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【発明の名称】 LEDプリントヘッド及びその製造方法
【発明者】 【氏名】秋山 省一

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の発光部分が配列されたLEDアレイを光源とするLEDプリントヘッドにおいて、前記LEDアレイの発光部分の近傍に、前記発光部分の各々のLEDに対応して、回転楕円体の一部を切出し、内面に反射層を形成したマイクロミラーが配列されたマイクロミラーアレイを備えたことを特徴とするLEDプリントヘッド。
【請求項2】 前記マイクロミラーは、回転楕円体の長軸方向の両端部を長軸に垂直な面で切り落とした形状であり、LEDの主な発光領域と、一方の開口部である光射出部とが、前記回転楕円体の2つの焦点あるいはその近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載のLEDプリントヘッド。
【請求項3】 前記LEDの発光部分はメサ形状に加工された突起部分に形成され、主な発光部分は前記メサ形状の側面にあり、前記発光部分から放射される光の主要な放射方向は前記メサ形状の側面に略垂直な方向にあることを特徴とする請求項2記載のLEDプリントヘッド。
【請求項4】 前記マイクロミラーの内面に形成される反射層は、アルミニウム,チタン,金,銀,タングステン,ニッケル,クロムより選択された材料の薄膜、またはこれらの合金の薄膜、もしくはこれらの薄膜の積層体よりなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載のLEDプリントヘッド。
【請求項5】 前記回転楕円体をその中央で長軸に垂直な面で2分した形状を基板表面から彫り込んで、前記マイクロミラーの上半部または下半部をなす形状が複数配列された半マイクロミラーアレイ基板を作成する工程と、前記半マイクロミラーアレイ基板をLEDチップアレイ表面に固定する工程と、前記LEDチップアレイ表面に固定された前記半マイクロミラーアレイ基板上に他の半マイクロミラーアレイ基板を固定する工程と、からなることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のLEDプリントヘッド製造方法。
【請求項6】 前記半マイクロミラーアレイ基板同士を接合する工程は、陽極接合または直接接合によって行われることを特徴とする請求項5に記載のLEDプリントヘッド製造方法。
【請求項7】 (1)基板表面に、該基板に近い側から第1のレジスト層、エッチングマスク層、第2のレジスト層が堆積された3層レジスト層を形成する工程と、(2)前記第2のレジスト層に円形開口を形成するフォトリソグラフィ工程と、(3)前記円形開口を通してこれとほぼ同じ直径の円形開口を前記エッチングマスク層に設ける工程と、(4)前記エッチングマスク層を通して前記円形開口とほぼ同じ直径の円筒形状を前記第1のレジスト層に形成する工程と、(5)前記エッチングマスク層を除去せずに、該エッチングマスク層の円形開口から前記第1のレジスト層を等方的にエッチングすることにより前記第1のレジスト層に回転楕円体の部分形状を形成する工程と、(6)前記第1のレジスト形状をドライエッチングにより前記基板に転写する工程と、により前記半マイクロミラーアレイを形成することを特徴とする請求項5または6記載のLEDプリントヘッド製造方法。
【請求項8】 前記基板の材質は、石英ガラスまたはホウ珪酸ガラスであり、前記エッチングマスク層はアルミニウム,チタン,クロムより選択された材料の薄膜であることを特徴とする請求項7記載のLEDプリントヘッド製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写装置、電子写真プリンタ等の作像エンジンに用いられるLED(light emitting diode)プリントヘッド及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、回転楕円体マイクロミラーを多数配置したマイクロミラーアレイを備え、発光部分以外からの異常光や他の位置での反射光が迷光となり画像品質を低下させることのないLEDプリントヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LEDアレイを光源としたLEDプリントヘッドからなる光書き込み装置は、電子写真装置の小型化に効果が大きいため、種々の装置が開発され使用されている。