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【発明の名称】 インクジェット記録装置
【発明者】 【氏名】前田 一幸

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インクを吐出する複数のノズルと該複数のノズルにインクを供給する共通液室を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させる吐出手段を有し、各ノズル毎に複数個のインク吐出口を設けて構成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】 インクを吐出する複数のノズルを主走査方向に対して垂直に並設し、該複数のノズルにインクを供給する共通液室を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させる吐出手段を有し、各ノズル毎に2個のインク吐出口を設け、インク吐出口をノズルの並設方向に並べて構成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドから被記録材に対してインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材上にドットパターンから成る画像を記録していくよう構成されている。
【0003】ところで、この種の記録装置は、記録方式によってインクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができ、そのうちのインクジェット式(インクジェット記録装置)は記録ヘッドの吐出口からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、これを被記録材に付着させて記録するよう構成されている。
【0004】記録ヘッドのノズル内に電熱変換素子(ヒータ)を設け、それに通電して発熱させ、その熱で発生する気泡の膨張力でインクを吐出飛翔させる方式(バブルジェット方式)のものは、各吐出口内に設けられた電熱変換素子(ヒータ)のサイズが従来用いられていた圧電素子と比べて格段に小さく、吐出口の高密度のマルチ化が可能となる。
【0005】図15〜図19は従来技術を説明する図である。
【0006】図15は記録ヘッド1001の正面図であり、インクがこちら側に飛んでくる方向に見た図である。図15において、1002はノズルであり、説明を簡単にするために記録ヘッド1001に形成されたノズル1002の数は8個とする。
【0007】而して、印刷時には図のB−B’方向に主走査しながらインクを吐出し、全ノズル1002の幅分の印刷が終わると、記録ヘッド1001は初期位置に戻り、印刷される媒体であるメディアが主走査に対して垂直方向に記録ヘッド1001の全ノズル1002の幅分だけ送られて次の所を印刷する。これが繰り返されて画像形成される。
【0008】次に、ノズル1002の構造について説明する。
【0009】図16は記録ヘッド1001のノズル1002の主要部分の断面図(図15のB−B’線断面図)であり、同図において、1002はインクの吐出口としてのノズル、1003は空洞の液室、1004は電熱変換素子(ヒータ)である。
【0010】次に、図17に基づいて記録ヘッド1001の動作を説明する。図7(a)に示すように、電熱変換素子1004に通電してこれを発熱させると、インク1006の主成分である水が気化して水蒸気になる。尚、図中、1005はその気体であって気泡となる。
【0011】そして、電熱変換素子1004への通電を続けると、図7(b)に示すように、その気泡1005の膨張力でインク1006をノズル(吐出口)1002に押しやる。その後、更に通電を続けると、図7(c)に示すようにインク1006がノズル1002から飛翔する。
【0012】電熱変換素子1004の通電が止まると、リフィール(毛細管現象によりノズル1002内にインク1006が充填される)により液室1003にインク1006が満たされ、次の吐出に備える。
【0013】1個のインク1006を吐出してメディアに着弾すると、インク1006の広がった所がインク1006の色に染まる。これを、ドロップレットと言う。図18にその輪郭を示す。
【0014】図19は図15に示す記録ヘッドで全ノズル吐出して主走査方向にスキャンしだときのドロップレットを図示している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット方式で階調性のある画像を記録する上での問題点の1つとして、画像のハイライト部(つまり、光学濃度(以下、「OD」と称する)が低い部分)の画質がある。
