| 【発明の名称】 |
孔版印刷装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】千葉 浩幸
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| 【要約】 |
【課題】複数枚の原稿を、作業効率を低下させることなくその原稿毎の製版モードで連続して印刷することが可能な孔版印刷装置を提供する。
【解決手段】画像読取部2と製版部4と版胴60を有する印刷部5に向けて印刷用紙Pを給送する給紙部3とを備え、製版部4によるマスタ48への製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に画像読取部2により読み取られた原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリ56を有し、製版動作前に複数の原稿を画像読取部2で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して画像メモリ56に記憶させ、画像メモリ56内の画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする孔版印刷装置1。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた原稿画像に応じてマスタを製版する製版部と、版胴を有する印刷部に向けて印刷用紙を給送する給紙部とを備え、原稿画像を読み取って製版動作を行った後に連続して印刷動作を行うことが可能な孔版印刷装置において、前記製版部による前記マスタへの製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に、前記画像読取部により読み取られた前記原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリを有し、製版動作前に複数の原稿を前記画像読取部で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して前記画像メモリに記憶させ、前記画像メモリ内の前記画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする孔版印刷装置。 【請求項2】原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた原稿画像に応じてマスタを製版する製版部と、版胴を有する印刷部に向けて印刷用紙を給送する給紙部とを備え、原稿画像を読み取って製版動作を行った後に連続して印刷動作を行うことが可能な孔版印刷装置において、前記製版部による前記マスタへの製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に、前記画像読取部により読み取られた前記原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリを有し、最初の原稿画像に対する製版動作中に以降の原稿を前記画像読取部で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して前記画像メモリに記憶させ、最初の原稿の印刷動作後に前記画像メモリ内の前記画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする孔版印刷装置。 【請求項3】原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた原稿画像に応じてマスタを製版する製版部と、版胴を有する印刷部に向けて印刷用紙を給送する給紙部とを備え、原稿画像を読み取って製版動作を行った後に連続して印刷動作を行うことが可能な孔版印刷装置において、前記製版部による前記マスタへの製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に、前記画像読取部により読み取られた前記原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリを有し、最初の原稿画像に対する印刷動作中に以降の原稿を前記画像読取部で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して前記画像メモリに記憶させ、最初の原稿の印刷動作後に前記画像メモリ内の前記画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする孔版印刷装置。 【請求項4】前記画像読取部がADFユニットを有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の孔版印刷装置。 【請求項5】前記給紙部が複数サイズの用紙を貯容可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。 【請求項6】前記製版部がマスタストック手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、版胴上にマスタを巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関し、詳しくは製版動作と印刷動作とを連続して繰り返し行うことが可能な孔版印刷装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、簡便な印刷方法としてデジタル式感熱孔版印刷が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを貼り合わせてなる感熱孔版マスタ(以下「マスタ」という)に微細な発熱素子が1列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対し原稿画像に応じてパルス的に通電を行いつつマスタをプラテンローラー等の搬送手段で搬送することにより、マスタの熱可塑性樹脂フィルムに画像情報に基づいた穿孔画像を熱溶融穿孔製版した後、この穿孔製版されたマスタを多孔性円筒状の版胴に巻装させ、プレスローラー等の押圧部材によって印刷用紙を版胴の外周面に押圧させることで、版胴の開孔部及びマスタの穿孔部から滲出したインキを印刷用紙に転移させて印刷画像を得るものである。