| 【発明の名称】 |
感熱孔版原紙用薄葉紙およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】白石 智樹
【氏名】市川 真樹
【氏名】重冨 正栄
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| 【要約】 |
【課題】熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工時や製版、印刷時の寸法安定性、搬送性に優れ、且つ白抜けや裏写りなどの欠点がなく画像鮮明性が高い良好な画像を提供可能な感熱孔版原紙用薄葉紙を提供する。
【解決手段】単糸繊度0.56〜2.2デシテックスのポリエステル系芯鞘複合繊維30〜60重量%と、単糸繊度0.05〜0.56デシテックス極細合成繊維10〜30重量%、および天然繊維10〜60重量%からなり、坪量5〜15g/m2、密度0.18〜0.35g/cm3であり、且つタテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満であることを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙および製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】単糸繊度0.56〜2.2デシテックスのポリエステル系芯鞘複合繊維30〜60重量%と、単糸繊度0.05〜0.56のデシテックス極細合成繊維10〜30重量%、および天然繊維10〜60重量%からなり、坪量5〜15g/m2、密度0.18〜0.35g/cm3であり、且つタテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満であることを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙。 【請求項2】前記ポリエステル系芯鞘複合繊維が、異なった融点を持つ2種類のポリエステル系樹脂の同心円構造からなり、芯部の融点が230℃以上、鞘部の融点が90〜140℃であることを特徴とする請求項1に記載の感熱孔版原紙用薄葉紙。 【請求項3】前記極細合成繊維がポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の感熱孔版原紙用薄葉紙。 【請求項4】前記天然繊維が平均繊維幅24μm以下であり、且つアスペクト比が150〜240の天然非木材繊維であることを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の感熱孔版原紙用薄葉紙。 【請求項5】単糸繊度0.56〜2.2デシテックスのポリエステル系芯鞘複合繊維30〜60重量%と、単糸繊度単糸繊度0.05〜0.56デシテックスの極細合成繊維10〜30重量%、および天然繊維10〜60重量%を混合した原料を湿式抄紙し、前記ポリエステル系芯鞘複合繊維の鞘部融点から鞘部融点+30℃の温度範囲で乾燥させてなることを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版原紙用薄葉紙に関するものであり、特に、熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工時や製版、印刷時の寸法安定性、搬送性に優れ、且つ良好な画像を提供可能な感熱孔版原紙用薄葉紙に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、感熱孔版原紙に使用する感熱孔版原紙用薄葉紙としては、種々の提案がなされており、こうぞ、みつまた、マニラ麻等の天然非木材繊維単独の組成からなる感熱孔版原紙用薄葉紙(例えば特公昭41−7623号公報)、天然繊維に合成繊維または再生繊維を混抄した感熱孔版原紙用薄葉紙(例えば特公昭49−18728号公報、特公昭55−47997号公報)、合成繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙や不織布(例えば特許登録第2726105号公報、特開平4−235094号公報、特開2000−118163号公報)などが知られている。 【0003】天然非木材繊維のみからなる感熱孔版原紙用薄葉紙は、抄造の際に繊維の不均一分散に起因する繊維結束が発生しやすく、この結束の存在によりインキの通過性を阻害する部分ではベタ印刷で白抜けが発生する欠点があり、同時に、開孔面積が大きい部分ではインキが出過ぎるため重ねられた印刷物の裏にインキがつく、いわゆる裏写りという欠点となる。 【0004】また、天然非木材繊維のみからなる感熱孔版原紙用薄葉紙は湿潤寸法安定性に欠けるため、熱可塑性樹脂フィルムとラミネートして得られる感熱孔版原紙を用いて印刷をする場合、水を含有するインキを用いると、インキに含まれる水分により寸法に変化が生じ、印刷される文字等の画像に歪みを生じることがあった。 