| 【発明の名称】 |
マルチカラー記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 実
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| 【要約】 |
【課題】少なくとも1色については所望の色合いの発色を保証し得るように構成されたマルチカラー記録媒体を提供する。
【解決手段】マルチカラー記録媒体(10;40;50)は支持体(12;42、52)と、その表面に塗布された感圧感熱発色層(16;46;56)とから成る。感圧感熱発色層中には第1の色の色材を封入した多数のマイクロカプセル(18;48;58)が均一に分布させられ、これらマイクロカプセルには所定の圧力下でしかも第1の温度下で破壊されるようになった圧力温度特性が与えられる。感熱発色層には第1の温度よりも高い第1の温度下で第2の色を発色するようになった温度発色特性が与えられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体と、この支持体の表面に塗布された感圧感熱発色層と、この感圧感熱発色層上に塗布された第1の感熱発色層とから成るマルチカラー記録媒体において、前記感圧感熱発色層中には第1の色の色材を封入した多数の感圧マイクロカプセルが均一に分布させられ、これら感圧マイクロカプセルには所定の圧力下でしかも第1の温度下で破壊されるようになった圧力温度破壊特性が与えられ、前記第1の感熱発色層には前記第1の温度よりも高い第2の温度下で第2の色を発色するようになった温度発色特性が与えられることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項2】 請求項1に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の感熱発色層に加えて、第2の感熱発色層が前記第1の感熱発色層の上側に若しくは該第1の感熱発色層の下側に形成され、前記第2の感熱発色層には前記第1の温度よりも高いが前記第2の温度よりも低い第3の温度下で第3の色を発色するようになった温度発色特性が与えられることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項3】 請求項1または2に記載のマルチカラー記録媒体において、前記感圧感熱発色層と前記第1の感熱発色層若しくは前記第2の感熱発色層との間に境界層が介在させられ、前記感圧マイクロカプセルの破壊時にそこから放出される第1の色の色材が前記境界層の存在のために前記第1の感熱発色層若しくは前記第2の感熱発色層との接触から回避させられることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項4】 請求項3に記載のマルチカラー記録媒体において、前記境界層が水溶性高分子材料または線状高分子材料から形成されることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項5】 請求項1から4までのいずれか1項に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の感熱発色層がロイコ染料と、このロイコ染料の顕色剤とから形成され、前記ロイコ染料が前記第2の温度下で前記顕色剤との発色反応により前記第2の色を発色する温度発色特性を持つことを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項6】 請求項1から4までのいずれか1項に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の感熱発色層が第1のロイコ染料を封入した多数の感熱マイクロカプセルと、前記ロイコ染料の顕色剤とから形成され、前記感熱マイクロカプセルが前記第2の温度下で破壊される感熱破壊特性を持つと共にそのロイコ染料が前記第2の温度下で前記顕色剤との発色反応により前記第2の色を発色する発色温度特性を持つことを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項7】 請求項5または6に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の感熱発色層が前記ロイコ染料の発色温度を調整するための増感剤を含み、この増感剤により前記ロイコ染料の発色温度が前記第2の温度に実質的に一致させられることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項8】 請求項2から4に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1感熱発色層が第1のロイコ染料と、この第1のロイコ染料の顕色剤とから形成され、前記第1のロイコ染料が前記第2の温度下で前記顕色剤との発色反応により前記第2の色を発色する発色温度特性を持ち、前記第2の感熱発色層が第2のロイコ染料と、この第2のロイコ染料の顕色剤とから形成され、前記第2のロイコ染料が前記第3の温度下で前記顕色剤との発色反応により前記第3の色を発色する発色温度特性を持つことを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項9】 請求項2から4に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の感熱発色層が第1のロイコ染料を封入した多数の第1の感熱マイクロカプセルと、前記第1のロイコ染料の顕色剤とから形成され、前記第1の感熱マイクロカプセルが前記第2の温度下で破壊される感熱破壊特性を持つと共にその第1のロイコ染料が前記第2の温度下で前記顕色剤との発色反応により前記第2の色を発色する発色温度特性を持ち、前記第2の感熱発色層が第2のロイコ染料を封入した多数の第2の感熱マイクロカプセルと、前記第2のロイコ染料の顕色剤とから形成され、前記第2の感熱マイクロカプセルが前記第3の温度下で破壊される感熱破壊特性を持つと共にその第2のロイコ染料が前記第3の温度下で前記顕色剤との発色反応により前記第3の色を発色する発色温度特性を持つことを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項10】 請求項8または9に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の感熱発色層が前記第1のロイコ染料の発色温度を調整するための増感剤を含み、この増感剤により前記第1のロイコ染料の発色温度が前記第2の温度に実質的に一致させられ、前記第2の感熱発色層が前記第2のロイコ染料の発色温度を調整するための増感剤を含み、この増感剤により前記第2のロイコ染料の発色温度が前記第3の温度に実質的に一致させられることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項11】 請求項1から10までのいずれか1項に記載のマルチカラー記録媒体において、前記感圧マイクロカプセルの温度/圧力発色特性のうちの温度特性が前記第1の感熱発色層若しくは前記第1及び第2の感熱発色層から得られ、その温度/圧力発色特性のうちの圧力特性が該感圧マイクロカプセルの壁膜の厚さから得られることを特徴とするマルチカラー記録媒体。 【請求項12】 請求項1から11までのいずれか1項に記載のマルチカラー記録媒体において、前記第1の温度が100℃以下の温度に設定されることを特徴とするマルチカラー記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は少なくとも2色を発色し得るように構成されたマルチカラー(多色発色)記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】上述したようなマルチカラー記録媒体として、2色以上を発色し得るようになった加色型マルチカラー感熱紙が既に知られている。例えば、このような加色型感熱紙で2色を発色させる場合には、シート紙上に感熱発色層が形成され、この感熱発色層が単層構造となっているときには、2種類のロイコ染料(即ち、第1のロイコ染料及び第2のロイコ染料)と顕色剤とが均一に分布させられ、該感熱発色層が多層構造(2層構造)となっているときには、各層にそれぞれ1種類のロイコ染料と顕色剤とが均一に分布させられる。顕色剤については、第1のロイコ染料の発色温度が第2のロイコ染料の発色温度より低くなるように適宜選択され、また必要に応じてそれらロイコ染料の発色温度を調整するために感熱発色層には適宜増感剤が加えられる。 【0003】周知のように、ロイコ染料自体は通常は乳白色或いは半透明の粉体であり、このようなロイコ染料は顕色剤との化学的な発色反応により発色して所定の色を呈する。ロイコ染料と顕色剤とに化学的な発色反応を引き起こさせて十分な濃度の発色を得るためには、そのロイコ染料と顕色剤とが共に熱溶融状態となっていることが条件となる。 【0004】従って、感熱発色層に第1のロイコ染料の熱溶融温度が加えられると、第1のロイコ染料が発色して第1の色を呈し、感熱発色層に第2のロイコ染料の熱溶融温度が加えられると、第1及び第2のロイコ染料の双方がそれぞれ発色して第1及び第2の色から成る混色を呈する。要するに、感熱発色層に低温度と高温度とを選択的に加えることにより、第1のロイコ染料による発色と第1及び第2のロイコ染料の発色による混色とが得られる。例えば、第1及び第2のロイコ染料がそれぞれマゼンタ及びシアンを発色するものとして選ばれた場合、低温側でマゼンタの発色が得られ、高温側でマゼンタとシアンの混色即ちブルーの発色が得られる。 【0005】また、従来の加色型のマルチカラー感熱記録媒体では、第1及び第2のロイコ染料のうちの低温側ロイコ染料(即ち、上述の例では、マゼンタ発色用ロイコ染料)の発色温度については少なくとも100℃以上に設定される。というのは、マルチカラー感熱記録媒体については、日常下で100℃前後の温度に晒される機会が屡々あり得るからである。即ち、もし低温側ロイコ染料の発色温度を例えば80℃に設定した場合には、マルチカラー感熱記録媒体が80℃以上の温度に不用意に晒されると、そこに下地汚れ等の誤発色が生じることとなるからである。一方、低温側ロイコ染料の発色温度を少なくとも100℃に設定した場合には、高温側ロイコ染料(即ち、上述の例では、シアン発色用ロイコ染料)の発色温度については低温側ロイコ染料の発色温度(少なくとも100℃)を十分に越える高温度に設定することが必要となる。