トップ :: B 処理操作 運輸 :: B41 印刷;線画機;タイプライタ−;スタンプ




【発明の名称】 記録装置及び記録装置の組立方法
【発明者】 【氏名】木下 治

【要約】 【課題】組立性及び分解性を向上させ、且つ小型化を実現できるようにすること。

【解決手段】ロアケース28内に、制御基板40とプリンタ本体11とがオーバーラップした状態で設置されるプリンタ10であって、ロアケースの内側には、組立工程でプリンタ本体を制御基板に対しずらした状態で仮置き可能な前方仮置き部46及び後方仮置き部47が形成されたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロアケース内に、基板と記録装置本体とがオーバーラップした状態で設置される記録装置であって、上記ロアケースの内側には、組立工程で上記記録装置本体を上記基板に対しずらした状態で仮置き可能な仮置き部が形成されたことを特徴とする記録装置。
【請求項2】 ロアケース内に、基板及び記録装置本体を組み付ける記録装置の組立方法において、まず、上記ロアケース内に上記基板を組み付けし、次に、上記記録装置本体を上記基板に対しずらした状態で、上記ロアケースの内側に形成された仮置き部に仮置きし、次に、上記記録装置本体と上記基板とを結線し、その後、上記記録装置本体を上記基板に対しがオーバーラップした状態で上記ロアケース内に組み付けることを特徴とする記録装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置本体及び基板のロアケースへの組立性及び分解性を改善した記録装置及び記録装置の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置には、記録ヘッドをプラテンの軸方向に走査させる間に、この記録ヘッドにおける多数の記録ワイヤをインクリボンを介して、上記プラテンの前方周面に位置するシートに打ち付け、このシートに記録書込を実施するドットインパクトプリンタがある。
【0003】このようなプリンタでは、記録ヘッド及びプラテン等を備えた記録装置本体としてのプリンタ本体と、このプリンタ本体の動作を制御する電気回路基板(つまり制御基板)とがロアケース内に設置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記プリンタ本体と制御基板とがオーバラップした状態でロアケース内に組み付けられる場合には、プリンタ本体と制御基板とをハーネス等を用いて結線するための作業空間が非常に狭くなる。このため、上記ハーネス等によるプリンタ本体と制御基板との結線作業及び分離作業が困難となり、プリンタの組立性及び分解性が低下してしまう。
【0005】また、プリンタ本体と制御基板とがオーバラップせず、ずれた状態で組み付けられている場合には、上述のハーネス等を用いた結線及び分離作業は容易化されるものの、プリンタが大型化して、プリンタの据付スペースが増大してしまう。
【0006】本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、組立性及び分解性を向上させ、且つ小型化を実現できる記録装置及び記録装置の組立方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、ロアケース内に、基板と記録装置本体とがオーバーラップした状態で設置される記録装置であって、上記ロアケースの内側には、組立工程で上記記録装置本体を上記基板に対しずらした状態で仮置き可能な仮置き部が形成されたことを特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、ロアケース内に、基板及び記録装置本体を組み付ける記録装置の組立方法において、まず、上記ロアケース内に上記基板を組み付けし、次に、上記記録装置本体を上記基板に対しずらした状態で、上記ロアケースの内側に形成された仮置き部に仮置きし、次に、上記記録装置本体と上記基板とを結線し、その後、上記記録装置本体を上記基板に対しがオーバーラップした状態で上記ロアケース内に組み付けることを特徴とするものである。
【0009】請求項1または2に記載の発明には、次の作用がある。
【0010】ロアケースの内側には、組立工程で記録装置本体を基板に対しずらした状態で仮置き可能な仮置き部が形成されたことから、記録装置の組立工程において、ロアケース内に基板を設置した後、記録装置本体を仮置き部に仮置きすることにより、記録装置本体と基板とをハーネス等で結線するための作業空間を良好に確保できる。この結果、ハーネス等を用いた上記結線作業を容易に実施できるので、記録装置の組立性及び分解性を向上させることができる。
【0011】また、基板と記録装置本体とがオーバーラップした状態でロアケース内に設置されることから、記録装置の小型化を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0013】図1は、本発明に係る記録装置の一実施の形態が適用されたドットインパクトプリンタを示す斜視図である。図2は、図1のアッパケースを除いたプリンタ本体等を示す斜視図である。
【0014】これらの図に示す記録装置としてのプリンタ10は、記録ヘッドの図示しない多数の記録ワイヤを、インクリボン(図示せず)を介してシートS(図4)に打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。ここに、上記シートSは、単票紙及び複写紙等の普通紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)シート、コート紙またはフィルム等である。
