| 【発明の名称】 |
胎、素地及びそれらを用いる七宝の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】浅井 道夫
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| 【要約】 |
【課題】金属を使用しない胎を提供し、もって金属胎の有する種々の欠点を克服し得る七宝及び省胎七宝並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】耐火石膏とガラス短繊維とコロイダルシリカを用いて得られる七宝胎、七宝胎の表面に金属箔を被覆して得られる七宝素地、七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、該七宝胎を除くことを特徴とする金属箔七宝の製造方法、及び、七宝胎の表面に銀箔を被覆して得られる七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、該七宝胎を除き、次いで銀箔を除去することを特徴とする省胎七宝の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耐火石膏とガラス短繊維との混合物に水を加え、成形し、乾燥後、該成形品の表面からコロイダルシリカを浸透させ、加熱することにより得られる七宝胎。 【請求項2】 耐火石膏とガラス短繊維とコロイダルシリカとの混合物に水を加え、成形後、加熱することにより得られる七宝胎。 【請求項3】 請求項1又は請求項2の七宝胎の表面に金属箔を被覆して得られる七宝素地。 【請求項4】 請求項3の七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、請求項1又は請求項2の七宝胎を除くことを特徴とする金属箔七宝の製造方法。 【請求項5】 請求項1又は請求項2の七宝胎の表面に銀箔を被覆して得られる七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、該七宝胎を除き、次いで銀箔を除去することを特徴とする省胎七宝の製造方法。 【請求項6】 省胎七宝の欠陥品の裏に銀箔を張り、該銀箔の下に請求項1又は請求項2の七宝胎を形成させ、焼成することを特徴とする該欠陥品の修復方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、七宝を製造するための胎、素地及びそれらを用いた金属箔七宝及び省胎七宝の製造方法ならびに欠陥七宝品の修復方法に関する。 【0002】 【従来の技術】銅板等を素地金属とし、その表面に釉薬を焼き付けたものは七宝と呼ばれ、銀線等の線で絵模様をつけたものは有線七宝と呼ばれる。有線七宝の代表的な製法は、銅板等の素地金属で器物を成形した後、表面に区画線の模様を描き、これに沿って銀線等の線を糊付けし、全体に下釉薬を盛って、焼成する。次いで線で区切られた部分に適当な色釉薬を差し、焼成する。釉薬差しと焼成を数回繰り返した後、最後に研磨により絵模様の線を出すと共に表面に光沢を与えるというものである。 【0003】一方、線と線に囲まれた七宝釉薬単体の硝子質部分からなるものは省胎七宝と呼ばれる。省胎七宝の代表的な製法は、例えば、素地金属として銅板を用い、上記の七宝加工を施して制作された銅板七宝加工品を濃硝酸と濃塩酸の混液等に浸漬し、銅板を溶解除去し、銀線と銀線で囲まれた七宝釉薬単体の硝子質部分だけを残すというものである。この場合に、省胎七宝とするために最後に溶解除去される銅板等は、胎と呼ばれる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】省胎七宝は、非常に難しい手法で、プロの職人において成功率は60%以下と言われる。その理由は、主として、銅板等の金属を省胎七宝製造のための胎として用いることにある。即ち、七宝製品は下地焼成、線の固定、色差調整、研磨後の光沢付与等のため6〜7回電気炉に出し入れするため、金属胎と釉薬はその度に膨張と収縮を繰り返す。