1の通路30aを通過する冷媒は既に減圧された低温冷媒であることから、第2の通路30bを流れる冷媒の温度との間に温度差はあまりなく、第2の通路30bを流れる冷媒との間で効果的な熱交換は殆どなく、第2の流量調整弁32を介して第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2でさらに吸熱した後にアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通過してコンプレッサ4へ戻される。
【0116】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で除湿され、その後第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給される。ここで、第1の熱交換器1での放熱量の絶対値は第2の熱交換器2での吸熱量の絶対値よりも大きく設定されるのが通常であることから、ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却除湿されるものの、第1の熱交換器1によって第2の熱交換器2で冷却された以上に加熱され、全体として除湿された温かい空気として車室内へ供給される。
【0117】したがって、上述のヒートポンプサイクルによれば、冷房運転時において高圧ラインの冷媒と低圧ラインの冷媒とを効果的に熱交換できるヒートポンプサイクルを提供することが可能となり、しかも、運転モードに拘わらずにコンプレッサ4から吐出した冷媒を常に第1の熱交換器1へ導き、その後、第1の流量調整弁31を介して第3の熱交換器3へ供給されるものであり、冷房運転と暖房運転とを切り換えるためには、単に、第2の熱交換器2を通過させるかバイパスさせるだけの切り換え操作をすればよいことから、冷暖房の切り換えのために四方弁を用いて冷媒の流れを逆転させる必要はなくなる。つまり、二酸化炭素などようにサイクルの高圧ラインの冷媒圧力がその冷媒の臨界圧力以上となり得る高圧仕様のヒートポンプサイクルを構築する場合には、これに適した四方弁の製作は困難であることから、このような四方弁を無くすことで、二酸化炭素などのように冷媒圧力が高圧となるヒートポンプサイクルの構築を容易にし、コストの低減を図ることができる。
【0118】また、上述のヒートポンプサイクルにおいては、車室内に配される空調ユニット内の熱交換器のうち、第1の熱交換器1は常に高圧ライン上に配置される熱交換器(放熱器)であり、また、第2の熱交換器2は、常に低圧ライン上に配置される熱交換器(吸熱器)とすることができることから、二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍サイクルのように、高圧ラインの圧力が冷媒の臨界圧力以上となり、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差は大きくなるような場合においても、第1の熱交換器1を高圧専用の熱交換器として、また第2の熱交換器を低圧専用の熱交換器として別々に分けて設計することができるようになる。
【0119】つまり、空調ユニット内に配される第1の熱交換器1と第2の熱交換器2とを、それぞれ高低圧両用の熱交換器とする必要がなくなることから、第2の熱交換器を、耐圧の面で高圧ラインに用いられる場合の仕様に合わせる必要がなくなり、熱交換器の構成部品の厚肉による性能の低下や、高低圧両用の熱交換器の性能を重視することによる安全性の低下を避けることができ、それぞれのラインに相応した耐圧設計を行えると共に、安全面を考慮した構造設計を行うことが可能となる。
【0120】以上の第4の熱交換器を用いた構成に対して、暖房性能の向上を図るためにコンプレッサに吸入する冷媒の温度を高めることが有用であり、このため、上述の構成の発展形として、図21〜図23に示されるように加熱器をサイクル上に設けると良い。
【0121】即ち、図21に示されるヒートポンプサイクルにおいては、アキュムレータ5よりも上流側に位置し、アキュムレータ5に流入される冷媒が必ず通過することとなる経路上、即ち、第2の熱交換器2からアキュムレータ5へ至る経路と第3の熱交換器3から第3の流量調整弁33を介してアキュムレータ5へ至る経路との共有部分(接続点Aとアキュムレータとの間)に加熱器38を設け、アキュムレータ5へ流入する冷媒を加熱できるようにした構成である。
【0122】また、図22に示されるヒートポンプサイクルにおいては、アキュムレータ5とコンプレッサ4との間(この例では、第2の通路30bとコンプレッサ4との間)に加熱器39を設け、コンプレッサ4へ吸引される冷媒を加熱できるようにした構成であり、図23に示されるヒートポンプサイクルにおいては、第1の流量調整弁31の上流側、即ち、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁31との間に加熱器40を設け、高圧ライン上の冷媒温度を直接高めるようにした構成である。
【0123】これらの構成に用いられる加熱器38,39,40においても、例えば、図8に示されるように、エンジン冷却水などの温水を利用して冷媒を加熱するために、温水流量をバルブ9によって調整できる構成とし、暖房能力を高めたい要請がある場合などにサイクル内の冷媒と温水とを熱交換させるようにしても、電気ヒータを利用してサイクル内の冷媒を加熱するもの等であっても良い。また、加熱器38,39,40は、図9に示されるように、サイクル経路上に開閉弁29と共に並列的に設けられるものであってもよい。さらに、加熱器38はアキュムレータ8の内部に設けられるものであっても良い。
【0124】また、第4の熱交換器30と加熱器とを一体に構成するようにしても良い。即ち、アキュムレータの下流側に加熱器39を設ける構成に代えて、図24に示されるように、第4の熱交換器30を第1の通路30aの周囲に複数の第2の通路30bを穿設した筒状体によって構成し、この第4の熱交換器30の全体を覆うケース36によって第4の熱交換器30の周囲を温水が流通する通路36aを形成し、この温水の流れを電磁弁37などによって調節するような構成としても良い。