この孔版印刷を行う孔版印刷装置として、最近では画像読取動作、排版動作、製版動作、巻装動作、版付け動作、印刷動作を連続的に行うことができる一体型孔版印刷装置が市販されており、また、画像精度の向上並びに印刷コストの低下が達成されてきているため、ある程度の部数(およそ10部)以上の画像形成を行うユーザーでは複写機に代わって孔版印刷装置が用いられている。 【0003】ここで、一般的な一体型孔版印刷装置の動作を簡単に説明する。先ず、原稿読取部に印刷すべき原稿をセットして製版スタートキーを押下することにより、原稿読取部において原稿の読取動作が行われると共に、版胴が回転して所定の排版位置で停止する。版胴が停止すると排版部が作動して版胴上のマスタをすくい上げると共に版胴が再び回転を開始して、版胴外周面上から前版のマスタを剥離する排版動作が行われる。読取動作完了後、排版動作と並行して製版動作が行われる。製版部ではプラテンローラー及びマスタ搬送ローラー等が回転を開始し、マスタ貯容部に貯容されているマスタロールからマスタが引き出されると共に、プラテンローラーに接触配置されたサーマルヘッドの発熱素子が画像情報に応じて選択的に発熱して、引き出されたマスタに製版画像が形成される。製版されたマスタは給版位置で停止した版胴の外周面上に設けられ開放状態にあるクランパーに向けて搬送され、クランパーが閉じられることでその先端部を版胴外周面上に係止される。マスタの先端部がクランパーに係止されると版胴が製版速度と同じ周速度で回転を開始し、版胴へのマスタ巻装動作が行われる。そして一版分のマスタが製版されると切断手段が作動してマスタが切断され、切断されたマスタは版胴の回転によって引き出されて巻装動作が完了する。巻装動作完了後、給紙部より1枚の印刷用紙が給送され、印刷用紙はプレスローラーや圧胴等の押圧手段によって版胴外周面に圧接される。この押圧により、版胴内部に設けられたインキ供給手段から版胴内周面に供給されたインキが、版胴開口部を介してマスタの多孔性支持体に浸透する。インキを転写された印刷用紙は排紙部によって搬送され、機外へと排出されて版付け動作が完了する。版付け動作完了後、印刷枚数や印刷速度等を設定した後に印刷スタートキーを押下することにより、版胴が版付け時よりも高速で回転されると共に給紙部より印刷用紙が連続的に給送され、設定された印刷枚数までの印刷動作が行われる。 【0004】最近では、複写や印刷等の画像形成によって様々な画像形成物が得られるようになってきており、上述した一体型孔版印刷装置においても文字モードや写真モード等の複数の製版モードを備え、多様化する原稿に対応した印刷が可能なものが提供されている。また、上述したように低コスト化が進んでいるため、一体型孔版印刷装置を用いた多種少量印刷も行われるようになってきており、複数枚の原稿を載置して自動的に読取を行うADFユニットを搭載した一体型孔版印刷装置が提供されている。このADFユニットを搭載した一体型孔版印刷装置では、製版動作と印刷動作とを連続的に行う連続モードを備えたものがある。この連続モード時には、一度製版スタートキーが押下されると原稿読取、排版、製版、給版、版付け、印刷の各動作を連続して行い、ADFユニットに載置された原稿がなくなるまで各動作を繰り返す。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、ADFユニットと連続モードとを備えた一体型孔版印刷装置では、連続モードを設定すると原稿読取から印刷までの各動作が全自動で行われるため、オペレーターは最初の製版スタートキー押下時のみ装置を操作すればよく、この他は装置から離れることで他の作業を行うことができ、作業効率が格段に向上している。しかし、ADFユニットと連続モードと複数の製版モードとを具備する一体型孔版印刷装置の場合には、製版モードの設定は製版スタートキーの押下前にしか行うことができないため、ADFユニットを用い複数の原稿を連続モードで印刷する場合には単一の製版モードに限定されてしまうという問題点がある。原稿毎に製版モードを変更する場合には、ADFユニットを用いずに手動で原稿を読み取らせるか、あるいはADFユニット上に1枚のみ原稿を載置して、次の原稿の読み込み時に製版モードを変更した後に製版スタートキーを押下することとなり、各原稿の印刷終了後にオペレーターが操作を行う必要が生じて作業効率が低下してしまう。本発明は上記問題点を解決し、複数枚の原稿を作業効率を低下させることなくその原稿毎の製版モードで連続して印刷することが可能な孔版印刷装置の提供を目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた原稿画像に応じてマスタを製版する製版部と、版胴を有する印刷部に向けて印刷用紙を給送する給紙部とを備え、原稿画像を読み取って製版動作を行った後に連続して印刷動作を行うことが可能な孔版印刷装置において、前記製版部による前記マスタへの製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に、前記画像読取部により読み取られた前記原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリを有し、製版動作前に複数の原稿を前記画像読取部で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して前記画像メモリに記憶させ、前記画像メモリ内の前記画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする。 【0007】請求項2記載の発明は、原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた原稿画像に応じてマスタを製版する製版部と、版胴を有する印刷部に向けて印刷用紙を給送する給紙部とを備え、原稿画像を読み取って製版動作を行った後に連続して印刷動作を行うことが可能な孔版印刷装置において、前記製版部による前記マスタへの製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に、前記画像読取部により読み取られた前記原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリを有し、最初の原稿画像に対する製版動作中に以降の原稿を前記画像読取部で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して前記画像メモリに記憶させ、最初の原稿の印刷動作後に前記画像メモリ内の前記画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする。 