| 【発明の名称】 |
乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】柳沢 学
|
| 【要約】 |
【課題】偏平率が55%以下であってもリムの保護および限界走行時の安全性を十分に担保し得るリムガードを備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ軸方向外側にゴムが隆起してなる環状のリムガード3をタイヤ最大幅近傍とリムライン近傍との間に備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、リムガード3の子午線断面形状が略台形であり、その頂上部4から最外層カーカスプライ2までの距離(h)が10〜17mmであり、頂上部4のタイヤ半径方向の幅が2〜5mmである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タイヤ軸方向外側にゴムが隆起してなる環状のリムガードをタイヤ最大幅近傍とリムライン近傍との間に備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記リムガードの子午線断面形状が略台形であり、その頂上部から最外層カーカスプライまでの距離(h)が10〜17mmであり、前記頂上部のタイヤ半径方向の幅が2〜5mmであることを特徴とする乗用車用空気入りラジアルタイヤ。 【請求項2】 前記頂上部から最外層カーカスプライまでの距離(h)の中間点(h/2)における環状リムガードのタイヤ半径方向の幅(W)が7〜13mmである請求項1記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。 【請求項3】 前記リムガードのタイヤ半径方向外側の辺の曲率半径が15〜40mmである請求項1または2記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。 【請求項4】 前記リムガードを構成するゴムのうち、タイヤ半径方向内側から少なくとも50%の領域が硬度65〜85(Hs)の硬質ゴムからなる請求項1〜3のうちいずれか一項記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。 【請求項5】 偏平率が55%以下である請求項1〜4のうちいずれか一項記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車用空気入りラジアルタイヤに関し、詳しくは、スポーツ走行性、ファッション性が重視されるスポーティな乗用車に装着される、いわゆる偏平タイヤ(特には偏平率が55%以下)において優れた効果を発揮するリムガード付き乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、リムの保護および限界走行時の安全性の面から、タイヤ軸方向外側にゴムを隆起させることにより形成される環状のリムガードをタイヤ最大幅近傍とリムライン近傍との間に備えた乗用車用偏平空気入りラジアルタイヤが広く一般的に知られている。ここで、限界走行時の安全性を損なう場合とは、主にコーナリング中や急激にハンドルを切った時等にリムが地面へ接地し、車のバランスを崩すなどする場合である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の偏平空気入りラジアルタイヤにおけるリムガードは、その寸法が厳密に規定されたものはなく、また、リムガードの剛性も最適化されてはいなかった。従って、特には偏平率が55%以下の偏平タイヤなどにおいては、必ずしも従来のリムガードでは保護限界走行時の安全性が十分となるように規定されているとはいえなかった。 【0004】そこで本発明の目的は、偏平率が55%以下であってもリムの保護および限界走行時の安全性を十分に担保し得るリムガードを備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リムガードの寸法等の条件を最適化することにより前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記に示す通りである。 【0006】(1)タイヤ軸方向外側にゴムが隆起してなる環状リムガードをタイヤ最大幅近傍とリムライン近傍との間に備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記リムガードの子午線断面形状が略台形であり、その頂上部から最外層カーカスプライまでの距離(h)が10〜17mmであり、前記頂上部のタイヤ半径方向の幅が2〜5mmであることを特徴とする乗用車用空気入りラジアルタイヤである。 【0007】(2)前記(1)の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記頂上部から最外層カーカスプライまでの距離(h)の中間点(h/2)における前記リムガードのタイヤ半径方向の幅(W)が7〜13mmである乗用車用空気入りラジアルタイヤである。 【0008】(3)前記(1)または(2)の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記リムガードのタイヤ半径方向外側の辺の曲率半径(R)が15〜40mmである乗用車用空気入りラジアルタイヤである。 【0009】(4)前記(1)〜(3)のいずれかの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記環状リムガードを構成するゴムのうち、タイヤ半径方向内側から少なくとも50%の領域が硬度65〜85(Hs)の硬質ゴムからなる乗用車用空気入りラジアルタイヤである。 【0010】(5)前記(1)〜(4)のいずれかの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、偏平率が55%以下である乗用車用空気入りラジアルタイヤである。 【0011】本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいては、限界走行においてもリムの損傷を招くことがなく、また、限界走行時にリムが地面と接触することによりバランスを崩すということもない。