【0016】前記従来の記録ヘッドを用いて印刷し、より近い距離で見ると、ドット径が大きくてドットODが高い場合には、1つ1つのドットが見えてしまい、所謂粒状感(本来滑らかであるべき画像がザラザラに見えてしまうこと)を生じることになる。
【0017】従来では、インクの吐出量が多いのためにドロップレットが大きくなり、粒伏感が悪くなって画質の低下を招く。これの対策として、インクの吐出量を少なくしてドット径を小さくすることが考えられる。これには、より小さな記録ヘッドを作れば良いが、微小ヘッドを作るのは技術的に難しい。又、吐出量の大きな記録ヘッドと同等のインク濃度を出すには、吐出量が減った分だけ印刷密度を上げなければならず、印刷密度を上げると、印刷時間が延びるという問題があった。
【0018】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、短時間での高画質印刷が可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、インクを吐出する複数のノズルと該複数のノズルにインクを供給する共通液室を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させる吐出手段を含んでインクジェット記録装置を構成し、各ノズル毎に複数個のインク吐出口を設けたことを特徴とする。
【0020】請求項2記載の発明は、インクを吐出する複数のノズルを主走査方向に対して垂直に並設し、該複数のノズルにインクを供給する共通液室を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出させる吐出手段を含んでインクジェット記録装置を構成し、各ノズル毎に2個のインク吐出口を設け、インク吐出口をノズルの並設方向に並べたことを特徴とする。
【0021】従って、請求項1記載の発明によれば、吐出手段から複数のインク滴を吐出することによって、細かいインク滴による高画質の画像形成が可能になる。
【0022】又、請求項2記載の発明によれば、1個のノズルからノズルの並び方向にインク滴を分割して吐出することによって印刷密度を上げることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】<実施の形態1>。図1は本発明に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドの正面図であって、インクがこちら側に飛んでくる方向に見た図、図2は図1のA−A’線断面図である。
【0025】図1において、1は記録ヘッド、2,3,4,5は吐出口であり、4個の吐出口2,3,4,5によって1つのノズルが構成されている。尚、ここでは説明を簡単にするために記録ヘッド1のノズル数は8個とする。
【0026】而して、印刷時には図1のA−A’方向に主走査しながらインクを吐出し、全ノズルの幅分印刷が終わると、記録ヘッド1は初期位置に戻り、印刷される媒体であるメディアが主走査に対して垂直方向に記録ヘッド1の全ノズル幅分だけ送られて次の所を印刷する。これを繰り返すことによって画像が形成される。
【0027】次に、ノズルの構造を図2に基づいて説明する。
【0028】前述のように、2,3,4,5はインクの吐出口であって、これら4つの吐出口2〜5が1つのノズルを構成している。6は撥水面であって、吐出口2〜5の隣同士のインクが表面張力によって結合しないよう撥水処理が施されている。
【0029】又、7は空洞の液室、8は電熱変換素子(ヒータ)である。
【0030】次に、記録ヘッド1の動作を図3に基づいて説明する。
【0031】図3(a)に示すように、液室7の内面は親水処理されており、図の上部より供給されたインクが毛細管現象によってリフィールし、液室7内を満たす。
【0032】図3(b)に示すように、電熱変換素子8に通電してこれを発熱させると、インクの主成分である水が気化して水蒸気になる。尚、9はその気体であって、気泡となる。
【0033】そして、通電を続けると、図3(c)に示すように、気泡9の膨張力でインク10と11が吐出口2〜5に押しやられる。その後、更に通電を続けると、図3(d)に示すように、インク10と11が吐出口2〜5から飛翔する。このとき、吐出口2〜4の数分だけのインク液滴が吐出する。電熱変換素子8の通電が止まるとリフィール(毛細管現象によりノズル内にインクが充填される)により液室7にインクが満たされ、次の吐出に備えられる。
【0034】而して、本実施の形態においては、1個のノズルにて4個のインクを吐出してメディアに着弾させるため、従来は1個の大きなドットであったものが、4個の小さなドットとして形成される。
【0035】図4は1個のノズルで形成されたドロップレットの輪郭を示す。1つのノズルで4個のインクが少しずつずれて着弾し、小さなドロップレットが4個形成されている。