【0008】請求項3記載の発明は、原稿画像を読み取る画像読取部と、読み取られた原稿画像に応じてマスタを製版する製版部と、版胴を有する印刷部に向けて印刷用紙を給送する給紙部とを備え、原稿画像を読み取って製版動作を行った後に連続して印刷動作を行うことが可能な孔版印刷装置において、前記製版部による前記マスタへの製版パターンを変化させる複数の製版モードを設定可能であると共に、前記画像読取部により読み取られた前記原稿画像を画像データとして複数記憶可能な画像メモリを有し、最初の原稿画像に対する印刷動作中に以降の原稿を前記画像読取部で読み取り、各原稿の原稿画像をそれぞれの製版モードに応じて画像データに変換して前記画像メモリに記憶させ、最初の原稿の印刷動作後に前記画像メモリ内の前記画像データを順次呼び出して製版動作及び印刷動作を繰り返し行うことを特徴とする。 【0009】請求項4記載の発明は、請求項1、請求項2または請求項3記載の孔版印刷装置において、さらに前記画像読取部がADFユニットを有することを特徴とする。 【0010】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに前記給紙部が複数サイズの用紙を貯容可能であることを特徴とする。 【0011】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のうちの何れか1つに記載の孔版印刷装置において、さらに前記製版部がマスタストック手段を有することを特徴とする。 【0012】 【実施例】図1は、本発明の第1の実施例を採用した孔版印刷装置の概略正面図である。同図において孔版印刷装置1は、画像読取部2、給紙部3、製版部4、印刷部5、排紙部6、排版部7、制御部8から主に構成されている。 【0013】筐体9の上部に配設された画像読取部2は、手動読取時に原稿を載置するコンタクトガラス10、自動読取時に原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上の原稿を搬送する原稿搬送ローラー対12及び原稿搬送ローラー13、搬送される原稿をガイドするガイド板14,15、コンタクトガラス10に沿って原稿を搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換板17、読み取られた原稿が排出される原稿排紙台18、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー19,20及び蛍光灯21、走査された原稿を集束するレンズ22、集束された画像を処理するCCD等の画像センサー23等から主に構成されている。 【0014】上述の構成のうち、原稿載置台11、原稿搬送ローラー対12、原稿搬送ローラー13、ガイド板14,15、原稿搬送ベルト16、切換板17、原稿排紙台18はコンタクトガラス10に対して接離自在な圧板27上に一体的に設けられており、複数枚の原稿を順次コンタクトガラス10上に搬送するADFユニット24を構成している。ADFユニット24には、原稿載置台11上での原稿の有無を検知する原稿検知センサー25と、コンタクトガラス10上の原稿の有無及びサイズを検知する原稿サイズ検知センサー26とが設けられている。 【0015】筐体9の下方には給紙部3が配設されている。給紙部3は、特開平5−124737号公報に開示されたものと同様に、小サイズの印刷用紙P1,P2(本実施例ではA5またはB5またはA4)を積載可能な第1給紙トレイ28及び第2給紙トレイ29、大サイズの印刷用紙P3(本実施例ではB4またはA3)を積載可能な第3給紙トレイ30、印刷用紙P1と印刷用紙P2とが同サイズの場合であって第1給紙トレイ28上の印刷用紙P1が使い切られたときに第2給紙トレイ29上の印刷用紙P2を第1給紙トレイ28上に一括して移動させる用紙移動部材31、第1給紙トレイ28上より印刷用紙P1を給送する給紙ローラー32、第3給紙トレイ30上より印刷用紙P3を給送する給紙ローラー33、印刷用紙P1を給紙ローラー32に押圧させる押し上げ部材34、印刷用紙P3を給紙ローラー33に押圧させる押し上げ部材35、押し上げ部材34により押し上げられた印刷用紙P1に接触して第1給紙トレイ28上の印刷用紙P1の有無を検知する第1用紙有無検知センサー36、給紙ローラー32によって給送される印刷用紙P1を1枚ずつに分離する分離ローラー対37、給紙ローラー33によって給送される印刷用紙P3を1枚ずつに分離する分離ローラー対38、分離ローラー対38によって分離給送された印刷用紙P3を上部へと搬送する用紙搬送ローラー対39、分離ローラー対37によって分離給送された印刷用紙P1及び用紙搬送ローラー対39によって搬送された印刷用紙P3の搬送方向を変更してさらに搬送する用紙搬送ローラー群41、用紙搬送ローラー群41によって搬送された印刷用紙P1,P3を搬送する用紙搬送ローラー対40、用紙搬送ローラー対40によって給送された印刷用紙P1,P3を一時停留させた後に印刷部5に向けて給送するレジストローラー対42等を有しており、孔版印刷装置1の作動中に第2給紙トレイ29の引き出しが可能に構成されている。各給紙トレイ28,29,30には、各印刷用紙P1,P2,P3の幅方向をガイドする図示しないサイドフェンスが移動可能に設けられている。 【0016】給紙部3には、さらに、第2給紙トレイ29上の印刷用紙P2の有無を検知する第2用紙有無検知センサー43、第1用紙有無検知センサー36と同様に第3給紙トレイ30上の印刷用紙P3の有無を検知する第3用紙有無検知センサー44、各給紙トレイ28,29,30上の各印刷用紙P1,P2,P3のサイズを検知する第1用紙サイズ検知センサー45及び第2用紙サイズ検知センサー46及び第3用紙サイズ検知センサー47、押し上げ部材34による第1給紙トレイ28の上昇量から第1給紙トレイ28上の印刷用紙P1の残量を検知する第1用紙残量検知センサー57、押し上げ部材35による第3給紙トレイ30の上昇量から第3給紙トレイ30上の印刷用紙P3の残量を検知する第2用紙残量検知センサー58が配設されている。 