このような装置に使用されるLEDアレイ素子の1例が、特開平6−125114号公報に開示されている。特開平6−125114号公報に開示されたようなLEDアレイ素子を用いた光書き込み装置においては、発光部以外から放射される光が迷光となり画像の品質を低下させるという問題が生じる場合があった。従来のLEDアレイを光源として用いる光書き込み装置は、400dpi程度の比較的低い解像度の装置がほとんどであったので、このような迷光の影響はあまり問題とならなかったが、近年は600dpi等の高解像度の装置が実現されるようになり、画像品質を低下させる原因として無視できなくなっている。
【0003】図2は、従来の光書き込み装置の概略構成を示す図である。LEDチップ21は、図示しないドライバIC等とともに基板24上に実装され、LEDチップ21上のボンディングパッド22からボンディングワイヤ25により電流が供給される。等倍結像素子26は、多くの場合屈折率分布ファイバを用いたレンズアレイが用いられる。このような光書き込み装置では、LEDチップ21の本来の発光領域23以外から等倍結像素子26に入射する光が存在し、これが画像品質を低下させることがあった。例えば、図2に点線で示したように、LEDチップ21の発光領域23からの光がボンディングワイヤ25等により反射され等倍結像素子26に入射し、感光体27上に不要なスポットを生じたり迷光となって画像の解像度を低下させることが避けられなかった。また、LEDチップ21の本来発光すべきでない領域が、作成時のプロセスの異常などにより発光してしまう場合があり、このような光も画像品質を低下させる原因となっている。
【0004】LED発光部以外の領域からの光により画像品質が低下することを防ぐ方法として、特開平4−179558号公報にはLEDアレイ発光部以外の領域を遮光効果塗料で覆う方法が開示されている。この方法をボンディング部にも適用して、この部位での反射光をも減じることができる。しかし、遮光性塗料の表面でも若干の反射率は有しているので、反射光を完全に無くすことはできず、新たに遮光性塗料での反射光が迷光となる。遮光性塗料表面での若干の反射は、従来LEDアレイの解像度が小さい場合には全く問題とならなかったが、近年の高解像度の光書き込み装置では微弱な迷光でも無視できない影響を及ぼし画像品質を低下させるため、遮光性塗料により反射光の防止を図る方法の効果は不十分である。
【0005】特開平9−186367号公報,特開平06−091934号公報にも同様の技術が開示されているが、前記従来例と同様の問題がある。また、従来例の方法では発光部分からの放射光が側面部分から放射されるような素子についてはその大部分が光素子手段により遮られてしまうため、書込み光として有効に利用される光の割合が減少し、書込み速度の低下等を余儀なくされるという問題がある。
【0006】また、LEDアレイの発光領域の近傍に、各々のマイクロミラーが円錐形状であるマイクロミラーアレイを設け、側面からの射出光を偏向し、書込み光として有効に作用させるようにしたものもあるが、この場合、円錐形状のマイクロミラーにより、等価的に発光スポットの直径が大きくなってしまう。高分解能の光書込みを行ないたい場合等は、より小さな発光スポットの方が有利であるので、そのような場合にはこの方法は適さない場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技術が有している問題点に鑑み、発光領域以外からの光が画像品質を低下させることのないLEDプリントヘッドの実現を可能とする構造を提供することである。また、発光スポット直径が広がらないLEDプリントヘッドの構造とその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その第1の技術手段は、複数の発光部分が配列されたLEDアレイを光源とするLEDプリントヘッドにおいて、前記LEDアレイの発光部分の近傍に、前記発光部分の各々のLEDに対応して、回転楕円体の一部を切出し、内面に反射層が形成されたマイクロミラーが配列されたマイクロミラーアレイを備えたことを特徴とする。
