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【発明の名称】 ノック式筆記具
【発明者】 【氏名】青木 康雄

【要約】 【課題】ノック式筆記具において、部品点数を少なくし、経済的に得られるようにする。

【解決手段】クリップ(14)の取付部(15)の内面にカム部(18)を形成する。軸筒(1)の後部にノック部材(5)を回り止めして挿入する。このノック部材(5)には、ア−ム(12)が揺動可能に形成され、このア−ム(12)の先端には上記カム部(18)に係合する突起(13)が形成されている。上記ノック部材(5)は、上記取付部(15)の前端に当接する係止縁(10)により抜け止めされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸筒内にリフィ−ルを収納し該リフィ−ルを後方に付勢し軸筒の後部に設けたノック部材をノックして上記リフィ−ルを前進しその先端を軸筒から突出させるようにしたノック式筆記具において、上記ノック部材は上記軸筒に回り止めされて軸方向に移動可能に挿入され係止縁と軸方向に延びるア−ムと該ア−ムの先端に形成した突起を有し、一方上記軸筒内に突出する取付部を有するクリップを形成し、該取付部の内面にノック部材の上記突起に係合するカム部を設け、該カム部は上記ノック部材をノックした際上記ア−ムを周方向にたわませて上記突起を周方向に変位させる周方向傾斜面と上記リフィ−ルの先端が軸筒から突出したとき上記突起の後退を案内する係合案内面と該ノック部材の後退を阻止するよう上記突起に係合するストップ面と上記ノック部材をノックして該ストップ面により前方に上記突起を前進させた際上記ア−ムを軸筒の内方にたわませて上記ストップ面を越えて上記突起が後退できるようにした後退案内面を具備し、上記ノック部材が後退する際クリップの上記取付部の前端にノック部材の上記係止縁が当接するよう上記クリップを上記軸筒に取り付けたことを特徴とするノック式筆記具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノック部材をノック操作することによりボ−ルペン等のリフィ−ルを軸筒から繰り出すようにしたノック式筆記具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボ−ルペン等のリフィ−ルをノック操作で繰り出す機構として、例えば軸筒内に回転カム機構を設けたり、軸筒に窓孔を開口しこの窓孔を通る突起をクリップ爪若しくはノック部材に形成しノック部材若しくはクリップ爪に該突起と係合するカム部を形成した機構が知られている。上記クリップとノック部材を利用する構成は、構成が複雑であり、その上軸筒に窓孔を設けて突起を挿通させているので、ポケット等にクリップで挟み込む場合に、支障があり、また軸筒の強度も弱くなるおそれもあった。
【0003】特公平4−26319号公報には、軸筒に突起を挿通させるための窓孔を形成せずにクリップの基端部の懐部の裏面側にノックガイド手段を形成し、このノックガイド手段に係合するノックガイド用の突子を芯パイプに固定したダブルノック式の筆記具が記載されている。この筆記具は、軸筒に窓孔を形成しないので、上述したごとき問題を生じないが、芯パイプに直接突子を取り付けなければならないので、ボ−ルペンのリフィ−ルのようにリフィ−ル交換式の筆記具には使用することができない。また、上記突子はドライブリングに形成され、このドライブリングを芯タンクに遊嵌するため芯パイプに2つの圧入リングを圧入してドライブリングの軸方向の移動を規制しなければならないので、構成が複雑で部品点数も多く、経済的に得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、回転カム機構を用いないノック式筆記具において、軸筒に係合用の突起を挿通させるための窓孔を形成せずに、少ない部品点数で、かつ構成が簡単なノック式筆記具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、軸筒内にリフィ−ルを収納し該リフィ−ルを後方に付勢し軸筒の後部に設けたノック部材をノックして上記リフィ−ルを前進しその先端を軸筒から突出させるようにしたノック式筆記具において、上記ノック部材は上記軸筒に回り止めされて軸方向に移動可能に挿入され係止縁と軸方向に延びるア−ムと該ア−ムの先端に形成した突起を有し、一方上記軸筒内に突出する取付部を有するクリップを形成し、該取付部の内面にノック部材の上記突起に係合するカム部を設け、該カム部は上記ノック部材をノックした際上記ア−ムを周方向にたわませて上記突起を周方向に変位させる周方向傾斜面と上記リフィ−ルの先端が軸筒から突出したとき上記突起の後退を案内する係合案内面と該ノック部材の後退を阻止するよう上記突起に係合するストップ面と上記ノック部材をノックして該ストップ面により前方に上記突起を前進させた際上記ア−ムを軸筒の内方にたわませて上記ストップ面を越えて上記突起が後退できるようにした後退案内面を具備し、上記ノック部材が後退する際クリップの上記取付部の前端にノック部材の上記係止縁が当接するよう上記クリップを上記軸筒に取り付けたことを特徴とするノック式筆記具が提供され、上記課題が解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1等は本発明の一実施例を示し、口金(2)を先端に有する軸筒(1)内には、ボ−ルペン、水性ボ−ルペン等のリフィ−ル(3)が収納され、ばね(4)で該リフィ−ル(3)は後方に付勢されており、後記するように軸筒(1)の後部に挿入したノック部材(5)をノックして上記リフィ−ルを前進しその先端を軸筒(1)から突出させて筆記する。
【0007】上記ノック部材(5)は、図1,図6に示すようにリブ(6)を有し、該リブ(6)を軸筒(1)に形成した案内溝(7)に係合させることにより軸方向に移動可能に回り止めされているが、該ノック部材の外形及び軸筒の内形を異形状に形成することにより軸方向に移動可能に回り止めすることもできる。
