| 【発明の名称】 |
重荷重用タイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】沼田 一起
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| 【要約】 |
【課題】外側領域でのベルト剛性を相対的に高め重量増加を抑えながら耐久性を向上する。
【解決手段】第1、第2、第3のベルトプライ7A〜7Cを含むベルト層7を有し、第2、第3のベルトプライ7B、7Cは、外側領域YSのベルトプライのコード間距離Ysを、中央領域YCのコード間距離Ycよりも小としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスと、前記トレッド部の内方かつカーカスの外側に配されるベルト層とを具える重荷重用タイヤであって、前記ベルト層は、半径方向内側から外側に順次配されかつ並列されたベルトコードを有する第1、第2、第3のベルトプライを含むとともに、前記第2のベルトプライ、及び第3のベルトプライは、第1〜3のベルトプライの内の最大幅のベルトプライのプライ端からタイヤ軸方向内方に30mmを隔てる位置までの外側領域と、タイヤ赤道からタイヤ軸方向両側に30mmを隔てる位置までの中央領域において、前記外側領域のベルトプライのコード間距離Ksを、前記中央領域のコード間距離Kcよりも小としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。 【請求項2】前記外側領域のコード間距離Ksは0.5〜0.85mmの範囲であり、かつ前記中央領域におけるベルトコードのコード太さDc2,Dc3は互いに等しく、しかも第2、第3のベルトプライの外側領域におけるコード太さDs2,Ds3は、前記中央領域におけるベルトコードのコード太さDc2,Dc3よりも大としたことを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。 【請求項3】前記第2のベルトプライ、及び第3のベルトプライは、各ベルトコードが一方のプライ端から他方のプライ端まで途切れることなく連続してのびるとともに、前記外側領域のコード間距離Ksを0.5〜0.80mmの範囲、かつ中央領域におけるコード間距離Kcを0.85〜1.20mmの範囲としたことを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ベルトプライ内におけるコード間距離を、タイヤ軸方向の外側領域と中央領域とで相違せしめ、外側領域での剛性を相対的に高めることによって重量増加を抑えながら耐久性を向上した重荷重用タイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、道路網の整備化、車両の高速化、高性能化にともない、例えばトラック、バス用の重荷重用タイヤにおいてもラジアル化、チューブレス化、さらに、偏平化が促進されている。又このような重荷重用のラジアルタイヤでは、高内圧かつ高荷重を支承するために、ベルト層のタガ効果を充分に高める必要があり、従来、このようなベルト層には、少なくとも3枚のスチールコードプライが用いられている。 【0003】他方、重荷重用のラジアルタイヤは、通常700〜800kPa程度の高内圧を充填して使用される。この内圧により、ほぼ90°に配列されたコードからなるカーカスプライは、その断面形状が円形になるように脹らもうとするが、高剛性のベルト層により、カーカスプライはこの膨らみが抑制されて一定形状に保たれる。 【0004】しかし、偏平率が例えば70%以下の低偏平タイヤにあっては、円形状断面に移行しようとする力が強くなるため、タイヤ赤道付近の中央領域では、ベルト層による強力なタガ効果によって抑制されるが、ベルト端側の外側領域では、ベルト剛性が不足し、トレッドショルダー部での成長が増大する。その結果、このトレッドショルダー部での接地圧や歪みが増し、機械疲労、熱疲労によってベルト端から剥離損傷(セパレーション)を招くなど耐久性能の低下原因となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そのために、従来では、ベルトコードを太くしたり、又コード間距離を狭くするなどしてベルト層全体の剛性を上げることが行われているが、不必要な重量増加を招くなど、軽量化の妨げとなっている。 【0006】そこで本発明は、3枚のベルトプライのうちの第2、第3のベルトプライにおいて、その外側領域のコード間距離Ksを中央領域のコード間距離Kcよりも少なくとも小に設定することを基本として、外側領域でのベルト剛性を相対的に高め、重量増加を抑えながら耐久性を向上しうる重荷重用タイヤの提供を目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスと、前記トレッド部の内方かつカーカスの外側に配されるベルト層とを具える重荷重用タイヤであって、前記ベルト層は、半径方向内側から外側に順次配されかつ並列されたベルトコードを有する第1、第2、第3のベルトプライを含むとともに、前記第2のベルトプライ及び第3のベルトプライは、第1〜3のベルトプライの内の最大幅のベルトプライのプライ端からタイヤ軸方向内方に30mmを隔てる位置までの外側領域と、タイヤ赤道からタイヤ軸方向両側に30mmを隔てる位置までの中央領域において、前記外側領域のベルトプライのコード間距離Ksを、前記中央領域のコード間距離Kcよりも小としたことを特徴としている。 【0008】又請求項2の発明では、前記外側領域のコード間距離Ksは0.5〜0.85mmの範囲であり、かつ前記中央領域におけるベルトコードのコード太さDc2,Dc3は互いに等しく、しかも第2、第3のベルトプライの外側領域におけるコード太さDs2,Ds3は、前記中央領域におけるベルトコードのコード太さDc2,Dc3よりも大としたことを特徴としている。 