【0009】第2の技術手段は、第1の技術手段のLEDプリントヘッドにおいて、前記マイクロミラーは、回転楕円体の長軸方向の両端部を長軸に垂直な面で切り落とした形状であり、LEDの主な発光領域と、一方の開口部である光射出部とが、前記回転楕円体の2つの焦点あるいはその近傍に配置されていることを特徴とする。
【0010】第3の技術手段は、第2の技術手段のLEDプリントヘッドにおいて、前記LEDの発光部分はメサ形状に加工された突起部分に形成され、主な発光部分は前記メサ形状の側面にあり、前記発光部分から放射される光の主要な放射方向は前記メサ形状の側面に略垂直な方向にあることを特徴とする。
【0011】第4の技術手段は、第1〜3の技術手段のLEDプリントヘッドにおいて、前記マイクロミラーの内面に形成される反射層は、アルミニウム,チタン,金,銀,タングステン,ニッケル,クロムより選択された材料の薄膜、またはこれらの合金の薄膜、もしくはこれらの薄膜の積層体よりなることを特徴とする。
【0012】第5の技術手段は、第1〜4の技術手段のLEDプリントヘッド製造方法において、前記回転楕円体をその中央で長軸に垂直な面で2分した形状を基板表面から彫り込んで、前記マイクロミラーの上半部または下半部をなす形状が複数配列された半マイクロミラーアレイ基板を作成する工程と、前記半マイクロミラーアレイ基板をLEDチップアレイ表面に固定する工程と、前記LEDチップアレイ表面に固定された前記半マイクロミラーアレイ基板上に他の半マイクロミラーアレイ基板を固定する工程とからなることを特徴とする。
【0013】第6の技術手段は、第5の技術手段のLEDプリントヘッド製造方法において、前記半マイクロミラーアレイ基板同士を接合する工程は、陽極接合または直接接合によって行われることを特徴とする。
【0014】第7の技術手段は、第5または第6の技術手段のLEDプリントヘッド製造方法において、(1)基板表面に、該基板に近い側から第1のレジスト層、エッチングマスク層、第2のレジスト層が堆積された3層レジスト層を形成する工程と、(2)前記第2のレジスト層に円形開口を形成するフォトリソグラフィ工程と、(3)前記円形開口を通してこれとほぼ同じ直径の円形開口を前記エッチングマスク層に設ける工程と、(4)前記エッチングマスク層を通して前記円形開口とほぼ同じ直径の円筒形状を前記第1のレジスト層に形成する工程と、(5)前記エッチングマスク層を除去せずに、該エッチングマスク層の円形開口から前記第1のレジスト層を等方的にエッチングすることにより前記第1のレジスト層に回転楕円体の部分形状を形成する工程と、(6)前記第1のレジスト形状をドライエッチングにより前記基板に転写する工程により前記半マイクロミラーアレイを形成することを特徴とする。
【0015】第8の技術手段は、第7の技術手段のLEDプリントヘッド製造方法において、前記基板の材質は、石英ガラスまたはホウ珪酸ガラスであり、前記エッチングマスク層はアルミニウム,チタン,クロムより選択された材料の薄膜であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明による実施例のLEDプリントヘッドの概略構成を示す側断面図である。LEDプリントヘッドは、基板上に多数のLEDを直線状に配列したLEDアレイチップ1の発光部分2に近接して、基板に多数のマイクロミラー4が一直線状に形成されたマイクロミラーアレイ3を備えており、LEDアレイチップ1の各々の発光部分と、マイクロミラーアレイ3の各々のマイクロミラー4とはそれぞれ対応して配置されている。マイクロミラーアレイ3を形成している個々のマイクロミラー4は、内部が空洞である回転楕円体形状をなし、回転楕円体の長軸方向の両端部を長軸に垂直な面で切り落とした形状で、垂直な面は焦点Fa,Fbを含むか、または焦点Fa,Fb近傍の点を含む面である。個々のマイクロミラー4の内面には反射層が形成されており、LEDが発光した光が減衰することなくマイクロミラー4の出射口から出射し、さらに等倍結像素子に入射することができる。