というのは、低温側ロイコ染料の発色温度と高温側ロイコ染料の発色温度と間の温度差が十分に離れていないと、低温側ロイコ染料の発色時に高温側のロイコ染料が低濃度で発色する現象所謂カブリが生じ得るからである。その結果、従来のマルチカラー感熱記録媒体に対する全体的な必要印字エネルギは相当に大きなものとなる。 【0006】特開平08-282115号公報及び特開平09-76634号公報には、上述したような加色型マルチカラー感熱記録媒体において、低温側ロイコ染料の発色温度と高温側ロイコ染料の発色温度との間の温度差が比較的接近していてもカブリの発生を防止するために高温側ロイコ染料を感熱マイクロカプセルに封入することが開示されている。即ち、感熱マイクロカプセルが所定温度(高温側ロイコ染料の発色温度)で熱溶融したとき、その高温側ロイコ染料が流出して顕色剤と発色反応するようにされているので、感熱マイクロカプセルが熱溶融するまでは、高温側ロイコ染料の発色が完全に防止されるので、低温側ロイコ染料の発色時でのカブリの発生が阻止されることになる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】以上に述べた加色型マルチカラー感熱記録媒体の問題点として、所望の色が得られない場合があるということが指摘されている。例えば、マゼンタ系の色にも種々のタイプのものが知られているが、そのマゼンタ系の色はロイコ染料で得られるものに限定され、しかも他の色のロイコ染料との組合せを勘案した場合には温度条件との兼ね合いでマゼンタ系の色の選択幅は更に狭められることになる。マルチカラー感熱記録媒体のユーザの中には、少なくとも1色については所望の色合いの発色が得られるようにしたいという要望があるが、しかしその所望の色合いが一種類のロイコ染料だけ得られない限り、そのようなユーザの要望に応えることはできない。一方、マゼンタ系のロイコ染料を適当に混ぜあわて所望の色合いのマゼンタ色が得られたとしても、その混ぜ合わされたロイコ染料について所望の熱溶融温度が得られるとは限らない。更に、3色以上の発色を得ようとした場合には、ロイコ染料の選択幅は一層狭められ、或る色について所望の色合いを得ることは殆ど不可能と言ってもよい。 【0008】また、上述したような加色型マルチカラー感熱記録媒体においては、基本色のうちの1つだけが独立して発色し得るけれども、その他の基本色については独立して発色することはできない。例えば、上述の例のように、基本色として、マゼンタとシアンとが選ばれた場合、そのうちの一方の色、例えばマゼンタを独立して発色させたとすると、マゼンタとシアンとの混色によるブルーは得られても、シアンについては独立して発色させることはできない。かくして、従来の加色型マルチカラー記録媒体は発色効率の面で劣ったものとなる。 【0009】従って、本発明の目的は、基本色のうちの少なくとも1色については所望の色合いの発色を保証し得るように構成されたマルチカラー記録媒体を提供することである。 【0010】さらに、本発明の別の目的は、基本色のうちの少なくとも1色については所望の色合いの発色を保証し得るだけでなくもう1つの基本色の発色も独立に得られるように構成されたマルチカラー記録媒体を提供することである。 【0011】一方、従来の加色型マルチカラー感熱記録媒体に対する全体的な必要印字エネルギが大きい点も問題点となる。特開平08-282115号公報及び特開平09-76634号公報に開示されたような加色型マルチカラー感熱記録媒体では、高温側ロイコ染料の発色温度が比較的低温側に設定し得たとしても、低温側ロイコ染料の下地汚れ等の誤発色を防止するためには、その発色温度については相変わらず少なくとも100℃以上の高温に設定する必要がある。 【0012】従って、本発明の更に別な目的は、上述したようなタイプのマルチカラー記録媒体であって、基本色のうちの1色の発色温度を100℃以下に設定しても下地汚れ等の誤発色を防止し得ると共に、他色とのカブリを効果的に防止可能なマルチカラー記録媒体を提供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明によるマルチカラー記録媒体は支持体と、この支持体の表面に塗布された感圧感熱発色層と、この感圧感熱発色層上に塗布された第1の感熱発色層とから成る。感圧感熱発色層中には第1の色の色材を封入した多数のマイクロカプセルが均一に分布させられ、これらマイクロカプセルには所定の圧力下でしかも第1の温度下で破壊されるようになった圧力温度破壊特性が与えられる。第1の感熱発色層には第1の温度よりも高い第2の温度下で第2の色を発色するようになった温度発色特性が与えられる。 【0014】本発明によるマルチカラー記録媒体においては、第1の感熱発色層に加えて第2の感熱発色層が第1の感熱発色層の上側に若しくは該第1の感熱発色層の下側に形成され得る。この場合、第2の感熱発色層には第1の温度よりも高いが第2の温度よりも低い第3の温度下で第3の色を発色するようになった温度発色特性が与えられる。 【0015】必要に応じて、感圧感熱発色層と第1の感熱発色層若しくは第2の感熱発色層との間に境界層が介在させられ、感圧マイクロカプセルの破壊時にそこから放出される第1の色の色材が境界層の存在のために第1の感熱発色層との接触から回避させられる。好ましくは、境界層は水溶性高分子材料または線状高分子材料から形成される。 【0016】本発明の好適な一実施形態においては、第1感熱発色層は第1のロイコ染料と、この第1のロイコ染料の顕色剤とから形成され、第1のロイコ染料は第2の温度下で顕色剤との発色反応により第2の色を発色する発色温度特性を持つ。一方、第2の感熱発色層は第2のロイコ染料と、この第2のロイコ染料の顕色剤とから形成され、第2のロイコ染料は第3の温度下で顕色剤との発色反応により第3の色を発色する発色温度特性を持つ。 【0017】本発明の好適な別の実施形態においては、第1の感熱発色層は第1のロイコ染料を封入した多数の第1の感熱マイクロカプセルと、第1のロイコ染料の顕色剤とから形成され、第1の感熱マイクロカプセルは第2の温度下で破壊される感熱破壊特性を持つと共にその第1のロイコ染料は第2の温度下で顕色剤との発色反応により第2の色を発色する発色温度特性を持つ。一方、第2の感熱発色層は第2のロイコ染料を封入した多数の第2の感熱マイクロカプセルと、第2のロイコ染料の顕色剤とから形成され、第2の感熱マイクロカプセルは第3の温度下で破壊される感熱破壊特性を持つと共にその第2のロイコ染料は第3の温度下で顕色剤との発色反応により第3の色を発色する発色温度特性を持つ。 【0018】第1の感熱発色層には必要に応じて第1のロイコ染料の発色温度を調整するための増感剤を添加することが可能であり、このような増感剤により第1のロイコ染料の発色温度を第2の温度に実質的に一致させることができる。同様に、第2の感熱発色層にも必要に応じて第2のロイコ染料の発色温度を調整するための増感剤を添加することが可能であり、このような増感剤により第2のロイコ染料の発色温度を第3の温度に実質的に一致させられることができる。 【0019】好ましくは、感圧マイクロカプセルの温度/圧力発色特性のうちの温度特性については第1の感熱発色層若しくは第1及び第2の感熱発色層から得られ、その温度/圧力発色特性のうちの圧力特性については該感圧マイクロカプセルの壁膜の厚さから得られる。 【0020】本発明によるマルチカラー記録媒体の好適な実施形態においては、その全体的な印字エネルギの低減化のために、上述の第1の温度については100℃以下に設定される。 【0021】 【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発明によるマルチカラー記録媒体の実施形態について説明する。 【0022】先ず、図1を参照すると、本発明によるマルチカラー記録媒体の第1の実施形態が参照符号10で全体的に示され、このマルチカラー記録媒体10は適当な支持体例えばシート紙12と、このシート紙12の一方の表面に塗布された感圧感熱発色層14、この感圧感熱発色層14上に形成された境界層15、この境界層15上に形成された感熱発色層16とから成る。感圧感熱発色層14は多数の感圧マイクロカプセル18から成り、これら感圧マイクロカプセル18は適当なバインダ材料中に均一に分布させられてシート紙12上に固定させられる。境界層15は後述するように必要に応じて設けられるものであり、場合によっては省き得る。本実施形態では、感熱発色層16は第1の感熱発色層部161と第2の感熱発色層部分162とから成る二層構造とされ、図1に示すように、第1の感熱発色層部分161は境界層15上に形成され、第2の感熱発色層部分162は第1の感熱発色層部分161上に形成される。 【0023】感圧マイクロカプセル18には、例えばマゼンタ色材が封入され、このマゼンタ色材は適当なビヒクルにマゼンタ染料を溶解或いは分散させたものから成る。ビヒクルについては、常温で液状となった適当な透明オイル或いは適当な低融点ワックス(融点90℃以下)を用いることができる。マゼンタ染料については、任意のマゼンタ系染料を適宜選ぶことが可能である。本実施形態では、ビヒクルとしては、RKS(Rutgers Kureha Solvents Gmbh)社製からKMC-113(2,7ジイソプロピルナフタリン)として入手し得る透明オイルが用いられ、マゼンタ染料としては、ローダミンレーキT(マゼンタ染料)が用いられる。なお、図1では、感圧マイクロカプセル18内に封入したマゼンタ色材がマゼンタを表す“M”で示されている。 【0024】感圧マイクロカプセル18の壁膜はシート紙12と同じ色(通常は白色)に着色されたメラミン樹脂から形成される。このようなマイクロカプセル18は周知のマイクロカプセル製造法例えばインサイト(in situ)重合法等によって製造することが可能であり、その平均粒径については約5μmないし約6μm程度とされ、その壁膜の膜厚については感圧マイクロカプセル18が剪断力の伴う0.2MPa以上の圧力下で破壊され得るようなものとされる。 【0025】以下に剪断力の伴う0.2MPa以上の圧力下で破壊され得るようになった感圧マイクロカプセル18(平均粒径約5μm〜約6μm)の製造実施例を示す。 1)先ず、以下の3つの溶液を調製する。 (A) マゼンタ色材溶液 KMC-113(2,7ジイソプロピルナフタリン) … 100g ローダミンレーキT … 4g (B) 保護コロイド水溶液 ポリビニルベンゼンスルホン酸の一部ナトリウム塩 … 5g 精製水 … 95g (C) メラミン-ホルマリンプレポリマー水溶液 メラミン … 11.2g ホルマリン … 28.8g 精製水 … 40g(なお、ホルマリンは、2%水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調製した37%ホルムアルデヒドが使用される。このホルマリン28.8gとメラミン11.2gとを混合して70℃に加熱し、メラミンが溶解した後に精製水40gを加えて攪拌し、(C)メラミン-ホルマリンプレポリマー水溶液を得た)【0026】2)次いで、(A)マゼンタ色材溶液と(B)保護コロイド水溶液とを混合し、この混合液をホモジナイザーで攪拌し、(D)乳化分散液(O/Wエマルジョン)を調製する。このとき該乳化分散液は(A)マゼンタ色材溶液が平均粒径約4.5μmの液滴となるようホモジナイザーの回転数及び攪拌時間を調整し分散した。 【0027】3)次に、上記乳化分散液に(C)メラミン-ホルマリンプレポリマー水溶液を加えて混合し、その混合液を温度30℃に保ちながらゆっくり攪拌し、20%酢酸水溶液を適宜加えて、該混合液をpH3ないしpH6に設定する。続いて、この状態のままで混合液の温度を60℃まで上昇させて、約1時間攪拌しながら縮重合反応を進行させることにより、平均粒径約5μmの感圧マイクロカプセル18を得た。4)最後に上記で生成された感圧マイクロカプセル分散液に平均粒径約0.1μmの酸化チタン微粉体を適宜加えてマイクロカプセル表面に電気的に吸着させカプセルの白色化を施した。 【0028】このようにして得られた感圧マイクロカプセル18の壁膜の膜厚はそれが剪断力の伴う0.2MPa以上の圧力下で破壊され得るようなものとなる。なお、感圧マイクロカプセル18の壁膜の膜厚については、主にメラミン-ホルマリンプレポリマー水溶液中のメラミンの量に依存し、その量が多くなればなる程、その膜厚は厚くなる。 【0029】第1の感熱発色層部分161 は第1のロイコ染料成分及び顕色剤成分とから成り、また第2の感熱発色層部分162 は第2のロイコ染料成分及び顕色剤成分とから成り、図1では、第1のロイコ染料成分については“○”で、第2のロイコ染料成分については“□”で、顕色剤成分については“×”で示される。本実施形態では、第1のロイコ染料成分“○”は熱溶融温度192 ℃のブラック発色用ロイコ染料から成り、このようなブラック発色用ロイコ染料は例えば山本化成社製のODBとして入手可能である。第2のロイコ染料成分“□”は熱溶融温度147℃のシアン発色用ロイコ染料から成り、このようなシアン発色用ロイコ染料は例えば山田化学社製のBlue220 として入手可能である。顕色剤成分“×”は熱溶融温度145℃の顕色剤から成り、このような顕色剤は旭電化工業社製のK-5として入手可能である。なお、図1には示されないが、第1及び第2の感熱発色層部分161及び162のそれぞれにはそのロイコ染料の熱溶融温度(発色温度)を調整するために増感剤が適宜含まれる。 【0030】次に本発明のシートの製造実施例を以下に示す。感圧感熱発色層14の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 25W%マイクロカプセルの水分散液 … 1.0 (2) 17W%カルナバワックスの水分散液 … 1.0 (3) 20W%PVA の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水に感圧マイクロカプセル18を25重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(2)は精製水にカルナバワックス(熱溶融温度約83℃)をボールミルで粉砕したものを分散(懸濁)させたものである。組成(3)は精製水に PVA(重合度500 のポリビニルアルコール)の20重量パーセント加えて溶解したものである。 【0031】以上の組成液をシート紙12上に1平方メートル当たり約3ないし5グラムの量で塗布して乾燥させることにより、図1に示すような感圧感熱発色層14が得られる。カルナバワックスは感圧マイクロカプセル18を感圧感熱発色層14中に保持するバインダとして機能するだけでなく該感圧マイクロカプセル18に対して後述するような温度特性を与える機能も備える。また、ポリビニルアルコール(PVA)は上記組成液の乾燥後感圧マイクロカプセル18及びワックスをシート紙12に固定させる接着剤として機能する。 【0032】シート紙12上に感圧感熱発色層14が形成された後、そこにはPVA(ポリビニルアルコール)の10重量パーセント水溶液が1平方メートル当たり約1グラムの量で塗布されて乾燥させられ、これにより感圧感熱発色層14上に数ミクロンの厚さの境界層15が形成される。なお、境界層15はPVA以外の材料から形成してもよく、そのような材料としては、EVA(エチレンビニルアセテート共重合体)、酢酸ビニル、アラビアゴム、カゼイン等が挙げられる。 【0033】第1の感熱発色層部分161の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 17W%ODB の水分散液 … 0.2 (2) 17W%K-5 の水分散液 … 1.0 (3) 16W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.3 (4) 20W%PVA(重合度 500) の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水にODB(ブラック発色用ロイコ染料)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(2)は精製水にK-5(顕色剤)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(3)は精製水にアセトアセトアニリド(増感剤)を16重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(4)は精製水にPVA(ポリビニルアルコール)の20重量パーセント加えて溶解したものである。 【0034】以上の組成液を境界層15に1平方メートル当たり約1ないし4グラムの量で塗布して乾燥させることにより、第1の感熱発色層部分161が形成される。このような第1の感熱発色層部分161には増感剤としてアセトアセトアニリドが適量含まれるので、ブラック発色用ロイコ染料(ODB) の熱溶融発色温度は増感剤と顕色剤(K-5)との共融作用により約192℃から約180℃まで低下させられる。なお、組成(4)のポリビニルアルコール(PVA) は接着剤であり、第1の感熱発色層部分161を一体化する機能を持つ。 【0035】第2の感熱発色層部分162 の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 17W%Blue220 の水分散液 … 0.2 (2) 17W%K-5 の水分散液 … 1.0 (3) 16W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.5 (4) 20W%PVA(重合度 500)の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水にBlue220(シアン発色用ロイコ染料)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものであり、組成(2) ないし(4) は第1の感熱発色層部分161で使用したものと同じである。なお、第1の感熱発色層部分161の場合と同様に、組成(4)のポリビニルアルコール(PVA) は第2の感熱発色層部分162を一体化する接着剤としての機能を持つ。 【0036】以上の組成液を第1の感熱発色層部分161に1平方メートル当たり約1ないし4グラムの量で塗布して乾燥させることにより、図1に示すような第2の感熱発色層部分162が形成される。第2の感熱発色層部分162には増感剤としてアセトアセトアニリドが適量含まれるので、シアン発色用ロイコ染料(Blue220)の熱溶融発色温度は増感剤と顕色剤(K-5)との共融作用により約147℃から約120℃まで低下させられる。 【0037】図2を参照すると、以上のように構成されたマルチカラー記録媒体10の発色特性がグラフ化して示される。同グラフに示すように、マルチカラー記録媒体10に対して及ぼされるべき圧力及び温度によって、マゼンタ発色領域M、ブルー発色領域BL、第1ブラック発色領域BK1、シアン発色領域C及び第2ブラック発色領域BK2が規定される。マルチカラー記録媒体10でのマルチカラー発色については従来のサーマルヘッドを用いて行うことが可能であり、マルチカラー記録媒体10に対するサーマルヘッドの押圧力を適宜設定することにより、また該サーマルヘッドの個々の発熱素子の加熱温度をカラー画素データに応じて適宜設定することにより、図2に示す発色特性に基づいて、マゼンタ発色ドット、ブルー発色ドット、シアン発色ドット及びブラック発色ドットが選択的に得られる。 【0038】詳述すると、サーマルヘッドがマルチカラー記録媒体10に対して少なくとも0.2MPa以上の圧力例えば約0.3MPaで押圧されている状態で、サーマルヘッドの発熱素子が83℃と120℃の間の温度例えば約100℃まで加熱させられると、その圧力温度条件はマゼンタ発色領域Mに含まれ、このような圧力温度条件下では、増感剤が熱溶融させられて、感熱発色層16が軟化或いは熱破壊させられ、次いで感圧感熱発色層14中のカルナバワックスが熱溶融させられ、このためマイクロカプセル18は該発熱素子から約0.3MPaの圧力を直接的に受ける。かくして、マイクロカプセル18が破壊されて、そこからマゼンタ色材が放出させられ、これによりマルチカラー記録媒体10にはマゼンタ発色ドットが形成される。 【0039】また、サーマルヘッドがマルチカラー記録媒体10に対して少なくとも0.2MPa以上の圧力例えば約0.3MPaで押圧されている状態で、サーマルヘッドの発熱素子が120℃と180℃の間の温度例えば約150℃まで加熱させられると、その圧力温度条件はブルー発色領域BLに含まれる。