【0125】このように加熱器を設けることで、例えば暖房運転時に加熱器によって冷媒を加熱することにより、コンプレッサ4の吸入冷媒温度を高めることができ、これにより、コンプレッサ4の吐出冷媒温度を高めて第1の熱交換器1による放熱量を多くし、暖房能力を高めることが可能となる。
【0126】尚、上述の構成において、膨張弁の機能を有する第1の流量調整弁31と第2の流量調整弁32とに開閉弁の機能も持たせるようにした場合を示したが、開閉弁と膨張弁の機能を別々にして、図10に示されるように、電気式又は温度作動式の膨張弁21と電磁開閉弁22とを並列接続したもので代用するようにしても良く、各流量調整弁の全開に対応する状態、流調状態、全閉に対応する状態を適宜得ることができれば、流量を調整する手段は特に限定されるものではない。
【0127】また、上述の構成においては、ヒートポンプサイクルの熱源のみを利用して暖房を行う構成について説明したが、昨今のエンジン燃焼効率の向上などから、エンジン冷却水を熱源とする温水ヒータ10(図17(b)に示す)によっては十分な暖房能力が得られないような場合に、上述した構成を併用するようにしてもよい。即ち、第1の熱交換器1を通常の温水ヒータ10に対して並設し、温水ヒータ10による暖房能力の不足を第1の熱交換器1によって補うために利用するようにしてもよい。
【0128】図25において、アキュムレータ5の上流側に加熱器38を設けたヒートポンプサイクルの変形例が示され、この構成においては、図21に示される構成に対して、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁31との間を第4の流量調整弁34を介して第2の流量調整弁32と第2の熱交換器2との間に接続し、さらに、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁31との間を第5の流量調整弁35を介して第2の熱交換器2と加熱器38との間に接続するようにしたものである。
【0129】ここで、第4の流量調整弁34と第5の流量調整弁35とは、弁開度を全閉状態から全開状態へ至るまで任意に変化させることができるもので、開閉弁としての機能と、膨張弁としての機能とを合わせ持った調節弁となっている。また、加熱器38としては、例えば、図8に示されるような温水と熱交換させるようなものであっても、温水の代わりに電気ヒータを用いたものなどであってもよく、加熱器38は、図9に示されるように、開閉弁29と共に並設されるものであっても良い。
【0130】さらに、膨張弁としての機能を有する第1の流量調整弁31、第2の流量調整弁32、第4の流量調整弁34、第5の流量調整弁35を、図10に示されるように、電気式又は温度作動式の膨張弁21と電磁開閉弁22とを並列接続したもので代用するようにしてもよい。尚、その他の構成にあっては、図17で示されるヒートポンプサイクルと同様であるから、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0131】このような構成において、車室内を冷房する冷房運転時においては、表4に示されるように、第1の流量調整弁31を全開、第2の流量調整弁32を流調、第3の流量調整弁33を全閉、第4の流量調整弁34を全閉、第5の流量調整弁35を全閉とする。ここで、流調とは、前述と同様、コントロールユニット16からの制御信号に応じて要求される開度となるように弁開度が調節される状態であり、電気膨張弁として機能させる状態のことである。
【0132】また、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が小さくなる位置、特に、冷房負荷が大きい場合や急速冷房の要請がある場合には、第1の熱交換器1への通風量が最小となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0133】
【表4】

【0134】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図26の太線に示されるように、第1の熱交換器1に直接供給され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量が無い場合には、この第1の熱交換器1で熱交換されることなく、そのまま第1の熱交換器1を通過し、また、第1の熱交換器1への通風を許容する開度にエアミックスドア7が位置する場合には、この第1の熱交換器1を通過する際に放熱される。そして、第1の熱交換器1を通過した冷媒は、第1の流量調整弁31が全開であることから、第1の流量調整弁31では減圧されることなく第3の熱交換器3へ供給され、ここで放熱した後に第2の流量調整弁32へ導かれ、この第2の流量調整弁32で減圧されて第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2で吸熱した後に加熱器38を通過してアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみがコンプレッサ4へ戻される。
【0135】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量がない場合には、第1の熱交換器1で加熱されることなくこれをバイパスして車室内へ供給され、また、エアミックスドア7の開度が幾分開き気味にあり、第1の熱交換器1による加熱を許容する場合には、第2の熱交換器2で冷却された空気の一部が加熱されて第1の熱交換器1の下流側においてこれをバイパスした空気と混合し、車室内へ供給されることとなる。