【0009】又請求項3の発明では、前記第2のベルトプライ、及び第3のベルトプライは、各ベルトコードが一方のプライ端から他方のプライ端まで途切れることなく連続してのびるとともに、前記外側領域のコード間距離Ksを0.5〜0.80mmの範囲、かつ中央領域におけるコード間距離Kcを0.85〜1.20mmの範囲としたことを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明の重荷重用タイヤが偏平率70%以下のトラック・バス用のタイヤである場合の子午断面である。 【0011】図1において、重荷重用タイヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の外側に配されるベルト層7とを具えている。 【0012】前記カーカス6は、ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折返すプライ折返し部6bを設けた1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aからなる場合を例示している。このカーカスプライ6Aは、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して75〜90度の角度で配列しており、本例では、カーカスコードとしてスチールコードが用いられる。 【0013】なおカーカス6としては、前記スチールコードの他、芳香族ポリアミド、ナイロン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードを用いた1枚ないし複数枚のプライで構成してもよい。また前記プライ折返し部6bは、ビードコア5の上方かつタイヤの最大巾位置下方で途切れ、このプライ折返し部6bとプライ本体部6aとの間には、ビードエーペックスゴム8が充填され、ビード部4を補強しかつタイヤ横剛性を高めている。 【0014】次に、前記ベルト層7は、半径方向内側から外側に向かって順次配される第1〜第3のベルトプライ7A〜7Cと、本例では、その外側に配される巾狭の第4のベルトプライ7Dとからなる4層構造をなし、各ベルトプライ7A〜7Dは、ベルトコードにスチールコードを用いて形成している。 【0015】このベルト層7は、前記ベルトプライ7A〜7Dのうち、第4のベルトプライ7Dのプライ巾を最小、前記第2のベルトプライ7Bのプライ巾を最大としており、又第1、3のベルトプライ7Aを互いに略同巾で形成している。又図2に示すように、第1のベルトプライ7Aにおけるベルトコードのタイヤ赤道Cに対するコード角度α1は50°±10゜、第2〜第4のベルトプライ7B〜7Dにおけるコード角度α2、α3、α4は夫々18゜±10°の範囲としてる。又第2のベルトプライ7Bのコードの傾斜方向と、第3のベルトプライ7Cのコードの傾斜方向とを相違させることにより、強固なトラス構造を構成しタガ効果を高めている。 【0016】そして、本実施態様では、図3に概念的に示すように、ベルト層7をベルト端側の外側領域YSと、タイヤ赤道側の中央領域YCと、その間の中間領域YMとに仮区分したとき、前記第2、第3のベルトプライ7B、7Cは、夫々、前記外側領域YSでのコード間距離Ksを、前記中央領域YCでのコード間距離Kcよりも小に設定している。 【0017】即ち、第2のベルトプライ7Bにおいて、外側領域YSでのコード間距離をKs2、中央領域YCでのコード間距離をKc2としたとき、Ks2<Kc2である。同様に、第3のベルトプライ7Cにおいて、外側領域YSでのコード間距離をKs3、中央領域YCでのコード間距離をKc3としたとき、Ks3<Kc3である。 【0018】ここで、前記「外側領域YS」とは、第1〜第3のベルトプライ7A〜7Cのうちの最大巾のベルトプライ(本例では第2のベルトプライ7Bに相当)のプライ端7eからタイヤ軸方向内方に30mmを隔てる位置までの領域を意味する。又前記「中央領域YC」とは、タイヤ赤道Cからタイヤ軸方向両側に30mmを隔てる位置までの領域を意味する。又前記「コード間距離」とは、プライ内で隣り合うベルトコード間の隙間の大きさを意味する。なお各領域YS、YC内において、コード間距離が変化する場合には、その平均値としている。 【0019】このように、前記コード間距離をプライ内で調整し、Ks2<Kc2、及びKs3<Kc3とすることにより、前記外側領域YSでのベルト剛性を相対的に高めることができ、重量増加を抑えながら耐久性を向上できる。 【0020】このとき、耐久性の向上効果を確実なものとするために、前記外側領域YSでのコード間距離Ks2、Ks3を、夫々、0.5〜0.85mmの範囲とするのが好ましい。なお、0.85mmを越えると充分な剛性アップが図れず、又0.5mm未満ではコードが近接しすぎコードルースが生じやすくなる。又コード間距離の比Ks2/Kc2、Ks3/Kc3は、本願では特に規制されないが、夫々0.5〜0.85の範囲が好ましい。 【0021】又本例では、前記耐久性の向上効果をさらに高めるために、第2、第3のベルトプライ7B、7Cにおいて、夫々、外側領域YSにおけるコード太さDs2、Ds3を、前記中央領域YCにおけるコード太さDc2、Dc3よりも大、即ちDs2>Dc2、Ds3>Dc3とした場合を例示している。なお各領域YS、YC内において、太さの異なる2種類のコードが配される場合には、その平均値としている。又コード太さの比Ds2/Dc2、Ds3/Dc3は、本願では特に規制されないが、夫々1.1〜1.4の範囲が好ましい。 