このような圧力温度条件下では、シアン発色用ロイコ染料成分“□”が増加感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融させられ、このためシアン発色用ロイコ染料成分“□”は顕色剤成分“×”との発色反応によりシアンを発色するが、このときブルー発色領域BLの圧力温度条件では、感圧マイクロカプセル18によるマゼンタ発色も得られている。かくして、シアンとマゼンタとの混色によるブルー発色ドットがマルチカラー記録媒体10に形成される。 【0040】更に、サーマルヘッドがマルチカラー記録媒体10に対して少なくとも0.2MPa以上の圧力例えば約0.3MPaで押圧されている状態で、サーマルヘッドの発熱素子が180℃以上の温度例えば約200℃まで加熱させられると、その圧力温度条件は第1ブラック発色領域BK1に含まれる。このような圧力温度条件下では、ブラック発色用ロイコ染料成分“○”が増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融させられ、このためブラック発色用ロイコ染料成分“○”は顕色剤成分“×”との発色反応によりブラックを発色して、ブラック発色ドットがマルチカラー記録媒体10に形成される。なお、第1ブラック発色領域BK1の圧力温度条件下では、感圧マイクロカプセル18によるマゼンタ発色及びシアン発色用ロイコ染料成分によるシアン発色も得られているが、このときマゼンタ色相もシアン色相もブラック色相に吸収されるので、マゼンタ発色もシアン発色も認め得ない。 【0041】一方、サーマルヘッドがマルチカラー記録媒体10に対して少なくとも0.2MPa以下の圧力例えば約0.01MPa で押圧されている状態で、サーマルヘッドの発熱素子が120℃と180℃の間の温度例えば約150℃まで加熱させられると、その圧力温度条件はシアン発色領域Cに含まれる。このような圧力温度条件下では、シアン発色用ロイコ染料成分“□”だけが増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融させられ、このためシアン発色用ロイコ染料成分“□”は顕色剤成分“×”との発色反応によりシアンを発色して、シアン発色ドットがマルチカラー記録媒体10に形成される。なお、シアン発色領域Cの圧力温度条件下では、マイクロカプセル18は破壊され得ない。 【0042】また、サーマルヘッドがマルチカラー記録媒体10に対して少なくとも0.2MPa以下の圧力例えば約0.01MPa で押圧されている状態で、サーマルヘッドの発熱素子が180 ℃以上の温度例えば約200 ℃まで加熱させられると、その圧力温度条件は第2ブラック発色領域BK2に含まれる。このような圧力温度条件下では、ブラック発色用ロイコ染料成分“○”が増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融させられ、このためブラック発色用ロイコ染料成分“○”は顕色剤成分“×”との発色反応によりブラックを発色して、ブラック発色ドットがマルチカラー記録媒体10に形成される。なお、第2ブラック発色領域BK2の圧力温度条件下では、シアン発色用ロイコ染料成分によるシアン発色も得られているが、このシアン色相はブラック色相に吸収されるので、シアン発色は認め得ない。 【0043】図3を参照すると、以上のように構成されたマルチカラー記録媒体10にマルチカラー画像記録を行う記録装置が概略的に示され、この記録装置はサーマル・ライン・プリンタとして構成される。 【0044】図3に示すように、記録装置は略直方形の形態となったハウジング20を具備し、このハウジング20の上側壁にはマルチカラー記録媒体10を導入するための導入口22が形成される。また、ハウジング20の側壁の1つには感圧感熱記録媒体10を排出するための排出口24が形成される。図3にはマルチカラー記録媒体10の移動通路が一点鎖線26で示され、画像記録時、マルチカラー記録媒体10は導入口22に導入され、移動通路26に沿って移動させられた後に排出口24から排出される。 【0045】ハウジング20内にはサーマルヘッド支持体28が所定位置に設けられ、このサーマルヘッド支持体28により、移動経路26の一部が規定される。サーマルヘッド支持体28には導入口22から排出口24に向かって第1のサーマルヘッド301及び第2のサーマルヘッド302が順次搭載され、各サーマルヘッドはマルチカラー記録媒体10の移動経路を横切る方向に延在し、しかもその延在方向に沿って多数の電気抵抗素子即ち発熱素子が一直線上に配列される。本実施形態では、第1のサーマルヘッド301はマゼンタ発色ドット及びブルー発色ドットを得るために使用され、第2のサーマルヘッド302はシアン発色ドット及びブラック発色ドットを得るために使用される。なお、第1及び第2のサーマルヘッド301及び302の各々には互いに同数の発熱素子(n個)が含まれる。 【0046】図4を参照すると、第1のサーマルヘッド301に含まれるn個の発熱素子の一部が参照符号R11、R12及びR13で示され、第2のサーマルヘッド302 に含まれるn個の発熱素子の一部が参照符号R21、R22及びR23で示される。図4から明らかなように、n個の発熱素子R11、R12、R13、…R1nとn個の発熱素子R21、R22、R23、…R2nとは2行n列のマトリックス状に配置され、双方のn個の発熱素子(R11、R12、R13、…R1n:R21、R22、R23、…R2n)はそれぞれマルチカラー記録媒体10の移動方向に沿って互いに整列させられる。 【0047】第1のサーマルヘッド301のn個の発熱素子R11、R12、R13、…R1nは第1のサーマルヘッド駆動回路321に接続され、この第1のサーマルヘッド駆動回路321により、n個の発熱素子R11、R12、R13、…R1nは一ライン分のカラー画素データに従って選択的に通電させられて発熱させられる。例えば、カラー画素データがマゼンタ画素データであるときには、その該当発熱素子(R11、R12、R13、…R1n)の発熱温度は約100℃とされ、カラー画素データがブルー画素データであるときには、その該当発熱素子(R11、R12、R13、…R1n)の発熱温度は約150℃とされる。 【0048】第2のサーマルヘッド302のn個の発熱素子R21、R22、R23、…R2nは第2のサーマルヘッド駆動回路302に接続され、この第2のサーマルヘッド駆動回路322により、n個の発熱素子R21、R22、R23、…R2nは一ライン分のカラー画素データに従って選択的に通電させられて発熱される。例えば、カラー画素データがシアン画素データであるときには、その該当発熱素子(R21、R22、R23、…R2n)の発熱温度は約150℃とされ、カラー画素データがブラック画素データであるときには、その該当発熱素子(R11、R12、R13、…R1n)の発熱温度は約200℃とされる。 【0049】図3に示すように、第1のサーマルヘッド301には第1のローラプラテン341が適用され、この第1のローラプラテン341には第1の圧力付与ばね手段361が組み合わされる。第1の圧力付与ばね手段361は第1のローラプラテン341に対して0.2MPaを超える圧力例えば0.3MPaを及ぼすように構成され、これにより第1のローラプラテン341は0.3MPaで第1のサーマルヘッド301に対して押圧される。 【0050】また、図3に示すように、第2のサーマルヘッド302には第2のローラプラテン342が適用され、この第2のローラプラテン342には第2の圧力付与ばね手段362が組み合わされる。第2の圧力付与ばね手段362は第1のローラプラテン342に対して0.2MPaを下回る圧力例えば約0.01MPを及ぼすように構成され、これにより第2のローラプラテン342は約0.01MPaで第2のサーマルヘッド302に対して押圧される。 【0051】マルチカラー記録媒体10に対するカラー画像の記録時、上述した発熱素子のそれぞれは該カラー画像の画素単位(即ち、ドット)に対応した寸法形状を備える。即ち、後述するように、各発熱素子の発熱によりマルチカラー記録媒体10上に画素単位としてのドットが生じさせられるが、本実施形態では、そのドットサイズについては約50μmないし100μmとなるような寸法形状が各発熱素子に与えられる。 【0052】なお、図3において、参照符号37は第1及び第2のサーマルヘッド301及び302をそれぞれ駆動させる第1及び第2の駆動回路321及び322の動作を制御するための制御回路基板を示し、また参照符号38は電源装置を示し、この電源装置38により、第1及び第2のサーマルヘッド301及び302のそれぞれの発熱素子や制御回路基板37等に対する給電が行われる。 【0053】上述したように、カラー画像記録時、マルチカラー記録媒体10は導入口22に導入されるが、このときマルチカラー記録媒体10の向きについては、その感熱発色層16側が第1及び第2のサーマルヘッド301及び302のそれぞれの発熱素子(R11、…R1n;R21、…R2n)に対して接触するようにされる。 【0054】次に、上述した記録装置を用いてマルチカラー記録媒体10上にカラー画像を記録する際の発色プロセスについて説明する。 【0055】マルチカラー記録媒体10が第1のサーマルヘッド301と第1のローラプラテン341との間を通過させられるとき、マルチカラー記録媒体10は第1の圧力付与ばね手段361のために第1のサーマルヘッド301の発熱素子R11、R12、R13、…R1nから剪断力の伴う圧力約0.3MPaを受けることになるが、各発熱素子が通電されていないとき、即ち各発熱素子が常温とされているとき、その圧力約0.3MPaは感圧感熱発色層14のマイクロカプセル18に直接及ぼされることはない。とういうのは、常温下では、感熱発色層16及び感圧感熱発色層14のカルナバワックスが共に固体相を呈しているために、約0.3MPaの圧力は該感圧発色層16に阻まれて感圧感熱発色層14に及ばないからである。 【0056】ところが、第1のサーマルヘッド301の発熱素子R11、R12、R13、…R1nのいずれかが1ライン分のカラー画素データに基づいて通電されると、その通電された発熱素子(R11、…R1n)は少なくとも100℃まで加熱させられる。即ち、カラー画素データがマゼンタ画素データであれば、その該当発熱素子(R11、…R1n)は約100℃まで加熱させられ、カラー画素データがブルー画素データであれば、その該当発熱素子は約150 ℃まで加熱させられる。いずれにしても、発熱素子(R11、…R1n)により感熱発色層16には少なくとも100℃の温度を及ぼされ、これにより増感剤(アセトアセトアニリド)が熱溶融させられて、感熱発色層16が軟化或いは熱破壊させられ、次いで感圧感熱発色層14のカルナバワックスが熱溶融させられる。 