【0005】これらの欠点を解消するために、天然繊維に合成繊維または再生繊維を混抄した感熱孔版原紙用薄葉紙が提案されている。合成繊維または再生繊維の配合により結束繊維による白抜け、開孔面積の大きな部分における裏写りや湿潤寸法安定性は改善されるが、合成繊維または再生繊維の配合量が多くなると感熱孔版原紙用薄葉紙の剛度や強度が低下して、1000枚以上の大量枚数を印刷する場合、印刷途中で印刷画像に歪みが生じたり、原紙が破れたりするなど耐刷性が十分ではない。 【0006】このため、特開昭61−254396号公報や特開平1−271293号公報では、天然繊維に合成繊維または再生繊維を混抄した感熱孔版原紙用薄葉紙に樹脂を含浸する提案がなされているが、含浸される樹脂によっては、繊維交絡点の接着が十分でなかったり、被膜を形成することによりインキの通過性を阻害するなどの欠点がある。 【0007】さらに、近年、市場ニーズがより高度化し、より鮮明な印刷性を要求されるようになってきている。このため、感熱孔版印刷機は高解像度化を図るため、サーマルヘッドの熱素子密度が従来の400dpiから600dpiへと高度化することが望まれている。熱素子密度が400dpiから600dpiに変わることにより、穿孔径が約45μmから約25μmとなるため、天然繊維、特に木材パルプを配合した感熱孔版原紙用薄葉紙では穿孔を塞ぐ可能性が高いため合成繊維100%よりなる感熱孔版原紙用薄葉紙や不織布が提案されている。 【0008】しかし、合成繊維100%からなる感熱孔版原紙用薄葉紙や不織布は、画像再現性に優れるものの、シートの剛度が小さくなるため、孔版原紙としての腰が弱く、また、静電気を帯びやすいため搬送不良や発熱素子を破壊する恐れがある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を解決し、熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工時や製版、印刷時の寸法安定性、搬送性に優れ、且つ白抜けや裏写りなどの欠点がなく画像鮮明性が高い良好な画像を提供可能な感熱孔版原紙用薄葉紙、及びその製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明者らは、感熱孔版原紙用薄葉紙を構成する繊維素材の形状、特性および混合率について鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル系芯鞘複合繊維、極細合成繊維および天然繊維を特定の配合率で混合し、坪量5〜15g/m2、密度0.18〜0.35g/cm3、タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満で抄造することによって従来の感熱孔版原紙用薄葉紙の欠点を改良できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。 【0011】すなわち、本発明によれば、第一に、単糸繊度0.56〜2.2デシテックスのポリエステル系芯鞘複合繊維30〜60重量%と、単糸繊度0.05〜0.56デシテックスの極細合成繊維10〜30重量%、および天然繊維10〜60重量%からなり、坪量5〜15g/m2、密度0.18〜0.35g/cm3であり、且つタテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満であることを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙が提供される。 【0012】第二に、前記ポリエステル系芯鞘複合繊維が、異なった融点を持つ2種類のポリエステル系樹脂の同心円構造からなり、芯部の融点が230℃以上、鞘部の融点が90〜140℃であることを特徴とする上記第一の感熱孔版原紙用薄葉紙が提供される。 【0013】第三に、前記極細合成繊維がポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂からなることを特徴とする上記第一または第二の感熱孔版原紙用薄葉紙が提供される。 【0014】第四に、前記天然繊維が平均繊維幅24μm以下であり、且つアスペクト比が150〜240の精選された天然非木材繊維であることを特徴とする上記第一、第二または第三の感熱孔版原紙用薄葉紙が提供される。 【0015】第五に、単糸繊度0.56〜2.2デシテックス、繊維長2〜8mmのポリエステル系芯鞘複合繊維30〜60重量%と、単糸繊度0.05〜0.56デシテックス、繊維長2〜8mmの極細合成繊維10〜30重量%、および天然繊維10〜60重量%を混合した原料を湿式抄紙し、前記ポリエステル系芯鞘複合繊維の鞘部融点から鞘部融点+30℃の温度範囲で乾燥させることを特徴とする感熱孔版原紙用薄葉紙の製造方法が提供される。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明について説明する。 