【0022】この手法を実施するにあたり、本例では、第2、第3のベルトプライ7B、7Cを、夫々タイヤ軸方向に分割される内のプライ分割片7Bi、7Ciと、外のプライ分割片7Bo、7Coとで形成している。このとき、各分割位置P2、P3の前記プライ端7eからの距離L2、L3は、30mm以上或いは以下であっても良いが、分割による強度低下を防ぐため、距離の差|L2−L3|を5mm以上さらには9mm以上とするのが好ましい。 【0023】そして、外のプライ分割片7Bo、7Coにおけるコード間距離Ko2、Ko3を内のプライ分割片7Bi、7Ciにおけるコード間距離Ki2、Ki3より小に設定することにより、Ks2<Kc2、及びKs3<Kc3としている。又同様に、外のプライ分割片7Bo、7Coにおけるコード太さDo2、Do3を内のプライ分割片7Bi、7Ciにおけるコード太さDi2、Di3より大に設定することにより、Ds2>Dc2、及びDs3>Dc3としている。 【0024】なお本例では、前記分割位置P2、P3が夫々中間領域YMに配されることにより、Ko2=Ks2、Ko3=Ks3、Ki2=Kc2、Ki3=Kc3、Do2=Ds2、Do3=Ds3、Di2=Dc2、Di3=Dc3となっている。 【0025】ここで、特定のプライにコード破断が集中し、プランジャー強度が低下するのを抑制するために、少なくとも中央領域YCにおけるコード太さDc2、Dc3を互いに等しく設定するのが好ましく、さらには、第1、第4のベルトプライ7A、7Dにおけるコード太さD1、D4も前記コード太さDc2、Dc3と等しく設定するのが、プランジャー強度のために望ましい。 【0026】なお、外のプライ分割片7Bo、7Coにおけるコード太さDo2、Do3は互いに相違させても良いが、トラス構造をバランス良く形成するために、さらには材料の共通化などのために、このコード太さDo2、Do3を互いに等しく設定するのが好ましい。 【0027】次に、図4に、プライ分割片を用いることなく、前記外側領域YSでのコード間距離Ksを中央領域YCでのコード間距離Kcよりも小に設定する場合を例示する。 【0028】本例では、加硫成形時におけるベルト層7のストレッチ量を、外側領域YSと中央領域YCとで相違させることにより、コード間距離をKs<Kcに設定している。即ち、前記中央領域YCでのストレッチ量を従来よりも高く設定し、ベルト層7を凸円弧状に湾曲させることによって、中央領域YCでのコード間距離Kcを相対的に高めている。 【0029】従って、本例では、第2、第3のベルトプライ7B、7Cとして、各ベルトコードが一方のプライ端から他方のプライ端まで途切れることなく連続してのびる1枚のプライで形成することができる。その反面、外側領域YSと中央領域YCとでコード太さDs、Dcが必然的に同一となる。従って、かかる場合、前記外側領域YSでのベルト剛性を充分に高めるために、外側領域YSのコード間距離Ksを0.5〜0.80mmの範囲とする一方、中央領域YCにおけるコード間距離Kcを0.85〜1.20mmの範囲とするのが好ましく、このとき、コード間距離の比Ks/Kcを0.55〜0.95とするのが望ましい。 【0030】なお本例では、第1〜第4のベルトプライ7A〜7Dにおけるコード太さD1〜D4は互いに等しく設定している。 【0031】以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。 【0032】 【実施例】図1の構造をなしかつ図3に示すベルト層を有するタイヤサイズが245/70R19.5の重荷重用タイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの耐久性及びタイヤ重量を測定し、その結果を表1に記載した。なお使用したベルト層の他の仕様を表2に示す。 【0033】(1)耐久性:ドラム試験器を用い、内圧(850kPa)、荷重(26.15KN)、速度(80〜140km/h)で走行させ、タイヤ損傷が発生するまでの走行距離(完走は1540km)を、比較例1を100とした指数で表示している。値が大きいほど耐久性に優れている。 【0034】(2)重量タイヤ1本当たりの重量を測定し、比較例1を100とした指数で表示している。値が小さいほど軽量である。 【0035】 【表1】
【0036】 【表2】
【0037】又図4に示すベルト層を有するタイヤサイズが245/70R19.5の重荷重用タイヤを表2の仕様に基づき試作し、各試供タイヤの耐久性及びタイヤ重量の測定結果を表3に記載した。なお使用したベルト層の他の仕様を表4に示す。 【0038】 【表3】
【0039】 【表4】
【0040】 【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、外側領域でのベルト剛性を相対的に高めることができ、重量増加を抑えながら耐久性を向上しうる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183233 【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月8日(2000.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082968 【弁理士】 【氏名又は名称】苗村 正 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−178715(P2002−178715A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−374911(P2000−374911) |
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