| 【発明の名称】 |
インクジェット記録方法およびこれを用いた記録物 |
| 【発明者】 |
【氏名】半村 昌弘
【氏名】大西 弘幸
【氏名】林 広子
【氏名】金谷 美春
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| 【要約】 |
【課題】マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ることのできるインクジェット記録方法、並びに、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を提供する。
【解決手段】ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に対して、特定のマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に対して、下記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録するインクジェット記録方法。 【化1】
【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録方法により記録された記録物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記録方法およびこれを用いた記録物に関し、特に、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ることのできるインクジェット記録方法、並びに、これを用いた記録物に関する。 【0002】 【従来の技術】インクジェット記録方法は、周知のごとく、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この印刷方法は、安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷することができ、特に、カラー印刷においては、近年、写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われている。 【0003】インクジェット記録に使用されるインクの着色剤としては、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の高さ、使用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、インクジェットプリンタに搭載される記録ヘッドを目詰まりさせにくいという特性等の点から、水溶性染料が広く使用されている。 【0004】一方、インクジェット記録をするための記録媒体としては、カチオンポリマー等のインク定着剤と、白色顔料粒子等のインク吸収顔料と、バインダーとを有するインク受容層が基材に設けられた構成のインクジェット用記録媒体が知られており、このような記録媒体と前述の水溶性染料とを組み合わせるなどして、画像の高画質化および高耐侯性化が図られている。耐侯性の向上を目的とした技術としては、前記カチオンポリマーとして、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩を使用する技術(特開昭60−49990号公報参照)や、マゼンタ染料として、特定構造を有するアントラピリドン化合物を使用する技術(特開2000−109464号公報参照)などが提案されている。 【0005】しかしながら、シアン染料は耐ガス(特に、O3、NOX、SOX等の酸化性ガス)性が低く、一方、マゼンタ染料は耐ガス性を有するものの、耐光性が低いことから、従来の技術によっても、前述した染料としての利点を有するマゼンタ染料およびシアン染料を使用して得られた記録物であって、かつマゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物が得られていないのが実状である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ることのできるインクジェット記録方法、並びに、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の結果、インクジェット用記録媒体のインク受容層の構成成分であるインク定着剤を特定の化合物とし、かつマゼンタ染料およびシアン染料を特定の染料とすることによって、驚くべきことに、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物が得られることを見出し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明は以下の通りである。 【0008】請求項1に係るインクジェット記録方法は、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に対して、下記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録することを特徴としている。 【0009】 【化2】
【0010】前記構成のインクジェット用記録媒体を使用して得られた記録物は、インク受容層中にジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が含有されているので、その機構は定かではないが、シアン画像を形成する銅フタロシアニン染料がガス(特に、酸化性ガス)により劣化するのを防止できるとともに、マゼンタ画像を形成するマゼンタ染料が前記一般式(1)で示される場合、マゼンタ画像の耐光性は良好なものとなる。よって、前記構成の記録媒体とマゼンタインクとシアンインクとを併用することより、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ることができる。 【0011】また、請求項2に係る記録物は、前記インクジェット記録方法により記録されるので、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物とすることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明に係るインクジェット記録方法は、インク定着剤としてジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に対して、前記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録する方法である。すなわち、本発明に係るインクジェット記録方法に使用されるインクジェット用記録媒体は、インク受容層を有し、インク受容層の少なくとも表面には、インク定着剤としてジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が含有された構成となっている。 【0013】ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物としては、公知のものをいずれも使用できるが、下記式(P−1)で表される化合物を好適に例示できる。 【0014】 【化3】