【0017】給紙部3の上方には製版部4が配設されている。製版部4は、マスタ48をロール状に巻成してなるマスタロール48aを支持する支持部材49、マスタ48を加熱穿孔製版するサーマルヘッド50、マスタ48とサーマルヘッド50とを互いに圧接させた状態でマスタ48を搬送するプラテンローラー51、マスタ48を切断する切断手段52、マスタ48を搬送するマスタ搬送ローラー対53,54等を有している。製版部4は一体的なユニットに構成されており、筐体9に対して着脱自在に構成されている。 【0018】マスタロール48aは、その芯部48bを支持部材49に回転自在かつ着脱自在に支持されている。複数の発熱素子を有するサーマルヘッド50は図示しない付勢手段によって図の上方へ向けて付勢されており、図示しないステッピングモーターで回転駆動されるプラテンローラー51は、図示しないプラテンローラー接離手段によって所定の圧力でサーマルヘッド50に圧接する図に実線で示す圧接位置とサーマルヘッド50から離間する図に二点鎖線で示す離間位置とに選択的に位置決めされる。可動刃である上刃52aと固定刃である下刃52bとを有する切断手段52は、上刃52aが下刃52bに対して回転移動あるいは上下動する周知の構成である。 【0019】製版部4の左方には印刷部5が配設されている。印刷部5は、版胴60、インキ供給手段61、プレスローラー62等を有している。多孔性の支持円筒体に樹脂あるいは金属の網体であるメッシュスクリーンを複数層巻装してなる版胴60は、インキ供給パイプを兼ねた支軸63に回転自在に支持された図示しないフランジにその両側端部を固着されており、図示しない版胴駆動手段からの駆動力によりレジストローラー対42と同期して回転駆動される。版胴60は筐体9に対して着脱自在に構成されており、その外周面上にはマスタ48の先端を係止するクランパー64が開閉自在に設けられている。クランパー64は、版胴60が所定位置に到達した際に図示しない開閉手段によって開閉される。 【0020】版胴60の内部に配設されたインキ供給手段61は、支軸63、インキローラー65、ドクターローラー66等を有している。支軸63に固設された図示しない側板に回転自在に支持されたインキローラー65は、ギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段からの駆動力を受けて図の時計回り方向に回転駆動される。インキローラー65の近傍には、インキローラー65の外周面に対してその外周面を近接させてドクターローラー66が配設されている。ドクターローラー66はインキローラー65と並行に配設されており、図示しない駆動力伝達手段からの駆動力を受けて図の反時計回り方向に回転駆動される。インキローラー65とドクターローラー66との近接部に断面楔状に供給されたインキ溜まり67のインキは、インキローラー65とドクターローラー66との隙間を通過する際に引き延ばされ、インキローラー65の外周面上に薄膜状に供給される。 【0021】版胴60の下方にはプレスローラー62が配設されている。図示しないアーム部材に両側端部を回転自在に支持されたプレスローラー62は、このアーム部材がカム等の図示しない揺動手段によって揺動されることにより、その外周面を版胴60の外周面に対して接離自在に設けられている。プレスローラー62には図示しない付勢手段からの付勢力が付与されており、版胴60とプレスローラー62との接触時において版胴60の外周面には所定の圧接力が付与される。また、プレスローラー62の近傍には、プレスローラー62を版胴60の外周面から離間した位置で保持する図示しない保持手段が配設されている。 【0022】印刷部5の左方には排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪71、ガイド板72,73、排紙搬送部材74、電動排紙台75等を有している。版胴60の外周面より印刷済みの印刷用紙P(印刷用紙P1,P2,P3を総じて印刷用紙Pとする)を剥離する剥離爪71は筐体9の図示しない側板に揺動自在に支持されており、その先端を版胴60の外周面に対して近接離間自在に配設されている。筐体9の図示しない側板に固設されたガイド板72,73は、剥離爪71によって剥離された印刷用紙Pを排紙搬送部材74へと案内する。駆動ローラー76、従動ローラー77、複数の無端ベルト78、吸引ファン79から構成される排紙搬送部材74は、吸引ファン79の吸引力によって無端ベルト78上に印刷用紙Pを保持し、駆動ローラー76の回転によって印刷用紙Pを図の矢印方向に搬送する。排紙搬送部材74によって搬送される印刷用紙Pを積載する電動排紙台75は、用紙を積載する排紙トレイ80、一対のサイドフェンス81、エンドフェンス83を有しており、給紙部3から送られる印刷用紙Pのサイズに基づいて一対のサイドフェンス81及びエンドフェンス83が所定の位置に位置決めされる。 【0023】排紙部6の上方には排版部7が配設されている。排版部7は、上排版部材88、下排版部材89、排版ボックス90、圧縮板91等を有している。上排版部材88は、駆動ローラー92、従動ローラー93、無端ベルト94から構成され、駆動ローラー92が図の時計回り方向に回転することにより無端ベルト94が図の矢印方向に移動する。下排版部材89も上排版部材88と同様に駆動ローラー95、従動ローラー96、無端ベルト97から構成されており、駆動ローラー95が図の反時計回り方向に回転することにより無端ベルト97が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材89は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図に示す位置と駆動ローラー95の外周面が版胴60の外周面上に巻装された使用済みマスタ98に当接する位置とに選択的に位置決めされる。排版ボックス90の内部に使用済みマスタ98を押し込む圧縮板91は、図示しない昇降手段によって上下動自在に支持されている。