【0136】これに対して、車室内を暖房する通常の暖房運転時においては、表4に示されるように、第1の流量調整弁31を流調、第2の流量調整弁32を全閉、第3の流量調整弁33を全開、第4の流量調整弁34を全閉、第5の流量調整弁35を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0137】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図27の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁31へ導かれる。そして、第1の流量調整弁31へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3に入ってここで吸熱し、この第3の熱交換器3から第3の流量調整弁33及び加熱器38を介してアキュムレータ5へ送られる。即ち、第3の熱交換器3から流出した冷媒は、第2の熱交換器2をバイパスしてアキュムレータ5へ送られることとなり、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第2の通路30bを通ってコンプレッサ4に戻される。
【0138】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2を通過するものの、ここで冷却されることなくエアミックスドア7の開度に応じて第1の熱交換器1を通過し、ここで加熱された後に車室内へ供給される。
【0139】また、除湿された温かい空気を送風する除湿暖房運転時においては、表4に示されるように、第1の流量調整弁31を流調、第2の流量調整弁32を全開、3の流量調整弁33を全閉、第4の流量調整弁34を全閉、第5の流量調整弁35を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0140】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図28の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第1の流量調整弁31へ導かれる。そして、第1の流量調整弁31へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第4の熱交換器30の第1の通路30aを通過する。この第1の通路30aを通過する冷媒は既に減圧された低温冷媒であることから、第2の通路30bを流れる冷媒の温度との間に温度差はあまりなく、第2の通路30bを流れる冷媒との間で効果的な熱交換は殆どなく、第2の流量調整弁32を介して第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2でさらに吸熱した後に加熱器38を通過してアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通過してコンプレッサ4へ戻される。
【0141】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で除湿され、その後第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給される。ここで、第1の熱交換器1での放熱量の絶対値は第2の熱交換器2での吸熱量の絶対値よりも大きく設定されるのが通常であることから、ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却除湿されるものの、第1の熱交換器1によって第2の熱交換器2で冷却された以上に加熱され、全体として除湿された温かい空気として車室内へ供給される。
【0142】ところで、第3の熱交換器3を通る冷媒が外気によって必要以上に冷やされて、この第3の熱交換器3に冷媒が寝込む事態や、蒸発温度が外気温度よりも高くなる運転条件下においては、逆に熱を逃してしまう事態が生じることから、このような事態を避けるために、この例においても、第3の熱交換器3をバイパスさせる第2除湿暖房モードが用意されている。
【0143】即ち、第2除湿暖房運転時においては、表4に示されるように、第1の流量調整弁31を全閉、第2の流量調整弁32を全閉、3の流量調整弁33を全閉、第4の流量調整弁34を流調、第5の流量調整弁35を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0144】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図29の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第3の熱交換器3を通ることなく第4の流量調整弁34へ導かれる。そして、第4の流量調整弁34へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第2の熱交換器2へ入ってここで吸熱し、その後、加熱器38を通過してアキュムレータ5に至り、ここで気液分離されて気相冷媒のみが第2の通路30bを通過してコンプレッサ4へ戻される。
【0145】よって、第2除湿暖房運転時においては、第3の熱交換器3を冷媒がバイパスすることとなるため、冷媒が第3の熱交換器に寝込む事態や逆に冷媒の熱を逃してしまう事態を避けることができる。
【0146】また、通常の暖房運転時においては、エンジンルームなどの空調ダクト外に配された第3の熱交換器3が吸熱器として用いられることから、特に車両の走行中などのように外気が吹き付けられることによって着霜しやすくなると共に、一旦、着霜してしまうと除霜が困難となり、十分な吸熱機能が得られなくなって暖房能力が低下することが懸念される。この場合、除霜する必要から冷房運転時のように高温高圧の冷媒を第3の熱交換器3へ供給することも考えられるが、このような構成とすれば、車室の暖房を阻害するばかりか、吹出空気温度の低下に伴って窓ガラスに曇りが生じ、安全な走行を害する不都合が生じる。