【0036】図5は図1に示した記録ヘッド1で全ノズル吐出し、主走査方向にスキャンしだときのドロップレットを示す。図17に示した画像に比べ、本実施の形態で形成された画像の方が粒状態が少なく、高画質な画像が形成される。
【0037】尚、本発明は1つのノズルに対して複数の吐出口が有れば良いため、バブルジェット(登録商標)方式の印刷方式のみではなく、圧電素子を用いたピエゾ方式(ピエゾ等の電気により可変する素子を用いて液室に振動又は圧力を高めてインクを吐出する方式)の印刷装置にも適用可能である。
【0038】<実施の形態2>次に、本発明の実施の形態2を図6〜図9に基づいて説明する。
【0039】図6は本実施の形態に係る記録ヘッド1の正面図であって、インクがこちら側に飛んでくる方向に見た図である。
【0040】本実施の形態に係る記録ヘッド1の前記実施の形態1に係る記録ヘッド1との違いは、2個の吐出口2,3で1個のノズルを構成している点であり、他の構成は同様であるために説明を省略する。
【0041】図7に1個のノズルで形成されたドロップレットの輪郭を示すが、1ノズルで2個のインクが少しずつずれて着弾して小さなドロップレットが2個形成されている。
【0042】図8及び図9に図6に示した記録ヘッド1で全ノズル吐出し、主走査方向にスキャンしたときのドロップレットを示すが、ノズルの並び方向にドロップレットが広がっているため、疑似的に縦筋が見えてしまう。そこで、横方向の解像度を倍にすると図17に示した従来の画像に比べ、本実施の形態において形成された画像の方が粒状感が少なく、高画質な画像が形成される。
【0043】尚、本実施の形態では、各ノズル毎に2個のインク吐出口を設け、インク吐出口をノズルの並び方向に並べたことを特徴とするため、図10に示すような記録ヘッド1でも良い。図10は記録ヘッド1の正面図であって、インクがこちら側に飛んでくる方向に見た図である。該記録ヘッド1の動作は前記のものと同じ出あるため、これについての説明は省略する。
【0044】<実施の形態3>次に、本発明の実施の形態3を図11に基づいて説明する。
【0045】図11は本実施の形態に係る記録ヘッド1の正面図であって、インクがこちら側に飛んでくる方向に見た図である。本実施の形態に係る記録ヘッド1の前記実施の形態1に係る記録ヘッド1との違いは、吐出口2〜5の形状であって、各吐出口2〜5の区切りを細くしている。他は同じであるため、説明を省略する。
【0046】1個のノズルで形成されたドロップレットの輪郭は図4に示したものと同じである。全ノズル吐出し、主走査方向にスキャンしたときのドロップレットは図5に示したものと同じである。
【0047】電熱変換素子(ヒータ)の上に各吐出口2〜5の区切りがある。それが吐出時に発生する泡の力で破損を防ぐため、実施の形態1よりも細くしたものである。
【0048】<実施の形態4>次に、本発明の実施の形態4を図12〜図14に基づいて説明する。
【0049】図12は本実施の形態に係る記録ヘッド1の正面図であって、インクがこちら側に飛んでくる方向に見た図である。
【0050】本実施の形態に係る記録ヘッド1と前記実施の形態1に係る記録ヘッド1との違いは、7個の吐出口2で1個のノズルを構成している点であり、他の構成は同じであるため説明を省略する。
【0051】1個のノズルにて7個のインクを吐出してメディアに着弾すると、従来は1個の大きなドットだったものが、7個の小さなドットが形成される。 図13は1個のノズルで形成されたドロップレットの輪郭を示す。1個のノズルで7個のインクが少しずつずれて着弾し、小さなドロップレットが7個形成される。
【0052】図14に本実施の形態に係る記録ヘッド1で全ノズル吐出し、主走査方向にスキャンしたときのドロップレットを示すが、図5に示した画像に比べ、本実施の形態において形成された画像の方が更に粒状態が少なく、高画質な画像となる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1記載の発明によれば、吐出手段から複数のインク滴を吐出することによって、細かいインク滴による高画質の画像形成が可能になるという効果が得られる。
【0054】又、請求項2記載の発明によれば、1個のノズルからノズルの並び方向にインク滴を分割して吐出することによって印刷密度を上げることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成13年1月17日(2001.1.17)
【代理人】 【識別番号】100092853
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮一
【公開番号】 特開2002−210931(P2002−210931A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−8555(P2001−8555)