上排版部材88、下排版部材89、排版ボックス90、圧縮板91は一体的なユニットに構成されており、筐体9に対して着脱自在に構成されている。 【0024】図2は、孔版印刷装置1の操作パネルを示している。この操作パネル100は筐体9の上方、すなわち画像読取部2の上面に配設されている。操作パネル100上には、製版スタートキー101、印刷スタートキー102、試し刷りキー103、クリア・ストップキー104、テンキー105、エンターキー106、プログラムキー107、連続キー108、モードクリアキー109、印刷速度設定キー110、クラスキー111、集約キー112、階層表示可能なLCD表示装置113、LCD表示装置113に表示された表示内容に対応して各種選択及び設定を行う4個のキー114a,114b,114c,114d、4方向キー115、7セグメントLED表示装置116、原稿読取キー117等が配設されている。LCD表示装置113の上部に設けられた表示欄113aにはオペレーターの行うべきジョブ内容が表示されており、図示の例では「製版・プリントできます」と表示されていて、製版動作及び印刷動作が可能であることを示している。この表示欄113aにはオペレーターのジョブ内容の他、印刷用紙Pやマスタ48のジャムといった不具合時の情報も表示される。4個のキー114a,114b,114c,114dの働きはLCD表示装置113に表示された内容によってそれぞれ変化し、図示の例ではキー114aが製版モード設定キー、キー114bが拡大縮小キー、キー114cが用紙選択キー、キー114dが画像位置調整キーとして機能している。 【0025】筐体9の内部下方には制御部8が配設されている。制御部8は、図3に示すように、周知のマイクロコンピューターである制御手段82、画像処理部55、画像メモリ56等を有している。制御手段82は、CPU84、RAM85、ROM86、I/Oポート87を有しており、CPU84には孔版印刷装置1に設けられた図示しないセンサーからの出力信号、図示しないステッピングモーターからのステップ数信号、及び操作パネル100からの出力信号等が入力される。入力された各信号はROM86に記憶されている動作プログラムに基づいて演算処理され、画像読取部2、給紙部3、製版部4、印刷部5、排紙部6、排版部7の作動を制御する各駆動回路にそれぞれ動作信号として出力されると共に、操作パネル100に表示信号として出力される。 【0026】A/D変換器を含む画像処理部55は、制御手段82の近傍に配設されている。画像処理部55は制御手段82によってその作動を制御され、図3に破線で示すように、画像読取部2によって読み取られた画像データをA/D変換した後、製版部4のサーマルヘッド50に画像信号として出力する。サーマルヘッド50は複数の発熱素子を有しており、この発熱素子が画像処理部55から送られる画像信号に基づいて選択的に発熱する。画像処理部55の近傍には画像メモリ56が配設されている。画像メモリ56は、画像回転や集約時に用いられるメモリと同様に構成されており、画像処理部55によってA/D変換された画像信号を一時的に格納する機能を有する。画像メモリ56への画像信号の格納及び画像メモリ56からの画像信号の呼び出しは、制御手段82からの指令に基づき画像処理部55により実行される。 【0027】上述の構成に基づき、以下に孔版印刷装置1の動作を説明する。なお、本発明が適用可能な状態は、印刷すべき原稿が2枚以上あり、各原稿において製版モードを変更する必要があり、かつ連続キー108が押下されて連続モードが設定される場合である。印刷すべき原稿が1枚の場合、印刷すべき原稿が2枚以上でも各原稿の製版モードを変更する必要がない場合、及び連続モードを使用しない場合には従来の技術の欄で述べた動作と同様の動作となる。オペレーターは異なる製版モードで印刷に供される2枚以上の原稿を用意し、連続キー108を押下する。これにより孔版印刷装置1は連続モードとなり、図4に示すように表示欄113aにその旨が表示される。次に、オペレーターはコンタクトガラス10上あるいは原稿載置台11上に原稿を載置する。 【0028】コンタクトガラス10上に原稿が載置されると、原稿サイズ検知センサー26が原稿の存在を検知して制御手段82に信号を送り、孔版印刷装置1は製版モード設定状態となる。原稿載置台11上に原稿が載置された場合も同様に原稿検知センサー25から制御手段82に信号が送られ、孔版印刷装置1は製版モード設定状態となる。オペレーターはキー114aを押下して原稿に対応した製版モードを設定する。本実施例に示した孔版印刷装置1は、設定可能な製版モードとして文字モード、写真モード、文字・写真モード、鉛筆モード、淡色モードを備えており、オペレーターはこのうちの何れかを選択する。 【0029】製版モードが設定されると孔版印刷装置1は入力待ち状態となり、表示欄113aの表示が図5に示すように変化する。先ず、ADFユニット24を使用せずにコンタクトガラス10上に原稿が載置され、原稿サイズ検知センサー26が原稿を検知した場合を説明する。入力待ち状態の孔版印刷装置1に対してテンキー105により印刷枚数が表示装置116に置数された後に製版スタートキー101が押下されると、孔版印刷装置1は原稿が1枚であると判断して従来と同様に読取、製版、排版、給版、巻装、版付けの各動作を行った後に設定された枚数分の印刷を行う。入力待ち状態から原稿読取キー117が押下されると、孔版印刷装置1は原稿の読取動作のみを行う。原稿読取キー117が押下されると、反射ミラー19,20及び蛍光灯21が一体的に図1の右方に移動して、コンタクトガラス10上の原稿画像を走査する。走査された原稿画像はレンズ22で集束された後に画像センサー23へと送られ、画像データとされた後に画像処理部55へと送られる。画像データを受け取った画像処理部55は、このデータをA/D変換してデジタルの画像信号として画像メモリ56へと格納する。画像メモリ56に画像信号が格納されると、画像処理部55から制御手段82に信号が送られる。信号を受けた制御手段82は操作パネル100に信号を送り、表示欄113aの表示を図6に示すように変化させる。 【0030】オペレーターはコンタクトガラス10上に次の原稿をセットし、製版モードを設定した後に原稿読取キー117を押下する。すると、上述と同様に読取動作が行われ、読み取られた原稿画像は画像データとして画像メモリ56に格納される。