【0147】そこで、暖房能力を維持しつつ、第3の熱交換器3の除霜を図ることを目的として、乗員の操作によって、又は、着霜状態の検出によって自動的に図30に示されるような第2暖房運転モードを設定するようにしている。即ち、第2暖房運転時においては、表4に示されるように、第1の流量調整弁31を全閉、第2の流量調整弁32を全閉、第3の流量調整弁33を全閉、第4の流量調整弁34を全閉、第5の流量調整弁35を流調状態とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0148】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図30の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第5の流量調整弁35へ導かれる。そして、この第5の流量調整弁35へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に加熱器38に入ってここで吸熱し、その後、アキュムレータ5に至り、ここで気液分離されて気相冷媒のみが第2の通路30bを通過してコンプレッサ4へ戻される。即ち、第3の熱交換器3と第2の熱交換器2とをバイパスして加熱器38に入り、この加熱器38を吸熱器として用いるサイクルが構成されるようになっている。ここで、加熱器38での吸熱は、例えば、温水を利用したり、電気ヒータを利用する加熱器であれば、温水流量を最大にしたり、通電量を最大にして吸熱能力を最大に設定するような構成とすればよい。
【0149】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却されることなく第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給されることとなり、また、第3の熱交換器3への冷媒の供給を避けることによって冷媒が第3の熱交換器で熱交換される状態を遮断することができる。このため、車室内の暖房能力を確保しつつ、第3の熱交換器3の除霜時における除霜をし易いものとすることができる。
【0150】したがって、このようなヒートポンプサイクルによれば、図17で示されるヒートポンプサイクルと同様に、運転モードを切り換えるために四方弁を用いて冷媒の流れを逆転させる必要がなく、流量調整弁のみによって運転モードの切り換えが可能となり、車室内に配される空調ユニット内の熱交換器のうち、第1の熱交換器1は常に高圧用の熱交換器(放熱器)として、また、第2の熱交換器2は常に低圧用の熱交換器(吸熱器)として用いられることから、二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍サイクルのように、高圧ラインの圧力が冷媒の臨界圧力以上となり、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差が大きくなるような場合においても、第1の熱交換器1を高圧専用の熱交換器として、また第2の熱交換器2を低圧専用の熱交換器として別々に分けて耐圧設計や安全面を考慮した構造設計をすることができるようになる。
【0151】そして、このような効果に加えて、上述の第2除湿暖房運転を利用すれば、第3の熱交換器3への冷媒の寝込みや不必要な放熱を避けることができ、第2暖房運転を利用すれば、暖房能力を低下させることなく第3の熱交換器3の除霜を行うことが可能となる。
【0152】図31において、二酸化炭素(CO2 )などの超臨界域に使用され得る冷媒を用いた高圧仕様のヒートポンプサイクルとして、高圧ラインの冷媒と低圧ラインの冷媒との熱交換を可能にする構成を備えた第3の構成例が示されている。
【0153】このヒートポンプサイクルは、第1乃至第4の熱交換器1,2,3,30、コンプレッサ4、アキュムレータ5、第1乃至第4の流量調整弁41,42,43, 44を有して構成されているもので、第1及び第2の熱交換器1,2は、車両の車室側に設けられた空調ユニット6内に配置されている。第2の熱交換器2は、空調ユニット6の通路断面全体を遮るように配されて上流から送られてくる空気を全て通過するようになっており、また、第1の熱交換器1は、ダクト内の一部を2分してなる一方の通路上を遮るように設けられている。第1の熱交換器1は、放熱機能を有する熱交換器であり、その上流側に配置されたエアミックスドア7によってここを通過する空気とバイパスする空気との割合が調節されるようになっており、また、第2の熱交換器2は、吸熱機能を有する熱交換器であり、エアミックスドア7よりも上流側に配置されている。
【0154】この空調ユニット6においても、最上流側に図示しないインテーク装置が配置され、内気入口と外気入口との開口割合がインテークドアによって調整されるようになっており、また、内気入口と外気入口とに臨むように送風機8が収納され、この送風機8の回転により吸引された空気を第2の熱交換器2へ圧送するようになっている。また、第1の熱交換器1よりも下流側は、図示しないデフロスト吹出口、ベント吹出口、およびヒート吹出口に分かれて車室内に開口し、その分かれた部分にモードドアが設けられ、このモードドアを操作することにより吹出モードが切り換えられるようになっている。
【0155】したがって、内気入口又は外気入口から導入された内気又は外気は、送風機8の回転により吸引され、下流側に配されている第1の熱交換器1と第2の熱交換器2とによって適宜熱交換されて温調され、所望の吹出口から車室内へ供給されるようになっている。
【0156】空調ユニット外の例えばエンジンルームには、前記第3の熱交換器3や第4の熱交換器30、コンプレッサ4、アキュムレータ5等が配置され、第4の熱交換器30は、冷媒を流通させる第1の通路30aと、冷媒を流通させる第2の通路30bとを有し、これら第1の通路30aを流れる冷媒と第2の通路30bを流れる冷媒とを熱交換させる構成となっている。
【0157】この例におけるサイクル構成では、コンプレッサ4の吐出側が第1の熱交換器1の冷媒流入側に接続され、第1の熱交換器1の冷媒流出側が第1の流量調整弁41を介して第3の熱交換器3の冷媒流入側に接続され、第3の熱交換器3の冷媒流出側が第2の流量調整弁42を介して第2の熱交換器2の冷媒流入側に接続され、第2の熱交換器2の冷媒流出側が前記アキュムレータ5を介して第4の熱交換器30の第2の通路30bの一端に接続され、第2の通路30bの他端がコンプレッサ4の吸入側に接続されている。即ち、コンプレッサ4→第1の熱交換器1→第1の流量調整弁41→第3の熱交換器3→第2の流量調整弁42→第2の熱交換器2→アキュムレータ5→第2の通路30b→コンプレッサ4の順で配管接続されて閉ループを構成している。