しかし、膨張と収縮の程度が金属胎と釉薬とでは異なるため、最後に金属胎を溶解除去して省胎七宝とした段階でひび割れや割れが発生する。 【0005】例えば、平面的銅板七宝加工品における銅板は、焼成によって膨張した釉薬の収縮を防止する役割をも果たしているため、その銅板を溶解除去し、省胎七宝にした段階で、釉薬が元に収縮して破砕する。また、立体的銅板七宝は箆絞りで銅板を立体形にするので、銅板内部に歪みが生じ易く、歪みのあるものに釉薬を塗布焼成するため、釉薬に移された歪みが銅板の溶解除去により露呈し、割れやひび割れが発生する。 【0006】また、金属胎では、瓢箪、球体等の形状を有する所謂閉塞胎を成形することはできないので、かかる形状の省胎七宝を製造することはできない。更に、金属胎では、胎を強酸により溶解除去してしまうため、1個の胎で1個の省胎七宝しか製造できず、しかも有毒な酸性ガスを発生する。 【0007】本発明の課題は、金属を使用しない胎を提供し、もって金属胎の有する上記欠点を克服し得る七宝及び省胎七宝並びにその製造方法を提供することにある。また、本発明の課題は、金属を使用しない胎を用いることにより、省胎七宝の欠陥品の補修方法を提供することにもある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、耐火石膏とガラス短繊維との混合物に水を加え、成形し、乾燥後、該成形品の表面からコロイダルシリカを浸透させ、加熱することにより得られる七宝胎、又は、耐火石膏とガラス短繊維とコロイダルシリカとの混合物に水を加え、成形後、加熱することにより得られる七宝胎に係る。本発明の胎においては、金属胎のような膨張と収縮は認められず、また本発明の胎では、金属胎では成形できない、いわゆる閉塞胎の成形も容易である。更に本発明の胎は、金属胎のように強酸で溶解除去する必要が無いので1個の胎で複数個の省胎七宝を製造することができて、しかも有毒な酸性ガスは発生しない。 【0009】また本発明は、本発明の七宝胎の表面に金属箔を被覆して得られる七宝素地に係り、更に、本発明の七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、該七宝胎を除くことを特徴とする金属箔七宝の製造方法に係る。また、本発明は、本発明の七宝胎の表面に銀箔を被覆して得られる七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、該七宝胎を除き、次いで銀箔を除去することを特徴とする省胎七宝の製造方法に係り、七宝焼成後の釉薬の収縮に合わせて融着した銀箔も収縮するので、釉薬に割れやひび割れは発生しない。 【0010】更に、本発明は、割れやひび割れの発生した省胎七宝の欠陥品の裏に銀箔を張り、該銀箔の下に本発明の七宝胎を形成させ、焼成することを特徴とする該欠陥品の修復方法に係る。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明で使用する耐火石膏とは、通常の石膏(CaSO4・2H2O)又は焼石膏(CaSO4・1/2H2O)に、例えば陶器の素焼き粉末などの添加物を混入し、耐熱温度を高くしたものをいう。石膏又は焼石膏に混入する添加物は、硫酸カルシウムの耐火性・耐熱性を高め、七宝焼成温度に耐えるものであればよく、陶器の素焼き粉末には限定されない。 【0012】本発明で使用するガラス短繊維は、短繊維形状のガラス繊維であり、上記耐火石膏の補強材として用いられる。長さは1〜7mm、好ましくは3〜6mmのものがよい。特にストランドチョップと呼ばれる短尺ガラス繊維が好ましい。 【0013】本発明で使用するコロイダルシリカは、シリカゾルとも呼ばれるもので、無水ケイ酸の超微粒子をコロイド溶液としたものをいう。コロイダルシリカは耐火石膏成形品に容易に浸透し、吸着力が強いので、これを用いることにより、急熱・急冷に耐える硬質の七宝胎が得られる。 【0014】本発明の七宝胎は、耐火石膏(重量比で99.99〜92%、好ましくは99〜98%)とガラス短繊維(重量比で0.01〜8%、好ましくは1〜2%)との混合物に、水を耐火石膏に対して重量比で40〜85%、好ましくは50〜75%加えて十分撹拌し、必要形状に成形し、室温〜200℃で十分に乾燥後、該成形品の表面からコロイダルシリカを乾燥成形品に対して重量比で3〜15%、好ましくは8〜15%浸透させ、200〜600℃、好ましくは300〜450℃で加熱することにより得られる。