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【発明の名称】 外装材及びその製造方法
【発明者】 【氏名】佐藤 正人

【要約】 【課題】金属製の表面材にウレタン系硬質フォームを積層し、裏面にシート状の裏面材を積層接着するようにした外装材で施工するにあたり、外壁面のフラット性を向上させるようにする。

【解決手段】連続して巻き出される金属製の表面材Hの断面形状を略樋状の樋状部dに成形するとともに、両側部に嵌合部kを成形し、樋状部dに独立気泡率が50%以下のウレタン系硬質フォーム原料を充填して発泡硬化させ、この発泡時に、ウレタン系硬質フォームJの表面に、穴aを有するシート状裏面材Rを積層接着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断面形状が略樋状の金属製の表面材に、独立気泡率50%以下のウレタン系硬質フォームが充填され、このウレタン系硬質フォーム上に、多数の穴を有するシート状の裏面材が積層接着されてなることを特徴とする外装材。
【請求項2】 連続して巻き出される表面材に対して、その断面形状を略樋状に成形し、且つこの表面材の両側部に、外装材同士を嵌合させるための雄や雌等の嵌合部を成形する工程と、成形された樋状部に独立気泡率が50%以下のウレタン系硬質フォーム原料を供給して発泡させる工程と、この発泡時に、ウレタン系硬質フォームの表面に、穴を有するシート状裏面材を積層接着する工程を備えたことを特徴とする外装材の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば外壁材や屋根材等の外装材、及び外装材を製造するのに好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば金属製の表面材とシート状の裏面材との間に硬質ポリウレタンフォームを挟んでサンドイッチ状態にするような断熱性を有する外装材が知られており、このような外装材を連続的に製造する技術として、連続的に巻き出される表面材の両側を曲げて断面略樋状の樋状部を形成し、この樋状部にウレタン系硬質フォーム原料を供給して発泡させつつダブルコンベアに向けて送り込み、同時に別の場所から巻き出される裏面材をダブルコンベア内で合体させて断熱性を有する外装材を製造するような技術が知られている。この際、外装材を構成する表面材は、断面形状を樋状にする成形する際に、外装材とした時に外装材同士を嵌合させるための雄や雌等の嵌合部も成形されるのが一般的である。このようにして得られる長尺の外装材は、建屋の外壁を構築するために、各外装材の嵌合部に、隣接する外装材の嵌合部を連結して外壁を構成する。そして、嵌合部で連結して得られた外壁面は、全体としてフラット(平坦)で仕上がりも良好なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、市場の要望はもう一段高いレベルに推移するようになっている。すなわち、上記のようにして得られる外装材は、ウレタン系硬質フォーム原料を使用しているため、その特性上、発泡して硬化及び養生の過程で、ウレタン系硬質フォーム単体のみで評価した時、長さでみて0.5〜5%程度の収縮が生じる。また、ウレタン系硬質フォームは、低温または高温に長く晒されると寸法変化を生じ易いものである。そのようなウレタン系硬質フォームの寸法変化により、特に表面材と裏面材の材料が異なる外装材においては、外装材の反りの原因となり、これが外壁面の僅かな歪みとなって現れて問題視されるようになった。
【0004】本発明は、このような市場の要望に答えるためになされたものであり、外壁面のフラット性を従来に較べて向上させることが出来る外装材及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ウレタン系硬質フォームの独立気泡率を下げることにより、ウレタン系硬質フォームの寸法安定性が向上し、その結果として外装材の反りも抑制されるのではないかと考えた。その際、独立気泡率を下げることにより、生成時のウレタン系硬質フォームからのガスが増加し、このため、裏面側を平坦にし且つ反りを抑制するために設ける裏面材が、ガスの影響で剥離し易くなることに対しては、裏面材にガス抜けのための穴を設ければ良いのではないかと考えて実験を重ねた結果、以下のような構成により外装材の反りと裏面材の剥離防止に顕著な効果を有し、しかも断熱性の低下も僅かであることが判った。
【0006】すなわち、本発明では、外装材として、断面形状が略樋状の金属製の表面材に、独立気泡率50%以下のウレタン系硬質フォームが充填され、このウレタン系硬質フォーム上に、多数の穴を有するシート状の裏面材を積層接着されるものとした。また、製造方法においては、連続して巻き出される表面材に、その断面形状を略樋状に成形し且つ得られる外装材同士を嵌合させるための雄や雌等の嵌合部を成形するとともに、この樋状部に独立気泡率が50%以下のウレタン系硬質フォーム原料を供給して発泡させ、ウレタン系硬質フォームの発泡時の表面に、穴を有するシート状裏面材を積層接着するようにした。