【0158】また、第3の熱交換器3の冷媒流出側と第2の流量調整弁42との間が、第3の流量調整弁43を介して第2の熱交換器2とアキュムレータ5との間に接続され、また、第1の熱交換器1と第1の流量調整弁41との間が、第4の熱交換器30の第1の通路30aの一端に接続され、第1の通路30aの他端が第4の流量調整弁44を介して第1の流量調整弁41と第3の熱交換器3との間(図中の接続点A)に接続されている。
【0159】この構成例においても、コンプレッサ4は、冷媒を圧縮して吐出圧力を該冷媒の臨界圧力以上に設定し得るものであり、また、コンプレッサ4で圧縮された冷媒は第1の熱交換器1に供給されることから、第1の熱交換器1の内部の圧力は冷媒の臨界圧力以上になり得るものであり、このため、第1の熱交換器1は高圧に適した耐圧構造を備えたものとなっている。また、第2の流量調整弁42と第4の流量調整弁44とは、弁開度を全閉状態から全開状態へ至るまで任意に変化させることができるもので、開閉弁としての機能と、膨張弁としての機能を合わせ持った調節弁であり、第1の流量調整弁41と第3の流量調整弁43にあっては、第2及び第4の流量調整弁41,42と同様のものを用いてもよいが、この例では開閉のみの機能を持たせている。
【0160】コントロールユニット16は、前述と同様、図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)、第1乃至第4の流量調整弁41〜44やエアミックスドア7、送風機8などを制御する駆動回路を有して構成され、温度設定や吸入モード、冷暖房の切り換えなどをマニュアル設定する操作パネル17aや内気や外気などの温度センサを含む各種センサ17bなどからの信号を入力し、ROMに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、第1乃至第4の流量調整弁41〜44の開閉若しくは弁開度、送風機8の回転、エアミックスドア7の開度等を制御するようになっている。
【0161】上記構成において、車室内を冷房する冷房運転時においては、表5に示されるように、第1の流量調整弁41を全開、第2の流量調整弁42を流調、第3の流量調整弁43を全閉、第4の流量調整弁44を全閉とする。ここで、流調とは、前述と同様、コントロールユニット16からの制御信号に応じて要求される開度となるように弁開度が調節される状態であり、電気膨張弁として機能させる状態を言う。
【0162】また、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が小さくなる位置、特に、冷房負荷が大きい場合や急速冷房の要請がある場合には、第1の熱交換器1への通風量が最小となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0163】
【表5】

【0164】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図32の太線に示されるように、第1の熱交換器1に直接供給され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器への通風量が無い場合には、この第1の熱交換器1で熱交換されることなく、そのまま第1の熱交換器1を通過し、また、第1の熱交換器1への通風を許容する開度にエアミックスドア7が位置する場合には、この第1の熱交換器1を通過する際に放熱される。そして、第1の熱交換器1を通過した冷媒は、第1の流量調整弁41が全開であることから、第1の流量調整弁41で減圧されることなく第3の熱交換器3へ供給され、ここで放熱された後に第2の流量調整弁42へ導かれ、第2の流量調整弁42で減圧されて第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2で吸熱した後にアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通過してコンプレッサ4へ戻される。
【0165】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量がない場合には、第1の熱交換器1で加熱されることなくこれをバイパスして車室内へ供給され、また、エアミックスドア7の開度が幾分開き気味にあり、第1の熱交換器1による加熱を許容する場合には、第2の熱交換器2で冷却された空気の一部が加熱されて第1の熱交換器1の下流側においてこれをバイパスした空気と混合し、車室内へ供給されることとなる。
【0166】これに対して、車室内を暖房する通常の暖房運転時においては、表5に示すように、第1の流量調整弁41を全閉、第2の流量調整弁42を全閉、第3の流量調整弁43を全開と、第4の流量調整弁44を流調とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0167】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図33の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第4の熱交換器30の第1の通路30aへ導かれ、ここで第2の通路30bを流れる冷媒と熱交換した後に第4の流量調整弁44へ至る。そして、第4の流量調整弁44へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第3の流量調整弁43を介してアキュムレータ5へ送られる。即ち、第3の熱交換器3から流出した冷媒は、第2の熱交換器2をバイパスしてアキュムレータ5へ送られ、ここで気液分離し、しかる後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bに導かれ、ここで、第1の通路30aを流れる冷媒と熱交換して吸熱し、コンプレッサ4に戻される。