【0015】このようなジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物の含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して2重量%〜10重量%が好ましく、より好ましくは3重量%〜8重量%の範囲である。 【0016】インク受容層を構成する他の成分としては、インク吸収顔料およびバインダーが挙げられる。インク吸収顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができ、合成非晶質シリカ,コロイダルシリカ等のシリカ、コロイダルアルミナ等のアルミナを例示できる。また、白色顔料としては、シリカ、アルミナの他にも、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、チタンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、メラミン樹脂、尿素樹脂等の有機顔料などが挙げられる。これらのインク吸収顔料の含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して30重量%〜90重量%が好ましく、より好ましくは40重量%〜80重量%の範囲である。 【0017】バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;あるいはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸エステルの重合体又は共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。これらのバインダーの含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して10重量%〜60重量%が好ましく、より好ましくは30重量%〜50重量%の範囲である。 【0018】また、インク受容層には、必要に応じて、前述のジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物以外のインク定着剤が含有されてもよく、1級〜3級アミンあるいは4級アンモニウム塩基を有する低分子化合物、それらの基を有するオリゴマー、またはそれらの基を有するポリマーが挙げられる。具体的には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウコポリマー,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマーなどのジアリルメチルアンモニウム塩ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化イオウコポリマー、ジアリルメチルアミン塩酸塩コポリマー、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩化合物、(メタ)アクリル酸アルキルアンモニウム塩ポリマー、(メタ)アクリルアミドアルキルアンモニウム塩ポリマー、4級アンモニウム塩を含むアイオネン等を挙げることができる。 【0019】さらに、インク受容層には、必要に応じて、公知の染料固着剤(耐水化剤)、蛍光増白剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防黴剤、紫外線吸収剤および酸化防止剤等の各種添加剤が含有されてもよい。 【0020】以上の成分から構成されるインク受容層は、基材に設けられるのが好ましく、基材は、紙又はプラスチック製のシート状のもの、光透過性のもの、あるいは光不透過性のものをいずれも使用できる。このような基材としては、公知の基材はいずれも使用でき、例えば、紙としては、天然セルロース繊維を主体とした木材パルプもしくは非木材パルプのパルプ原料から成るものが挙げられ、プラスチック材料としては、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等が挙げられる。 【0021】インクジェット用記録媒体は、前記各構成成分が水等の適当な溶媒に溶解または分散された塗工液を、ロールコーティング法,スプレーコーティング法,ロッドバーコーティング法,エアナイフコーティング法等の公知のコーティング方法により、上述した基材に塗工し、引き続き、乾燥させることによって好適に得られる。塗工後の乾燥は、一般的な乾燥機を用いて行なうことができ、一般的には100〜150℃の範囲で行なわれる。 【0022】次に、本発明に係るインクジェット記録方法に使用されるマゼンタインクおよびシアンインクについて詳述する。本発明に係るインクジェット記録方法に使用されるマゼンタインクおよびシアンインクは、着色剤、水および各種添加剤から好ましく構成される。マゼンタインクは、着色剤として、少なくとも前記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有しており、具体的には、C.I.アシッドレッド(Acid Red)80,82,83および以下の(M−1)〜(M−12)で示されるマゼンタ染料を例示できる。 【0023】 【化4】
【0024】 【化5】
【0025】 【化6】
【0026】 【化7】
【0027】シアンインクは、着色剤として、少なくとも銅フタロシアニン染料を含有しており、このような銅フタロシアニン染料としては、C.I. Direct Blue 9、86、87、199等を挙げることができる。 【0028】マゼンタインクおよびシアンインクに添加できる添加剤としては、水溶性有機溶媒および界面活性剤等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、その役割から、記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止する湿潤剤と、インクジェット用記録媒体へのインクの浸透を助ける浸透剤とに大別される。湿潤剤の好ましい例としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、尿素、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、イミダゾール、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、さらに、糖類を含むこともでき、糖類の例としては、単糖類、二糖類オリゴ糖類(三糖類、および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。