【0015】このプリンタ10は、図3に示すように、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11に着脱自在に装着されたプッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13と、同じくプリンタ本体11に着脱自在に装着されたシート供給ガイド26と、プリンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆うアッパケース27及びロアケース28と、を有して構成される。
【0016】上記プリンタ本体11は、図2〜図5(特に図4)に示すように、本体フレームとしてのベースフレーム14、シート案内フレーム15、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた印刷機構部20と、プラテン21、シート案内22及びピンチローラ29を備えたシート搬送機構部23と、を有して構成される。
【0017】図3及び図4に示すプッシュトラクタユニット12は、シートS(図4)としての連続紙をシート搬送機構部23へ送り出し、シート供給ガイド26は、シートSとしての単票紙を1枚づつ手差しで、シート搬送機構部23へ供給する。また、排出ユニット13は、連続紙または単票紙をシート搬送機構部23からプリンタ10外へ引き出すものである。
【0018】つまり、プッシュトラクタユニット12のトラクタベルト30(図3)の回転により、連続紙は、シート搬送機構部23のシート案内22に案内され、このシート案内22とプラテン21との間に形成されるシート搬送経路31を経てプラテン21へ向い、矢印A方向に送給される。このプッシュトラクタユニット12の非動作時に、シート供給ガイド26から手差しによって単票紙が一枚づつ、シート搬送経路31を経てプラテン21へ供給可能とされる。
【0019】また、排出ユニット13の排出ローラ25の回転により、後述のごとく記録ヘッド18により文字等が記録された連続紙または単票紙は、シート搬送機構部23のプラテン21から矢印B方向に引き出される。これにより、連続紙または単票紙は、キャリッジ19の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
【0020】前記キャリッジ19は、キャリッジガイド軸24に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18を搭載する。キャリッジガイド軸24がプラテン21と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらのプラテン21及びキャリッジガイド軸24の軸方向と一致する主走査方向に、キャリッジガイド軸24に案内されて移動(走査)可能に設けられる。
【0021】前記記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ(不図示)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方に図示しないインクリボンが位置する。記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走査する間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、インクリボンのインクをプラテン21と記録ヘッド18との間に搬送されるシートS(連続紙または単票紙)に付着させて、このシートSに文字を含む画像を記録する。
【0022】記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が主走査方向左向きまたは右向きに走査する間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、シート搬送機構部23のプラテン21、ピンチローラ29,プッシュトラクタユニット12,排出ユニット13が、シートSを所定量(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
【0023】尚、図4に示す符号32は、ベースフレーム14とシート案内フレーム15との間に開口して形成されて、プリンタ10の下方からシート搬送機構部23内へシートSとしての連続紙を供給するためのボトムシート供給口である。
【0024】ところで、上述のようなプリンタ10では、図2〜図5(特に図4)に示すように、ロアケース28内の後方部に制御基板40が、ロアケース28内の中央部及び後方部にプリンタ本体11がそれぞれ設置されている。上記制御基板40は、プラテン21、プッシュトラクタユニット12、排出ユニット13の制御、キャリッジ19の制御、記録ヘッド18の記録ワイヤによる記録動作の制御等を実行するものである。この制御基板40は、シールドプレート41により覆われて、電気的に遮蔽されている。
【0025】これらのプリンタ本体11及び制御基板40は、特に図4及び図5に示すように、プリンタ本体11の後方部分と制御基板40の大部分とがオーバーラップして配設される。これにより、プリンタ10の据付スペースが減少されて、プリンタ10の小型化が実現される。
【0026】プリンタ本体11及び制御基板40が上述のようにオーバラップするプリンタ10の組立状態においては、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17に左右一対づつ設けられた前方取付部42、後方取付部43が、ロアケース28内に形成された各一対の前方取付ボス44、後方取付ボス45にそれぞれボルト等で締結されて、プリンタ本体11はロアケース28内に組み付けられ設置される。ところが、プリンタ本体11をロアケース28内に上述のように組み付ける組立途中において、プリンタ本体11は、ロアケース28内に形成された前方仮置き部46及び後方仮置き部47に、図7及び図8に示すように一旦仮置きされる。