【0017】そして、このような構成のマイクロミラーアレイ3を、それぞれのマイクロミラー4の一方の焦点FaがLEDアレイチップ1の発光部分2と一致するか近傍にあるように配置すると、LEDアレイチップ1のそれぞれの発光部分2の発光スポットの直径は開口の直径で制限され、前記従来技術のテーパ形状のマイクロミラーを用いた場合のように発光スポット直径が大きくなることはない。また、LEDアレイチップ1の発光領域以外の部分からの不要な発光や、不要な反射光が遮られるので、画像品質が低下するという問題も解決される。
【0018】さらに、従来のメサ型の発光部分を備えたLEDプリントヘッドは、なるべく上面から光を取り出そうと工夫していたので、電極の接続抵抗が増加し、素子の光強度低下を招いていた。本発明の実施例においては、LEDの発光部分はメサ形状に加工された突起部分に形成され、主な発光部分は前記メサ形状の側面にあり、前記発光部分から放射される光の主要な放射方向は前記メサ形状の側面に略垂直な方向にあるようにすることができるので、主な光束が発光部分の側面から放射される素子においても、それらの光束を有効に光書き込みに作用させることができる。また、このようにすることにより、メサ形状の発光部分からの光を電極の形成された上面から射出させることが不要となり、光をメサ部分から取り出しやすいので、より光強度の大きいLEDプリントヘッドを得ることができる。
【0019】多数の回転楕円体形状のマイクロミラー4を一直線状に配列した有するマイクロミラーアレイ3は、それぞれのマイクロミラー4が同一の基板に複数作成されたアレイ形状として作成することによって工業的に量産され低コスト化される。多数の回転楕円体形状のマイクロミラー4を直線状に配列した構成の回転楕円体マイクロミラーアレイ3は、回転楕円体の長軸の中央で長軸に垂直な面で二分割した、半マイクロミラーアレイ3a,3bを対向させて重ねることにより作成することができる。LEDアレイチップ1のLED側に位置する一方の半マイクロミラーアレイ3aは、発光素子上に紫外線硬化樹脂により接着する等により適切な間隔を持たせて、あるいは密着させて実装することができる。この上に載置する他方の半マイクロミラーアレイ3bは、同様にして紫外線硬化樹脂で接着することもできるが、この部分は接合時に隙間を生じると回転楕円体マイクロミラーの機能を著しく損なうので、接合隙間を生じない方法を用いて接合する必要がある。その具体的方法としては、陽極接合または直接接合等の接合方法が適している。個々のマイクロミラー4に付される反射層としては、アルミニウム,チタン,金,銀,タングステン,ニッケル,クロムより選択された材料またはこれらの合金の薄膜もしくはこれらの積層体よりなる膜が適している。
【0020】半マイクロミラーアレイ3a,3bを形成する半マイクロミラーアレイ基板は、一般的な光学部品加工方法により作成することも不可能ではないが、1200dpiの解像度のプリントヘッドを例にすると、そのマイクロミラーの直径は20μmとなるので、極めて困難である。これを解決する方法として、基板材料をドライエッチングにより形状加工する製造方法が適している。この製造方法によれば、マイクロミラー4の直径が20μm程度の微小なものであっても、高精度に回転楕円体形状とすることができる。ドライエッチングによる製造方法における基板材料としては、石英ガラス、もしくはホウ珪酸ガラスが適している。また、この製造方法で用いるエッチングマスク層は、アルミニウム,チタン,クロムより選択された材料の薄膜であると、エッチング中に侵されることがないので、高精度な形状を得ることができる。
【0021】以下、本発明の実施例で用いる回転楕円体マイクロミラーアレイ3を形成する方法及びマイクロミラーアレイ3を備えたLEDプリントヘッドの組立方法について説明する。
(実施例1)図1は、前記したように回転楕円体マイクロミラーアレイ3を備えたLEDプリントヘッドの概略の構成を示すものであるが、以下の説明においては、解像度が600dpiのLEDプリントヘッドに用いる回転楕円体マイクロミラーアレイ3を形成する場合の一連の工程を例としている。