コロイダルシリカを浸透させる方法としては、例えば塗布、噴霧、ディッピング等の方法を例示できる。 【0015】また、本発明の七宝胎は、耐火石膏とガラス短繊維を上記の重量比で、更にこれらにコロイダルシリカを耐火石膏とガラス短繊維の混合物に対して上記の重量比で混合し、該混合物に水を耐火石膏に対して上記の重量比で加えて十分撹拌し、必要形状に成形し、この成形品を200〜600℃、好ましくは300〜450℃で加熱することによっても得ることができる。混合の手順としては、同様の重量比で、耐火石膏とガラス短繊維との混合物にコロイダルシリカと水との混合物を加えて撹拌する方法が好ましい。 【0016】本発明の七宝素地は、上記七宝胎の表面に金属箔を被覆することにより得られる。金属箔としては、銀箔、金箔、白金箔などを例示できるが、これらに限定されるものではない。金属箔は、上記七宝胎の表面の内、少なくとも七宝加工を施す表面の全面に糊等で貼り付けた後、空焼きすることにより被覆される。金属箔は、少なくとも七宝加工を施す表面の全面を覆う必要があり、そのため金属箔同士が重なる部分ができてもよい。糊はCMC糊、白笈糊の他、澱粉質糊でも、合成樹脂系糊でもよいが、その後の七宝加工性の点から、CMC糊、白笈糊が好ましい。金属箔を貼り付けた後、ブラシ等で軽く叩き、箔と胎の間の空気を脱気するのが好ましい。空焼きは金属箔を焼きなまし、七宝胎との密着を良くし、糊を燃焼揮散させるために行うもので、温度は500〜750℃、好ましくは600〜700℃で行う。 【0017】本発明の金属箔七宝は、本発明の上記七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、上記七宝胎を除くことにより得られる。七宝素地は本発明の七宝胎の表面に金属箔を上記と同様の方法で被覆することにより得られる。七宝加工は、通常の七宝加工方法、例えば以下の方法により行うことができる。金属箔の上に下地釉薬を塗布し、800〜900℃で下地焼成を行い、その上に銀線を模様状に糊付けし、800〜900℃で焼成して銀線を下地釉薬に融着させる。次に銀線に囲まれた部分に色釉薬を塗布し、銀線模様の外側に色釉薬で地紋様を彩色し、乾燥させ、800〜900℃で焼成し、焼成後の釉薬が銀線の高さを越えるまで、施釉と焼成を繰り返した後、釉薬焼成面をリューターで研磨し、再焼成して研磨面に光沢を与える。 【0018】七宝加工を施した後、七宝胎を除く。通常の平面形の胎や立体形の胎の場合は、金属箔と胎を引き離すことにより容易に胎を取り外すことができる。瓢箪・球体等の形状を有するいわゆる閉塞胎の場合は、頭頂部に小さな穴をあけ、好ましくは高温水を注入し、水分を胎に浸透させて剥離した胎を水とともに除去することにより、除くことができる。 【0019】本発明の省胎七宝は、本発明の上記七宝胎の表面に銀箔を被覆して得られる七宝素地の表面上に七宝加工を施した後、該七宝胎を除き、次いで銀箔を除去することにより得られる。七宝素地は、本発明の七宝胎の表面に銀箔を上記と同様の方法で被覆することにより得られる。七宝加工は、上記と同様の方法により行い、七宝胎を上記と同様の方法で除けば本発明の銀箔七宝が得られる。釉薬に融着した銀箔は、例えば希硝酸液を用いて溶解除去すれば、銀線模様でかたどられた七宝釉薬単体物となり、本発明の省胎七宝が得られる。 【0020】本発明の七宝胎は、割れやひび割れが発生した省胎七宝の欠陥品の補修に使用することができる。該欠陥品の裏に銀箔を張り、銀箔の下に本発明の七宝胎を形成させる。七宝胎は、該銀箔の下に、耐火石膏とガラス短繊維とのスラリー状混合物を塗り、乾燥後、コロイダルシリカを浸透させ、上記七宝胎の加熱温度で加熱すること、又は、耐火石膏とガラス短繊維とコロイダルシリカとのスラリー状混合物を塗り、同様の温度で加熱することにより形成される。耐火石膏とガラス短繊維とコロイダルシリカと水の比率は上記と同様である。 