特に好ましいのは、記録ヘッドの目詰まりを確実に防止できることから、ジエチレングリコールおよびグリセリン等の高沸点低揮発性有機溶媒である。ここで、高沸点低揮発性有機溶媒とは、沸点が150℃〜300℃の範囲にある低蒸気圧(0.01mmHg以下)の有機溶媒をいい、以下も同様とする。マゼンタインク全重量およびシアンインク全重量に対する、これらの湿潤剤の含有率は、長時間、画像の色相バランスを保てるように、他色インクにおける湿潤剤の含有率を鑑みて、適宜調整されるが、5重量%〜20重量%の範囲が好ましい。 【0029】浸透剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体を好ましく挙げることができる。多価アルコールのアルキルエーテル誘導体の具体例としては、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、およびプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから選ばれた一種または二種以上の混合物を挙げることができる。トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルおよびそれを含む混合物の利用が好ましい。特に好ましいのは、浸透速度が速く、色感のブリードが発生せずに印刷品質が良好であることから、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等の高沸点低揮発性有機溶媒である。これら多価アルコールのアルキルエーテル誘導体の添加量は、製造されるインクジェット用インクに対して0.5〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜15重量%の範囲である。 【0030】さらに、本発明に係るインクジェット用インクは、その他の水溶性有機溶媒として低沸点有機溶媒を含有するのが好ましく、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、ペンタノール等が挙げられる。特に一価のアルコールが好ましい。 【0031】また、界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)が挙げられ、これらは、単独または二種以上を混合して用いられることができる。これらの界面活性剤の添加量は、所望のインク物性に応じて決められるが、染料1に対して0.06から3重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.125から3重量%の範囲である。 【0032】また、本発明に係るインクジェット用インクには、下記の一般式(2)で表されるアセチレングリコールが添加されることも好ましく、インクの表面張力の調節、インクジェット用記録媒体との濡れ性調節およびインクジェット用記録媒体への浸透性付与を確実に行うことができる。 【0033】 【化8】
【0034】前記一般式(2)において、A1、A2、A3およびA4が表す炭素数1〜6のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキルであり、より好ましくはメチル基である。また、nおよびmはそれらの和が0〜30となる整数である。前記一般式(2)で表されるアセチレングリコール化合物の好ましい例としては、2,4,7,9テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、および3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールが挙げられる。また、一般式(2)の化合物として市販品を利用することも可能であり、例えば日信化学株式会社製のサーフィノール104,82,465,485またはTGなどを用いることができる。これらアセレチレングリコール化合物の添加量は、インクの全重量に対して0.01〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。 【0035】また、本発明に係るインクジェット用インクには、pH調整剤を添加することができる。本発明に係るインクジェット用インクのpHを5〜12の範囲に調整するのが好ましく、より好ましくは、6〜10の範囲である。pH調整剤としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸水素カリウムなどのカリウム金属類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、トリエタノールアミン、モルホリン、プロパノールアミンなどのアミン類などが好ましい。 【0036】更に、本発明に係るインクジェット用インクは、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防黴剤等を含むこともできる。 【0037】以上、本発明に係るインクジェット記録方法に使用されるインクジェット用記録媒体、マゼンタインクおよびシアンインクについて詳述したが、本発明に係るインクジェット記録方法は、公知のインクジェットプリンタを使用して、前述のインクジェット用記録媒体に対して前述のマゼンタインクおよびシアンインクをインクジェット記録することによって好適に行うことができ、これにより、記録物のマゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とを優れたものにすることができる。 【0038】 【実施例】以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0039】(インクジェット用記録媒体の作製)基材を秤量100g/m2の上質紙とし、この上質紙に、下記組成の塗工液を15g/m2の塗工量になるように塗工した。塗工後、乾燥機(ダバイエスペック株式会社製、PH−201オーブン)を用いて、130℃、2分間の乾燥を行うことで、実施例1と比較例1〜5に使用するインクジェット用記録媒体を作製した。 【0040】 ・インク定着剤:カチオンポリマー(種類および重量部は表1参照) ・インク吸収顔料:シリカ“ファインシールX37B”(株式会社トクヤマの商品名) 60重量部・バインダー:ポリビニルアルコール“ゴーセナールT−330”(日本合成化学株式会社の商品名) 30重量部・水 500重量部【0041】(マゼンタインク)下記組成を混合することによって、実施例1と比較例1〜5に使用するマゼンタインクを調製した。 マゼンタ染料(種類および重量部は表1参照) 浸透剤:トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 10重量部 湿潤剤:ジエチレングリコール 10重量部 湿潤剤:グリセリン 10重量部 pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0重量部 界面活性剤:オルフィンE1010(日信化学株式会社の商品名) 1.0重量部 防腐剤:プロキセルXL−2(Aveciaの商品名) 0.3重量部 イオン交換水 100重量部【0042】(シアンインク)マゼンタ染料を表1に示すシアン染料に代え、表1に示す重量部とした以外は、前記(マゼンタインク)と同様の組成とすることで、実施例1と比較例1〜5に使用するシアンインクを調製した。 【0043】 【表1】