以下、用意した原稿が全て読み取られるまでこの動作を繰り返す。なお、画像メモリ56に画像データを格納した後に画像メモリ56内に画像データを格納するための空き領域がなくなった場合には、表示欄113aにその旨が表示されると共に原稿読取キー117の入力が禁止され、製版スタートキー101の入力のみが有効となる。 【0031】次に、ADFユニット24を使用すべく原稿載置台11上に原稿が載置され、原稿検知センサー25が原稿を検知した場合を説明する。入力待ち状態の孔版印刷装置1に対してテンキー105により印刷枚数が表示装置116に置数された後に製版スタートキー101が押下されると、孔版印刷装置1は従来と同様に読取、製版、排版、給版、巻装、版付けの各動作を行った後に設定された枚数分の印刷を行う。孔版印刷装置1のこの動作は原稿載置台11上の原稿がなくなるまで繰り返される。入力待ち状態から原稿読取キー117が押下されると、原稿搬送ローラー対12及び原稿搬送ベルト16が作動し、原稿載置台11上の最上位の原稿のみがコンタクトガラス10上の所定位置に搬送される。原稿がコンタクトガラス10上に搬送され、これを原稿サイズ検知センサー26が検知すると、反射ミラー19,20及び蛍光灯21が一体的に図1の右方に移動してコンタクトガラス10上の原稿画像を走査する。走査された原稿画像はレンズ22で集束された後に画像センサー23へと送られ、画像データとされた後に画像処理部55へと送られる。画像データを受け取った画像処理部55は、このデータをA/D変換してデジタルの画像信号として画像メモリ56へと格納する。画像メモリ56に画像信号が格納されると、画像処理部55から制御手段82に信号が送られる。原稿画像走査後、原稿搬送ベルト16及び原稿搬送ローラー13が作動し、画像を読み取られた原稿は原稿排紙台18上に排出される。 【0032】1枚目の原稿が原稿排紙台18上に排出されると、制御手段82は原稿検知センサー25からの信号をチェックする。そして、原稿検知センサー25から信号が送られている場合に孔版印刷装置1は再び製版モード設定状態となり、制御手段82は操作パネル100に信号を送って表示欄113aの表示を図7に示すように変化させる。オペレーターにより製版モードが設定された後に原稿読取キー117が押下されると、上述と同様に読取動作が行われ、読み取られた原稿画像は画像データとして画像メモリ56に格納される。以下、原稿検知センサー25が原稿を検知しなくなるまでこの動作が繰り返される。なお、画像メモリ56に画像データを格納した後に画像メモリ56内に画像データを格納するための空き領域がなくなった場合には、表示欄113aにその旨が表示されると共に原稿読取キー117の入力が禁止され、製版スタートキー101の入力のみが有効となる。 【0033】上述の構成では、コンタクトガラス10上に原稿が載置されて原稿サイズ検知センサー26が原稿を検知した場合にはADFユニット24を作動させず、原稿載置台11上に原稿が載置されて原稿検知センサー25が原稿を検知した場合にはADFユニット24を作動させる構成とした。しかし、原稿載置台11上に複数枚の原稿が載置されADFユニット24を使用する場合であっても、複数枚の原稿中にADFユニット24を通過できないあるいは通過しにくい原稿(厚紙原稿、切り貼り原稿、ブック原稿、不定形原稿等)がある場合には、オペレーターがこの原稿のみを抜き出してコンタクトガラス10上に載置することが考えられる。この場合には、原稿読取キー117の押下時において原稿検知センサー25と原稿サイズ検知センサー26との双方から原稿を検知した信号が出力されることとなるが、この場合において制御手段82は原稿サイズ検知センサー26からの信号を優先させ、原稿読取キー117が押下されたときにADFユニット24を作動させない構成となっている。すなわち、原稿読取キー117の押下時にADFユニット24が作動する場合とは、原稿検知センサー25のみから原稿検知信号が出力された場合である。上述したADFユニット24の不使用時及び使用時における原稿読取動作の流れを図8に示す。 【0034】印刷すべき原稿が画像読取部2によって全て読み取られると、孔版印刷装置1は製版待機状態となる。この状態からオペレーターによって印刷速度、印刷枚数、拡大縮小倍率等の各種設定が各原稿毎になされた後に製版スタートキー101が押下されると、制御手段82より給紙部3に動作信号が送られ、原稿サイズ検知センサー26によって検知された原稿サイズに基づいたトレイに対応する押し上げ部材34,35が印刷用紙P1,P3を給紙ローラー32,33に圧接させる位置まで回動して印刷用紙Pの有無が検知される。このとき、印刷用紙P3がない場合には押し上げ部材35が図1に示す初期位置に戻されると共に表示欄113aにその旨が表示され、印刷用紙P1及び印刷用紙P2がない場合には押し上げ部材34が初期位置に戻されると共に表示欄113aにその旨が表示され、印刷用紙P1がなく印刷用紙P2がある場合には押し上げ部材34が初期位置に戻された後に用紙移動部材31が印刷用紙P2を第1給紙トレイ28上に移動させると共に表示欄113aに印刷用紙P2がないという表示がなされる。 【0035】給紙部3の動作と並行して、排版部7では版胴60の外周面上から使用済みマスタ98を剥離する排版動作が行われる。外周面上に使用済みマスタ98を巻装している版胴60は、図示しない版胴駆動手段によって図1の反時計回り方向に回転する。そして、版胴60が、その外周面上に巻装した使用済みマスタ98の後端が駆動ローラー95と対応する所定の排版位置に到達したことを制御手段82が図示しないセンサーあるいはエンコーダーからの出力によって検出すると、制御手段82からの指令により図示しない移動手段と駆動手段とが作動し、各駆動ローラー92,95が回転すると共に下排版部材89を版胴60側に移動させる。駆動ローラー95の外周面が版胴60上の使用済みマスタ98と当接したとき、版胴60は反時計回り方向への回転を継続しており、駆動ローラー95と当接してすくい上げられた使用済みマスタ98は下排版部材89と上排版部材88とで挟持され、版胴60の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタ98は下排版部材89と上排版部材88とで搬送されて排版ボックス90内に廃棄された後、圧縮板91によって圧縮される。