【0008】また、該ノック部材(5)は、軸筒から突出するノック部(8)を後端に有し、前端には上記リフィ−ル(3)の後端を挿入保持する保持部(9)を有している。該保持部(9)の後方には抜け止めのための係止縁(10)が形成され、該係止縁(10)と上記ノック部(8)の間には凹部(11)が設けられている。上記保持部(9)からノック部(8)に向かって上記凹部(11)内で軸方向に延びるようア−ム(12)を形成し、該ア−ム(12)の先端には突起(13)を形成してある。上記ノック部材はプラスチック材料で一体成形されているので、該ア−ム(12)は軸筒の周方向及び内外方向にたわんで揺動し、軸方向位置に復帰することができる。
【0009】上記軸筒(1)にはクリップ(14)が取り付けられている。該クリップ(14)は、公知のように取付部(15)を軸筒(1)の取付孔(16)に挿入して固着され、該取付部(15)の内面は上記軸筒(1)内に突出している。該取付部(15)の取付構造は種々に構成することができるが、図1においては、実公平4−13200号公報等に記載されているように上記取付孔(16)を角孔に形成し、該角孔に内接するように取付部(15)の外形を形成し、該取付部(15)の前端に形成した係止爪(17)を軸筒(1)の内側に挿入して取付孔の縁に係合し、該取付部(15)の後端を取付孔(16)内に押し込んで軸筒に取り付けてある。
【0010】上記クリップ(14)の取付部(15)の内面には、上記ノック部材(5)の突起(13)に係合するカム部(18)が一体的に形成されている。該カム部(18)は、図7,図8に示すように上記ノック部材(5)をノックした際上記突起(13)を周方向に変位させる周方向傾斜面(19)と、上記リフィ−ル(3)の先端が軸筒(1)から突出したとき上記周方向傾斜面(19)を越えてきた突起(13)の後退を阻止するよう該突起(13)に係合するストップ面(20)と、上記ストップ面へ向う突起(13)の後退を案内する係合案内面(21)と、該ストップ面(20)より前方に上記突起(13)が前進したとき上記ストップ面(20)を越えて上記突起(13)が後退できるよう斜面(22)を介して該突起(13)を内方へ移動させる上記ストップ面と同じ高さの後退案内面(23)を具備し、上記係合案内面(21)は、後退案内面(23)の側面に形成されている。上記周方向傾斜面(19)、ストップ面(20)、係合案内面(21)、斜面(22)を有する後退案内面(23)等は、図8においては取付部(15)の一側に沿って設けてあるが、適宜の位置に分散して設けたり、その他の適宜のガイド面等を設けたりしてもよい。
【0011】上記カム部(18)により上記突起(13)が周方向や内方に移動する際、該突起(13)は揺動可能な上記ア−ム(12)の先端に設けられているので、該ア−ム(12)が周方向や内方にたわむことにより上記カム部に追従することができる。
【0012】上記ノック部材(5)とクリップ(14)を軸筒(1)に組み込むには、先ずノック部材(5)を上記リブ(6)が案内溝(7)に一致するように軸筒(1)の後端から軸筒内に挿入し、その後上記取付部(15)の前端の係止爪(17)にノック部材(5)の上記係止縁(10)が当接するように上記クリップ(14)を軸筒(1)に取り付ければよい。
【0013】而して、図1(A),(B)に示すように、リフィ−ル(3)が軸筒(1)内に没入している状態では、上記ばね(4)の作用により上記ノック部材(5)は、係止縁(10)が取付部(15)の前端に当接して抜け止めされており、上記ア−ム(12)に設けた突起(13)はカム部(18)から外れている。
【0014】そして、ノック部材(5)をノックすると、図2(A),(B)に示すように、上記突起(13)は上記カム部の周方向傾斜面(19)に案内されて周方向に変化する。このとき、上記ア−ム(12)は、該ノック部材(5)が回り止めされているから、図2(B)のように周方向にたわむ。
【0015】上記周方向傾斜面(19)の先端を越えると、図3(A),(B)に示すように上記ア−ム(12)は復元力により少し周方向に戻り、上記突起は後退案内面(23)の側面に形成した係合案内面(21)に当り、リフィ−ル(3)の先端は軸筒の先端から突出する。
【0016】その後、ノック部材(5)のノックを止めると、上記ばね(4)の作用で上記リフィ−ル(3)及びノック部材(5)は少し後退し、上記突起(13)はストップ面(20)に係合し、上記ノック部材(5)の後退は阻止される(図4(A),(B))。この状態でリフィ−ルは軸筒から突出しているので、筆記することができる。
【0017】さらに、図5(A),(B)に示すように上記ノック部材(5)をノックすると、上記突起(13)は上記斜面(22)を介して後退案内面(23)により前進しながら内方に変位し、このときア−ム(12)は内方にたわむ。この状態でノックを止めると、上記突起(13)は上記ストップ面(20)を越えて後退し、該カム部を越えたとき上記ア−ム(12)はもとの状態に復帰し、図1に示す状態に戻る。
【0018】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているので、従来のようにカム部と係合する突起を挿通させるための窓孔を軸筒に設ける必要がなく、クリップを用いてポケットに支持する際に何ら支障ないようにでき、軸筒も丈夫であり、またクリップの取付部とノック部材でカム機構を構成したから、リフィ−ルには特別の部材を設けなくてもよく、通常のボ−ルペン、水性ボ−ルペン等のリフィ−ルを使用することができ、部品点数も少なく、経済的に得ることができる。
【出願人】 【識別番号】392005126
【氏名又は名称】ミクロ株式会社
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】 【識別番号】100081547
【弁理士】
【氏名又は名称】亀川 義示
【公開番号】 特開2002−211189(P2002−211189A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−10637(P2001−10637)