【0021】これを上記の七宝焼成温度で焼成すると、釉薬は溶融し、割れ、ひび割れは修復され、銀箔下に本発明の七宝胎が形成されていることにより、その後の釉薬の収縮においても割れやひび割れは発生しない。七宝胎を上記と同様にして除き、希硝酸液に浸漬して銀箔を溶解除去すると修復された省胎七宝が得られる。 【0022】 【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、何らこれらに限定されるものではない。 【0023】実施例1(七宝胎) 市販の耐火石膏(吉野石膏製)100gとストランドチョップ(ユニチカ製)1gとの混合物に水を50g加えて十分撹拌して得られたスラリーの一部を円錐形状(底面の直径100mm、高さ80mm、内部空洞で厚さ5mm)に成形し、他の一部を平面形状(120mm×120mm、厚さ8mm)に成形した。円錐成形品を平面成形品の中央に載置し、200℃に加熱して十分に乾燥させた後、コロイダルシリカ(ダイアケミカル製)10gを塗布し、400℃で焼成し、リキュールグラス省胎七宝の製作(実施例5)に用いる七宝胎を得た。 【0024】実施例2(七宝胎) 実施例1と同じ耐火石膏100gとストランドチョップ1gとの混合物に、コロイダルシリカ10gを水50gに混入した水溶液を加えて十分撹拌し、実施例1と同様にして、同形状の七宝胎を得た。実施例1に比べて、石膏の硬化が速やかに進むため、所定の形状への成形を速やかに行う必要があることを除けば、実施例1と同じ七宝胎が得られた。 【0025】実施例3(七宝素地) 実施例1の七宝胎の円錐部の全面にCMC糊を塗布し、底辺20〜30mm、高さ100mmの三角形に裁断した銀箔を貼り付け、銀箔と銀箔が数mm重なる部分を作りながら、七宝胎の円錐部の全面を銀箔で覆い、ブラシで軽く叩き、胎と箔の間に残る空気を脱気した。平面部も銀箔で覆い、更に胎の裏に銀箔を巻き込み、CMC糊で貼り付け、脱気した。乾燥後、電気炉に入れて650℃で5分焼成し、銀箔と七宝胎との密着を良くするとともに、CMC糊を燃焼揮散させ、リキュールグラス省胎七宝の製作(実施例5)に用いる七宝素地を得た。 【0026】実施例4(銀箔七宝) 実施例2と同じ重量比の耐火石膏とストランドチョップとコロイダルシリカと水との混合物から、実施例2と同様の方法で平面形状(60mm×60mm、厚さ8mm)の七宝胎を作り、その表面全面にCMC糊を塗布し、86mm平方の銀箔を中央に載置し、胎の表面に銀箔を貼り付け、余剰分5mmを裏面に折り曲げた。ブラシで軽く叩き、脱気し、乾燥後、電気炉に入れて600℃で焼成し、平面形七宝素地を得た。銀箔の上に七宝白透を0.2mmの厚みに塗布し、乾燥後、電気炉に入れて850℃で焼成し、釉薬が溶融したことを確かめて電気炉から取り出した。木の葉模様の銀線をCMC糊で固定し、十分乾燥させた後電気炉に入れて、850℃で焼成し、釉薬が溶融したことを確かめて電気炉から取り出した。銀線で区切られた模様部分に七宝色釉薬を塗布し、模様の外側に七宝色釉薬で地紋様を彩色し、乾燥後、電気炉に入れて850℃で焼成し、釉薬が溶融したことを確かめて電気炉から取り出した。釉薬が銀線の高さを越えるまで2回同様の工程を繰り返し、釉薬焼成面をリューターで研磨し、銀線の高さに平滑にした。再度電気炉に入れて850℃で焼成し、焼艶を出した。七宝胎の裏に折り曲げられた銀箔を広げ、七宝焼成物を七宝胎から取り外すと、平面形銀箔七宝が得られた。 【0027】実施例5実施例4の銀箔に変えて金箔を用いた以外は実施例4と同様の方法により平面形金箔七宝を得た。 【0028】実施例6(省胎七宝) 実施例3の七宝素地の銀箔表面上に銀箔用七宝白透を0.2mmの厚みに塗布し、乾燥後、電気炉に入れ、850℃で下地焼成を行った。花模様に折り曲げた銀線をCMC糊で固定し、乾燥後、850℃で焼成し、銀線模様を下地釉薬に固着させた。花模様部分に七宝色釉薬を塗布し、花模様の外側に地紋様を彩色し、乾燥後、850℃で焼成し、同様の工程を3回繰り返し、銀線の高さを越えた釉薬の焼成面をリューターで研磨し、平滑にした後、再度850℃で焼成した。