【0027】つまり、プリンタ10の組立工程では、図6に示すように、プリンタ本体11をロアケース28内に組み付ける前に、まず、制御基板40がロアケース28の後方部に組み付けられて設置される。
【0028】次に、プリンタ本体11が図7〜図9に示すように、前方仮置き部46及び後方仮置き部47に仮置きされる。前方仮置き部46は、図6及び図8に示すように、ロアケース28内の前方部に立設された基板設置部48の後面に板状に一体形成される。この基板設置部48は、操作パネル部49(図1)の内側に設けられた操作スイッチ(不図示)等を配置した電気回路基板(つまり操作パネル基板50)を設置するものである。上記前方仮置き部46は複数枚設けられ、それらの高さは、ロアケース28の前方取付ボス44よりも高い寸法に設定される。また、上記後方仮置き部47は、ロアケース28内において、各後方取付ボス45近傍にそれぞれ一対設けられ、ロアケース28と一体成形される。これらの後方仮置き部47の高さは、後方取付ボス45よりも高い寸法に設定される。
【0029】プリンタ本体11の仮置き状態では、複数枚の前方仮置き部46がプリンタ本体11のベースフレーム14を支持し、一対の後方仮置き部47がプリンタ本体11のシート案内フレーム15を支持する。これらの前方仮置き部46及び後方仮置き部47は、プリンタ本体11の仮置き時に、このプリンタ本体11がロアケース28に組み付けられた時よりもプリンタ10の前方側へ寸法Lだけずれて位置付けられるよう、ロアケース28に配置される。すなわち、このプリンタ10の仮置き状態で、プリンタ本体11の前方取付部42はロアケース28の前方取付ボス44に対し、また、プリンタ本体11の後方取付部43はロアケース28の後方取付ボス45に対し、それぞれプリンタ10の前方へ寸法Lだけずれて位置付けられる。これにより、プリンタ本体11の仮置き状態では、プリンタ本体11から延びたハーネス51を制御基板40の所定位置に接続するための作業空間が良好に確保される。
【0030】次に、プリンタ本体11の仮置き状態において、上述の如くプリンタ本体11から延在した複数本のハーネス51を制御基板40のそれぞれの所定位置に接続して、プリンタ本体11と制御基板40とを結線する。
【0031】その後、プリンタ本体11をロアケース28の前方仮置き部46及び後方仮置き部47から外し、プリンタ本体11の前方取付部42をロアケース28の前方取付ボス44に、プリンタ本体11の後方取付部43をロアケース28の後方取付ボス45にそれぞれ位置付け、プリンタ本体11と制御基板40とを前述の如くオーバラップさせる。そして、前方取付部42と前方取付ボス44を、後方取付部43と後方取付ボス45をそれぞれボルト等で締結して、図2に示すように、プリンタ本体11をロアケース28に組み付ける。最後に、図1に示すように、プリンタ本体11をアッパケース27で覆い、このアッパケース27をロアケース28に固定してプリンタ10を組み立てる。
【0032】上述のようにプリンタ10が構成されたことから、次の効果■及び■を奏する。
【0033】■ロアケース28の内側には、組立工程でプリンタ本体11を制御基板40に対しずらした状態で仮置き可能な前方仮置き部46及び後方仮置き部47が形成されたことから、プリンタ10の組立工程において、ロアケース28内に制御基板40を設置した後、プリンタ本体11を前方仮置き部46及び後方仮置き部47に仮置きすることにより、プリンタ本体11と制御基板40とをハーネス51等で結線するための作業空間を良好に確保できる。この結果、ハーネス51を用いた上記結線作業を容易に実施できるので、プリンタ10の組立性及び分解性を向上させることができる。
【0034】■プリンタ本体11と制御基板40とがオーバラップした状態で、ロアケース28に組み付けられ設置されることから、プリンタ10の据付スペースが減少されて、プリンタ10の小型化を実現できる。
【0035】以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0036】例えば、上記実施の形態では、ドットインパクトプリンタに本発明を適用するものを述べたが、インクジェットプリンタ等の他の記録装置や、イメージリーダ又は複写機等にも本発明を適用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に係る記録装置によれば、ロアケース内に、基板と記録装置本体とがオーバーラップした状態で設置される記録装置であって、上記ロアケースの内側には、組立工程で上記記録装置本体を上記基板に対しずらした状態で仮置き可能な仮置き部が形成されたことから、組立性及び分解性を向上させ、且つ小型化を実現できる。
【0038】請求項2に記載の発明に係る記録装置の組立方法によれば、ロアケース内に、基板及び記録装置本体を組み付ける記録装置の組立方法において、まず、上記ロアケース内に上記基板を組み付けし、次に、上記記録装置本体を上記基板に対しずらした状態で、上記ロアケースの内側に形成された仮置き部に仮置きし、次に、上記記録装置本体と上記基板とを結線し、その後、上記記録装置本体を上記基板に対しがオーバーラップした状態で上記ロアケース内に組み付けることから、組立性及び分解性を向上させ、且つ小型化を実現できる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成12年7月6日(2000.7.6)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉 (外1名)
【公開番号】 特開2002−19225(P2002−19225A)
【公開日】 平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願番号】 特願2000−205224(P2000−205224)