【0044】(1)記録物の作製(実施例1,比較例1〜5) 表1に従って作製されたインクジェット用記録媒体、マゼンタインクおよびシアンインク、並びに市販のインクジェットプリンタMJ−930C(セイコーエプソン株式会社の商品名)を使用してマゼンタ色およびシアン色のグラデーションパターンを印刷することにより、記録物を作製した。 【0045】(2)耐光性試験1(キセノンランプ加速試験) 前記“(1)記録物の作製”で得た記録物に対して、キセノンウエザオメータ(ATLAS社製、Ci−5000)を使用し、ブラックパネル温度35℃、相対湿度60%、340nm紫外線照射強度0.18W/m2で、60KJ/m2の暴露試験を行った。次いで、分光光度計(グレタグマクベス社製、GRETAG SPM50)を用いて、暴露試験前のマゼンタ濃度1.0付近及びシアン濃度1.0付近における光学濃度と、暴露試験後の同位置における光学濃度とから残存率(%)を求め、耐光性を下記に示す評価基準により評価した。 A:光学濃度の残存率が90%を超えるB:光学濃度の残存率が70%を超え、90%未満であるC:光学濃度の残存率が70%未満である【0046】(3)耐光性試験2(蛍光灯加速試験) 前記“(1)記録物の作製”で得た記録物に対して、蛍光灯加速試験器(ATLAS社製、HPUV)を使用し、約6W/m2(300nm〜400nmの紫外線波長域)で100時間、白色蛍光等のみの照射により暴露試験を行った。次いで、耐光性試験1と同様に耐光性の評価を行った。 【0047】(4)耐ガス性試験耐ガス性試験を、酸化性ガスの一つであるオゾンを用い、オゾン暴露試験で代用する。前記“(1)記録物の作製”で得た記録物に対して、簡易型のガス発生器を使用することより、約10ppm濃度のオゾンガス存在下、10時間の暴露試験を行った。次いで、分光光度計(グレタグマクベス社製、GRETAG SPM50)を用いて、シアン濃度1.0付近における光学濃度と、暴露試験後の同位置における光学濃度とから残存率(%)を求め、耐ガス性を前記耐光性と同様の評価基準により評価した。 【0048】耐光性試験1、耐光性試験2および耐ガス性試験の評価結果を表2に示す。 【0049】 【表2】
【0050】表2に示すように、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物がインク受容層に含有されたインクジェット用記録媒体に対して、前記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録することにより得られた記録物においては、マゼンタ画像とシアン画像の耐光性およびシアン画像の耐ガス性を優れたものにできた(実施例1)。 【0051】一方、銅フタロシアニン染料に当てはまらないシアン染料をインクジェット記録することにより得られた記録物においては、シアン画像において十分な耐光性を得ることはできなかった(比較例1)。 【0052】また、前記一般式(1)に当てはまらないマゼンタ染料をインクジェット記録することにより得られた記録物においては、マゼンタ画像において十分な耐光性を得ることはできなかった(比較例2および比較例3)。 【0053】さらに、インクジェット用記録媒体のインク定着剤をジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物としなかった記録物においては、シアン画像において十分な耐ガス性を得ることはできなかった(比較例4および比較例5)。 【0054】以上の結果より、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物がインク受容層に含有されたインクジェット用記録媒体と、前記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと、銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとを組み合わせた場合(実施例1)に限り、得られた記録物において、マゼンタ画像とシアン画像の耐光性およびシアン画像の耐ガス性の全てを優れたものにすることができた。 【0055】 【発明の効果】請求項1に係るインクジェット記録方法によれば、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物が少なくとも表面に含有されたインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に対して、前記一般式(1)で示されるマゼンタ染料を含有するマゼンタインクと銅フタロシアニン染料を含有するシアンインクとをインクジェット記録するので、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を得ることのできるインクジェット記録方法を提供できる。 【0056】また、請求項2に係る記録物によれば、前記インクジェット記録方法により記録されるので、マゼンタ画像およびシアン画像の耐光性と耐ガス性とに優れた記録物を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月14日(2000.11.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099195 【弁理士】 【氏名又は名称】宮越 典明
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| 【公開番号】 |
特開2002−144697(P2002−144697A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月22日(2002.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−346644(P2000−346644) |
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