七宝胎の裏に折り曲げられた銀箔を広げ、七宝焼成物を七宝胎から取り外し、20%希硝酸水溶液に浸漬して、銀箔を溶解除去し、銀線模様でかたどられた七宝釉薬単体物からなるリキュールグラス用の省胎七宝を得た。 【0029】実施例7(閉塞胎省胎七宝) 長径65mm、短径50mmの卵から半面づつシリコン雌型を作り、各々に実施例1と同じ重量比の耐火石膏とストランドチョップと水からなるスラリーを流し、硬化するまでにシリコン型をあわせて立体形にし、シリコン型から卵形の胎を取り出した。胎に多数の穴をあけ、通気性をもたせ、更に頭頂部に5mm径の穴をあけ、1.5mmφのステンレス線2本を差し込み、胎内部に上記スラリーを流してステンレス線を固定した。このステンレス線で、別途用意した固定台に卵型胎を固定し、200℃で乾燥させ、表面全面にコロイダルシリカを塗布し、450℃で焼成し、卵形七宝胎を得た。七宝胎の全面にCMC糊を塗布し、実施例3と同様の方法で全面に銀箔を貼り付け、乾燥、焼成し、卵形七宝素地を得た。銀箔の上に、実施例4と同様の方法で、七宝加工を施した。卵形七宝胎に固定されたステンレス線を引き抜いて外し、頭頂部の穴から高温水を注入し、水分を胎に浸透させ、先を鉤型に曲げた細い金属棒を挿入して剥離した胎をかき出して除去した。七宝胎を除いた七宝焼成物は、実施例5と同様の方法で希硝酸液に浸漬して銀箔を溶解除去すると、銀線模様でかたどられた七宝釉薬単体のガラス質からなる卵形省胎七宝が得られた。 【0030】実施例8(欠陥品の修復) 銅板七宝加工品から銅板を溶解除去して釉薬内部に細かい割れ目(貫入)が発生したリキュールグラス用省胎七宝の欠陥品の内面全面に銀箔を張り、その上に実施例1と同じ重量比の耐火石膏とストランドチョップと水からなるスラリーを塗り、充分乾燥させてからコロイダルシリカを塗布し、400℃で焼成した。これを電気炉に入れて850℃で焼成し、釉薬が溶融して貫入が完全に修復されたことを確かめて電気炉から取り出した。修復された七宝焼成物から七宝胎を取外し、希硝酸液に浸漬して銀箔を溶解除去すると完全に修復されたリキュールグラス用省胎七宝が得られた。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば金属胎のような膨張・収縮のない安定した胎を得ることができ、その表面に銀箔を形成させて得られる七宝素地の上に七宝加工を施すことにより、釉薬に割れやひび割れの発生しない省胎七宝を得ることができる。 【0032】また金属胎では、瓢箪、球体等の形状を有するいわゆる閉塞胎を成形することができないが、本発明によれば閉塞胎を成形することができるので、かかる形状の省胎七宝を製造することができる。 【0033】また、金属胎では胎を溶解してしまうため、1個の胎で1個の省胎七宝しか製造できないのに比べて、本発明によれば1個の胎で3〜5個の省胎七宝を製造することができる。 【0034】また、金属胎は、胎を溶解除去するために強酸を用いるため、有毒な酸性ガスを発生するが、本発明によればそのような危険はない。さらに本発明によれば割れやひび割れが発生した省胎七宝の欠陥品を補修することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501030418 【氏名又は名称】ワールドアクセス有限会社 【識別番号】501030119 【氏名又は名称】浅井 道夫
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| 【出願日】 |
平成13年1月24日(2001.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081536 【弁理士】 【氏名又は名称】田村 巌
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| 【公開番号】 |
特開2002−211194(P2002−211194A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−15295(P2001−15295) |
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