【0057】かくして、発熱素子(R11、…R1n)は図5に示すように感熱発色層16に侵入して境界層15を介して感圧マイクロカプセル18の付近まで到達し、このとき感圧感熱発色層14の感圧マイクロカプセル18は発熱素子(R11、…R1n)から約0.3MPaの圧力を直接的に受けて、感圧マイクロカプセル18は約0.3MPaの圧力下で破壊され、そこからマゼンタ色材が放出させられる。発熱素子(R11、…R1n)の加熱温度が約100℃のとき、その加熱温度はシアン発色用ロイコ染料成分“□”及びブラック発色用ロイコ染料“○”の熱溶融発色温度以下となっているので、マルチカラー記録媒体10上にはマゼンタ発色ドットだけが形成される。発熱素子(R11、…R1n)の加熱温度が約150℃のとき、シアン発色用ロイコ染料成分“□”は増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融されるので、顕色剤成分“×”と発色反応してシアンを発色し、このためマゼンタとシアンの混色であるブルー発色ドットが感熱発色層16上に形成される。 【0058】なお、マゼンタ発色ドットは感熱発色層16下で形成されることになるが、しかし感熱発色層16は非常に薄い層厚となっているので、そこを通してマゼンタ発色ドット自体は観察される。 【0059】ここで、境界層15の機能について述べると、マゼンタ発色ドットの形成時にシアン発色用ロイコ染料成分“□”の所謂カブリが境界層15によって阻止され得るということである。詳述すると、感圧マイクロカプセル18に封入されたマゼンタ色材は上述した透明オイル(KMC-113)にマゼンタ染料を溶解したものであり、この透明オイルにはシアン発色用ロイコ染料(Blue220)も溶解し得る。かくして、マゼンタ色材の透明オイルがシアン発色用ロイコ染料に接触すると、シアン発色用ロイコ染料は透明オイルに僅かに溶けて顕色剤“×”と発色反応を引き起こしてシアンを発色し得ることになり、マゼンタ発色ドットにシアン色が幾分混入するということになる。このようなカブリを防止するためには、境界層15を設けて、シアン発色用ロイコ染料がマゼンタ色材の透明オイルと接触しないようにしなければならない。勿論、マゼンタ色材のビヒクルとして、ロイコ染料を溶かし得ないものが使用される場合には、境界層15は必要とされない。また、上述したようなカブリの程度が小さく容認し得るものであれば、或いはそのような混色による色相が所望のものであるならば、境界層15は当然省き得る。 【0060】次に、マルチカラー記録媒体10が第2のサーマルヘッド302と第2のローラプラテン342との間を通過させられるときには、マルチカラー記録媒体10は第2の圧力付与ばね手段362のために第2のサーマルヘッド302の発熱素子R21、R22、R23、…R2nから約0.01MPaの圧力を受ける。第2のサーマルヘッド302の発熱素子R21、R22、R23、…R2nのいずれかが1ライン分のカラー画素データに基づいて通電されると、その通電された発熱素子(R21、…R2n)は少なくとも150℃まで加熱させられる。即ち、カラー画素データがシアン画素データのとき、その該当発熱素子(R21、…R2n)は約150℃まで加熱させられ、カラー画素データがブラック画素データのとき、その該当発熱素子(R21、…R2n)は約200℃まで加熱させられる。いずれにしても、発熱素子(R21、…R2n)により感熱発色層16には少なくとも約150℃の温度が及ぼされるので、顕色剤成分“×”は増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融させられ、このため該当発熱素子(R21、…R2n)は図5に示すような態様で感熱発色層16に侵入する。かくして、感圧感熱発色層14中の感圧マイクロカプセル18には約0.01MPaの圧力が及ぼされることになるが、しかし感圧マイクロカプセル18は約0.01MPaの圧力下では破壊され得ない。 【0061】発熱素子(R21、…R2n)の加熱温度が約150 ℃であるとき、シアン発色用ロイコ染料成分“□”は増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融されられるが、しかしブラック発色用ロイコ染料成分“○”は熱溶融されることはないので、このときはシアン発色用ロイコ染料成分“□”だけが顕色剤成分“×”と発色反応してシアンを発色し、かくしてマルチカラー記録媒体10にはシアン発色ドットが形成される。一方、発熱素子(R21、…R2n)の加熱温度が約200 ℃であるとき、シアン発色用ロイコ染料成分“□”とブラック発色用ロイコ染料成分“○”との双方が増感剤との共融作用により熱溶融させられるので、顕色剤成分“×”と発色反応してそれぞれシアン及びブラックを発色するが、しかしシアン色相はブラック色相に吸収されるので、このときマルチカラー記録媒体10にはブラック発色ドットが形成される。 【0062】かくして、図3及び図4に示すような記録装置を用いれば、マルチカラー記録媒体10にはマゼンタ発色ドット、ブルー発色ドット、シアン発色ドット及びブラック発色ドットから成るマルチカラー画像を記録することが可能である。ここで注目すべき点としては、ブルー発色ドット及びシアン発色ドットの色合いについては使用し得るロイコ染料のタイプに応じて制約を受けることになるが、しかしマイクロカプセル18内に封入されるマゼンタ色材の色合いついては実質的に制約を受けることなく自由に任意の色合いのマゼンタ色材を使用し得るということが挙げられる。勿論、上述の実施形態では、マゼンタ、シアン及びブラックの色材が組み合わされたが、その他の色の組合であってもよく、いずれにしてもマイクロカプセル18に封入されるべき色材の色合いについては実質的な制約を受けることなく自由に選択することが可能である。 【0063】上述の第1の実施形態では、感熱発色層16が第1の感熱発色層部分161と第2の感熱発色層部分162とに分けているが、そのうちの一方だけを残してその他方を省くことも可能である。即ち、感圧感熱発色層14上に一種類のロイコ染料成分と顕色剤成分とから成る単一感熱発色層だけを形成してもよく、或いはそのような単一感熱発色層に異なった熱溶融温度を持つ2種類以上のロイコ染料を混在させることもできる。 【0064】なお、上述した第1の実施形態において、感熱発色層16を単一感熱発色層としてブラック発色用ロイコ染料とシアン発色用ロイコ染料とを混在させる場合には、かかる単一感熱発色層については、以下のような組成液を境界層15に1平方メートル当たり約1ないし3グラムの量で塗布して乾燥させることにより形成することができる。 組成 重量部 (1) 17W%ODB の水分散液 … 0.2 (2) 17W%Blue220 の水分散液 … 0.2 (3) 17W%K-5 の水分散液 … 1.0 (4) 16W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.5 (5) 20W%PVE(重合度 500)の水溶液 … 0.5【0065】また、上述の第1の実施形態では、基本色として、マゼンタ、シアン及びブラックが用いられるが、図3及び図4に示すような記録装置によれば、これら3つの基本色のうち2つの基本色マゼンタ及びシアンをそれぞれ独立して発色することが可能となる。もしブラック発色用ロイコ染料の代わりにイエロー発色用ロイコ染料が用いられた場合には、図2に示すグラフにおいて、ブラック発色領域BK1では、マゼンタ、シアン及びイエローの混色としてブラック発色が得られ、またブラック発色領域BK2では、シアン及びイエローの混色によりグリーン発色が得られることになる。即ち、3つの基本色に基づいて5色の発色が可能となる。 【0066】更に、上述の第1の実施形態では、マゼンタ発色、ブルー発色、シアン発色及びブラック発色の4色が利用されているが、そのうちのマゼンタ発色、ブルー発色及びブラック発色だけを利用してもよく、この場合には図3及び図4に示すような記録装置から第2のサーマルヘッド302、第2のローラプラテン342及び第2の圧力付与ばね手段362を省いて、第1のサーマルヘッド301、第1のローラプラテン341及び第1の圧力付与ばね手段361だけを用いてマゼンタ発色、ブルー発色及びブラック発色を行うことができる。勿論、そのような場合には、ブラック発色領域BK1(図2)を利用してブラック発色が得られるように、サーマルヘッド301の駆動回路321の構成が変更される。即ち、カラー画素データがブラック画素データであるときには、その該当発熱素子(R11、…R1n)は約200℃まで加熱させられ、これにより発色層14にはブラック発色ドットが形成される。 【0067】更に、上述の第1の実施形態では、感圧マイクロカプセル18に封入されるマゼンタ色材溶液として、KMC-113 (透明オイル)100gに約4gのローダミンレーキT(マゼンタ染料)を溶解させたものが使用されるが、マゼンタ系染料として、1種類のマゼンタ発色用ロイコ染料或いは複数種類のマゼンタ発色用ロイコ染料が用いられてもよい。例えば、マゼンタ系ロイコ染料として、山本化成社製のRed-3を使用することが可能であり、また所望の色合いの色相を得るために該Red-3をベースとしてその他のロイコ染料を混合したものを使用してもよい。このようなマゼンタ発色用ロイコ染料はKMC-113(透明オイル)に溶解させて感圧マイクロカプセル18中に封入される。なお、感圧マイクロカプセル18にロイコ染料が封入される場合には、感圧感熱発色層14にはカルナバワックスに加えて適当な顕色剤及び増感剤、例えばK-5及びアセトアセトアニリドが含有させられてもよいし、或いはカルナバワックスに代えて顕色剤及び増感剤をバインダ材料として使用してもよい。Red-3は常温で粉体であり、その熱溶融温度は約210℃であるが、しかし感圧マイクロカプセル18がマゼンタ発色領域Mの圧力温度条件(0.3MPa、約100℃)下で破壊されたとき、マゼンタ発色用ロイコ染料(Red-3)は既に透明オイルによって溶解された状態となっているので、そのマゼンタ発色ロイコ染料は直ちに顕色剤成分と発色反応して所望の色相を呈することになる。なお、先にも述べたように、ロイコ染料は一般的には乳白色或いは半透明であるので、感圧マイクロカプセル18内にロイコ染料が封入されるときは、その壁膜をシート紙12の色に合わせて白色化する必要はない。 