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態につき説明する。図1に、タイヤ軸方向外側にゴムを隆起させ、タイヤ最大幅近傍とリムライン近傍との間に形成せしめた環状リムガード3の子午線断面形状を示す。ここで、タイヤ最大幅とは、サイド部に設けられた文字やホワイトラインまたはサイドカットプロテクターやリムフランジ保護のためのリムガードを除いて測定された最大幅である。また、リムラインとは、タイヤをリムに組んだときにリムフランジの若干タイヤ半径方向外側に位置してタイヤのビード部表面に環状に設けられたリッジであって、タイヤとリムとが同心円状態で組まれているかを否かチェックするためのラインである。 【0013】本発明においては、環状リムガード3の子午線断面形状は略台形であり、その頂上部4から、ビードコア1にて折り返された最外層カーカスプライ2までの距離hが10〜17mm、好ましくは12〜16mmであり、頂上部4のタイヤ半径方向の幅tが2〜5mm、好ましくは3〜4mmである。距離hが10mm未満の場合、リムガード3を設けたことによる効果が十分に発揮されず、限界走行時にリムと地面が接触する可能性がある。一方、距離hが17mmを超えるとリムガード3が高くなりすぎ、リムガード3が地面と容易に接触し易くなり、リムガード3の異常摩耗やリムガード折れを引き起こし易くなる。また、幅tが2mm未満の場合は、リムガード3の頂上部が細くなりすぎ、リムに対する保護効果が十分とはいえなくなる。一方、5mmを超えるとリムガード3の上部幅が広くなりすぎ、その結果剛性が高くなりすぎ、地面に接触したときバランスを崩し易くなる。また、重量の増加にもつながる。 【0014】また、本発明においては、環状リムガード3の頂上部4から最外層カーカスプライ2までの距離hの中間点(h/2)における該環状リムガード3のタイヤ半径方向の幅Wが、好ましくは7〜13mm、より好ましくは9〜12mmである。この幅Wが7mm未満であるとリムガード3が細くなりすぎ、リムに対する保護効果が十分とはいえなくなる。一方、13mmを超えるとリムガード3の剛性が高くなりすぎ、地面に接触したときバランスを崩し易くなるとともに、重量の増加にもつながる。 【0015】さらに本発明においては、リムガード3のタイヤ半径方向外側の辺の曲率半径Rが、好ましくは15〜40mm、より好ましくは20〜30mmである。この曲率半径Rは上記幅Wの場合と同様の意味を持ち、この値が15mm未満であるとリムガード3が細くなりすぎ、リムに対する保護効果が十分とはいえなくなり、一方、40mmを超えるとリムガード3の剛性が高くなりすぎ、地面に接触したときバランスを崩し易くなるとともに、重量の増加につながる。 【0016】さらにまた本発明においては、図2においてA、B、C、Dで囲まれた領域S(DとAの間はリムガードがないタイヤを想定しての仮想線(図中、破線)である)にて画成された環状リムガード3を構成するゴムのうち、硬度65〜85(Hs)の硬質ゴムからなる、B、C、D、Eで囲まれた斜線領域Uが50%以上あることが好ましい。これにより、リムガード3の剛性を維持でき、また、耐摩耗性にも優れた効果が得られ、リムガードの異常摩耗やリムガード折れ等を防止することができ、本発明の効果の永続性を担保することができる。なお、ここで、硬度はJISスプリングA形硬さに準拠した硬さである。 【0017】上述のように、本発明はリムガードの寸法および硬さに特徴があり、偏平率が55%以下である偏平タイヤに対し特に優れた効果を発揮するものである。なお、リムガード以外の構造および材質等は特に制限されるべきものではなく、慣用に従い定めることができる。 【0018】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。 従来例、実施例1〜4、比較例下記の表1に示す条件を満たすリムガードを備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤ(サイズ:215/45R17)を試作し、夫々JATMAに定められる標準リムに装着し、JATMAに定められる最大負荷能力に対応する空気圧を充填した。しかる後、かかる供試タイヤを車両((株)トヨタ製アルテッツァ)に装着し、限界走行フィーリング試験を行った。この試験は、3人のドライバーにワインディング路を走行してもらい、10点満点評価の平均点を評価結果とした。また、限界走行フィーリング試験において、リムの損傷およびリムガードの異常の有無についても調べた。得られた結果を下記の表1に併記する。 【0019】 【表1】
【0020】1)リムガード全体を構成するゴム領域Sに対する、タイヤ半径方向内側から硬度78(Hs)の硬質ゴムが存在する領域Uの割合である。 2)タイヤ新品時では「9」であったが、1000km走行後には「7」となった(なお、他の実施例においては1000km走行後においても評点に変化はなかった)。 3)1000km走行後にリムガードの摩耗が認められた。 4)先端部の欠けが生じた。 【0021】 【発明の効果】本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいては、リムガードの寸法等の適正化を図ったことにより、偏平タイヤであっても限界走行時にリムの損傷がなく、また車両のバランスを崩すことがなく、さらにはリムガードの損傷もなく、安全に走行を行うことができる。また、ファッション性や軽量化にも有効である。よって、スポーティな走行が要求されるスポーツカー等の車両において優れた効果が発揮される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
|
| 【出願日】 |
平成12年6月29日(2000.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096714 【弁理士】 【氏名又は名称】本多 一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2002−12012(P2002−12012A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2000−196150(P2000−196150) |
|