【0017】まず、本発明の感熱孔版原紙用薄葉紙は、単糸繊度0.56〜2.2デシテックスのポリエステル系芯鞘複合繊維30〜60重量%と、単糸繊度0.05〜0.56デシテックスの極細合成繊維10〜30重量%、および天然繊維10〜60重量%を配合したものを通常の湿式抄紙法、すなわち円網式、長網式、短網式抄紙機等を用いて湿ウェブを形成し、前記ポリエステル系芯鞘複合繊維の鞘部融点から鞘部融点+30℃の温度範囲で乾燥させることによって得られる。 【0018】湿式抄紙に際しては通常使用されている分散剤と粘剤(好ましくはポリエチレンオキサイドまたはポリアクリルアミド)、消泡剤、離型剤、さらに要求品質に応じて帯電防止剤、紙力増強剤、サイズ剤等を配合してもよい。 【0019】湿式抄紙された湿ウェブの乾燥は、ポリエステル系芯鞘複合繊維の鞘部融点から鞘部融点+30℃の温度範囲で乾燥させるのが好適である。ポリエステル系芯鞘複合繊維の鞘部融点より低い温度で乾燥させると繊維交絡点での接着が十分ではなく、実用上問題となる。逆にポリエステル系芯鞘複合繊維の鞘部融点+30℃より高い温度で乾燥させると鞘部を構成する樹脂の流動性が高くなり、繊維交絡点を中心に開孔部まで樹脂が広がり、冷却固化した鞘部樹脂が開孔を塞ぎインキの通過性を阻害するため好ましくない。 【0020】本発明に係る感熱孔版原紙用薄葉紙の坪量は、5〜15g/m2、密度は0.18〜0.35g/cm3であることが好ましい。更に好ましくは坪量8〜12g/m2、密度0.20〜0.32g/cm3である。坪量15g/m2、密度0.35g/cm3を超えるとインキの透過性が低下して画像濃度、鮮明度が低下する。一方、坪量5g/m2、密度0.18g/cm3未満だと熱可塑性樹脂フィルムとラミネート加工する際に十分な強度が得られない。 【0021】また、タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満であることが好ましい。タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%以上だと接着剤を使用する熱可塑性フィルムとのラミネート加工時にシワや収縮が発生し、更に感熱孔版原紙として水性インキで繰り返し印刷を行なった場合、感熱孔版原紙用薄葉紙の寸法変化により耐刷性が劣るものとなる。本発明で特定した繊維配合率で抄造すれば、タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満の感熱孔版原紙用薄葉紙を得ることができる。 【0022】ポリエステル系芯鞘複合繊維は単糸繊度0.56〜2.2デシテックスであることが好ましい。更に好ましくは単糸繊度0.77〜1.67デシテックスである。単糸繊度が0.56デシテックス未満だと感熱孔版原紙用薄葉紙単位面積当りの繊維交絡点が増え、シート強度と寸法安定性は高くなるが、溶融した鞘部分の樹脂が狭くなった開孔部を塞ぐ可能性があり、逆に単糸繊度が2.2デシテックスを超えると感熱孔版原紙用薄葉紙単位面積当りの繊維交絡点が減り、シート強度と寸法安定性が維持できなくなる。 【0023】ポリエステル系芯鞘複合繊維の繊維長は2〜8mmの範囲であることが好ましい。更に好ましくは3〜6mmである。ポリエステル系芯鞘複合繊維の繊維長が2mm未満だと繊維の分散性は良くなるが、シート強度が極端に低下し、逆に繊維長が8mmを超えると、シート強度は高くなるが繊維の分散が不均一になるため、感熱孔版原紙として使用した場合、良好な画像を得ることができない。 【0024】ポリエステル系芯鞘複合繊維の配合率は30〜60重量%の範囲であることが必要である。配合率が30重量%未満だとシート強度ならびに剛度が弱く、また、タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満のシートが得られなくなる。逆に配合率が60%を超えると疎水性のポリエステル系芯鞘複合繊維同士が凝集しやすく、均一に分散できなくなる。 【0025】本発明に使用するポリエステル系芯鞘複合繊維は、異なった融点を持つ2種類のポリエステル系樹脂が同心円構造を持ち、芯部の融点が230℃以上、鞘部の融点が90〜140℃の繊維である。 【0026】ポリエステル系芯鞘複合繊維が同心円構造である理由は次の通りである。熱可塑性樹脂フィルムをラミネートして感熱孔版原紙として使用する際、製版時に発熱体から熱可塑性樹脂フィルムのみならず感熱孔版原紙用薄葉紙を構成するポリエステル系芯鞘複合繊維にも熱が加わる。この時、該繊維の鞘部が溶融した場合、同心円構造であれば繊維の寸法や形状の変化は少ない。しかし、偏芯構造などであった場合、鞘部の溶融に伴ない繊維全体が捲縮し、感熱孔版原紙にシワや収縮が発現して実用上問題となる。 【0027】該繊維の芯部を構成するポリエステル系樹脂の融点が230℃以上であれば熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工時や製版時に発熱体から受ける熱でも寸法安定性を維持することができる。