【0068】図6を参照すると、本発明によるマルチカラー記録媒体の第2の実施形態が参照符号40で全体的に示される。マルチカラー記録媒体40も、第1の実施形態の場合と同様に、適当な支持体例えばシート紙42と、このシート紙42の一方の表面に塗布された感圧感熱発色層44、この感圧感熱発色層44上に形成された境界層45、この境界層45上に形成された感熱発色層46とから成る。感圧感熱発色層44は適当なバインダ材料で一体化された顕色剤層47に多数の感圧マイクロカプセル48を均一に分布させたものとして形成され、該顕色剤層47の顕色剤成分が図6では“×”で示され、この顕色剤成分“×”には上述した旭電化工業社製のK-5(熱溶融温度145℃)が使用される。境界層45は第1の実施形態での境界層15と同様な機能を持ち、また第2の実施形態でも、感熱発色層46は第1の感熱発色層部461と第2の感熱発色層部分462とから成る二層構造とされ、図6に示すように、第1の感熱発色層部分461は境界層45上に形成され、第2の感熱発色層部分462は第1の感熱発色層部分461上に形成される。なお、図6には示されないが、第1及び第2の感熱発色層部分461及び462のそれぞれにはそのロイコ染料の熱溶融温度(発色温度)を調整するために増感剤が適宜含まれる。 【0069】第2の実施形態においては、感圧マイクロカプセル48にはブラック色材が封入され、このブラック色材は適当なビヒクルにブラック染料を溶解させたものから成る。ビヒクルとしては、上述したKMC-113(透明オイル)が用いられ、ブラック染料としては、上述した山本化成社製のODB(即ち、熱溶融温度192℃のブラック発色用ロイコ染料)が用いられる。要するに、本実施形態では、ブラック色材溶液として、100gのKMC-113に約4gのODB(ブラック染料)を溶解させたものが使用される。 【0070】第1の実施形態の場合と同様に、感圧マイクロカプセル48の壁膜はメラミン樹脂から形成され、このような感圧マイクロカプセル48も上述した周知のマイクロカプセル製造法によって製造することが可能である。また、第2の実施形態においても、感圧マイクロカプセル48の平均粒径については約5μmないし6μm程度とされ、その壁膜の膜厚については感圧マイクロカプセル48が剪断力の伴う約0.2MPa以上の圧力下で破壊され得るようなものとされる。 【0071】第1の感熱発色層部分461は第1のロイコ染料成分及び顕色剤成分とから成り、また第2の感熱発色層部分462は第2のロイコ染料成分及び顕色剤成分とから成り、図6では、第1のロイコ染料成分は“△”で、第2のロイコ染料成分は“□”で、顕色剤成分には“×”で示される。本実施形態では、第1のロイコ染料成分“△”はマゼンタ発色用ロイコ染料色材から成り、このようなマゼンタ発色ロイコ染料としては、上述した山本化成社製のRed-3(熱溶融温度210℃)が用いられる。また、第2のロイコ染料成分“□”は第1の実施形態で用いられた熱溶融温度140℃のシアン発色用ロイコ染料(Blue220)と同じものであり、顕色剤成分“×”も第1の実施形態で用いられた熱溶融温度145℃の顕色剤(K-5)と同じものである。 【0072】感圧感熱発色層44の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 25W%マイクロカプセルの水分散液 … 1.0 (2) 17W%K-5 の水分散液 … 1.0 (3) 16W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.5 (4) 20W%PVA(重合度 500)の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水に感圧マイクロカプセル48を25重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(2)は精製水にK-5(顕色剤)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(3)は精製水にアセトアセトアニリド(増感剤)を16重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(4)は精製水にPVA(ポリビニルアルコール)の20重量パーセント加えて溶解したものである。 【0073】以上の組成液をシート紙42上に1平方メートル当たり約3ないし5グラムの量で塗布して乾燥させることにより、図6に示すような感圧感熱発色層44が得られる。なお、ポリビニルアルコール(PVA)は接着剤として機能し、上記組成液の乾燥後、 K-5(顕色剤)はPVA により一体化されて顕色剤層47を形成すると共にその顕色剤層14をシート紙42上に固定させる。顕色剤層47の顕色剤成分“×”の熱溶融温度は約145℃であるが、しかしアセトアセトアニリド(増感剤)のためにその熱溶融温度は約145℃から約90℃まで低下させられる。 【0074】シート紙42上に感圧感熱発色層44が形成された後、そこにはPVA(ポリビニルアルコール)の10重量パーセント水溶液が1平方メートル当たり約1グラムの量で塗布されて乾燥させられ、これにより感圧感熱発色層44上に数ミクロンの厚さの境界層45が形成される。勿論、境界層45は第1の実施形態における境界層15と同じ機能を持つものである。 【0075】第1の感熱発色層部分461の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 17W%Red-3 の水分散液 … 0.2 (2) 17W%K-5 の水分散液 … 1.0 (3) 16W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.3 (4) 20W%PVA(重合度 500)の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水にRed-3(マゼンタ発色用ロイコ染料)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものであり、組成(2)ないし(4)それぞれは第1の実施形態で第1の感熱発色層部分161を形成する際の組成(2)ないし(4)と同じものである。 【0076】以上の組成液を境界層45に1平方メートル当たり約1ないし4グラムの量で塗布して乾燥させることにより、第1の感熱発色層部分461が形成される。このような第1の感熱発色層部分461には増感剤としてアセトアセトアニリドが含まれるので、マゼンタ発色用ロイコ染料(Red-5)の熱溶融発色温度は約210℃から約180℃まで低下させられる。 【0077】第2の感熱発色層部分462 については、第1の実施形態で第2の感熱発色層部分162を形成する際に用いられた組成液と同じものから形成される。従って、本実施形態における第2の感熱発色層部分462でも、増感剤(アセトアセトアニリド)のために、シアン発色用ロイコ染料(Blue220)の熱溶融発色温度は約140℃から約120℃まで低下させられる。 【0078】図7を参照すると、以上のように構成されたマルチカラー記録媒体40の発色特性がグラフ化して示される。同グラフに示すように、マルチカラー記録媒体40に及ぼされるべき圧力及び温度によって、ブラック発色領域BK、シアン発色領域C及びブルー発色領域BLが規定される。第1の実施形態の場合と同様に、マルチカラー記録媒体40にも図3及び図4に示すような記録装置を用いてカラー画像を記録することができる。 【0079】詳述すると、マルチカラー記録媒体40が第1のサーマルヘッド301と第1のローラプラテン341との間を通過させられるとき、マルチカラー記録媒体10の発色層14は第1の圧力付与ばね手段361のために第1のサーマルヘッド301の発熱素子R11、R12、R13、…R1nから剪断力の伴う圧力約0.3MPaを受けることになるが、各発熱素子が通電されていないとき、即ち各発熱素子が常温とされているとき、その圧力0.3MPaは固体相を呈する感熱発色層46のために阻まれて感圧感熱発色層44中のマイクロカプセル48に及ぼされ得ない。 【0080】ところが、第1のサーマルヘッド301の発熱素子R11、R12、R13、…R1nのいずれかが1ライン分のブラック画素データに基づいて通電されると、その通電された発熱素子(R11、…R1n)は約100℃まで加熱させられ、このとき発熱素子(R11、…R1n)により感熱発色層46には約100℃の温度が及ぼされる。かくして、感熱発色層46中の増感剤が熱溶融させられ、該感熱発色層46が軟化或いは熱破壊され、次いで感圧感熱発色層44の増感剤も軟化或いは熱溶融させられる。 【0081】かくして、発熱素子(R11、…R1n)は感熱発色層46に侵入して境界層45を介して感圧マイクロカプセル48の付近まで到達し、このとき感圧感熱発色層44の感圧マイクロカプセル48は発熱素子(R11、…R1n)から約0.3MPaの圧力を直接的に受けて、感圧マイクロカプセル48は約0.3MPaの圧力下で破壊され、そこからブラック発色用ロイコ染料が放出させられ、このときブラック発色用ロイコ染料は透明オイルに溶解された状態となっているために顕色剤成分“×”と発色反応してブラックを呈し、これによりブラック発色ドットがマルチカラー記録媒体40に形成される。 【0082】次に、マルチカラー記録媒体40が第2のサーマルヘッド302と第2のローラプラテン342との間を通過させられるとき、マルチカラー記録媒体40の発色層44は第2の圧力付与ばね手段362のために第2のサーマルヘッド302の発熱素子R21、R22、R23、…R2nから約0.01MPaの圧力を受ける。第2のサーマルヘッド302の発熱素子R21、R22、R23、…R2nのいずれかが1ライン分のカラー画素データに基づいて通電されると、その通電された発熱素子(R21、…R2n)は少なくとも150℃まで加熱させられる。即ち、カラー画素データがシアン画素データであれば、その該当発熱素子(R21、…R2n)は約150℃まで加熱させられ、カラー画素データがマゼンタ画素データであれば、その該当発熱素子(R21、…R2n)は約200℃まで加熱させられる。いずれにしても、発熱素子(R21、…R2n)により感熱発色層46に少なくとも150℃の温度が及ぼされると、上述の場合と同様に、感熱発色層46中の増感剤が熱溶融させられ、該感熱発色層46が軟化或いは熱破壊され、次いで感圧感熱発色層44の増感剤も軟化或いは熱溶融させられる。