【0168】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2を通過するものの、ここで冷却されることなくエアミックスドア7の開度に応じて第1の熱交換器1を通過し、ここで加熱された後に車室内へ供給される。
【0169】また、除湿された温かい空気を送風する除湿暖房運転時においては、表5に示すように、第1の流量調整弁41を全閉、第2の流量調整弁42を全開、第3の流量調整弁を全閉、第4の流量調整弁44を流調とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0170】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図34の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第4の熱交換器30の第1の通路30aへ導かれ、ここで第2の通路30bを流れる冷媒と熱交換した後に第4の流量調整弁44へ至る。そして、第4の流量調整弁44へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第2の流量調整弁42を介して第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2でさらに吸熱した後にアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bに導かれ、ここで、第1の通路30aを流れる冷媒と熱交換して吸熱し、コンプレッサ4に戻される。
【0171】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で除湿され、その後第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給される。ここで、第1の熱交換器1での放熱量の絶対値は第2の熱交換器2での吸熱量の絶対値よりも大きく設定されるのが通常であることから、ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却除湿されるものの、第1の熱交換器1によって第2の熱交換器2で冷却された以上に加熱され、全体として除湿された温かい空気として車室内へ供給される。
【0172】したがって、上述のヒートポンプサイクルによれば、暖房運転時と除湿暖房運転時において高圧ラインの冷媒と低圧ラインの冷媒とを効果的に熱交換できるヒートポンプサイクルを提供することが可能となり、しかも、運転モードに拘わらずにコンプレッサ4から吐出した冷媒を常に第1の熱交換器1へ導き、その後、第1の流量調整弁41を介して、又は、第1の通路30aと第4の流量調整弁44第3の熱交換器3へ供給されるものであり、運転モードによって冷媒の流れを逆転させる必要がないことから、冷暖房の切り換えのために四方弁を用いて冷媒の流れを逆転させる必要はなくなる。つまり、二酸化炭素などようにサイクルの高圧ラインの冷媒圧力がその冷媒の臨界圧力以上となり得る高圧仕様のヒートポンプサイクルを構築する場合には、これに適した四方弁の製作は困難であることから、このような四方弁を無くすことで、二酸化炭素などのように冷媒圧力が高圧となるヒートポンプサイクルの構築を容易にし、コストの低減を図ることができる。
【0173】また、上述のヒートポンプサイクルにおいては、車室内に配される空調ユニット内の熱交換器のうち、第1の熱交換器1は常に高圧ライン上に配置される熱交換器(放熱器)であり、また、第2の熱交換器2は、常に低圧ライン上に配置される熱交換器(吸熱器)とすることができることから、二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍サイクルのように、高圧ラインの圧力が冷媒の臨界圧力以上となり、高圧ラインと低圧ラインとの圧力差は大きくなるような場合においても、第1の熱交換器1を高圧専用の熱交換器として、また第2の熱交換器を低圧専用の熱交換器として別々に分けて設計することができるようになる。
【0174】つまり、空調ユニット内に配される第1の熱交換器1と第2の熱交換器2とを、それぞれ高低圧両用の熱交換器とする必要がなくなることから、第2の熱交換器を、耐圧の面で高圧ラインに用いられる場合の仕様に合わせる必要がなくなり、熱交換器の構成部品の厚肉による性能の低下や、高低圧両用の熱交換器の性能を重視することによる安全性の低下を避けることができ、それぞれのラインに相応した耐圧設計を行えると共に、安全面を考慮した構造設計を行うことが可能となる。
【0175】以上の第4の熱交換器を用いた構成に対して暖房性能の向上を図るためにコンプレッサ4に吸入する冷媒の温度を高めることが有用であり、このため、上述の基本構成の発展形として、図35〜図37に示されるように加熱器をサイクル上に設けると良い。
【0176】即ち、図35に示されるヒートポンプサイクルにおいては、アキュムレータ5よりも上流側の部分でアキュムレータ5に流入される冷媒が必ず通過することとなる経路上、つまり、第2の熱交換器2からアキュムレータ5へ至る経路と第3の熱交換器3から第3の流量調整弁33を介してアキュムレータ5へ至る経路との共有部分(接続点Aとアキュムレータとの間)に加熱器48を設け、アキュムレータ5へ流入する冷媒を加熱できるようにした構成である。
【0177】また、図36に示されるヒートポンプサイクルにおいては、アキュムレータ5とコンプレッサ4との間(この例では、第2の通路30bとコンプレッサ4との間)に加熱器49を設け、コンプレッサ4へ吸引される冷媒を加熱できるようにした構成であり、図37に示されるヒートポンプサイクルにおいては、第4の流量調整弁41の上流側、即ち、第4の熱交換器30の第1の通路30aの他端と第4の流量調整弁41との間に加熱器50を設け、高圧ライン上の冷媒温度を直接高めるようにした構成である。