また、該繊維鞘部の融点は90〜140℃であることが好ましい。更に好ましくは100〜130℃である。該繊維鞘部の融点が90℃未満だと熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工時や製版時に発熱体から受ける熱により樹脂が溶融し、繊維交絡部を接着していた樹脂が移動するため感熱孔版原紙用薄葉紙の強度や剛度が低下し、耐刷性が維持できなくなる。逆に該繊維鞘部の融点が140℃を超えると感熱孔版原紙用薄葉紙の強度や剛度を出すために高い温度で加工しなければならず経済的にコストアップの要因となる。 【0028】また、ポリエステル系芯鞘複合繊維の芯部と鞘部を構成する樹脂の重量比率が芯部重量:鞘部重量=50%:50%〜90%:10%であることが好ましい。芯部重量比率が50%未満、且つ鞘部重量比率が50%を超えると感熱孔版原紙用薄葉紙の強度や剛度は高いが耐熱寸法安定性が低下し、また、芯部重量比率が90%を超え、且つ鞘部重量比率が10%未満になると耐熱寸法安定性は良いが感熱孔版原紙用薄葉紙の強度や剛度が低下するため、共に感熱孔版原紙として使用した場合、良好な画像を得ることができない。 【0029】次に極細合成繊維について説明する。極細合成繊維は単糸繊度0.05〜0.56デシテックスであることが好ましい。更に好ましくは単糸繊度0.08〜0.44デシテックスである。単糸繊度が0.05デシテックス未満だと感熱孔版原紙用薄葉紙単位面積当りの繊維本数が多すぎて、シート密度を上げインキの通過性を阻害する。逆に単糸繊度が0.56デシテックスを超えると開孔面積の調整ができずインキの通過性を均一にすることが困難なため感熱孔版原紙として使用した場合、良好な画像を得ることができない。 【0030】極細合成繊維の繊維長は2〜8mmの範囲であることが好ましい。更に好ましくは3〜6mmである。極細合成繊維の繊維長が2mm未満だと繊維の分散性は良くなるが、シート強度が極端に低下し、逆に繊維長が8mmを超えると、シート強度は高くなるが繊維の分散が不均一になるため、感熱孔版原紙として使用した場合、共に良好な画像を得ることができない。 【0031】極細合成繊維の配合率は10〜30重量%の範囲であることが必要である。配合率が10重量%未満だと開孔面積の調整ができず、インキの通過性を均一にすることが困難である。逆に配合率が30%を超えると極細合成繊維同士が凝集しやすく、均一に分散できなくなり、また、シートの剛度も弱くなるという問題が生じる。 【0032】本発明で使用する極細合成繊維は、ポリエステル系芯鞘複合繊維との接着性が良く、更に被穿孔膜となる熱可塑性樹脂フィルムの融点よりも高い融点を持ったポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂である。 【0033】次に天然繊維について説明する。天然繊維は平均繊維幅24μm以下であり、且つアスペクト比が150〜240の精選された天然非木材繊維である。熱素子密度600dpiの印刷機では穿孔径が約25μmとなるため、天然繊維の平均繊維幅が24μmを超えると600dpi機を用いた場合、穿孔を塞ぎこの部分が白抜けとなる。 【0034】またアスペクト比が150未満では天然繊維の分散性は良いが、感熱孔版原紙用薄葉紙の強度や剛度が弱くなり、逆にアスペクト比が240を超えると感熱孔版原紙用薄葉紙の強度や剛度は高くなるが、繊維の分散が困難となり繊維結束が生じるという欠点がある。平均繊維幅24μm以下、且つアスペクト比が150〜240である天然非木材繊維としては、ミツマタ、ガンピ、ジュート、ケナフ、ニュージーランド麻などがあげられるが、価格や安定して入手できる点でケナフが最も好適である。また、平均繊維幅24μm以下、且つアスペクト比が240を超える天然非木材繊維(例えばコウゾやマニラ麻、)であっても、叩解などの適切な処理を行ない繊維長を短くすることで本発明の天然繊維として使用することができる。 【0035】天然繊維の配合率は10〜60重量%の範囲であることが必要である。天然繊維の配合率が10重量%未満だと均一な繊維の分散が得られず、シートの剛度、インキの保持性が低くなり、また、天然繊維の配合率が60重量%を超えると均一な繊維の分散が得られ、シートの剛度、インキの保持性も高くなるが、湿潤時の寸法安定性が低下し、タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満のシートが得られなくなるため好ましくない。 【0036】 【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。 【0037】《実施例1〜9》単糸繊度1.2デシテックス、繊維長3mm、芯部融点260℃且つ鞘部融点110℃のポリエステル系芯鞘複合繊維と、単糸繊度0.11デシテックス、繊維長3mmのアクリル系極細繊維及び/または、0.33デシテックス、繊維長5mmのポリエステル系極細繊維と、ケナフ靭皮繊維を表1の割合で混合し、傾斜短網式抄紙機で抄紙し、表面温度130℃のヤンキードライヤーで加熱乾燥し、感熱孔版原紙用薄葉紙を得た。 