従って、当発熱素子(R21、…R2n)は図5に示す場合と同様な態様で感熱発色層46に侵入して感圧マイクロカプセル48に対して約0.01MPaの圧力を及ぼすことになるが、しかし感圧マイクロカプセル48は約0.01MPaの圧力下では破壊されることはない。 【0083】発熱素子(R21、…R2n)の加熱温度が約150℃であるとき、シアン発色用ロイコ染料成分“□”は増感剤(アセトアセトアニリド)との共融作用により熱溶融されるが、マゼンタ発色用ロイコ染料成分“△”が熱溶融されることはないので、このときシアン発色用ロイコ染料成分“□”だけが顕色剤成分“×”と発色反応してシアンを発色し、このためマルチカラー記録媒体40にはシアン発色ドットが形成される。一方、発熱素子(R21、…R2n)の加熱温度が200℃であるときには、シアン発色用ロイコ染料成分“□”とマゼンタ発色用ロイコ染料成分“△”との双方が増感剤との共融作用により共に熱溶融されるので、顕色剤成分“×”と発色反応してそれぞれシアン及びマゼンタを発色し、かくしてマルチカラー記録媒体40にはシアンとマゼンタとの混色から成るブルー発色ドットが形成される。 【0084】第2の実施形態にあっては、マルチカラー記録媒体40上でのブラック発色ドットの形成時にその他の色が全く混入されないのに対して、第1の実施形態では、ブラック発色ドットにはマゼンタ及びシアンの双方若しくはシアンが混色されることになる。先にも述べたように、ブラックはそこにその他の色が混色されてもその色相を吸収するが、しかしブラックの発色自体は多少影響されてくすんだ黒色となり得る。しかしながら、第2の実施形態にあっては、ブラック発色ドットにはその他の色(シアンやマゼンタ)は全く混色されることはないので、ブラック発色ドットはくすみのない純粋な黒色を呈する。従って、第2の実施形態のマルチカラー記録媒体40は文字等をブラックで発色させると共に例えばグラフ等をブラック以外の色で発色させるようなビジネス用文書記録媒体として特に優れたものとなる。 【0085】図8を参照すると、本発明によるマルチカラー記録媒体の第3の実施形態が参照符号50で全体的に示される。上述した第1及び第2の実施形態の場合と同様に、マルチカラー記録媒体50も適当な支持体例えばシート紙52と、このシート紙52の一方の表面に塗布された感圧感熱発色層54、この感圧感熱発色層54上に形成された境界層55、この境界層55上に形成された感熱発色層56とから成る。感圧感熱発色層54は多数の感圧マイクロカプセル58から成り、これら感圧マイクロカプセル58は適当なバインダ材料中に均一に分布させられてシート紙52上に固定させられる。境界層55は第1の実施形態での境界層15と同様な機能を持ち、また第3の実施形態でも、感熱発色層56は第1の感熱発色層部561と第2の感熱発色層部分562 とから成る二層構造とされ、図8に示すように、第1の感熱発色層部分561は境界層55上に形成され、第2の感熱発色層部分562は第1の感熱発色層部分561上に形成される。 【0086】感圧マイクロカプセル58は第1の実施形態で用いた感圧マイクロカプセル18と実質的に同じものである。即ち、感圧マイクロカプセル58にはマゼンタ色材溶液が封入され、このマゼンタ色材溶液は100gのKMC-113(透明オイル)に約4gのローダミンレーキT(マゼンタ染料)を溶解させたものから成る。また、第3の実施形態においても、感圧マイクロカプセル58の壁膜はシート紙52と同じ色(通常は白色)に着色されたメラミン樹脂から形成され、その平均粒径については約5μmないし6μm程度とされ、その壁膜の膜厚についてはマイクロカプセル58が剪断力の伴う0.2MPa以上の圧力下で破壊され得るようなものとされる。 【0087】第3の実施形態では、第1の感熱発色層部分561は顕色剤成分“×”から成る顕色剤層中に感熱マイクロカプセル56BKを均一に分布させたものとして形成され、各感熱マイクロカプセル56BKには上述した山本化成社製のブラック発色用ロイコ染料(ODB)が粉体で封入される。感熱マイクロカプセル56BKの壁膜は適当な樹脂材料例えばポリアミドやポリウレア等から形成され、その熱破壊温度については例えば約180℃とされる。要するに、感熱マイクロカプセル56BKにはそこに及ぼされる圧力に関係なく約180℃以上の温度例えば約200℃で熱破壊されて発色するようになった温度発色特性が与えられる。なお、図6では、感熱マイクロカプセル56BK内に封入したブラック発色用ロイコ染料がブラックを表す“BK”で示されている。 【0088】また、第3の実施形態では、第2の感熱発色層部分562は顕色剤成分“×”から成る顕色剤層中に感熱マイクロカプセル56Cを均一に分布させたものとして形成され、各感熱マイクロカプセル56Cには上述した山田化学社製のシアン発色用ロイコ染料(Blue220) が粉体で封入される。感熱マイクロカプセル56Cの壁膜は適当な樹脂材料例えばポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド等或いは適当なワックス材料例えばオレフィンワックス等から形成され、その熱破壊温度については例えば約120℃とされる。要するに、感熱マイクロカプセル56Cにはそこに及ぼされる圧力に関係なく約120℃以上の温度例えば約150℃で熱破壊されて発色するようになった温度発色特性が与えられる。なお、図8では、感熱マイクロカプセル56C内に封入したシアン発色用ロイコ染料がシアンを表す“C”で示されている。 【0089】なお、感熱マイクロカプセル56BKも感熱マイクロカプセル56Cも共に周知のマイクロカプセル製造法、即ち界面重合法やin situ 重合法等或いは相分離法や気中懸濁法によって製造することが可能であり、その平均粒径については約3μm 程度とされる。また、感熱マイクロカプセル56BKの壁膜の厚さについてはその可塑化温度120℃未満では0.3MPaを上回る圧力に耐え得るものとされ、感熱マイクロカプセル56Cの壁膜の厚さについてはその可塑化温度180℃未満では0.3MPaを上回る圧力に耐え得るものとされる。 【0090】第3の実施形態にあっては、感圧感熱発色層54については、第1の実施形態で感圧感熱発色層14を形成する際に用いられた組成液と同じものから形成される。即ち、かかる組成液をシート紙52上に1平方メートル当たり約3ないし5グラムの量で塗布して乾燥させることにより、図8に示すような感圧感熱発色層54が得られる。また、シート紙52上に感圧感熱発色層54が形成された後、そこには PVA(ポリビニルアルコール)の10重量パーセント水溶液が1平方メートル当たり1グラム以上の量で塗布されて乾燥させられ、これにより感圧感熱発色層54上に数ミクロンの厚さの境界層55が形成される。勿論、境界層55は第1及び第2の実施形態における境界層(15;45)と同じ機能を持つものである。 【0091】第1の感熱発色層部分561 の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 25W%マイクロカプセルの水分散液(56BK) … 1.0 (2) 20W%K-5 の水分散液 … 1.0 (3) 17W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.5 (4) 20W%PVA(重合度 500)の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水に感熱マイクロカプセル56BKを25重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(2)は精製水にK-5(顕色剤)を20重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(3)は精製水にアセトアセトアニリド(増感剤)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(4)は精製水に PVA(ポリビニルアルコール)の20重量パーセント加えて溶解したものである。 【0092】以上の組成液を境界層55に1平方メートル当たり約1ないし3グラムの量で塗布して乾燥させることにより、図8に示すような第1の感熱発色層部分561が形成される。このような第1の感熱発色層部分561には増感剤としてアセトアセトアニリドが含まれるので、顕色剤(K-5)の熱溶融温度は約145℃から約90℃まで低下させられる。 【0093】第2の感熱発色層部分562の形成については、以下の表に示す組成から成る組成液が用意される。 組成 重量部 (1) 25W%マイクロカプセルの水分散液(56C) … 1.0 (2) 20W%K-5 の水分散液 … 1.0 (3) 17W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.5 (4) 20W%PVA(重合度 500)の水溶液 … 0.5ここで、組成(1)は精製水に感熱マイクロカプセル56Cを25重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(2)は精製水にK-5(顕色剤)を20重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(3)は精製水にアセトアセトアニリド(増感剤)を17重量パーセント加えて分散(懸濁)させたものである。組成(4)は精製水に PVA(ポリビニルアルコール)の20重量パーセント加えて溶解したものである。 【0094】以上の組成液を第1の感熱発色層部分561 に1平方メートル当たり約1ないし3グラムの量で塗布して乾燥させることにより、図8に示すような第2の感熱発色層部分562が形成される。このような第2の感熱発色層部分562 には増感剤としてアセトアセトアニリドが含まれるので、顕色剤(K-5)の熱溶融温度は約145℃から約90℃まで低下させられる。 【0095】以上のように構成されたマルチカラー記録媒体50の発色特性については図2に示すものと実質的に同じものであり、またマルチカラー記録媒体50にも図3及び図4に示すような記録装置を用いてカラー画像を記録することができる。 【0096】詳述すると、マルチカラー記録媒体50が第1のサーマルヘッド301と第1のローラプラテン341との間を通過させられるとき、マルチカラー記録媒体50は第1の圧力付与ばね手段361のために第1のサーマルヘッド301の発熱素子R11、R12、R13、…R1nから剪断力の伴う圧力約0.3MPaを受けることになるが、各発熱素子が通電されていないとき、即ち各発熱素子が常温とされているとき、その圧力は固体相を呈する感熱発色層56のために阻まれてマイクロカプセル58Mに及ぼされ得ない。 