【0178】これらの構成に用いられる加熱器48,49,50においても、例えば、図8に示されるように、エンジン冷却水などの温水を利用して冷媒を加熱するために、温水流量をバルブ9によって調整できる構成とし、暖房能力を高めたい要請がある場合などにサイクル内の冷媒と温水とを熱交換させるようにしても、電気ヒータを利用してサイクル内の冷媒を加熱するもの等であっても良い。また、加熱器48,49,50は、図9に示されるように、サイクル経路上に開閉弁29と共に並列的に設けられるものであってもよい。さらに、加熱器48はアキュムレータ8の内部に設けられるものであっても良い。
【0179】また、第4の熱交換器30と加熱器とを一体に構成するようにしても良い。即ち、アキュムレータの下流側に加熱器49を設ける構成に代えて、前述した図24に示されるように、第4の熱交換器30を第1の通路30aの周囲に複数の第2の通路30bを穿設した筒状体によって構成し、この第4の熱交換器30の全体を覆うケース36によって第4の熱交換器30の周囲を温水が流通する通路36aを形成し、この温水の流れを電磁弁37などによって調節するような構成としても良い。また、第4の流量調整弁44の上流側に加熱器50を設ける構成に代えて、図24で示される第1の通路30aと第2の通路30bとを逆にし、即ち、第4の熱交換器を第2の通路の周囲に複数の第1の通路を穿設した筒状体によって構成し、この第4の熱交換器30の全体を覆うように温水が流通する通路を形成し、この温水の流れを電磁弁などによって調節するような構成としても良い。
【0180】このように加熱器を設けることで、例えば暖房運転時に加熱器によって冷媒を加熱することにより、コンプレッサ4の吸入冷媒温度を高めることができ、これにより、コンプレッサ4の吐出冷媒温度を高めて第1の熱交換器1による放熱量を多くし、暖房能力を高めることが可能となる。
【0181】尚、上述の構成において、膨張弁の機能を有する第2の流量調整弁42と第4の流量調整弁44とに開閉弁の機能も持たせるようにした場合を示したが、開閉弁と膨張弁の機能を別々にして、図10に示されるように、電気式又は温度作動式の膨張弁21と電磁開閉弁22とを並列接続したもので代用するようにしても良く、各流量調整弁の全開に対応する状態、流調状態、全閉に対応する状態を適宜得ることができれば、流量を調整する手段は特に限定されるものではない。
【0182】また、上述の構成においては、ヒートポンプサイクルの熱源のみを利用して暖房を行う構成について説明したが、昨今のエンジン燃焼効率の向上などから、エンジン冷却水を熱源とする温水ヒータ10(図31(b)に示す)によっては十分な暖房能力が得られないような場合に、上述した構成を併用するようにしてもよい。即ち、第1の熱交換器1を通常の温水ヒータ10に対して並設し、温水ヒータ10による暖房能力の不足を第1の熱交換器1によって補うために利用するようにしてもよい。
【0183】図38において、アキュムレータ5の上流側に加熱器48を設けたヒートポンプサイクルの変形例が示され、この構成においては、図35に示される構成に対して、第4の熱交換器30の第1の通路30aと第4の流量調整弁44との間を第5の流量調整弁45を介して第3の熱交換器3と第2の流量調整弁42との間に接続するようにしたものである。
【0184】ここで、第5の流量調整弁45は、弁開度を全閉状態から全開状態へ至るまで任意に変化させることができるもので、開閉弁としての機能と、膨張弁としての機能とを合わせ持った調節弁となっている。また、加熱器48としては、例えば、図8に示されるような温水と熱交換させるようなものであっても、温水の代わりに電気ヒータを用いたものなどであってもよく、加熱器48は、図9に示されるように、開閉弁29と共に並設されるものであっても良い。
【0185】さらに、膨張弁としての機能を有する第2の流量調整弁42、第4の流量調整弁44、第5の流量調整弁45を、図10に示されるように、電気式又は温度作動式の膨張弁21と電磁開閉弁22とを並列接続したもので代用するようにしてもよい。尚、その他の構成にあっては、図31で示されるヒートポンプサイクルと同様であるから、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0186】このような構成において、車室内を冷房する冷房運転時においては、表6に示されるように、第1の流量調整弁41を全開、第2の流量調整弁42を流調、第3の流量調整弁43を全閉、第4の流量調整弁44を全閉、第5の流量調整弁45を全閉とする。ここで、流調とは、前述と同様、コントロールユニット16からの制御信号に応じて要求される開度となるように弁開度が調節される状態であり、電気膨張弁として機能させる状態のことである。
【0187】また、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が小さくなる位置、特に、冷房負荷が大きい場合や急速冷房の要請がある場合には、第1の熱交換器1への通風量が最小となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0188】
【表6】

【0189】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図39の太線に示されるように、第1の熱交換器1に直接供給され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量が無い場合には、この第1の熱交換器1で熱交換されることなく、そのまま第1の熱交換器1を通過し、また、第1の熱交換器1への通風を許容する開度にエアミックスドア7が位置する場合には、この第1の熱交換器1を通過する際に放熱される。そして、第1の熱交換器1を通過した冷媒は、第1の流量調整弁41が全開であることから、第1の流量調整弁41では減圧されることなく第3の熱交換器3へ供給され、ここで放熱した後に第2の流量調整弁42へ導かれ、この第2の流量調整弁42で減圧されて第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2で吸熱した後に加熱器48を通過してアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通過してコンプレッサ4へ戻される。