【0022】まず、石英ガラス基板を厚さ40μmに研磨し、平坦度のよいガラス板に熱可塑性樹脂により張り付け、石英ガラス上にフォトレジストを塗布する。フォトレジストには東京応化(株)製のOFPR8600を使用し、厚さ10μmとなるようにスピンコート法により塗布する。
【0023】このフォトレジストをプリベークした後、常温でアルミニウムを1μmの厚さ蒸着する。この上にフォトレジスト(東京応化(株)製のOFPR8600)を1μmの厚さに塗布し、20μmの直径を有する円形の開口が40μmピッチ(600dpi)で直線状に配列されたパターンを焼き付け、通常の現像、リンス工程を施して苛性カリ溶液によりアルミニウムをエッチングした。
【0024】次に、アルミニウム膜をマスクとして初めにコートしたレジスト膜をドライエッチングすることにより、レジスト膜に20μmの直径の円筒形状を基板面まで貫通して形成する。
【0025】次に、アルミニウム膜を除去しない状態で、フォトレジスト膜を加熱により軟化させる。その際、アルミニウム膜を除去しない状態としていることにより、レジスト膜の上部はアルミニウム膜に設けられた開口部の大きさに規定され、一方、フォトレジスト膜の円筒形状の側面及び底面はレジスト材料が軟化し、その表面張力により変形して断面が曲面となるので、回転楕円体形状の半分の形状が作製される。加熱温度と、加熱時間を調節することにより、最終的に作製される形状が回転楕円体の半分の形状となる。次に、アルミニウム膜を苛性カリ溶液でエッチングして除去する。
【0026】次に、回転楕円体形状の形成されたレジスト膜をエッチングマスクとして、ガラス基板をドライエッチングし、レジスト膜の形状をガラス基板に彫り写す。
【0027】次に、基体となるガラス板に貼り付けたままの状態でエッチングマスクを除去し、真空蒸着装置により石英ガラス基板に金を7000Åの厚さに蒸着する。
【0028】この後、ガラス板を加熱して石英ガラス基板を取り外し、有機溶剤により洗浄して貼り付けのために用いた熱可塑性樹脂を除去し、半マイクロミラーアレイを完成する。
【0029】次に、回転楕円体マイクロミラーアレイ3を備えた、図1に示す構造を有するLEDプリントヘッド、すなわち光書き込み装置を製作する。図示しない等倍結像素子は日本板硝子株式会社製のSLA12Dを用いる。半導体発光素子(LED)は、シリコンウエハ上にガリウム砒素結晶層をヘテロエピタキシャル法により成長し、この層に亜鉛を拡散してPN接合を形成し、このガリウム砒素層を塩素ガスによるドライエッチングにより10μm×10μmの角柱形状が40μmピッチで直線状に配列(600dpi)されたアレイ形状にパターニングし、発光層領域としたものを用いる。
【0030】次に、半導体発光素子全面に絶縁膜として酸化シリコン膜を5000Å堆積し、コンタクトホールを形成して発光層領域にアルミニウムにより配線を施し、ボンディングパッドを形成した。LED発光領域を中心として両側に配線を引き出し、発光層領域より概ね300μm離れた位置にボンディングパッドを配置し、ドライバ集積回路のボンディングパッドとの間をボンディングワイヤで接続する。ワイヤボンディングは18μmの金ワイヤを使用する。
【0031】次に、前記したようにして製作した半マイクロミラーアレイ3aを紫外線硬化樹脂により接着し、もう一方の半マイクロミラーアレイ3bをその上に紫外線硬化樹脂により接着する。
【0032】比較のために、上記と同じ半導体発光素子の発光領域以外の部位を黒色の遮光性塗料で覆った半導体発光素子を作成し、これを使用したLEDプリントヘッド(光書き込み装置)を製作した。