【0097】ところが、第1のサーマルヘッド301の発熱素子R11、R12、R13、…R1nのいずれかが1ライン分のカラー画素データに基づいて通電されると、その通電された発熱素子(R11、…R1n)は少なくとも100 ℃まで加熱させられる。即ち、カラー画素データがマゼンタ画素データであれば、その該当発熱素子(R11、…R1n)は約100℃まで加熱させられ、カラー画素データがブルー画素データであれば、その該当発熱素子は約150℃まで加熱させられる。いずれにしても、発熱素子(R11、…R1n)によりマルチカラー記録媒体10に少なくとも100℃の温度が及ぼされると、増感剤(アセトアセトアニリド)が熱溶融させられて、感熱発色層56は軟化或いは熱破壊させられ、このため該当発熱素子(R11、…R1n)は図5に示す場合と同様な態様で感熱発色層56に侵入して境界層55を介して感圧マイクロカプセル58の付近まで到達し、このとき感圧感熱発色層54の感圧マイクロカプセル58は発熱素子(R11、…R1n)から約0.3MPaの圧力を直接的に受けて、感圧マイクロカプセル58は約0.3MPaの圧力下で破壊され、そこからマゼンタ発色用ロイコ染料が放出させられる。発熱素子(R11、…R1n)の加熱温度が約100℃のとき、感熱マイクロカプセル56BKも56Cも未だ熱破壊されないので、この場合にはマルチカラー記録媒体10上にはマゼンタ発色ドットが形成される。一方、発熱素子(R11、…R1n)の加熱温度が約150℃のとき、感熱マイクロカプセル56Cは熱破壊を受けることになり、このためシアン発色用ロイコ染料が放出されると共に熱溶融されて、顕色剤成分“×”と発色反応してシアンを発色し、このときはマゼンタとシアンの混色であるブルー発色ドットがマルチカラー記録媒体50に形成される。 【0098】次に、マルチカラー記録媒体50が第2のサーマルヘッド302と第2のローラプラテン342との間を通過させられるときには、マルチカラー記録媒体50は第2の圧力付与ばね手段362のために第2のサーマルヘッド302の発熱素子R21、R22、R23、…R2nから圧力約0.01MPaを受ける。第2のサーマルヘッド302 の発熱素子R21、R22、R23、…R2nのいずれかが1ライン分のカラー画素データに基づいて通電されると、その通電された発熱素子(R21、…R2n)は少なくとも150℃まで加熱させられる。即ち、カラー画素データがシアン画素データであれば、その該当発熱素子(R21、…R2n)は約150℃まで加熱させられ、カラー画素データがブラック画素データであれば、その該当発熱素子(R21、…R2n)は約200℃まで加熱させられる。いずれにしても、発熱素子(R21、…R2n)によりマルチカラー記録媒体50には少なくとも150℃の温度が及ぼされると、上述の場合と同様に、増感剤(アセトアセトアニリド)が熱溶融させられて、感熱発色層56は軟化或いは熱破壊させられるので、該当発熱素子(R11、…R1n)は図5に示す場合と同様な態様で感熱発色層56に侵入して境界層55を介して感圧マイクロカプセル58の付近まで到達し、このとき感圧マイクロカプセル58には約0.01MPaの圧力が及ぼされるが、しかし感圧マイクロカプセル58は0.01MPaの圧力下では破壊され得ない。 【0099】発熱素子(R21、…R2n)の加熱温度が150℃であるとき、感熱マイクロカプセル56Cは熱破壊を受け、このためそこからシアン発色用ロイコ染料は放出されて熱溶融されるが、しかし感熱マイクロカプセルBKは未だ熱破壊を受けることはない。従って、シアン発色用ロイコ染料だけが顕色剤成分“×”と発色反応してシアンを発色し、このためマルチカラー記録媒体50にはシアン発色ドットだけが形成される。一方、発熱素子(R21、…R2n)の加熱温度が約200℃のときには、感熱マイクロカプセル56Cも感熱マイクロカプセル56BKも共に熱破壊を受けるので、その双方のシアン発色用ロイコ染料及びブラック発色用ロイコ染料が共に熱溶融されるために顕色剤成分“×”と発色反応してそれぞれシアン及びブラックを発色する。しかし、既に述べたように、シアン色相はブラック色相に吸収されるので、この場合にはブラック発色ドットが発色層54に形成される。 【0100】かくして、上述の第1の実施形態の場合と同様に、マルチカラー記録媒体50にはマゼンタ発色ドット、ブルー発色ドット、シアン発色ドット及びブラック発色ドットから成るマルチカラー画像を記録することが可能である。また、上述の第1の実施形態の場合と同様に、第3の実施形態でも、ブルー発色ドット及びシアン発色ドットの色合いについては使用し得るロイコ染料のタイプに応じて制約を受けることになるが、しかし感圧マイクロカプセル58内に封入されるマゼンタ色材の色合いについては実質的に制約を受けることなく自由に任意の色合いのマゼンタ色材を使用し得る。 【0101】上述の第3の実施形態では、感熱発色層56が第1の感熱発色層部分561と第2の感熱発色層部分562とに分けているが、そのうちの一方だけを残してその他方を省くことも可能である。また、感熱発色層56自体を単一感熱発色層として形成し、そこに異なった温度破壊特性を持つ2種類以上の感熱マイクロカプセル(例えば、感熱マイクロカプセル56BK及び56C)を混在させることもできる。 【0102】なお、上述した第3の実施形態において、感熱発色層56を単一感熱発色層として感熱マイクロカプセル56BK及び56Cを混在させる場合には、かかる単一感熱発色層については、以下のような組成液を境界層55に1平方メートル当たり約1ないし3グラムの量で塗布して乾燥させることにより形成することができる。 組成 重量部 (1) 25W%マイクロカプセルの水分散液(56BK) … 0.5 (2) 25W%マイクロカプセルの水分散液(56C) … 0.5 (3) 17W%K-5 の水分散液 … 1.0 (4) 16W%アセトアセトアニリドの水分散液 … 0.5 (5) 20W%PVE(重合度 500)の水溶液 … 0.5【0103】また、上述の第1の実施形態の場合と同様に、第3の実施形態でも、マゼンタ発色、ブルー発色、シアン発色及びブラック発色の4色が利用されているが、そのうちのマゼンタ発色、ブルー発色及びブラック発色のだけを利用してもよく、この場合には、図3及び図4に示すような記録装置からは第2のサーマルヘッド302、第2のローラプラテン342及び第2の圧力付与ばね手段362を省いて、第1のサーマルヘッド301、第1のローラプラテン341及び第1の圧力付与ばね手段361だけを用いてマゼンタ発色、ブルー発色及びブラック発色を行うことができる。 【0104】更に、上述の第1の実施形態の場合と同様に、第3の実施形態でも、マイクロカプセル58に封入されるマゼンタ系の色材として、KMC-113(透明オイル)に約10%(重量パーセント)のローダミンレーキT(マゼンタ染料)を溶解させたものが使用されるが、マゼンタ系の色材として、1種類のマゼンタ発色用ロイコ染料或いは複数種類のマゼンタ発色用ロイコ染料が用いられてもよい。なお、感熱マイクロカプセル56BK及び56Cを用いる第3の実施形態においては、感圧マイクロカプセル58の破壊時にそこから放出された透明オイル(KMC-113)は該感熱マイクロカプセル内のロイコ染料とは接触されることはないので、境界層55は省き得るものである。 【0105】上述した第3の実施形態において、感圧感熱発色層54については、第2の実施形態で用いた感圧感熱発色層44(図6)に代えてもよく、この場合には第2の感熱発色層部分561中のマイクロカプセル56BKにはブラック発色ロイコ染料の代わりにその他の色のロイコ染料例えば上述した山本化成社製のマゼンタ発色用ロイコ染料(Red-3)が粉体で封入され、しかもそのマゼンタ発色用ロイコ染料(Red-3)の熱溶融温度(発色温度)については約210℃から約180℃まで低下させるように増感剤(アセトアセトアニリド)の適量が第2の感熱発色層部分561に加えられる。かくして、このようなマルチカラー記録媒体の発色特性については図7に示すものと実質的に同じものであり、そこには図3及び図4に示すような記録装置を用いてカラー画像を記録することが可能である。勿論、そのようなマルチカラー記録媒体も第2の実施形態の場合と同様に文字をブラックで発色させると共に例えばグラフ等をブラック以外の色で発色させるようなビジネス用文書記録媒体として特に優れたものとなる。 【0106】上述した第3の実施形態では、感熱マイクロカプセルに感熱発色性を与えるために、その壁膜を所定の熱可塑化温度を持つ熱可塑性樹脂から形成されているが、所定の温度で破壊されて発色するようなった感熱マイクロカプセルであれば、どのようなタイプのものでも用いられ得ることが理解されるべきである。 【0107】 【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明によるマルチカラー記録媒体においては、少なくともその1色については温度条件等によって制約を受けることなく任意の色合いのものが使用され得るので、従来の感熱タイプのマルチカラー記録媒体では決して得ることができなかった色合いの組合を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000527 【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年4月24日(2001.4.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090169 【弁理士】 【氏名又は名称】松浦 孝
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| 【公開番号】 |
特開2002−19299(P2002−19299A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月23日(2002.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−125598(P2001−125598) |
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