版胴60の外周面より使用済みマスタ98が全て剥離されると、版胴60はさらに回転を継続して給版位置に位置決めされる。その後、制御手段82より図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー64が開放され、版胴60が給版待機状態となって排版動作が完了する。 【0036】排版動作完了後、製版部4では製版動作が行われる。版胴60が給版待機状態となると、制御手段82からの動作指令によって図示しないステッピングモーターが作動し、プラテンローラー51及び各マスタ搬送ローラー対53,54が回転駆動され、マスタロール48aからマスタ48が引き出される。そして、引き出されたマスタ48の製版領域先端部がサーマルヘッド50とプラテンローラー51との圧接部に到達すると、画像処理部55が1枚目の原稿に対応する画像データを画像メモリ56より呼び出し、この画像データに基づいた動作指令をサーマルヘッド50に向けて送る。サーマルヘッド50は複数の発熱素子を選択的に発熱させることにより、マスタ48の熱可塑性樹脂フィルム面に1枚目原稿の製版画像をその製版モードに応じて加熱溶融穿孔製版する。 【0037】製版されたマスタ48は、プラテンローラー51及び各マスタ搬送ローラー対53,54によってクランパー64へと搬送される。そして、プラテンローラー51を駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ48の先端がクランパー64に挟持される所定位置まで到達したと制御手段82が判断すると、制御手段82より図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー64が閉じられ、マスタ48が版胴60上に係止される。クランパー64が閉じられた後、版胴60がマスタ48の搬送速度と同じ周速度で図1の時計回り方向に回転駆動され、版胴60へのマスタ48の巻装動作が行われる。そして、プラテンローラー51を駆動する図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手段82が判断すると、プラテンローラー51及び各マスタ搬送ローラー対53,54の回転が停止すると共に、上刃52aが移動してマスタ48が切断される。切断されたマスタ48は版胴60の回転によって引き出され、版胴60へのマスタ48の巻装動作が完了する。版胴60はホームポジションまで回転して停止する。 【0038】巻装動作に引き続き、版付け動作が行われる。版胴60がホームポジションで停止すると、制御手段82より動作指令が送られて版胴60が低速で回転駆動されると共に、給紙ローラー32あるいは給紙ローラー33、分離ローラー対37あるいは分離ローラー対38、用紙搬送ローラー対39,40、用紙搬送ローラー群41がそれぞれ回転駆動される。このときに回転駆動される給紙ローラー及び分離ローラー対は、原稿サイズ検知センサー26によって検知された原稿サイズ及び拡大縮小倍率に基づいて制御手段82により選択された給紙トレイに対応したものが自動的に選択される。給紙ローラー及び分離ローラー対の回転により、第1給紙トレイ28あるいは第3給紙トレイ30上に積載された印刷用紙Pの最上位の1枚が引き出され、引き出された印刷用紙Pはその先端をレジストローラー対42にくわえ込まれる。 【0039】版胴60に巻装されたマスタ48の画像領域先端部がプレスローラー62と対応する位置に到達する直前の所定のタイミングにおいて、制御手段82から動作指令が送られてレジストローラー対42が回転して版胴60とプレスローラー62との間に向けて印刷用紙Pが給送される。制御手段82は、レジストローラー対42への動作指令とほぼ同時にプレスローラー62を保持する図示しない保持手段に動作指令を送り、プレスローラー62を揺動させる。レジストローラー対42により給送された印刷用紙Pは、プレスローラー62によって版胴60に巻装されたマスタ48に押圧される。この押圧動作によりプレスローラー62と印刷用紙Pとマスタ48と版胴60の外周面とが圧接し、インキローラー65によって版胴60の内周面に供給されたインキが版胴60の開口部及びメッシュスクリーンより滲出した後に版胴60の外周面とマスタ48との空隙部に充填され、マスタ48の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移される。 【0040】インキを転移された印刷用紙Pは剥離爪71の先端で版胴60の外周面より剥離され、ガイド板72,73間を通って排紙搬送部材74に案内される。排紙搬送部材74に送られた印刷用紙Pは、吸引ファン79の吸引力によって無端ベルト78の上面に引き付けられつつ左方へと搬送され、排紙トレイ80上に排出されて版付け動作が完了する。版付け動作完了後、版胴60が版付け時よりも高速である設定された印刷速度に応じた周速度で回転駆動されると共に、版付け時に選択されたトレイから印刷用紙Pが連続的に供給されて印刷動作が行われる。供給された印刷用紙Pはレジストローラー対42で一時停留された後に版付け時と同様の所定のタイミングで印刷部5に向けて給送され、プレスローラー62によって版胴60に押圧されて印刷画像を転写された後、排紙トレイ80上に排出される。そして、設定された枚数の印刷が完了すると、孔版印刷装置1は版胴60をホームポジションに戻して全ての動作を一時停止する。 【0041】1枚目の原稿に対する設定された枚数の印刷動作が完了すると、再び版胴60が作動して上述と同様に排版動作が行われる。排版動作が完了し、版胴60が給版位置を占めた後にクランパー64が開放されると、製版部4において製版動作が行われる。プラテンローラー51及びマスタ搬送ローラー対53,54の作動によりマスタロール48aよりマスタ48が引き出され、引き出されたマスタ48の製版領域先端部がサーマルヘッド50とプラテンローラー51との圧接部に到達すると、画像処理部55が2枚目の原稿に対応する画像データを画像メモリより呼び出し、この画像データに基づいた動作指令をサーマルヘッド50に向けて送る。サーマルヘッド50は、マスタ48に2枚目原稿の製版画像をその製版モードに応じて加熱穿孔製版する。