【0033】本発明のLEDプリントヘッド(光書き込み装置)、及び上記比較のために製作したLEDプリントヘッド(光書き込み装置)を用いて電子写真感光体(OPC)上に潜像を形成し、トナーを付着させてその画像品質を評価した。評価は発光領域の形状が良好に転写され不要なパターンを生じていないものを適とし、発光領域の形状が著しく変形するか不要なパターンが生じている場合を不適とした。また、評価は、製造直後と長期間使用後の状況を再現するため、温度サイクルの耐環境試験を経たものの双方について行った。画像評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】遮光性塗料を塗布した比較例のLEDプリントヘッドでは、半導体発光素子表面の若干の反射により画像品質の低下が製造直後から見られたが、本発明の実施例のLEDプリントヘッドでは不要な照射光による異常は見られなかった。ボンディングワイヤからの反射光や発光領域以外からの不要な光による画像品質の低下がない光書き込み装置が製造でき、長期間の使用後にもその性能が保持されることが確かめられた。また、本発明の実施例のLEDプリントヘッドは露光光量の低下がないので、遮光した場合に比べて速い速度で画像を書き込むことができ、スポット径が増大して解像度が低下することもなかった。
【0036】(実施例2)LEDアレイチップ1側に配置されるる半マイクロミラーアレイ3aには、反射層の上にアルカリ元素を含むガラス膜をスパッタリングで堆積し、その上に設置される半マイクロミラーアレイ3bには反射層の上にシリコンをスパッタリングで堆積して、これらの接着を半マイクロミラーアレイ3a,3b間に電圧を印可することにより接合する陽極接合法により行なった。この際、400℃に加熱したが、LEDチップはこの加熱温度に耐えられないので、予め2つの半マイクロミラーアレイ基板を陽極接合法で張り合わせた後、これを紫外線硬化樹脂でLEDチップに装荷した。これ以外は、実施例1と同様の工程により作成した。このようにして形成されたLEDプリントヘッドは、実施例1のLEDプリントヘッドに比べて光量が増加した。実施例1のLEDプリントヘッドでは半マイクロミラーアレイ3a,3bの接合部分で若干の光量の損失があったが、実施例2のマイクロミラーアレイではほとんど損失がないためと考えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1のLEDプリントヘッドによれば、発光部分以外からの異常光や他の位置での反射光が迷光となり画像品質を低下させることのない光書込みが可能になる。
【0038】請求項2の発明によれば、回転楕円体の焦点に発光部分があり、もう一つの焦点に光射出部があることにより、光射出部の焦点に仮想の発光部分が形成され、発光光量が有効に活用される。
【0039】請求項3の発明によれば、メサ形状の発光部分からの光を電極の形成された上面から射出させることが不要となり、光をメサ部分から取り出しやすいので、より光強度の大きいLEDプリントヘッドを得ることができる。
【0040】請求項4の発明によれば、回転楕円体マイクロミラーの反射率が高く、また反射率の経時変化が少ない反射層が提供でき、LEDプリントヘッドの経時的な性能低下を防ぐことができる。
【0041】請求項5の発明によれば、同様の構成の一対の半マイクロミラーアレイを接合することによって回転楕円体マイクロミラーアレイを容易に形成することができ、またLEDチップアレイ上に回転楕円体マイクロミラーアレイを容易に形成することができる。
【0042】請求項6の発明によれば、一対の半マイクロミラーアレイ同士を陽極接合または直接接合により接合するので、接合部分に隙間を生じることがなく、マイクロミラーの機能を著しく損なうことがない。
【0043】請求項7の発明によれば、回転楕円体マイクロミラーアレイを半導体プロセスを用いた一般的な装置によって作製することができるので、作製精度が高く、且つ作製コストを小さくすることができる。
【0044】請求項8の発明によれば、ドライエッチングを行ない易い基板材料を使用することにより、請求項7の製造方法の実施が容易になる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成13年1月17日(2001.1.17)
【代理人】 【識別番号】100079843
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 明近 (外2名)
【公開番号】 特開2002−211030(P2002−211030A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−8538(P2001−8538)