【0007】このように、独立気泡率を50%以下にすることにより、ウレタン系硬質フォームの寸法安定性が向上して、外装材の反りを抑制することが出来、また、穴を有する裏面材を用いることにより、ガスの影響で剥がれにくくなる。ここで、独立気泡率は、ウレタン系硬質フォームのコア部について、ASTMD−2856に基づいて測定したものである。また、裏面材の穴の程度は、あまり小さすぎるとガスが抜けにくくなり、また大きすぎると裏面材の強度が低下するため、適切な大きさで適切な数にするが、通常のサイズの断熱建材等の場合、一つの穴の径は0.03〜1.0mmφ程度で、数は100cm当たり1個程度またはそれ以上が適当である。
【0008】因みに、製造装置としては、連続して巻き出される表面材を略樋状に成形し且つ両側部に嵌合部を成形するための成形手段を設け、その下流に前記樋状部にウレタン系硬質フォーム原料を供給し得る樹脂供給手段を配設するとともに、別の箇所から連続して巻き出される裏面材に連続的に穴を明けることの出来る穴明け手段を設け、また前記表面材と裏面材とを発泡樹脂材料を介して合体させるためのダブルコンベアを設けるようにすれば良い。
【0009】このような装置構成により、既存の製造装置を殆どそのまま活用し、裏面材に穴を明けるための穴明け手段だけを追加すれば良いため、設備を簡素に構成出来て好適である。ここで、穴明け手段としては、裏面材に連続的に穴を明けることが出来れば任意であり、例えば裏面材が紙面材等の素材であれば、穴明け手段として、針布をロールに巻き付けたもの等を適用することが出来、これを裏面材に押し付けて穴明けできるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明に係る外装材の製造装置の概要図、図2は製造された外装材の説明図である。
【0011】本発明に係る外装材は、例えば図2に示すような表面材Hと裏面材Rとの間にウレタン系硬質フォームJがサンドイッチ状態で挟まれるような長尺状の外装材Dである。ウレタン系硬質フォームJは、連続気泡構造の硬質ポリウレタンフォームまたはウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームであり、且つ発泡剤は、水またはこれに二酸化炭素発泡剤が併用されたものを使用することにより脱フロン化を達成し、環境問題にも対応出来るようにしている。そして、ウレタンフォームに貼り合わせられる裏面材Rが剥離し易くなるのを防止し、また裏面材Rが紙面材等の場合に、裏面材Rが膨らんだり、シワが発生する等の不具合を防止出来るようにされている。
【0012】ここで、本実施例における外装材Dについて更に詳しく説明すると、前記表面材Hは、例えばカラー鋼板、カラーステンレス板、カラーアルミ板、ガルバリウム鋼板、銅板等の金属製板であり、図2に示すように、略樋状の樋状部dを備えるとともに、両側端部には、隣接する外装材Dの端部に嵌合し合うための嵌合部kが形成されている。
【0013】また、ウレタン系硬質フォームJは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分に触媒、発泡剤、整泡剤、及び難燃剤等を混合して、短時間に発泡成形した硬質ポリウレタンフォーム、またはウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームであり、例えば、ポリオール成分として、ポリエーテルポリオール100重量部に対して、発泡剤としての水が11重量部、難燃剤が15重量部、整泡剤としてのシリコーンが2重量部、反応促進のための触媒が4.5重量部、ポリイソシアネート成分として、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネートが233重量部等のものが使用される。また、裏面材Rとしては、発泡剤として水を用いたものは、合成樹脂フィルム等の接着性が良好でないので、例えばクラフト紙、炭酸カルシウム紙、アルミ箔ラミネート紙等の紙面材とするのが好ましい。
【0014】かかる外装材Dを製造する装置について説明する。図1に示すように、製造装置1は、アンコイラー2から巻き出される表面材Hの下流側に、エンボスロール3と成形手段としての成形機(ロールフォーミング)4を順次備えており、エンボスロール3によって、表面材Hの表面に意匠模様等の凹凸形状を刻設した後、成形機4によって、樋状部dと両端部の嵌合部kを形成するようにしている。
【0015】またその下流には、ウレタン系硬質フォーム原料を供給するための吐出ヘッド5と、ダブルコンベア6が直列に配置されており、吐出ヘッド5では、ポリオール成分とポリイソシアネート成分のウレタンフォーム原料をミキシングして、表面材Hの樋状部d内に均一に供給出来るようにされている。
【0016】一方、この表面材Hの上部には、裏面材Rが巻き出されるリール7が設けられており、またその下流側には、穴明け手段としての穴明けローラ8が設けられている。そしてこの穴明けローラ8によって、連続的に裏面材Rに穴aを明けることが出来るようにしている。因みに、本実施例では、穴明けローラ8として、針布をロールに巻き付けたものを使用するようにしており、針の径は、裏面材Rに明けられる穴aの大きさがガス抜きに有効であり、また裏面材Rの強度低下に繋がらないよう、例えば0.03〜1.0mmφ程度の穴aを明けることが出来るような径にし、また針で明けられた穴aの数は、100cm当たり1個程度またはそれ以上になるようにしている。