製版されたマスタ48はクランパー64へと送られ、クランパー64が閉じられることでその先端部を版胴60上に係止される。クランパー64が閉じられた後に版胴60がマスタ48の搬送速度と同じ周速度で回転することにより、版胴60へのマスタ48の巻装が行われる。その後、切断手段52が作動してマスタ48が切断され、切断されたマスタ48は版胴60の回転によって引き出されて巻装動作が完了する。 【0042】巻装動作完了後、版胴60が低速で回転駆動されると共に給紙部3より1枚の印刷用紙Pが給送され、上述と同様に版付け動作が行われる。版付け動作完了後、版胴60が高速で回転駆動されると共に給紙部3より印刷用紙Pが連続的に給送されて印刷動作が行われる。印刷動作完了後、孔版印刷装置1は一時停止し、画像メモリ56に画像データが残存している場合には上述と同様に排版、製版、給版、版付け、印刷の各動作を繰り返す。上述した一連の動作の流れを図9に示す。 【0043】上述の構成とすることにより、複数の原稿の画像データを各原稿の製版モードに応じて画像メモリ56内に格納した後、オペレーターは各種設定を行い1度製版スタートキー101を押下するだけで読み取られた原稿の印刷を自動的に行うことができるので、オペレーターがその場にいなくとも所望の製版モードに応じた複数種類の印刷物を得ることができ、かつオペレーターの作業効率を格段に向上させることができる。また、ADFユニット24を使用することにより各原稿をコンタクトガラス10上にセットする手間が省け、操作性が向上する。さらに、給紙部3として複数サイズの印刷用紙Pを貯容可能なものを用いることにより、複数サイズの原稿をも一度に読み取ることができ、作業性を向上させることができる。 【0044】上記実施例の変形例として、製版部4に代えて例えば特開平7―304243号に記載されているような製版されたマスタを貯容するマスタストック手段を有する製版部を用いる構成としてもよい。この構成とすることにより、1枚目の原稿画像の印刷中に2枚目の原稿画像の製版動作を行い、製版されたマスタをマスタストック手段に貯容させておくことで、1枚目の印刷動作完了後に製版動作を行うことがなく、さらに排版動作完了後に版胴を高速で回転させつつ巻装動作を行うことができるので、ファーストプリントタイムを短縮させることができる。 【0045】さらに、上記実施例では製版スタートキー101を押下する前に全ての原稿の画像を画像読取部2で読み取って画像メモリ56に画像データとして格納する構成としたが、1枚目の原稿画像に対する製版動作中あるいは印刷動作中に2枚目以降の原稿の読取動作を上述と同様に行う構成としても同様の作用効果を得ることができる。この構成の場合、1枚目の原稿の読取動作を行った後に1枚目の原稿に対する印刷設定を行い、製版スタートキー101を押下して孔版印刷装置1に一連の動作を行わせて、設定された印刷枚数が印刷された時点で孔版印刷装置1を一時停止させる。その後、2枚目以降の原稿に対する印刷設定をそれぞれ行った後に製版スタートキー101を再度押下する。通常は製版動作時間よりも印刷動作時間の方が長いので、印刷すべき原稿枚数が多い場合は印刷動作中に原稿読取動作を行う構成とすることが望ましい。 【0046】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数の原稿の画像データを各原稿の製版モードに応じて画像メモリ内に格納した後、オペレーターは各種設定を行い1度製版スタートキーを押下するだけで読み取られた原稿の印刷を自動的に行うことができるので、オペレーターがその場にいなくとも所望の製版モードに応じた複数種類の印刷物を得ることができ、かつオペレーターの作業効率を格段に向上させることができる。 【0047】請求項2記載の発明によれば、1枚目の原稿画像に対する製版動作中に以下の原稿の画像データを各原稿の製版モードに応じて画像メモリ内に格納することにより、オペレーターがその場にいなくとも所望の製版モードに応じた複数種類の印刷物を得ることができ、かつオペレーターの作業効率を格段に向上させることができる。 【0048】請求項3記載の発明によれば、1枚目の原稿画像に対する印刷動作中に以下の原稿の画像データを各原稿の製版モードに応じて画像メモリ内に格納することにより、オペレーターがその場にいなくとも所望の製版モードに応じた複数種類の印刷物を得ることができ、かつオペレーターの作業効率を格段に向上させることができる。 【0049】請求項4記載の発明によれば、ADFユニットを使用することにより各原稿を画像読取部にセットする手間が省け、操作性が向上する。 【0050】請求項5記載の発明によれば、複数サイズの用紙を貯容可能な給紙部を用いることにより、複数サイズの原稿をも一度に読み取ることができ、作業性を向上させることができる。 【0051】請求項6記載の発明によれば、マスタストック手段を有する製版部を用いることにより、先の原稿画像の印刷中に後の原稿画像の製版動作を行い製版されたマスタをマスタストック手段に貯容させておくことができ、先の印刷動作完了後に製版動作を省略することができると共に排版動作完了後に版胴を高速で回転させつつ巻装動作を行うことができるので、ファーストプリントタイムを短縮させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000221937 【氏名又は名称】東北リコー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月5日(2000.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067873 【弁理士】 【氏名又は名称】樺山 亨 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−19248(P2002−19248A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月23日(2002.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願2000−203800(P2000−203800) |
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