【0038】得られた感熱孔版原紙用薄葉紙について、坪量はJIS P−8124、密度はJIS P−8118、搬送性の指標として、タテ方向の引張強度をJISP−8113の規定に準じて測定した。また、湿潤寸法安定性の指標として、水中伸度を、15mm巾に調整した感熱孔版原紙用薄葉紙サンプルに5グラムの荷重を加え、水に浸した後5分後の伸びを差動トランスで検知して測定した。 【0039】次に、坪量2.5g/m2の二軸延伸ポリエステルフィルムを溶剤可溶共重合ポリエステル系接着剤1.0g(dry)/m2を用いて貼り合わせ、さらにフィルム面にシリコンオイル0.02g/m2塗布して感熱孔版原紙とした。 【0040】得られた感熱孔版原紙は、サーマルヘッドで10ポイントの文字とベタ部の書き込み印刷を行ない印刷開始後10枚目のサンプルについて目視により印刷性を判定した。印刷性の評価として、文字が鮮明でベタ部の白抜けがないものを○、文字が不鮮明でベタ部で白抜けが目立つものを×、○と×の中間程度で、実用上使用できるレベルのものを△とした。更に、耐刷性の評価として1000枚印刷した時点での印刷サンプルを印刷開始後10枚目のサンプルと比較して評価を行なった。印刷のインキ濃度が変らず文字に歪みがないものを○、印刷のインキ濃度が薄くなり文字に歪みがあるものを×、○と×の中間程度で、実用上使用できるレベルのものを△とした。結果を表1に示す。 【0041】 【表1】
【0042】《比較例1〜6》本発明の必要条件となる原料配合から外れた割合で繊維を配合した以外は実施例1〜9と同様にして感熱孔版原紙用薄葉紙および感熱孔版原紙を作製して各物性を評価した。結果を表2に示す。 【0043】 【表2】
【0044】《実施例10、比較例7〜8》ポリエステル系芯鞘複合繊維の繊度を1.7デシテックス(実施例10)、および3.3デシテックス(比較例7)に、また1.7デシテックスの偏芯構造繊維(比較例8)へ変更した以外は、実施例4と同様にして感熱孔版原紙用薄葉紙および感熱孔版原紙を作製して各物性を評価した。結果を表3に示す。 【0045】《実施例11、比較例9》極細合成繊維の繊度を0.55デシテックス(実施例11)、および1.1デシテックス(比較例8)に変更した以外は、実施例2と同様にして感熱孔版原紙用薄葉紙および感熱孔版原紙を作製して各物性を評価した。結果は表3に示した。 【0046】《実施例12、比較例10》天然繊維を平均繊維幅19μm、アスペクト比166のガンピ繊維(実施例12)、および平均繊維幅30μmアスペクト比467のヘンプ繊維に変更した以外は、実施例4と同様にして感熱孔版原紙用薄葉紙および感熱孔版原紙を作製して各物性を評価した。結果を表3に示す。 【0047】 【表3】
【0048】本発明の実施例に属する条件で作製した感熱孔版原紙用薄葉紙および感熱孔版原紙に比較して、いずれかの条件が外れている比較例1〜10は、感熱孔版原紙用薄葉紙の物性または印刷適性において評価が劣っている。すなわち、表1および表3の結果から、実施例1〜12の感熱孔版原紙の印刷適性は実用上十分満足できるものであった。一方、比較例1、比較例4、比較例6、比較例7は感熱孔版原紙用薄葉紙の強度も弱く、耐刷性が劣った。比較例2、比較例3、比較例5、比較例9、比較例10は合成繊維もしくは天然繊維の結束が多く、これがベタ部に当ると白抜けとなり、文字部にかかると細線抜けとなり印刷適性を低下させた。比較例8は偏芯構造芯鞘複合繊維が捲縮したことにより感熱孔版原紙の平坦性が著しく劣ったため、印刷適性も全ての項目で劣ったものとなった。 【0049】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ポリエステル系芯鞘複合繊維、極細合成繊維および天然繊維を特定の配合率で混合し、坪量5〜15g/m2、密度0.18〜0.35g/cm3、タテ方向、ヨコ方向の水中伸度が1.0%未満で抄造することによって、熱可塑性樹脂フィルムとのラミネート加工時や製版、印刷時の寸法安定性、搬送性に優れ、且つ白抜けや裏写りなどの欠点がなく画像鮮明性が高い良好な画像を提供可能な感熱孔版原紙用薄葉紙を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390029148 【氏名又は名称】大王製紙株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−293054(P2002−293054A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−104035(P2001−104035) |
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