【0017】前記ダブルコンベア6は、表面材Hの樋状部d内に供給されたウレタン系硬質フォームJの上面に、裏面材Rを重ね合わせて、前記原料の発泡時の自己接着力により貼り合わせることが出来るようにされ、上下のコンベアによって、発泡硬化するウレタン系硬質フォームJの厚みを一定に規制出来、且つ裏面が平坦に出来るようにされている。また、このダブルコンベア6の下流側には、所定のサイズで外装材Dを切断するための切断機9が配設されている。
【0018】以上のような製造装置1を使用した断熱材Dの製造方法について説明する。金属製の表面材Hをアンコイラー2から巻き出し、エンボスロール3によってエンボス加工した後、成形機4によって樋状部dと両端嵌合部kを形成する。そして成形された樋状部d内に、吐出ヘッド5からウレタン系硬質フォーム原料を供給し、発泡させつつダブルコンベア6に向けて送り込む。
【0019】一方、上方のリール7から、紙面材等の裏面材Rを巻き出し、穴明けローラ8によって穴aを明けた後、ダブルコンベア6に送り込み、発泡中のウレタン系硬質フォームの上面に重ね合わせて発泡時の自己接着力により貼り合わせて合体させる。この際、ウレタン系硬質フォームから生成されるガスは裏面材Rの穴aを通して外部に排出され、裏面材Rとウレタン系硬質フォームとの接着力を高めることが出来る。また、ガスが裏面材Rとウレタン系硬質フォームの間に溜まって裏面材Rが膨らんだり、シワが発生したりするような不具合がない。
【0020】そして、ダブルコンベア6で一体化された外装材Dは、下流の切断機9で所定のサイズに切断され製品となるが、裏面材Rが剥がれ易くなったり、シワ等が発生するような不具合がなく、品質の良い外装材Dが効率良く製造出来る。以上のような方法により製造された外装材Dは、建屋の外壁材や屋根材等に使用される。
【0021】次に、本発明の外装材Dの効果等の実験結果について説明する。まず、独立気泡率95%のウレタン系硬質フォーム原料を用いて、厚み0.25mmのカラー鋼板を略樋状に成形した樋状部に充填し、その裏面にクラフト紙を積層接着して、幅0.4m、長さ3mの外装材を得た。これを比較例1とした。また、独立気泡率45%のウレタン系硬質フォーム原料を用いて、厚み0.25mmのカラー鋼板を略樋状に成形した樋状部に充填し、その裏面に穴明き(4個/100cm、穴径0.1mm)クラフト紙を積層接着して、幅0.4m、長さ3mの外装材を得た。これを実施例1とした。
【0022】上記実施例1と同様の内容で穴なしクラフト紙を使用した参考例1の外装材を作製したところ、クラフト紙は部分的にしか接着しておらず、製品としては不完全なものであった。
【0023】また、製造1ヶ月後、長さ3mの外装材の中央部(1.5mの位置)の幅方向表面の湾曲について、前記実施例1と比較例1のものをそれぞれサンプル数10個づつ測定した結果、全てのサンプルにおいて、裏面側がへこむような反りが発生しており、比較例1の反りの平均値は1.3mmであるのに対して、実施例1の平均値は0.2mmであった。この結果、本発明の有効性が確認された。
【0024】尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。例えば裏面材Rの材質や穴明けローラ8の具体的構成等は任意であり、また、裏面材Rの穴aの数やサイズや形状等も例示である。また、ウレタン系硬質フォームJの製造は、発泡剤として必ずしも水のみを使用するものではないが、水のみ又は二酸化炭素発泡剤が併用されたものにすることで環境問題にも対処できる。また、独立気泡率50%以下としているので、水を使用しているにも拘わらず、従来の水発泡の欠点である寸法安定性の悪さを克服することが可能となっている。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明に係る外装材及びその製造方法は、連続して巻き出される表面材を略樋状に成形し、この樋状部に独立気泡率50%以下のウレタン系硬質フォーム原料を供給するとともに、多数の穴を有する裏面材をウレタン系硬質フォームに積層接着させて外装材を製造するようにしたため、得られる外装材は反りが抑えられたものになるとともに、ウレタン系硬質フォームの生成時に発生するガスが裏面材の穴から逃げ出して、裏面材の接着強度が高まり、また裏面材が膨らんだりシワになったりするような不具合を防止出来る。因みに、製造装置も、例えば既存の断熱材の製造設備に対して、裏面材に穴を明けるための穴明け手段を追加するようにすれば簡易に構成出来るものである。
【出願人】 【識別番号】000000077
【氏名又は名称】アキレス株式会社
【出願日】 平成13年6月4日(2001.6.4)
【代理人】 【識別番号】100103126
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 修
【公開番号】 特開2002−361793(P2002−361793A)
【公開日】 平成14年12月18日(2002.12.18)
【出願番号】 特願2001−167513(P2001−167513)