【0190】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却され、エアミックスドア7によって第1の熱交換器1への通風量がない場合には、第1の熱交換器1で加熱されることなくこれをバイパスして車室内へ供給され、また、エアミックスドア7の開度が幾分開き気味にあり、第1の熱交換器1による加熱を許容する場合には、第2の熱交換器2で冷却された空気の一部が加熱されて第1の熱交換器1の下流側においてこれをバイパスした空気と混合し、車室内へ供給されることとなる。
【0191】これに対して、車室内を暖房する通常の暖房運転時においては、表6に示されるように、第1の流量調整弁41を全閉、第2の流量調整弁42を全閉、第3の流量調整弁43を全開、第4の流量調整弁44を流調、第5の流量調整弁45を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0192】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図40の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第4の熱交換器30の第1の通路30aへ導かれ、ここで第2の通路30bを流れる冷媒と熱交換した後に第4の流量調整弁44へ至る。そして、第4の流量調整弁44へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第3の流量調整弁43を介して加熱器48に至り、この加熱器48を通過してアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bを通過し、ここで第1の通路30aを流れる冷媒と熱交換して吸熱し、コンプレッサ4に戻される。
【0193】よって、空調ユニット6内に導入される空気は、第2の熱交換器2を通過するものの、ここで冷却されることなくエアミックスドア7の開度に応じて第1の熱交換器1を通過し、ここで加熱された後に車室内へ供給される。
【0194】また、除湿された温かい空気を送風する除湿暖房運転時においては、表6に示されるように、第1の流量調整弁41を全閉、第2の流量調整弁42を全開、3の流量調整弁43を全閉、第4の流量調整弁44を流調、第5の流量調整弁45を全閉とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0195】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図41の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第4の熱交換器30の第1の通路30aへ導かれ、ここで第2の通路30bを流れる冷媒と熱交換した後に第4の流量調整弁44へ至る。そして、第4の流量調整弁44へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第3の熱交換器3へ入って吸熱し、この第3の熱交換器3から第2の流量調整弁42を介して第2の熱交換器2に入り、この第2の熱交換器2でさらに吸熱した後に加熱器48を通過してアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交換器30の第2の通路30bに導かれ、ここで、第1の通路30aを流れる冷媒と熱交換して吸熱し、コンプレッサ4に戻される。
【0196】よって、空調ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で除湿され、その後第1の熱交換器1で加熱されて車室内へ供給される。ここで、第1の熱交換器1での放熱量の絶対値は第2の熱交換器2での吸熱量の絶対値よりも大きく設定されるのが通常であることから、ユニット内に導入される空気は、第2の熱交換器2で冷却除湿されるものの、第1の熱交換器1によって第2の熱交換器2で冷却された以上に加熱され、全体として除湿された温かい空気として車室内へ供給される。
【0197】ところで、第3の熱交換器を通る冷媒が外気によって必要以上に冷やされて、この第3の熱交換器に冷媒が寝込む事態や、蒸発温度が外気温度よりも高くなる運転条件下においては、逆に熱を逃してしまう事態が生じることから、このような事態を避けるために、第3の熱交換器3をバイパスさせる第2除湿暖房モードが用意されている。
【0198】即ち、第2除湿暖房運転時においては、表6に示されるように、第1の流量調整弁41を全閉、第2の流量調整弁42を全開、3の流量調整弁43を全閉、第4の流量調整弁44を全閉、第5の流量調整弁45を流調とする。そして、エアミックスドア7を、第1の熱交換器1への通風量が大きくなる位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する場合には、第1の熱交換器1への通風量が最大となる位置に設定し、所望の送風能力が得られるように送風機8を駆動する。
【0199】すると、コンプレッサ4から吐出した冷媒は、図42の太線に示されるように、第1の熱交換器1へ直接供給され、ここで放熱した後に第4の熱交換器30の第1の通路30aへ導かれ、ここで第2の通路30bを流れる冷媒と熱交換した後に第5の流量調整弁44へ至る。そして、第5の流量調整弁44へ導かれた冷媒は、ここで減圧された後に第2の流量調整弁42を介して第2の熱交換器2に入って吸熱し、この第2の熱交換器3から加熱器48を通ってアキュムレータ5へ至り、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが第4の熱交